JP3593870B2 - 抄紙機のカンバス汚染防止方法及びそのための抄紙機のドライパート - Google Patents

抄紙機のカンバス汚染防止方法及びそのための抄紙機のドライパート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙機におけるカンバスを備えたドライパート及びそのカンバス汚染防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の抄紙機においては、ドライヤあるいはカンバスは使用日数が多くなるに従って、種々の物質、例えば、紙に含有される、塗工物、インキ、顔料、諸薬液等によって汚染されてくる。
特にカンバスは、織布又はフェルトにより形成されているため、汚れが付着し易く、またその汚れも取り除きにくい。
この汚れは、抄紙機を長く稼働することにより多くなり、つれて製品の品質を低下させたり、また乾燥効率を低下させる原因にもなる。
つまり抄紙機においては、カンバスの汚染防止は、製品の品質を維持向上させる等の点で極めて重要な技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため抄紙機において汚れが付き難く且つ落ち易いカンバスが待望されており、例えば、カンバス自体に防汚処理を行う方法が開発された。
しかし、この方法は、カンバスがドライヤとの接触により加熱されるので、耐久性に問題があり、必ずしも満足のいくものではない。
【0004】
カンバス汚染には、材質、熱条件、圧力、時間等の多くの要因が絡んでいるため、耐久性のある汚染防止策を開発することは必ずしも簡単ではない。
特に近年では、カンバスの材料として強度のある合成繊維が多用されるため、カンバス自体の寿命が長くなり汚染物の付着蓄積が進む傾向にある。
また、原料木材の品質低下やリサイクルを背景にした古紙利用の増加により、原料内に汚染物質を含む場合が多くなっている。
このようなことから、カンバス汚染を防止する必要が益々高まってきている。
【0005】
本発明はかかる技術的背景に鑑み、抄紙機において、比較的簡単な手段・方法でカンバスの汚れを確実、且つ効率的に防止し、しかも耐久性のある抄紙機のカンバス汚染防止方法及びそのための抄紙機のドライパートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
しかして、本発明者等は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねた結果、カンバスに間接的に汚染防止の薬液を塗布することにより、汚染防止を図ることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0007】
即ち本発明は、(1)、複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスとの間に湿紙を添接させて乾燥させる抄紙機のドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置するアウターロールに対し汚染防止薬液を塗布し、次にそのアウターロールに塗布した汚染防止薬液をカンバスに移行させるようにしたカンバスの汚染防止方法であって、前記汚染防止薬液の塗布は、引き込み状態に配置されたアウターロールに対して汚染防止薬液を噴射することにより行うカンバスの汚染防止方法に存する。
【0008】
そして、(2)、複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスとの間に湿紙を添接させて乾燥させる抄紙機のドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置するアウターロールに対し汚染防止薬液を塗布し、次にそのアウターロールに塗布した汚染防止薬液をカンバスに移行させるようにしたカンバスの汚染防止方法であって、前記汚染防止薬液の塗布は、カンバスの両端から中央に向けて汚染防止薬液を噴射することにより行うカンバスの汚染防止方法に存する。
【0009】
そしてまた、(3)、複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスとの間に湿紙を添接させて乾燥させる抄紙機のドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置するアウターロールに対し汚染防止薬液を塗布し、次にそのアウターロールに塗布した汚染防止薬液をカンバスに移行させるようにしたカンバスの汚染防止方法であって、前記汚染防止薬液の塗布は、カンバスにより隔離された狭空間からアウターロール全幅に渡って汚染防止薬液を噴射することにより行うことを特徴とするカンバスの汚染防止方法に存する。
【0010】
そしてまた、(4)、複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスとの間に湿紙を添接させて乾燥させる抄紙機のドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置し、引き込み状態に配置されたアウターロールに対し、カンバスの両端から中央に向けて汚染防止薬液を噴射塗布し、次にそのアウターロールに噴射塗布した汚染防止薬液をカンバスに移行させることを特徴とするカンバスの汚染防止方法に存する。
【0011】
そしてまた、(5)、複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスを備え、前記ドライヤおよび前記カンバスロールに湿紙を添接させながら所定軌道に沿って給送するようにしたドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置したアウターロールに対し汚染防止薬液を付与する薬液噴射装置を備えた抄紙機のドライパートに存する。
【0012】
そしてまた、(6)、前記薬液噴射装置は、引き込み状態に配置されたアウターロールに対して設けられていることを特徴とする、請求項5記載の抄紙機のドライパートに存する。
【0013】
そしてまた、(7)、前記薬液噴射装置は、薬液を付与すべきアウターロールの両端部付近に薬液噴射ノズルを配置したものであることを特徴とする、請求項5記載の抄紙機のドライパートに存する。
【0014】
そしてまた、(8)、前記薬液噴射ノズルは、湿紙面に対して3〜6度の角度で配置されていることを特徴とする、請求項7記載の抄紙機のドライパートに存する。
【0015】
そしてまた、(9)、前記薬液噴射ノズルは、直進型スプレーノズルであることを特徴とする、請求項7記載の抄紙機のドライパートに存する。
【0016】
そしてまた、(10)、前記薬液噴射ノズルは、アウターロールの移動に追従するように設けられていることを特徴とする、請求項7記載の抄紙機のドライパートに存する。
【0017】
そしてまた、(11)、前記薬液噴射装置は、薬液を付与すべきアウターロールの全幅に渡って複数のノズルを備えた長尺状の薬液噴射ノズルユニットをカンバスにより隔離された狭空間に配置したものであることを特徴とする、請求項5記載の抄紙機のドライパートに存する。
【0018】
そしてまた、(12)、複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスを備え、前記ドライヤおよび前記カンバスロールに湿紙を添接させながら所定軌道に沿って給送するようにしたドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置され且つ引き込み状態に配置されたアウターロールに対し、外アウターロールの両端部付近に湿紙面に対して3〜6度の角度で配置された汚染防止薬液を付与する薬液噴射ノズルを備えたことを特徴とする抄紙機のドライパートに存する。
【0020】
本発明によれば、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置するカンバスロールに薬液を付与する。
すなわちカンバスロールのうち所謂アウタロールに対して薬液が付与され、これによりアウタロールからカンバスの外側の表面に薬液が移行され、結果的にカンバスに薬液が均一に塗布される。
抄紙機内で給送される湿紙はカンバスの外側の表面、つまり薬液が付与されている表面に添接しながら所定軌道に沿って送られる。
湿紙と接触するカンバスの表面には剥離性の強い被膜が形成され、湿紙からカンバスに汚染物等が付着されることを有効に防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明による抄紙機のドライパートの好適な実施の形態を説明する。
図1は、この実施形態に係る抄紙機におけるドライパートを示している。
この例のドライパートは第1群10のドライパート、第2群20のドライパートおよび第3群30のドライパートと3つの群を有している。
【0022】
例えば、第1群10のドライパートにおいて、上下の各カンバス11がそれぞれ複数のカンバスロール13を介して一定の閉ループを描いて走行するようになっている。
列設された複数のドライヤとエンドレスなカンバスとの間には、湿紙が添接されカンバスと同速で送られる。
第2群20のドライパートおよび第3群30のドライパートについても実質的に同様な構成となっている。
【0023】
第1群10のドライパートの場合、ドライヤ12a1 ,12a2 ,12a3 とインナカンバスロール13a1 ,13a2 ,...,13a8 とアウターロール13a9 とを含み、これらは図示例のような一定の配置関係で列設されている。上側のカンバス11aは、このように列設された複数のドライヤ12等の間を順次走行する。
図から明らかなようにインナカンバスロール13a1 〜13a8 はカンバス11aの内側に配置され、またアウターロール13a9 はその外側に配置される。
【0024】
このようにドライパートにおいて、アウターロール13a9 は少なくとも一つ存在するが、それはカンバス11aの張力を調整するためのものである。 図示しないが、インナカンバスロール13a6 を移動可能とすることにより張力の調整が可能となる。
【0025】
第1群10のドライパートにおいてまた、ドライヤ12b1 ,12b2 ,12b3 とインナカンバスロール13b1 ,13b2 ,...,13b8 とアウターロール13b9 とを含み、下側のカンバス11bは、このように列設された複数のドライヤ12等の間を順次走行する。
上側のカンバス11aの場合と同様に、インナカンバスロール13b1 〜13b8 はカンバス11bの内側に配置され、またアウターロール13b9 はその外側に配置される。
【0026】
湿紙Pは、上側の各カンバス11aおよび各ドライヤ12aと下側の各カンバス11bおよび各ドライヤ12bに交互に添接しながら所定軌道に沿って給送される。
湿紙Pはドライヤ12aあるいはドライヤ12bと接触走行(図でいう左から右へ)することで、次第に乾燥されていく。
【0027】
第2群20のドライパートにおいて、上下の各カンバス21a,21bは、それぞれ複数のカンバスロール23a,23bを介して一定の閉ループを描いて走行する。
列設された複数のドライヤ22a,22bとエンドスなカンバス21a,21bとの間には湿紙Pが添接され同速で送られる。
第2群20のドライパートにおけるドライヤ22a,22bおよびカンバスロール23a,23b等の具体的な配置関係については、第1群10の場合と多少相違しているが、両者の実質的な構成は同様である。
【0028】
すなわち、湿紙Pは、上側の各カンバス21aおよび各ドライヤ22aと下側の各カンバス21bおよび各ドライヤ22bに交互に添接しながら所定軌道に沿って給送される。
湿紙Pは、第1群10のドライパートと第2群20のドライパートを通過しながら、カンバスによりドライヤ表面に圧接されて次第に乾燥される。
なお、必要に応じて、第4群のドライパート、更にその次のドライパートが設けられることもある。
【0029】
本発明装置において、カンバスの走行経路を設定する所定のカンバスロールに対して、汚染防止薬液を給付する薬液噴射装置を備える。
この実施形態では、たとえば第1群10のドライパートにおいて上側のアウターロール13a9 あるいは下側のアウターロール13b9 に対して薬液噴射装置を配置するものとする。
【0030】
図2は、薬液噴射装置の全体構成例を示している。
この薬液噴射装置は、アウターロール13a9 又はアウターロール13b9 の両端部付近に配置された一対の薬液噴射ノズル1と、流量計2から送られてくる清水と薬液タンク3内の薬液を適量混合して薬液噴射ノズル1へ給送するミキサ4と、を含んでいる。
薬液噴射ノズル1は好適には、直進型スプレーノズルが使用される。
【0031】
ここで使用される薬液としては、後述するように、カンバスロールからカンバスに容易に移行(すなわち転移)することができ、一旦、カンバスに付与されるた場合は、汚染防止機能を有するものが採用される。
しかも、結果的に、この薬剤は、紙に僅かながらも付着されていくものなので、紙に含まれても品質に悪影響を与えないものが良い。
このような条件を満足する薬剤として、シリコーン系オイルが好適である。
具体的には、シリコーン系オイルを活性剤を用いて乳化した乳化液として用いる。
ここでシリコーン系オイルとしては、例えば、メチルフェニルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル等が採用される。
【0032】
図3は、薬液噴射ノズル1からアウターロール13a9 あるいはアウターロール13b9 へ薬液を噴射する様子を示している。
ところで、カンバスは閉ループを形成しているが、その張力を調整するために、複数のカンバスロールのうち、このカンバス閉ループの外側に位置するアウターロールが少なくとも一つ設けられている。
このアウターロールは引っ込み状態の構造となっており、その上流又は下流に配置された一つのカンバスロール(例えば、図1の第1群10のドライパートでは、カンバスロール13a6 はアウターロール13a9 の下流に配置されている)を移動調整自在にするか、又はアウターロール自体を移動調整自在にするかの手段により、カンバス閉ループの張力を調節する仕組みになっている。
【0033】
本発明の薬液噴射装置、すなわち薬液噴射ノズル1は、この引っ込み状態の構造に配置されたアウターロールに対して薬液を噴射塗布するように設けられる。
各薬液噴射ノズル1は、噴射効率の観点から、アウターロール13a9 あるいはアウターロール13b9 の両端部から、例えば、3〜7cm程度離れて設置されることが好ましい。
また、各薬液噴射ノズル1は、同様に噴射効率の観点から、その長手軸方向に対して3°〜8°程度傾斜して設置されることが好ましい。
これら薬液噴射ノズル1の配置位置や傾斜角度は、適宜調整自在になっているので、上記以外の範囲での調整は当然可能である。
なお、アウターロール13a9 (13b9 )の長さは、紙幅(例えば5〜10m程度)に適応できる軸長のものが採用される。
【0034】
回転するアウターロール13a9 (13b9 )に対して、図示のように、薬液噴射ノズル1からほぼ中央部付近に向けて、薬液が噴射される。
この薬液噴射によってアウターロール13a9 (13b9 )表面に薬液が均一に塗布される。
このように薬液が均一に塗布されることで、次の段階で、アウターロール13a9 (13b9 )に接触するカンバス11a(11b)の外側の表面には、汚染を寄せつけない皮膜、すなわち剥離性の強い被膜が形成されるである。
【0035】
本発明は、カンバス11a(11b)に直接、薬液を噴射塗布する方法ではなく、すなわち、第1段として、先ず、アウターロール13a9 (13b9 )に薬液を噴射塗布し、第2段として、その塗布した薬液をカンバス11a(11b)に移行(転移)させる、方法を採用している。
この間接的な移行(転移)作用を利用することにより、最終的に、カンバス11a(11b)面に薬液が均一に塗布される利点があるが、この点は極めて特徴的である。
【0036】
更に、引っ込み状態の構造に配置されたアウターロールに対して、薬液を噴射塗布することから、被噴射空間が、上下のカンバス11a(11b)によって外気と隔離される狭空間に区画される。
その結果、薬液の飛散が起こらず、外部環境を汚さなく、しかも薬液の散逸もないため薬剤の消費効率も良い。
ところで、上述したように、カンバス11a(11b)の張力調整において、アウターロール13a9 (13b9 )が移動する方式のものがあることは既に述べた。
この場合、薬液噴射ノズル1を配置するには、該薬液噴射ノズル1もアウターロール13a9 (13b9 )の移動に追従して移動する構造とする。
【0037】
例えば、アウターロール13a9 (13b9 )の回転軸に取り付けた図示しないブラケットを介して薬液噴射ノズルを配置する構造が採用される。
また、ドライパートの図示しない外枠体に薬液噴射ノズル1を取り付け、アウターロールの移動に追従する構造としてもよい。
湿紙Pは、カンバス11a(11b)の外側の表面に添接しながら所定軌道に沿って走行する。
上記のように薬液被膜を有するカンバス11a(11b)には湿紙Pからの汚染物等が付着せず、また仮に付いても簡単に剥離され、従って、カンバス11a(11b)の汚染を有効に防止することができる。
【0038】
図4は、薬液噴射装置の変形例を示している。この例ではアウターロール13a9 あるいはアウターロール13b9 と平行に所定間隔おいて横架された長尺状の薬液噴射ノズルユニット1′を備えている。
薬液噴射ノズルユニット1′は、少なくとも、アウターロール13a9 (13b9 )の幅の長さを有しており、複数の薬液噴射ノズルを備えている。
薬液噴射ノズルユニット1′には前述したミキサ4から薬液が給送されるようになっている。
【0039】
この図4に示した例では、図示のように薬液噴射ノズルユニット1′からアウターロール13a9 (13b9 )の全幅に渡って噴霧状の薬液を均一噴射する。
この場合、引き込み状態に配置されたアウターロール13a9 (13b9 )の上下がカンバスにより隔離された狭空間となり薬液の散逸が防止される。
この場合にもカンバス11a(11b)の外側の表面に剥離性の強い被膜が形成される結果、湿紙Pからの汚染物等の付着を防ぐことができる。
またこの場合、薬液噴射ノズルユニット1′を配置するには、先述した図3の薬液噴射ノズル1と同じように、薬液噴射ノズルユニット1′もアウターロール13a9 (13b9 )の移動に追従して移動する構造とすることも可能である。
【0040】
上記説明においては、本発明装置をドライパートの第1群10に適用した例を示したが、第2群20に対しても同様である。
第2群20においても上下のアウターロールに対して薬液噴射装置を配置し、これらに給付された薬液がそれぞれ上下のカンバス21a,21bに転写されることになる。
【0041】
ここで、図5および図6は異なる形式のドライパートの例を示している。
図5に示したいわゆるサーペンタインラン方式のドライパートにおけるアウターロール5や、図6に示したいわゆるウノロール方式におけるドライパートのアウターロール6,6′に対しても本発明装置を有効に適用可能であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
更に他の方式のドライパートに対しても適応可能である。
【0042】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質から逸脱しない範囲で、他の色々な変形例が可能であることは言うまでもない。
たとえば薬液噴射ノズル1の配置位置や傾斜角度の数値等は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜選定可能である。
更にアウターロールが多数あるものは、それらに対しても適応可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、この種の抄紙機において間接的な方法でカンバスの表面に剥離性の強い薬液被膜を形成することで、カンバスに均一に薬剤が塗布される。
そのため湿紙からカンバスに汚染物等が付着するのを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による抄紙機のカンバス汚染防止装置の実施形態におけるドライパートの例を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係る薬液噴射装置の全体構成例を示す図である。
【図3】図3は、本発明による抄紙機のカンバス汚染防止装置の実施形態における薬液噴射装置の作用を示す図である。
【図4】図4は、本発明に係る薬液噴射装置の変形例を示す図である。
【図5】図5は、本発明が適用可能な異なる形式のドライパートの例を示す図である。
【図6】図6は、本発明が適用可能な他の異なる形式のドライパートの例を示す図である。
【符号の説明】
1…薬液噴射ノズル
1′…薬液噴射ノズルユニット
2…流量計
3…薬液タンク
4…ミキサ
5…アウターロール
6,6′…アウターロール
10…第1群
11…カンバス
11a…カンバス
11b…カンバス
12…ドライヤ
12b1 ,12b2 ,12b3 …ドライヤ
13…カンバスロール
13a1 〜13a8 …インナカンバスロール
13b1 〜13b8 …インナカンバスロール
13a9 …アウターロール
13b9 …アウターロール
20…第2群
21a,21b…カンバス
22a,22b…ドライヤ
30…第3群
P…湿紙

Claims (12)

  1. 複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスとの間に湿紙を添接させて乾燥させる抄紙機のドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置するアウターロールに対し汚染防止薬液を塗布し、次にそのアウターロールに塗布した汚染防止薬液をカンバスに移行させるようにしたカンバスの汚染防止方法であって、前記汚染防止薬液の塗布は、引き込み状態に配置されたアウターロールに対して汚染防止薬液を噴射することにより行うことを特徴とするカンバスの汚染防止方法。
  2. 複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスとの間に湿紙を添接させて乾燥させる抄紙機のドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置するアウターロールに対し汚染防止薬液を塗布し、次にそのアウターロールに塗布した汚染防止薬液をカンバスに移行させるようにしたカンバスの汚染防止方法であって、前記汚染防止薬液の塗布は、カンバスの両端から中央に向けて汚染防止薬液を噴射することにより行うことを特徴とするカンバスの汚染防止方法。
  3. 複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスとの間に湿紙を添接させて乾燥させる抄紙機のドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置するアウターロールに対し汚染防止薬液を塗布し、次にそのアウターロールに塗布した汚染防止薬液をカンバスに移行させるようにしたカンバスの汚染防止方法であって、前記汚染防止薬液の塗布は、カンバスにより隔離された狭空間からアウターロール全幅に渡って汚染防止薬液を噴射することにより行うことを特徴とするカンバスの汚染防止方法。
  4. 複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスとの間に湿紙を添接させて乾燥させる抄紙機のドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置し、引き込み状態に配置されたアウターロールに対し、カンバスの両端から中央に向けて汚染防止薬液を噴射塗布し、次にそのアウターロールに噴射塗布した汚染防止薬液をカンバスに移行させることを特徴とするカンバスの汚染防止方法。
  5. 複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスを備え、前記ドライヤおよび前記カンバスロールに湿紙を添接させながら所定軌道に沿って給送するようにしたドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置したアウターロールに対し汚染防止薬液を付与する薬液噴射装置を備えたことを特徴とする抄紙機のドライパート。
  6. 前記薬液噴射装置は、引き込み状態に配置されたアウターロールに対して設けられていることを特徴とする、請求項5記載の抄紙機のドライパート。
  7. 前記薬液噴射装置は、薬液を付与すべきアウターロールの両端部付近に薬液噴射ノズルを配置したものであることを特徴とする、請求項5記載の抄紙機のドライパート。
  8. 前記薬液噴射ノズルは、湿紙面に対して3〜6度の角度で配置されていることを特徴とする、請求項7記載の抄紙機のドライパート。
  9. 前記薬液噴射ノズルは、直進型スプレーノズルであることを特徴とする、請求項7記載の抄紙機のドライパート。
  10. 前記薬液噴射ノズルは、アウターロールの移動に追従するように設けられていることを特徴とする、請求項7記載の抄紙機のドライパート。
  11. 前記薬液噴射装置は、薬液を付与すべきアウターロールの全幅に渡って複数のノズルを備えた長尺状の薬液噴射ノズルユニットをカンバスにより隔離された狭空間に配置したものであることを特徴とする、請求項5記載の抄紙機のドライパート。
  12. 複数のドライヤと複数のカンバスロールを介して一定の閉ループを描いて走行するカンバスを備え、前記ドライヤおよび前記カンバスロールに湿紙を添接させながら所定軌道に沿って給送するようにしたドライパートにおいて、複数のカンバスロールのうちカンバス閉ループの外側に位置され且つ引き込み状態に配置されたアウターロールに対し、外アウターロールの両端部付近に湿紙面に対して3〜6度の角度で配置された汚染防止薬液を付与する薬液噴射ノズルを備えたことを特徴とする抄紙機のドライパート。
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