JP3592388B2 - 給湯器 - Google Patents

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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)
  • Details Of Fluid Heaters (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、バーナと該バーナからの熱を給水に伝える熱交換器を備えて成るものであって、所用の湯温と湯量に応じて、該バーナの燃焼量を加減する給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の給湯器は、バーナの燃焼させる能力は一般に最大から最小まで約3倍あり、熱交換器は最大能力に適合するよう設計されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の技術では、バーナの燃焼量の少ない使用条件の場合、熱交換器の伝熱面積が過剰となり、熱交換器の水管表面および水管近傍のフィンプレート等の温度が非常に低くなる。
【0004】
熱交換器の水管表面の温度が燃焼ガスの圧力と湿度の環境における結露点よりも低下すると、燃焼ガス中の水蒸気が凝縮して熱交換器に結露することになり、結露水そのものが熱交換器の腐食を引き起こし、耐久性を低下させるという問題点があった。
【0005】
燃料ガスには不純物として微量の硫黄分を含むことがあるほか、付臭剤として硫黄化合物が添加されており、これらの硫黄分が結露水に溶解すると化学現象により腐食性が促進されるので、熱交換器の結露はできるだけ生じないようにすることが望ましい。
【0006】
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたもので、バーナーの燃焼量が低い場合でも、熱交換器の結露が起きにくいようにした給湯器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる問題を解決するための本発明の要旨とするところは、以下の各項に存する。
【0009】
[1] バーナ(20)と該バーナ(20)からの熱を給水に伝える熱交換器(30)を備えて成る給湯器において、
前記熱交換器(30)は、始端側が給水管(60)に接続し、上下多段構造になるよう少なくとも一個所で折り返し、終端側が給湯管(35)に接続する水管(32)を有し、
前記上下多段構造の水管(32)は共通のフィンブロック(31)を貫通しており、
前記熱交換器(30)の水管(32)の折り返し部位から分岐して該熱交換器(30)外へ延び前記給湯管(35)に接続するバイパス管(36)と、該バイパス管(36)への流量を変える制御弁(37)とを備えたことを特徴とする給湯器。
【0010】
[2] 前記制御弁(37)は、前記バーナ(20)の燃焼量と連動して流量を切り換えるものであることを特徴とする項1に記載の給湯器。
【0011】
【作用】
給湯器の給湯温度を設定し、給湯栓を開栓すると、給湯栓の開度に応じた湯量が流出し、同量の水量が熱交換器(30)の水管(32)に流入する。設定温度と給水温度の差に水量を乗じ必要により補正を加えて必要熱量になるようバーナ(20)の燃焼量を制御する。
【0012】
温度が低く設定されると、バーナ(20)の燃焼量も少量に制御されるが、燃焼量を一定量以下にする制御に連動して、あるいは設定温度に対応して熱交換器(30)のバイパス管(36)の流量を増加させ、熱交換器(30)内の水管(32)は減少するか閉じるよう制御弁(37)を作動させる。
【0013】
給水は熱交換器(30)の水管(32)の一部で加熱されて充分に熱を吸収して昇温し、バイパス管(36)および制御条件によるが分岐部位より後の水管(32)を通過して給湯管(35)に供給される。このため熱交換器(30)は負荷が小さくなり、バーナ(20)で加熱される熱量が給水で冷却される熱量よりも上回って、熱交換器(30)は高温に維持され、結露が防止される。
【0014】
結露しなければ、水蒸気や硫黄酸化物SOxは気体のままでは熱交換器(30)を腐食することは殆どなく、また、バーナ(20)の燃焼を阻害することも防止できる。
【0015】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明する。
給湯器10はケーシング11内にバーナ20と熱交換器30とを収容して成る。
ケーシング11内の概ね中央に箱状の燃焼室22が形成され、バーナ20は燃焼室22の内部下方に配設され、燃焼用の空気を送る燃焼ファン21がバーナ20の下に燃焼室22の底部に開口しているダクト23を介して配設され、燃焼室22の上方には排気部40が配設されている。
【0016】
バーナ20は多数のノズル24を有し、ノズル24から燃料ガスを吹き出す一方、燃焼ファン21によって送り込まれた空気がバーナ20周辺の空間から吹き出して燃料ガスと混合して燃焼するよう配設されている。バーナ20には、ガス供給管50がガス電磁弁51とガス比例弁52とガス能力切替弁53を介して接続されている。
【0017】
燃焼ファン21の吸い込み口はケーシング11の内部に開口していて、騒音が外部に漏洩することを防いでいる。ケーシング11の側部には空気採り入れ口12が開口しており、燃焼ファン21に新鮮空気を供給している。空気採り入れ口12には空気フィルタ13が介設されている。
【0018】
熱交換器30は、燃焼室22の上部に配置され、フィンブロック31と呼ばれる多数の平行に配置した薄板を水管32が貫通する構造になっている。フィンブロック31は伝熱効果の高い素材で通常は金属製であり、フィンブロック31のフィンが燃焼ガスの流れに平行に配置されフィンの間を燃焼ガスが通過しながら熱を交換するよう配設されている。
【0019】
熱交換器30の水管32は、始端側32aが給水管60に接続し、内部で上段管33aと下段管33bとの上下多段構造になって少なくとも一個所の屈曲部34で折り返し、終端側32bが給湯管35に接続している。給水管60には温度センサ61と水量センサ62が設けられている。
【0020】
そして、水管32の屈曲部34から分岐して延び、水管32の終端側32bより後の給湯管35へ接続して合流するバイパス管36が設けられている。給湯管35とバイパス管36の合流部には制御弁37を介設してある。制御弁37は流入側の一方の開度を開くとき流入側の他方は反対に開度を閉じるように作動するものである。給湯管35の末端は給湯を受ける場所に延び、そこに給湯栓39,39…が設けられている。
【0021】
燃焼室22の最上部に接続する排気室40は、排気筒41がケーシング11の外部に導通しており、排気筒41の一部には排気ガス中のCO濃度を監視するCOセンサ42が設けられている。
なお、図示省略したが、各機器を制御する操作機構とセンサと演算機構等が設けられている。
【0022】
次に作用を説明する。
給湯器10の給湯温度を設定し、給湯栓39を開栓すると、給湯栓39の開度に応じた湯量が流出し、同量の水量が給水管60から熱交換器30の水管32に流入する。バーナ20の燃焼量は、設定温度と給水温度の差に水量を乗じた必要熱量に制御される。
【0023】
ガス電磁弁51は、電源が切られているときは常時閉状態に保持されており、電源が入れられ、通電により備えている電磁石が励磁されると開状態に維持される。空炊きや過熱時にヒューズが溶断して励磁電流が切断されると、閉位置に復帰して燃料ガスを遮断する。停電など電源が切断されたときも同様にガスを遮断し危険を回避する。また、燃焼中に炎が立ち消えたときに検知するセンサの信号により励磁電流を切断するようになっている。
【0024】
ガス比例弁52は、演算機構の出力信号に従ってバーナ20に供給する燃料ガスの量を制御する。演算機構は設定湯温と給水温度の差に水量を乗じて所用熱量を算出し必要により補正等を加えてそれを信号に変換して出力する。設定湯温は使用者の入力により、また給水温度は温度センサ61により、また水量は水量センサ62により測定され演算機構に入力される。
【0025】
ガス能力切替弁53は、演算機構の燃料ガス量制御の出力信号が主バーナの能力で不足するとき開き、図示省略した補助バーナにガスを供給する。
【0026】
COは空気の不足など異常燃焼時に多く発生するので、CO濃度が高くなった時は異常燃焼していることが判るから、COセンサ42の信号を受けて異常燃焼を回避するように燃料を減じたり、前記のようにガス電磁弁51への励磁電流を遮断して運転を停止する等安全に制御することができる。
【0027】
例えば温度が低く設定されると、バーナ20の燃焼量も少量に制御されるが、燃焼量がバーナ20に結露が起るような一定量以下になるような場合は、バーナ20の制御に連動して、バイパス管36が給湯管35に接続する合流部に介設された制御弁37が、バイパス管36側の流路が開き、水管32の上段管33aは流量を絞るか閉鎖するように作動制御される。これにより、給水は熱交換器30の水管32の一部である下段管33bで主として加熱され、バーナ20の炎に接する部分の流量が少なくなるので、結露するような低温にすることのない湯温となり、主としてバイパス管36を通過して給湯管35に供給される。
【0028】
つまり、屈曲部34に接続した分岐部から後方の熱交換器30の水管32の終端側32bは流水量が0または非常に少ない量に制限される。このため熱交換器30は負荷が小さくなって、バーナ20で加熱される熱量が給水で冷却される熱量よりも上回って、熱交換器30は高温に維持され、結露が防止される。
【0029】
結露しなければ、水蒸気や硫黄酸化物SOxは気体のままなので、熱交換器30を腐食することは殆どなく、水滴が滴下してバーナ20の燃焼を阻害することもない。
【0030】
また水が熱交換器30の水管32を通過する距離すなわち加熱時間を短くすることで湯温を調節しているから、冷水を加えることなく必要な温度と量の微温湯が得られる。
【0031】
腐食が無くなることにより熱交換器30の耐久性が改善され、耐腐食性でない素材にも選択の幅が広がり、製作コストの低減が図られる。
【0032】
なお、以上の実施例において、バイパス管36は、屈曲部34から分岐させているが、屈曲部34に限らず、水管32の中間部でもよい場合がある。また、バイパス管36を1ヶ所のみから分岐させているが、これを複数ヶ所に設けても良い。
【0033】
また、前記実施例における制御弁37は、熱交換器30の水管32の流量と外部バイパス管36の流量を反転連動して制御するものであるが、流量を段階的あるいは連続的に切り換えるものでもよく、弁の閉位置は全閉になるようにしても良く、微少な流量を残すようにしても良い。あるいは微少流量のバイパスを設けても良い。また、接続部に設けることなく、バイパス管36の流量のみを調節あるいは切り換えるものでもよい。この場合、バイパス管36の流量が増えれば終端側32bの流量は減ることにより制御の目的が達成される。したがって、制御弁の取り付け位置はバイパス管36の中間部のどこでも良い。給水は、熱交換器30の水管32とバイパス管36のいずれかに制御弁37の開度に応じた割合に振り分けられる。
【0034】
また、バーナ20に供給する燃料量を変えて燃焼量を制御するとき、燃料量に応動して制御弁37の開度を変えるようにしてあるが、バーナ20の制御に関連させることなく、設定温度に対応して開度を変えるようにしても良く、熱交換器30の温度を検知して、結露の恐れのある温度範囲にあるときバイパス管36の流量を多くするようにしても良い。
【0035】
バーナ20の主バーナの能力で不足するときに動作させる図示省略した補助バーナを設ける場合、燃料ガスと空気は一定の混合比範囲にあるとき燃焼に適するのであるが、ノズルから吹き出すガスが空気と適正混合比で混合するためにはノズル24から吹き出すガス量が一定範囲内でなければならない。従ってガス量を多くして燃焼量を増やすためにはノズル数とノズルの分布面積を増やす必要がある場合がある。
【0036】
つまり、燃焼量を減じるためガス量を減じても適正混合比から逸脱するものであり、燃焼量の増減をガス量の増減で行うとすると、実用的には最大と最小が3:1程度が限界である。従って、負荷変動の大きい燃焼装置では、ノズル数を増減することが必要であり一般的にはノズルを有するバーナを複数設け、負荷に応じてガスを供給するバーナ数を増減して対応することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかる給湯器によれば、加熱すべき水量に対して熱量が小さいような低負荷運転時にも、熱交換器は適切な高温を維持することができ、結露することがない。従って、結露による腐食の恐れが無くなり、耐久性が向上して良好な状態を長期に保持することができ、また、熱交換器の構成素材の選択範囲が広がることになって製作コストの低減を図ることができ、安価で長寿命の給湯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る給湯器を示す模式図である。
【符号の説明】
10…給湯器
11…ケーシング
12…空気採り入れ口
13…空気フィルタ
20…バーナ
21…燃焼ファン
22…燃焼室
23…ダクト
24…ノズル
30…熱交換器
31…フィンブロック
32…水管
35…給湯管
36…バイパス管
37…制御弁
39…給湯栓
40…排気室
41…排気筒
42…COセンサ
50…ガス供給管
51…ガス電磁弁
52…ガス比例弁
60…給水管
61…温度センサ
62…水量センサ

Claims (2)

  1. バーナと該バーナからの熱を給水に伝える熱交換器を備えて成る給湯器において、
    前記熱交換器は、始端側が給水管に接続し、上下多段構造になるよう少なくとも一個所で折り返し、終端側が給湯管に接続する水管を有し、
    前記上下多段構造の水管は共通のフィンブロックを貫通しており、
    前記熱交換器の水管の折り返し部位から分岐して該熱交換器外へ延び前記給湯管に接続するバイパス管と、該バイパス管への流量を変える制御弁とを備えたことを特徴とする給湯器。
  2. 前記制御弁は、前記バーナの燃焼量と連動して流量を切り換えるものであることを特徴とする請求項1に記載の給湯器。
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