JP3595358B2 - 単結晶の製造方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、化学式(Cd1-x-yMnxHgy)Te、(Cd1-x-y-zMnxHgyZnz)Te、および(Cd1-x-yMnxHgy)(SeuTe1-u )、(x,y,z および u はともに0〜1の値(ただし0及び1を除く)、以下同じ)で表される単結晶の製造方法に関する。これらの単結晶は、光通信の長距離伝送において使われる光増幅器用励起光源(波長0.98〜1.02μm)、および半導体レーザ(LD)励起SHG光源(波長0.83〜0.86μm)に搭載される光アイソレータの磁気光学素子の材料として利用される。
【0002】
【従来の技術】
多くの方法がある単結晶の作製法の中で、THM法(Travelling Heating Methodの略)と呼ばれる方法は、フラックス(溶媒)を用い、多結晶体を帯状に溶解しつつ移動することによって単結晶を作製する方法である。この方法は複雑な成分系においても適用でき、組成の変動が少なく比較的長い単結晶を作製することができる等の特徴がある。配合した原料をるつぼに充填し、真空封入し、これを加熱溶融した後、急冷して多結晶体を予め作製したうえで、TeをフラックスとするTHM法によってCd1−yHgyTe単結晶を作製できることは知られている。
【0003】
光アイソレータ等の磁気光学素子の材料として使われる(Cd1−x−yMnxHgy)Te、(Cd1−x−y−zMnxHgyZnz)Te、および(Cd1−x−yMnxHgy)(SeuTe1−u )で表される単結晶の作製にも基本的にはこの方法を適用することができる。しかしながら、特にHgを含むこれらの系の単結晶の作製時には、高温加熱時のHgの蒸気圧による内圧高騰により、るつぼが破損しやすいという問題があり、予め多結晶体を作製することもその対策になっていることは事実である。それにもかかわらず、この問題は根本的な解決に至っていないのが現状である。
【0004】
更に、この方法によって得た結晶中には、Te相の粒子が多く析出することも問題の一つである。これらの結晶が光アイソレータ等の磁気光学素子として使われた場合、結晶中に析出したTe粒子は、光の散乱の原因となり、著しい透過率の低下をもたらすという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、前記問題点を解消した、安定して単結晶を作製することが可能な、かつTeの析出を抑制した光学的性能の良好な単結晶の作製方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、Teをフラックスとして用い、THM法によって単結晶を作製する過程で使用する多結晶体を製作するにあたり、Cd、Mn、Zn、Se、Hg、Te、またはHgTeを原料として、原料の配合モル比が、それぞれ(Cd1−x−yMnxHgy):Te=1:1.01〜1.10、(Cd1−x−y−zMnxHgyZnz):Te=1:1.01〜1.10、および(Cd1−x−yMnxHgy):(SeuTe1−u )=1:1.01〜1.10となるように調整した多結晶体を作製して、化学式(Cd1−x−yMnxHgy)Te、(Cd1−x−y−zMnxHgyZnz)Te、および(Cd1−x−yMnxHgy)(SeuTe1−u )で表される単結晶の製造方法である。
【0007】
更に、本発明は、前記方法で得た多結晶体とTeとを収容したるつぼを真空に封じ、るつぼ内の充填空間全体を常にTeの融点以上の温度に保ちつつ、かつ上下方向の温度勾配を5〜50℃の範囲に保ち、THM法によって、化学式(Cd1−x−yMnxHgy)Te、(Cd1−x−y−zMnxHgyZnz)Te、および(Cd1−x−yMnxHgy)(SeuTe1−u )で表される単結晶の製造方法である。
【0008】
本発明は、以上に加えて、少なくとも上記の単結晶製造過程の開始時に、るつぼ内の充填空間の最下部にあるTeの融液と、該融液の上に位置する多結晶体との間に、所定の大きさの空間を設けて単結晶を製造する方法である。
【0009】
以上、本発明は、所定の温度勾配のもとで、Teをフラックスとして用い、多結晶体を帯状に溶解しつつ移動することによって、化学式が(Cd1-x-yMnxHgy)Te、(Cd1-x-y-zMnxHgyZnz)Te、および(Cd1-x-yMnxHgy)(SeuTe1-u )、(x,y,z および u はともに0〜1の値(ただし0及び1を除く))で表される単結晶を製造する方法において、Cd、Mn、Zn、Se、Hg、Te、またはHgTeを原料とし、前記原料の配合モル比が、それぞれ(Cd1-x-yMnxHgy):Te=1:1.01〜1.10、(Cd1-x-y-zMnxHgyZnz):Te=1:1.01〜1.10、および(Cd1-x-yMnxHgy):(SeuTe1-u )=1:1.01〜1.10の範囲の組成を持つ多結晶体を作製する過程を含み、前記多結晶体を収容するるつぼの内部空間の全体を、Teの融点以上の温度に保つとともに、結晶を育成する場所の近傍の上下方向の温度勾配が5〜50℃/cmであり、少なくとも単結晶製造過程の開始時に、るつぼ内の充填空間の最下部に存在するTeの融液の液面と、該融液の上に位置する多結晶体との間に空間を設け、前記Te融液の液面と多結晶体との間の空間の高さの範囲は、るつぼの内径相当ないし該内径の4分の1の間であることを特徴とする単結晶の製造方法である。
【0010】
【作用】
本発明が対象としている3種類の材料、(Cd1−x−yMnxHgy)Te、(Cd1−x−y−zMnxHgyZnz)Te、および(Cd1−x−yMnxHgy)(SeuTe1−u )の融点はそれぞれ、1,000℃を超える。THM法によって単結晶を作製する過程で、これらの系の多結晶体を作るために、単純に目標とする組成に配合した原料を石英るつぼに充填し、真空封入した後、溶解するために約1,050℃の温度に加熱すると、るつぼが破損するトラブルが多く発生する。この原因を追求した結果、るつぼの破損はこれに充填した原料のうち、未反応のまま残った一部のHg等の蒸気圧によることが判明した。本発明者はこの結果にもとづき、原料のTeを過剰に配合することによってHgと反応させ、未反応のHg等の存在をなくすることによって、蒸気圧による内圧の高騰を避けることを案出するに至った。
【0011】
一方、従来より多くの結晶育成報告がなされている結晶のCdxHg1−xTe系の融点は、約800℃であり、この系では、るつぼの破損はあまり問題とならなかった。その理由は、この材料の溶解は約850℃の温度で行うため、その時、たとえわずかに未反応のHgが存在していたとしても、本発明が対象とする系の溶解温度(約1,050℃)には、ほど遠く、従って、るつぼが破損するほどの蒸気圧の高騰に至らなかったためと考えられる。
【0012】
次に、単結晶中のTe粒子に言及する。一般のTHM法による単結晶作製の場合、急峻な温度勾配のもとで狭い領域にフラックスを集中させる。しかしながら、一般に用いられているTHM法の装置を、本発明の対象材料に適用すると、結晶中には多数のTe粒子が存在する結果となった。
【0013】
その原因は、狭い領域で急峻な温度勾配が強調された結果であろうと推論される。本発明は、従って、単結晶製造過程においては、石英るつぼの内部空間全体を常にTeの融点(450℃)以上とし、その上でTHM法を適用することによって、Te粒子の析出がない単結晶を製造せんとするものである。このメカニズムは明かではないが、あえてこれを推論すれば、次のようになろうか。
【0014】
単結晶作製過程において、石英るつぼ内を常にTeの融点である450℃以上の温度に保つことによって、るつぼ内壁にTeの析出は生ぜず、常に有効なフラックスとして機能することとなる。更に、固体中のTeの拡散速度は大きく、温度勾配下においてTeの移動が容易となること等が、有効に機能するためと思われる。
【0015】
更に、結晶作製の時に、多結晶体の最下部と、フラックスであるTeの融液の液面との間に適当な空間を設けて加熱を開始することによって、作製された単結晶中のTe粒子低減に効果があることも実験の結果わかった。
【0016】
この場合、石英るつぼの底部に位置するTeは溶解し、一部は蒸発し、前記多結晶体の底部に凝縮し、これがフラックスとなって多結晶体の一部を溶解する。その後、石英るつぼを降下することによって、溶解部分は帯状を形成し、順次多結晶体の上部に移動し、これが通過したあとには単結晶が生成する。つまり、一定条件のもとでは、多結晶体を溶解して帯状を形成するに必要な量のTeがこの方法のよって再現性よく取り入れられることとなる。
【0017】
以下、実施例によって、更に、本発明の内容を説明する。
【0018】
【実施例1】
Cd、Mn、Hg、およびTeを原料として、配合組成が(Cd0.66Mn0.17Hg0.17)Te1.05 となるように、全量で約60グラムを秤量し、充填空間の内径20mm、長さ約100mmの石英るつぼに充填し、真空封入する。これを加圧炉によって約18気圧、1,100℃で加熱し、るつぼに充填した原料を溶解し、5時間保持した後加熱電源を切って急冷する。この方法をとることによって、充填した原料の少なくともTe以外には未反応で残存することなく、従って、蒸気圧による内圧が過大となって石英るつぼが破損するトラブルはなく、冷却後の石英るつぼからは均一な多結晶体のインゴットを取り出すことができる。こうして得た多結晶体はその後の単結晶作製過程の出発材料とする。
【0019】
この多結晶体と約20グラムのTeを、内側の大きさが直径20mm、長さ約100mmの石英るつぼに充填し、真空封入し単結晶作製過程に供する。
【0020】
単結晶の作製は、石英るつぼを縦型に配置し、大気圧のもとで加熱して行う。図1は、本実施例で用いた単結晶育成装置を模式的に示した図である。石英るつぼ1が、常にTeの融点である450℃を超える温度にあって、局部的には最高約860℃で、かつ800℃付近となる場所では、約25℃/cmの温度勾配となる温度プロファイルを形成する電気炉2,3と、るつぼ移動機構5とによって単結晶を作製する。
【0021】
比較的平坦な温度プロファイルをもつ電気炉2,3と、局部的な加熱をするための比較的急峻な温度プロファイルを有する電気炉4とを組み合わせれば、このような温度プロファイルを得ることができる。
【0022】
単結晶作製開始時点には、フラックスであるTeの融液がある石英るつぼ1の最下部が最も温度が高くなるように、上記温度プロファイルの中で、石英るつぼの位置を調整する。多結晶体の最下部はTeによって部分的に溶解する。その後、石英るつぼを8mm/日の速度で連続的に降下することによって、溶解部分は帯状を形成し、順次多結晶体の上部に移動し、これが通過したあとには単結晶が生成する。図2(a)は、石英るつぼ1内での単結晶13が作製されつつある状態を模式的に示す。石英るつぼが十分な距離を移動した後、室温まで降温し単結晶を回収する。
【0023】
単結晶の上端部にはフラックスのTeが残留するが、この部分を除けば、ほぼ全域にわたって一様な組成の単結晶で、かつ、その内部に、ほとんどTe粒子は見当たらず、光学素子としての用途に十分耐えられるものが得られた。
【0024】
【実施例2】
Cd,Mn,Zn,HgおよびTeを原料として、配合組成が(Cd0.64Mn0.16Hg0.15Zn0.05)Te1.05となるように、全量で約60グラムを秤量し、前記実施例1記載と同様の方法によって、多結晶体を作製する。
【0025】
この多結晶体と約20グラムのTeを、内側の大きさが直径20mm、長さ約100mmの石英るつぼに充填し、真空封入し単結晶作製過程に供する。
【0026】
単結晶の作製は、石英るつぼを縦型に配置し、大気圧のもとで加熱して行う。図1は、本実施例で用いた単結晶育成装置を模式的に示した図である。石英るつぼ1が、常にTeの融点である450℃を超える温度にあって、局部的には最高約850℃で、かつ800℃付近となる場所では、約30℃/cmの温度勾配となる温度プロファイルを形成する電気炉2,3と、るつぼ移動機構5とによって単結晶を作製する。
【0027】
比較的平坦な温度プロファイルをもつ電気炉2,3と、局部的な加熱をするための比較的急峻な温度プロファイルを有する電気炉4とを組み合わせれば、このような温度プロファイルを得ることができる。
【0028】
単結晶作製開始時点には、フラックスであるTeの融液がある石英るつぼ1の最下部が最も温度が高くなるように、上記温度プロファイルの中で、石英るつぼの位置を調整する。多結晶体の最下部はTeによって部分的に溶解する。その後、石英るつぼを7mm/日の速度で連続的に降下することによって、溶解部分は帯状を形成し、順次多結晶体の上部に移動し、これが通過したあとには単結晶が生成する。図2(a)は、石英るつぼ1内での単結晶13が作製されつつある状態を模式的に示す。石英るつぼが十分な距離を移動した後、室温まで降温し単結晶を回収する。
【0029】
単結晶の上端部にはフラックスのTeが残留するが、この部分を除けば、ほぼ全域にわたって一様な組成の単結晶で、かつ、その内部にTe粒子は、ほとんど見当たらず、光学素子としての用途に十分耐えられるものが得られた。
【0030】
【実施例3】
Cd、Mn、Hg、Te、およびSeを原料として、配合組成が(Cd0.66Mn0.17Hg0.17)(Se0.05Te0.95)1.05 となるように、全量で約60グラムを秤量し、前記実施例1記載と同様の方法によって、多結晶体を作製する。
【0031】
図2(b)に示すように、内側の大きさが直径20mm、長さ約100mmで、下端から約20mmの内壁に、全周にわたって1〜2mmの鍔11を予めそなえた石英るつぼ1を単結晶製作に使う。石英るつぼ1の底部に約50グラムのTe12を、前記多結晶体15を順次充填する。多結晶体15は前記の鍔の存在のために、Te12との間に空間が形成され、これらは互いに直接は接しない(加熱されてTeが融液となった時、液面と多結晶体の底部との間には約10mmの空間が形成されることとなる)。その上で、石英るつぼを真空封入し、単結晶作製過程に供する。
【0032】
単結晶の作製は、石英るつぼを縦型に配置し、大気圧のもとで加熱して行う。図1は、単結晶の作製の状況を模式的に示した図である。石英るつぼ1が、常にTeの融点である450℃を超える温度にあって、局部的には最高約840℃で、かつ800℃付近となる場所では、約35℃/cmの温度勾配となる温度プロファイルを形成する電気炉と、るつぼ移動機構5とによって単結晶13を作製する。
【0033】
比較的平坦な温度プロファイルをもつ電気炉2,3と、局部的な加熱をするための比較的急峻な温度プロファイルを有する電気炉4とを組み合わせれば、このような温度プロファイルを得ることができる。
【0034】
単結晶作製開始時点には、フラックスであるTeの融液12がある石英るつぼ1の最下部が最も温度が高くなるように、上記温度プロファイルの中で、石英るつぼ1の位置を調整する。
【0035】
この位置で5時間保持した後、石英るつぼ1を7mm/日の速度で連続的に降下することによって、単結晶13を作製する。石英るつぼ1が十分な距離を移動した後、室温まで降温し単結晶を回収する。
【0036】
単結晶の上端部にはフラックスのTeが残留するが、この部分を除けば、ほぼ全域にわたって一様な組成の単結晶で、かつ、その内部にTe粒子は見られない。光学素子としての用途として、非常に優秀なものが得られた。
【0037】
以上の実施例において、Cd1−x−uMnxHgu,Cd1−x−u−zMnxHguZnzに対するTe、もしくは(SeuTe1−u)のモル比は、1:1.05であるが、種々のモル比について実験を行った結果、Teもしくは(SeuTe1−u)のモル比の範囲は、1:1.01〜1.10の領域が適当であることが判明した。1.01より小さいと、未反応のHgが発生し、1.10より大きいと、Hgの偏析が生じた。
【0038】
又、実施例中の育成時の上下方向の温度勾配は、25〜35℃/cmであるが、これに関して種々の実験の結果、5〜50℃/cmの範囲が適当であることが判った。この範囲より小さいか、あるいは大きい温度勾配では、育成された結晶内にTeの析出が認められた。
実施例3において、Te融液の液面と多結晶体底部の間の空間の高さは、種々の実験の結果、内径と等しいか、あるいは内径の1/4の間の範囲が適当であることが明かであった。空間の高さが内径よりも高いと、多結晶体の溶解が困難となり、内径の1/4よりも低いと、結晶内にTeの析出が認められた。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、(Cd1−x−yMnxHgy)Te、(Cd1−x−y−zMnxHgyZnz)Te、および(Cd1−x−yMnxHgy)(SeuTe1−u )系の単結晶において切望されていた、Te粒子の析出を抑制した単結晶の作製を可能とした。
【0040】
このため、これらの単結晶を、光通信の長距離伝送において使われる光増幅器用励起光源(波長0.98〜1.02μm)、および半導体レーザ(LD)励起SHG光源(波長0.83〜0.86μm)に搭載される光アイソレータ等の磁気光学素子として今後十分な品質の単結晶の供給が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた単結晶育成装置の概略と温度プロファイルを示す説明図。図1(a)は炉体の中央断面図で、図1(b)は炉内の中央部の温度分布を示す図。
【図2】本発明を実施するために使った石英るつぼを示す断面図。図2(a)は、従来の充填方法で充填した本実施例で用いた石英るつぼを示す図で、図2(b)は、本発明の充填方法で充填した本実施例で用いた石英るつぼを示す図。
【符号の説明】
1 石英るつぼ
2 電気炉
3 電気炉
4 電気炉(局部加熱用)
5 るつぼ昇降機構
6 るつぼ支持具
11 鍔
12 Te融液
13 単結晶
14 溶融帯
15 多結晶体
Claims (1)
- 所定の温度勾配のもとで、Teをフラックスとして用い、多結晶体を帯状に溶解しつつ移動することによって、化学式が(Cd 1-x-y Mn x Hg y )Te、(Cd 1-x-y-z Mn x Hg y Zn z )Te、および(Cd 1-x-y Mn x Hg y )(Se u Te 1-u )、( x,y,z および u はともに0〜1の値(ただし0及び1を除く))で表される単結晶を製造する方法において、Cd、Mn、Zn、Se、Hg、Te、またはHgTeを原料とし、前記原料の配合モル比が、それぞれ(Cd 1-x-y Mn x Hg y ):Te=1:1 . 01〜1 . 10、(Cd 1-x-y-z Mn x Hg y Zn z ):Te=1:1 . 01〜1 . 10、および(Cd 1-x-y Mn x Hg y ):(Se u Te 1-u )=1:1 . 01〜1 . 10の範囲の組成を持つ多結晶体を作製する過程を含み、前記多結晶体を収容するるつぼの内部空間の全体を、Teの融点以上の温度に保つとともに、結晶を育成する場所の近傍の上下方向の温度勾配が5〜50℃/cmであり、少なくとも単結晶製造過程の開始時に、るつぼ内の充填空間の最下部に存在するTeの融液の液面と、該融液の上に位置する多結晶体との間に空間を設け、前記Te融液の液面と多結晶体との間の空間の高さの範囲は、るつぼの内径相当ないし該内径の4分の1の間であることを特徴とする単結晶の製造方法。
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