JP3593881B2 - 給湯器の制御基盤 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器の制御基盤に関し、より詳細には、交換により取り外した旧の制御基盤から給湯器の制御に必要な設定データの転送を受信可能に構成された制御基盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のガス給湯器においては、給湯器の制御基盤内に不揮発性の書き換え可能なメモリ(たとえばEEPROM)を備えるとともに、該メモリ内に、給湯器のシステムに関する設定(機種設定、ガス種設定、排気バリエーションや燃焼補正用データ等)やユーザー設定などの各種データ(以下、設定データと称する)を記憶したものが提供されている。
【0003】
そのため、このような設定データが記憶された制御基盤を、当該制御基盤の故障やアフターサービスによって新しい制御基盤に交換する必要が生じた場合、図5(a) に示すように、給湯器に装着された新しい制御基盤(以下、新制御基盤と称する)1と、給湯器から取り外された従前の旧の制御基盤(以下、旧制御基盤と称する)2とをリモコン線3などの通信線で接続して、このリモコン線3などを介して旧制御基盤2に記憶された上記設定データを新制御基盤1に転送するようにしている。
【0004】
ここで、かかる設定データの転送過程の概略を図6に示す。まず、新旧両制御基盤1,2が接続された状態で、図6ステップS1に示すように旧制御基盤2から新制御基盤1に対して設定データの転送が開始される。そして、このデータ転送開始とともに両制御基盤1,2間で設定データの転送が終了したか否かが判断され(図6ステップS2)、終了したと判断された場合には、続く図6ステップS3に示すように、新制御基盤1のメモリ(図示例ではEEPROM)に設定データの上書きが行なわれ、データ転送の処理を完了していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような新旧制御基盤間でのデータ転送方法では、旧制御基盤に記憶された設定データを、無条件にそのまま新制御基盤のメモリに記憶させているため、以下のような問題があった。
【0006】
(1) すなわち、この種の制御基盤においては、交換に際してたとえ同一形式(同回路構成)の制御基盤を交換しても、新旧両制御基盤間で制御基盤上に搭載されるマイコンのバージョン(マイコンリリースの順番)が相違する場合があり、かかる場合、マイコンのバージョンの相違から旧制御基盤から転送された設定データでは新制御基盤に搭載されたマイコンが正常に動作しない場合があった。しかも、このような場合、新制御基盤のマイコンが完全に動作しなければ問題の発見も容易であるが、マイコンバージョンの相違の程度如何によっては、とりあえず給湯器は動作するが燃焼不良等を引き起こす原因となる場合があった。
【0007】
(2) また、従来より、同一形式のマイコンを異なる回路構成等を備えた制御基盤間で共通に用いることがある。その場合、制御基盤に設けられるディップスイッチの選択操作等によって、マイコンの設定を適宜当該回路構成等に応じた設定に合わせている。ところが、制御基盤の交換時にこのディップスイッチの設定の選択等を誤った場合でも、選択された設定がマイコンの設定として許容されるものであれば、たとえ制御基盤の回路構成等に適合していない設定であってもマイコンは正常動作を開始してしまう。
【0008】
しかも、この場合、従来のデータ転送方法では、ディップスイッチの設定等に誤りがあった場合でもデータ転送および設定データの上書きが行なわれるため、制御基盤の交換を行なった作業者はこのようなマイコンの設定と回路構成等の不一致に気付くことなく作業を完了してしまうおそれがある。このことは、特に上述した回路構成等の相違点が電磁弁構成の違い(たとえば負荷としての能力切替弁はあるが制御基盤上に能力切替弁の駆動回路がない)などにある場合、燃焼後の火移りが不確実となり生ガスを放出するなどのおそれがあった。
【0009】
たとえば図5(b) に示すように、給湯器のバーナ周りが、ガス元電磁弁a、ガス圧を調節するガス比例弁b、バーナの能力を切り替える能力切替弁c,d,eと炎を検出するフレームロッドfで構成されているとする。ここで、交換によって新たに装着された制御基盤が能力切替弁dを駆動する回路を備えないものであっても、上述したようにディップスイッチ等で選択されたマイコンの設定が上記能力切替弁dの駆動回路がある場合の設定となっていれば、マイコンはその設定にしたがって正常に動作を開始することになる。
【0010】
そしてこの状態で燃焼指令が与えられ、ガス元電磁弁a、ガス比例弁bおよび能力切替弁cをそれぞれ開いてバーナに点火すれば、とりあえずフレームロッドfでは正常な燃焼が検出される。ところが、この状態で燃焼能力を徐々に上昇させると、制御基盤には能力切替弁dを駆動する回路がないので能力切替弁dは開かないまま(つまり、能力切替弁dに連通するバーナは点火されないまま)能力切替弁eが開かられることになる。そのため、能力切替弁eを開いても能力切替弁eに連通するバーナには火移りは起こらず、その結果として生ガスが放出されるというおそれがあった。
【0011】
(3) また、この種の制御基盤では、上記メモリ内に、給湯器本体および該制御基盤において制御を行なう各装置(ないし部品)等の製品ロット番号等を予め記憶させておき、この製品ロット番号等を用いて給湯器本体ならびに各装置の管理を行なうものがある。つまり、この種の制御基盤には、たとえば制御基盤で制御される各種装置(あるいはその部品)に故障が発見された場合に、当該故障が発生した装置ないしは部品の故障箇所や故障状況といった情報を上記製品ロット番号等と関連付けて蓄積するソフトウェアが内蔵されていることがある。
【0012】
しかしながら、上述した従来のデータ転送方法では、新制御基盤には上述した設定データのみが転送されるため、新制御基盤に旧制御基盤で管理されていた製品の製品ロット番号等が転送されず、その結果、上述した各装置等の管理機能が十分に機能しなくなるといった問題もあった。
【0013】
(4) さらに、この種の制御基盤を備えた給湯器にはリモコンが設けられることがあり、かかるリモコンを介して制御基盤に対して各種の遠隔操作指令が与えられる。そのため、この種の制御基盤では電源が投入されると、制御基盤側ではまずリモコンが接続されているか否かの接続確認が行なわれる。
【0014】
ところが、制御基盤の交換時には、新制御基盤と旧制御基盤とが図5(a) のように接続されているため、この状態で両制御基盤の電源を投入すると新旧両制御基盤が接続確認を開始する。そのため、その間、両制御基盤間での通信が非常に忙しくなり、伝送線上で通信データが衝突する危険が高くなるという問題を有していた。その一方、このような事態を回避するために接続確認の開始時期を遅く設定すると、たとえば給湯運転中に電源が瞬断するなどした場合に、電源復帰後燃焼動作が復帰するまでの時間が長くなるという問題があった。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みて提案されたもので、制御基盤の交換に伴う新制御基盤への設定データの転送を確実に行い得る給湯器の制御基盤を提供するとともに、制御基盤交換時における設定データ転送を円滑かつ速やかに行い得る給湯器の制御基盤を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る給湯器の制御基盤は、少なくともマイコンと、給湯器システムのシステムに関する設定やユーザー設定などの設定データを記憶する領域と基盤識別データを記憶する領域とを有する不揮発性メモリと、上記設定データおよび基盤識別データを一時的に記憶するメモリとを備えてなり、基盤交換時に、旧の制御基盤から転送される旧制御基盤の設定データおよび基盤識別データを上記メモリに一時的に記憶させる手順と、旧制御基盤から転送された基盤識別データと自己の保持する制御基盤の基盤識別データとを比較する手順と、この比較結果に応じて上記旧の制御基盤から転送された設定データを上記不揮発性メモリに上書きして記憶するか否かを判定する手順とを有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする。
【0017】
すなわち、この請求項1に係る発明では、予め制御基盤の不揮発性メモリ内に、該制御基盤を識別するための基盤識別データが記憶される。そして、制御基盤の交換時に、これら新旧両制御基盤に記憶された基盤識別データが比較され、旧制御基盤の設定データが新制御基盤で使用可能か否かが判断される。そして、設定データが新制御基盤でも使用可能であると判断された場合にのみ旧制御基盤から転送される設定データが新制御基盤の不揮発性メモリに上書きされる。したがって、本発明の制御基盤によれば、上記判断の結果、旧制御基盤の設定データが新制御基盤で使用不可(乃至は不適)と判断された場合には、新制御基盤に対して設定データの上書きは行なわれないので、制御基盤の交換時のデータ転送に伴う制御基盤の誤動作等を回避できる。
【0018】
ここで、制御基盤に予め記憶させる基盤識別データとしては、制御基盤に搭載されるマイコンのバージョン情報の他、制御基盤の種類(基盤セットの種類)や制御基盤の回路構成さらにはディップスイッチの設定など制御基盤の機能や動作を決定するのに必要な基盤情報を記憶させることが好ましい。
【0019】
つまり、交換する制御基盤が同一形式(同一回路構成)の制御基盤であれば、少なくとも当該基盤に搭載されるマイコンのバージョンが一致ないし適合していれば、後は作業者がディップスイッチの設定などを誤らなければ制御基盤は正常動作を行なうので、請求項2の発明では、最低限マイコンのバージョン情報の比較のみを行なって設定データの上書き可否の判断を行なう。これに対し、交換する制御基盤が同一形式でない(回路構成が異なる)場合には、たとえマイコンのバージョンが一致ないし適合していても、基盤セットの種類や回路構成の相違などによって給湯器は誤動作することになる。また、ディップスイッチの設定の誤りなどによっても同様である。そのため、請求項3の発明では、基盤セットの種類や回路構成さらにはディップスイッチの設定など、制御基盤の機能や動作を決定するのに必要な基盤情報を比較することにより、これらが交換される新制御基盤において旧制御基盤のものと一致ないし適合するかを判断し、その結果によって上記設定データの上書き可否の判断を行なう。
【0020】
また、請求項4に係る給湯器の制御基盤は、請求項1に記載の給湯器の制御基盤において、前記旧の制御基盤から転送された設定データを前記不揮発性メモリに上書きして記憶させると判定された際に、前記旧の制御基盤に記憶された給湯器本体および給湯器本体の制御基盤で制御される個々の装置等を識別するための装置等識別データを転送させて前記不揮発性メモリに上書きする手順を有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする。
【0021】
すなわち、この請求項4に記載の発明では、予め制御基盤のメモリ内に、給湯器本体および該制御基盤で制御される各装置の装置等識別データが記憶される。この装置等識別データとしては、たとえば給湯器本体や各装置の製品ロット番号を用いることが好ましく、これによりロット番号等を用いて給湯器の本体や部品の管理などを行なうように構成された制御基盤においても、制御基盤交換にかかわりなく継続して部品等の管理を行なうことができる。
【0022】
さらに、本発明の請求項5に係る給湯器の制御基盤は、少なくともマイコンと、データを記憶するメモリと、基盤交換時に旧の制御基盤からの設定データの転送を受信して保管する機能とを備えた給湯器の制御基盤であって、動作開始後に所定周期でリモコンの接続の有無を検知するための接続確認信号を出力し、リモコンからの返答信号を受信してリモコンの接続を確認する構成を備えた制御基盤において、動作開始後に他の制御基盤からの接続確認信号を受信した場合に、当該他の制御基盤に対して上記リモコンが接続されているかのように見せる疑似返答信号を出力して、上記他の制御基盤にリモコンの接続を検出させる手順を有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする。その際、この制御基盤は、上記疑似返答信号を送出する場合に、自己が送信する接続確認信号の出力周期を延長して、上記設定データの転送を先行して行なわせる手順を有するソフトウェアを内蔵することが好ましい。
【0023】
つまり、この請求項5に記載の給湯器の制御基盤は、電源投入(動作開始)後にリモコン接続の有無を検知するための接続確認信号を出力する構成を備えた制御基盤であり、このような制御基盤では、基盤交換時に設定データの転送を行なうために新旧両制御基盤を接続した状態で電源を投入すると、新旧両制御基盤がともに接続確認信号を出力することになるので、請求項5の発明では、いずれか一方の制御基盤が、先に立ち上がった他方の制御基盤からの接続確認信号を受信した場合に、ソフトウェア上の処理によって疑似的にリモコンが出力するのと同様の返答信号(疑似返答信号)を出力し、他方の制御基盤に対してリモコンが接続されているとの認識を行なわせる。これにより、接続確認信号は上記他方の制御基盤からのみ出力されることになり、通信がビジー状態となるのを回避することができる。しかも、他の制御基盤からの接続確認信号を受信した場合にのみ疑似返答信号が出力されるため、通常時の電源瞬断のような場合には、直ちに接続確認信号を出力するので、運転が復旧するのに時間的な遅れを伴うことがない。
【0024】
また、この場合、疑似返答信号を出力する側の制御基盤では、自己が送信する接続確認信号の出力周期を延長して、旧の制御基盤から新制御基盤に対するデータ転送を先行して行なわせるので、基盤交換時のデータ転送を円滑かつ速やかに行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る給湯器の制御基盤の一実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0026】
実施形態1
上述したように、給湯器のコントローラの制御基盤は、故障時やアフターサービス時に交換されることがあるが、その場合、図5(a) に示すように、新制御基盤1と旧制御基盤2の各接続端子をリモコン線3で接続して、旧制御基盤2側に記憶された設定データを新制御基盤1に対して転送している。そのため、ここで用いられる制御基盤は、従来の制御基盤と同様の構成、すなわち、少なくとも制御動作を司るマイコンと、データを記憶するメモリと、基盤交換時に旧の制御基盤からの設定データの転送を受信して保管する機能とを備えた制御基盤であって、上記メモリとして少なくとも書き換え可能な不揮発性メモリを備えている。
【0027】
そして、本実施形態では、上記不揮発性メモリ内に上述した給湯器のシステムに関する設定(機種設定、ガス種設定、排気バリエーションや燃焼補正用データ等)やユーザー設定などの設定データを記憶する領域と、制御基盤の形式等を識別するための基盤識別データを記憶する領域とが設定されている。そして、本実施形態では、特にこの基盤識別データとして、制御基盤に搭載されるマイコンのバージョン情報(マイコンリリースの順番等の情報)が、制御基盤の製造段階乃至は出荷段階で事前に書き込まれている。
【0028】
しかして、新旧両制御基盤1,2間でのデータ転送は、制御基盤に内蔵されたソフトウェアに基づいて行なわれるが、本実施形態では図1に示す手順で行なわれる。
【0029】
すなわち、まず、上記新旧両制御基盤1,2間の接続が完了した状態で、旧制御基盤2の不揮発性メモリに記憶された設定データおよび基盤識別データの転送が開始される(図1ステップS1)。データ転送が開始されると、続く図1ステップS2においてデータ転送が終了したか否かが判断される。そして、この図1ステップS2でデータ転送が完了したと判断された場合、転送されたデータは一時的に上記メモリの他の領域(不揮発性メモリ以外のメモリ)に記憶される。そして、この状態で転送されたデータ内にある旧制御基盤2の基盤識別データと新制御基盤1内に記憶された新制御基盤の基盤識別データとが比較される。
【0030】
具体的には、本実施形態では基盤識別データとして制御基盤上に搭載されたマイコンのバージョン情報が比較され(図1ステップS3)、両制御基盤1,2に搭載されたマイコンのバージョンが一致していれば、続く図1ステップS4において、旧制御基盤2から転送された設定データが、新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされ、データ転送処理を完了する。
【0031】
一方、上記図1ステップS3において両制御基盤1,2間でマイコンのバージョンが不一致であると判断された場合には、図1ステップS4に移行することなく、データ転送処理を完了する。つまり、この場合、転送された設定データは新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされることなくデータ転送処理を終了する。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、制御基盤交換時のデータ転送がマイコンのバージョンを比較することにより行なわれ、しかもバージョンが異なる場合には転送されたデータは新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされないので、たとえば、同一形式(同一回路構成)の制御基盤でマイコンのバージョンのみが異なり、旧制御基盤2の設定データでは新制御基盤1が正常に動作し得ないような場合において、設定データの上書きが行なわれないので、制御基盤1の誤動作等を未然に防止することができる。
【0033】
また、この場合、たとえば、図1ステップS4で設定データの上書きを行なった場合にのみ、この書き込みに続いて、送風ファンを所定回転数で回転させたり、電磁弁をオン・オフ動作させるなどの試験動作を行なわせたり、あるいは、正常にデータ転送が完了した旨を表示させる等の手順を行なうようにソフトウェアを構成することにより、作業者は、データ転送が正常に行なわれたか否かを容易に知ることができる。
【0034】
実施形態2
次に、本発明の他の実施形態を図2のフローチャートに基づいて説明する。すなわち、この図2に示す実施形態では、上記基盤識別データとして、上記実施形態1に示すマイコンのバージョン情報の他に、制御基盤の種類および設定に関する基盤情報を記憶したものである。
【0035】
つまり、給湯器の制御基盤においては、異なる形式の制御基盤において同一形式のマイコンを共用することがあるため、上記実施形態1のようにマイコンのバージョン情報を比較するだけでは、誤動作を確実に防止することが困難な場合がある。そのため、この第2の実施形態では、基盤識別データとして上述したマイコンのバージョン情報の他、基盤セットの種類、制御基盤の回路構成やディップスイッチの選択可能な設定パターン、さらには、実際にディップスイッチで選択されている設定など制御基盤に関する各種情報を基盤情報として上記不揮発性メモリに予め記憶させている。
【0036】
そこで、次に図2のフローチャートに従って本実施形態を説明する。まず、新旧両制御基盤1,2間が接続された状態で、不揮発性メモリ内に記憶された設定データおよび基盤識別データが転送され(図2ステップS1)、転送が終了するとその内容が一時的にメモリの他の領域に記憶され(図2ステップS2)、続いてマイコンのバージョン情報が比較される(図2ステップS3)点は上記実施形態1と同様である。
【0037】
そして、マイコンのバージョン情報が一致した場合、続く図2ステップS4で新旧両制御基盤1,2間で上記基盤情報が比較される。具体的には、旧制御基盤2から転送された基盤情報に基づいて旧制御基盤2の基盤セットの種類や回路構成ならびにディップスイッチの設定などを識別するとともに、この識別された結果と新制御基盤1の基盤情報として記憶されたこれらの情報やディップスイッチの選択可能な設定パターンとを比較して、新制御基盤1が旧制御基盤2と交換可能であるか否かを判断するものである(図2ステップS4)。そして、その際、旧制御基盤2と新制御基盤1とが交換可能であると判断される場合には、さらに識別された旧制御基盤2の回路構成およびディップスイッチの設定等などから、新制御基盤1のディップスイッチの設定等が正しく行なわれているか否かも判断する(図2ステップS4)。
【0038】
このようにして、新旧両制御基盤1,2間で基盤情報の比較が行なわれ、新旧両制御基盤1,2間でデータ転送が可能と判断された場合には、続く図2ステップS5において、旧制御基盤2から転送された設定データが、新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされ、データ転送処理を完了する。
【0039】
一方、上記図2ステップS3またはステップS4において両制御基盤1,2間でデータ転送が不可能であると判断された場合には、図2ステップS5に移行することなく、データ転送処理を完了する。つまり、この場合、転送された設定データは新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされることなくデータ転送処理手順を終了させる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、制御基盤交換時のデータ転送にあたり、旧制御基盤2の基盤情報と新制御基盤1の基盤情報とが比較され、その結果によって、新旧両制御基盤1,2の回路構成等が全く異なる場合や、あるいは、回路構成等は適合するが具体的なディップスイッチ等の設定の選択に誤りがあると判断された場合には、転送された設定データは新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされないので、異なる形式(異なる回路構成)の制御基盤間において制御基盤の交換を行なった場合でも、新制御基盤1の誤動作等を未然に防止することができる。
【0041】
実施形態3
次に、本発明の第3の実施形態を図3のフローチャートに基づいて説明する。この第3の実施形態に示す制御基盤は、制御基盤上の不揮発性メモリ内に、給湯器本体および該制御基盤で制御される個々の装置等を識別するための装置等識別データを記憶したものである。
【0042】
つまり、この種の制御基盤においては、不揮発性メモリ内に給湯器本体や各装置などの製品のロット番号(装置等識別データ)を予め記憶したものが多く、その場合、ここに記憶された装置等識別データを用いて過去の故障履歴等の管理が行なわれている。そのため、本実施形態では、基盤交換時のデータ転送にあたり、設定データとともにこの装置等識別データを新制御基盤1に転送し記憶させるものである。
【0043】
具体的には、まず、新旧両制御基盤1,2間が接続された状態で、不揮発性メモリ内に記憶されたデータの転送が開始され(図3ステップS1)、設定データおよび装置識別データが順次転送される(図3ステップ2,ステップS3)。その後、両制御基盤1,2間での転送が終了したか否かが判断され(図3ステップS4)、データ転送が終了したと判断された場合には、続く図3ステップS5において転送された設定データおよび装置等識別データが新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされる。
【0044】
これにより、この第3の実施形態によれば、制御基盤を交換した場合でも、旧制御基盤2に記憶されていた装置等識別データが新制御基盤1に記憶されることから、基盤交換前と同様に製品ロット番号等を用いて機器の管理を行なうことが可能となる。
【0045】
なお、図3のフローチャートでは、マイコンのバージョン情報や基盤情報の比較を行なう手順を省略したが、もちろん本実施形態においてもこれらの手順を含むようにソフトウェアを構築することも可能であり、またそのように構成することが好ましい。
【0046】
実施形態4
本発明の第4の実施形態は、これまでの実施形態1乃至3で説明したデータ転送に先立つ処理手順を含んだ制御基盤を示している。
【0047】
すなわち、上述したように、給湯器の制御基盤では一般的に動作開始当初にリモコンの接続確認を行なっているが、この第4の実施形態では、制御基盤の交換時に新旧両制御基盤1、2を接続した場合に新旧両制御基盤1,2の双方がそれぞれ接続確認を行なうと通信ビジー状態となるのでそのような状態を回避する手順を含んでいる。
【0048】
具体的には、上述したデータ転送は、新旧両制御基盤1,2を接続して電源投入してから所定時間(たとえば8秒)経過後に、旧制御基盤2側からデータ転送を開始する旨の突入信号を発することにより開始されるように構成されるのが一般的であるが、電源投入後データ転送開始までの間は、新旧両制御基盤1,2の双方ともリモコンの接続確認のために極めて短い周期(たとえば200m秒)で互いに接続確認信号の出力を行ない、リモコンからの返答信号(ack信号)を待つことになる。そして、リモコンからの返答信号が得られると、制御基盤側では接続確認信号の出力周期を上記の短い周期から比較的長い周期(たとえば5秒)にセットし直して、以下この比較的長い周期でポーリングを行なうように構成されている(なお、電源投入後一定時間(たとえば5秒間)この返答信号が得られない場合、制御基盤側ではリモコンが接続されていないと判断するように構成されている)。
【0049】
そのため、従来の制御基盤では、データ転送時に新旧両制御基盤1,2を接続して電源を投入すると、電源投入から最大5秒間は両制御基盤1,2がそれぞれ極めて短い周期で接続確認信号を出力するため、その間の通信が過剰になり伝送路上で通信データが衝突し通信ビジーの状態となる可能性を有していた。
【0050】
本実施形態では、このような電源投入後の過剰な通信状態を回避するため、図4に示すような制御手順を制御基盤のソフトウェアに組み込んだものである。なお、図4のフローチャートでは、電源投入後、先に立ち上がった制御基盤のデータ処理手順を送信側として図4(b) に示し、また、後から立ち上がった方のデータ処理手順を受信側として図4(a) に示している。
【0051】
(1) まず、先に立ち上がった制御基盤側では、図4(b) ステップS1に示すように接続確認信号を出力するためのタイマがタイマアップしたか否かが判断され、タイマアップしたと判断された場合は、続く図4(b) ステップS2に示すように、接続確認用の通信データ(接続確認信号)を出力し、接続確認タイマが満了していない場合は、図4(b) ステップS6に移行してタイマのカウントを続行する。
【0052】
(2) 一方、後に立ち上がった制御基盤側では、先に立ち上がった制御基盤側から出力される通信データを受信することになるが(図4(a) のステップS1)、まず、続く図4(a) ステップS2において、受信したデータが本体からのデータか否か、つまり、他の制御基盤(ここでは先に立ち上がった制御基盤)からの接続確認信号であるか否かを判断する。そして、他の制御基盤からの接続確認信号であると判断した場合、続く図4(a) ステップS3に移行して、自己の接続確認タイマのカウント周期を延長させ(図示例では10秒に延長)、接続確認信号が一定期間出力されないようにする。ここで、自己側、つまり後に立ち上がった制御基盤側で接続確認タイマのカウント周期を延長させる程度は、延長後最初にタイマアップするのが少なくとも上記データ転送開始以降(上述の例では電源投入から5秒経過後にデータ転送開始を知らせる突入信号が出力されるので、少なくとも5秒より長い周期)となるように設定される。
【0053】
そして、後に立ち上がった制御基盤側では、接続確認タイマを10秒にセットすると、続く図4(a) ステップS4に移行してack信号(疑似返答信号)を送出する。つまり、この場合、後に立ち上がった制御基盤側では、自己が行なう接続確認信号の出力を一時的に停止するとともに、先に立ち上がった制御基盤に対してあたかもリモコンが存在するかのように見せる疑似的な返答信号を出力する。
【0054】
(3) そのため、先に立ち上がった制御基盤側では、この疑似返答信号を受信することによりリモコンが接続されていると判断してリモコン検知フラグがオンとなる。ここで、リモコンの検知フラグについて図4(a) を例にとって簡単に言及すると、受信されたデータが本体からのデータでないと判断された場合(図4ステップS2で否定的な場合)、続く図4(a) ステップS5において受信したデータがリモコンからのデータか否か、つまり返答信号か否かが判断される。そして、リモコンからの返答信号であると判断された場合には、続く図4(a) ステップS6においてリモコンを検出した旨のリモコン検知フラグがオンとする。このように、制御基盤では、リモコンからの返答信号を受信した場合には、リモコン検知フラグを立ててリモコンが接続されている旨を制御基盤に認識させている。
【0055】
そこで、先に立ち上がった制御基盤側では、接続確認信号を出力後(図4(b) ステップS2)、リモコン検知フラグがオンか否か、つまり検知フラグが立っているか否かを判断して、リモコン検知フラグが立っている場合には、続く図4(b) ステップS4において接続確認タイマを上記比較的長い周期(図示例では5秒)にセットし、以下この5秒周期でポーリングを行なう。一方、リモコン検知フラグが立っていない場合(図4(b) ステップS3において否定的な場合)は、接続確認タイマを上記極めて短い周期(図示例では200m秒と)にセットして引き続いてリモコンの接続の有無の検出を続行する(図4(b) ステップS5)。
【0056】
このように、本実施形態によれば、制御基盤の交換時など、新旧両制御基盤が相互接続されている場合に、一方の制御基盤が他方の制御基盤からの接続確認信号を受信すると、一方の制御基盤がリモコンになりすまして疑似返答信号を出力するように構成したことにより、この疑似返答信号を受信した他方の制御基盤側の接続確認タイマの周期が延長されるので(図示例では200m秒から5秒に延長)、その分接続確認信号の出力頻度が低下し通信ビジーの状態が改善される。しかもその際、接続確認信号を受信した一方の制御基盤側においても、接続確認タイマを延長(図示例では10秒)するように構成されているので、上記他の制御基盤側の出力頻度の低下と相まってより通信ビジー状態をより改善できる。
【0057】
しかも、この実施形態では、他方の制御基盤から接続確認信号を受信しない限り疑似返答信号が出力されないので、たとえば、電源瞬断後に電源が復帰した場合には、通常どおり接続確認信号が出力されるので、極めて短時間で通常運転に復帰することができる。
【0058】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなくその発明の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0059】
たとえば、上記実施形態1および2において基盤識別データ(マイコンのバージョン情報や基盤セットの種類さらには基盤の回路構成等)を設定データの転送後に判別しているが、もちろんこの手順は設定データの転送に先行して行なわせることも可能である。その場合、設定データの転送に先立って基盤識別データの転送を行なう必要があることはもちろんである。
【0060】
また、上記実施形態1において、マイコンのバージョン情報の比較に際して、新旧両制御基盤のマイコンバージョンが一致するか否かを判定していたが、この場合、マイコンのバージョンが異なっても互換性があるものであれば、あらかじめそのような互換可能なマイコンバージョン情報を記憶させておき、かかる情報に基づいて不揮発性メモリへの書き込みを行なわせることも可能である。
【0061】
さらに、上記実施形態2においては、基盤識別データとして基盤セットの種類や回路構成、ディップスイッチの設定などを記憶させていたが、基盤の構成を識別するための要素であれば他の要素を記憶させることも可能である。
【0062】
また、上記実施形態1および2においてデータの比較結果が否定的である場合、不揮発性メモリへの書き込みは一切行なわない構成を採用したが、場合によっては、制御基盤の動作に支障のない範囲でデータの一部のみを書き込みする構成を採用することも可能である。ただし、その場合、かかる一部データの書き込みを作業者にも認識可能なように何らかの表示伝達手段を設けることが必要である。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、給湯器の制御基盤が、少なくともマイコンと、給湯器システムのシステムに関する設定やユーザー設定などの設定データを記憶する領域と基盤識別データを記憶する領域とを有する不揮発性メモリと、上記設定データおよび基盤識別データを一時的に記憶するメモリとを備えてなり、基盤交換時に、旧の制御基盤から転送される旧制御基盤の設定データおよび基盤識別データを前記メモリに一時的に記憶させる手順と、旧制御基盤から転送された基盤識別データと自己の保持する制御基盤の基盤識別データとを比較する手順と、この比較結果に応じて前記旧の制御基盤から転送された設定データを上記不揮発性メモリに上書きして記憶するか否かを判定する手順とを有するソフトウェアを内蔵していることから、基盤識別データとして、たとえばマイコンのバージョン情報や制御基盤の基盤情報を設定しておくことにより、これらの情報に基づいて転送が許容された場合のみ設定データの書き換えを行なうことができ、転送された制御データが新制御基盤に適合せずに給湯器等が誤動作する危険が解消される。
【0064】
また、旧の制御基盤から転送された設定データを上記不揮発性メモリに上書きして記憶させると判定された際に、上記旧の制御基盤に記憶された給湯器本体および給湯器本体の制御基盤で制御される個々の装置等を識別するための装置等識別データを転送させて上記不揮発性メモリに上書きする手順を有するソフトウェアを内蔵してなることから、たとえば製品のロット番号等に基づいて制御基盤が給湯器の管理を行なっている場合などにおいても、制御基盤交換によるロット番号等の消失を防止できる。
【0065】
しかも、制御基盤が、リモコンからの返答信号を受信してリモコンの接続を確認する構成を備えている場合に、該制御基盤が動作開始後に他の制御基盤からの接続確認信号を受信すると、当該他の制御基盤に対してリモコンが接続されているかのように見せる疑似返答信号を送出して、上記他の制御基盤にリモコンの接続を検出させる手順を有するソフトウェアを内蔵してなることにより、他の制御基盤側での接続確認に伴う通信量を抑制でき、通信ビジー状態を回避することができる。また、疑似返答信号を送出する際に、自己が送信する接続確認信号の出力周期を延長して、設定データの転送を先行して行なわせる手順を有するソフトウェアを内蔵してなることにより、自己が発する接続確認信号も減少させることができ、通信ビジーの状態をより確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である給湯器の制御基盤における設定データの転送動作を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の第2の実施形態である給湯器の制御基盤における設定データの転送動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第3の実施形態である給湯器の制御基盤における設定データの転送動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第4の実施形態である給湯器の制御基盤における設定データの転送動作を説明するフローチャートであり、図4(a) は電源投入後後から立ち上がった制御基盤の動作を示し、また、図4(b) は電源投入後先に立ち上がった制御基盤の動作を示している。
【図5】図5(a) は、給湯器の制御基盤交換時に行なうデータ転送時の新旧両制御基盤の接続状態を示す説明図であり、また、図5(b) は、給湯器の電磁弁構成の一例を示す説明図である。
【図6】従来の給湯器の制御基盤におけるデータ転送時の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 新制御基盤
2 旧制御基盤
3 リモコン線
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器の制御基盤に関し、より詳細には、交換により取り外した旧の制御基盤から給湯器の制御に必要な設定データの転送を受信可能に構成された制御基盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のガス給湯器においては、給湯器の制御基盤内に不揮発性の書き換え可能なメモリ(たとえばEEPROM)を備えるとともに、該メモリ内に、給湯器のシステムに関する設定(機種設定、ガス種設定、排気バリエーションや燃焼補正用データ等)やユーザー設定などの各種データ(以下、設定データと称する)を記憶したものが提供されている。
【0003】
そのため、このような設定データが記憶された制御基盤を、当該制御基盤の故障やアフターサービスによって新しい制御基盤に交換する必要が生じた場合、図5(a) に示すように、給湯器に装着された新しい制御基盤(以下、新制御基盤と称する)1と、給湯器から取り外された従前の旧の制御基盤(以下、旧制御基盤と称する)2とをリモコン線3などの通信線で接続して、このリモコン線3などを介して旧制御基盤2に記憶された上記設定データを新制御基盤1に転送するようにしている。
【0004】
ここで、かかる設定データの転送過程の概略を図6に示す。まず、新旧両制御基盤1,2が接続された状態で、図6ステップS1に示すように旧制御基盤2から新制御基盤1に対して設定データの転送が開始される。そして、このデータ転送開始とともに両制御基盤1,2間で設定データの転送が終了したか否かが判断され(図6ステップS2)、終了したと判断された場合には、続く図6ステップS3に示すように、新制御基盤1のメモリ(図示例ではEEPROM)に設定データの上書きが行なわれ、データ転送の処理を完了していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような新旧制御基盤間でのデータ転送方法では、旧制御基盤に記憶された設定データを、無条件にそのまま新制御基盤のメモリに記憶させているため、以下のような問題があった。
【0006】
(1) すなわち、この種の制御基盤においては、交換に際してたとえ同一形式(同回路構成)の制御基盤を交換しても、新旧両制御基盤間で制御基盤上に搭載されるマイコンのバージョン(マイコンリリースの順番)が相違する場合があり、かかる場合、マイコンのバージョンの相違から旧制御基盤から転送された設定データでは新制御基盤に搭載されたマイコンが正常に動作しない場合があった。しかも、このような場合、新制御基盤のマイコンが完全に動作しなければ問題の発見も容易であるが、マイコンバージョンの相違の程度如何によっては、とりあえず給湯器は動作するが燃焼不良等を引き起こす原因となる場合があった。
【0007】
(2) また、従来より、同一形式のマイコンを異なる回路構成等を備えた制御基盤間で共通に用いることがある。その場合、制御基盤に設けられるディップスイッチの選択操作等によって、マイコンの設定を適宜当該回路構成等に応じた設定に合わせている。ところが、制御基盤の交換時にこのディップスイッチの設定の選択等を誤った場合でも、選択された設定がマイコンの設定として許容されるものであれば、たとえ制御基盤の回路構成等に適合していない設定であってもマイコンは正常動作を開始してしまう。
【0008】
しかも、この場合、従来のデータ転送方法では、ディップスイッチの設定等に誤りがあった場合でもデータ転送および設定データの上書きが行なわれるため、制御基盤の交換を行なった作業者はこのようなマイコンの設定と回路構成等の不一致に気付くことなく作業を完了してしまうおそれがある。このことは、特に上述した回路構成等の相違点が電磁弁構成の違い(たとえば負荷としての能力切替弁はあるが制御基盤上に能力切替弁の駆動回路がない)などにある場合、燃焼後の火移りが不確実となり生ガスを放出するなどのおそれがあった。
【0009】
たとえば図5(b) に示すように、給湯器のバーナ周りが、ガス元電磁弁a、ガス圧を調節するガス比例弁b、バーナの能力を切り替える能力切替弁c,d,eと炎を検出するフレームロッドfで構成されているとする。ここで、交換によって新たに装着された制御基盤が能力切替弁dを駆動する回路を備えないものであっても、上述したようにディップスイッチ等で選択されたマイコンの設定が上記能力切替弁dの駆動回路がある場合の設定となっていれば、マイコンはその設定にしたがって正常に動作を開始することになる。
【0010】
そしてこの状態で燃焼指令が与えられ、ガス元電磁弁a、ガス比例弁bおよび能力切替弁cをそれぞれ開いてバーナに点火すれば、とりあえずフレームロッドfでは正常な燃焼が検出される。ところが、この状態で燃焼能力を徐々に上昇させると、制御基盤には能力切替弁dを駆動する回路がないので能力切替弁dは開かないまま(つまり、能力切替弁dに連通するバーナは点火されないまま)能力切替弁eが開かられることになる。そのため、能力切替弁eを開いても能力切替弁eに連通するバーナには火移りは起こらず、その結果として生ガスが放出されるというおそれがあった。
【0011】
(3) また、この種の制御基盤では、上記メモリ内に、給湯器本体および該制御基盤において制御を行なう各装置(ないし部品)等の製品ロット番号等を予め記憶させておき、この製品ロット番号等を用いて給湯器本体ならびに各装置の管理を行なうものがある。つまり、この種の制御基盤には、たとえば制御基盤で制御される各種装置(あるいはその部品)に故障が発見された場合に、当該故障が発生した装置ないしは部品の故障箇所や故障状況といった情報を上記製品ロット番号等と関連付けて蓄積するソフトウェアが内蔵されていることがある。
【0012】
しかしながら、上述した従来のデータ転送方法では、新制御基盤には上述した設定データのみが転送されるため、新制御基盤に旧制御基盤で管理されていた製品の製品ロット番号等が転送されず、その結果、上述した各装置等の管理機能が十分に機能しなくなるといった問題もあった。
【0013】
(4) さらに、この種の制御基盤を備えた給湯器にはリモコンが設けられることがあり、かかるリモコンを介して制御基盤に対して各種の遠隔操作指令が与えられる。そのため、この種の制御基盤では電源が投入されると、制御基盤側ではまずリモコンが接続されているか否かの接続確認が行なわれる。
【0014】
ところが、制御基盤の交換時には、新制御基盤と旧制御基盤とが図5(a) のように接続されているため、この状態で両制御基盤の電源を投入すると新旧両制御基盤が接続確認を開始する。そのため、その間、両制御基盤間での通信が非常に忙しくなり、伝送線上で通信データが衝突する危険が高くなるという問題を有していた。その一方、このような事態を回避するために接続確認の開始時期を遅く設定すると、たとえば給湯運転中に電源が瞬断するなどした場合に、電源復帰後燃焼動作が復帰するまでの時間が長くなるという問題があった。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みて提案されたもので、制御基盤の交換に伴う新制御基盤への設定データの転送を確実に行い得る給湯器の制御基盤を提供するとともに、制御基盤交換時における設定データ転送を円滑かつ速やかに行い得る給湯器の制御基盤を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る給湯器の制御基盤は、少なくともマイコンと、給湯器システムのシステムに関する設定やユーザー設定などの設定データを記憶する領域と基盤識別データを記憶する領域とを有する不揮発性メモリと、上記設定データおよび基盤識別データを一時的に記憶するメモリとを備えてなり、基盤交換時に、旧の制御基盤から転送される旧制御基盤の設定データおよび基盤識別データを上記メモリに一時的に記憶させる手順と、旧制御基盤から転送された基盤識別データと自己の保持する制御基盤の基盤識別データとを比較する手順と、この比較結果に応じて上記旧の制御基盤から転送された設定データを上記不揮発性メモリに上書きして記憶するか否かを判定する手順とを有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする。
【0017】
すなわち、この請求項1に係る発明では、予め制御基盤の不揮発性メモリ内に、該制御基盤を識別するための基盤識別データが記憶される。そして、制御基盤の交換時に、これら新旧両制御基盤に記憶された基盤識別データが比較され、旧制御基盤の設定データが新制御基盤で使用可能か否かが判断される。そして、設定データが新制御基盤でも使用可能であると判断された場合にのみ旧制御基盤から転送される設定データが新制御基盤の不揮発性メモリに上書きされる。したがって、本発明の制御基盤によれば、上記判断の結果、旧制御基盤の設定データが新制御基盤で使用不可(乃至は不適)と判断された場合には、新制御基盤に対して設定データの上書きは行なわれないので、制御基盤の交換時のデータ転送に伴う制御基盤の誤動作等を回避できる。
【0018】
ここで、制御基盤に予め記憶させる基盤識別データとしては、制御基盤に搭載されるマイコンのバージョン情報の他、制御基盤の種類(基盤セットの種類)や制御基盤の回路構成さらにはディップスイッチの設定など制御基盤の機能や動作を決定するのに必要な基盤情報を記憶させることが好ましい。
【0019】
つまり、交換する制御基盤が同一形式(同一回路構成)の制御基盤であれば、少なくとも当該基盤に搭載されるマイコンのバージョンが一致ないし適合していれば、後は作業者がディップスイッチの設定などを誤らなければ制御基盤は正常動作を行なうので、請求項2の発明では、最低限マイコンのバージョン情報の比較のみを行なって設定データの上書き可否の判断を行なう。これに対し、交換する制御基盤が同一形式でない(回路構成が異なる)場合には、たとえマイコンのバージョンが一致ないし適合していても、基盤セットの種類や回路構成の相違などによって給湯器は誤動作することになる。また、ディップスイッチの設定の誤りなどによっても同様である。そのため、請求項3の発明では、基盤セットの種類や回路構成さらにはディップスイッチの設定など、制御基盤の機能や動作を決定するのに必要な基盤情報を比較することにより、これらが交換される新制御基盤において旧制御基盤のものと一致ないし適合するかを判断し、その結果によって上記設定データの上書き可否の判断を行なう。
【0020】
また、請求項4に係る給湯器の制御基盤は、請求項1に記載の給湯器の制御基盤において、前記旧の制御基盤から転送された設定データを前記不揮発性メモリに上書きして記憶させると判定された際に、前記旧の制御基盤に記憶された給湯器本体および給湯器本体の制御基盤で制御される個々の装置等を識別するための装置等識別データを転送させて前記不揮発性メモリに上書きする手順を有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする。
【0021】
すなわち、この請求項4に記載の発明では、予め制御基盤のメモリ内に、給湯器本体および該制御基盤で制御される各装置の装置等識別データが記憶される。この装置等識別データとしては、たとえば給湯器本体や各装置の製品ロット番号を用いることが好ましく、これによりロット番号等を用いて給湯器の本体や部品の管理などを行なうように構成された制御基盤においても、制御基盤交換にかかわりなく継続して部品等の管理を行なうことができる。
【0022】
さらに、本発明の請求項5に係る給湯器の制御基盤は、少なくともマイコンと、データを記憶するメモリと、基盤交換時に旧の制御基盤からの設定データの転送を受信して保管する機能とを備えた給湯器の制御基盤であって、動作開始後に所定周期でリモコンの接続の有無を検知するための接続確認信号を出力し、リモコンからの返答信号を受信してリモコンの接続を確認する構成を備えた制御基盤において、動作開始後に他の制御基盤からの接続確認信号を受信した場合に、当該他の制御基盤に対して上記リモコンが接続されているかのように見せる疑似返答信号を出力して、上記他の制御基盤にリモコンの接続を検出させる手順を有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする。その際、この制御基盤は、上記疑似返答信号を送出する場合に、自己が送信する接続確認信号の出力周期を延長して、上記設定データの転送を先行して行なわせる手順を有するソフトウェアを内蔵することが好ましい。
【0023】
つまり、この請求項5に記載の給湯器の制御基盤は、電源投入(動作開始)後にリモコン接続の有無を検知するための接続確認信号を出力する構成を備えた制御基盤であり、このような制御基盤では、基盤交換時に設定データの転送を行なうために新旧両制御基盤を接続した状態で電源を投入すると、新旧両制御基盤がともに接続確認信号を出力することになるので、請求項5の発明では、いずれか一方の制御基盤が、先に立ち上がった他方の制御基盤からの接続確認信号を受信した場合に、ソフトウェア上の処理によって疑似的にリモコンが出力するのと同様の返答信号(疑似返答信号)を出力し、他方の制御基盤に対してリモコンが接続されているとの認識を行なわせる。これにより、接続確認信号は上記他方の制御基盤からのみ出力されることになり、通信がビジー状態となるのを回避することができる。しかも、他の制御基盤からの接続確認信号を受信した場合にのみ疑似返答信号が出力されるため、通常時の電源瞬断のような場合には、直ちに接続確認信号を出力するので、運転が復旧するのに時間的な遅れを伴うことがない。
【0024】
また、この場合、疑似返答信号を出力する側の制御基盤では、自己が送信する接続確認信号の出力周期を延長して、旧の制御基盤から新制御基盤に対するデータ転送を先行して行なわせるので、基盤交換時のデータ転送を円滑かつ速やかに行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る給湯器の制御基盤の一実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0026】
実施形態1
上述したように、給湯器のコントローラの制御基盤は、故障時やアフターサービス時に交換されることがあるが、その場合、図5(a) に示すように、新制御基盤1と旧制御基盤2の各接続端子をリモコン線3で接続して、旧制御基盤2側に記憶された設定データを新制御基盤1に対して転送している。そのため、ここで用いられる制御基盤は、従来の制御基盤と同様の構成、すなわち、少なくとも制御動作を司るマイコンと、データを記憶するメモリと、基盤交換時に旧の制御基盤からの設定データの転送を受信して保管する機能とを備えた制御基盤であって、上記メモリとして少なくとも書き換え可能な不揮発性メモリを備えている。
【0027】
そして、本実施形態では、上記不揮発性メモリ内に上述した給湯器のシステムに関する設定(機種設定、ガス種設定、排気バリエーションや燃焼補正用データ等)やユーザー設定などの設定データを記憶する領域と、制御基盤の形式等を識別するための基盤識別データを記憶する領域とが設定されている。そして、本実施形態では、特にこの基盤識別データとして、制御基盤に搭載されるマイコンのバージョン情報(マイコンリリースの順番等の情報)が、制御基盤の製造段階乃至は出荷段階で事前に書き込まれている。
【0028】
しかして、新旧両制御基盤1,2間でのデータ転送は、制御基盤に内蔵されたソフトウェアに基づいて行なわれるが、本実施形態では図1に示す手順で行なわれる。
【0029】
すなわち、まず、上記新旧両制御基盤1,2間の接続が完了した状態で、旧制御基盤2の不揮発性メモリに記憶された設定データおよび基盤識別データの転送が開始される(図1ステップS1)。データ転送が開始されると、続く図1ステップS2においてデータ転送が終了したか否かが判断される。そして、この図1ステップS2でデータ転送が完了したと判断された場合、転送されたデータは一時的に上記メモリの他の領域(不揮発性メモリ以外のメモリ)に記憶される。そして、この状態で転送されたデータ内にある旧制御基盤2の基盤識別データと新制御基盤1内に記憶された新制御基盤の基盤識別データとが比較される。
【0030】
具体的には、本実施形態では基盤識別データとして制御基盤上に搭載されたマイコンのバージョン情報が比較され(図1ステップS3)、両制御基盤1,2に搭載されたマイコンのバージョンが一致していれば、続く図1ステップS4において、旧制御基盤2から転送された設定データが、新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされ、データ転送処理を完了する。
【0031】
一方、上記図1ステップS3において両制御基盤1,2間でマイコンのバージョンが不一致であると判断された場合には、図1ステップS4に移行することなく、データ転送処理を完了する。つまり、この場合、転送された設定データは新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされることなくデータ転送処理を終了する。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、制御基盤交換時のデータ転送がマイコンのバージョンを比較することにより行なわれ、しかもバージョンが異なる場合には転送されたデータは新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされないので、たとえば、同一形式(同一回路構成)の制御基盤でマイコンのバージョンのみが異なり、旧制御基盤2の設定データでは新制御基盤1が正常に動作し得ないような場合において、設定データの上書きが行なわれないので、制御基盤1の誤動作等を未然に防止することができる。
【0033】
また、この場合、たとえば、図1ステップS4で設定データの上書きを行なった場合にのみ、この書き込みに続いて、送風ファンを所定回転数で回転させたり、電磁弁をオン・オフ動作させるなどの試験動作を行なわせたり、あるいは、正常にデータ転送が完了した旨を表示させる等の手順を行なうようにソフトウェアを構成することにより、作業者は、データ転送が正常に行なわれたか否かを容易に知ることができる。
【0034】
実施形態2
次に、本発明の他の実施形態を図2のフローチャートに基づいて説明する。すなわち、この図2に示す実施形態では、上記基盤識別データとして、上記実施形態1に示すマイコンのバージョン情報の他に、制御基盤の種類および設定に関する基盤情報を記憶したものである。
【0035】
つまり、給湯器の制御基盤においては、異なる形式の制御基盤において同一形式のマイコンを共用することがあるため、上記実施形態1のようにマイコンのバージョン情報を比較するだけでは、誤動作を確実に防止することが困難な場合がある。そのため、この第2の実施形態では、基盤識別データとして上述したマイコンのバージョン情報の他、基盤セットの種類、制御基盤の回路構成やディップスイッチの選択可能な設定パターン、さらには、実際にディップスイッチで選択されている設定など制御基盤に関する各種情報を基盤情報として上記不揮発性メモリに予め記憶させている。
【0036】
そこで、次に図2のフローチャートに従って本実施形態を説明する。まず、新旧両制御基盤1,2間が接続された状態で、不揮発性メモリ内に記憶された設定データおよび基盤識別データが転送され(図2ステップS1)、転送が終了するとその内容が一時的にメモリの他の領域に記憶され(図2ステップS2)、続いてマイコンのバージョン情報が比較される(図2ステップS3)点は上記実施形態1と同様である。
【0037】
そして、マイコンのバージョン情報が一致した場合、続く図2ステップS4で新旧両制御基盤1,2間で上記基盤情報が比較される。具体的には、旧制御基盤2から転送された基盤情報に基づいて旧制御基盤2の基盤セットの種類や回路構成ならびにディップスイッチの設定などを識別するとともに、この識別された結果と新制御基盤1の基盤情報として記憶されたこれらの情報やディップスイッチの選択可能な設定パターンとを比較して、新制御基盤1が旧制御基盤2と交換可能であるか否かを判断するものである(図2ステップS4)。そして、その際、旧制御基盤2と新制御基盤1とが交換可能であると判断される場合には、さらに識別された旧制御基盤2の回路構成およびディップスイッチの設定等などから、新制御基盤1のディップスイッチの設定等が正しく行なわれているか否かも判断する(図2ステップS4)。
【0038】
このようにして、新旧両制御基盤1,2間で基盤情報の比較が行なわれ、新旧両制御基盤1,2間でデータ転送が可能と判断された場合には、続く図2ステップS5において、旧制御基盤2から転送された設定データが、新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされ、データ転送処理を完了する。
【0039】
一方、上記図2ステップS3またはステップS4において両制御基盤1,2間でデータ転送が不可能であると判断された場合には、図2ステップS5に移行することなく、データ転送処理を完了する。つまり、この場合、転送された設定データは新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされることなくデータ転送処理手順を終了させる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、制御基盤交換時のデータ転送にあたり、旧制御基盤2の基盤情報と新制御基盤1の基盤情報とが比較され、その結果によって、新旧両制御基盤1,2の回路構成等が全く異なる場合や、あるいは、回路構成等は適合するが具体的なディップスイッチ等の設定の選択に誤りがあると判断された場合には、転送された設定データは新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされないので、異なる形式(異なる回路構成)の制御基盤間において制御基盤の交換を行なった場合でも、新制御基盤1の誤動作等を未然に防止することができる。
【0041】
実施形態3
次に、本発明の第3の実施形態を図3のフローチャートに基づいて説明する。この第3の実施形態に示す制御基盤は、制御基盤上の不揮発性メモリ内に、給湯器本体および該制御基盤で制御される個々の装置等を識別するための装置等識別データを記憶したものである。
【0042】
つまり、この種の制御基盤においては、不揮発性メモリ内に給湯器本体や各装置などの製品のロット番号(装置等識別データ)を予め記憶したものが多く、その場合、ここに記憶された装置等識別データを用いて過去の故障履歴等の管理が行なわれている。そのため、本実施形態では、基盤交換時のデータ転送にあたり、設定データとともにこの装置等識別データを新制御基盤1に転送し記憶させるものである。
【0043】
具体的には、まず、新旧両制御基盤1,2間が接続された状態で、不揮発性メモリ内に記憶されたデータの転送が開始され(図3ステップS1)、設定データおよび装置識別データが順次転送される(図3ステップ2,ステップS3)。その後、両制御基盤1,2間での転送が終了したか否かが判断され(図3ステップS4)、データ転送が終了したと判断された場合には、続く図3ステップS5において転送された設定データおよび装置等識別データが新制御基盤1の不揮発性メモリに上書きされる。
【0044】
これにより、この第3の実施形態によれば、制御基盤を交換した場合でも、旧制御基盤2に記憶されていた装置等識別データが新制御基盤1に記憶されることから、基盤交換前と同様に製品ロット番号等を用いて機器の管理を行なうことが可能となる。
【0045】
なお、図3のフローチャートでは、マイコンのバージョン情報や基盤情報の比較を行なう手順を省略したが、もちろん本実施形態においてもこれらの手順を含むようにソフトウェアを構築することも可能であり、またそのように構成することが好ましい。
【0046】
実施形態4
本発明の第4の実施形態は、これまでの実施形態1乃至3で説明したデータ転送に先立つ処理手順を含んだ制御基盤を示している。
【0047】
すなわち、上述したように、給湯器の制御基盤では一般的に動作開始当初にリモコンの接続確認を行なっているが、この第4の実施形態では、制御基盤の交換時に新旧両制御基盤1、2を接続した場合に新旧両制御基盤1,2の双方がそれぞれ接続確認を行なうと通信ビジー状態となるのでそのような状態を回避する手順を含んでいる。
【0048】
具体的には、上述したデータ転送は、新旧両制御基盤1,2を接続して電源投入してから所定時間(たとえば8秒)経過後に、旧制御基盤2側からデータ転送を開始する旨の突入信号を発することにより開始されるように構成されるのが一般的であるが、電源投入後データ転送開始までの間は、新旧両制御基盤1,2の双方ともリモコンの接続確認のために極めて短い周期(たとえば200m秒)で互いに接続確認信号の出力を行ない、リモコンからの返答信号(ack信号)を待つことになる。そして、リモコンからの返答信号が得られると、制御基盤側では接続確認信号の出力周期を上記の短い周期から比較的長い周期(たとえば5秒)にセットし直して、以下この比較的長い周期でポーリングを行なうように構成されている(なお、電源投入後一定時間(たとえば5秒間)この返答信号が得られない場合、制御基盤側ではリモコンが接続されていないと判断するように構成されている)。
【0049】
そのため、従来の制御基盤では、データ転送時に新旧両制御基盤1,2を接続して電源を投入すると、電源投入から最大5秒間は両制御基盤1,2がそれぞれ極めて短い周期で接続確認信号を出力するため、その間の通信が過剰になり伝送路上で通信データが衝突し通信ビジーの状態となる可能性を有していた。
【0050】
本実施形態では、このような電源投入後の過剰な通信状態を回避するため、図4に示すような制御手順を制御基盤のソフトウェアに組み込んだものである。なお、図4のフローチャートでは、電源投入後、先に立ち上がった制御基盤のデータ処理手順を送信側として図4(b) に示し、また、後から立ち上がった方のデータ処理手順を受信側として図4(a) に示している。
【0051】
(1) まず、先に立ち上がった制御基盤側では、図4(b) ステップS1に示すように接続確認信号を出力するためのタイマがタイマアップしたか否かが判断され、タイマアップしたと判断された場合は、続く図4(b) ステップS2に示すように、接続確認用の通信データ(接続確認信号)を出力し、接続確認タイマが満了していない場合は、図4(b) ステップS6に移行してタイマのカウントを続行する。
【0052】
(2) 一方、後に立ち上がった制御基盤側では、先に立ち上がった制御基盤側から出力される通信データを受信することになるが(図4(a) のステップS1)、まず、続く図4(a) ステップS2において、受信したデータが本体からのデータか否か、つまり、他の制御基盤(ここでは先に立ち上がった制御基盤)からの接続確認信号であるか否かを判断する。そして、他の制御基盤からの接続確認信号であると判断した場合、続く図4(a) ステップS3に移行して、自己の接続確認タイマのカウント周期を延長させ(図示例では10秒に延長)、接続確認信号が一定期間出力されないようにする。ここで、自己側、つまり後に立ち上がった制御基盤側で接続確認タイマのカウント周期を延長させる程度は、延長後最初にタイマアップするのが少なくとも上記データ転送開始以降(上述の例では電源投入から5秒経過後にデータ転送開始を知らせる突入信号が出力されるので、少なくとも5秒より長い周期)となるように設定される。
【0053】
そして、後に立ち上がった制御基盤側では、接続確認タイマを10秒にセットすると、続く図4(a) ステップS4に移行してack信号(疑似返答信号)を送出する。つまり、この場合、後に立ち上がった制御基盤側では、自己が行なう接続確認信号の出力を一時的に停止するとともに、先に立ち上がった制御基盤に対してあたかもリモコンが存在するかのように見せる疑似的な返答信号を出力する。
【0054】
(3) そのため、先に立ち上がった制御基盤側では、この疑似返答信号を受信することによりリモコンが接続されていると判断してリモコン検知フラグがオンとなる。ここで、リモコンの検知フラグについて図4(a) を例にとって簡単に言及すると、受信されたデータが本体からのデータでないと判断された場合(図4ステップS2で否定的な場合)、続く図4(a) ステップS5において受信したデータがリモコンからのデータか否か、つまり返答信号か否かが判断される。そして、リモコンからの返答信号であると判断された場合には、続く図4(a) ステップS6においてリモコンを検出した旨のリモコン検知フラグがオンとする。このように、制御基盤では、リモコンからの返答信号を受信した場合には、リモコン検知フラグを立ててリモコンが接続されている旨を制御基盤に認識させている。
【0055】
そこで、先に立ち上がった制御基盤側では、接続確認信号を出力後(図4(b) ステップS2)、リモコン検知フラグがオンか否か、つまり検知フラグが立っているか否かを判断して、リモコン検知フラグが立っている場合には、続く図4(b) ステップS4において接続確認タイマを上記比較的長い周期(図示例では5秒)にセットし、以下この5秒周期でポーリングを行なう。一方、リモコン検知フラグが立っていない場合(図4(b) ステップS3において否定的な場合)は、接続確認タイマを上記極めて短い周期(図示例では200m秒と)にセットして引き続いてリモコンの接続の有無の検出を続行する(図4(b) ステップS5)。
【0056】
このように、本実施形態によれば、制御基盤の交換時など、新旧両制御基盤が相互接続されている場合に、一方の制御基盤が他方の制御基盤からの接続確認信号を受信すると、一方の制御基盤がリモコンになりすまして疑似返答信号を出力するように構成したことにより、この疑似返答信号を受信した他方の制御基盤側の接続確認タイマの周期が延長されるので(図示例では200m秒から5秒に延長)、その分接続確認信号の出力頻度が低下し通信ビジーの状態が改善される。しかもその際、接続確認信号を受信した一方の制御基盤側においても、接続確認タイマを延長(図示例では10秒)するように構成されているので、上記他の制御基盤側の出力頻度の低下と相まってより通信ビジー状態をより改善できる。
【0057】
しかも、この実施形態では、他方の制御基盤から接続確認信号を受信しない限り疑似返答信号が出力されないので、たとえば、電源瞬断後に電源が復帰した場合には、通常どおり接続確認信号が出力されるので、極めて短時間で通常運転に復帰することができる。
【0058】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなくその発明の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0059】
たとえば、上記実施形態1および2において基盤識別データ(マイコンのバージョン情報や基盤セットの種類さらには基盤の回路構成等)を設定データの転送後に判別しているが、もちろんこの手順は設定データの転送に先行して行なわせることも可能である。その場合、設定データの転送に先立って基盤識別データの転送を行なう必要があることはもちろんである。
【0060】
また、上記実施形態1において、マイコンのバージョン情報の比較に際して、新旧両制御基盤のマイコンバージョンが一致するか否かを判定していたが、この場合、マイコンのバージョンが異なっても互換性があるものであれば、あらかじめそのような互換可能なマイコンバージョン情報を記憶させておき、かかる情報に基づいて不揮発性メモリへの書き込みを行なわせることも可能である。
【0061】
さらに、上記実施形態2においては、基盤識別データとして基盤セットの種類や回路構成、ディップスイッチの設定などを記憶させていたが、基盤の構成を識別するための要素であれば他の要素を記憶させることも可能である。
【0062】
また、上記実施形態1および2においてデータの比較結果が否定的である場合、不揮発性メモリへの書き込みは一切行なわない構成を採用したが、場合によっては、制御基盤の動作に支障のない範囲でデータの一部のみを書き込みする構成を採用することも可能である。ただし、その場合、かかる一部データの書き込みを作業者にも認識可能なように何らかの表示伝達手段を設けることが必要である。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、給湯器の制御基盤が、少なくともマイコンと、給湯器システムのシステムに関する設定やユーザー設定などの設定データを記憶する領域と基盤識別データを記憶する領域とを有する不揮発性メモリと、上記設定データおよび基盤識別データを一時的に記憶するメモリとを備えてなり、基盤交換時に、旧の制御基盤から転送される旧制御基盤の設定データおよび基盤識別データを前記メモリに一時的に記憶させる手順と、旧制御基盤から転送された基盤識別データと自己の保持する制御基盤の基盤識別データとを比較する手順と、この比較結果に応じて前記旧の制御基盤から転送された設定データを上記不揮発性メモリに上書きして記憶するか否かを判定する手順とを有するソフトウェアを内蔵していることから、基盤識別データとして、たとえばマイコンのバージョン情報や制御基盤の基盤情報を設定しておくことにより、これらの情報に基づいて転送が許容された場合のみ設定データの書き換えを行なうことができ、転送された制御データが新制御基盤に適合せずに給湯器等が誤動作する危険が解消される。
【0064】
また、旧の制御基盤から転送された設定データを上記不揮発性メモリに上書きして記憶させると判定された際に、上記旧の制御基盤に記憶された給湯器本体および給湯器本体の制御基盤で制御される個々の装置等を識別するための装置等識別データを転送させて上記不揮発性メモリに上書きする手順を有するソフトウェアを内蔵してなることから、たとえば製品のロット番号等に基づいて制御基盤が給湯器の管理を行なっている場合などにおいても、制御基盤交換によるロット番号等の消失を防止できる。
【0065】
しかも、制御基盤が、リモコンからの返答信号を受信してリモコンの接続を確認する構成を備えている場合に、該制御基盤が動作開始後に他の制御基盤からの接続確認信号を受信すると、当該他の制御基盤に対してリモコンが接続されているかのように見せる疑似返答信号を送出して、上記他の制御基盤にリモコンの接続を検出させる手順を有するソフトウェアを内蔵してなることにより、他の制御基盤側での接続確認に伴う通信量を抑制でき、通信ビジー状態を回避することができる。また、疑似返答信号を送出する際に、自己が送信する接続確認信号の出力周期を延長して、設定データの転送を先行して行なわせる手順を有するソフトウェアを内蔵してなることにより、自己が発する接続確認信号も減少させることができ、通信ビジーの状態をより確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である給湯器の制御基盤における設定データの転送動作を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の第2の実施形態である給湯器の制御基盤における設定データの転送動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第3の実施形態である給湯器の制御基盤における設定データの転送動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第4の実施形態である給湯器の制御基盤における設定データの転送動作を説明するフローチャートであり、図4(a) は電源投入後後から立ち上がった制御基盤の動作を示し、また、図4(b) は電源投入後先に立ち上がった制御基盤の動作を示している。
【図5】図5(a) は、給湯器の制御基盤交換時に行なうデータ転送時の新旧両制御基盤の接続状態を示す説明図であり、また、図5(b) は、給湯器の電磁弁構成の一例を示す説明図である。
【図6】従来の給湯器の制御基盤におけるデータ転送時の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 新制御基盤
2 旧制御基盤
3 リモコン線
Claims (6)
- 少なくともマイコンと、給湯器システムのシステムに関する設定やユーザー設定などの設定データを記憶する領域と基盤識別データを記憶する領域とを有する不揮発性メモリと、前記設定データおよび基盤識別データを一時的に記憶するメモリとを備えてなり、
基盤交換時に、旧の制御基盤から転送される旧制御基盤の設定データおよび基盤識別データを前記メモリに一時的に記憶させる手順と、旧制御基盤から転送された基盤識別データと自己の保持する制御基盤の基盤識別データとを比較する手順と、この比較結果に応じて前記旧の制御基盤から転送された設定データを前記不揮発性メモリに上書きして記憶するか否かを判定する手順とを有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする給湯器の制御基盤。 - 前記基盤識別データとして、制御基盤に搭載されるマイコンのバージョン情報が記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の給湯器の制御基盤。
- 前記基盤識別データとして、制御基盤の種類および設定に関する基盤情報が記憶されていることを特徴とする請求項1に記載の給湯器の制御基盤。
- 請求項1に記載の給湯器の制御基盤において、前記旧の制御基盤から転送された設定データを前記不揮発性メモリに上書きして記憶させると判定された際に、前記旧の制御基盤に記憶された給湯器本体および給湯器本体の制御基盤で制御される個々の装置等を識別するための装置等識別データを転送させて前記不揮発性メモリに上書きする手順を有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする給湯器の制御基盤。
- 少なくともマイコンと、データを記憶するメモリと、基盤交換時に旧の制御基盤からの設定データの転送を受信して保管する機能とを備えた給湯器の制御基盤であって、動作開始後に所定周期でリモコンの接続の有無を検知するための接続確認信号を出力し、リモコンからの返答信号を受信してリモコンの接続を確認する構成を備えた制御基盤において、
動作開始後に他の制御基盤からの接続確認信号を受信した場合に、当該他の制御基盤に対して前記リモコンが接続されているかのように見せる疑似返答信号を出力して、前記他の制御基盤にリモコンの接続を検出させる手順を有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする給湯器の制御基盤。 - 前記疑似返答信号を送出する場合に、自己が送信する接続確認信号の出力周期を延長して、前記設定データの転送を先行して行なわせる手順を有するソフトウェアを内蔵してなることを特徴とする請求項5に記載された給湯器の制御基盤。
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