JPH1148488A - 液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッド

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JPH1148488A
JPH1148488A JP21083197A JP21083197A JPH1148488A JP H1148488 A JPH1148488 A JP H1148488A JP 21083197 A JP21083197 A JP 21083197A JP 21083197 A JP21083197 A JP 21083197A JP H1148488 A JPH1148488 A JP H1148488A
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JP
Japan
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liquid
movable member
substrate
discharge
manufacturing
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JP21083197A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Mihara
弘明 三原
Shuji Koyama
修司 小山
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Kazuaki Masuda
和明 益田
Tomoyuki Hiroki
知之 廣木
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Canon Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048Movable member in the chamber

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液流路内のさらなる精細化を図ることができ
る液体吐出ヘッドの製造方法を提供すること。 【解決手段】 基板1上に可動部材の台座部となる金2
12を形成し、基板1上の、可動部材が形成される部分
上に溶融材料層213を形成し、金212及び溶融材料
層213上に可動部材となるニッケル215を形成し、
その後、溶融材料層213を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させることで起こる気泡の発生によって所望の
液体を吐出する液体吐出ヘッド及びその製造方法に関
し、特に、気泡の発生を利用して変位する可動部材を有
する液体吐出ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0003】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来から知られている。
このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、特
公昭61−59911号公報や特公昭61−59914
号公報に開示されているように、インクを吐出するため
の吐出口と、この吐出口に連通するインク流路と、イン
ク流路内に配されたインクを吐出するためのエネルギー
発生手段としての発熱体(電気熱変換体)とが一般的に
設けられている。
【0004】上記のような記録方法によれば、品位の高
い画像を高速、低騒音で記録することができるととも
に、この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するた
めの吐出口を高密度に配置することができるため、小型
の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容
易に得ることができる等の多くの優れた点を有してい
る。このため、このバブルジェット記録方法は近年、プ
リンター、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機
器に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用シス
テムにまで利用されるようになってきている。
【0005】そこで、本発明者達のうちの一部は、液体
吐出の原理に立ち返り、従来では得られなかった気泡を
利用した新規な液体吐出方法及びそれに用いられるヘッ
ド等を提供すべく鋭意研究を行い、特願平8−4892
号公報等を出願している。
【0006】特願平8−4892号公報等に開示された
発明は、液路中の可動部材の支点と自由端との位置関係
を、吐出口側つまり下流側に自由端が位置する関係にす
ること、また可動部材を発熱体もしくは、気泡発生領域
に面して配置することで積極的に気泡を制御する技術で
ある。
【0007】上述したような、極めて新規な吐出原理に
基づく液体吐出ヘッド等によると、発生する気泡とこれ
によって変位する可動部材との相乗効果を得ることがで
き、吐出口近傍の液体を効率良く吐出できるため、従来
のバブルジェット方式の吐出方法、ヘッド等に比べて、
吐出効率を向上させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述したよう
な従来の液体吐出ヘッドにおいては、可動部材とその台
座部とが別体として形成されており、素子基板に対して
可動部材を位置合わせし、その後、金ボンディングや接
着剤を使用することによって、可動部材が台座部に接着
されている。
【0009】近年、さらに高精度な液体吐出ヘッドの実
現が要求されており、そのためには、液流路内のさらな
る精細化が求められる。
【0010】しかしながら、上述したような液体吐出ヘ
ッドにおいては、可動部材とその台座部とが別体として
形成されているため、可動部材と台座との位置関係にお
いて、さらなる精細化を図ることが困難であるという問
題点がある。
【0011】本発明は、上述したような従来の技術が有
する問題点に鑑みてなされたものであって、液流路内の
さらなる精細化及び高精度化を図ることができる液体吐
出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通
し、該吐出口に液体を供給する液流路と、液体に気泡を
発生させるための発熱体を具備する基板と、前記発熱体
に面するように前記吐出口側を自由端として前記液流路
内に設けられた可動部材と、該可動部材を前記基板に支
持する台座部とを有する液体吐出ヘッドの製造方法にお
いて、前記基板上に前記台座部を形成する工程と、前記
基板上の、前記台座部上を含む所定の位置に前記可動部
材を形成する工程と、前記可動部材の可動範囲に相当す
る部分と前記基板とを分離する工程とを順次行うことを
特徴とする。
【0013】また、前記可動部材の可動範囲に相当する
部分を前記基板から剥離することにより、前記可動部材
の可動範囲に相当する部分と前記基板とを分離すること
を特徴とする。
【0014】また、前記可動部材は熱により反る性質を
有し、加熱により前記可動部材の可動範囲に相当する部
分を前記基板から剥離することを特徴とする。
【0015】また、液体を吐出する吐出口と、該吐出口
に連通し、該吐出口に液体を供給する液流路と、液体に
気泡を発生させるための発熱体を具備する基板と、前記
発熱体に面するように前記吐出口側を自由端として前記
液流路内に設けられた可動部材と、該可動部材を前記基
板に支持する台座部とを有する液体吐出ヘッドの製造方
法において、前記基板上に前記台座部を形成する工程
と、前記基板上の、前記可動部材が形成される部分上に
溶融層を形成する工程と、前記台座部及び前記溶融層上
に前記可動部材を形成する工程と、前記溶融層を除去す
る工程とを順次行うことを特徴とする。
【0016】また、前記可動部材と前記台座部とをボン
ディングによって固定する工程を含むことを特徴とす
る。
【0017】また、液体を吐出する吐出口と、該吐出口
に連通し、該吐出口に液体を供給する液流路と、液体に
気泡を発生させるための発熱体を具備する基板と、前記
発熱体に面するように前記吐出口側を自由端として前記
液流路内に設けられた可動部材と、該可動部材を前記基
板に支持する台座部とを有する液体吐出ヘッドの製造方
法において、前記基板上に前記台座部を形成する工程
と、前記台座部上に前記可動部材を形成する工程と、前
記台座部のうち前記可動部材の可動部分の下部となる領
域のみを除去する工程とを順次行うことを特徴とする。
【0018】また、前記可動部材は、金属からなること
を特徴とする。
【0019】また、前記金属は、ニッケルであることを
特徴とする。
【0020】また、前記金属は、金であることを特徴と
する。
【0021】また、前記台座部は、金属からなることを
特徴とする。
【0022】また、前記金属は、金であることを特徴と
する。
【0023】また、前記金属は、鉛であることを特徴と
する。
【0024】また、前記液体吐出ヘッドの製造方法によ
って製造された液体吐出ヘッドであって、前記吐出口は
複数設けられていることを特徴とする。
【0025】また、液体を吐出する複数の吐出口と、該
吐出口にそれぞれ連通し、該吐出口毎に液体を供給する
複数の液流路と、液体に気泡を発生させるための発熱体
を具備する基板と、前記発熱体に面するように前記吐出
口側を自由端として前記複数の液流路のそれぞれに設け
られた可動部材と、該可動部材を前記基板に支持する台
座部とを有する液体吐出ヘッドにおいて、前記可動部材
は、熱により反る性質を有し、可動範囲に相当する部分
が加熱により前記基板から分離していることを特徴とす
る。
【0026】また、液体を吐出する複数の吐出口と、該
吐出口にそれぞれ連通し、該吐出口毎に液体を供給する
複数の液流路と、液体に気泡を発生させるための発熱体
を具備する基板と、前記発熱体に面するように前記吐出
口側を自由端として前記複数の液流路のそれぞれに設け
られた可動部材と、該可動部材を前記基板に支持する台
座部とを有する液体吐出ヘッドにおいて、前記可動部材
は、内部応力と前記基板上に形成された剥離層の働きと
により、可動範囲に相当する部分が前記基板から分離し
ていることを特徴とする。
【0027】また、液体を吐出する複数の吐出口と、該
吐出口にそれぞれ連通し、該吐出口毎に液体を供給する
複数の液流路と、液体に気泡を発生させるための発熱体
を具備する基板と、前記発熱体に面するように前記吐出
口側を自由端として前記複数の液流路のそれぞれに設け
られた可動部材と、該可動部材を前記基板に支持する台
座部とを有する液体吐出ヘッドにおいて、前記可動部材
は、可動部分に相当する部分のうち、前記台座部と隣接
する部分にくぼみ部を有することを特徴とする。
【0028】(作用)上記のように構成された本発明に
おいては、基板上に可動部材の台座を形成し、基板上
の、台座上を含む所定の位置に可動部材を形成し、その
後、可動部材の台座上以外に形成された部分と基板とを
分離することにより、可動部材を液体吐出ヘッド内に作
り込んでいる。
【0029】また、基板上に可動部材の台座を形成し、
基板上の、可動部材が形成される部分上に溶融層を形成
し、台座及び溶融層上に可動部材を形成し、その後、溶
融層を除去することにより、可動部材の可動部分と基板
とを分離している。
【0030】また、基板上に可動部材の台座を形成し、
台座上に可動部材を形成し、その後、台座のうち可動部
材の可動部分の下部となる領域のみを除去することによ
り、可動部材の可動部分と基板とを分離している。
【0031】このように、基板上に可動部材を形成した
後、可動部材の可動部分を基板と分離することにより、
可動部材を液体吐出ヘッド内に作り込んでいるので、基
板に対する別部材の可動部材を位置合わせする工程が不
要となり、多数の液流路内のさらなる精細化及び高精度
化が図られる。
【0032】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部
材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、
又はこの構成上の方向に関しての表現として表されてい
る。
【0033】気泡自体に関する「下流側」とは、主とし
て液滴の吐出に直接作用するとされる気泡の吐出口側部
分を代表する。より具体的には気泡の中心に対して、上
記流れ方向や上記構成上の方向に関する下流側、又は、
発熱体の面積中心より下流側の領域で発生する気泡を意
味する。
【0034】本発明でいう「分離壁」とは、広義では気
泡発生領域と吐出口に直接連通する領域とを区分するよ
うに介在する壁(可動部材を含んでもよい)を意味し、
狭義では気泡発生領域を含む流路を吐出口に直接連通す
る液流路とを区分し、それぞれの領域にある液体の混合
を防止するものを意味する。
【0035】さらに、本発明でいう「櫛歯」とは、可動
部材の支点部が共通部材になっており、自由端の前方が
開放されている形状を意味する。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施例を説明す
る前に、まず、本発明における液体を吐出する際に、気
泡に基づく圧力の伝搬方向や気泡の成長方向を制御して
吐出力や吐出効率を向上する最も基本となる構成により
について説明する。
【0037】図1は、本発明の液体吐出ヘッドにおける
吐出原理を説明するための図であり、液流路方向の断面
図である。また、図2は、図1に示した液体吐出ヘッド
の部分破断斜視図である。
【0038】図1に示す例では、液体吐出ヘッドは、液
体を吐出するための吐出エネルギー発生素子として、液
体に熱エネルギーを作用させる発熱体2(本例において
は40μm×105μmの形状の発熱抵抗体)が素子基
板1に設けられており、この素子基板上に発熱体2に対
応して液流路10が配されている。液流路10は吐出口
18に連通していると共に、複数の液流路10に液体を
供給するための共通液室13に連通しており、吐出口1
8から吐出された液体に見合う量の液体をこの共通液室
13から受け取る。
【0039】この液流路10の素子基板上には、前述の
発熱体2に対向するように面して、金属等の弾性を有す
る材料で構成され、平面部を有する板状の可動部材31
が片持梁状に設けられている。この可動部材の一端は液
流路10の壁や素子基板1上に感光性樹脂などをパター
ニングして形成した台座(支持部材)等に固定されてい
る。これによって、可動部材は保持されると共に支点
(支点部分)33を構成している。
【0040】また、可動部材31を櫛歯状にすることに
より、簡易にかつ安価に可動部材31を作製することが
でき、台座に対するアライメントも容易にできる。
【0041】この可動部材31は、液体の吐出動作によ
って共通液室13から可動部材31を経て吐出口18側
へ流れる大きな流れの上流側に支点(支点部分;固定
端)33を持ち、この支点33に対して下流側に自由端
(自由端部分)32を持つように、発熱体2に面した位
置に発熱体2を覆うような状態で発熱体から15μm程
度の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可動部
材31との間が気泡発生領域11となる。
【0042】発熱体2を発熱させることで可動部材31
と発熱体2との間の気泡発生領域11の液体に熱を作用
し、液体にUSP4,723,129に記載されているような膜沸騰
現象に基づく気泡を発生させる。気泡の発生に基づく圧
力と気泡は可動部材に優先的に作用し、可動部材31は
図1(b)、(c)もしくは図2で示されるように示さ
れるように支点33を中心に吐出口18側に大きく開く
ように変位する。可動部材31の変位若しくは変位した
状態によって気泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身
の成長が吐出口18側に導かれる。またこのとき、自由
端32の先端部が幅を有しているため、気泡の発泡パワ
ーを吐出口18側へ導きやすくなり、吐出効率や吐出力
また吐出速度等の根本的な向上を図ることができる。
【0043】以下に、本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。
【0044】(第1の実施の形態)図3は、本発明の液
体吐出ヘッドの製造方法によって作製された液体吐出ヘ
ッドの実施の一形態を示す図であり、(a)は流路方向
の断面図、(b)は断面斜視図である。
【0045】本形態は図3に示すように、熱により気泡
を発生させる発熱体2と、発熱体2が造り込まれている
基板1と、液体が吐出される吐出口18と、吐出口18
が形成され、液体の吐出方向を決定するオリフィスプレ
ート19と、吐出される液体を吐出口18に供給するた
めに液流路10と、液流路10を形成する溝付部材50
と、発熱体2上における気泡の発生に伴って変位する可
動部材31と、可動部材31を支持する台座部7とから
構成されている。なお、複数の液流路10を互いに分離
する溝壁52は、オリフィスプレート19方向に伸びて
おり、オリフィスプレート19と一体化している。
【0046】また、図4は、本発明の液体吐出ヘッドの
製造方法によって作製された液体吐出ヘッドの他の実施
の形態を示す図であり、(a)は流路方向の断面図、
(b)は断面斜視図である。
【0047】図4に示すように本形態においては、オリ
フィスプレート29と溝付部材51とが別体として形成
されており、複数の液流路10を互いに分離する溝壁5
2が、オリフィスプレート29方向に伸びており、オリ
フィスプレート29と接着剤等によって接着されてい
る。
【0048】以下に、上記のように構成された液体吐出
ヘッドの製造方法について説明する。
【0049】図5は、図3に示した液体吐出ヘッドの製
造方法の第1の実施の形態を説明するための図であり、
溝膜積層状態を簡略化したものである。
【0050】まず、発熱体2を有する基板1(図5
(a))の表面に、TiW層或いはニッケル層からなる
電極層210をスパッタリング法等により形成する(図
5(b))。
【0051】次に、電極層210をレジスト211によ
りコーティングし、その後、台座部7の形状に合わせて
レジスト211をパターニングする(図5(c))。
【0052】次に、金212を用いて基板表面の電鋳を
行う。ここで、基板表面においては、台座部7の形状に
合わせてレジスト211がパターニングされているの
で、レジスト211がパターニングによって除去されて
いる部分のみ電鋳される(図5(d))。
【0053】その後、レジスト211を除去し、金21
1からなる台座部7を形成する(図5(e))。
【0054】次に、可動部材31が配置される領域に、
可動部材31と基板1とを分離させるための溶融(蒸
発)材料層213を形成する(図5(f))。
【0055】次に、基板1表面をレジスト214により
コーティングし、その後、可動部材31及び台座部7の
形状に合わせてレジスト214をパターニングする。す
なわち、基板1上の、金212が形成された領域及び溶
融材料層213が形成された領域上のレジスト214を
除去する(図5(g))。
【0056】次に、基板表面にニッケル215を形成す
る。ここで、基板表面においては、可動部材31及び台
座部7の形状に合わせてレジスト214がパターニング
されているので、レジスト214がパターニングによっ
て除去されている部分のみにニッケル215が形成され
る(図5(h))。
【0057】次に、レジスト214を除去し、ニッケル
215からなる支持プレート付きの可動部材31を形成
する(図5(i))。
【0058】その後、溶融材料層213を熱によって溶
融、蒸発させ、可動部材31と電極層210とを分離さ
せる(図5(j))。
【0059】なお、基板1の表面最上層を電極とする場
合は、電極層210の作製は必要としない。
【0060】図6は、図5に示した工程により作製され
た液体吐出ヘッドの構造を示す流路方向の断面図であ
り、(a)は可動部材と電極層とを分離させる前の構造
を示す図、(b)は可動部材と電極層とを分離させた後
の構造を示す図である。
【0061】図6に示すように、本形態においては、発
熱体2が形成された領域においては、配線層303が形
成されていないため、基板の厚みが周辺よりやや薄くな
っている。これにより、発熱体2近傍の可動部材31も
それにそって湾曲形状となり、液体吐出時の吐出効率を
更に良いものとしている。
【0062】また、可動部材31の台座部7の密着をさ
らに強いものとするために、可動部材31に穴を設け、
金ボンディングを行うことも可能である。
【0063】図7は、ボンディング前のキヤノンが提唱
するバブルジェット方式に用いられる機能素子部材を示
す図であり、(a)は上面図、(b)は断面図である。
また、図8は、ボンディング後の機能素子部材を示す図
であり、(a)は上面図、(b)は断面図である。
【0064】図7及び図8に示すように、可動部材31
に台座部7につながるバンプ穴35を設け、バンプ穴3
5に金212を流し込むことにより、可動部材31と台
座部7とがさらに強く接着される。
【0065】なお、本形態においては、可動部材31の
材質としてニッケルを用いたが、金等を用いることもで
きる。
【0066】また、溝付部材50の材料としては、S
i、ポリサルフォン等が挙げられ、オリフィスプレート
29の材料としてはニッケル、ポリイミド等が挙げられ
る。
【0067】基板1に可動部材31及び台座部7を形成
した後、接着剤あるいはばねにより溝付部材50を基板
1に接合する。
【0068】その後、ダイボンディング、TAB接続、
インク供給部材組み、(オリフィスプレート貼り付
け)、封止、(必要に応じて複数ヘッドの場合の枠組み
やタンクヘッド一体の場合のタンク組み等)の工程を経
て、液体吐出ヘッドが完成する。
【0069】なお、基板1と溝付部材50とが共にSi
ウェハから成る場合、両者をウェハ状態で接合したもの
を切断してチップ形態にしても良い。
【0070】(第2の実施の形態)図9は、図3に示し
た液体吐出ヘッドの製造方法の第2の実施の形態を説明
するための図であり、溝膜積層状態を簡略化したもので
ある。
【0071】まず、発熱体2を有する基板1(図9
(a))の表面に、TiW層或いはニッケル層からなる
電極層210をスパッタリング法等により形成する(図
9(b))。
【0072】次に、電極層210をレジスト211によ
りコーティングし、その後、台座部7の形状に合わせて
レジスト211をパターニングする(図9(c))。
【0073】次に、金212を用いて基板表面の電鋳を
行う。ここで、基板表面においては、台座部7の形状に
合わせてレジスト211がパターニングされているの
で、レジスト211がパターニングによって除去されて
いる部分のみ電鋳される(図9(d))。
【0074】その後、レジスト211を除去し、金21
1からなる台座部7を形成する(図9(e))。
【0075】次に、可動部材31が配置される領域に、
可動部材31と基板1とを剥離させるための剥離層21
6を形成する(図9(f))。
【0076】次に、基板1表面をレジスト214により
コーティングし、その後、可動部材31及び台座部7の
形状に合わせてレジスト214をパターニングする。す
なわち、基板1上の、金212が形成された領域及び剥
離層216が形成された領域上のレジスト214を除去
する(図9(g))。
【0077】次に、基板表面を高熱膨張係数材料217
及び低熱膨張係数材料218を用いて電鋳する。ここ
で、基板表面においては、可動部材31及び台座部7の
形状に合わせてレジスト214がパターニングされてい
るので、レジスト214がパターニングによって除去さ
れている部分のみが電鋳される(図9(h))。
【0078】次に、レジスト214を除去し、高熱膨張
係数材料217及び低熱膨張係数材料218からなる支
持プレート付きの可動部材31を形成する(図9
(i))。
【0079】その後、高熱膨張係数材料217及び低熱
膨張係数材料218を熱により反らさせ、それにより、
可動部材31と電極層210とを分離させる(図9
(j))。
【0080】なお、基板1の表面最上層を電極とする場
合は、電極層210の作製は必要としない。
【0081】本形態においては、可動部材31を構成す
る高熱膨張係数材料217及び低熱膨張係数材料218
がノズル内の温度に依存して反り、可動部材31と発熱
体2との距離を規定するため、可動部材31を形成する
2種類の材料の熱膨張係数を変えることによって、ノズ
ル内の温度の違いによる特性変化を制御することができ
る。
【0082】(第3の実施の形態)図10は、図3に示
した液体吐出ヘッドの製造方法の第3の実施の形態を説
明するための図であり、溝膜積層状態を簡略化したもの
である。
【0083】まず、発熱体2を有する基板1(図10
(a))の表面に、TiW層或いはニッケル層からなる
電極層210をスパッタリング法等により形成する(図
10(b))。
【0084】次に、電極層210をレジスト211によ
りコーティングし、その後、台座部7の形状に合わせて
レジスト211をパターニングする(図10(c))。
【0085】次に、金212を用いて基板表面の電鋳を
行う。ここで、基板表面においては、台座部7の形状に
合わせてレジスト211がパターニングされているの
で、レジスト211がパターニングによって除去されて
いる部分のみ電鋳される(図10(d))。
【0086】その後、レジスト211を除去し、金21
1からなる台座部7を形成する(図10(e))。
【0087】次に、可動部材31が配置される領域に、
可動部材31と基板1とを剥離させるための剥離層21
6を形成する(図10(f))。
【0088】次に、基板1表面をレジスト214により
コーティングし、その後、可動部材31及び台座部7の
形状に合わせてレジスト214をパターニングする。す
なわち、基板1上の、金212が形成された領域及び剥
離層216が形成された領域上のレジスト214を除去
する(図10(g))。
【0089】次に、ニッケル215を用いて基板表面の
電鋳を行う。ここで、基板表面においては、可動部材3
1及び台座部7の形状に合わせてレジスト214がパタ
ーニングされているので、レジスト214がパターニン
グによって除去されている部分のみにニッケル215が
電鋳される(図10(h))。また、この際、ニッケル
の内部応力が引っ張り応力となるように電鋳液の中に入
れる応力緩和剤を調整する。
【0090】次に、レジスト214を除去し、ニッケル
215からなる支持プレート付きの可動部材31を形成
する(図10(i))。
【0091】その後、剥離層216の働きと可動部材3
1の内部応力とによって、可動部材31と電極層210
とを剥離させて液体吐出ヘッドを完成させる。
【0092】なお、基板1の表面最上層を電極とする場
合は、電極層210の作製は必要としない。
【0093】本形態においては、可動部材31が、電極
層210と剥離した後、台座部7を支点としてその先端
が上がる方向に反る性質を有しているため、安定した液
体発泡領域の確保が可能であり、また、発泡時に効率良
く可動部材31が可動する。
【0094】(第4の実施の形態)図11は、本発明の
液体吐出ヘッドの製造方法によって作製された液体吐出
ヘッドの他の実施の形態を示す流路方向の断面図であ
る。
【0095】本形態は図11に示すように、熱により気
泡を発生させる発熱体2と、発熱体2が造り込まれてい
る基板1と、液体が吐出される吐出口18と、吐出口1
8が形成され、液体の吐出方向を決定するオリフィスプ
レート29と、吐出される液体を吐出口18に供給する
ために液流路10と、液流路10を形成する溝付部材5
1と、発熱体2上における気泡の発生に伴って変位する
可動部材31と、可動部材31の高さを規定するための
台座部7とから構成されている。
【0096】以下に、上述した液体吐出ヘッドの製造方
法を、本発明の第4の実施の形態として説明する。
【0097】図12は、図11に示した液体吐出ヘッド
の製造方法の実施の一形態を説明するための図である。
【0098】まず、発熱体2を有し、表面にタンタル層
219が形成された基板1(図12(a))の表面に、
TiW層等からなる電極層210をスパッタリング法等
により形成する(図12(b))。
【0099】次に、スパッタリング法等により、電極層
210表面に金212を形成する(図12(c))。
【0100】次に、基板表面にさらに金212を電鋳す
る(図12(d))。この際、金212の厚さは0.5
〜10μmとする。
【0101】次に、基板1表面をレジスト214により
コーティングし、その後、可動部材31及び台座部7の
形状に合わせてレジスト214をパターニングする(図
12(e))。
【0102】次に、ニッケル215を用いて基板表面の
電鋳を行う。ここで、基板表面においては、可動部材3
1及び台座部7の形状に合わせてレジスト214がパタ
ーニングされているので、レジスト214がパターニン
グによって除去されている部分のみにニッケル215が
電鋳される(図12(f))。なお、ニッケル215の
厚さは0.5〜10μmとする。
【0103】次に、残ったレジスト214を除去する
(図12(g))。
【0104】次に、金212をシアン化カリウムによる
ウェットエッチングで除去する。この際、可動部材31
の可動部の下にある金212がオーバーエッチングによ
って全て除去された時点でエッチングを終了する(図1
2(h))。
【0105】その後、電極層210を過酸化水素による
エッチングによって除去する(図12(i))。
【0106】上述した一連の工程により、図13に示す
ような液体吐出ヘッドが完成する。
【0107】図13は、図12に示した工程により作製
された液体吐出ヘッドの構成を示す図であり、(a)は
上面図、(b)は断面図である。
【0108】なお、基板1の表面層であるタンタル層2
19を電極とした場合、電極層210の形成工程は必要
ない。また、金を用いた電鋳をタンタル層219あるい
は電極層210に直接行う場合は、金スパッタリング工
程も必要ない。
【0109】上述した本形態においては、第1の実施の
形態と比べて可動部材31と発熱体2との距離を台座部
7によってさらに正確に制御することができる。
【0110】(第5の実施の形態)図14は、本発明の
液体吐出ヘッドの製造方法の第4の実施の形態を説明す
るための図である。
【0111】まず、発熱体2を有し、表面にタンタル層
219が形成された基板1(図14(a))の表面に、
鉛220をスパッタリング法等により形成する(図14
(b))。
【0112】次に、可動部材の台座となる部分のみを残
してパターニングにより鉛220を削除する(図14
(c))。
【0113】次に、スパッタリング法等により、基板表
面にTiWからなる電極層210を形成する(図12
(d))。
【0114】次に、電極層210をパターニングし、可
動部材の台座となる部分の電極層210を除去する(図
14(e))。
【0115】次に、基板1表面をレジスト214により
コーティングし、その後、可動部材及び台座部の形状に
合わせてレジスト214をパターニングする(図14
(f))。
【0116】次に、ニッケル215を用いて基板表面の
電鋳を行う。ここで、基板表面においては、可動部材及
び台座部の形状に合わせてレジスト214がパターニン
グされているので、レジスト214がパターニングによ
って除去されている部分のみにニッケル215が電鋳さ
れる(図14(g))。
【0117】次に、残ったレジスト214を除去する
(図14(h))。
【0118】その後、ウェットエッチングによって、可
動部材付近の電極層210を除去する(図14
(i))。
【0119】上述した一連の工程を行うことにより液体
吐出ヘッドが完成するが、本形態においては、可動部材
の台座近辺にくぼみ部221が形成されているため、可
動部材の可動部が液体を吐出する際に可動しやすい形状
となっている。
【0120】上述した第1〜第5の実施の形態において
は、可動部材の材料としてニッケルが用いられている。
これは、ニッケルが弾性に優れており、気泡の発生によ
る圧力を液体の吐出に効率的に利用することができるか
らである。
【0121】以下に、液体に熱を与えるための発熱体2
が設けられた素子基板1の構成について説明する。
【0122】図15は、本発明の液体吐出ヘッドが適用
された液体吐出装置の一構成例を示す縦断面図であり、
(a)は後述する保護膜がある装置を示す図、(b)は
保護膜がない装置を示す図である。
【0123】図15においては、図1に示した液流路1
0を第1の液流路14とし、また、液体供給路12を第
2の液流路16としており、各々に供給される液体を同
じ液体としても良いが、異なる液体を使用すれば、第1
の液流路14に供給される液体つまり吐出液の選択の範
囲を広げることができる。
【0124】図15に示すように、素子基板1上に、第
2の液流路16と、分離壁30と、可動部材31と、第
1の液流路14と、第1の液流路14を構成する溝が設
けられている溝付部材50とが設けられている。
【0125】素子基板1には、シリコン等の基体107
上に、絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜また
はチッ化シリコン膜106が成膜されており、その上に
0.01〜0.2μm厚の発熱体を構成するハフニュウ
ムボライド(HfB2 )、チッ化タンタル(TaN)、
タンタルアルミ(TaAl)等の電気抵抗層105と、
0.2〜1.0μm厚のアルミニウム等の配線電極10
4とがパターニングされている。この2つの配線電極1
04から電気抵抗層105に電圧を印加し、電気抵抗層
105に電流を流して発熱させる。配線電極104間の
電気抵抗層105上には、酸化シリコンやチッ化シリコ
ン等の保護層103が0.1〜0.2μm厚で形成さ
れ、さらにその上に、0.1〜0.6μm厚のタンタル
等の耐キャビテーション層102が成膜されており、イ
ンク等各種の液体から電気抵抗層105を保護してい
る。
【0126】特に、気泡の発生、消泡の際に発生する圧
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層102として用いられる。
【0127】また、液体、液流路構成、抵抗材料の組み
合わせにより上述の保護層を必要としない構成でもよ
く、その例を図15(b)に示す。
【0128】このような保護層を必要としない抵抗層の
材料としては、イリジュウム=タンタル=アルミ合金等
が挙げられる。特に、本発明において、発泡のための液
体を吐出液と分離して発泡に適したものにできるため、
このように保護層がない場合に有利である。
【0129】このように、上述した実施の形態における
発熱体2の構成としては、配線電極104間の電気抵抗
層105(発熱部)だけででもよく、また電気抵抗層1
05を保護する保護層を含むものでもよい。
【0130】本形態においては、発熱体2として、電気
信号に応じて発熱する抵抗層で構成された発熱部を有す
るものを用いたが、本発明は、これに限られることな
く、吐出液を吐出させるのに十分な気泡を発泡液に生じ
させるものであればよい。例えば、発熱部としてレーザ
等の光を受けることで発熱するような光熱変換体や高周
波を受けることで発熱するような発熱部を有する発熱体
でもよい。
【0131】なお、前述の素子基板1には、発熱部を構
成する電気抵抗層105とこの電気抵抗層105に電気
信号を供給するための配線電極104とで構成される電
気熱変換体の他に、この電気熱変換素子を選択的に駆動
するためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、シフト
レジスタ等の機能素子が一体的に半導体製造工程によっ
て作り込まれていてもよい。
【0132】また、上述したような素子基板1に設けら
れている電気熱変換体の発熱部を駆動し、液体を吐出す
るためには、電気抵抗層105に配線電極104を介し
て矩形パルスを印加し、配線電極104間の電気抵抗層
105を急峻に発熱させればよい。
【0133】図16は、図15に示した電気抵抗層10
5に印加する電圧波形を示す図である。
【0134】上述した実施の形態における液体吐出装置
においては、それぞれ電圧24V、パルス幅7μse
c、電流150mA、電気信号を6kHzで加えること
で発熱体を駆動させ、前述のような動作によって、吐出
口から液体であるインクを吐出させた。しかしながら、
本発明における駆動信号の条件はこれに限られることな
く、発泡液を適正に発泡させることができる駆動信号で
あればよい。
【0135】以下に、部品点数の削減を図りながらも、
2つの共通液室を有し、各共通液室に異なる液体を良好
に分離して導入することができ、コストダウンを可能と
する液体吐出装置の構造例について説明する。
【0136】図17は、本発明の液体吐出ヘッドが適用
される液体吐出装置の一構成例を示す分解斜視図であ
る。
【0137】本形態においては、アルミニウム等の金属
で形成された支持体70上に、前述のように、発泡液に
対して膜沸騰による気泡を発生させるための熱を発生す
る発熱体2としての電気熱変換素子が複数設けられた素
子基板1が設けられている。
【0138】素子基板1上には、DFドライフィルムに
より形成された第2の液流路16を構成する複数の溝
と、複数の第2の液流路16に連通し、それぞれの第2
の液流路16に発泡液を供給するための第2の共通液室
(共通発泡液室)17を構成する凹部と、前述した可動
部材31が接着された分離壁30とが設けられている。
【0139】溝付部材50においては、分離壁30と接
合されることで第1の液流路(吐出液流路)14を構成
する溝と、この吐出液流路に連通し、それぞれの第1の
液流路14に吐出液を供給するための第1の共通液室
(共通吐出液室)15を構成するための凹部と、第1の
共通液室15に吐出液を供給するための第1の液体供給
路(吐出液供給路)20と、第2の共通液室17に発泡
液を供給するための第2の液体供給路(発泡液供給路)
21とを有している。第2の液体供給路21は、第1の
共通液室15の外側に設けられた可動部材31及び分離
壁30を貫通して第2の共通液室17に連通する連通路
に繁がっており、この連通路によって吐出液と混合する
ことなく発泡液を第2の共通液室17に供給することが
できる。
【0140】なお、素子基板1、可動部材31、分離壁
30及び溝付部材50の配置関係は、素子基板1の発熱
体2に対応して可動部材31が配置されており、この可
動部材31に対応して第1の液流路14が設けられてい
る。また、本形態においては、第2の液体供給路21を
1つの溝付部材50に設けた例について示したが、液体
の供給量に応じて複数個設けてもよい。さらに、第1の
液体供給路20と第2の液体供給路21の流路断面積は
供給量に比例して決めればよい。このような流路断面積
の最適化により、溝付部材50等を構成する部品のより
一層の小型化を図ることも可能である。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
基板上に可動部材を形成した後、可動部材の可動部分を
基板と分離することにより、可動部材を液体吐出ヘッド
内に作り込んでいるため、基板に対する可動部材の位置
合わせが不要となり、液流路内のさらなる精細化を図る
ことができる。
【0142】それにより、さらに高精度な液体吐出ヘッ
ドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出ヘッドにおける吐出原理を説
明するための図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドの部分破断斜視図
である。
【図3】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法によって作
製された液体吐出ヘッドの実施の一形態を示す図であ
り、(a)は流路方向の断面図、(b)は断面斜視図で
ある。
【図4】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法によって作
製された液体吐出ヘッドの他の実施の形態を示す図であ
り、(a)は流路方向の断面図、(b)は断面斜視図で
ある。
【図5】図3に示した液体吐出ヘッドの製造方法の第1
の実施の形態を説明するための図である。
【図6】図5に示した工程により作製された液体吐出ヘ
ッドの構造を示す流路方向の断面図であり、(a)は可
動部材と電極層とを分離させる前の構造を示す図、
(b)は可動部材と電極層とを分離させた後の構造を示
す図である。
【図7】ボンディング前のキヤノンが提唱するバブルジ
ェット方式に用いられる機能素子部材を示す図であり、
(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図8】ボンディング後の機能素子部材を示す図であ
り、(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図9】図3に示した液体吐出ヘッドの製造方法の第2
の実施の形態を説明するための図である。
【図10】図3に示した液体吐出ヘッドの製造方法の第
3の実施の形態を説明するための図である。
【図11】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法によって
作製された液体吐出ヘッドの他の実施の形態を示す流路
方向の断面図である。
【図12】図11に示した液体吐出ヘッドの製造方法の
実施の一形態を説明するための図である。
【図13】図12に示した工程により作製された液体吐
出ヘッドの構成を示す図であり、(a)は上面図、
(b)は断面図である。
【図14】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の第4の
実施の形態を説明するための図である。
【図15】本発明の液体吐出ヘッドが適用された液体吐
出装置の一構成例を示す縦断面図であり、(a)は後述
する保護膜がある装置を示す図、(b)は保護膜がない
装置を示す図である。
【図16】図15に示した電気抵抗層に印加する電圧波
形を示す図である。
【図17】本発明の液体吐出ヘッドが適用される液体吐
出装置の一構成例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 発熱体 3 面積中心 10 液流路 11 気泡発生領域 12 液体供給路 13 共通液室 14 第1の液流路 16 第2の液流路 18 吐出口 19,29 オリフィスプレート 20 第1液体供給路 21 第2液体供給路 30 分離壁 31 可動部材 32 自由端 33 支点 34 台座 35 バンプ穴 40 気泡 45 液滴 50,51 溝付部材 52 溝壁 70 支持体 102,305 耐キャビテーション層 103,304 保護層 104 配線電極 105 抵抗層 106 シリコン層 107 基体 210 電極層 211,214 レジスト 212 金 213 溶融材料層 215 ニッケル 216 剥離層 217 高熱膨張係数材料 218 低熱膨張係数材料 219 タンタル層 220 鉛 221 くぼみ部 302 ヒーター層 303 配線層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石永 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 益田 和明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 廣木 知之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する吐出口と、 該吐出口に連通し、該吐出口に液体を供給する液流路
    と、 液体に気泡を発生させるための発熱体を具備する基板
    と、 前記発熱体に面するように前記吐出口側を自由端として
    前記液流路内に設けられた可動部材と、 該可動部材を前記基板に支持する台座部とを有する液体
    吐出ヘッドの製造方法において、 前記基板上に前記台座部を形成する工程と、 前記基板上の、前記台座部上を含む所定の位置に前記可
    動部材を形成する工程と、 前記可動部材の可動範囲に相当する部分と前記基板とを
    分離する工程とを順次行うことを特徴とする液体吐出ヘ
    ッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法によって製造された液体吐出ヘッドであって、 前記吐出口は複数設けられていることを特徴とする液体
    吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法において、 前記可動部材の可動範囲に相当する部分を前記基板から
    剥離することにより、前記可動部材の可動範囲に相当す
    る部分と前記基板とを分離することを特徴とする液体吐
    出ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法において、 前記可動部材は熱により反る性質を有し、 加熱により前記可動部材の可動範囲に相当する部分を前
    記基板から剥離することを特徴とする液体吐出ヘッドの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 液体を吐出する吐出口と、 該吐出口に連通し、該吐出口に液体を供給する液流路
    と、 液体に気泡を発生させるための発熱体を具備する基板
    と、 前記発熱体に面するように前記吐出口側を自由端として
    前記液流路内に設けられた可動部材と、 該可動部材を前記基板に支持する台座部とを有する液体
    吐出ヘッドの製造方法において、 前記基板上に前記台座部を形成する工程と、 前記基板上の、前記可動部材が形成される部分上に溶融
    層を形成する工程と、 前記台座部及び前記溶融層上に前記可動部材を形成する
    工程と、 前記溶融層を除去する工程とを順次行うことを特徴とす
    る液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法によって製造された液体吐出ヘッドであって、 前記吐出口は複数設けられていることを特徴とする液体
    吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法において、 前記可動部材と前記台座部とをボンディングによって固
    定する工程を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 液体を吐出する吐出口と、 該吐出口に連通し、該吐出口に液体を供給する液流路
    と、 液体に気泡を発生させるための発熱体を具備する基板
    と、 前記発熱体に面するように前記吐出口側を自由端として
    前記液流路内に設けられた可動部材と、 該可動部材を前記基板に支持する台座部とを有する液体
    吐出ヘッドの製造方法において、 前記基板上に前記台座部を形成する工程と、 前記台座部上に前記可動部材を形成する工程と、 前記台座部のうち前記可動部材の可動部分の下部となる
    領域のみを除去する工程とを順次行うことを特徴とする
    液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法によって製造された液体吐出ヘッドであって、 前記吐出口は複数設けられていることを特徴とする液体
    吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項1、3、4、5、7または8の
    いずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法におい
    て、 前記可動部材は、金属からなることを特徴とする液体吐
    出ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の液体吐出ヘッドの
    製造方法において、 前記金属は、ニッケルであることを特徴とする液体吐出
    ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の液体吐出ヘッドの
    製造方法において、 前記金属は、金であることを特徴とする液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1、3、4、5、7、8、1
    0、11、12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド
    の製造方法において、 前記台座部は、金属からなることを特徴とする液体吐出
    ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の液体吐出ヘッドの
    製造方法において、 前記金属は、金であることを特徴とする液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の液体吐出ヘッドの
    製造方法において、 前記金属は、鉛であることを特徴とする液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 液体を吐出する複数の吐出口と、 該吐出口にそれぞれ連通し、該吐出口毎に液体を供給す
    る複数の液流路と、 液体に気泡を発生させるための発熱体を具備する基板
    と、 前記発熱体に面するように前記吐出口側を自由端として
    前記複数の液流路のそれぞれに設けられた可動部材と、 該可動部材を前記基板に支持する台座部とを有する液体
    吐出ヘッドにおいて、 前記可動部材は、熱により反る性質を有し、可動範囲に
    相当する部分が加熱により前記基板から分離しているこ
    とを特徴とする液体吐出ヘッド。
  17. 【請求項17】 液体を吐出する複数の吐出口と、 該吐出口にそれぞれ連通し、該吐出口毎に液体を供給す
    る複数の液流路と、 液体に気泡を発生させるための発熱体を具備する基板
    と、 前記発熱体に面するように前記吐出口側を自由端として
    前記複数の液流路のそれぞれに設けられた可動部材と、 該可動部材を前記基板に支持する台座部とを有する液体
    吐出ヘッドにおいて、 前記可動部材は、内部応力と前記基板上に形成された剥
    離層の働きとにより、可動範囲に相当する部分が前記基
    板から分離していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  18. 【請求項18】 液体を吐出する複数の吐出口と、 該吐出口にそれぞれ連通し、該吐出口毎に液体を供給す
    る複数の液流路と、 液体に気泡を発生させるための発熱体を具備する基板
    と、 前記発熱体に面するように前記吐出口側を自由端として
    前記複数の液流路のそれぞれに設けられた可動部材と、 該可動部材を前記基板に支持する台座部とを有する液体
    吐出ヘッドにおいて、 前記可動部材は、可動部分に相当する部分のうち、前記
    台座部と隣接する部分にくぼみ部を有することを特徴と
    する液体吐出ヘッド。
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