JP2000343700A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出記録装置

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JP2000343700A
JP2000343700A JP15835999A JP15835999A JP2000343700A JP 2000343700 A JP2000343700 A JP 2000343700A JP 15835999 A JP15835999 A JP 15835999A JP 15835999 A JP15835999 A JP 15835999A JP 2000343700 A JP2000343700 A JP 2000343700A
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liquid
movable member
pressure sensor
film
liquid discharge
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Shinji Watanabe
伸二 渡辺
Akihiro Yamanaka
昭弘 山中
Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Yoshiyuki Imanaka
良行 今仲
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Canon Inc
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048Movable member in the chamber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/13Heads having an integrated circuit

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各ノズル内の液体の発泡状態を監視して各発
熱素子による液滴吐出を安定化させることができる記録
ヘッドを提供する。 【解決手段】 吐出ノズル内で発熱体2に被さるように
配された可動部材6に、ポリシリコン膜もしくは圧電素
子からなる圧力センサ素子200が作り込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録ヘッドの吐出制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体吐出記録装置、特にインクジェット
式記録装置は、現代のビジネスオフィスやその他の事務
処理部門において広汎に使用されている。
【0003】このような記録装置に備わるヘッド(イン
クジェット記録ヘッドと言う)は、インク等の記録液を
吐出する複数の微細な穴(オリフィス)、各オリフィス
にそれぞれ連通する複数の液流路および各液流路内に位
置付けられた吐出エネルギー発生素子を備えている。こ
の吐出エネルギー発生素子に記録情報に対応した駆動信
号を印加し、吐出エネルギー発生素子の位置する液流路
内の記録液に吐出エネルギーを付与することによって、
記録液をオリフィスから飛翔液滴として吐出させて記録
を行なうように構成されている。
【0004】この種のインクジェット記録ヘッドは例え
ば図15に示すように、高精度にオリフィスが形成され
たオリフィスプレート100と、そのオリフィスにそれ
ぞれ連通する複数の液流路溝を持つ天板101と、表面
に複数の吐出エネルギー発生素子102が形成されたS
i基板からなる素子基板103とから構成される。オリ
フィスプレート100のオリフィス104、天板101
の液流路溝、素子基板103上の吐出エネルギー発生素
子102がそれぞれ対応するように位置決めし、ばね等
の付勢手段あるいは接着剤により接合され、素子基板1
03の電気配線の端部に位置し、本体装置から駆動信号
などの電気信号を受けるパッドを有する配線基板(不図
示)と共に、ベースプレート105上に固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなインクジェ
ット記録装置は、高精細な記録画像の形成、保守点検が
比較的容易等のユーザ要求に答えられるように開発、研
究が図られている。
【0006】本発明者らは鋭意研究の結果、上述の要求
に答えられる記録装置を提供するために、ノズル内に可
動部材を設け、この可動部材の変位時のひずみを検出す
ることで、液体の発泡状態から発熱素子の駆動条件を調
整することができるヘッド構成を新規に見い出した。
【0007】そこで本発明の目的は、各ノズル内の液体
の発泡状態を監視して各発熱素子による液滴吐出を安定
化させることができる記録ヘッドおよび記録装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、液体を吐出する複数の吐出口の各々に連通
する複数の液流路を構成するために互いに接合された第
1の基板および第2の基板内に、前記吐出口から液体を
吐出する吐出エネルギーを発生させるために前記各液流
路内に配された複数のエネルギー発生素子と、該エネル
ギー発生素子の駆動条件を制御するための、機能が異な
る複数の素子あるいは電気回路とを備え、さらに前記各
液流路内に可動部材を備えた液体吐出ヘッドにおいて、
前記可動部材に作り込まれた圧力センサ素子と、該圧力
センサ素子で検出した出力値を読み取る回路部とを備え
たことを特徴とする。
【0009】前記圧力センサ素子はポリシリコン膜や圧
電素子を用いたことを特徴とする。
【0010】上記の液体吐出ヘッドは、前記回路部で得
た出力値に基づき前記エネルギー発生素子を調整しなが
ら駆動して液体を吐出することを特徴とする。
【0011】また前記圧力センサ素子がポリシリコン膜
の場合は、前記ポリシリコン膜の温度を検出する温度セ
ンサを備えることが望ましい。
【0012】この温度センサを備えた液体吐出ヘッド
は、前記回路部で得た出力値を、前記温度センサで得た
ポリシリコン膜の温度をもとに補正し、この補正した値
に基づき前記エネルギー発生素子を調整しながら駆動し
て液体を吐出する。
【0013】さらに前記エネルギー発生素子は電気熱変
換素子である。
【0014】また本発明は上記の液体吐出ヘッドにより
記録媒体に液体を吐出して記録を行う液体吐出記録装置
をも含む。
【0015】上記のとおりの発明では、圧力センサ素子
を有する可動部材が液流路内に配されていることによ
り、発熱体上に発生した気泡による発泡圧力が、可動部
材の変位に応じる圧力センサ素子によって電気的に測定
することが可能である。特に、液体中の可動部材の変位
量からは発泡圧力を予測できる事により、エネルギー発
生素子の駆動条件を調整して、吐出特性を安定化させる
ことが可能である。
【0016】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(または可動
部材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関し
て、またはこの構成上の方向に関しての表現として用い
られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施形態である液体吐
出ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。
【0019】図1に示すように、この液体吐出ヘッド
は、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与え
る複数個(図1では1つのみ示す)の発熱体2が並列に
設けられた素子基板1と、この素子基板1上に接合され
た天板3と、素子基板1および天板3の前端面に接合さ
れたオリフィスプレート4と、素子基板1と天板3とで
構成される液流路7内に設置された可動部材6と、可動
部材6に設けられ、液体を発泡させた際の気泡の圧力
や、液体の流れによる流圧を可動部材6の歪み又は振動
によって検出する圧力センサ(不図示)とを有する。
【0020】素子基板1は、シリコン等の基板上に絶縁
および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または窒化シリ
コン膜を成膜し、その上に、発熱体2を構成する電気抵
抗層および配線をパターニングしたものである。この配
線から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵抗層に電流を
流すことで発熱体2が発熱する。
【0021】天板3は、各発熱体2に対応した複数の液
流路7および各液流路7に液体を供給するための共通液
室8を構成するためのもので、天井部分から各発熱体2
の間に延びる流路側壁9が一体的に設けられている。天
板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および共
通液室9のパターンをエッチングで形成したり、シリコ
ン基板上にCVD等の公知の成膜方法により窒化シリコ
ン、酸化シリコンなど、流路側壁9となる材料を堆積し
た後、液流路7の部分をエッチングして形成することが
できる。
【0022】オリフィスプレート4には、各液流路7に
対応しそれぞれ液流路7を介して共通液室8に連通する
複数の吐出口5が形成されている。オリフィスプレート
4もシリコン系の材料からなるものであり、例えば、吐
出口5を形成したシリコン基板を10〜150μm程度
の厚さに削ることにより形成される。なお、オリフィス
プレート4は本発明には必ずしも必要な構成ではなく、
オリフィスプレート4を設ける代わりに、天板3に液流
路7を形成する際に天板3の先端面にオリフィスプレー
ト4の厚さ相当の壁を残し、この部分に吐出口5を形成
することで、吐出口付きの天板とすることもできる。
【0023】可動部材6は、液流路7を吐出口5に連通
した第1の液流路7aと、発熱体2を有する第2の液流
路7bとに分けるように、発熱体2に対面して配置され
た片持梁状の薄膜であり、窒化シリコンや酸化シリコン
などのシリコン系の材料で形成される。
【0024】この可動部材6は、液体の吐出動作によっ
て共通液室8から可動部材6を経て吐出口5側へ流れる
大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6aに
対して下流側に自由端6bを持つように、発熱体2に面
した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から所
定の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可動部
材6との間が気泡発生領域10となる。
【0025】上記構成に基づき、発熱体2を発熱させる
と、可動部材6と発熱体2との間の気泡発生領域10の
液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現象
に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の成長に伴
う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は図
1に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口5
側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位もし
くは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力の
伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口5
から液体が吐出する。
【0026】つまり、気泡発生領域10上に、液流路7
内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6aを
持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部材
6を設けることによって、気泡の圧力伝搬方向が下流側
へ導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与す
ることになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝搬
方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大きく
成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部材
によって制御し、気泡の圧力伝搬方向を制御すること
で、吐出効率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出
特性を向上させることができる。
【0027】一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材
6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部
材6も最終的には図1に実線で示した初期位置に復帰す
る。このとき、気泡発生領域10での気泡の収縮体積を
補うため、また、吐出された液体の体積分を補うため
に、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、
液流路7への液体の充填(リフィル)が行われるが、こ
の液体のリフィルは、可動部材6の復帰作用に伴って効
率よく合理的かつ安定して行われる。
【0028】また、本実施形態の液体吐出ヘッドは、発
熱体2を駆動したりその駆動を制御するための回路や素
子を有する。これら回路や素子は、その機能に応じて素
子基板1または天板3に分担して配置されている。ま
た、これら回路や素子は、素子基板1および天板3がシ
リコン材料で構成されていることから、半導体ウェハプ
ロセス技術を用いて容易かつ微細に形成することができ
る。
【0029】以下に、半導体ウェハプロセス技術を用い
て形成された素子基板1の構造について説明する。
【0030】図2は、図1に示す液体吐出ヘッドに用い
られる素子基板の断面図である。図2に示すように、本
実施形態の液体吐出ヘッドに用いられる素子基板1で
は、シリコン基板301の表面に、蓄熱層としての熱酸
化膜302および、蓄熱層を兼ねる層間膜303がこの
順番で積層されている。層間膜303としては、SiO
2膜またはSi34膜が用いられている。層間膜303
の表面に部分的に抵抗層304が形成され、抵抗層30
4の表面に部分的に配線305が形成されている。配線
305としては、Alまたは、Al−Si,Al−Cu
などのAl合金配線が用いられている。この配線30
5、抵抗層304および層間膜303の表面に、SiO
2膜またはSi34膜から成る保護膜306が形成され
ている。保護膜306の表面の、抵抗層304に対応す
る部分およびその周囲には、抵抗層304の発熱に伴う
化学的および物理的な衝撃から保護膜306を守るため
の耐キャビテーション膜307が形成されている。抵抗
層304表面の、配線305が形成されていない領域
は、抵抗層304の熱が作用する部分となる熱作用部3
08である。
【0031】この素子基板1上の膜は半導体の製造技術
によりシリコン基板301の表面に順に形成され、シリ
コン基板301に熱作用部308が備えられている。
【0032】図3は、図2に示す素子基板1の主要素子
を縦断するように素子基板1を切断した模式的断面図で
ある。
【0033】図3に示すように、P導電体であるシリコ
ン基板301の表層にはN型ウェル領域422およびP
型ウェル領域423が部分的に備えられている。そし
て、一般的なMosプロセスを用いてイオンプラテーシ
ョンなどの不純物導入および拡散によって、N型ウェル
領域422にP−Mos420が、P型ウェル領域42
3にN−Mos421が備えられている。P−Mos4
20は、N型ウェル領域422の表層に部分的にN型あ
るいはP型の不純物を導入してなるソース領域425お
よびドレイン領域426や、N型ウェル領域422の、
ソース領域425およびドレイン領域426を除く部分
の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜428を介して堆積
されたゲート配線435などから構成されている。ま
た、N−Mos421は、P型ウェル領域423の表層
に部分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソ
ース領域425およびドレイン領域426や、P型ウェ
ル領域423の、ソース領域425およびドレイン領域
426を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜4
28を介して堆積されたゲート配線435などから構成
されている。ゲート配線435は、CVD法により堆積
した厚さ4000Å〜5000Åのポリシリコンから成
るものである。これらのP−Mos420およびN−M
os421からC−Mosロジックが構成されている。
【0034】P型ウェル領域423の、N−Mos42
1と異なる部分には、電気熱変換素子駆動用のN−Mo
sトランジスタ430が備えられている。N−Mosト
ランジスタ430も、不純物導入および拡散などの工程
によりP型ウェル領域423の表層に部分的に備えられ
たソース領域432およびドレイン領域431や、P型
ウェル領域423の、ソース領域432およびドレイン
領域431を除く部分の表面にゲート絶縁膜428を介
して堆積されたゲート配線433などから構成されてい
る。
【0035】本実施形態では、電気熱変換素子駆動用の
トランジスタとしてN−Mosトランジスタ430を用
いたが、複数の電気熱変換素子を個別に駆動できる能力
を持ち、かつ、上述したような微細な構造を得ることが
できるトランジスタであれば、このトランジスタに限ら
れない。
【0036】P−Mos420とN−Mos421との
間や、N−Mos421とN−Mosトランジスタ43
0との間などの各素子間には、5000Å〜10000
Åの厚さのフィールド酸化により酸化膜分離領域424
が形成されており、その酸化膜分離領域424によって
各素子が分離されている。酸化膜分離領域424の、熱
作用部308に対応する部分は、シリコン基板301の
表面側から見て一層目の蓄熱層434としての役割を果
たす。
【0037】P−Mos420、N−Mos421およ
びN−Mosトランジスタ430の各素子の表面には、
厚さ約7000ÅのPSG膜またはBPSG膜などから
成る層間絶縁膜436がCVD法により形成されてい
る。熱処理により層間絶縁膜436を平坦化した後に、
層間絶縁膜436およびゲート絶縁膜428を貫通する
コンタクトホールを介して第1の配線層となるAl電極
437により配線が行われている。層間絶縁膜436お
よびAl電極437の表面には、厚さ10000Å〜1
5000ÅのSiO2膜から成る層間絶縁膜438がプ
ラズマCVD法により形成されている。層間絶縁膜43
8の表面の、熱作用部308およびN−Mosトランジ
スタ430に対応する部分には、厚さ約1000ÅのT
aN0.8,he x膜から成る抵抗層304がDCスパッタ法
により形成されている。抵抗層304は、層間絶縁膜4
38に形成されたスルーホールを介してドレイン領域4
31の近傍のAl電極437と電気的に接続されてい
る。抵抗層304の表面には、各電気熱変換素子への配
線となる第2の配線層としての、Alの配線305が形
成されている。
【0038】配線305、抵抗層304および層間絶縁
膜438の表面の保護膜306は、プラズマCVD法に
より形成された厚さ10000ÅのSi34膜から成る
ものである。保護膜306の表面に形成された耐キャビ
テーション膜307は、厚さ約2500ÅのTaなどの
膜から成るものである。
【0039】次に、気泡発生領域10に面して設けられ
た、圧力センサを有する可動部材6について図4および
図5を参照して説明する。
【0040】図4(a)は圧力センサを有する可動部材
6を備えたノズルを素子基板1に垂直に流路方向に沿っ
て切断した断面図であり、図4(b)は図4(a)にお
いて発熱体2で液体に発生した気泡に伴って変位する可
動部材6の様子を示している。また、図5は各液流路に
配設された可動部材6の圧力センサに対する電気配線を
示すために素子基板1に平行な方向に沿って切断した断
面図である。
【0041】図4に示すように可動部材6内に、各電極
201にリード配線202と繋がった電極201が両端
に形成された圧力センサ素子200が作り込まれてい
る。例えばSiNからなる可動部材6内の圧力センサ素
子200としては、ポリシリコン膜におけるピエゾ抵抗
効果を利用した半導体ひずみゲージや、外部からの圧力
で電圧が発生する圧電素子を用いる。本例では、センサ
素子が効率的に屈曲するように、圧力センサ素子200
の上部と下部の両方又は一方の可動部材を一部除去して
ある。また図5に示すように各液流路における可動部材
6の圧力センサ素子200の両端の電極201のうち、
一方の電極はこれと同じ他の圧力センサ素子の一方の電
極と共に共通配線202aに繋がっており、もう一方の
電極は各可動部材に個別に設けられたセグメント配線2
02bに繋がっている。
【0042】次に、フォトリソグラフィプロセスを利用
した、圧力センサを有する可動部材6の素子基板1への
製造方法について説明する。
【0043】図6及び図7は、図1及び図4に示した可
動部材の液体吐出ヘッドへの製造方法の一例を説明する
ための図であり、図6及び図7では、図1及び図4に示
した液流路7の流路方向に沿った断面が示されている。
図6及び図7に基づいて説明する製造方法では、素子基
板1上に可動部材6を形成してなるものと、天板に流路
側壁を形成してなるものとを接合することで、図1に示
した構成の液体吐出ヘッドを製造する。従って、この製
造方法では、可動部材6が作り込まれた素子基板1に天
板を接合する前に、その天板には流路側壁が作り込まれ
る。
【0044】まず、図6(a)では、素子基板1の発熱
体2側の面全体に、発熱体2との電気的な接続を行うた
めの接続用パッド部分を保護するための第1の保護層と
してのTiW膜76をスパッタリング法によって厚さ約
5000Å形成する。
【0045】次に、図6(b)では、TiW膜76の表
面に、間隙形成部材71aを形成するためのAl膜をス
パッタリング法によって厚さ約4μm形成する。間隙形
成部材71aは、後述する図6(g)の工程において、
SiN膜72aがエッチングされる領域までに延在され
ている。
【0046】形成されたAl膜を、周知のフォトリソグ
ラフィプロセスを用いてパターニングすることで、その
Al膜の、可動部材6の支持固定部に対応する部分のみ
を除去し、TiW膜76の表面に間隙形成部材71aを
形成する。従って、TiW膜76表面の、可動部材6の
支持固定部に対応する部分が露出することになる。この
間隙形成部材71aは、素子基板1と可動部材6との間
の間隙を形成するための、Al膜からなるものである。
間隙形成部材71aは、図1に示した発熱体2と可動部
材6との間の気泡発生領域10に対応する位置を含む、
TiW膜76の表面の、可動部材6の支持固定部に対応
する部分を除く部分全てに形成されている。従って、こ
の製造方法では、TiW膜76の表面の、流路側壁に対
応する部分にまで間隙形成部材71aが形成されてい
る。
【0047】この間隙形成部材71aは、後述するよう
にドライエッチングにより可動部材6を形成する際のエ
ッチングストップ層として機能する。これは、TiW膜
76や、素子基板1における耐キャビテーション膜とし
てのTa膜、および抵抗体上の保護層としてのSiN膜
が、液流路7を形成するために使用するエッチングガス
によりエッチングされてしまうからであり、それらの層
や膜のエッチングを防止するために、このような間隙形
成部材71aを素子基板1上に形成する。これにより、
可動部材6を形成するためにSiN膜のドライエッチン
グを行う際にTiW膜76の表面が露出することがな
く、そのドライエッチングによるTiW膜76および、
素子基板1内の機能素子の損傷が間隙形成部材71aに
よって防止される。
【0048】次に、図6(c)では、間隙形成部材71
aの表面全体および、TiW膜76の、露出した面全体
に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を形成する
ための材料膜である厚さ約2.5μmのSiN膜72a
を、間隙形成部材71aを被覆するように形成する。
【0049】次に、SiN膜72aの表面全体にポリシ
リコン膜を形成した後、形成されたポリシリコン膜を周
知のフォトリソグラフィプロセスを用いてパターニング
し、可動部材6の圧力センサ素子200(図4参照)に
対応する部分にポリシリコン膜200aを残す。
【0050】次に、図7(a)に示すように、圧力セン
サ素子になるポリシリコン膜200aの両端部に対して
それぞれ、AlもしくはCu/Wでリード配線202
a、202b(図4及び図5参照)をパターニングす
る。
【0051】次に、図7(b)では、SiN膜72aの
表面全体に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を
形成するための材料膜である厚さ約2.0μmのSiN
膜72bを、ポリシリコン膜200a及びリード配線2
02a,202bを被覆するように形成する。
【0052】次に、SiN膜72bの表面に、スパッタ
リング法によりAl膜を厚さ約6100Å形成した後、
形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセ
スを用いてパターニングし、SiN膜72b表面の、可
動部材6に対応する部分に第2の保護層としてのAl膜
(不図示)を残す。但し、後述のドライエッチングの際
にポリシリコン膜200aの一部が露出されるように、
ポリシリコン膜200a上のSiN膜72bの表面の一
部には前記第2の保護層としてのAl膜(不図示)は残
さない。この第2の保護層としてのAl膜は、可動部材
6を形成するためにSiN膜72a及び72bにドライ
エッチングを行う際の保護層(エッチングストップ層)
すなわちマスクとなる。
【0053】そして、図7(c)では、誘電結合プラズ
マを使ったエッチング装置を用い、前記第2の保護層を
マスクにしてSiN膜72a及び72bをパターニング
することで、そのSiN膜72a及び72bの残った部
分で構成される可動部材6を形成する。そのエッチング
装置ではCF4とO2の混合ガスを用いており、SiN膜
72a及び72bをパターニングする工程では、図1に
示したように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直
接固定されるようにSiN膜72aの不要な部分を除去
する。可動部材6の支持固定部と素子基板1との密着部
の構成材料には、パッド保護層の構成材料であるTi
W、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材
料であるTaが含まれる。
【0054】次に、図7(d)では、酢酸、りん酸およ
び硝酸の混酸を用いて、可動部材6に形成したAl膜か
らなる前記第2の保護層や、Al膜からなる間隙形成部
材71aを溶出して除去し、素子基板1上に可動部材6
を作り込む。その後、過酸化水素を用いて、素子基板1
に形成したTiW膜76の、気泡発生領域10およびパ
ッドに対応する部分を除去する。
【0055】以上のようにして、圧力センサ素子を有す
る可動部材6が設けられた素子基板1が製造される。こ
こでは、図1に示したように可動部材6の支持固定部が
素子基板1に直接固定されているものを製造する場合で
説明したが、この製造方法を適用して、可動部材が台座
部を介して素子基板に固定された液体吐出ヘッドを製造
することもできる。この場合、図6(b)に示した間隙
形成部材71aを形成する工程の前に、可動部材の、自
由端と反対側の端部を素子基板に固定するための台座部
を素子基板の発熱体側の面上に形成する。この場合で
も、台座部と素子基板との密着部の構成材料には、パッ
ド保護層の構成材料であるTiW、および素子基板の耐
キャビテーション膜の構成材料であるTaが含まれる。
【0056】その後、他方の素子基板3である天板側に
おいては、電気的な接続用パッドが形成された表面上
に、金バンプ等を形成し、凸電極部を形成する。
【0057】そして、図示しないが、天板側の凸電極
と、素子基板1側の凹電極間で、金属の共晶を利用した
接合を行った。この際、両側の金属種は、同種金属を採
用した方が接合時の温度・圧力を低減でき、かつ、接合
強度を高めることができる。
【0058】次に、エキシマレーザを用いて、フェイス
全面に設置したコンタクトマスクを介して、オリフィス
5を形成した。以上のようにして図1に示した液体吐出
ヘッドが作製される。
【0059】上述した製法例では、流路側壁9を天板3
側に形成しておく場合を説明したが、フォトリソグラフ
ィプロセスを用いて、素子基板1への可動部材6の形成
と同時に、流路側壁9を素子基板1側に形成してもよ
い。また、ポリシリコン膜200aを用いた半導体圧力
センサを有する構造についての製法を説明したが、ポリ
シコン膜200aを圧電素子に代えても上記と同様の製
法で本発明の液体吐出ヘッドを作製し得る。
【0060】図8は、可動部材6に設けた圧力センサで
検出した出力信号を演算して、発熱体への印加エネルギ
ーを制御する素子基板1および素子基板3の回路構成の
一例を示している。
【0061】図8(a)に示すように、素子基板1に
は、一列に配列された発熱体2と、ドライバとして機能
するパワートランジスタ41と、パワートランジスタ4
1の駆動を制御するためのAND回路39と、パワート
ランジスタ41の駆動タイミングを制御するための駆動
タイミング制御ロジック回路38と、シフトレジスタお
よびラッチ回路で構成される画像データ転送回路42
と、各発熱体2上方に面する可動部材の変位量を監視す
ることで発熱体2による発泡時の圧力を検出する圧力セ
ンサ(不図示)とが形成されている。
【0062】駆動タイミング制御ロジック回路38は、
装置の電源容量を少なくする目的で、全ての発熱体2を
同時に通電するのではなく発熱体2を分割駆動して時間
をずらして通電するためのものであり、この駆動タイミ
ング制御ロジック回路38を駆動するイネーブル信号
は、外部コンタクトパッドであるイネーブル信号入力端
子45k〜45nから入力される。
【0063】また、素子基板1に設けられる外部コンタ
クトパッドとしては、イネーブル信号入力端子45k〜
45nの他に、発熱体2の駆動電源の入力端子45a、
パワートランジスタ41の接地端子45b、発熱体2を
駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用の入
力端子45c〜45e、ロジック回路の駆動電源端子4
5f、接地端子45g、画像データ転送回路42のシフ
トレジスタに入力されるシリアルデータの入力端子45
iおよびこれに同期するシリアルクロック信号の入力端
子45h、ラッチ回路に入力されるラッチクロック信号
の入力端子45jがある。
【0064】一方、図8(b)に示すように、天板であ
る素子基板3には、前記圧力センサを駆動するためのセ
ンサ駆動回路47と、前記圧力センサからの出力をモニ
タしその結果に応じて発熱体2への印加エネルギーを制
御するための駆動信号制御回路46と、前記圧力センサ
で検出された出力値データあるいは出力値からランク分
けされたコード値、および予め測定されている各発熱体
2による液体吐出量特性(一定温度で、所定のパルス印
加における液体吐出量)をヘッド情報として記憶し駆動
信号制御回路46に出力するメモリ49とが形成されて
いる。
【0065】また、接続用コンタクトパッドとして、素
子基板31および天板32には、吐出ヒータ用ランクヒ
ータ43とセンサ駆動回路47とを接続する端子44
g,44h,48g,48h、外部から上記発熱体2を
駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用の入
力端子45c〜45eと駆動信号制御回路46とを接続
する端子44b〜44d,48b〜48d、駆動信号制
御回路46の出力をAND回路39の一方の入力端子に
入力させるための端子48a等が設けられている。
【0066】以上の構成において、まず、可動部材6の
変位が圧力センサ素子200で検出され、その結果がメ
モリ49に記憶される。駆動信号制御回路46では、メ
モリ49に記憶された出力値データおよび液体吐出量特
性に応じて発熱体2の駆動パルスの立ち上がりデータお
よび立ち下がりデータを決定し、端子48a,44aを
介してAND回路39に出力する。一方、シリアルで入
力された画像データは、画像データ転送回路42のシフ
トレジスタに記憶され、ラッチ信号によりラッチ回路に
ラッチされて、駆動タイミング制御回路38を介してA
ND回路39に出力される。これにより、立ち上がりデ
ータおよび立ち下がりデータに応じてヒートパルスのパ
ルス幅が決定され、このパルス幅で発熱体2への通電が
行われる。その結果、発熱体2にはほぼ一定のエネルギ
ーが印加される。
【0067】次に、図9〜図11を参照して、前記圧力
センサ素子からの出力をモニターするための回路例を説
明する。
【0068】図9はポリシリコン膜を用いた圧力センサ
からの出力をモニターするための回路図であり、(a)
は図4及び図5に示した可動部材の圧力センサによる出
力電圧を検出する回路図、(b)は(a)の模式的な回
路図を示している。
【0069】図9において、通常時のポリシリコン膜2
00aの抵抗値をrとすると、電流計203にはi=VDD
/(R0+R×r(R+r))の電流が流れる。いま、吐出エネルギ
ー発生素子である発熱体を通電させ、記録液を発泡させ
た場合、発泡の圧力により可動部材(弁)6及びポリシ
リコン膜200aが変位する。ポリシリコンは変位にほ
ぼ比例して抵抗値が増加する特性を持つため、ポリシリ
コン膜200aの抵抗値rが可動部材6の変位に伴って
変化し、その結果、電流計4によって測定される電流値
も変化する。すなわち、電流値の変化によって可動部材
6の変位量及び発泡圧力、吐出エネルギーや可動部材後
方(共通液室側)への圧力が計測可能となる。
【0070】また図9の回路において、Vout端子の電
圧はVDD−i×Rであり、この電圧もポリシリコン膜20
0aの抵抗値変化に伴い変化する。よって、このVout
出力を素子基板3内部のメモリ49(図8参照)にフィ
ードバックする。この場合、駆動信号制御回路46で、
このフィードバックされた信号をもとに駆動パルスの切
り替えや選択、パルス幅調整などを行うことで常に安定
した発泡圧力を得ることができる。
【0071】上記のように圧力センサ素子にポリシリコ
ン膜を用いた場合、ポリシリコンは温度によってひずみ
抵抗が変化する特性を持つ。そのため、図10の例では
ポリシリコン膜200aの温度をモニターする温度セン
サ204をさらに備えていることが望ましい。つまり図
10において、ポリシリコン膜200aに温度センサ2
04を介して電圧VDDを供給することにより、発泡にお
いて発生する熱の温度変化によるポリシリコン膜2の特
性変化を補償して、上述のフィードバック制御をより正
確に行うことができる。
【0072】また圧力センサ素子に圧電素子を用いた場
合は、図11に示す回路のように、記録液発泡時の圧力
による圧電素子205の変位に伴う起電力を電圧計20
6によって測定することにより、可動部材6の変位量及
び発泡の圧力が計測可能となる。
【0073】さらに図11の回路において、Vout端子
の電圧は圧電素子205の起電力である。よって、この
Vout出力を素子基板3内部のメモリ49(図8参照)
にフィードバックする。この場合も、駆動信号制御回路
46で、このフィードバックされた信号をもとに駆動パ
ルスの切り替えや選択を行うことで常に安定した発泡圧
力を得ることができる。
【0074】上述のように、良好な画像品位を得るため
に発熱体2の駆動を制御しても、共通液室内に気泡が発
生し、これが液体のリフィルとともに液流路内に移動し
てくると、共通液室内には液体が存在するにもかかわら
ず、液体が吐出されないという不具合が発生する場合が
ある。
【0075】そこで、これに対処するために、各液流路
内の可動部材6に設けた圧力センサで発泡状態の異常が
検出されたらその結果を後述の吸引回復操作を制御する
回路に出力させる処理回路を素子基板1又は3に設けて
もよい。そして、この処理回路からの出力に基づき、後
述の液体吐出記録装置側のインク吸引手段で、液体吐出
ヘッド内の液体を吐出口から強制的に吸引するようにす
れば、液流路内の気泡を除去することができる。
【0076】次に、上記の圧力センサを用いた発泡状態
の検知および不良回復動作の例を図12及び図13を用
いて説明する。
【0077】図12は非印字時に発泡状態の異常を検出
してヘッドの吐出回復を図る制御動作を説明するための
フローチャートである。ここでいう非印字時は、記録装
置の電源投入時や回復後や印字前などに実施されるノズ
ルからの予備吐出動作の時である。図12に示すよう
に、設定された駆動条件のとおりヒータ(発熱体2)が
駆動される(ステップS1〜S3)。この時、正常にヒ
ータ表面に気泡が発生すれば、この時の発泡圧力によっ
て可動部材が変位する。よって、ヒータ駆動に応じて可
動部材が変位したかどうかで発泡状態の良否が判別でき
ると共に、可動部材の変位量で発泡パワーの大きさが判
る。そこで、ヒータ駆動後に、可動部材に設けた圧力セ
ンサからの出力が検知され、その出力値で発泡状態の良
否が判定される(ステップS3、S4)。
【0078】発泡状態が不良、すなわち吐出不良の場合
はその不良ノズルが記憶される(ステップS5)。一
方、発泡状態に問題が無ければ、圧力センサからの出力
値データを図8に示したメモリ49にフィードバック
し、印字時に、その記録した出力値データを駆動信号制
御回路46によって参照しながら発熱体2への印加パル
スの幅を調整してもよい(ステップS7)。
【0079】以上のステップS1〜S7の操作を全ノズ
ルに対して行う(ステップS8)。なお、本例では各ノ
ズルの発泡状態を順次にセンサーで判定する方法を採っ
たが、複数ノズルの発泡状態を判定する方法であっても
よい。
【0080】全ノズルの発泡状態を判定した後、全ノズ
ルのセンサー出力が良好であったか、つまり不良ノズル
は無かったかを判定する(ステップS10)。全ノズル
のセンサー出力が良好で無い場合はノズルに対して後述
の装置本体の吸引回復操作が実施される(ステップS1
0)。
【0081】以上のようにして非印字時の発泡状態検知
シーケンスが終了する。
【0082】一方、図13は印字時に発泡状態の異常を
検出してヘッドの吐出回復を図る制御動作を説明するた
めのフローチャートである。同図に示すように、所定の
画像データに基づく印字命令が終了するまで、設定され
た駆動条件のとおりヒータ(発熱体2)が駆動され、印
字が行なわれる(ステップS12〜S13)。このヒー
タ駆動後は、図12に示したシーケンスと同様、可動部
材に設けた圧力センサからの出力が検知され、その出力
値で発泡状態の良否が判定される(ステップS14、S
15)。
【0083】発泡状態が不良、すなわち吐出不良の場合
はその不良ノズルが記憶される(ステップS16)。一
方、発泡状態に問題が無ければ、圧力センサからの出力
値データを図8に示したメモリ49にフィードバック
し、その記録した出力値データを駆動信号制御回路46
によって参照しながら次回印字時の発熱体2への印加パ
ルスの幅を調整する(ステップS17)。
【0084】全印字ノズルの発泡状態を判定した後、全
印字ノズルのセンサー出力が良好であったか、つまり不
良ノズルは無かったかを判定する(ステップS18)。
全印字ノズルのセンサー出力が良好で無い場合は後述の
装置本体の吸引回復操作が実施される。
【0085】以上のようにして印字時の発泡状態検知シ
ーケンスが終了する。
【0086】(その他の実施の形態)図14は、上述し
たインクジェット記録ヘッドを装着して適用することの
できる液体吐出記録装置の一例であるインクジェット記
録装置を示す斜視図である。図14に示されるインクジ
ェット記録装置600に搭載されたヘッドカートリッジ
601は、上述したセンサを有する液体吐出ヘッドと、
その液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容
器とを有するものである。ヘッドカートリッジ601
は、図14に示すように、駆動モータ602の正逆回転
に連動して駆動力伝達ギヤ603および604を介して
回転するリードスクリュー605の螺旋溝606に対し
て係合するキャリッジ607上に搭載されている。駆動
モータ602の動力によってヘッドカートリッジ601
がキャリッジ607ともとにガイド608に沿って矢印
aおよびbの方向に往復移動される。インクジェット記
録装置600には、ヘッドカートリッジ601から吐出
されたインクなどの液体を受ける被記録媒体としてのプ
リント用紙Pを搬送する被記録媒体搬送手段(不図示)
が備えられている。その被記録媒体搬送手段によってプ
ラテン609上を搬送されるプリント用紙Pの紙押さえ
板610は、キャリッジ607の移動方向にわたってプ
リント用紙Pをプラテン609に対して押圧する。
【0087】リードスクリュー605の一端の近傍に
は、フォトカプラ611および612が配設されてい
る。フォトカプラ611および612は、キャリッジ6
07のレバー607aの、フォトカプラ611および6
12の領域での存在を確認して駆動モータ602の回転
方向の切り換えなどを行うためのホームポジション検知
手段である。プラテン609の一端の近傍には、ヘッド
カートリッジ601の吐出口のある前面を覆うキャップ
部材614を支持する支持部材613が備えられてい
る。また、ヘッドカートリッジ601から空吐出などさ
れてキャップ部材614の内部に溜まったインクを吸引
するインク吸引手段615が備えられている。このイン
ク吸引手段615によりキャップ部材614の開口部を
介してヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われ
る。
【0088】インクジェット記録装置600には本体支
持体619が備えられている。この本体支持体619に
は移動部材618が、前後方向、すなわちキャリッジ6
07の移動方向に対して直角な方向に移動可能に支持さ
れている。移動部材618には、クリーニングブレード
617が取り付けられている。クリーニングブレード6
17はこの形態に限らず、他の形態の公知のクリーニン
グブレードであってもよい。さらに、インク吸引手段6
15による吸引回復操作にあたって吸引を開始するため
のレバー620が備えられており、レバー620は、キ
ャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移
動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換
えなどの公知の伝達手段で移動制御される。ヘッドカー
トリッジ601に設けられた発熱体に信号を付与した
り、前述した各機構の駆動制御を司ったりするインクジ
ェット記録制御部は記録装置本体側に設けられており、
図14では示されていない。
【0089】上述した構成を有するインクジェット記録
装置600では、前記の被記録媒体搬送手段によりプラ
テン609上を搬送されるプリント用紙Pに対して、ヘ
ッドカートリッジ601がプリント用紙Pの全幅にわた
って往復移動しながら記録を行う。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、圧力セ
ンサ素子を有する可動部材が液流路内に配されているこ
とにより、発熱体上に発生した気泡による発泡圧力を、
可動部材の変位に応じる圧力センサ素子によって電気的
に測定することができる。特に、液体中の可動部材の変
位量からは発泡圧力を予測することができ、これによっ
て、エネルギー発生素子の駆動条件を調整することによ
って、吐出特性を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液体吐出ヘッド構造
を説明するための、液流路方向に沿った断面図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドに用いられる素子
基板の断面図である。
【図3】図2に示した素子基板の主要素子を縦断するよ
うに素子基板を切断した模式的断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る、圧力センサを有す
る可動部材を備えたノズルを最もよく表した図である。
【図5】図4の、各液流路に配設された可動部材の圧力
センサに対する電気配線を示すために素子基板に平行な
方向に沿って切断した断面図である。
【図6】図4に示した素子基板上に、圧力センサ素子を
有する可動部材を形成する方法を説明するための図であ
る。
【図7】図4に示した素子基板上に、圧力センサ素子を
有する可動部材を形成する方法を説明するための図であ
る。
【図8】図1に示した液体吐出ヘッドの回路構成を説明
するための図であり、同図(a)はヒータボードになる
素子基板の平面図、同図(b)は天板になる素子基板の
平面図である。
【図9】本発明の液体吐出ヘッドに備わるセンサの構成
例を示す回路図である。
【図10】本発明の液体吐出ヘッドに備わるセンサの構
成例を示す回路図である。
【図11】本発明の液体吐出ヘッドに備わるセンサの構
成例を示す回路図である。
【図12】本発明の液体吐出ヘッドにおいて発泡状態を
センサ検知し吐出回復を図るための非印字時のフローチ
ャートである。
【図13】本発明の液体吐出ヘッドにおいて発泡状態を
センサ検知し吐出回復を図るための印字時のフローチャ
ートである。
【図14】本発明の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出記
録装置の一例を示す概略斜視図である。
【図15】従来のインクジェット記録ヘッドを一部切り
欠いて見た斜視図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 発熱体 3 天板 4 オリフィスプレート 5 吐出口 6 可動部材 6a 支点 6b 自由端 7 液流路 8 共通液室 9 流路側壁 10 気泡発生領域 71a 間隙形成部材 72a、72b SiN膜 73、75 Al膜 76 TiW膜 200 圧力センサ素子 200a ポリシリコン膜 201 電極 202 リード電極 202a 共通配線 202b セグメント配線 203 電流計 204 温度センサ 205 圧電素子 206 電圧計 301 シリコン基板 302 熱酸化膜 303 層間膜 304 抵抗層 305 配線 306 保護層 307 耐キャビテーション膜 308 熱作用部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 雅彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 今仲 良行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF24 AG12 AL03 AL15 AL25 AM03 AM18 AR17 BA03 BA13 DD06 DD07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する複数の吐出口の各々に連
    通する複数の液流路を構成するために互いに接合された
    第1の基板および第2の基板内に、前記吐出口から液体
    を吐出する吐出エネルギーを発生させるために前記各液
    流路内に配された複数のエネルギー発生素子と、該エネ
    ルギー発生素子の駆動条件を制御するための、機能が異
    なる複数の素子あるいは電気回路とを備え、さらに前記
    各液流路内に可動部材を備えた液体吐出ヘッドにおい
    て、 前記可動部材に作り込まれた圧力センサ素子と、該圧力
    センサ素子で検出した出力値を読み取る回路部とを備え
    たことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記圧力センサ素子はポリシリコン膜を
    用いたことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記ポリシリコン膜の温度を検出する温
    度センサを備えたことを特徴とする請求項2に記載の液
    体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記圧力センサ素子は圧電素子であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載に記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記回路部で得た出力値に基づき前記エ
    ネルギー発生素子を調整しながら駆動して液体を吐出す
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の
    液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記回路部で得た出力値を、前記温度セ
    ンサで得た前記ポリシリコン膜の温度をもとに補正し、
    この補正した値に基づき前記エネルギー発生素子を調整
    しながら駆動して液体を吐出することを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記エネルギー発生素子は電気熱変換素
    子であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに
    記載の液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の液体
    吐出ヘッドにより記録媒体に液体を吐出して記録を行う
    液体吐出記録装置。
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JP15835999A Pending JP2000343700A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 液体吐出ヘッドおよび液体吐出記録装置

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