JP3593173B2 - 移植機の苗供給装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、農作物の移植栽培で、紙筒育苗容器による紙筒苗の紙筒部のような土付定形部のある苗を使用する移植機において、苗の葉部の欠損した不良苗を除去し、その間隔の不揃になった苗列の土付定形部を揃えて所定間隔ごとに植付装置に供給して本圃に植え付ける移植機の苗供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙筒苗のような土付定形部の有無を検出するスイッチによる苗整列装置は特開昭54−130320号として提案されている。
【0003】
このスイッチによる苗整列装置は、不良苗除去装置のベルトと苗整列部のベルトの間に受渡し板を設け、その受渡し板の近傍に設けている。そして、苗は不良苗除去装置のベルトから受渡し板上そして苗整列部のベルトの順に搬送され、その受渡し板上の土付定形部の有無をスイッチが検出することにより不良苗除去装置のベルトを増減速して苗整列部のベルトに必要かつ充分に苗を保留させようとするものである。これを第1の従来技術とする。
【0004】
また、紙筒苗のような土付定形部の有無を非接触で検出するスイッチによる苗整列装置は実開昭64−45917号として提案されている。
【0005】
この非接触スイッチによる苗整列装置は、不良苗除去装置のベルトと苗整列部のベルトの受渡し部上方に設けられ、その受渡し部の土付定形部に投光しその反射光の有無を検出する光電スイッチである。この光電スイッチは、土付定形部の有無の検出に光を用いるもので、土付定形部には接触しない。これを第2の従来技術とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の従来技術の苗整列装置では、いったん苗を搬送しない受渡し板に土付定形部を載せるもので、その先の苗整列部に苗が無くなっても受渡し板上の苗が無くなるとは限らず、受渡し板にスイッチを設けても必要な検出はできず、苗整列部のベルトに必要かつ充分に苗を保留させるには不確実である。
【0007】
前記第2の従来技術の苗整列装置では、光電スイッチにより土付定形部からの反射光の有無を検出するものであるから、屋外で使用する移植機にあって強い太陽光が土付定形部に当たると、光電スイッチが投光したものと太陽光の区別が付かず検出できなくなる。そこで、光電スイッチを移植機に使用するには、太陽光が検出位置の土付定形部に当たらないようにしなければならないが、前記したようにここに至る苗列に乱れが生ずることがあるため、作業者が容易に苗列を観察できるようにする必要がある。そのため、太陽光を完全に防ぐ覆いをすることは不可能であり、光電スイッチの検出による苗整列装置の制御も不確実である。
【0008】
本発明は、個々の苗に分離された苗を植付装置に供給する苗供給装置において、苗の土付定形部を確実に検出できる検出針による苗整列装置により、高性能・高能率な移植機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の移植機の苗供給装置20は、個々の苗91に分離された苗91を植付装置80に供給する装置において、植付装置80に苗91を供給する苗整列部50に並列に検出ベルト51を設け、検出ベルト51にはその苗91の搬送方向に自由に回転する多数のローラー52を設け、そのローラー52自体も回行して苗91を載せて搬送し、検出ベルト51の間に下方から苗91の紙筒部93の有無を検出する検出器53を設け、検出器53には紙筒部93に接触して倒れその有無を検出する検出針54を設け、紙筒部93の非検出時には検出針54を検出ベルト51表面より突出させ、その検出針54の突出高さを調節自在としたものである。
【0010】
【作 用】
請求項1の発明では、検出器53には紙筒部93に接触して倒れその有無を検出する検出針54を設け、紙筒部93の非検出時には検出針54を検出ベルト51表面より突出させ、その検出針54の突出高さを調節自在としたから、検出針54の突出高さは紙筒部93に合わせて調節でき、検出針54は紙筒部93に接触すると検出ベルト51表面と同じ高さまで倒れる。
【0011】
【実 施 例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0012】
個々の苗91に分離された土付定形部のある苗91として、紙筒育苗容器による紙筒苗90を示している。この紙筒育苗容器は、耐腐敗性の紙を用い、展開すると六角柱状の上下が開口した紙筒を、整然と水溶性糊で貼り合わせたものである。この紙筒中に培土を詰め、個々の紙筒に一粒毎に播種し、覆土して苗床に設置して育苗し、一定期間育苗すると苗が生長して紙筒苗90となり、水溶性糊は灌水により徐々に溶けて無くなり、紙筒は腐敗の進行により徐々に互いに結合し、移植時には適度の連結強度を保って土付定形部としての紙筒部93毎に個々の苗91に分離可能に整然と連結するようになっている。
【0013】
しかし、紙筒育苗容器の個々の紙筒に一粒毎に播種した種が全部正常に育ち移植できるものではなく、育苗途上で枯れて消えてしまった欠株苗であったり、育苗期間中に充分に葉部92が成育しない稚苗であったり、移植できない不良苗が1割前後発生する。このため、この不良苗を除去し、残った正常な葉部92を有する良苗を整列させた後所定間隔毎に植付装置80に供給する苗供給装置20が必要となる。
【0014】
つぎに、この紙筒育苗容器による紙筒苗90を移植機に供給し、個々の苗91に分離し植付装置80に供給する苗供給装置20を装備した移植機について説明する。
【0015】
図1において、1は機枠であり、機枠1は平面視が略長方形の枠体を成していて、図示しないトラクターに取り付けられて牽引され進行する。そして、機枠1の上方には上部枠2を設け、上部枠2の上方には苗載台3を設け、苗載台3の下方の上部枠2に分離装置10を設ける。機枠1の下方左右には接地輪4を設け、接地輪4は圃面Eに接地していて機枠1の進行により回転して装置の動力を供給する。機枠1と上部枠2の間に苗供給装置20を設け、苗供給装置20は苗供給装置枠21に支持され、苗供給装置20と圃面Eの間には植付装置80を設ける。
【0016】
分離装置10は、上部枠2上の一対のレール11と、レール11上をその長手方向に往復移動する苗供給枠12と、苗供給枠12に設けた苗供給ベルト13と、苗供給装置枠21から上方に突出した一対の分離軸14と、一対の分離軸14の上部にはめ込まれた一対の分離ローラー15とからなる。苗供給ベルト13は、苗供給枠12の往復移動端で整列苗90の一列分だけ分離ローラー15の方向に間歇的に回行し、分離ローラー15の方向に低く傾斜している。一対の分離ローラー15は、互いの対向面が転向ベルト16の方向に向かうように回転していて、その分離ローラー15の間から転向ベルト16の始端が始まる。
【0017】
紙筒苗90は立垂状態で苗供給ベルト13上に載せられ、苗供給枠12の往復移動により共に移動し、一対の分離ローラー15に順次接することにより連続的に個々の苗91に分離され、分離された苗91は一対の分離ローラー15に挾まれて繰り出され、転向ベルト16に受け渡される。紙筒苗90の一列を全て分離し終えると苗供給ベルト13が間歇回行し、新たな苗列の分離が開始される。
【0018】
転向ベルト16は分離ローラー15から繰り出された立垂状態の苗91を挾んで搬送し、その送出端部には苗選別装置30が連なり、苗選別装置30へ苗91を横向き状態に転向させて受け渡す。
【0019】
転向ベルト16の搬送終端の下方から苗供給装置20としての苗選別装置30を水平方向に設ける。
【0020】
苗選別装置30には、苗供給装置枠21の側方からほぼ同一高さで軸33,34を設け、軸33,34にはゴム製の撓み易い紙筒部支持ベルト31を掛け渡す。紙筒部支持ベルト31の受入端部と送出端部は苗91の紙筒部93の中央部から下部までを安定して支持するよう幅広とし、その走行中央部を両側からガイド体32により押し下げて逆V字状に幅を狭くし、その頂部で紙筒部93の下部側の一部のみを支持させる。
【0021】
紙筒部支持ベルト31の送出端部には、軸55に掛け渡された検出ベルト51が連なり、紙筒部支持ベルト31は転向ベルト16の搬送終端から受け渡された横向き状態の苗91の紙筒部93を載せて搬送し、検出ベルト51へ受け渡す。
【0022】
ガイド体32は、紙筒部支持ベルト31の走行方向に平行で垂直方向に設けた一対の板であり、その下端部は紙筒部支持ベルト31の下方から苗供給装置枠21の側方に固定される。
【0023】
紙筒部支持ベルト31の軸33とガイド体32の間には、紙筒部支持ベルト31の搬送面である上面の裏面をその幅一杯に支持するベルト支持体35を設ける。ベルト支持体35により紙筒部支持ベルト31は、ガイド体32による押し下げの影響を受けず、軸33とベルト支持体35の間が平面となって紙筒部93を安定して支持する。ベルト支持体35は紙筒部支持ベルト31の上下の間から苗供給装置枠21の側方に固定される。
【0024】
紙筒部支持ベルト31の軸34とガイド体32の間には、紙筒部支持ベルト31の搬送面である上面の裏面をその幅一杯に支持するベルト支持体36を設ける。ベルト支持体36により紙筒部支持ベルト31は、ガイド体32による押し下げの影響を受けず、軸34とベルト支持体36の間が平面となって紙筒部93を安定して支持する。ベルト支持体36は紙筒部支持ベルト31の上下の間から苗供給装置枠21の側方に固定される。
【0025】
軸33の先端部の紙筒部支持ベルト31より外方には紙筒部93の上部側を受ける受ローラー37を設ける。受ローラー37と紙筒部支持ベルト31の受入端部は、転向ベルト16の搬送終端の下方に位置し、転向ベルト16から落下して受け渡される苗91の紙筒部93の全体を一端受け止める。
【0026】
ベルト支持体36と軸34の間には、苗供給装置枠21から突出した軸39を設け、軸39は軸33,34よりやや低くする。軸39の先端部と軸34の先端部との間の紙筒部支持ベルト31より外方には、紙筒部93の上部側を受ける受ベルト38を設ける。受ベルト38は、その軸39が低いため、その走行方向で低い位置から紙筒部支持ベルト31と同じ高さまでせり上がるようになっている。
【0027】
軸33,34の下方に苗供給装置枠21から突出した一対の葉部ベルト枠支軸43を設け、葉部ベルト枠支軸43の先端部から上方に葉部ベルト枠40を設け、軸33と葉部ベルト枠支軸43の間に苗供給装置枠21から葉部ベルト枠40に動力を供給する駆動軸44を設ける。
【0028】
葉部ベルト枠40の上部側方から苗供給装置枠21方向へ同一高さで軸45,46を設け、軸45,46の先端部には紙筒部支持ベルト31と平行な葉部支持ベルト41を掛け渡す。葉部支持ベルト41の上面は紙筒部支持ベルト31の上面のやや上方に位置し、苗91の搬送方向において葉部支持ベルト41の受入端部と送出端部は紙筒部支持ベルト31の受入端部と送出端部にほぼ一致させる。
【0029】
また、軸33,34及び軸45,46の間で葉部ベルト枠40の上部側方から苗供給装置枠21方向へ同一高さで軸47,48を設け、軸47,48の先端部には葉部支持ベルト41の上側に対設する葉部挾持ベルト42を掛け渡す。葉部挾持ベルト42の下面は葉部支持ベルト41の上面に接するようにし、葉部支持ベルト41との間で苗91の葉部92を挾持する。
【0030】
葉部挾持ベルト42は葉部支持ベルト41より短いので、葉部支持ベルト41と葉部挾持ベルト42の受入端部及び送出端部は葉部挾持ベルト42の受入端部と送出端部であり、したがって、葉部支持ベルト41及び葉部挾持ベルト42の受入端部と送出端部はその走行方向において紙筒部支持ベルト31の受入端部と送出端部の間に位置する。
【0031】
ここで、紙筒部支持ベルト31のベルト支持体35からベルト支持体36までの幅の狭い中央部と葉部支持ベルト41との間を選別空間Sとし、紙筒部93の上部側が選別空間Sに臨み、不良苗はこの選別空間Sから落下する。
【0032】
紙筒部支持ベルト31の搬送終端に連ねて苗供給装置20としての苗整列装置50をほぼ水平方向に設ける。苗整列装置50には、検出ベルト51と検出器53と整列ローラ61とスポンジローラー64と盛上がり防止ベルト66とを設ける。
【0033】
苗供給装置枠21の側方から同一高さで軸55,56を設け、軸55,56には並列に検出ベルト51を掛け渡す。検出ベルト51はその上面が紙筒部支持ベルト31の上面と同一方向に進むよう回転させ、その上面で苗91の紙筒部93を搬送する。
【0034】
検出ベルト51には、その苗91の搬送方向に自由に回転する多数のローラー52を設ける。ローラー52の幅は紙筒部93の長さよりやや短くし、複数の大径部と小径部を交互にその長手方向に設け、列状に隣接するローラー52の小径部に隣の大径部が接しないようにはまり込む。そして、検出ベルト51が回転することによりローラー52自体も一体に回行し、検出ベルト51上面に受け渡された苗91の紙筒部93の中間部を除いてローラー52の大径部に載せて搬送し、検出ベルト51の搬送終端から整列ローラ61に水平方向に繰り出す。
【0035】
ローラー52の中心にはその長手方向に孔をあけてピンを通し、ローラー52の両端に隣り合う2本のピン毎に2穴のリンクプレートをピンに通し、多数のローラー52はリンクプレートにより無端のベルト状に連結される。また、ローラー52はそのピンを軸として自由に回転する。
【0036】
並列な検出ベルト51の間の中央部でその上面下方には苗供給装置枠21から検出器枠57を設け、検出器枠57には検出器53を高さが調節自在に設ける。検出器53は紙筒部93への接触によりその有無を検出する接触式のものであり、検出器53にはその上向きで苗91の進行方向に倒れた検出針54を設ける。
【0037】
検出針54は、紙筒部93の非検出時にはその先端を検出ベルト51表面より突出させ、紙筒部93がその先端に載ると検出ベルト51表面と同じ高さまで倒れる。そして、検出器53は検出針54が紙筒部93の中間部に接触して倒れることによりその有無を検出し、その検出を電気信号で伝達する。検出針54の検出ベルト51表面からの突出高さは検出器53の高さを調節することにより変えられる。
【0038】
検出ベルト51に連ねてそれより高い位置に持ち上げ凸状に搬送する整列ローラ61を設ける。
【0039】
苗供給装置枠21の側方から軸62を設け、軸62に細い幅の円筒形のローラーである3列の整列ローラ61を設ける。整列ローラ61は並列した検出ベルト51の間とその両側に設けられ、平面視で互いの端面が接触しないようにはまり込む。整列ローラ61の凸状頂部の高さは検出ベルト51の上面より高い位置とし、その上面が検出ベルト51の上面と同一方向に進むよう回転させ、その上面で紙筒部93を搬送する。そして、3列の整列ローラ61上面に受け渡された紙筒部93の上部と中間部と下部を載せて搬送し、整列ローラ61の搬送終端の端面に沿ってから水平方向から垂直下方に繰り出す。
【0040】
整列ローラ61の上方には、苗供給装置枠21から設けた軸65により、その軸65の先端部にはめ込んでスポンジローラー64を設ける。スポンジローラー64は円筒形のスポンジ体で、その下周が整列ローラ61の上面と同一方向に進むように回転させ、その速度は整列ローラ61とほぼ同じとし、整列ローラ61の凸状頂部からスポンジローラー64の下周までの距離が紙筒部93直径より狭い間隔とする。そして、整列ローラ61の凸状頂部とスポンジローラー64との間で紙筒部93を挾んで、検出ベルト51により押される苗91を規制して繰り出す。
【0041】
検出ベルト51の後半部上方に苗供給装置枠21からほぼ同一高さに設けた軸67,68,69に掛け渡して平ベルトである盛上がり防止ベルト66を設ける。盛上がり防止ベルト66は、その下側走行部が検出ベルト51のローラー52の上側走行面に対し平行に、上下に紙筒部93の直径よりやや広い間隔をおく。そして、通常は検出ベルト51上の紙筒部93が盛上がり防止ベルト66に接触しないようにする。盛上がり防止ベルト66の始端は検出器53の検出針54先端部の上方とし、終端はスポンジローラー64の直前とする。盛上がり防止ベルト66の幅は検出ベルト51幅よりやや狭くし、その中心を並列な検出ベルト51の中心に合わせる。
【0042】
また、盛上がり防止ベルト66の下側走行部の移動方向を苗91の移動方向と同じとし、その速度を整列ローラー61の苗91の移送速度とほぼ同じとする。そして、盛上がり防止ベルト66の下側走行部は盛上がろうとして盛上がり防止ベルト66に接触した紙筒部93とほぼ同じ速度で移動する。
【0043】
検出器53による整列では、整列ローラー61と盛上がり防止ベルト66およびスポンジローラー64から以降の速度は検出器53の紙筒部93の検出に無関係に植付速度に連動して一定であり、それに対し、分離装置10から苗選別装置30および検出ベルト51までの速度は検出器53の紙筒部93の検出により連動して増減する。その速度の増減は、接地輪4からの駆動用の動力を増速用と減速用の2系統を設け、増速用の駆動経路には電磁クラッチを設け、減速用の駆動経路にはフリーホィールを設け、検出器53の検出信号により電磁クラッチを断接して行う。
【0044】
検出器53の紙筒部93の検出信号にはオフディレイ(切遅延)タイマーを設け、間隔の開いた紙筒部93の検出のように短時間の検出信号は無視して電磁クラッチを接続し増速を続ける。整列ローラー61から検出器53の上まで密着整列している紙筒部93が達し、オフディレイタイマーの設定時間以上に検出器53の上に紙筒部93が留まると電磁クラッチを切り減速する。
【0045】
減速時には、整列ローラー61から繰り出される苗91の単位時間の本数より分離ローラ15により分離される苗91の本数を少なくして、整列ローラー61および検出ベルト51に受け渡される苗91より繰り出される苗91が多くなる速度にする。また増速時には、整列ローラー61および検出ベルト51に受け渡される苗91が繰り出される苗91より多くなる速度にする。
【0046】
減速時には、検出ベルト51と苗選別装置30やその先のベルトなどの速度は一体に遅くなるが、この最低の搬送速度時にも整列ローラー61の速度より検出ベルト51のローラー52の回行速度を速くする。これを速くしても、ローラー52の自由な回転により、整列ローラー61から密着整列している検出ベルト51上の苗91は、検出ベルト51の速度では搬送されず、整列ローラー61の速度で搬送される。また、検出ベルト51上の密着してない苗91はローラー52自体の回行により搬送されるから、間隔の開いた紙筒部93は整列ローラー61から密着整列している紙筒部93に密着する。
【0047】
減速が続いて検出ベルト51上の苗91が少なくなり検出器53の上に紙筒部93が無くなると増速されるが、検出ベルト51のローラー52の自由な回転により、整列ローラー61から検出器53の上まで密着整列している検出ベルト51上の紙筒部93は、検出ベルト51の速度では搬送されず、整列ローラー61とスポンジローラー64から繰り出される速度で搬送される。また、検出ベルト51上の密着してない苗91はローラー自体の回行により搬送されるから、間隔の開いた紙筒部93は密着整列している紙筒部93に密着する。
【0048】
整列ローラー61から密着整列している紙筒部93が、減速時に検出器53の上から整列ローラー61側に短く並び、増速時に検出器53の上を通り過ぎて長く並ぶが、ディレイタイマーの設定時間を長くすると、増速時に検出器53の上を通り過ぎて並ぶ長さが長くなり、増速から減速と減速から増速へ変わるまでの時間が長くなる。つまり、植付速度に対応した適切な長さにディレイタイマーを自動的に変更すると、増減速の頻度を少なくできる。
【0049】
苗整列部50から密着整列した苗91を受け取りそれより苗搬送速度が速く苗91の間隔を開けて搬送する苗離間部70を設ける。苗整列部50ではおおむね水平方向に苗91を搬送していたものを苗離間部70ではおおむね垂直下方に搬送する。
【0050】
苗離間部70には一対の縦搬送ベルト71を設ける。一対の縦搬送ベルト71は苗91の紙筒部93を挾んでおおむね垂直下方に搬送し植付装置80に受け渡す。
【0051】
縦搬送ベルト71は、整列ローラー61の搬送終端の前方から下方にと下面から下方に、苗供給装置枠21から設けた軸74,75と下方の植付装置80の軸に掛け渡す。一対の縦搬送ベルト71は苗91の紙筒部93直径より狭い間隔とし、一対の縦搬送ベルト71は互いの対向面が下方向に進むよう回転させる。
【0052】
縦搬送ベルト71は、紙筒部93の中間部を挾み葉部92側である上部側を突出させて搬送し、紙筒部93上部を植付装置80の一対の弾性植付円盤81に受け渡す。
【0053】
縦搬送ベルト71の葉部92側の苗搬送経路に紙筒部93の有無を検出する検出器72を設ける。
【0054】
縦搬送ベルト71の下側の軸74とほぼ同一高さで苗供給装置枠21から検出器枠76を設け、検出器枠76には検出器72を設ける。検出器72は紙筒部93への接触によりその有無を検出する接触式のものであり、検出器72には水平方向に向いて縦搬送ベルト71の葉部92側の苗搬送経路の紙筒部93の進行軌跡を横切る検出針73を設ける。
【0055】
検出針73は、紙筒部93の非検出時にはその進行軌跡を横切り、紙筒部93が載ると進行軌跡まで下方に倒れる。そして、検出器72は検出針73が紙筒部93に接触して倒れることによりその有無を検出し、その検出を電気信号で伝達する。
【0056】
そして、検出器72からの信号が植付速度に対応した所定時間途切れた場合、つまり植付装置80に正常に苗が供給されていないときに、作業者に異常を知らせるために警報を発する。
【0057】
植付装置80は一対の弾性植付円盤81によるもので、苗供給装置20の苗離間部70から横向き状態で受け渡された苗91を立垂状態として圃面Eに植え付ける。
【0058】
つぎに、作動を説明する。
【0059】
分離装置10の苗供給枠12は所定のその移動端とし、紙筒苗90を苗供給枠12上の苗供給ベルト13上に載せ、その紙筒苗90の前端の分離される苗91の列が一対の分離ローラー15に接する位置まで送り込む。移植機が進行すると苗供給枠12が横方向に往復移動して紙筒苗90が横方向に往復移動し、分離ローラー15などが回転する。苗供給枠12の横方向の移動により、紙筒苗90の最前列の分離される苗91の列は移動し、順次分離ローラー15の前端に接し、個々の苗91に分離される。
【0060】
紙筒苗90の最前列の分離される苗列の分離が全て終り、苗供給枠12が移動端に達すると、紙筒苗90は苗供給ベルト13により苗列の一列分だけ縦方向に移動し、続いて苗供給枠12は今までと反対方向に紙筒苗90を横移動させて次の列の分離が開始される。さらに、苗供給枠12の反対側の移動端でも同様に苗供給ベルト13が紙筒苗90を間欠移動させ、連続的に個々の苗91に分離される。
【0061】
分離ローラー15により分離された苗91は、一対の分離ローラー15の間から挾まれて繰り出され、転向ベルト13により挾まれて横向き状態に転向されて苗選別装置30に繰り出される。
【0062】
苗選別装置30に落下して受け渡された苗91は、その紙筒部93が受ローラー37と紙筒部支持ベルト31の受入端部で一端受け止められ、紙筒部支持ベルト31が紙筒部93の中央部から下部を葉部支持ベルト41が葉部92を載せて搬送し、紙筒部支持ベルト31の上面が受入端部から走行中央部にかけて徐々に幅が狭くなると、葉部支持ベルト41と葉部挾持ベルト42に葉部92が挾持され、紙筒部支持ベルト31の走行中央部では紙筒部93の下部側の一部のみを支持する。
【0063】
そのため、選別空間Sにおいては、正常な葉部92を有する良苗は紙筒部93を紙筒部支持ベルト31に支持され葉部92を葉部支持ベルト41と葉部挾持ベルト42に挾持されているのでそのまま搬送されるが、葉部92が欠損あるいは小さい不良苗は葉部92が葉部支持ベルト41と葉部挾持ベルト42に挾持されずに紙筒部93が紙筒部支持ベルト31に支持されるのみなので、バランスを失って選別空間S中に落下して系外に排出される。
【0064】
紙筒部支持ベルト31の上面が走行中央部から送出端部にかけては徐々に幅が広くなると、葉部支持ベルト41と葉部挾持ベルト42による葉部92の挾持が開放され、紙筒部支持ベルト31が紙筒部93の中央部から下部を葉部支持ベルト41が葉部92を載せて搬送し、続いて受ベルト38が紙筒部93の上部を載せて搬送し、それらの送出端部から検出ベルト51へ受け渡す。
【0065】
検出ベルト51へ受け渡された苗91は、紙筒部93がローラー52の大径部に載って間隔を開けて搬送され、整列ローラー61から密着整列している紙筒部93に追い付いて密着し、密着整列している紙筒部93の下のローラー52が自由に回転して整列ローラー61の速度で搬送される。密着整列している紙筒部93が検出器53の上まで並ぶと、紙筒部93が検出針54を検出ベルト51表面と同じ高さまで所定時間以上倒し、その検出信号により苗91の供給は減少する。また、密着整列している紙筒部93が検出器53の上に無くなると、検出針54は検出ベルト51表面より突出し、その非検出信号により苗91の供給は増加する。
【0066】
このとき、検出針54の突出高さは紙筒部93に合わせて調節でき、検出針54は紙筒部93に接触すると検出ベルト51表面と同じ高さまで倒れるから、検出針54が突出しすぎて紙筒部93の進行を阻害することがなく、かつ検出針54の突出が少なくて紙筒部93の有無を検出できないこともなく、確実に検出し制御できる。また、検出器53は接触によりその有無を検出するもので、太陽光により検出不能になることもなく、確実に検出し制御できる。
【0067】
検出ベルト51上に密着整列している紙筒部93の上方の盛上がり防止ベルト66により、検出ベルト51から整列ローラー61に密着整列して並んでいる紙筒部93が水平方向に押されても盛上がりを防止する。また、通常は紙筒部93が盛上がり防止ベルト66に接触しないので、ローラー52自体の回行により搬送される間隔の開いた紙筒部93の速い移動を妨げず、密着し整列している紙筒部93に追い付いて密着する。
【0068】
検出ベルト51から整列ローラ61に受け渡された苗91は、検出ベルト51より高い位置に持ち上げられ、スポンジローラー64と整列ローラ61との間で紙筒部93を挾み、整列ローラ61の搬送終端の端面に沿って水平方向から垂直下方に苗離間部70に受け渡す。
【0069】
一対の縦搬送ベルト71に受け渡された苗91は所定距離に間隔を開けて搬送され、紙筒部93に接触する検出器72によりその有無を検出され、植付装置80の弾性植付円盤81に供給され圃面Eに植え付けられる。
【0070】
以上の実施例では、土付定形部のある苗91として紙筒育苗容器による紙筒苗90のものを示したが、土壌そのものを固めたものや、育苗培地そのものが定形部を形成している無機物繊維や高分子化合物によるものや、個々の苗91に分離可能に連結されているものや、既に個々の苗91に分離しているものでも良い。
【0071】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、検出針の突出高さは紙筒部に合わせて調節でき、検出針は紙筒部に接触すると検出ベルト表面と同じ高さまで倒れるから、検出針が突出しすぎて紙筒部の進行を阻害することがなく、かつ検出針の突出が少なくて紙筒部の有無を検出できないこともなく、確実に検出し制御できる。また、検出器は接触によりその有無を検出するもので、太陽光により検出不能になることもなく、確実に検出し制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗供給装置を装備した移植機の一実施例を示す側面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】その部分拡大背面図である。
【図4】その苗供給装置を示す部分拡大平面図である。
【図5】図4の苗選別装置を示す部分拡大図である。
【図6】図3の一部を切り欠いた苗選別装置を示す部分拡大図である。
【図7】図5のA−A線に沿う断面図である。
【図8】図4の一部を切り欠いた部分拡大図である。
【図9】図3の一部を切り欠いた部分拡大図である。
【図10】図9の一部を切り欠いた検出器を示す部分拡大図である。
【図11】図9の一部を切り欠いた部分拡大図である。
【符号の説明】
20 苗供給装置
50 苗整列部
51 検出ベルト
52 ローラー
53 検出器
54 検出針
80 植付装置
91 苗
93 紙筒部
Claims (1)
- 個々の苗に分離された苗を植付装置に供給する装置において、植付装置に苗を供給する苗整列部に並列に検出ベルトを設け、検出ベルトにはその苗の搬送方向に自由に回転する多数のローラーを設け、そのローラー自体も回行して苗を載せて搬送し、検出ベルトの間に下方から苗の紙筒部の有無を検出する検出器を設け、検出器には紙筒部に接触して倒れその有無を検出する検出針を設け、紙筒部の非検出時には検出針を検出ベルト表面より突出させ、その検出針の突出高さを調節自在とした移植機の苗供給装置。
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Family Applications (1)
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-
1995
- 1995-02-14 JP JP05060495A patent/JP3593173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08214623A (ja) | 1996-08-27 |
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