JP3647316B2 - 液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギを液体に作用させることで起こる気泡の発生によって、所望の液体を吐出する液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置に関する。
【0002】
また、本発明は、紙、糸、繊維、布、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックなどの被記録媒体に対して記録を行う、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置に適用することができるものである。
【0003】
なお、本発明における「記録」とは、文字や図形などのように意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与するすることだけでなく、パターンなどのように意味を持たない画像を付与することをも意味するものである。
【0004】
【従来の技術】
熱などのエネルギをインクに与えることで、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態変化を生じさせ、このインクの状態変化に基づく作用力によって吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方法、いわゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国明細書第4723129号に開示されているように、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通するインク流路と、インク流路内に配された、インクを吐出するためのエネルギ発生手段としての電気熱変換体が一般に配されている。
【0005】
このような記録方法によれば、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができると共に、この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得ることができるという多くの優れた利点を有している。このため、このバブルジェット記録方法は、近年、プリンター、複写機、ファクシミリなどの多くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置などの産業用システムにまで利用されるようになってきている。
【0006】
このような液体吐出ヘッドは、水分を含む液体が充填されたままで長期間吐出が行なわれないと、吐出口およびその付近に滞留した液体の水分が蒸発することにより液体が増粘し、各吐出口から吐出される液体の吐出量のばらつきを生じたり、液体が吐出口に固着して吐出不良を起こす場合があった。また、染料(顔料)濃度の変化により、被記録媒体に形成する画像の品位が低下するといった場合もあった。
【0007】
従来、吐出量の制御は、電気熱変換体が設けられた素子基板の温度や、環境温度に基づいて行われていた。また、吐出不良を防止するために、吐出回復動作としての予備吐出が行われている。この予備吐出は、例えば液体吐出ヘッドのホームポジションにおいて、正規のヘッド駆動信号を液体吐出ヘッドに供給して、液体吐出ヘッドと対向する位置に設けられた液体吸収体に向けて液体を所定回数吐出させることにより、液体吐出ヘッドの表面の乾燥を取り除いたり、吐出口の先端部にある古い液体を吐出してしまうことで、吐出特性を回復させるものである。
【0008】
このように、長時間放置した後の慢性的な印字不良の原因が、液体の増粘を生じたり、固着が生じたりすることによるものであることが公知とされており、従来技術においては、素子基板の温度や、環境温度等に基づいて、液体の増粘に寄与する因子によって吐出回復動作を設定していた。また、従来の360dpi等の吐出量の比較的多い液体吐出ヘッドにおいて、インクの増粘に起因するインクの吐出量のばらつきや、吐出口に固着したインクによる吐出不良を抑制するために、記録時の有無に関わらず、一定時間、あるいは、一定枚数の記録を終了後、自動的に全ての吐出口に対して吐出回復動作を行っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録密度が高まるに連れて、液体の吐出量が小さくなり、また、エネルギ発生手段の大きさも小さくなり、これによりエネルギ発生手段の発生する吐出エネルギーも小さくなっていった。一方、液体の水分が増加することによる液体の粘度の増加は、吐出口径が小さくなるに連れ少なくなるものの、それ以上に吐出エネルギーが小さくなっており、結果的に毎回のスキャンに一度予備吐出をしなくてはならない場合もあった。
【0010】
また、液体吐出ヘッドに複数形成されている各液流路内のそれぞれの液体の粘度を直接測定するのではなく、各液流路内のそれぞれのインクの粘度を素子基板の温度や、環境温度といった1つの測定値で代表し、かつ、間接的に測定した場合、大きなマージンをとる必要があった。すなわち、液体吐出ヘッドに複数形成されている全ての吐出口から所望の吐出量の液体を吐出させるため、必要以上の予備吐出が行われ、スループットの低下や、液体が無駄に消費されてしまう場合があった。
【0011】
そこで本発明は、スループットの向上がなされた液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の液体吐出ヘッドは、液体に気泡を発生させるための熱エネルギを発生するエネルギ発生素子が表面に並列に複数設けられた素子基板と、素子基板に対向して接合されることで、各エネルギ発生素子に対応し、かつ、上流側より供給される液体を下流側に設けられた吐出口から吐出する、該吐出口に連通する複数の液流路を形成する天板とを有する液体吐出ヘッドにおいて、素子基板に設けられたエネルギ発生素子の、吐出口側の端部より下流側の各液流路内に、液体に接する1組の電極からなり各液流路内の液体の粘度を検出する粘度検出手段を備え、粘度検出手段からの出力に基づいた駆動パルスを各エネルギ発生素子に印加する吐出制御手段を有する。
【0013】
以上の通り構成された本発明の液体吐出ヘッドは、エネルギ発生素子の、吐出口側の端部より下流側の各液流路内に、液体に接する1組の電極からなる粘度検出手段によって、各液流路内の液体の粘度を直接検出し、この粘度検出手段からの出力に基づいて各エネルギ発生素子に駆動パルスを印加するため、予備吐出時に、液体の粘度に応じて各液流路毎に予備吐出の回数を制御できる。
【0015】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、エネルギー発生素子は液体に熱エネルギーを作用させることで液体に気泡を発生させるものであり、液流路にはエネルギー発生素子に面して配され吐出口に向かう下流側が自由端となる可動部材が設けられており、各電極のうち少なくとも1つが可動部材に設けられているものであってもよい。
【0016】
また、各電極のうち少なくとも1つが、天板の、各液流路内の液体に面する壁面に設けられているものであってもよいし、各電極のうち少なくとも1つが、素子基板の、各液流路内の液体に面する壁面に設けられているものであってもよい。
【0017】
さらに、吐出制御手段は、駆動パルスを印加する回数を制御するものであってもよいし、吐出制御手段は、駆動パルスのパルス幅を制御するものであってもよいし、吐出制御手段は、各吐出口から吐出される液体の各吐出量を略同一にするように、各エネルギ発生素子に印加する駆動パルスのパルス幅を制御するものであってもよいし、吐出制御手段は、素子基板に設けられ、全ての液流路内の液体を加熱する保温ヒータに駆動信号を印加するものであってもよい。
【0018】
また、本発明の液体吐出装置は、被記録媒体を搬送する搬送手段と、液体を吐出し、前記被記録媒体に記録を行う本発明の液体吐出ヘッドを保持し、かつ、前記被記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に往復移動する保持手段とを有する。
【0019】
本発明の液体吐出装置は、各粘度検出手段からの出力信号により液体吐出ヘッド内の液体を吸引する回復動作を行う回復手段を有するものであってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態の、液体を吐出する複数の吐出口と、互いに接合されることでそれぞれ吐出口と連通する複数の液流路を構成するための第1の基板および第2の基板と、電気エネルギーを液流路内の液体の吐出エネルギーに変換するために各液流路内に配された複数のエネルギー変換素子と、各液流路内の粘度を検出するための粘度検出部と、エネルギー変換素子の駆動条件を制御するための、機能が異なる複数の素子あるいは電気回路とを有し、上記素子あるいは電気回路がその機能に応じて第1の基板と第2の基板とに振り分けられている液体吐出ヘッドの説明を行う。なお、本実施形態における液体は水分等の蒸発しやすい成分を含有するものである。
【0021】
図1は、本実施形態の液体吐出ヘッドの液流路方向に沿った断面図であり、図2は天板に設けられた電極に接続された粘度測定用回路の概略図である。
【0022】
図1に示すように、この液体吐出ヘッドは、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与える吐出ヒータ2が並列に設けられた素子基板1と、この素子基板1上に接合され、粘度センサ200の電極200a、200bが設けられた天板3と、素子基板1および天板3の前端面に接合されたオリフィスプレート4と、素子基板1と天板3とで構成される液流路7内に設置された可動部材6とを有する。
【0023】
素子基板1は、シリコン等の基板上に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または窒化シリコン膜を成膜し、その上に、吐出ヒータ2を構成する電気抵抗層および配線をパターニングしたものである。この配線から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵抗層に電流を流すことで吐出ヒータ2が発熱する。
【0024】
天板3は、各吐出ヒータ2に対応した複数の液流路7および各液流路7に液体を供給するための共通液室8を構成するためのもので、天井部分から各吐出ヒータ2の間に延びる流路側壁9が一体的に設けられている。天板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および共通液室8のパターンをエッチングで形成したり、シリコン基板上にCVD等の公知の成膜方法により窒化シリコン、酸化シリコンなど、流路側壁9となる材料を堆積した後、液流路7の部分をエッチングして形成することができる。
【0025】
この天板3の表面には、各第1の液流路7a内の液体の粘度を測定するための粘度センサ200を構成する、液体に接する電極200a、200bが流れ方向に並列に、吐出口5付近に設けられている。この粘度センサ200は、図2に示す粘度測定用回路を有する。粘度測定用回路は、基準となる抵抗値を与える抵抗203と、バッファとしての機能を有するオペアンプ204とを有する。液体の抵抗201は、電極200a、200b間の液体の粘度により可変する液体の抵抗である。この粘度測定用回路は、後述の粘度センサ駆動回路47(図8参照)より印加された入力パルス電圧202が、抵抗201の抵抗値、すなわち、液体の粘度により変わる液体の抵抗値により変化して出力される出力電圧Vを出力する。これら各粘度センサ200は、天板3を形成する際、半導体プロセスを用いて同時に形成されているため、各液流路7間での各粘度センサ200の特性のばらつきはほとんどない。なお、吐出口5付近では特に液体の水分が蒸発することによって増粘しやすいため、吐出口5付近の液体の粘度を測定するため、電極200a、200bを吐出口5付近に設けた。また、電極200a、200bは、吐出ヒータ2の下流側端面よりも下流側に設けられることがさらに望ましい。
【0026】
オリフィスプレート4には、各液流路7に対応しそれぞれ液流路7を介して共通液室8に連通する複数の吐出口5が形成されている。オリフィスプレート4もシリコン系の材料からなるものであり、例えば、吐出口5を形成したシリコン基板を10〜150μm程度の厚さに削ることにより形成される。なお、オリフィスプレート4は本発明には必ずしも必要な構成ではなく、オリフィスプレート4を設ける代わりに、天板3に液流路7を形成する際に天板3の先端面にオリフィスプレート4の厚さ相当の壁を残し、この部分に吐出口5を形成することで、吐出口付きの天板とすることもできる。
【0027】
可動部材6は、液流路7を吐出口5に連通した第1の液流路7aと、吐出ヒータ2を有する第2の液流路7bとに分けるように、吐出ヒータ2に対面して配置された片持梁状の薄膜であり、窒化シリコンや酸化シリコンなどのシリコン系の材料で形成される。
【0028】
この可動部材6は、液体の吐出動作によって共通液室8から可動部材6を経て吐出口5側へ流れる大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6aに対して下流側に自由端6bを持つように、吐出ヒータ2に面した位置に吐出ヒータ2から所定の距離を隔てて配されている。この吐出ヒータ2と可動部材6との間が気泡発生領域10となる。
【0029】
上記構成に基づき、吐出ヒータ2を発熱させると、可動部材6と吐出ヒータ2との間の気泡発生領域10の液体に熱が作用し、これにより吐出ヒータ2上に膜沸騰現象に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の成長に伴う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は図1に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口5側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位もしくは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口5から液体が吐出する。
【0030】
つまり、気泡発生領域10上に、液流路7内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6aを持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部材6を設けることによって、気泡の圧力伝搬方向が下流側へ導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与することになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝搬方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大きく成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部材によって制御し、気泡の圧力伝搬方向を制御することで、吐出効率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出特性を向上させることができる。
【0031】
一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部材6も最終的には図1に実線で示した初期位置に復帰する。このとき、気泡発生領域10での気泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体積分を補うために、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、液流路7への液体の充填(リフィル)が行われるが、この液体のリフィルは、可動部材6の復帰作用に伴って効率よく合理的かつ安定して行われる。
【0032】
また、本実施形態の液体吐出ヘッドは、吐出ヒータ2を駆動したりその駆動を制御するための回路や素子を有する。これら回路や素子は、その機能に応じて素子基板1または天板3に分担して配置されている。また、これら回路や素子は、素子基板1および天板3がシリコン材料で構成されていることから、半導体ウェハプロセス技術を用いて容易かつ微細に形成することができる。
【0033】
以下に、半導体ウェハプロセス技術を用いて形成された素子基板1の構造について説明する。
【0034】
図3は、図1に示す液体吐出ヘッドに用いられる素子基板の断面図である。図3に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッドに用いられる素子基板1では、シリコン基板301の表面に、蓄熱層としての熱酸化膜302および、蓄熱層を兼ねる層間膜303がこの順番で積層されている。層間膜303としては、SiO2膜またはSi34膜が用いられている。層間膜303の表面に部分的に抵抗層304が形成され、抵抗層304の表面に部分的に配線305が形成されている。配線305としては、Alまたは、Al−Si,Al−CuなどのAl合金配線が用いられている。この配線305、抵抗層304および層間膜303の表面に、SiO2膜またはSi34膜から成る保護膜306が形成されている。保護膜306の表面の、抵抗層304に対応する部分およびその周囲には、抵抗層304の発熱に伴う化学的および物理的な衝撃から保護膜306を守るための耐キャビテーション膜307が形成されている。抵抗層304表面の、配線305が形成されていない領域は、抵抗層304の熱が作用する部分となる熱作用部308である。
【0035】
この素子基板1上の膜は半導体の製造技術によりシリコン基板301の表面に順に形成され、シリコン基板301に熱作用部308が備えられている。
【0036】
図4は、図3に示す素子基板1の主要素子を縦断するように素子基板1を切断した模式的断面図である。
【0037】
図4に示すように、P導電体であるシリコン基板301の表層にはN型ウェル領域422およびP型ウェル領域423が部分的に備えられている。そして、一般的なMosプロセスを用いてイオンプラテーションなどの不純物導入および拡散によって、N型ウェル領域422にP−Mos420が、P型ウェル領域423にN−Mos421が備えられている。P−Mos420は、N型ウェル領域422の表層に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース領域425およびドレイン領域426や、N型ウェル領域422の、ソース領域425およびドレイン領域426を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜428を介して堆積されたゲート配線435などから構成されている。また、N−Mos421は、P型ウェル領域423の表層に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース領域425およびドレイン領域426や、P型ウェル領域423の、ソース領域425およびドレイン領域426を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜428を介して堆積されたゲート配線435などから構成されている。ゲート配線435は、CVD法により堆積した厚さ4000Å〜5000Åのポリシリコンから成るものである。これらのP−Mos420およびN−Mos421からC−Mosロジックが構成されている。
【0038】
P型ウェル領域423の、N−Mos421と異なる部分には、電気熱変換素子駆動用のN−Mosトランジスタ430が備えられている。N−Mosトランジスタ430も、不純物導入および拡散などの工程によりP型ウェル領域423の表層に部分的に備えられたソース領域432およびドレイン領域431や、P型ウェル領域423の、ソース領域432およびドレイン領域431を除く部分の表面にゲート絶縁膜428を介して堆積されたゲート配線433などから構成されている。
【0039】
本実施形態では、電気熱変換素子駆動用のトランジスタとしてN−Mosトランジスタ430を用いたが、複数の電気熱変換素子を個別に駆動できる能力を持ち、かつ、上述したような微細な構造を得ることができるトランジスタであれば、このトランジスタに限られない。
【0040】
P−Mos420とN−Mos421との間や、N−Mos421とN−Mosトランジスタ430との間などの各素子間には、5000Å〜10000Åの厚さのフィールド酸化により酸化膜分離領域424が形成されており、その酸化膜分離領域424によって各素子が分離されている。酸化膜分離領域424の、熱作用部308に対応する部分は、シリコン基板301の表面側から見て一層目の蓄熱層434としての役割を果たす。
【0041】
P−Mos420、N−Mos421およびN−Mosトランジスタ430の各素子の表面には、厚さ約7000ÅのPSG膜またはBPSG膜などから成る層間絶縁膜436がCVD法により形成されている。熱処理により層間絶縁膜436を平坦化した後に、層間絶縁膜436およびゲート絶縁膜428を貫通するコンタクトホールを介して第1の配線層となるAl電極437により配線が行われている。層間絶縁膜436およびAl電極437の表面には、厚さ10000Å〜15000ÅのSiO2膜から成る層間絶縁膜438がプラズマCVD法により形成されている。層間絶縁膜438の表面の、熱作用部308およびN−Mosトランジスタ430に対応する部分には、厚さ約1000ÅのTaN0.8,hex膜から成る抵抗層304がDCスパッタ法により形成されている。抵抗層304は、層間絶縁膜438に形成されたスルーホールを介してドレイン領域431の近傍のAl電極437と電気的に接続されている。抵抗層304の表面には、各電気熱変換素子への配線となる第2の配線層としての、Alの配線305が形成されている。
【0042】
配線305、抵抗層304および層間絶縁膜438の表面の保護膜306は、プラズマCVD法により形成された厚さ10000ÅのSi34膜から成るものである。保護膜306の表面に形成された耐キャビテーション膜307は、厚さ約2500ÅのTaなどの膜から成るものである。
【0043】
次に、素子基板1および天板3への回路や素子の構成について説明する。
【0044】
図5は、図1に示した液体吐出ヘッドの回路構成を説明するための図であり、同図(a)は素子基板の平面図、同図(b)は天板の平面図である。なお、図5(a)および(b)は、互いの対向面を表わしている。
【0045】
図5(a)に示すように、素子基板1には、並列に配列された複数の吐出ヒータ2と、画像データに応じてこれら吐出ヒータ2を駆動するドライバ11と、入力された画像データをドライバ11に出力する画像データ転送部12とが設けられている。
【0046】
画像データ転送部12は、シリアルに入力される画像データを各ドライバ11にパラレルに出力するシフトレジスタ、およびシフトレジスタから出力されるデータを一時記憶するラッチ回路で構成される。なお、画像データ転送部12は、各吐出ヒータ2に個別に対応して画像データを出力するものでもよいし、吐出ヒータ2の並びを複数のブロックに分け、ブロック単位に対応して画像データを出力するものでもよい。特に、1つのヘッドについて複数のシフトレジスタを備え、記録装置からのデータの転送を複数のシフトレジスタに振り分けて入力するようにすることで、印字速度の高速化に容易に対応することもできる。
【0047】
一方、図5(b)に示すように、天板3には、前述したように液流路および共通液室を構成する溝3a,3bが形成される他に、第1の液流路7a内の液体の粘度を測定する粘度センサ200と、粘度センサ200を駆動する粘度センサ駆動部17と、粘度センサ駆動部17により駆動された出力結果に基づいて吐出ヒータ2の駆動条件を制御する吐出ヒータ制御部16とが設けられている。なお、天板3には、外部から共通液室に液体を供給するために、共通液室に連通した供給口3cが開口している。
【0048】
さらに、素子基板1および天板3の接合面の、互いの対向する部位にはそれぞれ、素子基板1に形成された回路等と天板3に形成された回路等とを電気的に接続するための接続用コンタクトパッド14,18が設けられている。また、素子基板1には、外部からの電気信号の入力端子となる外部コンタクトパッド15が設けられている。素子基板1の大きさは天板3の大きさよりも大きく、外部コンタクトパッド15は、素子基板1と天板3とを接合したときに天板3から露出する位置に設けられている。
【0049】
ここで、素子基板1および天板3への回路等の形成手順の一例について説明する。
【0050】
素子基板1については、まず、シリコン基板上に、上記ドライバ11、画像データ転送部12を構成する回路を半導体ウェハプロセス技術を用いて形成する。次いで、前述したようにして吐出ヒータ2を形成し、最後に、接続用コンタクトパッド14および外部コンタクトパッド15を形成する。
【0051】
天板3については、まず、シリコン基板上に、上記吐出ヒータ制御部16と、粘度センサ200と、粘度センサ駆動部17を構成する回路とを半導体ウェハプロセス技術を用いて形成する。次いで、上述したように、成膜技術およびエッチングによって、液流路や共通液室を構成する溝3a,3bおよび供給口3cを形成し、最後に、接続用コンタクトパッド18を形成する。
【0052】
上記のように構成された素子基板1と天板3とを位置合わせして接合すると、各液流路に対応して吐出ヒータ2が配置されるとともに、それぞれの接続用パッド14,18を介して素子基板1および天板3に形成された回路等が電気的に接続される。この電気的接続は例えば、接続用パッド14,18に金バンプ等を載せて行う方法があるが、それ以外の方法でもよい。このように、素子基板1と天板3との電気的接続を接続用コンタクトパッド14,18によって行うことで、素子基板1と天板3との接合と同時に、上述した回路同士の電気的接続を行うことができる。素子基板1と天板3との接合後に、液流路7の先端にオリフィスプレート4を接合し、これにより液体吐出ヘッドが完成する。
【0053】
なお、図1に示したように液体吐出ヘッドは可動部材6を有しているが、この可動部材6についても、上述のようにして素子基板に回路等を形成した後、フォトリソグラフィプロセスを用いて素子基板1上に形成される。可動部材6の形成工程については後述する。
【0054】
このようにして得られた液体吐出ヘッドをヘッドカートリッジや液体吐出装置に搭載する場合には、図6に示すように、プリント配線基板23が搭載されたベース基板22上に固定し、液体吐出ヘッドユニット20とされる。図6において、プリント配線基板23には、液体吐出装置のヘッド制御部と電気的に接続される複数の配線パターン24が設けられ、これら配線パターン24は、ボンディングワイヤー25を介して外部コンタクトパッド15と電気的に接続される。外部コンタクトパッド15は素子基板1のみに設けられているので、液体吐出ヘッド21と外部との電気的接続は、従来の液体吐出ヘッドと同様にして行うことができる。ここでは、外部コンタクトパッド15を素子基板1に設けた例について説明したが、素子基板1ではなく天板3のみに設けてもよい。
【0055】
以上説明したように、吐出ヒータ2の駆動や制御のための各種回路等を素子基板1と天板3とに両者の電気的接合を考慮した上で振り分けることで、これらの回路等が1つの基板に集中しなくなるので、液体吐出ヘッドの小型化が可能になる。また、素子基板1に設けられた回路等と天板3に設けられた回路等との電気的接続を接続用コンタクトパッド14,18によって行うことで、ヘッド外部への電気的接続部の数が減り、信頼性の向上、部品点数の削減、ヘッドのより一層の小型化を実現することができる。
【0056】
以上、本実施形態の基本的な構成について説明したが、以下に、上述した回路等に関して詳細に説明する。なお、同様の動作を行う回路構成であれば、以下に示す詳細な回路の構成に限定されるものではない。
【0057】
次に、吐出ヒータへの印加エネルギーを制御する素子基板および天板の回路構成に関して、図7を用いて説明する。
【0058】
図7(a)に示すように、素子基板1には、一列に配列された吐出ヒータ2と、図5(a)で示したドライバ11を構成するパワートランジスタ41、パワートランジスタ41の駆動を制御するためのAND回路39及びパワートランジスタ41の駆動タイミングを制御するための駆動タイミング制御ロジック回路38と、図5(a)で示した画像データ転送部12を構成する、シフトレジスタおよびラッチ回路からなる画像データ転送回路42とが形成されている。
【0059】
駆動タイミング制御ロジック回路38は、装置の電源容量を少なくする目的で、全ての吐出ヒータ2を同時に通電するのではなく吐出ヒータ2を分割駆動して時間をずらして通電するためのものであり、この駆動タイミング制御ロジック回路38を駆動するイネーブル信号は、図5(a)で示した外部コンタクトパッド15を構成するイネーブル信号入力端子45k〜45nから入力される。
【0060】
また、素子基板1に設けられる外部コンタクトパッド15としては、イネーブル信号入力端子45k〜45nの他に、吐出ヒータ2の駆動電源の入力端子45a、パワートランジスタ41の接地端子45b、吐出ヒータ2を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用の入力端子45c〜45e、ロジック回路の駆動電源端子45f、接地端子45g、画像データ転送回路42のシフトレジスタに入力されるシリアルデータの入力端子45iおよびこれに同期するシリアルクロック信号の入力端子45h、ラッチ回路に入力されるラッチクロック信号の入力端子45jがある。
【0061】
一方、図7(b)に示すように、天板3には、図5(b)で示した粘度センサ駆動部17を構成する、粘度センサ200に入力電圧パルス201を印加し、出力電圧Vを検出するための粘度センサ駆動回路47と、図5(b)で示した吐出ヒータ制御部16を構成する、粘度センサ200からの出力をモニタしその結果に応じて吐出ヒータ2への印加エネルギーを制御するための駆動信号制御回路46と、粘度センサ200で検出された液体の粘度と、予備吐出による吐出の回数との関係及び液体の粘度と、液体の吐出量との関係とをヘッド情報として記憶し駆動信号制御回路46に出力するメモリ49とが形成されている。
【0062】
また、図5(b)で接続用コンタクトパッドとして、素子基板1および天板32には、外部から上記吐出ヒータ2を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用の入力端子45c〜45eと駆動信号制御回路46とを接続する端子44b〜44d,48b〜48d、駆動信号制御回路46の出力をAND回路39の一方の入力端子に入力させるための端子48a等が設けられている。
【0063】
なお、メモリ49に記憶されるヘッド情報としては、上述した液体の粘度と、予備吐出による吐出の回数との関係等の他に、吐出する液体の種類(液体がインクの場合には、インクの色等)も含めることもできる。液体の種類によってはその物性が異なり、吐出特性が異なるからである。これらのヘッド情報のメモリ49への記憶は、この液体吐出ヘッドの組立後に不揮発的に行ってもよいし、この液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出装置の立ち上げ後に装置側から転送されることで行ってもよい。
【0064】
また、図7に示した例では、メモリ49は、素子基板1側のスペースが許せば、天板3ではなく素子基板1に設けてもよい。
【0065】
以上の構成においての液体の吐出に関しての説明は後述する。
【0066】
次に、素子基板の温度を制御する素子基板および天板の回路構成を図8を用いて説明する。
【0067】
図8(a)に示すように、素子基板1に、液体の吐出用の吐出ヒータ2とは別に、素子基板1の温度を調節するために素子基板1自体を加熱する保温ヒータ55と、その保温ヒータ55のドライバとなるパワートランジスタ56とが、図7(a)に示した素子基板1に対して付加されている。また、センサ63としては、素子基板1の温度を測定する温度センサが用いられる。
【0068】
一方、図8(b)に示すように、天板3には、センサ63からの出力及びメモリ49に記憶された、粘度センサ200で検出された液体の粘度のデータに応じて保温ヒータ55の駆動を制御するための保温ヒータ制御回路66が形成されている。保温ヒータ制御回路66はコンパレータを有しており、素子基板1の必要とされる温度に基づいて予め決定された閾値とセンサ63からの出力とを比較し、閾値よりもセンサ63からの出力が大きい場合に、保温ヒータ55を駆動するための保温ヒータ制御信号を出力する。上記の素子基板1の必要とされる温度とは、この液体吐出ヘッド内の液体の粘性が安定吐出範囲にあるような温度である。
【0069】
そして、保温ヒータ制御回路66から出力される保温ヒータ制御信号を、素子基板1に形成された保温ヒータ用のパワートランジスタ56に入力させるための端子64a,68aが、接続用コンタクトパッドとして素子基板1および天板3に設けられている。その他の構成は図7に示した構成と同様である。
【0070】
上記の構成により、保温ヒータ制御回路66により保温ヒータ55が駆動され、素子基板1の温度が所定の温度に保たれる。その結果、液体吐出ヘッド内の液体の粘性が安定吐出範囲に保たれ、良好な吐出が可能となる。
【0071】
なお、センサ63には、固体差による出力値のばらつきがある。より正確な温度調節を行いたい場合には、このばらつきを補正するために、ヘッド情報として出力値のばらつきの補正値をメモリ49に記憶させ、メモリ49に記憶された補正値に応じて、保温ヒータ制御回路66に設定された閾値を調整してもよい。
【0072】
ところで、図1に示した実施形態では、液流路7を構成するための溝は天板3に形成し、吐出口5が形成された部材(オリフィスプレート4)も素子基板1及び天板3とは別の部材で構成した例を示したが、本発明が適用される液体吐出ヘッドの構造は、これに限られるものではない。
【0073】
例えば、天板の端面にオリフィスプレートの厚さ相当の壁を残しておき、この壁に、イオンビーム加工や電子ビーム加工等により吐出口を形成すれば、オリフィスプレートを用いずに液体吐出ヘッドを構成することができる。また、天板に溝を形成することによってではなく素子基板に流路側壁を形成すれば、吐出ヒータに対する液流路の位置精度が向上し、かつ、天板の形状を簡易なものとすることができる。可動部材はフォトリソグラフィプロセスを利用して天板に形成することができるが、このように素子基板に流路側壁を設けた構成とした場合には、素子基板への可能部材の形成と同時に素子基板を形成することもできる。これについては後述する。
【0074】
次に、フォトリソグラフィプロセスを利用した、素子基板への可動部材の製造方法について説明する。
【0075】
図9は、図1に基づいて説明した液体吐出ヘッドへの可動部材6の製造方法の一例を説明するための図であり、図9では、図1に示した液流路7の流路方向に沿った断面が示されている。図9に基づいて説明する製造方法では、素子基板1上に可動部材6を形成してなるものと、天板に流路側壁を形成してなるものとを接合することで、図1に示した構成の液体吐出ヘッドを製造する。従って、この製造方法では、可動部材6が作り込まれた素子基板1に天板を接合する前に、天板に流路側壁が作り込まれる。
【0076】
まず、図9(a)では、素子基板1の吐出ヒータ2側の面全体に、吐出ヒータ2との電気的な接続を行うための接続用パッド部分を保護するための第1の保護層としてのTiW膜76をスパッタリング法によって厚さ約5000Å形成する。
【0077】
次に、図9(b)では、TiW膜76の表面に、間隙形成部材71aを形成するためのAl膜をスパッタリング法によって厚さ約4μm形成する。間隙形成部材71aは、後述する図9(d)の工程において、SiN膜72aがエッチングされる領域までに延在されている。
【0078】
形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングすることで、そのAl膜の、可動部材6の支持固定部に対応する部分のみを除去し、TiW膜76の表面に間隙形成部材71aを形成する。従って、TiW膜76表面の、可動部材6の支持固定部に対応する部分が露出することになる。この間隙形成部材71aは、素子基板1と可動部材6との間の間隙を形成するための、Al膜からなるものである。間隙形成部材71aは、図1に示した吐出ヒータ2と可動部材6との間の気泡発生領域10に対応する位置を含む、TiW膜76の表面の、可動部材6の支持固定部に対応する部分を除く部分全てに形成されている。従って、この製造方法では、TiW膜76の表面の、流路側壁に対応する部分にまで間隙形成部材71aが形成されている。
【0079】
この間隙形成部材71aは、後述するようにドライエッチングにより可動部材6を形成する際のエッチングストップ層として機能する。これは、TiW膜76や、素子基板1における耐キャビテーション膜としてのTa膜、および抵抗体上の保護層としてのSiN膜が、液流路7を形成するために使用するエッチングガスによりエッチングされてしまうからであり、それらの層や膜のエッチングを防止するために、このような間隙形成部材71aを素子基板1上に形成する。これにより、可動部材6を形成するためにSiN膜のドライエッチングを行う際にTiW膜76の表面が露出することがなく、そのドライエッチングによるTiW膜76および、素子基板1内の機能素子の損傷が間隙形成部材71aによって防止される。
【0080】
次に、図9(c)では、間隙形成部材71aの表面全体および、TiW膜76の、露出した面全体に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を形成するための材料膜である厚さ約4.5μmのSiN膜72aを、間隙形成部材71aを被覆するように形成する。ここで、プラズマCVD装置を用いてSiN膜72aを形成する際には、図10を参照して次に説明するように、素子基板1を構成するシリコン基板などを介して、素子基板1に備えられたTaからなる耐キャビテーション膜を接地する。これにより、プラズマCVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分解されたイオン種およびラジカルの電荷に対して素子基板1内の吐出ヒータ2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。
【0081】
図10に示すように、SiN膜72aを形成するためのプラズマCVD装置の反応室83a内には、所定の距離をおいて互いに対向するRF電極82aおよびステージ85aが備えられている。RF電極82aには、反応室83aの外部のRF電源81aによって電圧が印加される。一方、ステージ85aのRF電極82a側の面上には素子基板1が取り付けられており、素子基板1の吐出ヒータ2側の面がRF電極82aと対向している。ここで、素子基板1が有する、吐出ヒータ2の面上に形成されたTaからなる耐キャビテーション膜は、素子基板1のシリコン基板と電気的に接続されており、間隙形成部材71aは、素子基板1のシリコン基板、およびステージ85aを介して接地されている。
【0082】
このように構成されたプラズマCVD装置においては、前記耐キャビテーション膜が接地された状態で供給管84aを通して反応室83a内にガスを供給し、素子基板1とRF電極82aとの間にプラズマ46を発生させる。反応室83a内でのプラズマ放電により分解されたイオン種やラジカルが素子基板1上に堆積することで、SiN膜72aが素子基板1上に形成される。その際、イオン種やラジカルにより素子基板1上に電荷が発生するが、上述したように耐キャビテーション膜が接地されていることにより、素子基板1内の吐出ヒータ2やラッチ回路などの機能素子がイオン種やラジカルの電荷によって損傷することが防止される。
【0083】
次に、図9(d)では、SiN膜72aの表面に、スパッタリング法によりAl膜を厚さ約6100Å形成した後、形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングし、SiN膜72a表面の、可動部材6に対応する部分に第2の保護層としてのAl膜(不図示)を残す。その第2の保護層としてのAl膜は、可動部材6を形成するためにSiN膜72aのドライエッチングを行う際の保護層(エッチングストップ層)すなわちマスクとなる。
【0084】
そして、誘電結合プラズマを使ったエッチング装置を用い、前記第2の保護層をマスクにしてSiN膜72aをパターニングすることで、そのSiN膜72aの残った部分で構成される可動部材6を形成する。そのエッチング装置ではCF4とO2の混合ガスを用いており、SiN膜72aをパターニングする工程では、図1に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接固定されるようにSiN膜72aの不要な部分を除去する。可動部材6の支持固定部と素子基板1との密着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれる。
【0085】
ここで、ドライエッチング装置を用いてSiN膜72aをエッチングする際には、図11を参照して次に説明するように素子基板1などを介して間隙形成部材71aを接地する。これにより、ドライエッチングの際にCF4ガスの分解により生じるイオン種およびラジカルの電荷が間隙形成部材71aに留まることを防止して、素子基板1の吐出ヒータ2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。また、このエッチングの工程において、 SiN膜72aの不要な部分を除去することで露出する部分、すなわちエッチングされる領域には、上述したように間隙形成部材71aが形成されているため、TiW膜76の表面が露出することがなく、間隙形成部材71aによって素子基板1が確実に保護される。図11に示すように、SiN膜72aをエッチングするためのドライエッチング装置の反応室83b内には、所定の距離をおいて互いに対向するRF電極82bおよびステージ85bが備えられている。RF電極82bには、反応室83bの外部のRF電源81bによって電圧が印加される。一方、ステージ85bのRF電極82b側の面上には素子基板1が取り付けられており、素子基板1の吐出ヒータ2側の面がRF電極82bと対向している。ここで、Al膜からなる間隙形成部材71aは、素子基板1に備えれたTaからなる耐キャビテーション膜と電気的に接続されており、かつ、その耐キャビテーション膜は、前述したように素子基板1のシリコン基板と電気的に接続されており、間隙形成部材71aは、素子基板1の耐キャビテーション膜やシリコン基板、およびステージ85bを介して接地されている。
【0086】
このように構成されたドライエッチング装置において、間隙形成部材71aが接地された状態で供給管84aを通して反応室83a内にCF4とO2の混合ガスを供給し、SiN膜72aのエッチングを行う。その際、CF4ガスの分解により生じるイオン種やラジカルによって素子基板1上に電荷が発生するが、上述したように間隙形成部材71aが接地されていることにより、素子基板1内の吐出ヒータ2やラッチ回路などの機能素子がイオン種やラジカルの電荷によって損傷することが防止される。
【0087】
本実施形態では、反応室83aの内部に供給するガスとして、CF4とO2の混合ガスを用いたが、O2が混合されていないCF4ガスまたはC26ガス、あるいはC26とO2の混合ガスなどを用いてもよい。
【0088】
次に、図9(e)では、酢酸、りん酸および硝酸の混酸を用いて、可動部材6に形成したAl膜からなる前記第2の保護層や、Al膜からなる間隙形成部材71aを溶出して除去し、素子基板1上に可動部材6を作り込む。その後、過酸化水素を用いて、素子基板1に形成したTiW膜76の、気泡発生領域10およびパッドに対応する部分を除去する。
【0089】
以上のようにして、可動部材6が設けられた素子基板1が製造される。ここでは、図1に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接固定されているものを製造する場合で説明したが、この製造方法を適用して、可動部材が台座部を介して素子基板に固定された液体吐出ヘッドを製造することもできる。この場合、図9(b)に示した間隙形成部材71aを形成する工程の前に、可動部材の、自由端と反対側の端部を素子基板に固定するための台座部を素子基板の吐出ヒータ側の面上に形成する。この場合でも、台座部と素子基板との密着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板の耐キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれる。
【0090】
上述した例では、流路側壁9を天板3に形成した場合について説明したが、フォトリソグラフィプロセスを用いて、素子基板1への可動部材6の形成と同時に、流路側壁9を素子基板1に形成することもできる。
【0091】
以下に、素子基板1に可動部材6及び流路側壁9を設けた場合の、可動部材6及び流路側壁の形成工程の一例について、図12及び図13を参照して説明する。なお、図12及び図13は、可動部材及び流路側壁が形成される素子基板の液流路方向と直交する方向に沿った断面を示している。
【0092】
まず、図12(a)では、素子基板1の吐出ヒータ2側の面全体に、吐出ヒータ2との電気的な接続を行うための接続用パッド部分を保護するための第1の保護層として、不図示のTiW膜をスパッタリング法によって厚さ約5000Å形成する。この素子基板1の吐出ヒータ2側の面に、間隙形成部材71を形成するためのAl膜をスパッタリング法によって厚さ約4μm形成する。形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングし、図1に示した吐出ヒータ2と可動部材6との間の気泡発生領域10に対応する位置に、素子基板1と可動部材6との間の間隙を形成するための、Al膜からなる間隙形成部材71を複数形成する。それぞれの間隙形成部材71は、後述する図13(b)の工程において、可動部材6を形成するための材料膜であるSiN膜72がエッチングされる領域まで延在されている。
【0093】
間隙形成部材71は、後述するようにドライエッチングにより液流路7および可動部材6を形成する際のエッチングストップ層として機能する。これは、素子基板1におけるパッド保護層としてのTiW層や、耐キャビテーション膜としてのTa膜、および抵抗体上の保護層としてのSiN膜が、液流路7を形成するために使用するエッチングガスによりエッチングされてしまうからであり、これらの層や膜のエッチングが間隙形成部材71により防止される。そのため、ドライエッチングにより液流路7を形成する際に素子基板1の吐出ヒータ2側の面や、素子基板1上のTiW層が露出しないように、それぞれの間隙形成部材71における液流路7の流路方向と直行する方向の幅は、後述する図13(b)の工程で形成される液流路7の幅よりも広くなっている。
【0094】
さらに、ドライエッチング時には、CF4ガスの分解によりイオン種およびラジカルが発生し、素子基板1の吐出ヒータ2や機能素子にダメージを与えることがあるが、Alからなる間隙形成部材71は、これらイオン種やラジカルを受け止めて素子基板1の吐出ヒータ2や機能素子を保護するものとなっている。
【0095】
次に、図12(b)では、間隙形成部材71の表面、および素子基板1の間隙形成部材71側の面上に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を形成するための材料膜である厚さ約4.5μmのSiN膜72を、間隙形成部材71を被覆するように形成する。ここで、プラズマCVD装置を用いてSiN膜72を形成する際には、図10を参照して説明したように、素子基板1を構成するシリコン基板などを介して、素子基板1に備えられたTaからなる耐キャビテーション膜を接地する。これにより、プラズマCVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分解されたイオン種およびラジカルの電荷に対して素子基板1内の吐出ヒータ2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。
【0096】
次に、図12(c)では、SiN膜72の表面に、スパッタリング法によりAl膜を厚さ約6100Å形成した後、形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニングし、SiN膜72表面の、可動部材6に対応する部分、すなわちSiN膜72表面の可動部材形成領域に第2の保護層としてのAl膜73を残す。Al膜73は、ドライエッチングにより液流路7を形成する際の保護層(エッチングストップ層)となる。
【0097】
次に、図13(a)では、SiN膜72およびAl膜73の表面に、流路側壁9を形成するためのSiN膜74を、マイクロ波CVD法を用いて厚さ約50μm形成する。ここで、マイクロ波CVD法によるSiN膜74の成膜に使用するガスとしては、モノシラン(SiH4)、窒素(N2)およびアルゴン(Ar)を用いた。そのガスの組み合わせとしては、上記以外にも、ジシラン(Si26)やアンモニア(NH3)などとの組み合わせや、混合ガスを用いてもよい。また、周波数が2.45[GHz]のマイクロ波のパワーを1.5[kW]とし、ガス流量としてはモノシランを100[sccm]、窒素を100[sccm]、アルゴンを40[sccm]でそれぞれのガスを供給して、圧力が5[mTorr]の高真空下でSiN膜74を形成した。また、ガスのそれ以外の成分比でのマイクロ波プラズマCVD法や、RF電源を使用したCVD法などでSiN膜74を形成してもよい。
【0098】
CVD法によりSiN膜74を形成する際には、図10に基づいて前述したようなSiN膜72を形成する方法と同様に、吐出ヒータ2の面上に形成されているTaからなる耐キャビテーション膜を素子基板1のシリコン基板を介して接地する。これにより、CVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分解されたイオン種およびラジカルの電荷に対して素子基板1内の吐出ヒータ2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。
【0099】
そして、SiN膜74の表面全体にAl膜を形成した後に、形成されたAl膜を、フォトリソグラフィなどの周知の方法を用いてパターニングして、SiN膜74の表面の、液流路7に対応する部分を除く部分にAl膜75を形成する。前述したように、それぞれの間隙形成部材71における液流路7の流路方向と直行する方向の幅は、次の図13(b)の工程で形成される液流路7の幅よりも広くなっているので、Al膜75の側部が間隙形成部材71の側部の上方に配置されている。
【0100】
次に、図13(b)では、誘電結合プラズマを使ったエッチング装置を用いてSiN膜74およびSiN膜72をパターニングして流路側壁9および可動部材6を同時に形成する。そのエッチング装置では、CF4とO2の混合ガスを用いて、Al膜73,25および間隙形成部材71をエッチングストップ層すなわちマスクとして、SiN膜74がトレンチ構造となるようにSiN膜74およびSiN膜72のエッチングを行う。このSiN膜72をパターニングする工程では、図1に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接固定されるようにSiN膜72の不要な部分を除去する。可動部材6の支持固定部と素子基板1との密着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれる。
【0101】
ここで、ドライエッチング装置を用いてSiN膜72および24をエッチングする際には、図11を参照して説明したように素子基板1などを介して間隙形成部材71を接地する。これにより、ドライエッチングの際にCF4ガスの分解により生じるイオン種およびラジカルの電荷が間隙形成部材71に留まることを防止して、素子基板1の吐出ヒータ2やラッチ回路などの機能素子を保護することができる。また、このエッチングの工程で形成される液流路7の幅よりも間隙形成部材71の幅の方が広くなっているため、SiN膜74の不要な部分を除去した際に素子基板1の吐出ヒータ2側の面が露出することがなく、間隙形成部材71によって素子基板1が確実に保護される。
【0102】
次に、図13(c)では、酢酸、りん酸および硝酸の混酸を用いてAl膜73および25を加温エッチングすることで、Al膜73および75や、Al膜からなる間隙形成部材71を溶出して除去し、素子基板1上に可動部材6および流路側壁9を作り込む。その後、過酸化水素を用いて、素子基板1に形成したパッド保護層としてのTiW膜の、気泡発生領域10およびパッドに対応する部分を除去する。素子基板1と流路側壁9との密着部にも、パッド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれている。
【0103】
以上、本実施形態の構成及び製造方法について説明してきたが、以下に、本実施形態の液体吐出ヘッドにおける予備吐出の制御の一例に関して説明する。
【0104】
図14は、図2に示した粘度測定用回路からの出力電圧を示すグラフである。
液体が液流路内で静止している状態で、粘度センサ駆動回路47から駆動パルスが、粘度センサ200の図2に示した粘度測定用回路へと入力される。粘度測定用回路の抵抗201の値は、このときの吐出口5付近の液体の抵抗値であり、この抵抗値に応じた出力電圧Vが出力される。液体の水分が蒸発することで液体が増粘すると、液体の単位体積当たりのイオン濃度が上がることで液体の抵抗値は下がることとなり、よって、液体の粘度が上がると出力電圧Vは上がることとなる。図14において、液体の粘度が高い場合は、例えば出力電圧はV1となり、液体の粘度が低い場合は出力電圧はV2となる。一方、メモリ49には、出力電圧Vと予備吐出による吐出の回数との関係のデータが予め記憶されている。駆動信号制御回路46は、粘度センサ200の粘度測定用回路からの出力電圧V及びメモリ49の出力電圧Vと予備吐出による吐出の回数の関係より予備吐出の回数を決定し、吐出ヒータ2に予備吐出の回数分の駆動パルスを印加する。すなわち、液体の粘度が高ければ、予備吐出の回数を増やし、液体の粘度が低ければ、予備吐出の回数を減らす。この予備吐出の回数は各液流路毎に制御されるため、各液流路毎に最適な回数の予備吐出がなされ、不必要な予備吐出によるスループットの低下を防止することができる。
【0105】
ただし、本実施形態では液体の粘度は、液体から蒸発した水分量に影響されるものとして説明したが、液体の粘度を決定するファクターは液体から蒸発した水分量だけにより決まるものではなく、温度、液体の種類等の影響も受ける。また、水分が完全に蒸発した状態では、電極200a、200b間を電流が流れなくなる状態もあるが、これらを考慮する場合は、これらの影響を考慮して予備吐出の回数を決定するデータをメモリ49に持たせて制御するものであってもよい。
また、粘度センサ200を予備吐出の回数を制御するのに用いる以外に、液体の吐出量を測定して、液体の吐出量の制御に用いるものとしてもよい。
【0106】
以下に、吐出される液体の吐出量の制御の一例に関して説明する。
【0107】
液体の吐出は、駆動パルスを吐出ヒータ2に印加し、これにより、吐出ヒータ2が発熱して気泡が発生し、可動部材6を変位させて吐出口5から液体が吐出されるものであるが、液体の吐出後、気泡が消滅するに伴い、可動部材6も初期の位置に戻る際に、吐出された液体の体積分を補うために、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、液流路7への液体の充填(リフィル)が行われる。リフィル時における第1の液流路7a内の液体の流量、すなわち、リフィル時に第1の液流路7a内に流れ込む液体の体積分は、吐出された液体の体積分に等しい。また、第1の液流路7a内の液体の流量は、液体の流速の影響を受ける。すなわち、液体の流速が速ければ、流量は多くなる。また、液体の流速は液体の粘度の影響を受ける。すなわち、液体の粘度が低ければ、液体の流速は速くなる。さらに、液体は粘度により導電率、すなわち、抵抗値が異なる。よって、液体の抵抗値(すなわち、粘度測定用回路からの出力電圧V)を測定することで、最終的に液体の吐出量を算出することができる。
【0108】
以上説明したような出力電圧Vと液体の吐出量との関係のデータをメモリ49に、予め記憶しておき、これを基に、駆動信号制御回路46は、吐出ヒータ2に図14に示される電圧差dVを補正するようなパルス幅の駆動パルスを印加する。この駆動パルスの一例を図15に示す。すなわち、駆動信号制御回路46は、液体の粘度が高く吐出量の少ない状態を示す電圧値V1を出力した液流路7に設けられた吐出ヒータ2に、液体の粘度が低く吐出量の多い状態を示す電圧値V2を出力した液流路7に設けられた吐出ヒータ2に印加される駆動パルス幅t2に対して、液体の吐出量の差違をなくすように吐出量を増加させるため、Δtだけパルス幅の広いt1を印加する。これにより、各液流路間での吐出量のばらつきをなくすことができる。
【0109】
なお、パルス幅の制御により記録時の液体の吐出量を制御するだけでなく、上述の予備吐出の回数とパルス幅の制御とを組み合わせて予備吐出を行うようにしてもよい。
【0110】
また、各液流路からの絶対的な液体の吐出量を制御する場合も、液体の所望の吐出量との差違をなくすべく、吐出ヒータ2に印加される駆動パルスのパルス幅を変えてやることで、液体の吐出量を制御するものとしてもよい。
【0111】
あるいは、液体吐出ヘッドから吐出される液体の吐出量が全体的に少ない場合は、保温ヒータ制御回路66が保温ヒータ55を駆動するように信号を出力し、これにより、液体の粘度を下げて、液体の吐出量を増加させるようにするものでもよい。
【0112】
また、これら吐出ヒータ2に印加される駆動パルスのパルス幅を変えての液体の吐出量制御と保温ヒータ55を駆動することで液体の粘度を下げての液体の吐出量制御とを組み合わせて液体の吐出量を制御するものであってもよい。この保温ヒータ55による液体の吐出量の制御は、記録時の液体の吐出量を制御するだけでなく、上述の予備吐出の回数及びパルス幅の制御と組み合わせて予備吐出を行うようにしてもよい。
【0113】
なお、粘度センサ200は、天板3に設けられているものとして説明したが、これに限定されることなく、可動部材6に設けられているものであってもよい。シリコン系の材料からなる可動部材6に粘度センサ200を形成する場合は、素子基板1及び天板3と同様の半導体プロセス技術を用いて形成される。
【0114】
また、粘度センサ200は、天板3のみに設けられている構成、可動部材6のみに設けられている構成に限定されるものではない。例えば、電極200aが天板3に設けられ、電極200bが可動部材6に設けられている構成であってもよい。
【0115】
またさらに、吐出口5の目詰まり等により液体が吐出されていない状態であると粘度センサ駆動部17が判断した場合、不図示の回復制御部に後述の吸引回復動作を実行させる信号を出力し、液体吐出ヘッドの吐出特性を回復させるものであってもよい。ただし、各電極200a、200bはできるだけ吐出口5付近に設けられていることが望ましい。また、電極200a、200bは、吐出ヒータ2の下流側端面よりも下流側に設けられることがさらに望ましい。
【0116】
以上説明したように、本実施形態によれば、各液流路における液体の粘度を直接的に測定し、この測定結果を基に各液流路毎の予備吐出の回数を制御することで不必要な予備吐出を防止し、スループットを向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドに関して説明を行う。
【0117】
図16は本実施形態の液体吐出ヘッドの液体吐出ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。
【0118】
本実施形態の液体吐出ヘッドは、可動部材6に関する構成がない点、及び粘度センサ500が素子基板501側に設けられている点以外は、第1の実施形態の液体吐出ヘッドと基本的に同様であるため、詳細の説明は省略する。
【0119】
粘度センサ500を構成する電極500a及び電極500bはそれぞれ天板503及び素子基板501とに設けられている。
【0120】
なお、本実施形態では天板503及び素子基板501とにそれぞれ電極500a及び電極500bが設けられている構成を説明したが、これに限定されるものではなく、素子基板501に電極500a及び電極500bが設けられている構成であってもよい。ただし、各電極500a、500bはできるだけ吐出口5付近に設けられていることが望ましい。また、電極500a、500bは、吐出ヒータ502の下流側端面よりも下流側に設けられることがさらに望ましい。
【0121】
またさらに、吐出口5の目詰まり等により液体が吐出されていない状態であると不図示の粘度センサ駆動部が判断した場合、不図示の回復制御部に後述の吸引回復動作を実行させる信号を出力し、液体吐出ヘッドの吐出特性を回復させるものであってもよい。
【0122】
以上説明したように、本実施形態によれば、各液流路における液体の粘度を直接的に測定し、この測定結果を基に各液流路毎の予備吐出の回数を制御することで不必要な予備吐出を防止し、スループットを向上させることができる。
【0123】
次に、上述した液体吐出ヘッドが搭載される液体吐出装置について、図17を参照して説明する。
【0124】
図17は、本発明の液体吐出装置の一例の概略斜視図である。また、図18は図17に示した液体吐出装置に用いられる本実施形態の液体吐出ヘッドカートリッジ580の外観斜視図である。図17において、本体フレーム551には、螺旋溝553の刻まれたリードスクリュー552が回転自在に軸支されている。リードスクリュー552は、駆動モータ559の正逆回転に連動し、駆動力伝達ギア560,561を介して回転駆動される。さらに、本体フレーム551には、キャリッジ555を摺動自在に案内する案内レール554が固定されている。キャリッジ555には、螺旋溝553に係合するピン(不図示)が設けられており、駆動モータ559の回転によりリードスクリュー552を回転させることで、キャリッジ555が図示矢印a,b方向に往復移動できるようになっている。紙押え板572は、キャリッジ555の移動方向にわたって、被記録媒体590をプラテンローラ573に対して押圧する。
【0125】
キャリッジ555には、液体吐出ヘッドカートリッジ580が搭載される。液体吐出ヘッドカートリッジ580は、上述した本発明の液体吐出ヘッドをインクタンクと一体化したものである。また、この液体吐出ヘッドカートリッジ580は、キャリッジ555に設けられている位置決め手段および電気的接点によってキャリッジ555に固定支持されるとともに、キャリッジ555に対して着脱可能に設けられている。
【0126】
フォトカプラ557,558は、キャリッジ555のレバー556のこの域での存在を確認して駆動モータ559の回転方向の逆転等を行うためのホームポジション検知手段を構成する。液体吐出ヘッド70の前面(吐出口5が開口した面)をキャップするキャップ部材567は、支持部材562によって支持され、さらに吸引手段566を備え、キャップ内開口568を介して液体吐出ヘッドの吸引回復動作を行う。本体支持板564には支持板565が取り付けられており、この支持板565に摺動自在に支持されたクリーニングブレード563は、図示しない駆動手段によって前後方向に移動される。クリーニングブレード563の形態は図示するものに限られず、公知のものが適用できることはいうまでもない。レバー570は、液体吐出ヘッド70の吸引回復動作を開始するためのもので、キャリッジ555と当接するカム571の移動に伴って移動し、駆動モータ559から駆動力がギアやラッチ切換え等の公知の伝達手段によって移動制御される。
【0127】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復の各処理は、キャリッジ555がホームポジション側領域に移動したときにリードスクリュー552の作用によって、それぞれの対応位置で行われるようになっている。周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0128】
以上説明した液体吐出装置においては、搭載した液体吐出ヘッドの電気熱変換体を駆動するための記録信号を液体吐出ヘッドに与える記録信号供給手段を有し、液体吐出装置の動作を司る制御部を備えている。
【0129】
本発明の液体吐出装置は、上述した本発明の液体吐出ヘッドを搭載しているのでインクの吐出が安定し、その結果、画像品位の劣化が少ない記録装置を達成することができる。なお、上述した液体吐出装置キャリッジ555に液体吐出ヘッドカートリッジ580が着脱可能に搭載される例を示したが、これに限らず、液体吐出ヘッド70をキャリッジ555に一体化し、インクタンクのみを着脱可能に搭載する構成としてもよい。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エネルギ発生素子の、吐出口側の端部より下流側の各液流路内に、液体に接する1組の電極からなる粘度検出手段によって、各液流路内の液体の粘度を直接検出し、この粘度検出手段からの出力に基づいて各エネルギ発生素子に駆動パルスを印加するため、予備吐出時に、液体の粘度に応じて各液流路毎に予備吐出の回数を制御できる。このため、不必要な予備吐出による液体の無駄な消費を防止するとともに、スループットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッド構造を説明するための液流路方向に沿った断面図である。
【図2】粘度センサの粘度測定用回路を説明する図である。
【図3】図1に示した液体吐出ヘッドに用いられる素子基板の断面図である。
【図4】図3に示した素子基板の主要素子を縦断するように素子基板を切断した模式的断面図である。
【図5】図1に示した液体吐出ヘッドの回路構成を説明するための図であり、同図(a)は素子基板の平面図、同図(b)は天板の平面図である。
【図6】図1に示す液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出ヘッドユニットの平面図である。
【図7】センサ出力に応じて吐出ヒータへの印加エネルギーを制御する例の素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【図8】センサ出力に応じて素子基板の温度を制御する例の素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【図9】素子基板上に可動部材を形成する方法を説明するための図である。
【図10】プラズマCVD装置を用いて素子基板上にSiN膜を形成する方法を説明するための図である。
【図11】ドライエッチング装置を用いてSiN膜を形成する方法を説明するための図である。
【図12】素子基板上に可動部材及び流路側壁を形成する方法を説明するための図である。
【図13】素子基板上に可動部材及び流路側壁を形成する方法を説明するための図である。
【図14】粘度センサの粘度測定用回路から出力された出力電圧を示すグラフである。
【図15】吐出ヒータ制御回路から吐出ヒータに印加される印加パルスを示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッド構造を説明するための、液流路方向に沿った断面図である。
【図17】本発明の液体吐出装置の一例の概略斜視図である。
【図18】本発明の液体吐出ヘッドカートリッジの一実施形態の外観斜視図である。
【符号の説明】
1、501 素子基板
2、502 吐出ヒータ
3503 天板
3a、3b 溝
3c 供給口
4 オリフィスプレート
5 吐出口
6 可動部材
6a 支点
6b 自由端
7、507 液流路
7a 第1の液流路
7b 第2の液流路
8 共通液室
9 流路側壁
10 気泡発生領域
11 ドライバ
12 画像データ転送部
14、18 接続用コンタクトパッド
15 外部コンタクトパッド
16 吐出ヒータ制御部
17 粘度センサ駆動部
20 液体吐出ヘッドユニット
21 液体吐出ヘッド
22 ベース基板
23 プリント配線基板
24 配線パターン
25 ボンディングワイヤ
38 駆動タイミング制御ロジック回路
39 AND回路
41、56 パワートランジスタ
42 画像データ転送回路
45a、45c〜45e、45i、45h、45j、45k〜45n 入力端子
45b、45g 接地端子
45f 駆動電源端子45f
46 駆動信号制御回路
47 粘度センサ駆動回路
48a〜48d 端子
49 メモリ
63 センサ
66 保温ヒータ制御回路
71、71a 間隙形成部材
72、72a、74 SiN膜
73、75 Al膜
76 TiW膜
81a、82a、81b、82b RF電源
83a、83b 反応室
84a、84b 供給管
85a、85b ステージ
86 プラズマ
200、500 粘度センサ
200a、200b、500a、500b 電極
201、203 抵抗
202 入力パルス電圧
204 オペアンプ
301 シリコン基板
302 熱酸化膜
303 層間膜
304 抵抗層
305 配線
306 保護膜
307 耐キャビテーション層
308 熱作用部
422 N型ウェル領域
423 P型ウェル領域
425、432 ソース領域
436、431 ドレイン領域
428 ゲート絶縁膜
434 蓄熱層
435 ゲート配線
436、438 層間絶縁膜
437 Al電極
420 P−Mos
421 N−Mos
424 酸化膜分離領域
551 本体フレーム
552 リードスクリュー
553 螺旋溝
554 案内レール
555 キャリッジ
556、570 レバー
557、558 フォトカプラ
559 駆動モータ
560、561 駆動力伝達ギア
562 支持部材
563 クリーニングブレード
564 本体支持板
565 支持板
566 吸引手段
567 キャップ部材
568 キャップ内開口
571 カム
572 紙押え板
573 プラテンローラ
580 液体吐出ヘッドカートリッジ
590 被記録媒体

Claims (9)

  1. 液体に気泡を発生させるための熱エネルギを発生するエネルギ発生素子が表面に並列に複数設けられた素子基板と、前記素子基板に対向して接合されることで、前記各エネルギ発生素子に対応し、かつ、上流側より供給される液体を下流側に設けられた吐出口から吐出する、該吐出口に連通する複数の液流路を形成する天板とを有する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記素子基板に設けられた前記エネルギ発生素子の、前記吐出口側の端部より下流側の前記各液流路内に、液体に接する1組の電極からなり前記各液流路内の液体の粘度を検出する粘度検出手段を備え、
    前記粘度検出手段からの出力に基づいた駆動パルスを前記各エネルギ発生素子に印加する吐出制御手段を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記エネルギ発生素子は液体に熱エネルギを作用させることで液体に気泡を発生させるものであり、
    前記液流路には前記エネルギ発生素子に面して配され前記吐出口に向かう下流側が自由端となる可動部材が設けられており、前記各電極のうち少なくとも1つが前記可動部材に設けられている請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記各電極のうち少なくとも1つが、前記天板の、前記各液流路内の液体に面する壁面に設けられている請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記各電極のうち少なくとも1つが、前記素子基板の、前記各液流路内の液体に面する壁面に設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記吐出制御手段は、前記駆動パルスを印加する回数を制御する請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記吐出制御手段は、前記駆動パルスのパルス幅を制御する請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記吐出制御手段は、各吐出口から吐出される液体の各吐出量を略同一にするように、前記各エネルギ発生素子に印加する前記駆動パルスのパルス幅を制御する請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記吐出制御手段は、前記素子基板に設けられ、全ての前記液流路内の液体を加熱する保温ヒータに駆動信号を印加する請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 被記録媒体を搬送する搬送手段と、液体を吐出し、前記被記録媒体に記録を行う請求項1ないしのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを保持し、かつ、前記被記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に往復移動する保持手段とを有することを特徴とする液体吐出装置。
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