JP3593281B2 - 移動電話装置及びゾーン移行方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動電話装置に係り、特に、頻繁なゾーン移行の発生を防止する移動電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話装置やPHS(Personal Handyphone System)等のセルラー方式を採用する移動体通信システムでは、利用可能地域を小さなエリア(ゾーン)に分割し、ゾーンごとに基地局を設置している。
【0003】
このような移動体通信システムに適用される移動電話装置は、待受状態にあるとき、基地局から受ける電波の受信レベルを定期的に測定し、現在交信先としている基地局(自局)よりも通信品質のよい基地局(周辺局)があるか否かを判別する。そして、移動電話装置は、自局よりも通信品質のよい周辺局があると判別すると、交信先を自局から該当する周辺局に切り替えてゾーンを移行する。
【0004】
この際、従来の移動電話装置は、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルから自局の止まり木チャンネルの受信レベルを差し引いた値が、待受許可レベルと待受劣化レベルとの差よりも大きくなると、直ちにゾーン移行を実行する。
【0005】
ここで、待受許可レベルとは、移動電話装置における受信レベルが、基地局との通信を支障なく行いうるものとして、待受を許可する受信レベルである。また、待受劣化レベルとは、待受中の移動電話装置において受信レベルが劣化した場合に、圏外と判断すべき受信レベルである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、自局の止まり木チャンネルの受信レベルや周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが激しく変化するような場合に、頻繁にゾーン移行を実行することがある。
このようなゾーン移行の頻発は、以下のような問題点を有している。
【0007】
移動電話装置は、ゾーン移行を実行する際、周辺局に制御チャンネルの割り当てを要求する等の大きな電力を要する処理を実行するため、ゾーン移行が頻発すると、急速に電池を消耗する。
【0008】
また、移動電話装置は、周辺局の制御チャンネルを起動する処理を実行している間、基地局からの着信通知を受信することができないため、ゾーン移行が頻発すると、相手先からの電話がつながりにくくなる。
【0009】
さらに、移動電話装置は、ゾーン移行の際に位置登録が必要となることがあり、ゾーン移行が頻発すると、移動通信網におけるトラフィックが増大することがある。
【0010】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、ゾーン移行が頻繁に発生することを防止することができる移動電話装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、この発明の第1の観点に係る移動電話装置は、
複数の基地局との間で交信先を切替可能な移動電話装置において、
所定のタイミングにて交信先の基地局の止まり木チャンネルと周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルを測定する測定手段と、
前記測定手段の測定結果に基づいて交信先となる基地局を切り替えて前記複数の基地局がカバーする複数のゾーン間の移行を可能とするゾーン移行実行手段とを備え、
前記ゾーン移行実行手段は、周辺局となる基地局ごとに第1の基準値を設定し、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが基準レベルより高いか否かを周辺局ごとに判別し、前記基準レベルより高い受信レベルの周辺局があると判別すると、当該周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルについて連続して前記基準レベルより高いと判別した回数が前記第1の基準値以上であるか否かを判別し、前記第1の基準値以上であると判別すると、交信先を当該周辺局に切り替えることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、ゾーン移行実行手段は、基準レベルより高い受信レベルの周辺局があると判別すると、当該周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルについて連続して基準レベルより高いと判別した回数が第1の基準値以上であると判別した場合に、その周辺局に交信先を切り替える。
これにより、一時的に周辺局の受信レベルが上昇しただけではゾーンを移行しないようにすることができ、ゾーン移行が頻繁に発生することを防止することができる。
【0013】
前記ゾーン移行実行手段は、交信先である基地局の止まり木チャンネルの受信レベルを周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルから減算した差分値と第2の基準値とを比較して前記差分値が前記第2の基準値より大きいか否かを判別することにより、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが前記基準レベルより高いか否かを判別することが望ましい。また、前記ゾーン移行実行手段は、交信先である基地局から受けた報知情報に基づいて前記第2の基準値を設定することが望ましい。すなわち、ゾーン移行実行手段は、例えば、自局から受けた報知情報に示された待受許可レベルと待受劣化レベルとの差を第2の基準値として設定することが望ましい。
【0015】
待受状態となったのち基準時間内に交信できなくなった基地局を登録する登録手段を備え、前記ゾーン移行実行手段は、周辺局となる基地局ごとに前記登録手段への登録個数を特定し、該登録個数に応じて前記第1の基準値を設定することが望ましい。
【0016】
このような構成において、登録手段は、一旦制御チャンネルを起動して待受状態となったのち、短時間で交信できなくなった基地局を登録する。ゾーン移行実行手段は、登録手段への登録個数を周辺局となる基地局ごとに特定し、登録個数に応じて第1の基準値を周辺局となる基地局ごとに設定する。
これにより、ゾーン移行の履歴に従って、周辺局ごとにゾーンを移行する条件を個別に設定することができ、ゾーン移行の頻発を防止することができる。
なお、交信できなくなった基地局には、圏外判別を受けて交信できなくなった基地局の他、交信先が他の周辺局に切り替えられた基地局をも含む。
【0017】
前記ゾーン移行実行手段は、交信先の基地局を自局として待受状態となったのち、当該自局と前記基準時間を超えて交信を継続したと判別すると、前記登録手段から該交信先の基地局の登録を抹消することが望ましい。
【0018】
また、この発明の第2の観点に係るゾーン移行方法は、
待受状態にある移動電話装置が複数の基地局との間で交信先を切り替えるための方法であって、
周辺局となる基地局ごとに第1の基準値を設定し、所定のタイミングで交信先の基地局と周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルを測定し、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが基準レベルより高いか否かを周辺局ごとに判別し、前記基準レベルより高い受信レベルの周辺局があると判別すると、当該周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルについて連続して前記受信レベルより高いと判別した回数が前記第1の基準値以上であるか否かを判別し、前記第1の基準値以上であると判別すると、交信先を当該周辺局に切り替えることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、基準レベルより高い受信レベルの周辺局があると判別すると、当該周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルについて連続して基準レベルより高いと判別した回数が第1の基準値以上であると判別した場合に、その周辺局に交信先を切り替える。
これにより、一時的に周辺局の受信レベルが上昇しただけではゾーンを移行しないようにすることができ、ゾーン移行が頻繁に発生することを防止することができる。
【0020】
交信先である基地局の止まり木チャンネルの受信レベルを周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルから減算した差分値と第2の基準値とを比較して前記差分値が前記第2の基準値より大きいか否かを判別することにより、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが前記基準レベルより高いか否かを判別することが望ましい。また、前記第2の基準値を交信先である基地局から受けた報知情報に基づいて設定してもよい。
【0021】
待受状態となったのち基準時間内に交信できなくなった基地局を登録し、周辺局となる基地局ごとの登録個数に応じて前記第1の基準値を設定することが望ましい。また、交信先の基地局を自局として待受状態となったのち、前記基準時間を超えて当該自局と交信を継続したと判別すると、該交信先の基地局の登録を抹消することが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る移動電話装置について詳細に説明する。
【0023】
図1は、この発明の実施の形態に係る移動電話装置100の構成を示す図である。
図示するように、移動電話装置100は、制御部1と、表示部2と、通信処理部3と、記憶部4と、キー入力部5と、音声入出力部6と、アンテナ7とから構成される。
【0024】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、この移動電話装置100全体の動作を制御するためのものであり、特に、移動電話装置100が待受状態にあるとき、ゾーンを移行するための条件が満たされているか否かを判別して適切なゾーン移行を行うためのものである。
より具体的には、制御部1は、移動電話装置100が待受状態にあるとき、定期的に交信先の基地局(自局)及び周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルを監視する。そして、制御部1は、後述するレベル条件を満たす周辺局があるか否かを判別し、レベル条件を満たす周辺局があると判別すると、その周辺局がレベル条件を連続して満たした回数が所定の基準値(第1の基準値)以上であるか否かを判別する。ここで、第1の基準値は、図2に例示するようなカウント満了値算出表50により、カウント満了値として求められる。カウント満了値算出表50は、記憶部4に記憶されている。
【0025】
図2に示すように、カウント満了値算出表50は、制御部1がチャンネル登録部31に記録されている止まり木チャンネル番号ごとの登録個数に対応するカウント満了値を求めるためのものである。ここで、止まり木チャンネルの登録個数とカウント満了値との対応関係は、ゾーン移行の頻発を効果的に抑制しつつ、交信先を通信品質の良い周辺局に素早く切り替えることができるようにするため、予め実験やシミュレーション等を行うことにより定められる。
【0026】
移動電話装置100が自局にて待受状態となる際、制御部1は、チャンネル登録部31に記録されている止まり木チャンネル番号の個数を周辺局となる基地局ごとに特定する。そして、制御部1は、特定した登録個数からカウント満了値算出表50によりカウント満了値を求め、周辺局情報表51に記録する。
【0027】
また、制御部1は、移動電話装置100が待受状態にあるとき、通信処理部3を制御して、レベル測定器21から各周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルを示す通知を定期的に受け取る。
この際、制御部1は、止まり木チャンネルごとに、受信レベルがレベル条件を満たしているか否かを判別し、レベル条件を満たしている止まり木チャンネルについては、図3に例示する周辺局情報表51に記録された現在カウント値を1だけ増加させる。一方、制御部1は、レベル条件を満たしていない止まり木チャンネルについては、周辺局情報表51の現在カウント値を”0”とする。
【0028】
ここで、レベル条件とは、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルから交信先の基地局(自局)の止まり木チャンネルの受信レベルを減算した差分値が、所定の基準値(第2の基準値)より大きいことをいう。第2の基準値としては、例えば、交信先の基地局(自局)から受信した報知情報に示される待受許可レベルと待受劣化レベルとの差(ゾーン移行レベル差ΔL)が用いられる。待受許可レベルとは、移動電話装置100における受信レベルが、基地局との通信を支障なく行いうるものとして、待受を許可する受信レベルである。また、待受劣化レベルとは、待受中の移動電話装置100において受信レベルが劣化した場合に、圏外と判断すべき受信レベルである。
【0029】
図1の表示部2は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、制御部1が実行した処理の結果を表示する結果表示部である。
【0030】
通信処理部3は、移動電話装置100が無線通信を可能とするためのものであり、RF信号処理部10と、ベースバンド信号処理部11とを備える。
【0031】
RF信号処理部10は、直交変調器、RFアンプ、ミキサ等から構成され、基地局との間で送受信する無線信号の変調・復調を行うための無線信号処理部である。
より具体的には、RF信号処理部10は、ベースバンド信号処理部11から受けたベースバンド信号を搬送するための高周波信号を生成してアンテナ7に供給する。また、RF信号処理部10は、アンテナ7が受信した無線信号からベースバンド信号を復調してベースバンド信号処理部11に送る。
このような機能を実現するため、RF信号処理部10は、アンテナ7が受信した無線信号から通信用に割り当てられた周波数帯の信号を選択的に取り出すための局部発振信号を生成するPLL回路20と、無線信号の受信レベルを測定するレベル測定器21とを備える。
【0032】
PLL回路20は、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、位相比較器、プリスケーラ、プログラマブルカウンタ等から構成され、アンテナ7が受信した信号に周波数と位相が同期した局部発振信号を生成する位相同期回路である。
【0033】
レベル測定器21は、PLL回路20が局部発振信号の周波数と位相を同期させた無線信号の受信レベルを測定し、制御部1に通知する信号レベル測定回路である。
【0034】
ベースバンド信号処理部11は、時分割多重化回路、コーデック等から構成され、RF信号処理部10が復調したベースバンド信号から制御部1が処理可能な信号を取り出したり、音声信号を取り出して音声入出力部6に出力したりするためのものである。
【0035】
記憶部4は、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)等から構成され、制御部1の動作を規定するプログラムやデータを格納するためのものである。
記憶部4は、周辺局情報記録部30と、チャンネル登録部31と、タイマフラグ32とを備える。
【0036】
周辺局情報記録部30は、移動電話装置100が交信先としている基地局(自局)からの報知情報に示された周辺局についての情報やレベル測定器21が測定した受信レベルに基づいて特定した周辺局の状態等を記録するためのものである。
周辺局情報記録部30は、図3に例示するような、周辺局情報表51を有している。
図示するように、周辺局情報表51は、周辺局の止まり木チャンネル番号を記録する欄「チャンネル番号」と、カウント満了値を記録する欄「カウント満了値」と、現時点において各止まり木チャンネルが連続してレベル条件を満たしている回数を記録する欄「現在カウント値」とからなる。
【0037】
チャンネル登録部31は、待受状態となったのち基準時間内に移動電話装置100と交信できなくなった基地局を登録するためのものである。より具体的には、チャンネル登録部31は、一旦制御チャンネルを起動して待受状態となったのち基準時間t秒内に交信先が他の周辺局へ切り替えられたり、圏外判別を受けたりして交信できなくなった基地局の止まり木チャンネル番号を記録する。なお、交信できなくなった基地局には、電波が微弱となって交信できなくなった基地局の他、交信先が他の周辺局へ切り替えられた基地局も含む。
ここで、チャンネル登録部31は、同一の止まり木チャンネル番号を複数記録可能である。また、チャンネル登録部31は、基準時間t秒より長く接続していた基地局の止まり木チャンネル番号については全ての登録を抹消する。
【0038】
タイマフラグ32は、移動電話装置100が制御チャンネルを起動してから、基準時間を超えて基地局との交信を継続したか否かを示すためのものである。
より具体的には、タイマフラグ32は、移動電話装置100が自局において待受状態となってから基準時間t秒が経過すると、制御部1により”1”にセットされる。また、タイマフラグ32は、周辺局の制御チャンネルを起動してゾーン移行がなされると、制御部1により”0”にリセットされる。
そして、移動電話装置100が自局から周辺局にゾーン移行する際、タイマフラグ32が”0”であると、制御部1により、自局の止まり木チャンネル番号がチャンネル登録部31に登録される。
【0039】
キー入力部5は、キーパッド等から構成され、ユーザが移動電話装置100に電話番号や各種動作命令を入力するためのものである。
【0040】
音声入出力部6は、スピーカ、マイク等から構成され、外部から入力された音声信号を電気信号に変換すると共に、ベースバンド信号処理部11から受けた音声信号を出力するための信号変換部である。
【0041】
次に上記構成を有する移動電話装置100が適用される通信システムについて説明する。
【0042】
図4は、移動電話装置100が適用される通信システムの構成を示す図である。
図示するように、この通信システムは、移動通信網150を介して相互に接続された複数の基地局Bsと、移動電話装置100の位置を登録するHLR(Home
Location Register)とを備えている。
また、移動通信網150は、公衆回線網160にも接続されており、移動電話装置100と電話Pn、コンピュータCpとの通信を可能としている。
【0043】
基地局Bsは、移動電話装置100と無線回線で結合することによりデータの送受信を可能とする。
また、基地局Bsは、図5に示すように、この通信システムの利用可能地域を区分化したゾーンZnをカバーするように設置されている。
【0044】
各基地局Bsには、自局と周辺局が識別可能となるようにそれぞれ異なる周波数帯が割り当てられ、基地局Bsは、割り当てられた周波数帯の無線信号により移動電話装置100との間でデータを送受信する。
ここで、基地局Bsには、止まり木チャンネル用に設定された止まり木用周波数と、通信チャンネル(通話チャンネル、制御チャンネル)用に設定された複数の周波数が割り当てられている。また、互いに隣接又は重複するゾーンZnをカバーする基地局Bsには、異なる止まり木用周波数が割り当てられている。これにより、移動電話装置100は、PLL回路20が生成する局部発振信号の発振周波数を切り替えることで各基地局Bsからの信号を選択的に受信することができる。
【0045】
止まり木チャンネルにて伝送される情報には、報知情報が含まれている。基地局Bsは、報知情報により、移動電話装置100に待受許可レベルや待受劣化レベル、周辺局の止まり木チャンネル番号等を通知する。
【0046】
以下に、この発明の実施の形態に係る移動電話装置100の動作を説明する。移動電話装置100は、短時間で交信が失われた基地局Bsの止まり木チャンネルを登録し、止まり木チャンネルごとの登録個数に基づいて各基地局BsがカバーするゾーンZnに移行する条件を変化させることによりゾーン移行の頻発を防止する移動電話装置である。
【0047】
移動電話装置100は、利用可能地域内で電源が投入されると、レベル測定器21が基地局Bsの止まり木チャンネルの受信レベルを測定して結果を制御部1に送る。
制御部1は、レベル測定器21から受けた受信レベルが制御チャンネルを起動できる程度のものであることを検出して、待受状態に遷移するための通常の待受遷移処理を実行する。
【0048】
すなわち、制御部1は、基地局Bsから受信したデータとの同期を取り、データ内の規制情報等から制御チャンネルを起動可能か否かを判別し、起動可能であると判別すると、待ち受け用の制御チャンネルを起動する。
【0049】
この際、制御部1は、上記通常の待受遷移処理の他に、図6のフローチャートに示す情報表初期化処理を実行する。
以下、制御部1が実行する情報表初期化処理について説明する。
【0050】
制御部1は、情報表初期化処理を開始すると、周辺局情報記録部30の記録内容を初期化する(ステップS1)。すなわち、制御部1は、周辺局情報記録部30が保持する周辺局情報表51に記録されたデータを消去して、新たなデータの書込に備える。
【0051】
次に、制御部1は、自局となる基地局Bsから受けた報知情報から、周辺局の止まり木チャンネル番号を特定して、周辺局情報表51の欄「チャンネル番号」に記録する(ステップS2)。
【0052】
制御部1は、各周辺局の止まり木チャンネル番号がチャンネル登録部31に登録されている個数を特定する(ステップS3)。
【0053】
制御部1は、特定した各周辺局の止まり木チャンネル番号の登録個数とカウント満了値算出表50とから、周辺局ごとのカウント満了値を求める(ステップS4)。制御部1は、求めたカウント満了値を周辺局情報表51の欄「カウント満了値」に記録する。
例えば、止まり木チャンネル番号”0030”がチャンネル登録部31に3つ登録されていると、制御部1は、図2に示すカウント満了値算出表50からカウント満了値が”7”であることを求め、図3に示すように、周辺局情報表51のチャンネル番号”0030”に対応する欄「カウント満了値」に記録する。
【0054】
次に、制御部1は、交信先となる基地局Bsとの間で交信可能な状態がどれだけ継続するかを計測するため、自局の制御チャンネルを起動して待受状態となった時点から計時を開始し、情報表初期化処理を終了する(ステップS5)。
このように、制御部1は、交信先となる基地局Bsとの間で交信が可能な状態がどれだけ継続するかを監視する。この後、制御部1は、交信可能時間が基準時間t秒を超えて継続すると、自局の止まり木チャンネル番号をチャンネル登録部31の登録から抹消すると共に、交信可能時間が基準時間t秒を超えて継続していることを示すタイマフラグ32を”1”にセットする。
【0055】
移動電話装置100が待受状態にあるとき、制御部1は、図7のフローチャートに示すような待受処理を実行する。
すなわち、制御部1は、一定時間経過するまで待機して(ステップS10にてNO)、一定時間が経過するごとに(ステップS10にてYES)、図8のフローチャートに示すレベルチェック処理を実行する(ステップS11)。
【0056】
なお、制御部1は、待受処理を実行中にユーザがキー入力部5を操作して電話をかけたり、基地局Bsから着信通知を受けると、待受処理を終了して通話状態となる。また、制御部1は、待受処理を実行中に基地局Bsからの電波が劣化して無線回線を維持できなくなると、圏外状態となる。
【0057】
次に、制御部1が上記待受処理のステップS11にて実行するレベルチェック処理について説明する。
【0058】
制御部1は、レベルチェック処理を開始すると、通信処理部3を制御して、周辺局情報表51の欄「チャンネル番号」に記録されている止まり木チャンネルの受信レベルを測定する(ステップS20)。より具体的には、制御部1は、PLL回路20が生成する局部発振信号の発振周波数を止まり木チャンネル受信用の周波数に設定してレベル測定器21から受信レベルの通知を受ける。
【0059】
制御部1は、レベル測定器21から受信レベルの通知を受け、周辺局がレベル条件を満たすか否かを判別する(ステップS21)。すなわち、制御部1は、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルから自局の止まり木チャンネルの受信レベルを減算した値が、自局から受けた報知情報により特定した待受許可レベルと待受劣化レベルとの差(ゾーン移行レベル差ΔL)よりも大きいか否かを判別する。
【0060】
制御部1は、周辺局がレベル条件を満たすと判別すると(ステップS21にてYES)、周辺局情報表51の当該周辺局に対応する欄「現在カウント値」に記録されたカウント値を1だけ増加する(ステップS22)。
【0061】
一方、制御部1は、周辺局がレベル条件を満たさないと判別すると(ステップS21にてNO)、周辺局情報表51の当該周辺局に対応する欄「現在カウント値」に”0”を記録する(ステップS23)。
【0062】
制御部1は、周辺局情報表51に記録されている全ての止まり木チャンネルについて受信レベルの測定が終了したか否かを判別し(ステップS24)、終了していないと判別すると(NO)、処理をステップS20にリターンして受信レベルの測定を続ける。
【0063】
一方、制御部1は、周辺局情報表51に記録されている全ての止まり木チャンネルについて受信レベルの測定が終了したと判別すると(ステップS24にてYES)、周辺局情報表51に記録された各周辺局について、カウント満了値と現在カウント値とを比較する(ステップS25)。
【0064】
制御部1は、ステップS25の結果から、現在カウント値がカウント満了値以上である周辺局があるか否かを判別する(ステップS26)。
【0065】
制御部1は、現在カウント値がカウント満了値以上である周辺局がないと判別すると(ステップS26にてNO)、ステップS27〜S29の処理をスキップしてレベルチェック処理を終了し、図7のステップS10に処理をリターンする。
【0066】
一方、制御部1は、現在カウント値がカウント満了値以上である周辺局があると判別すると(ステップS26にてYES)、タイマフラグ32が”1”にセットされているか否かを判別する(ステップS27)。タイマフラグ32は、自局との交信可能時間が基準時間t秒を超えて継続しているか否かを示し、自局との交信可能時間が基準時間t秒を超えて継続していれば”1”にセットされている。
【0067】
制御部1は、タイマフラグ32が”1”にセットされていると判別すると(ステップS27にて”1”)、ステップS28の処理をスキップしてステップS29に処理を進める。
【0068】
一方、制御部1は、タイマフラグ32が”0”であると判別すると(ステップS27にて”0”)、移行元の基地局Bsの止まり木チャンネル番号をチャンネル登録部31に登録する(ステップS28)。すなわち、制御部1は、一旦制御チャンネルを起動して待受状態となったのち基準時間t秒内に交信できなくなった基地局Bsの止まり木チャンネル番号をチャンネル登録部31に登録する。
これにより、移動電話装置100は、ゾーンの移行を行う条件をゾーン移行の履歴に応じて変化させることができる。
【0069】
次に、制御部1は、レベル条件を満たし現在カウント値がカウント満了値以上となった周辺局の制御チャンネルを起動する等のゾーン移行のための処理を実行し、該周辺局を交信先として自局に設定する(ステップS29)。この際、制御部1は、通常のゾーン移行のための処理と共に上記情報表初期化処理を実行して待受状態となる。
この後、制御部1は、レベルチェック処理を終了して図7のステップS10に処理をリターンする。
【0070】
このように、制御部1は、レベル条件を満たすと共に現在カウント値がカウント満了値以上となった周辺局に交信先を切り替えてゾーンを移行する。すなわち、制御部1は、止まり木チャンネルの受信レベルが基準レベルより大きい状態が、所定の基準値(第1の基準値)以上の測定回数にわたって連続した周辺局に交信先を切り替える。
これにより、移動電話装置100は、ゾーン移行が頻繁に発生することを防止することができる。
【0071】
次に、具体例として、図9に示すように、ユーザが移動電話装置100を携帯してゾーンZn1とゾーンZn2とが重なり合う地点に滞在しているものとして、移動電話装置100の動作を説明する。
ここで、移動電話装置100が基地局Bs1及び基地局Bs2から受信する止まり木チャンネルの受信レベルは、図10に示すように時間的に変化しているものとする。なお、図10に示すタイミングT1〜T18は、レベル測定器21が止まり木チャンネルの受信レベルを測定するタイミングを示している。
【0072】
図11(A)は、図10のタイミングT1以前におけるチャンネル登録部31の登録内容を示す図である。なお、チャンネル登録部31に記録されている値”FFFF”は、止まり木チャンネル番号が登録されていないことを示す空白値である。
この例では、基地局Bs1の止まり木チャンネル番号を”001F”、基地局Bs2の止まり木チャンネル番号を”0021”とする。
また、周辺局情報記録部30がタイミングT1の時点で保持している周辺局情報表51は、図12(A)に示すようなものであるとする。
さらに、タイミングT1において、タイマフラグ32は”0”であるとする。
【0073】
移動電話装置100は、始めに基地局Bs1を自局として待ち受けていると、制御部1が、図10のタイミングT1にて基地局Bs2がレベル条件を満たしていることを検出する(図8のステップS21にてYESの処理)。
制御部1は、基地局Bs2がレベル条件を満たしていることを検出すると、周辺局情報表51のチャンネル番号”0021”に対応する欄「現在カウント値」に記録されたカウント値を1だけ増加する(図8のステップS22の処理)。
図12(B)は、制御部1がチャンネル番号”0021”の現在カウント値を変更した後の周辺局情報表51を示す図である。
【0074】
制御部1は、図12(B)に示すように、チャンネル番号”0021”の現在カウント値がカウント満了値と等しいことを検出する。そこで、制御部1は、通信処理部3を制御して、基地局Bs2の制御チャンネルを起動する等のゾーンZn2に移行するための処理を実行する(図8のステップS29の処理)。
【0075】
ここで、制御部1は、タイマフラグ32が”0”であることから、基地局Bs1の止まり木チャンネル番号”001F”をチャンネル登録部31に登録する。図11(B)は、制御部1がチャンネル登録部31に止まり木チャンネル番号”001F”を登録した後の登録内容を示す図である。
【0076】
制御部1は、交信先を基地局Bs2とした後、基地局Bs2から受けた報知情報から周辺局の止まり木チャンネル番号を特定し、周辺局情報表51の欄「チャンネル番号」に記録する(図6のステップS2の処理)。
【0077】
次に、制御部1は、特定した各周辺局の止まり木チャンネル番号がチャンネル登録部31にいくつ登録されているかを調べる(図6のステップS3の処理)。ここで、制御部1は、周辺局情報表51に記録されている止まり木チャンネル番号ごとにその登録個数を特定する。例えば、基地局Bs1の止まり木チャンネル番号”001F”は、図11(B)に示すように、1個登録されているので、登録個数は”1”である。
【0078】
制御部1は、特定した登録個数に応じて、カウント満了値算出表50から各止まり木チャンネルのカウント満了値を求める(図6のステップS4の処理)。例えば、基地局Bs1の止まり木チャンネル番号”001F”の登録個数は”1”であるから、図2に示すカウント満了値算出表50より、止まり木チャンネル番号”001F”に対応するカウント満了値は”2”となる。
制御部1は、求めたカウント満了値を、止まり木チャンネルごとに周辺局情報表51の欄「カウント満了値」に記録する。
以上の処理により、例えば、図13(A)に示すような周辺局情報表51が作成される。
【0079】
この後、移動電話装置100は、基地局Bs2を自局として待受状態となり、制御部1は、図10のタイミングT3にて基地局Bs1がレベル条件を満たしていることを検出する。制御部1は、基地局Bs1がレベル条件を満たしていることから、周辺局情報表51において、基地局Bs1の止まり木チャンネル番号”001F”に対応する欄「現在カウント値」に記録されたカウント値を1だけ増加する。
図13(B)は、制御部1が止まり木チャンネル番号”001F”の現在カウント値を変更した後の周辺局情報表51を示す図である。
【0080】
制御部1は、図13(B)に示す周辺局情報表51において、各周辺局のカウント満了値と現在カウント値とを比較し、現在カウント値がカウント満了値以上である周辺局がないことから、ゾーンの移行を行わない。
【0081】
次に、制御部1は、図10のタイミングT4においても基地局Bs1がレベル条件を満たしていることを検出する。
制御部1は、周辺局情報表51の止まり木チャンネル番号”001F”に対応する欄「現在カウント値」に記録されたカウント値を1だけ増加する。
制御部1は、周辺局情報表51においてカウント満了値と現在カウントとを比較して基地局Bs1の現在カウント値がカウント満了値以上であると判別し、基地局Bs1の制御チャンネルを起動してゾーンを移行する。
【0082】
この際、制御部1は、タイマフラグ32が”0”であることから、自局として接続していた移行元の基地局Bs2の止まり木チャンネル番号”0021”をチャンネル登録部31に登録する。
図11(C)は、制御部1がチャンネル登録部31に止まり木チャンネル番号”0021”を登録した後の登録内容を示す図である。
【0083】
この後、制御部1は、移動電話装置100が待受状態に入る際、チャンネル登録部31に基地局Bs2の止まり木チャンネル番号”0021”が1個登録されていることを検出する。制御部1は、カウント満了値算出表50より、周辺局情報表51のチャンネル番号”0021”に対応する欄「カウント満了値」に記録する数値は”2”であることを特定し、周辺局情報表51に記録する。
このようにして作成された周辺局情報表51の一例を、図14(A)に示す。
【0084】
この後、移動電話装置100は、基地局Bs1を自局として待受状態となり、図10のタイミングT5にて、基地局Bs2がレベル条件を満たしていることを検出する。
制御部1は、周辺局情報表51において、基地局Bs2の止まり木チャンネル番号”0021”に対応する欄「現在カウント値」に記録されたカウント値を1だけ増加する。
制御部1は、周辺局情報表51において各周辺局のカウント満了値と現在カウント値とを比較し、現在カウント値がカウント満了値以上である周辺局がないことから、ゾーンの移行を行わない。
【0085】
次に、制御部1は、図10のタイミングT6においても基地局Bs2がレベル条件を満たしていることを検出する。
制御部1は、周辺局情報表51のチャンネル番号”0021”に対応する欄「現在カウント値」に記録されたカウント値を1だけ増加する。
【0086】
図14(B)は、制御部1がチャンネル番号”0021”の現在カウント値を変更した後の周辺局情報表51を示す図である。
制御部1は、図14(B)に示す周辺局情報表51において、カウント満了値と現在カウント値とを比較し、基地局Bs2の現在カウント値がカウント満了値以上であると判別してゾーンZn2に移行する。
【0087】
この際、制御部1は、タイマフラグ32が”0”であることから、自局として接続していた基地局Bs1の止まり木チャンネル番号”001F”をチャンネル登録部31に登録する。
図11(D)は、制御部1がチャンネル登録部31に止まり木チャンネル番号”001F”を登録した後の登録内容を示す図である。
【0088】
この後、移動電話装置100が交信先を基地局Bs2に切り替えて待受状態に入る。この際、制御部1は、情報表初期化処理を実行し、図11(D)に示すように、チャンネル登録部31に基地局Bs1の止まり木チャンネル番号”001F”が2個登録されていることを検出する。従って、制御部1は、図2に示すカウント満了値算出表50から、周辺局情報表51のチャンネル番号”001F”に対応する欄「カウント満了値」に記録する数値は”4”であることを特定し、周辺局情報表51に記録する。
こうして作成された周辺局情報表51の一例を、図15(A)に示す。
【0089】
この後、移動電話装置100は、基地局Bs2を自局として待受状態となり、制御部1は、図10のタイミングT8にて、基地局Bs1がレベル条件を満たしていることを検出する。
制御部1は、周辺局情報表51のチャンネル番号”001F”に対応する欄「現在カウント値」に記録されているカウント値を1だけ増加する。制御部1は、カウント満了値と現在カウント値とを比較して、現在カウント値がカウント満了値以上である周辺局がないことから、ゾーンを移行しない。
【0090】
制御部1は、図10のタイミングT9にて、基地局Bs1がレベル条件を満たしていないことから、周辺局情報表51のチャンネル番号”001F”に対応する欄「現在カウント値」にカウント値”0”を記録する。
【0091】
この後、移動電話装置100が基地局Bs2を自局として待受を開始してから、基準時間t秒が経過したものとする。
制御部1は、基準時間t秒が経過したことを検出して、タイマフラグ32を”1”にセットする。また、制御部1は、チャンネル登録部31に登録されている基地局Bs2の止まり木チャンネル番号”0021”の登録を抹消する。
図11(E)は、制御部1がチャンネル登録部31から止まり木チャンネル番号”0021”の登録を抹消した後の登録内容を示す図である。
【0092】
制御部1は、図10のタイミングT10にて、基地局Bs1がレベル条件を満たしていることを検出し、周辺局情報表51のチャンネル番号”001F”に対応する欄「現在カウント値」に記録されているカウント値を1だけ増加する。
制御部1は、各周辺局のカウント満了値と現在カウント値とを比較して、現在カウント値がカウント満了値以上である周辺局がないことから、ゾーンの移行を行わない。
【0093】
制御部1は、タイミングT11にて、基地局Bs1がレベル条件を満たしていないことから、周辺局情報表51のチャンネル番号”001F”に対応する欄「現在カウント値」にカウント値”0”を記録する。
【0094】
この後、制御部1は、図10の各タイミングT14〜T17において連続して基地局Bs1がレベル条件を満たしていることを検出する。制御部1は、各タイミングT14〜T17における受信レベルの測定結果に従って、周辺局情報表51のチャンネル番号”001F”に対応する欄「現在カウント値」に記録されたカウント値を1ずつ増加する。
図15(B)は、タイミングT17における受信レベルの測定結果に従って、制御部1が現在カウント値を変更した後の周辺局情報表51を示す。
【0095】
制御部1は、カウント満了値と現在カウント値とを比較して、基地局Bs1の現在カウント値がカウント満了値と等しいことを検出する。
制御部1は、タイマフラグ32が”1”であることから、基地局Bs2の止まり木チャンネル番号”0021”をチャンネル登録部31に登録することなくゾーンを移行する。
【0096】
このようにして、移動電話装置100は、基地局Bsからの電波の受信レベルが激しく変動する状況にあるとき、一時的に受信レベルが上昇したにすぎない基地局Bsに対しては、ゾーンを移行する条件を厳格にする。これにより、移動電話装置100は、ゾーン移行の頻発を防止することができる。
例えば、従来の移動電話装置は、図10に示すタイミングT8、T10における受信レベルの測定結果に従ってゾーンを移行する。となるとさらに、従来の移動電話装置は、図10のタイミングT9及びタイミングT13における測定結果に従ってゾーンを移行することになる。
しかし、この発明の移動電話装置100は、レベル条件を満たし現在カウント値がカウント満了値以上である周辺局がある場合にのみ、その周辺局がカバーするゾーンに移行する。従って、移動電話装置100は、従来の移動電話装置に比べてゾーン移行の発生回数を低減することができる。
【0097】
以上説明したように、移動電話装置100は、基準時間t秒以下で接続が失われた基地局Bsの止まり木チャンネル番号をチャンネル登録部31に登録する。制御部1は、待受状態に入る際、チャンネル登録部31に登録されている止まり木チャンネル番号の個数に応じてカウント満了値を設定する。そして、制御部1は、周辺局がレベル条件を満たし現在カウント値がカウント満了値以上であると判別すると、移動電話装置100の交信先を自局から周辺局に切り替えてゾーンを移行する。
これにより、移動電話装置100は、自局からの電波の受信レベルや周辺局からの電波の受信レベルが激しく変動する際に、ゾーン移行が頻発することを防止することができ、消費電力の低減や、着呼率の向上、移動通信網における位置登録のためのトラフィック低減等が可能となる。
【0098】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、周辺局情報表51には、止まり木チャンネル番号が記録されるとして説明したが、周辺局を特定するための任意の情報が記録可能である。例えば、周辺局が送出する無線信号の周波数を記録してもよい。この場合、制御部1は、周辺局情報表51に記録された周波数を、直接、通信処理部3のPLL回路20が生成する局部発振信号の発振周波数として設定し、基地局Bsごとの止まり木チャンネルを受信するようにすればよい。
【0099】
また、上記実施の形態では、チャンネル登録部31は、同一の止まり木チャンネル番号を複数登録可能であるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、チャンネル登録部31は止まり木チャンネル番号を登録回数と関連付けて記録し、すでに登録されている止まり木チャンネル番号についてさらに登録する場合には登録回数を1だけ増加するようにしてもよい。
【0100】
また、上記実施の形態では、1回でもレベル条件を満たさない周辺局については、周辺局情報表51の現在カウント値を”0”とするものとして説明したが、これに限定されない。例えば、連続してレベル条件を満たしている周辺局については、1回だけレベル条件を満たさなくても周辺局情報表51の現在カウント値を”0”にしないようにしてもよい。すなわち、ゾーンを移行するためには、周辺局が厳密な意味で連続してレベル条件を満たさなければならないものではなく、実質的に一定時間以上継続して受信レベルが高い周辺局がある場合には、その周辺局に交信先を切り替えるようにしてもよい。
【0101】
【発明の効果】
以上の説明のように、この発明は、止まり木チャンネルの受信レベルが変化することに応じてゾーンを移行する条件を基地局ごとに変化させる。これにより、頻繁なゾーン移行の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る移動電話装置の構成を示す図である。
【図2】カウント満了値算出表を例示する図である。
【図3】周辺局情報表を例示する図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る移動電話装置が適用される通信システムの構成を示す図である。
【図5】基地局がカバーするゾーンを説明するための図である。
【図6】情報表初期化処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】待受処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】レベルチェック処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】移動電話装置の動作の具体例を説明するための図である。
【図10】移動電話装置の動作の具体例における止まり木チャンネルの受信レベルを示す図である。
【図11】移動電話装置の動作の具体例におけるチャンネル登録部の登録内容を示す図である。
【図12】移動電話装置の動作の具体例における周辺局情報表を示す図である。
【図13】移動電話装置の動作の具体例における周辺局情報表を示す図である。
【図14】移動電話装置の動作の具体例における周辺局情報表を示す図である。
【図15】移動電話装置の動作の具体例における周辺局情報表を示す図である。
【符号の説明】
1 制御部
2 表示部
3 通信処理部
4 記憶部
5 キー入力部
6 音声入出力部
7 アンテナ
10 RF信号処理部
11 ベースバンド信号処理部
20 PLL回路
21 レベル測定器
30 周辺局情報記録部
31 チャンネル登録部
32 タイマフラグ
50 カウント満了値算出表
51 周辺局情報表
100 移動電話装置
150 移動通信網
160 公衆回線網
Bs、Bs1、Bs2 基地局
Cp コンピュータ
Pn 電話
Zn、Zn1、Zn2 ゾーン
ΔL ゾーン移行レベル差

Claims (10)

  1. 複数の基地局との間で交信先を切替可能な移動電話装置において、
    所定のタイミングにて交信先の基地局の止まり木チャンネルと周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルを測定する測定手段と、
    前記測定手段の測定結果に基づいて交信先となる基地局を切り替えて前記複数の基地局がカバーする複数のゾーン間の移行を可能とするゾーン移行実行手段とを備え、
    前記ゾーン移行実行手段は、周辺局となる基地局ごとに第1の基準値を設定し、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが基準レベルより高いか否かを周辺局ごとに判別し、前記基準レベルより高い受信レベルの周辺局があると判別すると、当該周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルについて連続して前記基準レベルより高いと判別した回数が前記第1の基準値以上であるか否かを判別し、前記第1の基準値以上であると判別すると、交信先を当該周辺局に切り替える、
    ことを特徴とする移動電話装置。
  2. 前記ゾーン移行実行手段は、交信先である基地局の止まり木チャンネルの受信レベルを周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルから減算した差分値と第2の基準値とを比較して前記差分値が前記第2の基準値より大きいか否かを判別することにより、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが前記基準レベルより高いか否かを判別する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動電話装置。
  3. 前記ゾーン移行実行手段は、交信先である基地局から受けた報知情報に基づいて前記第2の基準値を設定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の移動電話装置。
  4. 待受状態となったのち基準時間内に交信できなくなった基地局を登録する登録手段を備え、
    前記ゾーン移行実行手段は、周辺局となる基地局ごとに前記登録手段への登録個数を特定し、該登録個数に応じて前記第1の基準値を設定する、
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の移動電話装置。
  5. 前記ゾーン移行実行手段は、交信先の基地局を自局として待受状態となったのち、当該自局と前記基準時間を超えて交信を継続したと判別すると、前記登録手段から該交信先の基地局の登録を抹消する、
    ことを特徴とする請求項に記載の移動電話装置。
  6. 待受状態にある移動電話装置が複数の基地局との間で交信先を切り替えるためのゾーン移行方法であって、
    周辺局となる基地局ごとに第1の基準値を設定し、所定のタイミングで交信先の基地局と周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルを測定し、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが基準レベルより高いか否かを周辺局ごとに判別し、前記基準レベルより高い受信レベルの周辺局があると判別すると、当該周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルについて連続して前記受信レベルより高いと判別した回数が前記第1の基準値以上であるか否かを判別し、前記第1の基準値以上であると判別すると、交信先を当該周辺局に切り替える、
    ことを特徴とするゾーン移行方法。
  7. 交信先である基地局の止まり木チャンネルの受信レベルを周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルから減算した差分値と第2の基準値とを比較して前記差分値が前記第2の基準値より大きいか否かを判別することにより、周辺局の止まり木チャンネルの受信レベルが前記基準レベルより高いか否かを判別する、
    ことを特徴とする請求項に記載のゾーン移行方法。
  8. 前記第2の基準値を交信先である基地局から受けた報知情報に基づいて設定する、
    ことを特徴とする請求項に記載のゾーン移行方法。
  9. 待受状態となったのち基準時間内に交信できなくなった基地局を登録し、周辺局となる基地局ごとの登録個数に応じて前記第1の基準値を設定する、
    ことを特徴とする請求項又はに記載のゾーン移行方法。
  10. 交信先の基地局を自局として待受状態となったのち、前記基準時間を超えて当該自局と交信を継続したと判別すると、該交信先の基地局の登録を抹消する、
    ことを特徴とする請求項に記載のゾーン移行方法。
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