JP3593744B2 - 列車運転整理支援装置 - Google Patents
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- Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、列車運行計画を変更するための列車運転整理支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
列車運転整理支援装置の計画変更作業に関する部分的な技術としては、特開平5−224870号公報に開示された対話方式の技術がある。この内容は、変更作業毎に画面を呼出し各作業画面毎にアイコンなどを用いて必要な情報を逐一入力する方式である。
【0003】
また、列車運転整理支援装置全体としては、「マンマシン協調運転整理システム」(第30回「鉄道におけるサイバネティクス利用国内シンポジウム論文集」)に開示された技術がある。この内容は、熟練した指令員が運行状況を把握し、机上で変更計画を立て指示するという一連の運転整理作業を自動化する提案である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、開示された上記従来技術では、高速・高密度で運行されている列車のダイヤが乱れた場合、運行計画を変更することは非常に困難な状況にある。すなわち、ダイヤの乱れを回復するために指令員は運転整理を行うが、変更操作したい作業画面への入力項目が多く、指令員の誤入力,入力抜け等が発生し易いものとなっている。また、変更したい作業画面を出力するために本質的でないメニュー検索を余儀なくされ、無駄にデータ入力を行うことから作業効率が悪いものとなっている。
【0005】
従って、本発明の目的は、指令員の入力ミスを回避し、作業効率の良い列車運転整理支援装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、表示装置と対話し、列車運行計画の計画変更を実行する列車運転整理支援装置において、
アイコン化された前記列車運行計画の構成要素を用いて、列車運行状況を現わす状況画面を前記表示装置に表示する状況表示手段と、
前記アイコンの組合わせと前記計画変更に係る複数の作業内容とを関連付けた所定の基準および該複数の作業内容に対応する所定の作業画面の情報を記憶する情報記憶手段と、
前記状況画面に表示された前記アイコンを2つ以上選択する手段と、
選択された前記アイコンを組合わせ、前記情報記憶手段から呼び出した前記基準と照合し、前記作業内容を決定する作業決定手段と、
決定された前記作業内容に基づいて、前記情報記憶手段から呼び出した前記作業画面を、前記状況画面に代えて前記表示装置に出力する画面出力手段とを設けることにより達成される。
【0007】
【作用】
上記構成によれば、指令員が運行計画の変更を行いたいと思う対象と本質的で感覚的に直結している、「駅」,「列車」,「信号機」などといった列車運行計画の構成要素を、情報を兼備するアイコンとしてアイコン化し、該アイコンを「列車在線位置モニタ」画面上から選択すると、選択したアイコンの組合わせと所定の作業画面決定基準により、指令員の意図した作業画面が直接出力されるので、指令員の入力ミスが少なくなり、作業時間が短縮される。
すなわち、指令員が頭に描く変更したい作業内容(即ち、計画変更の作業画面)とアイコン選択操作(即ち、対話)とが合致しているので、換言すれば、本質的で感覚的な対話作業が行えるので、指令員の入力ミスが回避される。
【0008】
また、作業画面決定基準の採用により作業画面が直接出力されるので、運転整理の各作業画面毎に、必要な情報としてのアイコンを逐一入力するという無駄な入力操作がなくなり、作業時間が短縮される。特に、変更対象が多い場合には作業時間に余裕が生じ、指令員の精神的負担が軽減され、迅速かつ的確な指令判断が遂行できる。
そしてまた、出力された作業画面には、指令員が変更しようとする内容が既に入力された情報を兼備するアイコンから編集され出力されるので、変更情報の再入力による誤入力や入力抜けなどが防止され、全体的な作業効率の向上に結び付くものである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明による実施例について、図面を参照し説明する。
図1は、本発明による一実施例の「列車在線位置モニタ」画面を示す図である。図2は、本発明による一実施例の列車運転整理支援装置を示す構成図である。
まず、図2により列車運行計画を変更し整理する列車運転整理支援装置について説明する。
【0010】
運行されている列車がレール上を走行していると、地上設備1に含まれる軌道回路装置や列車番号検出装置によって列車の在線位置が認識され、列車番号が検出される。これらの列車在線情報が列車制御コンピュータ2へ伝達され、列車制御コンピュータ2により列車運行状況が認識される。
列車制御コンピュータ2は、列車在線情報を基に、列車情報ファイル3を更新し、列車追跡処理を実行すると共に、列車制御情報を地上設備1に送信し、列車の運行を制御する。列車情報ファイル3は列車情報を格納するファイルで、列車制御コンピュータ2によって更新された最新の列車情報が格納される。
そして、指令卓4(運転整理用端末)は、指令員が列車運行状況を把握し監視する端末である。このように列車運行状況が監視され、列車運行計画に沿って列車の運行が制御されている。また、指令卓4は表示装置としてのディスプレイを具備している。
【0011】
上記のような状況にあって、列車運行計画を変更する場合がある。この場合、指令卓4は、列車運行計画を変更し該変更に伴って計画全体を整理するという運転整理を実施するための、一連の変更作業を行う端末となる。具体的には、指令員が指令卓4のディスプレイに表示された作業画面と対話し、「着発番線変更」、「出発時刻変更」などの複数の変更作業が行われる。
そして、指令員が指令卓4にて運転整理を実施すると、運転整理で変更となった内容が、変更情報として列車制御コンピュータ2に送信される。この変更情報によって、列車制御コンピュータ2は、列車情報ファイル3を更新し、同時に、地上設備1へ列車制御情報を送信し、変更された運行計画で列車を制御する。
【0012】
図中に拡大した列車在線位置モニタの画面は、列車の在線位置等をディスプレイにモニタしたものであって、指令員が指令卓4で列車運行状況を把握し、本発明による運転整理を実施するための画面の一実施例である。すなわち、列車運行計画の構成要素である列車,駅,番線,信号機などがアイコン化され、該アイコンを用いて列車,駅,番線,信号機などの位置や駅構内の配置などが、物理的で視覚的な形で表示されている。すなわち、指令卓4は、アイコン化された列車運行計画の構成要素を用いて、列車運行状況を現わす状況画面としての列車在線位置モニタ画面を表示装置としてのディスプレイに表示する状況表示手段である。
【0013】
作業画面情報ファイル5は、所定の基準及び作業画面の情報を記憶する情報記憶手段である。すなわち、指令員が列車在線位置モニタの画面と対話し列車運行計画の計画変更を実施したとき、換言すれば、列車在線位置モニタの画面上に表示された列車,駅,番線,信号機などの構成要素(即ち、アイコン)を選択したとき、その選択されたアイコンの組合わせと照合し、上記計画変更に係る複数の作業内容の関連付けを決定するための所定の基準としての作業画面決定基準と、計画変更に係る複数の作業内容に対応した所定の作業画面としての複数の作業画面とが記憶されている。
【0014】
以上のような列車運転整理支援装置は、指令員が列車在線位置モニタの画面上に表示された列車,番線,信号機などのアイコンを2つ以上選択することによって、必要な作業画面を取り出し、列車運行計画を変更し整理するものである。なお、アイコンを選択する手段としてはライトペンやマウスなどがあり、選択はこれらを用いてヒットし行われるが、公知技術であり説明は省略する。
【0015】
以下、列車運転整理支援装置について、さらに詳細を説明する。
図1に戻り、上記の列車運転整理支援装置を用いて列車運行計画を変更するための「列車在線位置モニタ」の画面について説明する。この画面には、地上設備1に含まれる駅構内の構成、信号機の配置などが走行中の列車と共に、物理的かつ視覚的な形で表示されている。図の中央に位置するS5駅について説明する。
【0016】
30は、S5駅(即ち、駅)を示している。S1駅から順にS2,S3,S4, S5,S6駅までの、各駅の列車運行状況がモニタされている。
31は、S5駅に近づいているA列車(即ち、列車)を示している。画面の水平方向に対し角がある方が列車の進行方向である。各列車は、実際の走行状況とリンクしており、列車が走行するにつれモニタ画面の線路上を移動する。列車の在線位置は軌道回路装置により検知され、その検知結果が列車在線位置モニタ上に展開される。
【0017】
32は、信号機を示している。各信号機は列車に対する走行進路を決定する役割を持ち、図1の列車制御コンピュータ2や地上設備1に含まれる転轍機にリンクしている。
33,34は、列車が発着する番線を示している。各駅の列車入場進路付近に表示された番号が各駅の着発番線の番号であり、33はS5駅の1番線、34はS5駅の2番線を示している。着発番線の番号は、各駅ごとの番線構成に対応している。
【0018】
35は、出発順序列車表示窓を示している。出発順序列車表示窓は、各駅を出発する列車の列車番号を出発順に上から表示し、指令員が各駅における列車の出発順序を容易に把握できるようになっている。出発順序列車表示窓は各駅の上り線と下り線にそれぞれ対応して表示される。
出発順序列車表示窓35の中にある「Aレ」36は、列車番号を示している。 「A」 (アルファベット)は列車番号を示しており、「レ」はレッシャの頭文字を取り列車を意味し、貨車などと区別している。実際の列車番号は数値による表示だが、本実施例では説明のために上記のように表示した。
【0019】
次に、図3〜図4を参照し、本発明による「列車在線位置モニタ」画面を用いた運転整理について詳説する。
図3は、図1の「列車在線位置モニタ」画面の部分拡大を示す図である。説明を判り易くするために、S5駅の部分を拡大して示したものである。
【0020】
図4は、列車運行計画の変更作業の一実施例の出力画面を示す図である。すなわち、着発番線を変更する作業の一実施例の作業画面を示す図である。列車運行計画を運転整理するに必要な1つの作業画面としての「着発番線変更」画面が出力されている。
図3に戻って、S5駅の「着発番線変更」に関する列車運行計画を変更しようとする場合、例えば、変更前の列車運行計画で、A列車31のS5駅30における着発番線が2番線34であったものを、1番線33に変更する場合について説明する。
【0021】
この場合、「列車在線位置モニタ」画面を見ている指令員は、S5駅30を目で捉え、「列車在線位置モニタ」の画面上において、変更の対象であるA列車31を1つ目のアイコンの「列車」として選択する。続いて、変更し入線させたい番線の1番線33を2つ目のアイコンの「番線」として選択する。そして、この場合に選択される「列車」や「番線」は、アイコンであると同時に入力情報となっている。 即ち、1番線33はS5駅30の番線でしかなくS5駅であることを示唆しているので、 1番線33を選択することにより、S5駅30に関する変更であることが、別途S5駅であるとの情報を入力しなくても、自動的に把握することができる。そして、S5駅であるとの情報と共に、1番線であるという変更情報も入力されたことになる。
【0022】
以上のような入力情報をも兼備する2つのアイコンの選択により、図4のような「着発番線変更」の作業画面が直接出力される。図4の左側には、変更前の運行計画である 《計画》画面が出力表示される。変更前の運行計画は、ファイルされているものである。そして、右側に、変更後の運行計画である《変更》画面が出力表示される。変更画面から判るように、画面には2番線から1番線に変更した結果が既に出力表示されている。図4に図示された下線部は、指令員が改めて入力することなく自動的に表示される。即ち、「列車在線位置モニタ」画面を見ながら選択した、A列車31と1番線33の情報を有する2つのアイコンから自動的に表示されたものである。
【0023】
従って、従来方法のように、着発番線変更の作業画面を出力し、そして、変更したい「駅」と「番線」の変更情報を改めて入力するという工数が不要であることが判る。換言すれば、運転整理に必要な作業画面を呼出し、呼出した各作業画面毎に、必要な情報を逐一入力するという無駄な入力操作がなくなり、作業時間が短縮される。上記のような作業画面の出力と変更された後の内容の自動的表示をする運転整理処理フローについては、後述する。
【0024】
次に、指令員は、《変更》画面の内容が意図した着発番線変更の内容であるか否かを確認し、正しいと判断すれば、図4に図示された承認アイコン40を選択し承認する。間違っていれば、取消アイコン41を選択し、元の画面に戻し操作を遣り直すことができる。
万一、指令員が誤って、A列車31と2番線34とを選択しても、図4の「着発番線変更」の作業画面が出力される。この場合、左側の《計画》画面も右側の《変更》画面も同じになっているので、承認する前に、《変更》画面の2番線を1番線に修正すれば、意図する「着発番線変更」が行える。なお、取消アイコンを修正アイコンに代え、図4に示された下線部を修正するも可である。
【0025】
図5は、「着発番線変更」作業の他の実施例の出力画面を示す図である。
図4に示したような「着発番線変更」画面が、図1の「列車在線位置モニタ」画面に重ねられて出力された出力画面である。この出力画面は、全体と当該変更中の部分とが同時に把握できるのでミスがさらに回避され、より望ましいと言える。
【0026】
次に、図6〜図7を参照し、作業画面と変更内容を自動的に出力表示する運転整理処理フローについて、説明する。
図6は、本発明による一実施例の運転整理処理フローを示す図である。
まず、指令員が「列車在線位置モニタ」画面を出力すれば、処理フローは開始し待機する。ステップ1にて、指令員が「列車在線位置モニタ」画面上で選択した、2つのアイコンが読み込まれる。
ステップ2にて、読み込まれた2つのアイコンが組合わされ、列車運行計画の変更に必要な1つの作業画面が決定され出力される。ここで、この決定方法の一実施例について説明する。
【0027】
図7は、本発明による一実施例の作業画面決定マトリスクを示す図である。 すなわち、指令員が頭に描く変更したい作業内容とアイコン選択操作とが合致している作業画面を決定し出力するための、作業画面決定基準としてのマトリスクを示している。これについて説明する。
【0028】
列車運行計画の計画変更に係る作業内容としては、 前述の「着発番線変更」や 「出発時刻変更」の他に、「出発順序変更」、「臨時停車」などがある。これらの作業内容は、列車を運行する業務分野においては特徴的な構成要素(即ち、アイコン)である、「駅」,「列車」,「信号機」,「番線」,「出発順序」などの組合わせから決められるものであり、即ち、図7に示したような2つの特徴点としてのアイコンと作業内容とのマトリスクを、予め設定して置くことができるものである。そして一般的に、このような運転整理の作業画面決定基準は、鉄道会社や鉄道線区毎の運用方法に適した内容で、各線区の特徴、特性などを生かし、操作性の良いものとして設定されるものである。そしてこのマトリスクを用いれば、指令員が「列車在線位置モニタ」画面で「列車」と「番線」を選択すれば、「着発番線変更」であると決定される。この場合、組合せであって順列ではなく、すなわち、逆の順序に「番線」と「列車」を選択しても、やはり「着発番線変更」であると決定される。
【0029】
したがって、ステップ2では、選択されて読み込まれた2つのアイコンを組合わせ、マトリスクを用いて列車運行計画の変更に必要な1つの作業内容を決定するものである。換言すれば、ステップ2は、選択されたアイコンを組合わせ、情報記憶手段から呼び出した基準と照合し、作業内容を決定する作業決定手段であると言える。
そして、この作業内容とアイコンの組合わせが、この業務分野に従事する指令員が頭に描く変更作業とアイコン選択操作(対話)にも合致しているので、入力ミスの回避などに結び付くものである。そして、該アイコンが有する情報を変更情報として把握すれば、即ち、変更点の入力情報として利用することにより、変更前後の内容を編集し、編集した画面を表示することも可能である。
【0030】
すなわち、次のステップ3にて、「列車在線位置モニタ」画面を見て指令員が入力した変更情報(アイコンが有する入力情報)を用いて、出力される変更画面が事前に編集される。そして、ステップ4にて、図4に図示されたような編集された列車運転計画の変更内容が出力表示される。
換言すれば、ステップ3及びステップ4を包含したものが、作業決定手段が決定した作業内容に基づいて、情報記憶手段から呼び出した作業画面を状況画面に代えて表示装置に出力する手段と、当該作業画面を出力する前に、選択されたアイコンが兼備する入力情報を用いて、呼び出した作業画面を編集する手段とを有する画面出力手段であると言える。
【0031】
なお、ステップ3を省略しステップ4のみとし、決定した作業内容に基づいて直ちに当該作業画面を出力することもできる。この場合のステップ4は、作業決定手段によって決定された作業内容に基づいて、情報記憶手段から呼び出した作業画面を状況画面に代えて表示装置に出力する画面出力手段であると言える。
続いてステップ5にて、承認、取消、修正などが為される。
承認されれば、ステップ6にて、正しく変更計画された変更情報として作成処理され、ステップ7にて、該変更情報がファイルに格納され更新される。
【0032】
以上が、本発明による列車運転整理支援装置を用いて、列車運行計画を変更する、即ち、「着発番線変更」の運転整理を実行する実施例である。本実施例においては、(1)指令員が頭に描く変更したい作業内容(即ち、運転整理の作業画面)とアイコン選択操作とが合致しているので、入力ミスが回避される、(2)指令員の入力工数が低減されるので確実で素早い変更作業が行えるなどの利点がある。
【0033】
図8は、列車運行計画の変更作業の他の実施例の出力画面を示す図である。 即ち、運転整理の他の作業画面としての「出発時刻変更」画面が出力されている。
図3に示すA列車31(列車番号A)の、S5駅30における計画上の出発時刻は、10時00分である。このS5駅の出発時刻を、運転整理により変更する操作について、図8と図3を参照し説明する。
【0034】
指令員は、図3の「列車在線位置モニタ」画面を見ながら、出発時刻変更に必要な情報として、列車番号Aを有するA列車31を1つ目のアイコンの「列車」として選択し、続いてS5駅30の出発進路構成に関わる信号機37を2つ目のアイコンの「信号機」として選択する。信号機37はS5駅30であることを示唆している。以上の操作により、図8に示したような、S5駅30に関する出発時刻変更画面が出力される。図の出発時刻変更画面の左側に、出発時刻の計画内容が表示され、右側に運転整理を実施する変更内容の入力項目が表示される。この時、A列車31が既に選択された(入力された)ので列車番号「Aレ」は表示されている。指令員は表示されていない下線部の必要な項目について変更内容を入力し、承認アイコン40を選択し承認する。これにより一連の出発時刻変更の作業が完了する。取消や修正等は図4と同様である。
【0035】
図9は、列車運行計画の変更作業のもう一つ別の実施例の出力画面を示す図である。すなわち、運転整理の他の作業画面としての「出発順序変更」画面が出力されている。図9と図3を参照し出発順序変更について説明する。
図3に示すA列車31(列車番号A)のS5駅30における計画上の出発順序は、A列車31が先頭列車であるが、列車番号「Cレ」のC列車の後に列車番号「Aレ」のA列車31が出発するよう出発順序を変更する場合について説明する。なお、S5駅30と駅が指定されている駅指定の場合である。
【0036】
指令員は、出発順序変更に必要な情報を、S5駅30の出発順序に関わる出発順序列車表示窓35から、A列車31の列車番号を表す「Aレ」36を1つ目のアイコンの「出発順序列車」として選択し、変更によって列車番号Aの出発順序を列車番号Cの後にするために、続いて「Cレ」38を2つ目のアイコンの「出発順序列車」として選択する。以上の操作により図9に示すような出発順序変更画面が出力される。出発順序変更画面の左側に、出発順序の計画内容が表示され、右側に、運転整理が実施された変更内容が既編集され表示される。指令員は表示内容を確認し、図9の承認アイコン40を選択し承認する。これにより、駅指定の場合の出発順序変更の作業が完了する。
【0037】
列車が指定されている列車指定の場合は、次の通りである。
指令員は、出発順序変更に必要な情報として、 A列車31を1つ目のアイコンの 「列車」として選択し、続いてS5駅30の出発順序に関わる出発順序列車表示窓35を2つ目のアイコンの「出発順序列車」として選択する。以上の操作により出発順序変更画面が出力される。この場合に出力される画面は、図示してないが、画面の左側に計画内容が表示され、右側に運転整理が実施される変更内容の入力項目が表示される。指令員は出発順序を入力変更し、確認して承認アイコン40を選択し承認する。これにより、出発順序変更の作業が完了する。
【0038】
なお、後記の列車指定の場合であっても、出発順序変更画面の変更内容を指令員が画面を見ながら入力するのではなく、図3の列車在線位置モニタ上で指令員が複数(3個以上)のアイコンを選択したら、それらの組み合わせによって自動的に編集表示することは可能である。
即ち、本実施例では、2つのアイコンと作業内容とのマトリスクを示したが、複数のアイコンと作業内容との組合わせも考えられる。しかし、組合わせ因子が増えると基準が複雑となり指令員の入力ミスなどに繋がり易くなるので、複雑な組合わせの基準は避けた方が望ましいと言える。この点を考えれば、図7のようなマトリスクを指令員の確認などのために、見易い所に掲示して置くことが実際的であると言える。
【0039】
【発明の効果】
指令員が変更したい作業画面を本質的で感覚的な対話操作により出力させることが可能であり、作業時間を大幅に短縮させ、入力項目を必要最少限にすることができる。その結果、運転整理において入力ミスを防ぎ、作業負担を軽減し、操作性、応答性を十分満足させる列車運転整理支援装置を提供することができる。
【0040】
すなわち、指令員が運転整理を行いたいと思う対象を直接指定するため、操作方法を意識することなく運転整理の本質的な思考、操作に専念できる。そして、指令員が変更したい作業画面が直接出力されるので、作業効率が高い。
また、出力された作業画面には既に変更内容が表示されているので、画面への入力項目が大幅に減り、工数低減や誤入力防止ができる。
そして、運転整理の操作が簡略化されるため、作業時間が大幅に短縮され指令員に精神的な余裕を与え、指令判断に正確性、迅速性をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の「列車在線位置モニタ」画面を示す図である。
【図2】本発明による一実施例の列車運転整理支援装置を示す構成図である。
【図3】図1の「列車在線位置モニタ」画面の部分拡大を示す図である。
【図4】列車運行計画の変更作業の一実施例の出力画面を示す図である。
【図5】「着発番線変更」作業の他の実施例の出力画面を示す図である。
【図6】本発明による一実施例の運転整理処理フローを示す図である。
【図7】本発明による一実施例の作業画面決定マトリスクを示す図である。
【図8】列車運行計画の変更作業の他の実施例の出力画面を示す図である。
【図9】列車運行計画の変更作業のもう一つ別の実施例の出力画面を示す図である。
【符号の説明】
1…地上設備、2…列車制御コンピュータ、3…列車情報ファイル、
4…指令卓、5…作業画面情報ファイル、30…S5駅、31…A列車、
32,37…信号機、33…1番線、34…2番線、35…出発順序列車表示窓、
36…Aレ、38…Cレ、40…承認アイコン、41…取消アイコン
【産業上の利用分野】
本発明は、列車運行計画を変更するための列車運転整理支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
列車運転整理支援装置の計画変更作業に関する部分的な技術としては、特開平5−224870号公報に開示された対話方式の技術がある。この内容は、変更作業毎に画面を呼出し各作業画面毎にアイコンなどを用いて必要な情報を逐一入力する方式である。
【0003】
また、列車運転整理支援装置全体としては、「マンマシン協調運転整理システム」(第30回「鉄道におけるサイバネティクス利用国内シンポジウム論文集」)に開示された技術がある。この内容は、熟練した指令員が運行状況を把握し、机上で変更計画を立て指示するという一連の運転整理作業を自動化する提案である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、開示された上記従来技術では、高速・高密度で運行されている列車のダイヤが乱れた場合、運行計画を変更することは非常に困難な状況にある。すなわち、ダイヤの乱れを回復するために指令員は運転整理を行うが、変更操作したい作業画面への入力項目が多く、指令員の誤入力,入力抜け等が発生し易いものとなっている。また、変更したい作業画面を出力するために本質的でないメニュー検索を余儀なくされ、無駄にデータ入力を行うことから作業効率が悪いものとなっている。
【0005】
従って、本発明の目的は、指令員の入力ミスを回避し、作業効率の良い列車運転整理支援装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、表示装置と対話し、列車運行計画の計画変更を実行する列車運転整理支援装置において、
アイコン化された前記列車運行計画の構成要素を用いて、列車運行状況を現わす状況画面を前記表示装置に表示する状況表示手段と、
前記アイコンの組合わせと前記計画変更に係る複数の作業内容とを関連付けた所定の基準および該複数の作業内容に対応する所定の作業画面の情報を記憶する情報記憶手段と、
前記状況画面に表示された前記アイコンを2つ以上選択する手段と、
選択された前記アイコンを組合わせ、前記情報記憶手段から呼び出した前記基準と照合し、前記作業内容を決定する作業決定手段と、
決定された前記作業内容に基づいて、前記情報記憶手段から呼び出した前記作業画面を、前記状況画面に代えて前記表示装置に出力する画面出力手段とを設けることにより達成される。
【0007】
【作用】
上記構成によれば、指令員が運行計画の変更を行いたいと思う対象と本質的で感覚的に直結している、「駅」,「列車」,「信号機」などといった列車運行計画の構成要素を、情報を兼備するアイコンとしてアイコン化し、該アイコンを「列車在線位置モニタ」画面上から選択すると、選択したアイコンの組合わせと所定の作業画面決定基準により、指令員の意図した作業画面が直接出力されるので、指令員の入力ミスが少なくなり、作業時間が短縮される。
すなわち、指令員が頭に描く変更したい作業内容(即ち、計画変更の作業画面)とアイコン選択操作(即ち、対話)とが合致しているので、換言すれば、本質的で感覚的な対話作業が行えるので、指令員の入力ミスが回避される。
【0008】
また、作業画面決定基準の採用により作業画面が直接出力されるので、運転整理の各作業画面毎に、必要な情報としてのアイコンを逐一入力するという無駄な入力操作がなくなり、作業時間が短縮される。特に、変更対象が多い場合には作業時間に余裕が生じ、指令員の精神的負担が軽減され、迅速かつ的確な指令判断が遂行できる。
そしてまた、出力された作業画面には、指令員が変更しようとする内容が既に入力された情報を兼備するアイコンから編集され出力されるので、変更情報の再入力による誤入力や入力抜けなどが防止され、全体的な作業効率の向上に結び付くものである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明による実施例について、図面を参照し説明する。
図1は、本発明による一実施例の「列車在線位置モニタ」画面を示す図である。図2は、本発明による一実施例の列車運転整理支援装置を示す構成図である。
まず、図2により列車運行計画を変更し整理する列車運転整理支援装置について説明する。
【0010】
運行されている列車がレール上を走行していると、地上設備1に含まれる軌道回路装置や列車番号検出装置によって列車の在線位置が認識され、列車番号が検出される。これらの列車在線情報が列車制御コンピュータ2へ伝達され、列車制御コンピュータ2により列車運行状況が認識される。
列車制御コンピュータ2は、列車在線情報を基に、列車情報ファイル3を更新し、列車追跡処理を実行すると共に、列車制御情報を地上設備1に送信し、列車の運行を制御する。列車情報ファイル3は列車情報を格納するファイルで、列車制御コンピュータ2によって更新された最新の列車情報が格納される。
そして、指令卓4(運転整理用端末)は、指令員が列車運行状況を把握し監視する端末である。このように列車運行状況が監視され、列車運行計画に沿って列車の運行が制御されている。また、指令卓4は表示装置としてのディスプレイを具備している。
【0011】
上記のような状況にあって、列車運行計画を変更する場合がある。この場合、指令卓4は、列車運行計画を変更し該変更に伴って計画全体を整理するという運転整理を実施するための、一連の変更作業を行う端末となる。具体的には、指令員が指令卓4のディスプレイに表示された作業画面と対話し、「着発番線変更」、「出発時刻変更」などの複数の変更作業が行われる。
そして、指令員が指令卓4にて運転整理を実施すると、運転整理で変更となった内容が、変更情報として列車制御コンピュータ2に送信される。この変更情報によって、列車制御コンピュータ2は、列車情報ファイル3を更新し、同時に、地上設備1へ列車制御情報を送信し、変更された運行計画で列車を制御する。
【0012】
図中に拡大した列車在線位置モニタの画面は、列車の在線位置等をディスプレイにモニタしたものであって、指令員が指令卓4で列車運行状況を把握し、本発明による運転整理を実施するための画面の一実施例である。すなわち、列車運行計画の構成要素である列車,駅,番線,信号機などがアイコン化され、該アイコンを用いて列車,駅,番線,信号機などの位置や駅構内の配置などが、物理的で視覚的な形で表示されている。すなわち、指令卓4は、アイコン化された列車運行計画の構成要素を用いて、列車運行状況を現わす状況画面としての列車在線位置モニタ画面を表示装置としてのディスプレイに表示する状況表示手段である。
【0013】
作業画面情報ファイル5は、所定の基準及び作業画面の情報を記憶する情報記憶手段である。すなわち、指令員が列車在線位置モニタの画面と対話し列車運行計画の計画変更を実施したとき、換言すれば、列車在線位置モニタの画面上に表示された列車,駅,番線,信号機などの構成要素(即ち、アイコン)を選択したとき、その選択されたアイコンの組合わせと照合し、上記計画変更に係る複数の作業内容の関連付けを決定するための所定の基準としての作業画面決定基準と、計画変更に係る複数の作業内容に対応した所定の作業画面としての複数の作業画面とが記憶されている。
【0014】
以上のような列車運転整理支援装置は、指令員が列車在線位置モニタの画面上に表示された列車,番線,信号機などのアイコンを2つ以上選択することによって、必要な作業画面を取り出し、列車運行計画を変更し整理するものである。なお、アイコンを選択する手段としてはライトペンやマウスなどがあり、選択はこれらを用いてヒットし行われるが、公知技術であり説明は省略する。
【0015】
以下、列車運転整理支援装置について、さらに詳細を説明する。
図1に戻り、上記の列車運転整理支援装置を用いて列車運行計画を変更するための「列車在線位置モニタ」の画面について説明する。この画面には、地上設備1に含まれる駅構内の構成、信号機の配置などが走行中の列車と共に、物理的かつ視覚的な形で表示されている。図の中央に位置するS5駅について説明する。
【0016】
30は、S5駅(即ち、駅)を示している。S1駅から順にS2,S3,S4, S5,S6駅までの、各駅の列車運行状況がモニタされている。
31は、S5駅に近づいているA列車(即ち、列車)を示している。画面の水平方向に対し角がある方が列車の進行方向である。各列車は、実際の走行状況とリンクしており、列車が走行するにつれモニタ画面の線路上を移動する。列車の在線位置は軌道回路装置により検知され、その検知結果が列車在線位置モニタ上に展開される。
【0017】
32は、信号機を示している。各信号機は列車に対する走行進路を決定する役割を持ち、図1の列車制御コンピュータ2や地上設備1に含まれる転轍機にリンクしている。
33,34は、列車が発着する番線を示している。各駅の列車入場進路付近に表示された番号が各駅の着発番線の番号であり、33はS5駅の1番線、34はS5駅の2番線を示している。着発番線の番号は、各駅ごとの番線構成に対応している。
【0018】
35は、出発順序列車表示窓を示している。出発順序列車表示窓は、各駅を出発する列車の列車番号を出発順に上から表示し、指令員が各駅における列車の出発順序を容易に把握できるようになっている。出発順序列車表示窓は各駅の上り線と下り線にそれぞれ対応して表示される。
出発順序列車表示窓35の中にある「Aレ」36は、列車番号を示している。 「A」 (アルファベット)は列車番号を示しており、「レ」はレッシャの頭文字を取り列車を意味し、貨車などと区別している。実際の列車番号は数値による表示だが、本実施例では説明のために上記のように表示した。
【0019】
次に、図3〜図4を参照し、本発明による「列車在線位置モニタ」画面を用いた運転整理について詳説する。
図3は、図1の「列車在線位置モニタ」画面の部分拡大を示す図である。説明を判り易くするために、S5駅の部分を拡大して示したものである。
【0020】
図4は、列車運行計画の変更作業の一実施例の出力画面を示す図である。すなわち、着発番線を変更する作業の一実施例の作業画面を示す図である。列車運行計画を運転整理するに必要な1つの作業画面としての「着発番線変更」画面が出力されている。
図3に戻って、S5駅の「着発番線変更」に関する列車運行計画を変更しようとする場合、例えば、変更前の列車運行計画で、A列車31のS5駅30における着発番線が2番線34であったものを、1番線33に変更する場合について説明する。
【0021】
この場合、「列車在線位置モニタ」画面を見ている指令員は、S5駅30を目で捉え、「列車在線位置モニタ」の画面上において、変更の対象であるA列車31を1つ目のアイコンの「列車」として選択する。続いて、変更し入線させたい番線の1番線33を2つ目のアイコンの「番線」として選択する。そして、この場合に選択される「列車」や「番線」は、アイコンであると同時に入力情報となっている。 即ち、1番線33はS5駅30の番線でしかなくS5駅であることを示唆しているので、 1番線33を選択することにより、S5駅30に関する変更であることが、別途S5駅であるとの情報を入力しなくても、自動的に把握することができる。そして、S5駅であるとの情報と共に、1番線であるという変更情報も入力されたことになる。
【0022】
以上のような入力情報をも兼備する2つのアイコンの選択により、図4のような「着発番線変更」の作業画面が直接出力される。図4の左側には、変更前の運行計画である 《計画》画面が出力表示される。変更前の運行計画は、ファイルされているものである。そして、右側に、変更後の運行計画である《変更》画面が出力表示される。変更画面から判るように、画面には2番線から1番線に変更した結果が既に出力表示されている。図4に図示された下線部は、指令員が改めて入力することなく自動的に表示される。即ち、「列車在線位置モニタ」画面を見ながら選択した、A列車31と1番線33の情報を有する2つのアイコンから自動的に表示されたものである。
【0023】
従って、従来方法のように、着発番線変更の作業画面を出力し、そして、変更したい「駅」と「番線」の変更情報を改めて入力するという工数が不要であることが判る。換言すれば、運転整理に必要な作業画面を呼出し、呼出した各作業画面毎に、必要な情報を逐一入力するという無駄な入力操作がなくなり、作業時間が短縮される。上記のような作業画面の出力と変更された後の内容の自動的表示をする運転整理処理フローについては、後述する。
【0024】
次に、指令員は、《変更》画面の内容が意図した着発番線変更の内容であるか否かを確認し、正しいと判断すれば、図4に図示された承認アイコン40を選択し承認する。間違っていれば、取消アイコン41を選択し、元の画面に戻し操作を遣り直すことができる。
万一、指令員が誤って、A列車31と2番線34とを選択しても、図4の「着発番線変更」の作業画面が出力される。この場合、左側の《計画》画面も右側の《変更》画面も同じになっているので、承認する前に、《変更》画面の2番線を1番線に修正すれば、意図する「着発番線変更」が行える。なお、取消アイコンを修正アイコンに代え、図4に示された下線部を修正するも可である。
【0025】
図5は、「着発番線変更」作業の他の実施例の出力画面を示す図である。
図4に示したような「着発番線変更」画面が、図1の「列車在線位置モニタ」画面に重ねられて出力された出力画面である。この出力画面は、全体と当該変更中の部分とが同時に把握できるのでミスがさらに回避され、より望ましいと言える。
【0026】
次に、図6〜図7を参照し、作業画面と変更内容を自動的に出力表示する運転整理処理フローについて、説明する。
図6は、本発明による一実施例の運転整理処理フローを示す図である。
まず、指令員が「列車在線位置モニタ」画面を出力すれば、処理フローは開始し待機する。ステップ1にて、指令員が「列車在線位置モニタ」画面上で選択した、2つのアイコンが読み込まれる。
ステップ2にて、読み込まれた2つのアイコンが組合わされ、列車運行計画の変更に必要な1つの作業画面が決定され出力される。ここで、この決定方法の一実施例について説明する。
【0027】
図7は、本発明による一実施例の作業画面決定マトリスクを示す図である。 すなわち、指令員が頭に描く変更したい作業内容とアイコン選択操作とが合致している作業画面を決定し出力するための、作業画面決定基準としてのマトリスクを示している。これについて説明する。
【0028】
列車運行計画の計画変更に係る作業内容としては、 前述の「着発番線変更」や 「出発時刻変更」の他に、「出発順序変更」、「臨時停車」などがある。これらの作業内容は、列車を運行する業務分野においては特徴的な構成要素(即ち、アイコン)である、「駅」,「列車」,「信号機」,「番線」,「出発順序」などの組合わせから決められるものであり、即ち、図7に示したような2つの特徴点としてのアイコンと作業内容とのマトリスクを、予め設定して置くことができるものである。そして一般的に、このような運転整理の作業画面決定基準は、鉄道会社や鉄道線区毎の運用方法に適した内容で、各線区の特徴、特性などを生かし、操作性の良いものとして設定されるものである。そしてこのマトリスクを用いれば、指令員が「列車在線位置モニタ」画面で「列車」と「番線」を選択すれば、「着発番線変更」であると決定される。この場合、組合せであって順列ではなく、すなわち、逆の順序に「番線」と「列車」を選択しても、やはり「着発番線変更」であると決定される。
【0029】
したがって、ステップ2では、選択されて読み込まれた2つのアイコンを組合わせ、マトリスクを用いて列車運行計画の変更に必要な1つの作業内容を決定するものである。換言すれば、ステップ2は、選択されたアイコンを組合わせ、情報記憶手段から呼び出した基準と照合し、作業内容を決定する作業決定手段であると言える。
そして、この作業内容とアイコンの組合わせが、この業務分野に従事する指令員が頭に描く変更作業とアイコン選択操作(対話)にも合致しているので、入力ミスの回避などに結び付くものである。そして、該アイコンが有する情報を変更情報として把握すれば、即ち、変更点の入力情報として利用することにより、変更前後の内容を編集し、編集した画面を表示することも可能である。
【0030】
すなわち、次のステップ3にて、「列車在線位置モニタ」画面を見て指令員が入力した変更情報(アイコンが有する入力情報)を用いて、出力される変更画面が事前に編集される。そして、ステップ4にて、図4に図示されたような編集された列車運転計画の変更内容が出力表示される。
換言すれば、ステップ3及びステップ4を包含したものが、作業決定手段が決定した作業内容に基づいて、情報記憶手段から呼び出した作業画面を状況画面に代えて表示装置に出力する手段と、当該作業画面を出力する前に、選択されたアイコンが兼備する入力情報を用いて、呼び出した作業画面を編集する手段とを有する画面出力手段であると言える。
【0031】
なお、ステップ3を省略しステップ4のみとし、決定した作業内容に基づいて直ちに当該作業画面を出力することもできる。この場合のステップ4は、作業決定手段によって決定された作業内容に基づいて、情報記憶手段から呼び出した作業画面を状況画面に代えて表示装置に出力する画面出力手段であると言える。
続いてステップ5にて、承認、取消、修正などが為される。
承認されれば、ステップ6にて、正しく変更計画された変更情報として作成処理され、ステップ7にて、該変更情報がファイルに格納され更新される。
【0032】
以上が、本発明による列車運転整理支援装置を用いて、列車運行計画を変更する、即ち、「着発番線変更」の運転整理を実行する実施例である。本実施例においては、(1)指令員が頭に描く変更したい作業内容(即ち、運転整理の作業画面)とアイコン選択操作とが合致しているので、入力ミスが回避される、(2)指令員の入力工数が低減されるので確実で素早い変更作業が行えるなどの利点がある。
【0033】
図8は、列車運行計画の変更作業の他の実施例の出力画面を示す図である。 即ち、運転整理の他の作業画面としての「出発時刻変更」画面が出力されている。
図3に示すA列車31(列車番号A)の、S5駅30における計画上の出発時刻は、10時00分である。このS5駅の出発時刻を、運転整理により変更する操作について、図8と図3を参照し説明する。
【0034】
指令員は、図3の「列車在線位置モニタ」画面を見ながら、出発時刻変更に必要な情報として、列車番号Aを有するA列車31を1つ目のアイコンの「列車」として選択し、続いてS5駅30の出発進路構成に関わる信号機37を2つ目のアイコンの「信号機」として選択する。信号機37はS5駅30であることを示唆している。以上の操作により、図8に示したような、S5駅30に関する出発時刻変更画面が出力される。図の出発時刻変更画面の左側に、出発時刻の計画内容が表示され、右側に運転整理を実施する変更内容の入力項目が表示される。この時、A列車31が既に選択された(入力された)ので列車番号「Aレ」は表示されている。指令員は表示されていない下線部の必要な項目について変更内容を入力し、承認アイコン40を選択し承認する。これにより一連の出発時刻変更の作業が完了する。取消や修正等は図4と同様である。
【0035】
図9は、列車運行計画の変更作業のもう一つ別の実施例の出力画面を示す図である。すなわち、運転整理の他の作業画面としての「出発順序変更」画面が出力されている。図9と図3を参照し出発順序変更について説明する。
図3に示すA列車31(列車番号A)のS5駅30における計画上の出発順序は、A列車31が先頭列車であるが、列車番号「Cレ」のC列車の後に列車番号「Aレ」のA列車31が出発するよう出発順序を変更する場合について説明する。なお、S5駅30と駅が指定されている駅指定の場合である。
【0036】
指令員は、出発順序変更に必要な情報を、S5駅30の出発順序に関わる出発順序列車表示窓35から、A列車31の列車番号を表す「Aレ」36を1つ目のアイコンの「出発順序列車」として選択し、変更によって列車番号Aの出発順序を列車番号Cの後にするために、続いて「Cレ」38を2つ目のアイコンの「出発順序列車」として選択する。以上の操作により図9に示すような出発順序変更画面が出力される。出発順序変更画面の左側に、出発順序の計画内容が表示され、右側に、運転整理が実施された変更内容が既編集され表示される。指令員は表示内容を確認し、図9の承認アイコン40を選択し承認する。これにより、駅指定の場合の出発順序変更の作業が完了する。
【0037】
列車が指定されている列車指定の場合は、次の通りである。
指令員は、出発順序変更に必要な情報として、 A列車31を1つ目のアイコンの 「列車」として選択し、続いてS5駅30の出発順序に関わる出発順序列車表示窓35を2つ目のアイコンの「出発順序列車」として選択する。以上の操作により出発順序変更画面が出力される。この場合に出力される画面は、図示してないが、画面の左側に計画内容が表示され、右側に運転整理が実施される変更内容の入力項目が表示される。指令員は出発順序を入力変更し、確認して承認アイコン40を選択し承認する。これにより、出発順序変更の作業が完了する。
【0038】
なお、後記の列車指定の場合であっても、出発順序変更画面の変更内容を指令員が画面を見ながら入力するのではなく、図3の列車在線位置モニタ上で指令員が複数(3個以上)のアイコンを選択したら、それらの組み合わせによって自動的に編集表示することは可能である。
即ち、本実施例では、2つのアイコンと作業内容とのマトリスクを示したが、複数のアイコンと作業内容との組合わせも考えられる。しかし、組合わせ因子が増えると基準が複雑となり指令員の入力ミスなどに繋がり易くなるので、複雑な組合わせの基準は避けた方が望ましいと言える。この点を考えれば、図7のようなマトリスクを指令員の確認などのために、見易い所に掲示して置くことが実際的であると言える。
【0039】
【発明の効果】
指令員が変更したい作業画面を本質的で感覚的な対話操作により出力させることが可能であり、作業時間を大幅に短縮させ、入力項目を必要最少限にすることができる。その結果、運転整理において入力ミスを防ぎ、作業負担を軽減し、操作性、応答性を十分満足させる列車運転整理支援装置を提供することができる。
【0040】
すなわち、指令員が運転整理を行いたいと思う対象を直接指定するため、操作方法を意識することなく運転整理の本質的な思考、操作に専念できる。そして、指令員が変更したい作業画面が直接出力されるので、作業効率が高い。
また、出力された作業画面には既に変更内容が表示されているので、画面への入力項目が大幅に減り、工数低減や誤入力防止ができる。
そして、運転整理の操作が簡略化されるため、作業時間が大幅に短縮され指令員に精神的な余裕を与え、指令判断に正確性、迅速性をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の「列車在線位置モニタ」画面を示す図である。
【図2】本発明による一実施例の列車運転整理支援装置を示す構成図である。
【図3】図1の「列車在線位置モニタ」画面の部分拡大を示す図である。
【図4】列車運行計画の変更作業の一実施例の出力画面を示す図である。
【図5】「着発番線変更」作業の他の実施例の出力画面を示す図である。
【図6】本発明による一実施例の運転整理処理フローを示す図である。
【図7】本発明による一実施例の作業画面決定マトリスクを示す図である。
【図8】列車運行計画の変更作業の他の実施例の出力画面を示す図である。
【図9】列車運行計画の変更作業のもう一つ別の実施例の出力画面を示す図である。
【符号の説明】
1…地上設備、2…列車制御コンピュータ、3…列車情報ファイル、
4…指令卓、5…作業画面情報ファイル、30…S5駅、31…A列車、
32,37…信号機、33…1番線、34…2番線、35…出発順序列車表示窓、
36…Aレ、38…Cレ、40…承認アイコン、41…取消アイコン
Claims (2)
- 表示装置と対話し、列車運行計画の計画変更を実行する列車運転整理支援装置において、
アイコン化された前記列車運行計画の構成要素を用いて、列車運行状況を現わす状況画面を前記表示装置に表示する状況表示手段と、
前記アイコンの組合わせと前記計画変更に係る複数の作業内容とを関連付けた所定の基準および該複数の作業内容に対応する所定の作業画面の情報を記憶する情報記憶手段と、
前記状況画面に表示された前記アイコンを2つ以上選択する手段と、
選択された前記アイコンを組合わせ、前記情報記憶手段から呼び出した前記基準と照合し、前記作業内容を決定する作業決定手段と、
決定された前記作業内容に基づいて、前記情報記憶手段から呼び出した前記作業画面を、前記状況画面に代えて前記表示装置に出力する画面出力手段とを設けたことを特徴とする列車運転整理支援装置。 - 請求項1において、前記画面出力手段は、前記作業画面を前記表示装置に出力する前に、選択された前記アイコンが兼備する入力情報を用いて、呼び出した前記作業画面を編集する手段を有することを特徴とする列車運転整理支援装置。
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