JP3595010B2 - 給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は石油、ガス等を燃料とした加熱器でお湯を給湯カラン、及び浴槽に給湯する給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、給湯装置は風呂の追い焚き機能、風呂給湯機能、更には浴槽水位、湯温を設定された状態に保つ保温、補水機能等を付加されより複雑になっている。それに伴って制御も複雑になっている。
【0003】
従来の給湯装置は故障した場合、故障の内容に応じて操作器(以降リモコンと記載する)に異常コードをデジタル表示する機能を付加したり、過去の異常履歴をリモコンに表示する機能を付加した構成になっていた。
【0004】
この構成により、給湯装置が故障等で異常停止しても故障原因がおおよそ特定できるようになっていて、通常の故障の場合の保守、メンテ性の向上が図られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような従来の構成では全ての異常には対応できず、現場で異常の原因を特定できずメンテナンス(以下メンテと記す)が遅れたり、異常原因でもない部品を不必要に交換して多くのロスコストを生み出したりする欠点があった。
【0006】
本発明はかかる従来の欠点を解消するもので、本発明の目的は特別の装置なしで機器の状態を詳細にモニタすることで、複雑な給湯装置の解析困難な異常原因をより正確に解析して、保守、メンテ性の向上、ロスコストの低減をはかることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の給湯装置は第1に、加熱器と、前記加熱器の熱を被加熱物に伝える熱交換器と、被加熱物の搬送を行なうポンプ、弁等の複数のアクチュエータと、前記加熱器及び前記被加熱物の状態を検出する複数の検出器と、前記被加熱物の加熱温度等を設定する操作器と、前記検出器の信号と前記操作器の信号をもとに前記加熱器、前記アクチェータの制御を行うとともに前記操作器の表示を行う制御器を備え、前記操作器には少なくとも給湯温度等を設定したり運転をON/OFFするスイッチと、設定されている給湯温度等の設定状態及び前記加熱器の作動状態を表示する表示器とを備え、前記制御器は前記スイッチの内、所定のスイッチを操作することで前記表示器に異常内容に対応した以前に起こった異常コードを表示し、さらに前記所定のスイッチを別の特殊操作をすることで自己診断モードとし、自己診断モード時は前記制御器の制御データをデジタル表示するとともに、前記スイッチの内、特定のスイッチを操作することにより前記制御データの項目を選択できるようにして、前記加熱器の作動中に前記制御器の制御データを確認できるようにしたものである。
【0008】
第2に、加熱器と、前記加熱器の熱を被加熱物に伝える熱交換器と、被加熱物の搬送を行なうポンプ、弁等の複数のアクチュエータと、前記加熱器及び前記被加熱物の状態を検出する複数の検出器と、前記被加熱物の加熱温度等を設定する操作器と、前記検出器の信号と前記操作器の信号をもとに前記加熱器、前記アクチェータの制御を行うとともに前記操作器の表示を行う制御器を備え、前記操作器には少なくとも給湯温度等を設定したり運転をON/OFFするスイッチと、設定されている給湯温度等の設定状態及び前記加熱器の作動状態と時計時刻を表示する表示器とを備え、前記制御器は前記スイッチの内、所定のスイッチを操作することで前記表示器の時計表示部に異常内容に対応した以前に起こった異常コードを表示し、さらに前記所定のスイッチを別の特殊操作をすることで自己診断モードとし、自己診断モード時は前記時計表示部に前記制御器の制御データをデジタル表示するとともに、前記スイッチの内、特定のスイッチを操作することにより前記制御データの項目を選択できるようにして、前記加熱器の作動中に前記制御器の制御データを確認できるようにしたものである。
【0010】
【作用】
本発明は上記の第1の構成によって、給湯装置の操作器の所定のスイッチを特殊操作し、選択スイッチで見たいデータを選択することで給湯装置の制御データを詳細にモニタできるので故障原因の解析を速やかに、且つ正確に行うことができる。
【0011】
第2の構成によって、給湯装置の作動状態に関係しない時計表示を使用しているので、解析の際、機器の作動状態と解析データを比較しながら解析できる。
【0012】
そして、限られた表示を使ってより多くの制御データの中から必要なデータを選択して表示するので、異常原因解析の範囲が広く、また深くすることができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【0014】
図2は本発明の一実施例の全体構成図で、まず給湯機能作動時はバーナー1で熱交換器2を介して給水口3から供給される水を加熱して、出湯口4から給湯するようになっている。この時バーナー1の燃焼量は流量センサ6、入水サーミスタ7、出湯サーミスタ8、とリモコン9で設定された給湯温度設定をもとに制御器5が制御する。
【0015】
追い焚き機能作動時は、循環ポンプ10を作動させ循環戻り口11から浴槽水を吸い込み熱交換器2で加熱して循環往き口12から浴槽に戻し、浴槽水を循環させて風呂の追い焚きを行う。この時、三方弁13は循環の位置にして、循環戻り口11と循環ポンプ10を連通させる。また、風呂サーミスタ17で浴槽湯温を検出し、制御器5が浴槽温度をもとにバーナー1での燃焼量を制御する。
【0016】
風呂給湯機能作動時は風呂給湯弁14を開にする。すると給湯機能が作動し、給水口3から給水された水が熱交換器2で加熱されて風呂給湯弁13、縁切り装置15を介して、風呂循環回路16へ供給される。この時、三方弁13は三方全てが連通していない状態である閉になっているため、供給されたお湯は循環往き口12を介して浴槽へ給湯される。また、三方弁13が閉になっているため三方弁13から風呂循環戻り口11を介して浴槽までが密閉され水位検出器18によって浴槽水位の変化が圧力変化として検出される。
【0017】
燃焼制御は気化器サーミスタ20で検出した温度をもとに制御器5が気化ヒータ21を制御して気化器19の気化温度に加熱する。そこへ、燃料ポンプ22によってサブタンク23から石油を供給すると共に、送風機24で空気を供給し、気化器19で気化した気化ガスと空気を混合してバーナー1に送るようになっている。また、点火時は点火トランス25で点火電極26に高電圧を印加し、放電させて混合ガスに点火する。また点火したかどうかは炎検出器27で検出するようになっている。油面検出器28でサブタンク23の油面が一定になるように制御器5が汲み上げポンプ29を駆動して外部タンクより汲み上げるようになっている。
【0018】
30は風呂通水スイッチで循環ポンプ10が駆動され循環水が所定流量流れたことを検出する。また31は給湯通水スイッチで、所定流量以上の流量が出湯口4に流れたことを検出し、風呂給湯中にカランが開かれたことを検出する。
【0019】
次に、図1をもとに上記の基本機能を組み合わせて作動する全体動作に付いて説明する。図1は本発明の一実施例のリモコンの外観図である。
【0020】
まず、運転スイッチ32を操作すると運転、停止が切り替わる。運転になると気化器19を加熱して、いつでも燃焼できるように準備する。運転になって気化器19が燃焼可能な温度になるまで予熱表示33が点灯する。また運転中には運転表示34が点灯する。運転中に風呂自動スイッチ35を操作すると風呂自動運転が作動するとともに、風呂自動表示36点灯する。
【0021】
風呂自動運転は風呂給湯機能を使って浴槽に設定された温度のお湯を設定された水位まで張り、以降は追い焚き機能、風呂給湯機能を使って保温、補水を行い風呂自動運転中、設定された温度のお湯を設定された水位に保つ機能を持っている。
【0022】
風呂の設定水位は、水位設定表示37に表示され、水位設定スイッチ38で変更する。また、風呂の設定温度は風呂設定温度表示39に表示され、風呂温度設定スイッチ40で変更する。風呂全自運転にして設定水位、設定温度に達したら保温表示43が点灯して湯張りが完了したことを表示する。
【0023】
追い焚きスイッチ41を操作すると追い焚き運転表示42が点灯し、追い焚き運転が作動する。追い焚き運転は追い焚き機能を使って、10分間だけ強制的に追い焚きをする機能である。
【0024】
運転中に給湯カランが開かれて給湯が行われると、給湯機能を使って給湯温度設定表示44に表示されたお湯が給湯される。給湯温度設定は給湯温度設定スイッチ45によって変更する。
【0025】
燃焼表示46はバーナー1が燃焼していることを表示し、時刻表示47には通常は時計時刻を表示し、制御器5が検出器等の異常を検出したら異常内容に対応した異常コードを表示する。
【0026】
OKモニタスイッチ48を操作すると、以前に起こった異常コードを2秒間、時刻表示47部分に表示するようになっている。さらにOKモニタスイッチ48を10秒間押し続けると自己診断モードにする。また、自己診断モードでOKモニタスイッチを操作すると自己診断モードは解除され、時刻表示47は時計表示、または異常コード表示に戻るようになっている。
【0027】
(表1)は自己診断モードの時の、時刻表示47に表示される内容を示している。自己診断モードでは時刻表示47の時の桁にデータ項目番号、分の桁にデータ項目番号に対応したデータを表示するようになっている。
【0028】
【表1】
Figure 0003595010
【0029】
自己診断モードで給湯温度設定スイッチ45を操作するとデータ項目が切り替わり見たいデータを選択することができるようになっている。項目番号はヘキサ表示をする事で多くの項目を表示できるようになっている。また、給湯温度設定以外のスイッチは通常通りの受付を行うようになっている。
【0030】
制御器5は通電された日数と燃焼した累積時間をカウントするようになっていて項目0h〜3hで機器の使用状態を確認することができる。また、項目4h〜Chでは過去に起こった異常の内容を発生タイミングとともに3個まで確認できるようになっている。発生タイミングは発生したときの通電日数を付加している。
【0031】
停電時、これらのデータは制御器5内の不揮発性メモリー記録され継続して保持できるようになっている。
【0032】
15h、17h以外のDh〜1Ahの項目は主に検出器の検出値を示している。また、15h、17h、1bhは送風機、燃料ポンプ等のアクチュエータの駆動量を示している。1dh〜1Fhは装置の制御シーケンスを示している。
【0033】
従って、自己診断モードにすれば異常発生時の給湯装置の状態が詳細に把握できる。また、自己診断モードでもほとんどのスイッチを通常の通りに受け付けるようにしているので自己診断モードのままで自由に作動状態を変えることができる。
【0034】
なお、本実施例では特殊操作を10秒間の連続押しで示してあるが、特殊操作としては実施例の方法に限定するものではない。
【0035】
また、給湯装置として全自動タイプの石油給湯機の例を示しているが、これも実施例の給湯機に限定するものではない。
【0036】
【発明の効果】
以上の様に本発明の給湯装置によれば、第1に既にあるスイッチを特殊操作する事で自己診断モードにして制御データをリモコンに表示するようにしたので次の効果が得られる。
【0037】
(1)複雑な給湯装置で、原因の特定が困難な故障の原因解析が容易に、確実にできるので保守、メンテの効率化を図ることができる。また、原因特定が正確になるので誤った部品交換のロスもなくすことができる。
【0038】
(2)リモコンの操作だけで原因解析ができるので、不必要に給湯装置本体の外装を開けたりする必要がなくメンテ時間を節約できる。また、特別な機器等を準備する必要もない。
【0039】
診断データの表示を時刻表示をつかって行うようにしたので次の効果が得られる。
【0040】
(3)設定温度等の設定状態、作動状態を確認しながら診断データをみることができるので、原因解析がしやすい。
【0041】
自己診断モードでは選択スイッチで項目を選択できるようにしたので次の効果が得られる。
【0042】
(4)リモコンの限られた表示をつかって、複雑な装置の多くの診断データを表示させることができるので、多岐にわたる詳細な解析が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の操作器(リモコン)の外観図
【図2】本発明の一実施例の全体構成図
【符号の説明】
2 熱交換器
5 制御器
9 リモコン
10 循環ポンプ
32 運転スイッチ
34 運転表示
47 時刻表示
48 OKモニタスイッチ

Claims (2)

  1. 加熱器と、前記加熱器の熱を被加熱物に伝える熱交換器と、被加熱物の搬送を行なうポンプ、弁等の複数のアクチュエータと、前記加熱器及び前記被加熱物の状態を検出する複数の検出器と、前記被加熱物の加熱温度等を設定する操作器と、前記検出器の信号と前記操作器の信号をもとに前記加熱器、前記アクチェータの制御を行うとともに前記操作器の表示を行う制御器を備え、前記操作器には少なくとも給湯温度等を設定したり運転をON/OFFするスイッチと、設定されている給湯温度等の設定状態及び前記加熱器の作動状態を表示する表示器とを備え、前記制御器は前記スイッチの内、所定のスイッチを操作することで前記表示器に異常内容に対応した以前に起こった異常コードを表示し、さらに前記所定のスイッチを別の特殊操作をすることで自己診断モードとし、自己診断モード時は前記制御器の制御データをデジタル表示するとともに、前記スイッチの内、特定のスイッチを操作することにより前記制御データの項目を選択できるようにして、前記加熱器の作動中に前記制御器の制御データを確認できるようにした給湯装置。
  2. 加熱器と、前記加熱器の熱を被加熱物に伝える熱交換器と、被加熱物の搬送を行なうポンプ、弁等の複数のアクチュエータと、前記加熱器及び前記被加熱物の状態を検出する複数の検出器と、前記被加熱物の加熱温度等を設定する操作器と、前記検出器の信号と前記操作器の信号をもとに前記加熱器、前記アクチェータの制御を行うとともに前記操作器の表示を行う制御器を備え、前記操作器には少なくとも給湯温度等を設定したり運転をON/OFFするスイッチと、設定されている給湯温度等の設定状態及び前記加熱器の作動状態と時計時刻を表示する表示器とを備え、前記制御器は前記スイッチの内、所定のスイッチを操作することで前記表示器の時計表示部に異常内容に対応した以前に起こった異常コードを表示し、さらに前記所定のスイッチを別の特殊操作をすることで自己診断モードとし、自己診断モード時は前記時計表示部に前記制御器の制御データをデジタル表示するとともに、前記スイッチの内、特定のスイッチを操作することにより前記制御データの項目を選択できるようにして、前記加熱器の作動中に前記制御器の制御データを確認できるようにした給湯装置。
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