JP3592076B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、ワープロ、ホストコンピュータなどの出力用端末としてのプリンタ、ビデオプリンタなどに用いられる液体吐出ヘッドの製造方法に関する。特に、本発明は、液体を吐出させるために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換素子が形成された素子基板を有する液体吐出ヘッドの製造方法に関する。即ち、インクなどの記録用の液体を飛翔液滴として吐出口(オリフィス)から吐出させて、その液体を記録媒体に付着させることによって記録を行うために用いられる液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液体吐出ヘッドのオリフィスから記録液としてのインクを吐出することによって記録を行なう液体吐出記録装置としてのインクジェット記録装置が、低騒音、高速記録などの点で優れた記録装置として知られている。このインクジェット記録装置におけるインクジェット記録方法について、これまでにもさまざまな方式が提案されており、改良が加えられて商品化されたものもあれば、現在、実用化への研究が続けられているものもある。
【0003】
インクジェット記録装置に用いられる液体吐出ヘッドとしては、例えば、図10および図11に示されるものがある。図10が、従来の技術による液体吐出ヘッドを示す断面図であり、図11が、図10に示した液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
【0004】
従来の液体吐出ヘッドでは、図10および図11に示されるように、インクを吐出するための複数の吐出口(オリフィス)441を有するオリフィスプレート440と、それぞれの吐出口441に連通した液流路401を複数形成するための天板400と、液流路401の一部を構成し、かつ、吐出口441からインクを吐出させるための熱エネルギーを発生する電気熱変換体101(ヒーター)を複数有する素子基板100とから構成されている。従って、複数の電気熱変換体101および液流路401を有するヘッド基体が素子基板100と天板400とから構成されており、そのヘッド基体にオリフィスプレート440が接合されている。
【0005】
オリフィスプレート440には、インクを吐出させるための微細の吐出口441が形成されており、この吐出口441が、液体吐出ヘッドの吐出性能を左右する重要な構成要素となっている。そして、吐出口441から吐出されるインク滴の吐出方向を安定させるためには、オリフィスプレート440の、吐出口441の周りの部分が撥インク性を有していることが望ましいということが知られている。従って、従来から、オリフィスプレートの表面に撥インク層を設けることにより、吐出口の周囲に撥インク性を付与していた。しかしながら、オリフィスプレートの、撥インク層が設けられた面は、回復処理のためのワイピングによって擦られるため、撥インク層が摩耗し長期的に良好な撥インク性を維持しがたいものであった。この撥インク層の摩耗の問題点に着目し、撥インク性を有する材料でオリフィスプレートを形成することも提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オリフィスプレートの材料として撥インク性を有するものを用いた場合、一般的に撥インク性の高い材料ほど、その撥インク性によって、オリフィスプレートとヘッド基体との接合力が低くなるという問題点がある。このため、オリフィスプレートの良好な撥インク性を維持しつつ、オリフィスプレートをヘッド基体に強固に接合した、信頼性の高い液体吐出ヘッドは実現されていなかった。
【0007】
本発明の目的は、撥インク性を有するオリフィスプレートと、ヘッド基体との接合力が確保され、また、オリフィスプレートが長期にわたって良好な撥インク性を維持することができる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出させるためのエネルギー発生素子が配置される液流路を備えたヘッド基体に、前記液流路と連通する吐出口を備えるとともにフッ素樹脂を材料とするオリフィスプレートを接合する工程を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記ヘッド基体の、前記オリフィスプレートとの接合面にフッ素樹脂を転写または塗布する工程と、
前記ヘッド基体の、前記フッ素樹脂が転写または塗布された接合面および、前記オリフィスプレートの、前記ヘッド基体との接合面をグラフト重合化させる工程と、
前記ヘッド基体の、前記フッ素樹脂が転写または塗布された接合面および、前記オリフィスプレートの、前記ヘッド基体との接合面を加熱して、前記ヘッド基体および前記オリフィスプレートの接合面同士を圧着により接合する工程と、
を有することを特徴とする。
【0021】
上記の発明では、ヘッド基体のオリフィスプレートとの接合面にフッ素樹脂を転写または塗布し、ヘッド基体およびオリフィスプレートの両者の接合面をグラフト重合化し、その後、両接合面を加熱し、両接合面同士を圧着することによってオリフィスプレートを接合することにより、オリフィスプレートの材料としてフッ素樹脂を用いた場合でも、撥インク性を有するオリフィスプレートと、ヘッド基体とを確実に接合することができる。また、ヘッド基体の、オリフィスプレートとの接合面における液流路の周囲の部分をオリフィスプレートに確実に接合することができる。従って、オリフィスプレートが長期にわたって良好な撥インク性を維持できると共に、液体吐出ヘッドの駆動時に吐出エネルギー発生素子からの熱による液体吐出ヘッドの各構成部品の熱膨張がもたらす影響が低減された、吐出特性が安定した液体吐出ヘッドを製造することができる。
【0022】
上記の液体吐出ヘッドの製造方法において、オリフィスプレートの材料としてフッ素樹脂を用いる。オリフィスプレートの材料としてフッ素樹脂を用いることにより、上述したようにオリフィスプレートが撥インク性を有し、オリフィスプレートの吐出口から吐出されるインクの吐出方向が安定すると共に、オリフィスプレートが長期にわたって良好な撥インク性を維持できる液体吐出ヘッドを製造することができる。
【0024】
さらに、ヘッド基体の、オリフィスプレートとの接合面に凹部を形成し、かつ、ヘッド基体にオリフィスプレートを接合した状態で前記凹部に嵌合する凸部をオリフィスプレートに形成し、ヘッド基体にオリフィスプレートを接合する際に前記凹部に前記凸部を嵌合させることでヘッド基体とオリフィスプレートとの位置合わせを行うことが好ましい。ここで、ヘッド基体に自着によってオリフィスプレートを接合する工程の前に、オリフィスプレートの前記凸部および吐出口を、高輝度X線を用いたエッチングプロセスによって形成することが好ましい。
【0025】
上記のように、ヘッド基体にオリフィスプレートを接合する際に、ヘッド基体に形成された凹部にオリフィスプレートの凸部を嵌合させて、ヘッド基体とオリフィスプレートとの位置合わせを行うことにより、位置合わせのために画像処理などの複雑な装置を用いることなく、容易な装置で位置合わせを行うことができる。また、ヘッド基体にオリフィスプレートを接合する前に、オリフィスプレートの凸部および吐出口を、高輝度X線を用いたエッチングプロセスによって形成することにより、そのエッチングプロセスに使用されるマスクは、フォトリソグラフィプロセスを用いて作製されるため、その凸部および吐出口を高精度で高密度に形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態の液体吐出ヘッドの基本的な構造を説明するための、液流路方向に沿った断面図である。本実施形態の液体吐出ヘッドは、図1に示すように、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与える吐出エネルギー発生素子としての、複数個(図1では、1つのみ示す)の発熱体2が並列に設けられた素子基板1と、この素子基板1上に接合された天板3と、素子基板1および天板3の前端面に接合されたオリフィスプレート4とを有する。
【0028】
素子基板1は、後述するように、シリコンなどの基板上に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または窒化シリコン膜を成膜し、その上に、発熱体2を構成する電気抵抗層および配線をパターニングしたものである。この配線から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵抗層に電流を流すことで発熱体2が発熱する。そして、この配線と電極抵抗層の上には、それらをインクから保護する保護膜が形成されており、さらにその保護膜の上にはインク消泡によるキャビテーションから保護する耐キャビテーション膜が形成されている。
【0029】
天板3は、各発熱体2に対応した複数の液流路7および、各液流路7に液体を供給するための共通液室8を構成するためのもので、天井部分から各発熱体2の間に延びる流路側壁9が一体的に設けられている。天板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および共通液室9のパターンをエッチングで形成したり、シリコン基板上にCVDなどの公知の成膜方法により窒化シリコン、酸化シリコンなど、流路側壁9となる材料を堆積した後、液流路7の部分をエッチングして形成することができる。
【0030】
オリフィスプレート4には、各液流路7に対応し、それぞれの液流路7を介して共通液室8に連通する複数の吐出口5が形成されている。オリフィスプレート4の材料としてはフッ素樹脂が用いられている。オリフィスプレート4の材質としてフッ素樹脂を用いることによってオリフィスプレート4は撥インク性を有することになり、その撥インク性によって、吐出口5から吐出されるインクの吐出方向が安定する。
【0031】
素子基板1と天板3とを接合することにより複数の発熱体2および液流路7を備えたヘッド基体が構成されていて、そのヘッド基体の前端面にオリフィスプレート4が、後述するように自着によって接合されている。
【0032】
さらに、この液体吐出ヘッドには、液流路7を吐出口5に連通した第1の液流路7aと、発熱体2を有する第2の液流路7bとに分けるように、発熱体2に対面して配置された片持梁状の可動部材6が設けられている。可動部材6は、窒化シリコンや酸化シリコンなどのシリコン系の材料で形成された薄膜である。
【0033】
この可動部材6は、液体の吐出動作によって共通液室8から可動部材6を経て吐出口5側へ流れる大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6aに対して下流側に自由端6bを持つように、発熱体2に面した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から所定の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可動部材6との間が気泡発生領域10となる。
【0034】
上記構成に基づき、発熱体2を発熱させると、可動部材6と発熱体2との間の気泡発生領域10の液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現象に基づく気泡が発生して成長する。この気泡の成長に伴う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は図1に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口5側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位もしくは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力の伝播や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口5から液体が吐出する。
【0035】
つまり、気泡発生領域10上に、液流路7内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6aを持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部材6を設けることによって、気泡の圧力伝播方向が下流側へ導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与することになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝播方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大きく成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部材によって制御し、気泡の圧力伝播方向を制御することで、吐出効率や吐出力または吐出速度などの根本的な吐出特性を向上させることができる。
【0036】
一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部材6も最終的には図1に実線で示した初期位置に復帰する。このとき、気泡発生領域10での気泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体積分を補うために、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、液流路7への液体の充填(リフィル)が行われるが、この液体のリフィルは、可動部材6の復帰作用に伴って効率よく合理的かつ安定して行われる。
【0037】
図2は、図1に示した素子基板1の断面図である。素子基板1では、図2に示すように、シリコン基板11の表面に、蓄熱層としての熱酸化膜12および、蓄熱層を兼ねる層間膜13がこの順番で積層されている。蓄熱層12としては、SiO膜またはSi膜が用いられている。層間膜13の表面に部分的に抵抗層14が形成され、抵抗層14の表面に部分的に配線15が形成されている。配線15としては、Alまたは、Al−Si,Al−CuなどのAl合金配線が用いられている。この配線15、抵抗層14および層間膜13の表面に、SiO膜またはSi膜から成る保護膜16が形成されている。保護膜16の表面の、抵抗層14に対応する部分およびその周囲には、抵抗層14の発熱に伴う化学的および物理的な衝撃から保護膜16を守るための耐キャビテーション膜17が形成されている。抵抗層14表面の、配線15が形成されていない領域は、抵抗層14の熱が作用する部分となる熱作用部18である。
【0038】
この素子基板1上の膜は半導体の製造技術によりシリコン基板11の表面に順に形成され、シリコン基板11上に熱作用部18が備えられている。
【0039】
図3は、図1および図2に示した駆動素子1の主要素子を縦断するように駆動素子1を断面にした時の模式的断面図である。
【0040】
図3に示すように、P導電体であるシリコン基板11の表層にはN型ウェル領域22およびP型ウェル領域23が部分的に備えられている。そして、一般的なMosプロセスを用いてイオンプラテーションなどの不純物導入および拡散によって、N型ウェル領域22にP−Mos38が、P型ウェル領域23にN−Mos39が備えられている。P−Mos38は、N型ウェル領域22の表層に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース領域25およびドレイン領域26や、N型ウェル領域22の、ソース領域25およびドレイン領域26を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜28を介して堆積されたゲート配線35などから構成されている。また、N−Mos39は、P型ウェル領域23の表層に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース領域25およびドレイン領域26や、P型ウェル領域23の、ソース領域25およびドレイン領域26を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜28を介して堆積されたゲート配線35などから構成されている。ゲート配線35は、CVD法により堆積した、厚さ4000Å〜5000Åのポリシリコンから成るものである。これらのP−Mos38およびN−Mos39からC−Mosロジックが構成されている。
【0041】
P型ウェル領域23の、N−Mos39と異なる部分には、電気熱変換素子駆動用のN−Mosトランジスタ30が備えられている。N−Mosトランジスタ30も、不純物導入および拡散などの工程によりP型ウェル領域23の表層に部分的に備えられたソース領域32およびドレイン領域31や、P型ウェル領域23の、ソース領域32およびドレイン領域31を除く部分の表面にゲート絶縁膜28を介して堆積されたゲート配線33などから構成されている。
【0042】
本実施形態では、電気熱変換素子駆動用のトランジスタとしてN−Mosトランジスタ30を用いたが、複数の電気熱変換素子を個別に駆動できる能力を持ち、かつ、上述したような微細な構造を得ることができるトランジスタであれば、このトランジスタに限られない。
【0043】
P−Mos38とN−Mos39との間や、N−Mos39とN−Mosトランジスタ30との間など各素子間には、5000Å〜10000Åの厚さのフィールド酸化により酸化膜分離領域24が形成されており、その酸化膜分離領域24によって、各素子が分離されている。酸化膜分離領域24の、熱作用部18に対応する部分は、シリコン基板11の表面側から見て一層目の蓄熱層34としての役割を果たす。
【0044】
P−Mos38、N−Mos39およびN−Mosトランジスタ30の各素子の表面には、CVD法により形成された厚さ約7000ÅのPSG膜またはBPSG膜などから成る層間絶縁膜36が形成されている。熱処理により層間絶縁膜36を平坦化した後に、層間絶縁膜36およびゲート絶縁膜28を貫通するコンタクトホールを介して第1の配線層となるAl電極37により配線が行われている。層間絶縁膜36およびAl電極37の表面には、厚さ10000Å〜15000ÅのSiO膜から成る層間絶縁膜38がプラズマCVD法により形成されている。層間絶縁膜38の表面の、熱作用部18およびN−Mosトランジスタ30に対応する部分には、厚さ約1000ÅのTaN0.8,hex膜から成る抵抗層14がDCスパッタ法により形成されている。抵抗層14は、層間絶縁膜38に形成されたスルーホールを介してドレイン領域31の近傍のAl電極37と電気的に接続されている。抵抗層14の表面には、各電気熱変換素子への配線となる第2の配線層としての、Alの配線15が形成されている。
【0045】
配線15、抵抗層14および層間絶縁膜38の表面に形成された保護膜16は、プラズマCVD法により形成された厚さ10000ÅのSi膜から成るものである。保護膜16の表面に形成された耐キャビテーション膜17は、厚さ約2500ÅのTaなどの膜から成るものである。
【0046】
図4は、図1に示した液体吐出ヘッドの一部を分解した、液体吐出ヘッドの各構成部品を模式的に示す斜視図である。天板3の素子基板1側の面には、図1に示した流路側壁9を構成し、第1の液流路7aを複数形成するためのSiN膜44が形成されている。天板3の、素子基板1側と反対側の面には、SiO膜43が形成されている。また、素子基板1の表面には、複数の第1の液流路7aのそれぞれに対応する発熱体2が並列に複数個並べられている。一方、オリフィスプレート4には、複数の第1の液流路7aのそれぞれに対応する吐出口5が一列に並べられている。この図では、図1に示した可動部材6、第2の液流路7bなどが省略されている。
【0047】
図5は、図1および図4に示した天板3の製造方法について説明するための図である。図6は、図5に基づいて説明する製造方法の工程を経て作製される天板3の斜視図である。天板3は図5(a)および図5(b)の工程を経て作製される。
【0048】
まず、図5(a)において、シリコンウェハ41の一方の面にSiO膜42を、シリコンウェハ41の他方の面にSiO膜43をそれぞれ、熱酸化により厚さ約1μm形成する。その後、SiO膜42表面の、図1に示した共通液室8に対応する部分を、フォトリソグラフィ法などの公知の方法を用いてパターニングして、その上に、図1に示した流路側壁9となる厚さ約20μmのSiN膜44をマイクロ波プラズマCVD法を用いて形成する。ここで、マイクロ波プラズマCVD法によりSiN膜44を形成する際に使用するガスとしては、モノシラン(SiH)、窒素(N)およびアルゴン(Ar)を用いた。そのガスの組み合わせとしては、上記以外にも、ジシラン(Si)やアンモニア(NH)などとの組み合わせや、混合ガスを用いてもよい。また、周波数が2.45[GHz]のマイクロ波のパワーを1.5[kW]とし、ガス流量としてはモノシランを100[sccm]、窒素を100[sccm]、アルゴンを40[sccm]でそれぞれのガスを供給して、圧力が5[mTorr]の真空下でSiN膜44を形成した。また、ガスのそれ以外の成分比でのマイクロ波プラズマCVD法や、RF電源を使用したCVD法などでSiN膜44を形成してもよい。
【0049】
次に、SiN膜44の、図1に示した第1の液流路7aに対応する部分を除去するために、フォトリソグラフィ法などの公知の方法を用いてSiN膜44をパターニングする。
【0050】
そして、図5(b)に示すように、誘電結合プラズマを使ったエッチング装置を用いてエッチングを行い、SiN膜44の、第1の液流路7aに対応する部分を溝状に除去する。これにより、SiN膜44にトレンチ構造が形成される。その後、シリコンウェハ41の、共通液室8を形成した部分の一部を、TMAH(テキサメチルアンモニウムハイドライド)を使って、エッチングにより除去し、シリコンウェハ41のその部分を貫通させる。これにより、図6に示す天板3が作製される。
【0051】
図7は、図1および図4に示したオリフィスプレート4の製造方法について説明するための図である。オリフィスプレート4は、図7(a)から図7(c)の工程を経て作製される。
【0052】
まず、図7(a)において、厚さ100μmのフッ素樹脂板51を準備する。
【0053】
次に、図7(b)において、フッ素樹脂板51の表面に、あらかじめパターニングされたマスク53を介して高輝度X線としてのシンクロトロン放射光54aを照射し、フッ素樹脂板51の表面に高さ50μmの凸部52を形成する。
【0054】
次に、図7(c)において、吐出口5に対応する部分に開口部を有するマスク55を介して、フッ素樹脂板51の表面にシンクロトロン放射光54bを照射し、テーパー状の吐出口5を形成する。シンクロトロン放射光54aおよび54bは、シンクロトロンに蓄積された電子から光軸に沿って放射されたものである。ここでは、吐出口5の断面形状をテーパー状にするために、マスク55の開口部の周囲の部分のみが、その部分を除くマスク55の遮光部分の厚みよりも薄くなっている。また、ここで使用したマスク53および55としては銅板を用いたが、シンクロトロン放射光を遮蔽するものであれば、これに限られない。
【0055】
上述したように、シンクロトロン放射光を用いたエッチングプロセスにより、オリフィスプレート4に凸部52および吐出口5を形成することにより、シンクロトロン放射光用のマスク53および55はフォトリソグラフィプロセスを用いて作製されるため、凸部52および吐出口5を高精度で、かつ高密度に形成することができる。また、シンクロトロン放射光による吐出口5の形成では、高アスペクト比での形成が可能であるため、ハンドリング上で利点となる厚みのある材料に対して、高精度で、かつ高密度の加工が可能である。
【0056】
また、素子基板1および天板3の端面にオリフィスプレート4を接合する前に、オリフィスプレート4に凸部52および吐出口5を形成することにより、従来の液体吐出ヘッドのように、素子基板および天板の端面にオリフィスプレートを接合した後に吐出口を形成することで液体吐出ヘッドのノズル内にごみが進入するということがなくなる。
【0057】
図8は、図1および図4に基づいて説明した液体吐出ヘッドの製造方法について説明するための図である。本実施形態の液体吐出ヘッドは、図8(a)から図8(d)の工程を経て製造される。図8(a)および図8(b)は、図1に示した液流路7の流路方向に対して垂直な方向に沿った断面図であり、図8(c)および図8(d)は、液流路7の流路方向に沿った断面図である。
【0058】
まず、図8(a)において、素子基板1の発熱体2側の表面の、シリコンの天板3と接合させる部分を、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングする。
【0059】
次に、図8(b)および図8(c)において、素子基板1の、天板3との接合面および、天板3の、素子基板1との接合面に、真空中でArガスなどを照射して、それらの接合面の表面を活性な状態にした後、常温接合装置を用いて常温で素子基板1および天板3の接合面同士を接合する。これにより、複数の発熱体2および液流路7を有するヘッド基体が作製される。
【0060】
ここで用いた常温接合装置は予備室と圧接室の2つのチャンバーからなり、それぞれのチャンバーの真空度は1〜10Paにしてある。まず、常温接合装置の予備室において、素子基板1および天板3の接合面の位置決めをするために、素子基板1および天板3のアライメント位置を、画像処理を用いて合わせた状態にする。その後、アライメント位置を合わせた状態を保持したまま、素子基板1および天板3を圧接室に搬送する。圧接室では、サドルフィールド型の高速原子ビームによって素子基板1および天板3の接合面の表面にエネルギー粒子を照射する。このエネルギー粒子の照射により素子基板1および天板3の接合面の表面を活性化させた後、素子基板1と天板3とを接合する。この時、素子基板1と天板3との接合部分の強度を上げるために、素子基板1および天板3を200度以下で加熱したり、加圧したりする。
【0061】
素子基板1と天板3とを接合する方法としては、それぞれの接合面の表面を活性化させてから接合したが、その方法の代わりに、接着剤としてエポキシ樹脂や水ガラスなどを介して素子基板1と天板3とを接合してもよい。
【0062】
次に、図8(d)において、接合された素子基板1および天板3から成るヘッド基体の前端面にオリフィスプレート4を接合する。このオリフィスプレート4を接合する前に、図7に基づいて説明したオリフィスプレート4の凸部52が嵌合する凹部(不図示)をヘッド基体の前端面に形成しておき、ここでは、その穴に凸部52を挿入してオリフィスプレート4の位置決めを行う。例えば、実際に液体が吐出される液流路とは異なる別のダミー用の液流路を、凸部52が嵌合する凹部として予め形成しておくとよい。このように、素子基板1および天板3から構成されるヘッド基体の、オリフィスプレート4との接合面に形成された凹部と、オリフィスプレート4の凸部52とを嵌合させてヘッド基体とオリフィスプレート4との位置合わせを行うことにより、その位置合わせのために画像処理などの複雑な液体吐出記録装置を用いることなく、容易な装置で位置合わせを行うことができる。
【0063】
素子基板1および天板3の前端面にオリフィスプレート4を接合する際には、素子基板1および天板3の前端面に、フッ素樹脂を含む水性塗料をコーティングした後に、素子基板1および天板3の前端面をプラズマ処理する。そして、素子基板1および天板3の前端面を、60℃のメタクリル酸(MAA)、アクリル酸(AA)及びメタクリル酸−2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAEMA)モノマー水溶液に浸漬すると共に、その前端面に紫外線を照射した。本実施形態では、フッ素樹脂を含む水性塗料を素子基板1および天板3の前端面に塗布したが、フッ素樹脂を含む水性塗料を塗布する代わりに、素子基板1および天板3の前端面にフッ素樹脂を転写させてもよい。
【0064】
オリフィスプレート4の、素子基板1および天板3の前端面との接合面もプラズマ処理をした後、上記のモノマー水溶液中に浸漬すると共に、その接合面に紫外線を照射した。
【0065】
その後、図8(d)に示したように、素子基板1と天板3とを接合して成るヘッド基体、およびオリフィスプレート4を150℃に加熱し、素子基板1および天板3の前端面にオリフィスプレート4を圧着した。この際のオリフィスプレート4の接合方法は、接着剤を用いていない、自着特性を利用したものである。自着特性とは、2つの物質の分子鎖が相互に拡散し合うことにより2つの物質が接合し、その接合部分において、接合した2つの物質の分離を防ぐ強力な結合を形成する性質のことを意味する。そして、自着とは、接触した2つの同一の高分子材の間でのポリマー分子のマクロブラウン運動および拡散によって2つの高分子材が接合することをいう。従って、素子基板1および天板3にコーティングしたフッ素樹脂を含む水性塗料および、オリフィスプレート4の接合面をそれぞれ膨潤させ、グラフト重合化した各々の接合面を加熱圧着して十分な接触を保つことで、素子基板1および天板3と、フッ素樹脂から成るオリフィスプレート4との接合が強固なものとなる。
【0066】
このように、オリフィスプレート4の材料として、撥インク性を有するフッ素樹脂を用いた場合でも、オリフィスプレート4を自着により素子基板1および天板3の前端面に接合することにより、その前端面の、液流路の周囲の部分と、オリフィスプレート4とを確実に接合することができ、オリフィスプレート4の接着強度が十分に得られる。
【0067】
図9は、図1および図4に基づいて説明した液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出記録装置の一例であるインクジェット記録装置を示す斜視図である。図9に示されるインクジェット記録装置600に搭載されたヘッドカートリッジ601は、図1および図4に基づいて説明した液体吐出ヘッドと、その液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを有するものである。ヘッドカートリッジ601は、図9に示すように、駆動モータ602の正逆回転に連動して駆動力伝達ギヤ603および604を介して回転するリードスクリュー605の螺旋溝606に対して係合するキャリッジ607上に搭載されている。駆動モータ602の動力によってヘッドカートリッジ601がキャリッジ607と共にガイド608に沿って矢印aおよびbの方向に往復移動される。インクジェット記録装置600には、ヘッドカートリッジ601から吐出されたインクなどの液体を受ける被記録媒体としてのプリント用紙Pを搬送する被記録媒体供給装置(不図示)が備えられている。その被記録媒体供給装置によってプラテン609上を搬送されるプリント用紙Pの紙押さえ板610は、キャリッジ607の移動方向にわたってプリント用紙Pをプラテン609に対して押圧する。
【0068】
リードスクリュー605の一端の近傍には、フォトカプラ611および612が配設されている。フォトカプラ611および612は、キャリッジ607のレバー607aの、フォトカプラ611および612の領域での存在を確認して駆動モータ602の回転方向の切り換えなどを行うためのホームポジション検知手段である。プラテン609の一端の近傍には、ヘッドカートリッジ601の吐出口のある前面を覆うキャップ部材614を支持する支持部材613が備えられている。また、ヘッドカートリッジ601から空吐出などされてキャップ部材614の内部に溜まったインクを吸引するインク吸引手段615が備えられている。このインク吸引手段615によりキャップ部材614の開口部を介してヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われる。
【0069】
インクジェット記録装置600には本体支持体619が備えられている。この本体支持体619には移動部材618が、前後方向、すなわちキャリッジ607の移動方向に対して直角な方向に移動可能に支持されている。移動部材618には、クリーニングブレード617が取り付けられている。クリーニングブレード617はこの形態に限らず、他の形態の公知のクリーニングブレードであってもよい。さらに、インク吸引手段615による吸引回復操作にあたって吸引を開始するためのレバー620が備えられており、レバー620は、キャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換えなどの公知の伝達手段で移動制御される。ヘッドカートリッジ601に設けられた発熱体に信号を付与したり、上記の各機構の駆動制御を行ったりするインクジェット記録制御部はインクジェット記録装置の本体に設けられており、図9では示されていない。
【0070】
上述した構成を有するインクジェット記録装置600では、前記の被記録媒体供給装置によりプラテン609上を搬送されるプリント用紙Pに対して、ヘッドカートリッジ601がプリント用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら記録を行う。
【0071】
以上で説明したように本実施形態の液体吐出ヘッドでは、インクの吐出方向を安定させるためにオリフィスプレート4の材料として撥インク性を有するフッ素樹脂を用いた場合でも、オリフィスプレート4を自着によってヘッド基体に接合することにより、オリフィスプレート4とヘッド基体との接合力が確保される。また、オリフィスプレート4が長期にわたって良好な撥インク性を維持することができる。さらに、素子基板1および天板3の、オリフィスプレート4との接合面における液流路7の周囲の部分をオリフィスプレート4に確実に接合することができる。このように、オリフィスプレート4を自着により素子基板1および天板3の端面に確実に接合することにより、液体吐出ヘッドの駆動時に発熱体2からの熱による液体吐出ヘッドの各構成部品の熱膨張がもたらす影響が低減される。その結果、吐出特性が安定した液体吐出ヘッドが得られる。
【0072】
また、インクジェット記録装置600は、上述した吐出特性が安定した液体吐出ヘッドを有していることにより、温度変化などに対しても安定して被記録媒体に記録を行うことができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、液体の吐出方向を安定させるためにオリフィスプレートの材料としてフッ素樹脂などを用いて、撥インク性を有するオリフィスプレートオリフィスプレートとの接合面にフッ素樹脂を転写または塗布したヘッド基体とを、各々の接合面をグラフト重合化し、加熱圧着して接合することにより、ヘッド基体とオリフィスプレートとの接着強度が十分に得られると共に、オリフィスプレートが長期にわたって良好な撥インク性を維持できる。従って、液体吐出ヘッドの吐出特性が安定し、熱などの環境変化にも十分対応が可能な液体吐出ヘッドが得られるという効果がある。
【0074】
また、ヘッド基体にオリフィスプレートを接合する際、ヘッド基体の、オリフィスプレートとの接合面に形成された凹部に、オリフィスプレートに形成された凸部を嵌合させて、ヘッド基体とオリフィスプレートとの位置決めを行うことにより、その位置合わせのために画像処理などの複雑な装置を用いる必要がなくなる。従って、簡易な装置で液体吐出ヘッドを製造することができるという効果がある。
【0075】
さらに、オリフィスプレートの凸部および吐出口を、高輝度X線を用いたエッチングプロセスによって形成することにより、そのエッチングプロセスに使用されるマスクは、フォトリソグラフィプロセスを用いて作製されるため、その凸部および吐出口をオリフィスプレートに高精度で高密度に形成することができる。従って、高精細な画像を形成できる液体吐出ヘッドを製造することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の液体吐出ヘッドの基本的な構造を説明するための、液流路方向に沿った断面図である。
【図2】図1に示した素子基板の断面図である。
【図3】図1および図2に示した駆動素子の主要素子を縦断するように駆動素子を断面にした時の模式的断面図である。
【図4】図1に示した液体吐出ヘッドの一部を分解した、液体吐出ヘッドの各構成部品を模式的に示す斜視図である。
【図5】図1および図4に示した天板の製造方法について説明するための図である。
【図6】図5に基づいて説明する製造方法の工程を経て作製される天板の斜視図である。
【図7】図1および図4に示したオリフィスプレートの製造方法について説明するための図である。
【図8】図1および図4に基づいて説明した液体吐出ヘッドの製造方法について説明するための図である。
【図9】図1および図4に基づいて説明した液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出記録装置の一例であるインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図10】従来の技術による液体吐出ヘッドを示す断面図である。
【図11】図10に示した液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 素子基板
2 発熱体
3 天板
4 オリフィスプレート
5 吐出口
6 可動部材
7 液流路
7a 第1の液流路
7b 第2の液流路
8 共通液室
9 流路側壁
10 気泡発生領域
11 シリコン基板
12 熱酸化膜
13 層間膜
14 抵抗層
15 配線
16 保護膜
17 耐キャビテーション膜
18 熱作用部
22 N型ウェル領域
23 P型ウェル領域
24 酸化膜分離領域
25、32 ソース領域
26 ドレイン領域
28 ゲート絶縁膜
30 N−Mosトランジスタ
31 ドレイン領域
33、35 ゲート配線
34 蓄熱層
36、38 層間絶縁膜
37 Al電極
38 P−Mos
39 N−Mos
41 シリコンウェハ
42、43 SiO
44 SiN膜
51 フッ素樹脂板
52 凸部
53、55 マスク
54a、54b シンクロトロン放射光
600 インクジェット記録装置
601 ヘッドカートリッジ
602 駆動モータ
603、604 駆動力伝達ギヤ
605 リードスクリュー
606 螺旋溝
607 キャリッジ
607a レバー
608 ガイド
609 プラテン
610 紙押さえ板
611、612 フォトカプラ
613 支持部材
614 キャップ部材
615 インク吸引手段
617 クリーニングブレード
618 移動部材
619 本体支持体
620 レバー
621 カム
P プリント用紙

Claims (3)

  1. 液体を吐出させるためのエネルギー発生素子が配置される液流路を備えたヘッド基体に、前記液流路と連通する吐出口を備えるとともにフッ素樹脂を材料とするオリフィスプレートを接合する工程を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記ヘッド基体の、前記オリフィスプレートとの接合面にフッ素樹脂を転写または塗布する工程と、
    前記ヘッド基体の、前記フッ素樹脂が転写または塗布された接合面および、前記オリフィスプレートの、前記ヘッド基体との接合面をグラフト重合化させる工程と、
    前記ヘッド基体の、前記フッ素樹脂が転写または塗布された接合面および、前記オリフィスプレートの、前記ヘッド基体との接合面を加熱して、前記ヘッド基体および前記オリフィスプレートの接合面同士を圧着により接合する工程と
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記ヘッド基体の、前記オリフィスプレートとの接合面に凹部を形成し、かつ、前記ヘッド基体に前記オリフィスプレートを接合した状態で前記凹部に嵌合する凸部を前記オリフィスプレートに形成し、前記ヘッド基体に前記オリフィスプレートを接合する際に前記凹部に前記凸部を嵌合させることで前記ヘッド基体と前記オリフィスプレートとの位置合わせを行う請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記ヘッド基体に前記オリフィスプレートを接合する工程の前に、前記オリフィスプレートの前記凸部および前記吐出口を、高輝度X線を用いたエッチングプロセスによって形成する請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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