JP3687087B2 - 複合燃焼機器の異常判定装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば給湯器付風呂釜もしくは給湯器付暖房機等のように給湯用熱交換回路に、風呂追い焚き用熱交換回路及び暖房用熱交換回路の一方もしくは双方を組み合わせてなる複合燃焼機器において、熱交換器の吸熱異常に伴う燃焼異常を判定するために用いられる異常判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の複合燃焼機器として給湯用熱交換回路に暖房用熱交換回路とを組み合わせたものが知られている(例えば、特開平10−122579号公報参照)。このものでは、給湯用熱交換回路と暖房用熱交換回路とのそれぞれに送風ファン、燃焼バーナ及び熱交換器が個別に設けられており、給湯用加熱器では給水管から流入された水を上記熱交換器において加熱し湯水を出湯管に出湯する一方、暖房用熱交換回路では上記出湯管から分岐して導入された湯水を温水循環配管に循環させる際に熱交換器において設定温度まで加熱するようになっている。そして、特に上記給湯用熱交換回路においては、通常、ユーザーが設定した設定給湯温度等に対応した必要出湯能力(必要加熱能力)になるように燃焼バーナの燃焼作動等をフィードフォワード制御(以下、「FF制御」という)する一方、実際の出湯能力が設定給湯温度に対応したものになるように追随させるフィードバック制御(以下、「FB制御」という)を行うことにより燃焼バーナ及び送風機等に対する厳密な制御が行われている。また、暖房用もしくは風呂追い焚き用等の他の熱交換回路においては、通常、燃焼バーナの燃焼作動を固定値もしくは2〜3段階切換での単純な制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の各熱交換回路においては、燃焼排気の排気筒側から屋外の風が燃焼室内に逆流する等の一時的な外乱による燃焼異常の他に、主として熱交換器の吸熱フィンのフィン詰まり等の経時変化に起因する不完全燃焼(燃焼異常)が生じる場合がある。例えば、逆風時の不完全燃焼での煤付着の繰り返しや、熱効率を高く設計した熱交換器のフィンの場合には結露水の生成及びその乾燥により銅の酸化物が表面に堆積すること等によってフィン詰まりが生じるおそれがある。
【0004】
ところが、上記の如き二以上の熱交換回路を備えた複合燃焼機器においては、その二以上の熱交換回路が同時に作動されている場合には、たとえ上記のフィン詰まりに起因する燃焼異常が生じても給湯側もしくは暖房側のいずれの側の熱交換器にフィン詰まりが生じているのかを的確に判別することは困難もしくは不能という不都合がある。このような判別の困難性は、二以上の熱交換回路に対する送風を単一の送風機により行うように構成された複合燃焼機器において特に顕著なものになる。また、たとえ燃焼排気中の一酸化炭素(CO)量の増大量をみても、二以上の熱交換回路の燃焼排気が集合されて排出される場合には、その混合された燃焼排気中のCO量を見ても判別は不能となる。
【0005】
このため、たとえフィン詰まりが生じても、適切なタイミングでしかも部位に応じた適切なメンテナンスを実施し得ないことになる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複合燃焼機器において、部位に応じた適切なメンテナンスを容易に実現して適正な燃焼状態を維持させ得る異常判定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、フィン詰まりが生じると、各種の作動制御により燃焼器を制御しあるいは燃焼器及び送風機を制御したとしても次のような現象が生じることに着目してなされたものである。すなわち、送風量がある目標値となるように送風機を作動制御したとしても上記フィン詰まりに起因する送風抵抗を受けて実際には上記目標値より少ない送風量しか送風できなくなる上に、上記フィン詰まりに起因する燃焼状態の悪化に伴い燃焼排気中の特にCO濃度が増大することになる。この際、二以上の熱交換回路に対する送風を単一の送風機により行っている場合には、例えば給湯用熱交換回路の如く厳密な制御が行われている熱交換回路では上記燃焼状態に悪化に伴い熱交換効率の低下(吸熱度合の低下;吸熱異常)が生じ、その結果、特に上記FB制御におけるFB制御量の増大を招くことになる。従って、本発明では、このような現象の発生状態の如何に基づいて二以上ある内のいずれの熱交換回路にフィン詰まりが生じているかの判定を行うこととしたものである。
【0008】
具体的には、送風機1(図1もしくは図2参照)と、この送風機1から燃焼用空気の送風を受けて燃料を燃焼させる燃焼器2a,2bと、この燃焼器2a,2bからの燃焼熱を吸熱する二以上の熱交換器3a,3bとを有し各熱交換器3a,3bに導入される被加熱媒体を上記燃焼器2a,2bの燃焼作動により加熱し昇温後の被加熱媒体を各別の供給先に導出させる二以上の熱交換回路4a,4bを備え、少なくとも一の熱交換回路4aが燃焼用空気の送風量と加熱能力とについての各目標値に基づき作動制御されるように構成された複合燃焼機器に対する異常判定装置を対象として、以下の特定事項を具備する第1の発明と第2の発明とがある。
【0009】
ここで、第1の発明は後述の送風量偏差と加熱能力偏差とに基づいて異常部位を判定するものであり、特に単一の送風機により二以上の熱交換回路に対する送風を行うように構成された複合燃焼機器に対し好適に適用されるものである。また、第2の発明は送風機燃焼排気中に含まれる後述の特定成分偏差と加熱能力偏差とに基づいて異常部位を判定するものであり、送風機が単一の場合もしくは二以上の熱交換回路に対し個別に設けられている場合のいずれにも好適に適用し得るが、特に、上記二以上の熱交換回路が同時に運転されそれぞれからの燃焼排気が集合して排出される場合に好適に適用し得るものである。
【0010】
第1の発明は、図1に例示するように上記送風機1の燃焼器2a,2bに対する送風量を検出する送風量検出手段5と、上記一の熱交換回路4aにおける被加熱媒体への実際の加熱能力を検出する加熱能力検出手段6と、上記送風量の目標値から上記送風量検出手段5による検出値を減じた送風量偏差及び上記加熱能力の目標値から上記加熱能力検出手段6による検出値を減じた加熱能力偏差に基づいていずれの熱交換回路4a,4bが吸熱異常であるかを判定する異常判定手段7とを備えるものとする。そして、上記異常判定手段7として、上記送風量偏差が予め設定された送風量偏差判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が予め設定された加熱能力偏差判定値よりも大であるとき上記一の熱交換回路4aが吸熱異常であると判定する一方、上記送風量偏差が上記送風量偏差判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が上記加熱能力偏差判定値よりも小であるとき上記一の熱交換回路4a以外の他の熱交換回路4bが吸熱異常であると判定する構成とするものである。
【0011】
また、第2の発明は、図2に例示するように上記一の熱交換回路4aにおける被加熱媒体への実際の加熱能力を検出する加熱能力検出手段6と、上記二以上の熱交換回路4a,4bからの燃焼排気が集合して排気される部位に配設され燃焼器2a,2bの燃焼異常により変動する燃焼排気中の特定成分の含有量を検出する排気成分検出手段8と、上記二以上の熱交換回路4a,4bが同時作動状態にあるとき、上記加熱能力の目標値から上記加熱能力検出手段6による検出値を減じた加熱能力偏差及び上記排気成分検出手段8による検出含有量に基づいていずれの熱交換回路4a,4bが吸熱異常であるかを判定する異常判定手段9とを備えるものとする。そして、上記異常判定手段9として、上記特定成分の検出含有量が予め設定された特定成分量判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が予め設定された加熱能力偏差判定値よりも大であるとき上記一の熱交換回路4aが吸熱異常であると判定する一方、上記特定成分の検出含有量が上記特定成分量判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が上記加熱能力偏差判定値よりも小であるとき上記一の熱交換回路4a以外の他の熱交換回路4bが吸熱異常であると判定する構成とするものである。
【0012】
ここで、「燃焼器1」としては例えば燃焼バーナを用いればよく、燃焼させる「燃料」にはLPG(液化天然ガス)等の気体燃料や、軽油もしくは灯油等の液体燃料がある。
【0013】
「被加熱媒体」とは流体のことであり、主として液体を対象とするが、気体に対しても適用可能である。
【0014】
「複合燃焼機器」とは、被加熱媒体を「水」とする場合には、給湯用熱交換回路と、風呂追い焚き用熱交換回路及び暖房のための温水循環用熱交換回路の一方もしくは双方を組み合わせた如き機器をいい、この場合には給湯用熱交換回路が「作動制御される少なくとも一の熱交換回路4a」に該当する。また、上記の「複合燃焼機器」としては、少なくとも二以上の熱交換回路がそれぞれ個別に熱交換器を有するものをいい、単一の送風機により二以上の熱交換回路の全てに対し送風を行うもの(図1もしくは図2に例示したもの)、単一の送風機及び単一の燃焼器により二以上の熱交換器に対し燃焼熱を付与するもの、あるいは、二以上の熱交換回路にそれぞれ個別に送風機及び燃焼器が設けられているものの全てを含むものである。
【0015】
「送風量検出手段5」としては、送風機1からの送風量を直接的に検出するもの、あるいは、間接的に検出するもののいずれを用いてもよい。直接検出するものとしては送風機1のエア吐出口もしくはその下流側に送風量を直接検出する送風量センサがある。また、間接的に検出するものとして、送風機1のファン回転数とその送風機1を構成するファンモータへの駆動電流値とを検出しこれらファン回転数値及び駆動電流値の各検出値に基づいて演算により実際の送風量を推定するようにしてもよい。この場合には、上記ファンの回転数センサと、電流センサと、所定の推定式に基づき送風量を演算する演算部とによって送風量検出手段5が構成されることになる。
【0016】
「加熱能力」とは、燃焼器2aの燃焼熱を吸熱して熱交換器3aにおいて被加熱媒体に対し付与される熱量のことであり、熱交換器3aでの加熱前の被加熱媒体の温度と、加熱後の被加熱媒体の温度と、上記熱交換器3aに導入される被加熱媒体の導入量とに基づいて演算すればよい。上記の給湯用熱交換回路の場合には、加熱能力とは「出湯能力」のことになり、「号数」で表される。「号数」とは、1リットルの水を1分間に25℃昇温させるために要する熱量として1500kcal/hを設定し、これを1号とするものである。例えば30,000kcal/hの熱量を与えるには出湯能力の目標値として20号が設定され、その際の熱効率が80%であれば16号の出湯能力が期待できることになる。
【0017】
「加熱能力検出手段6」としては、上記の「一の熱交換回路4a」としての給湯用熱交換回路の場合には、熱交換器に流入する給水温度を検出する入水温度センサ(例えばサーミスタ)と、熱交換器3aから出湯(流出)する湯温を検出する出湯温度センサ(同上)と、上記熱交換器3aに流入する給水の入水量を検出する入水量センサと、これらセンサからの各出力値から実際の出湯能力を演算する演算部とにより構成すればよい。
【0018】
「排気成分検出手段8」とは、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)等のように燃焼器で不完全燃焼が生じた際に燃焼排気中において増大する成分、あるいは、酸素(O2)のように不完全燃焼が生じると燃焼排気中において低減する成分を特定成分として、その分有量(濃度)を検出するものであり、例えば特定成分として一般的なCOのCO濃度を検出するCOセンサ等を採用すればよい。そして、「特定成分量判定値」としては、例えばフィン詰まりに起因する不完全燃焼時での特定成分の含有量を各種の送風量毎に実測もしくは推定し、安全側に見てその特定成分の増大範囲内の下限値を判定値として予め設定すればよい。
【0019】
「異常判定手段7,9」としては、各種偏差を演算する演算部と、これら演算により得られた各種偏差とその偏差判定値との比較に基づいて吸熱異常がいずれの熱交換回路に発生しているかを判定する判定部とによって構成すればよい。例えば第1の発明の場合であると、上記一の熱交換回路4aの基本制御において設定される送風量及び加熱能力の両目標値、上記送風量検出手段5からの実際の検出送風量、及び、上記加熱能力検出手段6からの実際の検出加熱能力の各出力を受けて送風量偏差及び加熱能力偏差を演算する演算部と、これらの演算値と送風量偏差判定値及び加熱能力偏差判定値との比較において吸熱異常がいずれの熱交換回路に発生しているかを判定する判定部とによって構成すればよい。「送風量偏差判定値」及び「加熱能力偏差判定値」は、フィン詰まりが生じた状態での実測値等に基づいてメンテナンスが必要となる許容値を定め、その許容値を各種偏差判定値として予め設定すればよい。
【0020】
なお、上記の異常判定手段7,9における演算部及び判定部を、マイクロプロセッサ(MPU)やメモリー等により構成されたマイクロコンピュータで実行されるプログラムとして実現してもよいし、例えば所定数の比較器及びこれらの比較器からの出力を入力させて判定を行わせるAND回路等により表現される電気回路として実現するようにしてもよい。また、上記の給湯熱交換回路のように送風量及び加熱能力の各目標値に基づいてFB制御により基本制御が行われている場合には、その送風量についてのFB制御量及び加熱能力についてのFB制御量をそのまま入力して上記送風量偏差及び加熱能力偏差として用いることができる。これにより、第1の発明においては上記演算部は省略可能となる。また、第2の発明の場合では、演算部において、特定成分についての基準含有量から排気成分検出手段による検出値を減じて特定成分偏差を演算するだけでよいことになる。
【0021】
上記第1の発明の場合、いずれか一の熱交換回路の熱交換器にフィン詰まりに起因する吸熱異常が生じると実際の送風量が低下し、目標送風量との偏差が増大することになる。この送風量偏差が送風量偏差判定値よりも大であれば、これにより、まず、上記の吸熱異常がいずれかの熱交換回路で生じていると判別することが可能になる。その際、もしも、目標値送風量及び目標加熱能力により作動制御されている特定の熱交換回路4aに吸熱異常が生じていれば、目標加熱能力に基づいて燃焼器2aの燃焼制御が行われていても、被加熱媒体への実際の加熱量(検出加熱能力)が低下し、目標加熱能力との偏差が増大することになる。そして、この加熱能力偏差が加熱能力偏差判定値よりも大であれば、この特定の熱交換回路側に吸熱異常が生じていると判別することが可能になる。一方、上記加熱能力偏差が加熱能力偏差判定値よりも小の場合には、通常運転時の許容範囲であり、被熱媒体への加熱がほぼ正常に行われている、つまり吸熱異常は生じていないものと判別することができる。この場合には、上記の送風量偏差判定値を超える送風量偏差が生じている原因は上記の特定の熱交換回路4a以外の他の熱交換回路4bの側であると判別することが可能になる。従って、二以上の熱交換回路に対し単一の送風機により送風を行うように構成された複合燃焼機器であっても、上記の送風量偏差及び加熱能力偏差の如何によって二以上の熱交換回路のいずれで吸熱異常が生じているかの判定を的確に行うことが可能になる。
【0022】
また、第2の発明の場合、いずれか一の熱交換回路の熱交換器にフィン詰まりに起因する燃焼器の不完全燃焼が生じると、その燃焼排気中の特定成分の含有量が基準含有量よりも増大して特定成分偏差が増大することになる。この特定成分偏差が特定成分偏差判定値よりも大であれば、これにより、まず、上記の吸熱異常がいずれかの熱交換回路で生じていると判別することが可能になる。その際、もしも、目標加熱能力により作動制御されている特定の熱交換回路4aに吸熱異常が生じていれば、目標加熱能力に基づいて燃焼器の燃焼制御が行われていても、第1の発明の場合と同様に被加熱媒体への実際の加熱量が低下し、目標加熱能力との偏差が増大することになる。そして、この加熱能力偏差が加熱能力偏差判定値よりも大であれば、この特定の熱交換回路4a側に吸熱異常が生じていると判別することが可能になる。一方、上記加熱能力偏差が加熱能力偏差判定値よりも小の場合には、通常運転時の許容範囲であり、被熱媒体への加熱がほぼ正常に行われて吸熱異常は生じていないものと判別することができる。この場合には、燃焼排気に上記の特定成分偏差判定値を超える特定成分偏差が生じている原因は上記の特定の熱交換回路4a以外の他の熱交換回路4bの側であると判別することが可能になる。従って、単一の送風機により送風を行うのではなくて二以上の熱交換回路に対し個別の送風機が設けられた複合燃焼機器であっても、上記の燃焼排気中の特定成分偏差及び加熱能力偏差の如何によって二以上の熱交換回路のいずれで吸熱異常が生じているかの判定を的確に行うことが可能になる。また、この第2の発明の場合、排気成分検出手段を二以上の熱交換回路からの燃焼排気が集合している部位の1箇所だけに配設し、その集合された燃焼排気を対象として特定成分の検出を行うだけで吸熱異常の生じている部位の判別が可能になる。このため、排気成分検出手段として比較的高価なCOセンサを用いる場合であっても、不要なコスト増を招くことなく異常判定装置を構成することが可能になる。
【0023】
以上の第1もしくは第2の各発明において、吸熱異常であると判定されたときその判定結果をユーザー等に聴覚情報もしくは視覚情報により報知する報知手段10(図1もしくは図2参照)を設けるようにしてもよい。この場合、報知手段10による聴覚情報としては熱交換回路毎に異なる音色の警報ブザーの吹鳴、合成音声もしくは録音音声による異常部位の報知等を採用すればよく、視覚情報としては警告ランプ(例えばLED)等の光の点灯もしくは点滅、または、ディスプレイへの文字・警告マーク・異常部位の図形等の表示等を採用すればよい。これらの報知手段10は複合燃焼機器の運転をユーザーが指示設定するリモートコントローラがあれば、これに組み込むようにすればよい。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明したように、第1もしくは第2の発明の複合燃焼機器の異常判定装置によれば、適切なタイミングでかつ異常部位に応じて的確なメンテナンスを行うことができるようになる。この際、判定結果を報知手段により報知させることにより、ユーザー等により確実に異常の発生及び異常部位がどこかを報知することができ、上記のメンテナンスをより一層的確に行うことができることになる。
【0025】
また、このような基本効果に加え、第1の発明の場合には、二以上の熱交換回路に対し単一の送風機により送風を行うように構成された複合燃焼機器であっても、送風量偏差及び加熱能力偏差の如何によって二以上の熱交換回路のいずれで吸熱異常が生じているかの判定を的確に行うことができるようになる。しかも、一の熱交換回路の作動制御において用いられている制御量をそのまま判定のために利用することができ、新たな構成の追加を最小限に抑えて異常判定を容易に行うことができる。
【0026】
また、上記の基本効果に加え、第2の発明の場合には、単一の送風機により送風を行うのではなくて二以上の熱交換回路に対し個別の送風機が設けられた複合燃焼機器であっても、上記の燃焼排気中の特定成分偏差及び加熱能力偏差の如何によって二以上の熱交換回路のいずれで吸熱異常が生じているかの判定を的確に行うことができるようになる。しかも、排気成分検出手段を燃焼排気が集合している部位の1箇所に配設するだけで、吸熱異常の生じている部位の判別を確実に行うことができる。このため、排気成分検出手段として比較的高価なCOセンサを用いる場合であっても、不要なコスト増を招くことなく異常判定装置を簡易に構成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
<第1実施形態>
図3は、本発明の第1実施形態に係る異常判定装置を適用した複合燃焼機器の全体図である。まず、この複合燃焼機器の基本構造及び基本制御について簡単に説明する。
【0029】
本複合燃焼機器は、給湯用熱交換回路100と、風呂の追い焚き用熱交換回路200とが複合されてなり、水もしくは湯水を被加熱媒体とするものである。
【0030】
上記給湯用熱交換回路100は、一般家庭用水道管に接続された給水管路21から給湯側熱交換器22に導入される水を燃焼器としての給湯側燃焼バーナ23の燃焼熱により加熱し、加熱後の湯水を出湯管路24を通して下流端の給湯栓25まで出湯させるようになっている。上記給水管路21と出湯管路24とには上記給湯側熱交換器22をバイパスするバイパス管路26がそれぞれ連通され、このバイパス管路26に介装された水量調整弁27の開度制御により上記熱交換器22からの湯水に水を流入させて給湯栓25から出る湯水の温度調整が行われるようになっている。
【0031】
上記バイパス管路26の分岐位置よりも熱交換器22側(下流側)の給水管路21には、上記熱交換器22に流入する流量を検出する入水量センサ28と、その流入する水の温度を検出する入水温度センサ29とが配設されている。一方、上記バイパス管路26の合流位置によりも熱交換器22側(上流側)の出湯管路24には熱交換器22から出湯する湯水の温度を検出する出湯温度センサ30が配設されている。また、上記合流位置よりも下流側の出湯管路24には水量調整弁31と、上記給湯栓25もしくは後述の風呂注湯管路41に供給される湯水の温度を検出する給湯温度センサ32とが配設されている。
【0032】
上記追い焚き用熱交換回路200は、戻し管路33から循環用ポンプ34の吸い込み作動により追い焚き用熱交換器35に戻される浴槽36内の湯水を燃焼器としての追い焚き側燃焼バーナ37の燃焼熱によりさらに加熱し、加熱後の湯水を往き管路38を通して再び上記浴槽36内に戻して循環・追い焚きさせるようになっている。上記ポンプ34の吐出側(下流側)の戻し管路33には、水流スイッチ39と、追い焚き側熱交換器35に流入される湯水の温度を検出する風呂湯温度センサ40とが配設されている。
【0033】
上記浴槽36内への注湯は、上記出湯管路24の下流側から分岐して上記ポンプ34の吸い込み側に連通する風呂注湯管路41を通して上記給湯用熱交換回路100からの湯水が供給されるようになっている。この風呂注湯管路41には、上記出湯管路24との分岐位置から戻し管路33との合流位置にかけて、浴槽36に注湯される湯水の流量を検出する注湯量センサ42と、開閉制御により注湯させる注湯用電磁弁43と、浴槽36側湯水の給湯側への混入を防止する直列二段配置の逆止弁44,45とが順に配設されている。
【0034】
なお、上記の各温度センサ29,30,32,40は例えばサーミスタにより構成すればよく、また、上記の入水量センサ28もしくは注湯量センサ42は例えば管路内の水もしくは湯水の流れにより回転する羽根車の回転数検出により流量を検出するように構成すればよい。
【0035】
上記給湯側及び追い焚き側の両熱交換器22,35にはそれぞれ吸熱フィン221,351が設けられ、給湯側熱交換器22は給湯側ケーシング51内の燃焼室52上部に、追い焚き側熱交換器35は追い焚き側ケーシング53内の燃焼室54上部にそれぞれ配設されている。給湯側燃焼バーナ23は上記給湯側燃焼室52下部に、追い焚き側燃焼バーナ37は追い焚き側燃焼室54下部にそれぞれ配設されている。
【0036】
給湯側及び追い焚き側の両燃焼バーナ23,37にはLPG(液化天然ガス)を燃料とする燃料供給管55が接続され、この燃料供給管55にはLPG源側から順に元栓としての燃料用電磁弁56と、供給量を調整する燃料用電磁比例弁57とが配設されている。加えて、この燃料供給管55の下流端側には、追い焚き側燃焼バーナ37への燃料供給を開閉する電磁弁58、及び、給湯側燃焼バーナ23への燃料供給を開閉する複数(図例では3つ)の電磁弁59,60,61が設けられている。これら3つの電磁弁59,60,61の選択的な開閉制御により給湯側燃焼バーナ23の燃焼熱による加熱能力が段階的に切換えられるようになっている。なお、図3中62は点火用トランス、63,64はそれぞれ燃焼バーナ点火用の点火プラグ、65,66は着火確認用のフレームロッドである。
【0037】
上記給湯側及び追い焚き側の両ケーシング51,53は互いの下端側が下部ケーシング67に連通して密閉され、この下部ケーシング67の下端部には単一の送風機としての送風ファン68からの送風筒69が連通されている。この送風ファン68は、電動のファンモータ70の回転作動により外気を上記送風筒69及び下部ケーシング67を通して給湯側及び追い焚き側の両燃焼バーナ23,37の双方に燃焼用空気として供給するようになっている。また、送風ファン68には、その回転数を検出する回転数センサ71が配設されている一方、上記ファンモータ70の回転駆動に要する駆動電流値を検出する図示省略の駆動電流検出回路が設けられている。
【0038】
なお、上記給湯側及び追い焚き側の両ケーシング51,53は、その両上端側が集合され、集合された集合筒72を通して燃焼排気が排出されるようになっている。
【0039】
以上の基本構造を有する複合燃焼機器は、MPU及びメモリー等により構成されたコントローラ300によって、給湯、注湯及び追い焚きの各種運転作動が上記の各種センサからの出力等に基づいて制御されるようになっている。上記コントローラ300は図4に示すように給湯制御手段81と、追い焚き制御手段82とを備え、これらの各制御手段81,82によって上記各種作動制御が行われる。以下、これらの運転作動についての基本的な作動制御を説明する。なお、上記各制御手段81,82はメモリー等に書き込まれた所定の制御プログラムに従って各種電磁弁等に作動指令を発するようになっている。
【0040】
給湯用熱交換回路100の給湯作動制御は、ユーザーによりリモートコントローラ(以下、「リモコン」という)80の給湯スイッチがON操作されかつ給湯栓25が開かれて入水量センサ28が予め定められた最低作動水量以上の流量を検出することにより開始される。まず、ユーザーがリモコン80に設定した所望の給湯温度を実現するのに必要な出湯号数(目標号数)を演算する。そして、演算された目標号数を実現させる目標燃料供給量及びこの目標燃料供給量に対し所定の空燃比となる目標送風量(目標風量)についての各FF制御量を演算し、この各FF制御量に基づいて燃料供給管55の各種電磁弁56,57,59〜61及び送風ファン68のファンモータ70の回転数をそれぞれFF制御する。次に、給湯側燃焼バーナ23の燃焼後に実際の出湯号数(実号数)を入水量センサ28、入水温度センサ29及び出湯温度センサ30からの各検出値に基づいて演算し、上記目標号数と実号数との号数差(FB制御量)をゼロにするように目標燃料供給量をFB制御により順次補正する。併せて、実際の送風量(実風量)を上記回転数センサ71からの検出回転数と駆動電流検出回路からの検出駆動電流値とから演算し、上記目標風量と実風量との風量差(FB制御量)をゼロにするように目標風量をFB制御により順次補正する。
【0041】
一方、追い焚き用熱交換回路200の追い焚き作動制御は、ユーザーによりリモコン80の追い焚きスイッチがON操作されると開始される。この場合、ユーザーがリモコン80に設定する沸き上がり温度に応じて複数段階の燃焼量、すなわち燃料供給量及び送風量の組み合わせが予め設定されており、上記ユーザー設定の沸き上がり温度に対応する所定段階の燃焼量となるように電磁比例弁57及び電磁弁58とファンモータ70とが切換制御される。そして、風呂湯温度センサ40からの検出湯温が上記沸き上がり温度に到達すると燃焼バーナ37による燃焼が停止される。つまり、追い焚き用熱交換回路200は予め設定された固定値に基づく作動制御が行われ、給湯用熱交換回路100の如き目標出湯能力に基づく精密な作動制御は行われていない。
【0042】
なお、上記給湯用熱交換回路100及び追い焚き用熱交換回路200が同時運転される場合には、燃料供給量は個別に制御される一方、送風量は給湯側燃焼バーナ23に対する送風量と追い焚き側燃焼バーナ37に対する送風量との合計値により制御されることになる。
【0043】
そして、以上の基本構造及び基本制御を前提として、さらに以下の燃焼異常判定のための異常判定制御が行われるようになっている。すなわち、上記コントローラ300は異常判定手段83を備え、この異常判定手段83はフィン詰まりに起因する燃焼異常を判別検出してそのフィン詰まりが給湯側もしくは追い焚き側のいずれの熱交換器22,35に生じているかを報知手段86を介して報知するようになっている。
【0044】
上記異常判定手段83は異常判定のためのパラメータを演算する演算部84と、そのパラメータに基づき異常判定を行う判定部85とを備え、その判定結果に基づき上記報知手段86に作動信号(指令)を出力するようになっている。
【0045】
上記報知手段86は異常判定手段83からの指令に基づきリモコン80に配設された警告ブザーの吹鳴、LEDの点滅及びディスプレイ801(図3参照)への文字情報の表示を行うように構成されている。この場合、警告ブザーは例えばフィン詰まりが生じていることを警告する1種類の吹鳴音にする一方、LEDはそのフィン詰まりが給湯側であるか追い焚き側であるかを示すように色違いの2種類にし、上記文字情報はフィン詰まりの発生とその発生部位を表示するようにすればよい。
【0046】
なお、上記異常判定手段83は、給湯制御手段81等の基本制御プログラムに対しサブルーチンとして組み込まれている。
【0047】
以下、図5に示すフローチャートに基づいて上記異常判定手段83による制御を具体的に説明する。
【0048】
まず、ステップSA1で給湯側熱交換回路100が燃焼作動制御中であるか否かを判別し、燃焼作動制御中であるときにのみ以後のステップに進む。給湯側が燃焼作動制御中であるときには、ステップSA2で目標風量Atから実風量Adを減じて風量差(送風量偏差)Afを演算し、ステップSA3でその風量差Afが送風量偏差判定値An以上であるか否かの判別を行う。AfがAn以上であるときにのみ次のステップSA4に進み、ステップSA4で目標号数Btから実号数Bdを減じて号数差(加熱能力偏差)Bfを演算し、ステップSA5でその号数差Bfが加熱能力偏差判定値Bn以上であるか否かの判別を行う。このステップSA5において、号数差BfがBn以上であるときには給湯側熱交換器22の吸熱フィン221にフィン詰まりが生じていると判定し(ステップSA6)、報知手段86に給湯側のフィン詰まりを報知させる指令信号を出力する(ステップSA7)。逆に、上記ステップSA5において、号数差BfがBn未満であるときには追い焚き側熱交換器35の吸熱フィン351にフィン詰まりが生じていると判定し(ステップSA8)、報知手段86に追い焚き側(風呂側)のフィン詰まりを報知させる指令信号を出力する(ステップSA9)。
【0049】
以上のフローチャートにおいて、ステップSA2及びSA4が演算部84を構成し、ステップSA3及びSA5が判定部85を構成する。但し、上記のステップSA2における風量差Af及びステップSA4における号数差Bfは、共に給湯制御手段81による給湯側熱交換回路100の基本作動制御においてFB制御量として演算されているため、上記各値Af,Bfは上記給湯制御手段81からその都度取り込むようにして、異常判定手段83での演算は省略してもよい。
【0050】
また、この異常判定手段83においては、入水量センサ28と、入水温度センサ29と、出湯温度センサ30とによって加熱能力検出手段としての出湯能力検出手段87が構成され、ファンモータ70の回転数センサ71と、そのファンモータ70に対する駆動電流検出回路73とによって送風量検出手段88が構成されている。
【0051】
ここで、本実施形態における送風量検出手段88について説明を加えると、送風ファン68による送風量はファンモータ70の回転数に本来比例している。このため、送風量の制御は上記回転数を制御することにより行われる。ある回転数Noで作動させるには通常状態ではファンモータ70に対しある基準の駆動電流Ioを与えればよい。このときのIoが基準値であり、値理論的には
Io=α・No2 (但しαは定数)
により予め与えられる。ところが、吸熱フィン221,351に詰まりが生じて流路抵抗が増大すると、回転数も、その回転駆動を維持させるために要する駆動電流値も変動する。そこで、実際の検出回転数Ndと、実際の検出駆動電流値Idとを検出し次式に基づいて実際の送風量Adを推定・検出することにしている。
【0052】
Ad=(Id−Io)/exp(Nd)
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態に係る異常判定装置を適用した複合燃焼機器の全体図である。
【0053】
本複合燃焼機器も、第1実施形態の場合と同様に給湯用熱交換回路101と、風呂の追い焚き用熱交換回路201とが複合され、水もしくは湯水を被加熱媒体とするものである。しかし、第1実施形態のものが単一の送風ファン68(図3参照)を給湯用及び追い焚き用の両熱交換回路100,200で共用しているのに対し、第2実施形態のものは給湯用及び追い焚き用の両熱交換回路101,201がそれぞれ個別に送風機としての送風ファン74,77を備えており、この点で第2実施形態の複合燃焼機器は第1実施形態のものと基本構造において異なる。
【0054】
まず、本複合燃焼機器の基本構造及び基本作動制御について説明するが、主として第1実施形態のものと異なる点について説明し、第1実施形態のものと同一の構成要素については第1実施形態の場合と同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0055】
給湯用熱交換回路101の熱交換器22は独立した給湯側ケーシング47内の燃焼室48の上部に配設され、この燃焼室48の下部に燃焼器としての燃焼バーナ23が配設されている。そして、上記給湯側ケーシング47の下端部には送風機としての給湯側送風ファン74の送風筒74aが連通しファンモータ75の回転駆動による送風が上記燃焼室48に対し燃焼用空気として供給されるようになっている。
【0056】
追い焚き用熱交換回路201の熱交換器35も独立した追い焚き側ケーシング49内の燃焼室50の上部に配設され、この燃焼室50の下部に燃焼器としての燃焼バーナ37が配設されている。そして、上記追い焚き側ケーシング49の下端部には送風機としての追い焚き側送風ファン77の送風筒77aが連通しファンモータ78の回転駆動による送風が上記燃焼室50に対し燃焼用空気として供給されるようになっている。
【0057】
上記の給湯側のファンモータ75にはその回転数を検出する回転数センサ76が設けられ、追い焚き側ファンモータ77にも同様の回転数センサ79が設けられている。
【0058】
また、上記給湯側及び追い焚き側の2つのケーシング47,49の上端部が共に集合されて集合排気筒72とされ、この集合排気筒72には給湯側及び追い焚き側の双方から集合された燃焼排気中の特定成分としてのCOの濃度を検出する排気成分検出手段としてのCOセンサ80が配設されている。
【0059】
なお、図6中58aは追い焚き側の燃焼能力を切換えるための電磁弁、58bは圧力調速用のガバナーである。また、本複合燃焼機器における注湯管路46の下流端は戻し管路33に対し循環ポンプ34の吐出側、すなわち、熱交換器35側の位置に合流されており、注湯用の電磁弁43、注湯量センサ42及び2段の逆止弁44,45からなる落とし弁機構により自動注湯が行われるようになっている。
【0060】
以上の基本構造を有する複合燃焼機器はMPU及びメモリー等により構成されたコントローラ301によって、給湯、注湯及び追い焚きの各種運転作動が上記の各種センサからの出力等に基づいて制御されるようになっている。上記コントローラ301は図7に示すように給湯制御手段91と、追い焚き制御手段92とを備え、これら各制御手段91,92はメモリー等に書き込まれた所定の制御プログラムに従って各種電磁弁等に作動指令を発することにより、上記の各種運転作動の作動制御が行われるように構成されている。
【0061】
給湯制御手段91による給湯用熱交換回路101の給湯作動制御は、制御対象の一つである送風ファンが第1実施形態の場合の送風ファン68(図3参照)が本第2実施形態では給湯側で独立の送風ファン74に置き換わるという違いを有するだけで、他は第1実施形態の場合と同一の制御が行われる。概説すると、まず、リモコン80に設定された給湯温度を実現するのに必要な出湯号数(目標号数)を演算する。そして、演算された目標号数を実現させる目標燃料供給量及びこの目標燃料供給量に対し所定の空燃比となる目標送風量についての各FF制御量を演算し、この各FF制御量に基づいて燃料供給管55の各種電磁比例弁57,59〜61及び送風ファン74のファンモータ75の回転数をそれぞれFF制御する。次に、給湯側燃焼バーナ23の燃焼後に実際の出湯号数(実号数)を入水量センサ28、入水温度センサ29及び出湯温度センサ30からの各検出値に基づいて演算し、上記目標号数と実号数との号数差(FB制御量)をゼロにするように目標燃料供給量をFB制御により順次補正する。併せて、実際の送風量を上記回転数センサ76からの検出回転数と駆動電流検出回路73からの検出駆動電流値とから演算し、上記目標送風量と実際の送風量との風量差(FB制御量)をゼロにするように目標送風量をFB制御により順次補正する。
【0062】
一方、追い焚き制御手段92による追い焚き用熱交換回路201の追い焚き作動制御は、リモコン80の追い焚きスイッチがON操作されると開始され、リモコン80に設定された沸き上がり温度に対応する燃焼段階の燃焼量となるように段階的切換え制御が行われる。すなわち燃料供給量及び送風量の組み合わせが複数段階の燃焼量に応じて予め設定されており、その所定段階の燃焼量となるように各種電磁弁56,58,58a及びファンモータ78とが切換制御されるようになっている。
【0063】
この複合燃焼機器も、第1実施形態のものと比べ給湯側と追い焚き側との両送風ファン74,77が互いに独立して制御される点で相違はあるが、追い焚き用熱交換回路201は第1実施形態と同様に予め設定された固定値に基づく段階的な作動制御が行われ、給湯用熱交換回路101の如き目標出湯能力に基づく精密な作動制御は行われていない。
【0064】
そして、上記給湯用熱交換回路101及び追い焚き用熱交換回路201が同時運転される場合には、上記の給湯制御手段91と追い焚き制御手段92とによる両作動制御が互いに独立して同時に実行される。
【0065】
以上の基本構造及び基本制御を前提として行われる燃焼異常判定のための異常判定制御は上記コントローラ301の異常判定手段93により行われる。この異常判定手段93は、第1実施形態と異なり燃焼排気に含まれるCO量の増大度合と、出湯能力の目標値と検出値との偏差の度合とに基づいてフィン詰まりに起因する燃焼異常の発生の判別及びそのフィン詰まりが給湯側もしくは追い焚き側のいずれの熱交換器22,35に生じているかの判別を行うようになっている。
【0066】
上記異常判定手段93は異常判定のためのパラメータを演算する演算部94と、そのパラメータに基づき異常判定を行う判定部95とを備え、その判定結果に基づき上記報知手段86に作動信号(指令)を出力するようになっている。
【0067】
なお、上記異常判定手段93は、第1実施形態と同様に給湯制御手段81等の基本制御プログラムに対しサブルーチンとして組み込まれている。
【0068】
以下、図8に示すフローチャートに基づいて上記異常判定手段93による制御を具体的に説明する。
【0069】
まず、ステップSB1で給湯側及び追い焚き用の両熱交換回路101,201が共に燃焼作動中であるか否かを判別し、同時燃焼作動中であるときにのみ次のステップに進む。同時燃焼作動中であるときには、ステップSB2でCOセンサ80からのCO濃度(CO出力値)CdがCO判定値(特定成分量判定値)Cn以上か否かの判別を行う。CdがCn以上であるときにのみ次のステップSB3に進み、ステップSB3で目標号数Btから実号数Bdを減じて号数差(加熱能力偏差)Bfを演算し、ステップSB4でその号数差Bfが加熱能力偏差判定値Bn以上であるか否かの判別を行う。このステップSB4において、号数差BfがBn以上であるときには給湯側熱交換器22の吸熱フィン221にフィン詰まりが生じていると判定し(ステップSB5)、報知手段86に給湯側のフィン詰まりを報知させる指令信号を出力する(ステップSB6)。逆に、上記ステップSB4において、号数差BfがBn未満であるときには追い焚き側熱交換器35の吸熱フィン351にフィン詰まりが生じていると判定し(ステップSB7)、報知手段86に追い焚き側(風呂側)のフィン詰まりを報知させる指令信号を出力する(ステップSB8)。
【0070】
以上のフローチャートにおいて、ステップSB3が演算部94を構成し、ステップSB2及びSB4が判定部95を構成する。但し、上記のステップSB3における号数差Bfは給湯制御手段91による給湯側熱交換回路101の基本作動制御においてFB制御量として演算されているため、上記各値Bfは上記給湯制御手段91からその都度取り込むようにして、異常判定手段93での演算は省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明を示すブロック概念図である。
【図2】第2の発明を示すブロック概念図である。
【図3】第1実施形態を適用した複合燃焼機器の全体説明図である。
【図4】図3のコントローラ等を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態の異常判定手段による制御を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態を適用した複合燃焼機器の全体説明図である。
【図7】図6のコントローラ等を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態の異常判定手段による制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 送風機
2a,2b 燃焼器
3a,3b 熱交換器
4a 一の熱交換回路
4b 他の熱交換回路
5,88 送風量検出手段
6,87 加熱能力検出手段
7,83,93 異常判定手段
8 排気成分検出手段
10,86 報知手段
22,35 熱交換器
23,37 燃焼バーナ(燃焼器)
25 給湯栓(加熱後の非加熱媒体の供給先)
36 浴槽(加熱後の被加熱媒体の供給先)
68,74,77 送風ファン(送風機)
72 集合排気筒(燃焼排気が集合して排出される部位)
80 COセンサ(排気成分検出手段)
81 給湯制御手段(一の熱交換回路の制御手段)
100,101 給湯用熱交換回路(一の熱交換回路)
200,201 追い焚き用熱交換回路(他の熱交換回路)
221,351 吸熱フィン
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば給湯器付風呂釜もしくは給湯器付暖房機等のように給湯用熱交換回路に、風呂追い焚き用熱交換回路及び暖房用熱交換回路の一方もしくは双方を組み合わせてなる複合燃焼機器において、熱交換器の吸熱異常に伴う燃焼異常を判定するために用いられる異常判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の複合燃焼機器として給湯用熱交換回路に暖房用熱交換回路とを組み合わせたものが知られている(例えば、特開平10−122579号公報参照)。このものでは、給湯用熱交換回路と暖房用熱交換回路とのそれぞれに送風ファン、燃焼バーナ及び熱交換器が個別に設けられており、給湯用加熱器では給水管から流入された水を上記熱交換器において加熱し湯水を出湯管に出湯する一方、暖房用熱交換回路では上記出湯管から分岐して導入された湯水を温水循環配管に循環させる際に熱交換器において設定温度まで加熱するようになっている。そして、特に上記給湯用熱交換回路においては、通常、ユーザーが設定した設定給湯温度等に対応した必要出湯能力(必要加熱能力)になるように燃焼バーナの燃焼作動等をフィードフォワード制御(以下、「FF制御」という)する一方、実際の出湯能力が設定給湯温度に対応したものになるように追随させるフィードバック制御(以下、「FB制御」という)を行うことにより燃焼バーナ及び送風機等に対する厳密な制御が行われている。また、暖房用もしくは風呂追い焚き用等の他の熱交換回路においては、通常、燃焼バーナの燃焼作動を固定値もしくは2〜3段階切換での単純な制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の各熱交換回路においては、燃焼排気の排気筒側から屋外の風が燃焼室内に逆流する等の一時的な外乱による燃焼異常の他に、主として熱交換器の吸熱フィンのフィン詰まり等の経時変化に起因する不完全燃焼(燃焼異常)が生じる場合がある。例えば、逆風時の不完全燃焼での煤付着の繰り返しや、熱効率を高く設計した熱交換器のフィンの場合には結露水の生成及びその乾燥により銅の酸化物が表面に堆積すること等によってフィン詰まりが生じるおそれがある。
【0004】
ところが、上記の如き二以上の熱交換回路を備えた複合燃焼機器においては、その二以上の熱交換回路が同時に作動されている場合には、たとえ上記のフィン詰まりに起因する燃焼異常が生じても給湯側もしくは暖房側のいずれの側の熱交換器にフィン詰まりが生じているのかを的確に判別することは困難もしくは不能という不都合がある。このような判別の困難性は、二以上の熱交換回路に対する送風を単一の送風機により行うように構成された複合燃焼機器において特に顕著なものになる。また、たとえ燃焼排気中の一酸化炭素(CO)量の増大量をみても、二以上の熱交換回路の燃焼排気が集合されて排出される場合には、その混合された燃焼排気中のCO量を見ても判別は不能となる。
【0005】
このため、たとえフィン詰まりが生じても、適切なタイミングでしかも部位に応じた適切なメンテナンスを実施し得ないことになる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複合燃焼機器において、部位に応じた適切なメンテナンスを容易に実現して適正な燃焼状態を維持させ得る異常判定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、フィン詰まりが生じると、各種の作動制御により燃焼器を制御しあるいは燃焼器及び送風機を制御したとしても次のような現象が生じることに着目してなされたものである。すなわち、送風量がある目標値となるように送風機を作動制御したとしても上記フィン詰まりに起因する送風抵抗を受けて実際には上記目標値より少ない送風量しか送風できなくなる上に、上記フィン詰まりに起因する燃焼状態の悪化に伴い燃焼排気中の特にCO濃度が増大することになる。この際、二以上の熱交換回路に対する送風を単一の送風機により行っている場合には、例えば給湯用熱交換回路の如く厳密な制御が行われている熱交換回路では上記燃焼状態に悪化に伴い熱交換効率の低下(吸熱度合の低下;吸熱異常)が生じ、その結果、特に上記FB制御におけるFB制御量の増大を招くことになる。従って、本発明では、このような現象の発生状態の如何に基づいて二以上ある内のいずれの熱交換回路にフィン詰まりが生じているかの判定を行うこととしたものである。
【0008】
具体的には、送風機1(図1もしくは図2参照)と、この送風機1から燃焼用空気の送風を受けて燃料を燃焼させる燃焼器2a,2bと、この燃焼器2a,2bからの燃焼熱を吸熱する二以上の熱交換器3a,3bとを有し各熱交換器3a,3bに導入される被加熱媒体を上記燃焼器2a,2bの燃焼作動により加熱し昇温後の被加熱媒体を各別の供給先に導出させる二以上の熱交換回路4a,4bを備え、少なくとも一の熱交換回路4aが燃焼用空気の送風量と加熱能力とについての各目標値に基づき作動制御されるように構成された複合燃焼機器に対する異常判定装置を対象として、以下の特定事項を具備する第1の発明と第2の発明とがある。
【0009】
ここで、第1の発明は後述の送風量偏差と加熱能力偏差とに基づいて異常部位を判定するものであり、特に単一の送風機により二以上の熱交換回路に対する送風を行うように構成された複合燃焼機器に対し好適に適用されるものである。また、第2の発明は送風機燃焼排気中に含まれる後述の特定成分偏差と加熱能力偏差とに基づいて異常部位を判定するものであり、送風機が単一の場合もしくは二以上の熱交換回路に対し個別に設けられている場合のいずれにも好適に適用し得るが、特に、上記二以上の熱交換回路が同時に運転されそれぞれからの燃焼排気が集合して排出される場合に好適に適用し得るものである。
【0010】
第1の発明は、図1に例示するように上記送風機1の燃焼器2a,2bに対する送風量を検出する送風量検出手段5と、上記一の熱交換回路4aにおける被加熱媒体への実際の加熱能力を検出する加熱能力検出手段6と、上記送風量の目標値から上記送風量検出手段5による検出値を減じた送風量偏差及び上記加熱能力の目標値から上記加熱能力検出手段6による検出値を減じた加熱能力偏差に基づいていずれの熱交換回路4a,4bが吸熱異常であるかを判定する異常判定手段7とを備えるものとする。そして、上記異常判定手段7として、上記送風量偏差が予め設定された送風量偏差判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が予め設定された加熱能力偏差判定値よりも大であるとき上記一の熱交換回路4aが吸熱異常であると判定する一方、上記送風量偏差が上記送風量偏差判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が上記加熱能力偏差判定値よりも小であるとき上記一の熱交換回路4a以外の他の熱交換回路4bが吸熱異常であると判定する構成とするものである。
【0011】
また、第2の発明は、図2に例示するように上記一の熱交換回路4aにおける被加熱媒体への実際の加熱能力を検出する加熱能力検出手段6と、上記二以上の熱交換回路4a,4bからの燃焼排気が集合して排気される部位に配設され燃焼器2a,2bの燃焼異常により変動する燃焼排気中の特定成分の含有量を検出する排気成分検出手段8と、上記二以上の熱交換回路4a,4bが同時作動状態にあるとき、上記加熱能力の目標値から上記加熱能力検出手段6による検出値を減じた加熱能力偏差及び上記排気成分検出手段8による検出含有量に基づいていずれの熱交換回路4a,4bが吸熱異常であるかを判定する異常判定手段9とを備えるものとする。そして、上記異常判定手段9として、上記特定成分の検出含有量が予め設定された特定成分量判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が予め設定された加熱能力偏差判定値よりも大であるとき上記一の熱交換回路4aが吸熱異常であると判定する一方、上記特定成分の検出含有量が上記特定成分量判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が上記加熱能力偏差判定値よりも小であるとき上記一の熱交換回路4a以外の他の熱交換回路4bが吸熱異常であると判定する構成とするものである。
【0012】
ここで、「燃焼器1」としては例えば燃焼バーナを用いればよく、燃焼させる「燃料」にはLPG(液化天然ガス)等の気体燃料や、軽油もしくは灯油等の液体燃料がある。
【0013】
「被加熱媒体」とは流体のことであり、主として液体を対象とするが、気体に対しても適用可能である。
【0014】
「複合燃焼機器」とは、被加熱媒体を「水」とする場合には、給湯用熱交換回路と、風呂追い焚き用熱交換回路及び暖房のための温水循環用熱交換回路の一方もしくは双方を組み合わせた如き機器をいい、この場合には給湯用熱交換回路が「作動制御される少なくとも一の熱交換回路4a」に該当する。また、上記の「複合燃焼機器」としては、少なくとも二以上の熱交換回路がそれぞれ個別に熱交換器を有するものをいい、単一の送風機により二以上の熱交換回路の全てに対し送風を行うもの(図1もしくは図2に例示したもの)、単一の送風機及び単一の燃焼器により二以上の熱交換器に対し燃焼熱を付与するもの、あるいは、二以上の熱交換回路にそれぞれ個別に送風機及び燃焼器が設けられているものの全てを含むものである。
【0015】
「送風量検出手段5」としては、送風機1からの送風量を直接的に検出するもの、あるいは、間接的に検出するもののいずれを用いてもよい。直接検出するものとしては送風機1のエア吐出口もしくはその下流側に送風量を直接検出する送風量センサがある。また、間接的に検出するものとして、送風機1のファン回転数とその送風機1を構成するファンモータへの駆動電流値とを検出しこれらファン回転数値及び駆動電流値の各検出値に基づいて演算により実際の送風量を推定するようにしてもよい。この場合には、上記ファンの回転数センサと、電流センサと、所定の推定式に基づき送風量を演算する演算部とによって送風量検出手段5が構成されることになる。
【0016】
「加熱能力」とは、燃焼器2aの燃焼熱を吸熱して熱交換器3aにおいて被加熱媒体に対し付与される熱量のことであり、熱交換器3aでの加熱前の被加熱媒体の温度と、加熱後の被加熱媒体の温度と、上記熱交換器3aに導入される被加熱媒体の導入量とに基づいて演算すればよい。上記の給湯用熱交換回路の場合には、加熱能力とは「出湯能力」のことになり、「号数」で表される。「号数」とは、1リットルの水を1分間に25℃昇温させるために要する熱量として1500kcal/hを設定し、これを1号とするものである。例えば30,000kcal/hの熱量を与えるには出湯能力の目標値として20号が設定され、その際の熱効率が80%であれば16号の出湯能力が期待できることになる。
【0017】
「加熱能力検出手段6」としては、上記の「一の熱交換回路4a」としての給湯用熱交換回路の場合には、熱交換器に流入する給水温度を検出する入水温度センサ(例えばサーミスタ)と、熱交換器3aから出湯(流出)する湯温を検出する出湯温度センサ(同上)と、上記熱交換器3aに流入する給水の入水量を検出する入水量センサと、これらセンサからの各出力値から実際の出湯能力を演算する演算部とにより構成すればよい。
【0018】
「排気成分検出手段8」とは、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)等のように燃焼器で不完全燃焼が生じた際に燃焼排気中において増大する成分、あるいは、酸素(O2)のように不完全燃焼が生じると燃焼排気中において低減する成分を特定成分として、その分有量(濃度)を検出するものであり、例えば特定成分として一般的なCOのCO濃度を検出するCOセンサ等を採用すればよい。そして、「特定成分量判定値」としては、例えばフィン詰まりに起因する不完全燃焼時での特定成分の含有量を各種の送風量毎に実測もしくは推定し、安全側に見てその特定成分の増大範囲内の下限値を判定値として予め設定すればよい。
【0019】
「異常判定手段7,9」としては、各種偏差を演算する演算部と、これら演算により得られた各種偏差とその偏差判定値との比較に基づいて吸熱異常がいずれの熱交換回路に発生しているかを判定する判定部とによって構成すればよい。例えば第1の発明の場合であると、上記一の熱交換回路4aの基本制御において設定される送風量及び加熱能力の両目標値、上記送風量検出手段5からの実際の検出送風量、及び、上記加熱能力検出手段6からの実際の検出加熱能力の各出力を受けて送風量偏差及び加熱能力偏差を演算する演算部と、これらの演算値と送風量偏差判定値及び加熱能力偏差判定値との比較において吸熱異常がいずれの熱交換回路に発生しているかを判定する判定部とによって構成すればよい。「送風量偏差判定値」及び「加熱能力偏差判定値」は、フィン詰まりが生じた状態での実測値等に基づいてメンテナンスが必要となる許容値を定め、その許容値を各種偏差判定値として予め設定すればよい。
【0020】
なお、上記の異常判定手段7,9における演算部及び判定部を、マイクロプロセッサ(MPU)やメモリー等により構成されたマイクロコンピュータで実行されるプログラムとして実現してもよいし、例えば所定数の比較器及びこれらの比較器からの出力を入力させて判定を行わせるAND回路等により表現される電気回路として実現するようにしてもよい。また、上記の給湯熱交換回路のように送風量及び加熱能力の各目標値に基づいてFB制御により基本制御が行われている場合には、その送風量についてのFB制御量及び加熱能力についてのFB制御量をそのまま入力して上記送風量偏差及び加熱能力偏差として用いることができる。これにより、第1の発明においては上記演算部は省略可能となる。また、第2の発明の場合では、演算部において、特定成分についての基準含有量から排気成分検出手段による検出値を減じて特定成分偏差を演算するだけでよいことになる。
【0021】
上記第1の発明の場合、いずれか一の熱交換回路の熱交換器にフィン詰まりに起因する吸熱異常が生じると実際の送風量が低下し、目標送風量との偏差が増大することになる。この送風量偏差が送風量偏差判定値よりも大であれば、これにより、まず、上記の吸熱異常がいずれかの熱交換回路で生じていると判別することが可能になる。その際、もしも、目標値送風量及び目標加熱能力により作動制御されている特定の熱交換回路4aに吸熱異常が生じていれば、目標加熱能力に基づいて燃焼器2aの燃焼制御が行われていても、被加熱媒体への実際の加熱量(検出加熱能力)が低下し、目標加熱能力との偏差が増大することになる。そして、この加熱能力偏差が加熱能力偏差判定値よりも大であれば、この特定の熱交換回路側に吸熱異常が生じていると判別することが可能になる。一方、上記加熱能力偏差が加熱能力偏差判定値よりも小の場合には、通常運転時の許容範囲であり、被熱媒体への加熱がほぼ正常に行われている、つまり吸熱異常は生じていないものと判別することができる。この場合には、上記の送風量偏差判定値を超える送風量偏差が生じている原因は上記の特定の熱交換回路4a以外の他の熱交換回路4bの側であると判別することが可能になる。従って、二以上の熱交換回路に対し単一の送風機により送風を行うように構成された複合燃焼機器であっても、上記の送風量偏差及び加熱能力偏差の如何によって二以上の熱交換回路のいずれで吸熱異常が生じているかの判定を的確に行うことが可能になる。
【0022】
また、第2の発明の場合、いずれか一の熱交換回路の熱交換器にフィン詰まりに起因する燃焼器の不完全燃焼が生じると、その燃焼排気中の特定成分の含有量が基準含有量よりも増大して特定成分偏差が増大することになる。この特定成分偏差が特定成分偏差判定値よりも大であれば、これにより、まず、上記の吸熱異常がいずれかの熱交換回路で生じていると判別することが可能になる。その際、もしも、目標加熱能力により作動制御されている特定の熱交換回路4aに吸熱異常が生じていれば、目標加熱能力に基づいて燃焼器の燃焼制御が行われていても、第1の発明の場合と同様に被加熱媒体への実際の加熱量が低下し、目標加熱能力との偏差が増大することになる。そして、この加熱能力偏差が加熱能力偏差判定値よりも大であれば、この特定の熱交換回路4a側に吸熱異常が生じていると判別することが可能になる。一方、上記加熱能力偏差が加熱能力偏差判定値よりも小の場合には、通常運転時の許容範囲であり、被熱媒体への加熱がほぼ正常に行われて吸熱異常は生じていないものと判別することができる。この場合には、燃焼排気に上記の特定成分偏差判定値を超える特定成分偏差が生じている原因は上記の特定の熱交換回路4a以外の他の熱交換回路4bの側であると判別することが可能になる。従って、単一の送風機により送風を行うのではなくて二以上の熱交換回路に対し個別の送風機が設けられた複合燃焼機器であっても、上記の燃焼排気中の特定成分偏差及び加熱能力偏差の如何によって二以上の熱交換回路のいずれで吸熱異常が生じているかの判定を的確に行うことが可能になる。また、この第2の発明の場合、排気成分検出手段を二以上の熱交換回路からの燃焼排気が集合している部位の1箇所だけに配設し、その集合された燃焼排気を対象として特定成分の検出を行うだけで吸熱異常の生じている部位の判別が可能になる。このため、排気成分検出手段として比較的高価なCOセンサを用いる場合であっても、不要なコスト増を招くことなく異常判定装置を構成することが可能になる。
【0023】
以上の第1もしくは第2の各発明において、吸熱異常であると判定されたときその判定結果をユーザー等に聴覚情報もしくは視覚情報により報知する報知手段10(図1もしくは図2参照)を設けるようにしてもよい。この場合、報知手段10による聴覚情報としては熱交換回路毎に異なる音色の警報ブザーの吹鳴、合成音声もしくは録音音声による異常部位の報知等を採用すればよく、視覚情報としては警告ランプ(例えばLED)等の光の点灯もしくは点滅、または、ディスプレイへの文字・警告マーク・異常部位の図形等の表示等を採用すればよい。これらの報知手段10は複合燃焼機器の運転をユーザーが指示設定するリモートコントローラがあれば、これに組み込むようにすればよい。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明したように、第1もしくは第2の発明の複合燃焼機器の異常判定装置によれば、適切なタイミングでかつ異常部位に応じて的確なメンテナンスを行うことができるようになる。この際、判定結果を報知手段により報知させることにより、ユーザー等により確実に異常の発生及び異常部位がどこかを報知することができ、上記のメンテナンスをより一層的確に行うことができることになる。
【0025】
また、このような基本効果に加え、第1の発明の場合には、二以上の熱交換回路に対し単一の送風機により送風を行うように構成された複合燃焼機器であっても、送風量偏差及び加熱能力偏差の如何によって二以上の熱交換回路のいずれで吸熱異常が生じているかの判定を的確に行うことができるようになる。しかも、一の熱交換回路の作動制御において用いられている制御量をそのまま判定のために利用することができ、新たな構成の追加を最小限に抑えて異常判定を容易に行うことができる。
【0026】
また、上記の基本効果に加え、第2の発明の場合には、単一の送風機により送風を行うのではなくて二以上の熱交換回路に対し個別の送風機が設けられた複合燃焼機器であっても、上記の燃焼排気中の特定成分偏差及び加熱能力偏差の如何によって二以上の熱交換回路のいずれで吸熱異常が生じているかの判定を的確に行うことができるようになる。しかも、排気成分検出手段を燃焼排気が集合している部位の1箇所に配設するだけで、吸熱異常の生じている部位の判別を確実に行うことができる。このため、排気成分検出手段として比較的高価なCOセンサを用いる場合であっても、不要なコスト増を招くことなく異常判定装置を簡易に構成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
<第1実施形態>
図3は、本発明の第1実施形態に係る異常判定装置を適用した複合燃焼機器の全体図である。まず、この複合燃焼機器の基本構造及び基本制御について簡単に説明する。
【0029】
本複合燃焼機器は、給湯用熱交換回路100と、風呂の追い焚き用熱交換回路200とが複合されてなり、水もしくは湯水を被加熱媒体とするものである。
【0030】
上記給湯用熱交換回路100は、一般家庭用水道管に接続された給水管路21から給湯側熱交換器22に導入される水を燃焼器としての給湯側燃焼バーナ23の燃焼熱により加熱し、加熱後の湯水を出湯管路24を通して下流端の給湯栓25まで出湯させるようになっている。上記給水管路21と出湯管路24とには上記給湯側熱交換器22をバイパスするバイパス管路26がそれぞれ連通され、このバイパス管路26に介装された水量調整弁27の開度制御により上記熱交換器22からの湯水に水を流入させて給湯栓25から出る湯水の温度調整が行われるようになっている。
【0031】
上記バイパス管路26の分岐位置よりも熱交換器22側(下流側)の給水管路21には、上記熱交換器22に流入する流量を検出する入水量センサ28と、その流入する水の温度を検出する入水温度センサ29とが配設されている。一方、上記バイパス管路26の合流位置によりも熱交換器22側(上流側)の出湯管路24には熱交換器22から出湯する湯水の温度を検出する出湯温度センサ30が配設されている。また、上記合流位置よりも下流側の出湯管路24には水量調整弁31と、上記給湯栓25もしくは後述の風呂注湯管路41に供給される湯水の温度を検出する給湯温度センサ32とが配設されている。
【0032】
上記追い焚き用熱交換回路200は、戻し管路33から循環用ポンプ34の吸い込み作動により追い焚き用熱交換器35に戻される浴槽36内の湯水を燃焼器としての追い焚き側燃焼バーナ37の燃焼熱によりさらに加熱し、加熱後の湯水を往き管路38を通して再び上記浴槽36内に戻して循環・追い焚きさせるようになっている。上記ポンプ34の吐出側(下流側)の戻し管路33には、水流スイッチ39と、追い焚き側熱交換器35に流入される湯水の温度を検出する風呂湯温度センサ40とが配設されている。
【0033】
上記浴槽36内への注湯は、上記出湯管路24の下流側から分岐して上記ポンプ34の吸い込み側に連通する風呂注湯管路41を通して上記給湯用熱交換回路100からの湯水が供給されるようになっている。この風呂注湯管路41には、上記出湯管路24との分岐位置から戻し管路33との合流位置にかけて、浴槽36に注湯される湯水の流量を検出する注湯量センサ42と、開閉制御により注湯させる注湯用電磁弁43と、浴槽36側湯水の給湯側への混入を防止する直列二段配置の逆止弁44,45とが順に配設されている。
【0034】
なお、上記の各温度センサ29,30,32,40は例えばサーミスタにより構成すればよく、また、上記の入水量センサ28もしくは注湯量センサ42は例えば管路内の水もしくは湯水の流れにより回転する羽根車の回転数検出により流量を検出するように構成すればよい。
【0035】
上記給湯側及び追い焚き側の両熱交換器22,35にはそれぞれ吸熱フィン221,351が設けられ、給湯側熱交換器22は給湯側ケーシング51内の燃焼室52上部に、追い焚き側熱交換器35は追い焚き側ケーシング53内の燃焼室54上部にそれぞれ配設されている。給湯側燃焼バーナ23は上記給湯側燃焼室52下部に、追い焚き側燃焼バーナ37は追い焚き側燃焼室54下部にそれぞれ配設されている。
【0036】
給湯側及び追い焚き側の両燃焼バーナ23,37にはLPG(液化天然ガス)を燃料とする燃料供給管55が接続され、この燃料供給管55にはLPG源側から順に元栓としての燃料用電磁弁56と、供給量を調整する燃料用電磁比例弁57とが配設されている。加えて、この燃料供給管55の下流端側には、追い焚き側燃焼バーナ37への燃料供給を開閉する電磁弁58、及び、給湯側燃焼バーナ23への燃料供給を開閉する複数(図例では3つ)の電磁弁59,60,61が設けられている。これら3つの電磁弁59,60,61の選択的な開閉制御により給湯側燃焼バーナ23の燃焼熱による加熱能力が段階的に切換えられるようになっている。なお、図3中62は点火用トランス、63,64はそれぞれ燃焼バーナ点火用の点火プラグ、65,66は着火確認用のフレームロッドである。
【0037】
上記給湯側及び追い焚き側の両ケーシング51,53は互いの下端側が下部ケーシング67に連通して密閉され、この下部ケーシング67の下端部には単一の送風機としての送風ファン68からの送風筒69が連通されている。この送風ファン68は、電動のファンモータ70の回転作動により外気を上記送風筒69及び下部ケーシング67を通して給湯側及び追い焚き側の両燃焼バーナ23,37の双方に燃焼用空気として供給するようになっている。また、送風ファン68には、その回転数を検出する回転数センサ71が配設されている一方、上記ファンモータ70の回転駆動に要する駆動電流値を検出する図示省略の駆動電流検出回路が設けられている。
【0038】
なお、上記給湯側及び追い焚き側の両ケーシング51,53は、その両上端側が集合され、集合された集合筒72を通して燃焼排気が排出されるようになっている。
【0039】
以上の基本構造を有する複合燃焼機器は、MPU及びメモリー等により構成されたコントローラ300によって、給湯、注湯及び追い焚きの各種運転作動が上記の各種センサからの出力等に基づいて制御されるようになっている。上記コントローラ300は図4に示すように給湯制御手段81と、追い焚き制御手段82とを備え、これらの各制御手段81,82によって上記各種作動制御が行われる。以下、これらの運転作動についての基本的な作動制御を説明する。なお、上記各制御手段81,82はメモリー等に書き込まれた所定の制御プログラムに従って各種電磁弁等に作動指令を発するようになっている。
【0040】
給湯用熱交換回路100の給湯作動制御は、ユーザーによりリモートコントローラ(以下、「リモコン」という)80の給湯スイッチがON操作されかつ給湯栓25が開かれて入水量センサ28が予め定められた最低作動水量以上の流量を検出することにより開始される。まず、ユーザーがリモコン80に設定した所望の給湯温度を実現するのに必要な出湯号数(目標号数)を演算する。そして、演算された目標号数を実現させる目標燃料供給量及びこの目標燃料供給量に対し所定の空燃比となる目標送風量(目標風量)についての各FF制御量を演算し、この各FF制御量に基づいて燃料供給管55の各種電磁弁56,57,59〜61及び送風ファン68のファンモータ70の回転数をそれぞれFF制御する。次に、給湯側燃焼バーナ23の燃焼後に実際の出湯号数(実号数)を入水量センサ28、入水温度センサ29及び出湯温度センサ30からの各検出値に基づいて演算し、上記目標号数と実号数との号数差(FB制御量)をゼロにするように目標燃料供給量をFB制御により順次補正する。併せて、実際の送風量(実風量)を上記回転数センサ71からの検出回転数と駆動電流検出回路からの検出駆動電流値とから演算し、上記目標風量と実風量との風量差(FB制御量)をゼロにするように目標風量をFB制御により順次補正する。
【0041】
一方、追い焚き用熱交換回路200の追い焚き作動制御は、ユーザーによりリモコン80の追い焚きスイッチがON操作されると開始される。この場合、ユーザーがリモコン80に設定する沸き上がり温度に応じて複数段階の燃焼量、すなわち燃料供給量及び送風量の組み合わせが予め設定されており、上記ユーザー設定の沸き上がり温度に対応する所定段階の燃焼量となるように電磁比例弁57及び電磁弁58とファンモータ70とが切換制御される。そして、風呂湯温度センサ40からの検出湯温が上記沸き上がり温度に到達すると燃焼バーナ37による燃焼が停止される。つまり、追い焚き用熱交換回路200は予め設定された固定値に基づく作動制御が行われ、給湯用熱交換回路100の如き目標出湯能力に基づく精密な作動制御は行われていない。
【0042】
なお、上記給湯用熱交換回路100及び追い焚き用熱交換回路200が同時運転される場合には、燃料供給量は個別に制御される一方、送風量は給湯側燃焼バーナ23に対する送風量と追い焚き側燃焼バーナ37に対する送風量との合計値により制御されることになる。
【0043】
そして、以上の基本構造及び基本制御を前提として、さらに以下の燃焼異常判定のための異常判定制御が行われるようになっている。すなわち、上記コントローラ300は異常判定手段83を備え、この異常判定手段83はフィン詰まりに起因する燃焼異常を判別検出してそのフィン詰まりが給湯側もしくは追い焚き側のいずれの熱交換器22,35に生じているかを報知手段86を介して報知するようになっている。
【0044】
上記異常判定手段83は異常判定のためのパラメータを演算する演算部84と、そのパラメータに基づき異常判定を行う判定部85とを備え、その判定結果に基づき上記報知手段86に作動信号(指令)を出力するようになっている。
【0045】
上記報知手段86は異常判定手段83からの指令に基づきリモコン80に配設された警告ブザーの吹鳴、LEDの点滅及びディスプレイ801(図3参照)への文字情報の表示を行うように構成されている。この場合、警告ブザーは例えばフィン詰まりが生じていることを警告する1種類の吹鳴音にする一方、LEDはそのフィン詰まりが給湯側であるか追い焚き側であるかを示すように色違いの2種類にし、上記文字情報はフィン詰まりの発生とその発生部位を表示するようにすればよい。
【0046】
なお、上記異常判定手段83は、給湯制御手段81等の基本制御プログラムに対しサブルーチンとして組み込まれている。
【0047】
以下、図5に示すフローチャートに基づいて上記異常判定手段83による制御を具体的に説明する。
【0048】
まず、ステップSA1で給湯側熱交換回路100が燃焼作動制御中であるか否かを判別し、燃焼作動制御中であるときにのみ以後のステップに進む。給湯側が燃焼作動制御中であるときには、ステップSA2で目標風量Atから実風量Adを減じて風量差(送風量偏差)Afを演算し、ステップSA3でその風量差Afが送風量偏差判定値An以上であるか否かの判別を行う。AfがAn以上であるときにのみ次のステップSA4に進み、ステップSA4で目標号数Btから実号数Bdを減じて号数差(加熱能力偏差)Bfを演算し、ステップSA5でその号数差Bfが加熱能力偏差判定値Bn以上であるか否かの判別を行う。このステップSA5において、号数差BfがBn以上であるときには給湯側熱交換器22の吸熱フィン221にフィン詰まりが生じていると判定し(ステップSA6)、報知手段86に給湯側のフィン詰まりを報知させる指令信号を出力する(ステップSA7)。逆に、上記ステップSA5において、号数差BfがBn未満であるときには追い焚き側熱交換器35の吸熱フィン351にフィン詰まりが生じていると判定し(ステップSA8)、報知手段86に追い焚き側(風呂側)のフィン詰まりを報知させる指令信号を出力する(ステップSA9)。
【0049】
以上のフローチャートにおいて、ステップSA2及びSA4が演算部84を構成し、ステップSA3及びSA5が判定部85を構成する。但し、上記のステップSA2における風量差Af及びステップSA4における号数差Bfは、共に給湯制御手段81による給湯側熱交換回路100の基本作動制御においてFB制御量として演算されているため、上記各値Af,Bfは上記給湯制御手段81からその都度取り込むようにして、異常判定手段83での演算は省略してもよい。
【0050】
また、この異常判定手段83においては、入水量センサ28と、入水温度センサ29と、出湯温度センサ30とによって加熱能力検出手段としての出湯能力検出手段87が構成され、ファンモータ70の回転数センサ71と、そのファンモータ70に対する駆動電流検出回路73とによって送風量検出手段88が構成されている。
【0051】
ここで、本実施形態における送風量検出手段88について説明を加えると、送風ファン68による送風量はファンモータ70の回転数に本来比例している。このため、送風量の制御は上記回転数を制御することにより行われる。ある回転数Noで作動させるには通常状態ではファンモータ70に対しある基準の駆動電流Ioを与えればよい。このときのIoが基準値であり、値理論的には
Io=α・No2 (但しαは定数)
により予め与えられる。ところが、吸熱フィン221,351に詰まりが生じて流路抵抗が増大すると、回転数も、その回転駆動を維持させるために要する駆動電流値も変動する。そこで、実際の検出回転数Ndと、実際の検出駆動電流値Idとを検出し次式に基づいて実際の送風量Adを推定・検出することにしている。
【0052】
Ad=(Id−Io)/exp(Nd)
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態に係る異常判定装置を適用した複合燃焼機器の全体図である。
【0053】
本複合燃焼機器も、第1実施形態の場合と同様に給湯用熱交換回路101と、風呂の追い焚き用熱交換回路201とが複合され、水もしくは湯水を被加熱媒体とするものである。しかし、第1実施形態のものが単一の送風ファン68(図3参照)を給湯用及び追い焚き用の両熱交換回路100,200で共用しているのに対し、第2実施形態のものは給湯用及び追い焚き用の両熱交換回路101,201がそれぞれ個別に送風機としての送風ファン74,77を備えており、この点で第2実施形態の複合燃焼機器は第1実施形態のものと基本構造において異なる。
【0054】
まず、本複合燃焼機器の基本構造及び基本作動制御について説明するが、主として第1実施形態のものと異なる点について説明し、第1実施形態のものと同一の構成要素については第1実施形態の場合と同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0055】
給湯用熱交換回路101の熱交換器22は独立した給湯側ケーシング47内の燃焼室48の上部に配設され、この燃焼室48の下部に燃焼器としての燃焼バーナ23が配設されている。そして、上記給湯側ケーシング47の下端部には送風機としての給湯側送風ファン74の送風筒74aが連通しファンモータ75の回転駆動による送風が上記燃焼室48に対し燃焼用空気として供給されるようになっている。
【0056】
追い焚き用熱交換回路201の熱交換器35も独立した追い焚き側ケーシング49内の燃焼室50の上部に配設され、この燃焼室50の下部に燃焼器としての燃焼バーナ37が配設されている。そして、上記追い焚き側ケーシング49の下端部には送風機としての追い焚き側送風ファン77の送風筒77aが連通しファンモータ78の回転駆動による送風が上記燃焼室50に対し燃焼用空気として供給されるようになっている。
【0057】
上記の給湯側のファンモータ75にはその回転数を検出する回転数センサ76が設けられ、追い焚き側ファンモータ77にも同様の回転数センサ79が設けられている。
【0058】
また、上記給湯側及び追い焚き側の2つのケーシング47,49の上端部が共に集合されて集合排気筒72とされ、この集合排気筒72には給湯側及び追い焚き側の双方から集合された燃焼排気中の特定成分としてのCOの濃度を検出する排気成分検出手段としてのCOセンサ80が配設されている。
【0059】
なお、図6中58aは追い焚き側の燃焼能力を切換えるための電磁弁、58bは圧力調速用のガバナーである。また、本複合燃焼機器における注湯管路46の下流端は戻し管路33に対し循環ポンプ34の吐出側、すなわち、熱交換器35側の位置に合流されており、注湯用の電磁弁43、注湯量センサ42及び2段の逆止弁44,45からなる落とし弁機構により自動注湯が行われるようになっている。
【0060】
以上の基本構造を有する複合燃焼機器はMPU及びメモリー等により構成されたコントローラ301によって、給湯、注湯及び追い焚きの各種運転作動が上記の各種センサからの出力等に基づいて制御されるようになっている。上記コントローラ301は図7に示すように給湯制御手段91と、追い焚き制御手段92とを備え、これら各制御手段91,92はメモリー等に書き込まれた所定の制御プログラムに従って各種電磁弁等に作動指令を発することにより、上記の各種運転作動の作動制御が行われるように構成されている。
【0061】
給湯制御手段91による給湯用熱交換回路101の給湯作動制御は、制御対象の一つである送風ファンが第1実施形態の場合の送風ファン68(図3参照)が本第2実施形態では給湯側で独立の送風ファン74に置き換わるという違いを有するだけで、他は第1実施形態の場合と同一の制御が行われる。概説すると、まず、リモコン80に設定された給湯温度を実現するのに必要な出湯号数(目標号数)を演算する。そして、演算された目標号数を実現させる目標燃料供給量及びこの目標燃料供給量に対し所定の空燃比となる目標送風量についての各FF制御量を演算し、この各FF制御量に基づいて燃料供給管55の各種電磁比例弁57,59〜61及び送風ファン74のファンモータ75の回転数をそれぞれFF制御する。次に、給湯側燃焼バーナ23の燃焼後に実際の出湯号数(実号数)を入水量センサ28、入水温度センサ29及び出湯温度センサ30からの各検出値に基づいて演算し、上記目標号数と実号数との号数差(FB制御量)をゼロにするように目標燃料供給量をFB制御により順次補正する。併せて、実際の送風量を上記回転数センサ76からの検出回転数と駆動電流検出回路73からの検出駆動電流値とから演算し、上記目標送風量と実際の送風量との風量差(FB制御量)をゼロにするように目標送風量をFB制御により順次補正する。
【0062】
一方、追い焚き制御手段92による追い焚き用熱交換回路201の追い焚き作動制御は、リモコン80の追い焚きスイッチがON操作されると開始され、リモコン80に設定された沸き上がり温度に対応する燃焼段階の燃焼量となるように段階的切換え制御が行われる。すなわち燃料供給量及び送風量の組み合わせが複数段階の燃焼量に応じて予め設定されており、その所定段階の燃焼量となるように各種電磁弁56,58,58a及びファンモータ78とが切換制御されるようになっている。
【0063】
この複合燃焼機器も、第1実施形態のものと比べ給湯側と追い焚き側との両送風ファン74,77が互いに独立して制御される点で相違はあるが、追い焚き用熱交換回路201は第1実施形態と同様に予め設定された固定値に基づく段階的な作動制御が行われ、給湯用熱交換回路101の如き目標出湯能力に基づく精密な作動制御は行われていない。
【0064】
そして、上記給湯用熱交換回路101及び追い焚き用熱交換回路201が同時運転される場合には、上記の給湯制御手段91と追い焚き制御手段92とによる両作動制御が互いに独立して同時に実行される。
【0065】
以上の基本構造及び基本制御を前提として行われる燃焼異常判定のための異常判定制御は上記コントローラ301の異常判定手段93により行われる。この異常判定手段93は、第1実施形態と異なり燃焼排気に含まれるCO量の増大度合と、出湯能力の目標値と検出値との偏差の度合とに基づいてフィン詰まりに起因する燃焼異常の発生の判別及びそのフィン詰まりが給湯側もしくは追い焚き側のいずれの熱交換器22,35に生じているかの判別を行うようになっている。
【0066】
上記異常判定手段93は異常判定のためのパラメータを演算する演算部94と、そのパラメータに基づき異常判定を行う判定部95とを備え、その判定結果に基づき上記報知手段86に作動信号(指令)を出力するようになっている。
【0067】
なお、上記異常判定手段93は、第1実施形態と同様に給湯制御手段81等の基本制御プログラムに対しサブルーチンとして組み込まれている。
【0068】
以下、図8に示すフローチャートに基づいて上記異常判定手段93による制御を具体的に説明する。
【0069】
まず、ステップSB1で給湯側及び追い焚き用の両熱交換回路101,201が共に燃焼作動中であるか否かを判別し、同時燃焼作動中であるときにのみ次のステップに進む。同時燃焼作動中であるときには、ステップSB2でCOセンサ80からのCO濃度(CO出力値)CdがCO判定値(特定成分量判定値)Cn以上か否かの判別を行う。CdがCn以上であるときにのみ次のステップSB3に進み、ステップSB3で目標号数Btから実号数Bdを減じて号数差(加熱能力偏差)Bfを演算し、ステップSB4でその号数差Bfが加熱能力偏差判定値Bn以上であるか否かの判別を行う。このステップSB4において、号数差BfがBn以上であるときには給湯側熱交換器22の吸熱フィン221にフィン詰まりが生じていると判定し(ステップSB5)、報知手段86に給湯側のフィン詰まりを報知させる指令信号を出力する(ステップSB6)。逆に、上記ステップSB4において、号数差BfがBn未満であるときには追い焚き側熱交換器35の吸熱フィン351にフィン詰まりが生じていると判定し(ステップSB7)、報知手段86に追い焚き側(風呂側)のフィン詰まりを報知させる指令信号を出力する(ステップSB8)。
【0070】
以上のフローチャートにおいて、ステップSB3が演算部94を構成し、ステップSB2及びSB4が判定部95を構成する。但し、上記のステップSB3における号数差Bfは給湯制御手段91による給湯側熱交換回路101の基本作動制御においてFB制御量として演算されているため、上記各値Bfは上記給湯制御手段91からその都度取り込むようにして、異常判定手段93での演算は省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明を示すブロック概念図である。
【図2】第2の発明を示すブロック概念図である。
【図3】第1実施形態を適用した複合燃焼機器の全体説明図である。
【図4】図3のコントローラ等を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態の異常判定手段による制御を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態を適用した複合燃焼機器の全体説明図である。
【図7】図6のコントローラ等を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態の異常判定手段による制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 送風機
2a,2b 燃焼器
3a,3b 熱交換器
4a 一の熱交換回路
4b 他の熱交換回路
5,88 送風量検出手段
6,87 加熱能力検出手段
7,83,93 異常判定手段
8 排気成分検出手段
10,86 報知手段
22,35 熱交換器
23,37 燃焼バーナ(燃焼器)
25 給湯栓(加熱後の非加熱媒体の供給先)
36 浴槽(加熱後の被加熱媒体の供給先)
68,74,77 送風ファン(送風機)
72 集合排気筒(燃焼排気が集合して排出される部位)
80 COセンサ(排気成分検出手段)
81 給湯制御手段(一の熱交換回路の制御手段)
100,101 給湯用熱交換回路(一の熱交換回路)
200,201 追い焚き用熱交換回路(他の熱交換回路)
221,351 吸熱フィン
Claims (5)
- 送風機と、この送風機から燃焼用空気の供給を受けて燃料を燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼熱を吸熱する二以上の熱交換器とを有し各熱交換器に導入される被加熱媒体を上記燃焼器の燃焼作動により加熱し昇温後の被加熱媒体を各別の供給先に導出させる二以上の熱交換回路を備え、少なくとも一の熱交換回路が燃焼用空気の送風量と加熱能力とについての各目標値に基づき作動制御されるように構成された複合燃焼機器の異常判定装置であって、
上記送風機の燃焼器に対する送風量を検出する送風量検出手段と、
上記一の熱交換回路における被加熱媒体への実際の加熱能力を検出する加熱能力検出手段と、
上記送風量の目標値から上記送風量検出手段による検出値を減じた送風量偏差及び上記加熱能力の目標値から上記加熱能力検出手段による検出値を減じた加熱能力偏差に基づいていずれの熱交換回路が吸熱異常であるかを判定する異常判定手段と
を備え、
上記異常判定手段は、
上記送風量偏差が予め設定された送風量偏差判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が予め設定された加熱能力偏差判定値よりも大であるとき上記一の熱交換回路が吸熱異常であると判定する一方、
上記送風量偏差が上記送風量偏差判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が上記加熱能力偏差判定値よりも小であるとき上記一の熱交換回路以外の他の熱交換回路が吸熱異常であると判定する
ように構成されている
ことを特徴とする複合燃焼機器の異常判定装置。 - 送風機と、この送風機から燃焼用空気の供給を受けて燃料を燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼熱を吸熱する二以上の熱交換器とを有し各熱交換器に導入される被加熱媒体を上記燃焼器の燃焼作動により加熱し昇温後の被加熱媒体を各別の供給先に導出させる二以上の熱交換回路を備え、少なくとも一の熱交換回路が燃焼用空気の送風量と加熱能力とについての各目標値に基づき作動制御されるように構成された複合燃焼機器の異常判定装置であって、
上記一の熱交換回路における被加熱媒体への実際の加熱能力を検出する加熱能力検出手段と、
上記二以上の熱交換回路からの燃焼排気が集合して排気される部位に配設され燃焼器の燃焼異常により変動する燃焼排気中の特定成分の含有量を検出する排気成分検出手段と、
上記二以上の熱交換回路が同時作動状態にあるとき、上記加熱能力の目標値から上記加熱能力検出手段による検出値を減じた加熱能力偏差及び上記排気成分検出手段による検出含有量に基づいていずれの熱交換回路が吸熱異常であるかを判定する異常判定手段と
を備え、
上記異常判定手段は、
上記特定成分の検出含有量が予め設定された特定成分量判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が予め設定された加熱能力偏差判定値よりも大であるとき上記一の熱交換回路が吸熱異常であると判定する一方、
上記特定成分の検出含有量が上記特定成分量判定値よりも大でかつ上記加熱能力偏差が上記加熱能力偏差判定値よりも小であるとき上記一の熱交換回路以外の他の熱交換回路が吸熱異常であると判定する
ように構成されている
ことを特徴とする複合燃焼機器の異常判定装置。 - 請求項1または請求項2において、
吸熱異常であることを報知する報知手段を有し、
上記報知手段は、異常判定手段によりいずれかの熱交換回路が吸熱以上であると判定されたとき、その判定結果を聴覚情報及び視覚情報の内の一種もしくは二種以上の情報により報知するように構成されている
ことを特徴とする複合燃焼機器の異常判定装置。 - 請求項1または請求項2において、
各熱交換器は吸熱フィンを有し、
異常判定手段による吸熱異常の判定は上記吸熱フィンのフィン詰まりを判定するものである
ことを特徴とする複合燃焼機器の異常判定装置。 - 請求項2において、
排気成分検出手段により検出する特定成分は燃焼排気中に含まれる一酸化炭素である
ことを特徴とする複合燃焼機器の異常判定装置。
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