JP2000225710A - 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐出記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐出記録装置

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JP2000225710A
JP2000225710A JP34510399A JP34510399A JP2000225710A JP 2000225710 A JP2000225710 A JP 2000225710A JP 34510399 A JP34510399 A JP 34510399A JP 34510399 A JP34510399 A JP 34510399A JP 2000225710 A JP2000225710 A JP 2000225710A
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forming
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Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Ichiro Saito
一郎 斉藤
Teruo Ozaki
照夫 尾崎
Yoshiyuki Imanaka
良行 今仲
Muga Mochizuki
無我 望月
Toshio Kashino
俊雄 樫野
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Canon Inc
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
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    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/13Heads having an integrated circuit

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部材の自由端の変位を利用して液体を吐
出する液体吐出ヘッドを製造する際に、吐出特性が安定
し、温度変化に対しても吐出安定性を保ち得るものを製
造することが可能な製造方法を実現する。 【解決手段】 Siなどから構成された素子基板1の発
熱体2側の面上に、素子基板1と可動部材との間の間隙
を形成するための間隙形成部材21を形成し、間隙形成
部材21の表面、および素子基板1上に、可動部材を形
成するためのSiN膜22を形成する。SiN膜22
の、可動部材に対応する部分の表面にAl膜23を形成
し、Al膜23およびSiN膜22の表面に、流路側壁
を形成するためのSiN膜24を形成する。SiN膜2
4の表面に部分的に形成されたAl膜25、およびAl
膜23をエッチングストップ層としてSiN膜24およ
び22をパターニングする。Al膜25および23や、
間隙形成部材21を除去して可動部材6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、ワープロ、ホストコンピュータなどの出力用端末
としてのプリンタ、ビデオプリンタなどに用いられる液
体吐出ヘッドの製造方法や、その製造方法により製造さ
れた液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出記
録装置に関する。特に、本発明は、液体を吐出させるた
めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換素子
が形成された素子基板を有する液体吐出ヘッドの製造方
法や、その製造方法により製造された液体吐出ヘッド、
ヘッドカートリッジ、液体吐出記録装置に関する。即
ち、インクなどの記録用の液体を飛翔液滴として吐出口
(オリフィス)から吐出させて、その液体を記録媒体に付
着させることによって記録を行うために用いられる液体
吐出ヘッドの製造方法や、その製造方法により製造され
た液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱などのエネルギーをインクに与えるこ
とで、インクに急激な体積変化を伴う状態変化を生じさ
せ、このインクの状態変化に基づく作用力によって吐出
口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させ
て画像形成を行うインクジェット記録方法、いわゆるバ
ブルジェット記録方法が従来知られている。このバブル
ジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特許第
4,723,129号明細書に開示されているように、
インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通す
るインク流路と、インク流路内に配された、インクを吐
出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体
が一般に配されている。
【0003】このような記録方法によれば、品位の高い
画像を高速、低騒音で記録することができるともとに、
この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための
吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装
置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に
得ることができるという多くの優れた利点を有してい
る。このため、このバブルジェット記録方法は、近年、
プリンター、複写機、ファクシミリなどの多くのオフィ
ス機器に利用されており、さらに、捺染装置などの産業
用システムにまで利用されるようになってきている。
【0004】このようなバブルジェット技術が多方面の
製品に利用されるに従って、次のような様々な要求が近
年さらに高まっている。
【0005】例えば、エネルギー効率の向上の要求に対
する検討としては、発熱体の保護膜の厚さを調整すると
いった発熱体の最適化が挙げられる。この手法は、発生
した熱の液体への伝搬効率を向上させる点で効果があ
る。
【0006】また、高画質な画像を得るために、インク
の吐出スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好
なインク吐出を行える液体吐出方法などを与えるための
駆動条件が提案されたり、また、高速記録の観点から、
吐出された液体の液流路内への充填(リフィル)速度の
速い液体吐出ヘッドを得るために液流路の形状を改良し
たものも提案されたりしている。
【0007】さらに、液体吐出の原理に立ち返り、従来
では得られなかった、気泡を利用した新規な液体吐出方
法およびそれに用いられるヘッドなどを提供すべく鋭意
研究が行われ、特開平9-201966号公報などに開
示された液体吐出方法およびそれに用いられるヘッドが
提案されている。
【0008】ここで、特開平9-201966号公報な
どに開示された従来の液体吐出方法およびそれに用いら
れるヘッドについて、図18〜図20を参照して説明す
る。図18は、従来の液体吐出ヘッドにおける吐出原理
を説明するための図であり、図18(a)〜図18
(d)のそれぞれは液流路方向に沿った断面図である。
また、図19は、図18に示される液体吐出ヘッドを部
分的に破断した斜視図である。図20は、図18に示さ
れる液体吐出ヘッドの変形例の断面図である。図18お
よび図20に示される液体吐出ヘッドは、液体を吐出す
る際に気泡に基づく圧力の伝搬や方向や気泡の成長方向
を制御して吐出力や吐出能率を向上させる最も基本とな
る構成のものである。
【0009】以下の説明で用いる「上流」および「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域の上方を経
て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、またはこ
の構成上の方向に関して表現として表わされている。
【0010】また、気泡自体に関する「下流側」とは、
主として液滴の吐出に直接作用するとされる気泡の吐出
口側を代表する。より具体的には、気泡の中心に対し
て、上記流れ方向や上記構成上の方向に関する下流側、
又は、発熱体の面積中心よりも下流側の領域で発生する
気泡を意味する。(同様に、気泡自体に関する「上流
側」とは気泡の中心に対して、上記流れ方向や上記構成
上の方向に関する上流側、又は、発熱体の面積中心より
上流側の領域で発生する気泡を意味する。)さらに、
「櫛歯」とは、可動部材の支点部が共通部材になってお
り、可動部材の自由端の前方が開放されている形状を意
味する。
【0011】図18に示される液体吐出ヘッドでは、液
体を吐出するための吐出エネルギー発生素子として、液
体に熱エネルギーを作用させる発熱体102が素子基板
101に設けられている。素子基板101上には発熱体
102に対応して液流路103が配されている。液流路
103は吐出口104に連通しているともとに、複数の
液流路103に液体を供給するための共通液室105に
連通しており、吐出口104から吐出された液体に見合
う量の液体をこの共通液室105から受け取る。
【0012】素子基板101の、液流路103に対応す
る部分の上には、発熱体102に対向する平面部を有す
る板状の可動部材106が片持ち梁状に設けられてい
る。可動部材106は、弾性を有する金属などの材料か
ら構成されている。可動部材106の一端は液流路10
3の壁や素子基板101上に感光性樹脂などをパターニ
ングして形成された台座107などに固定されている。
これにより、可動部材106が台座107により支持さ
れ、可動部材106の支点108が構成されている。
【0013】また、可動部材106を櫛歯状にすること
により、簡易にかつ安価に可動部材106を作製するこ
とができ、可動部材106の、台座107に対するアラ
イメントも容易に行うことができる。可動部材106
は、液体の吐出動作によって共通液室105から可動部
材106の上方を経て吐出口104側へ流れる大きな流
れの上流側に支点108を持ち、この支点108に対し
て下流側に自由端109を持つように、発熱体102と
対向する位置に発熱体102を覆うような状態で発熱体
102から15μm程度の距離を隔てて配されている。
この発熱体102と可動部材106との間が気泡発生領
域110となる。
【0014】次に、上記のように構成された液体吐出ヘ
ッドの動作について、図18(a)〜図18(d)を参
照して説明する。
【0015】まず、図18(a)において、気泡発生領
域110および液流路103の内部にはインクが満たさ
れている。
【0016】次に、図18(b)において、発熱体10
2を発熱させることで可動部材106と発熱体102と
の間の気泡発生領域110の液体に熱が作用し、その液
体に、米国特許第4,723,129号明細書などに記
載されているような膜沸騰現象に基づいて気泡111を
発生させる。気泡111の発生に基づく圧力と気泡11
1とは可動部材106に優先的に作用し、可動部材10
6は、図18(b)、図18(c)もしくは図19に示
されるように支点108を中心に吐出口104側に大き
く開くように変位する。可動部材106の変位もしくは
変位した状態によって気泡111の発生に基づく圧力の
伝搬や気泡109の先端部が幅を有しているため、気泡
111の発泡パワーを吐出口104側へ導きやすくな
り、液滴の吐出効率や吐出力または吐出速度などの根本
的な向上を図ることができる。
【0017】以上説明したように、特開平9-2019
66号公報などに記載された技術は、液路中の可動部材
の支点と自由端との位置関係を、吐出口側つまり下流側
に可動部材の自由端が位置する関係にすることで、また
可動部材を発熱体もしくは気泡発生領域に面して配置す
ることで積極的に気泡を制御する技術である。
【0018】図20に示される液体吐出ヘッドの素子基
板201、発熱体202、液流路203、吐出口20
4、共通液室205および気泡発生領域209のそれぞ
れの構成は、図13に基づいて説明した液体吐出ヘッド
と同様であり、それらの構成についての詳細な説明は省
略する。
【0019】図20に示される液体吐出ヘッドでは、片
持ち梁状に形成された可動部材206の一端に段差部2
06aが設けられており、素子基板201上に可動部材
206が直接固定されている。これにより、可動部材2
06は素子基板201上に保持され、可動部材206の
支点207が構成されるともとに、この支点207に対
して下流側に自由端208が構成されている。
【0020】以上で説明したように、可動部材の固定部
分に台座を設けたり、あるいは可動部材の固定部分に段
差部を設けたりすることにより、可動部材と発熱部との
間に1〜20μm程度のギャップが構成され、可動部材
による液体吐出効率を向上させる効果が十分に引き出さ
れる。従って、上述したような吐出原理に基づく液体吐
出ヘッドなどによると、発生する気泡とこれによって変
位する可動部材との相乗効果を得ることができ、吐出口
近傍の液体を効率よく吐出させることができるため、可
動部材を用いていない従来のバブルジェット方式の吐出
方法や液体吐出ヘッドなどと比較して液体の吐出効率が
向上する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基本的に従
来の気泡、特に膜沸騰に伴う気泡を液流路中に形成して
液体を吐出する方式の根本的な吐出特性を、従来では予
想できない水準に高めることを主たる課題とする。
【0022】本発明者たちは、従来では得られなかった
気泡を利用した新規な液滴吐出方法、およびその方法を
用いたヘッドなどを提供すべく鋭意研究を行った。この
とき、液流路中の可動部材の機構の原理を解析するとい
った液流路中の可動部材の動作を起点とする第1技術解
析、および気泡による液滴吐出原理を起点とする第2技
術解析、さらには、気泡形成用の発熱体の気泡形成領域
を起点とする第3解析を行い、これらの解析によって、
可動部材の支点と自由端の配置関係を吐出口側つまり下
流側に自由端が位置する関係にすること、また可動部材
を発熱体もしくは気泡発生領域に面して配することで積
極的に気泡を制御する全く新規な技術を確立するに至っ
た。
【0023】次に、気泡自体が吐出量に与えるエネルギ
ーを考慮すると、気泡の下流側の成長成分を考慮するこ
とが吐出特性を格段に向上できる要因として最大である
との知見に至った。つまり、気泡の下流側の成長成分を
吐出方向へ効率よく変換させることこそ吐出効率、吐出
速度の向上をもたらすことも判明した。
【0024】さらに、気泡を形成するための発熱領域、
例えば電気熱変換体の液体の流れ方向の面積中心を通る
中心線から下流側、あるいは、発泡を司る面における面
積中心などの気泡下流側の成長にかかわる可動部材や液
流路などに構造的要素を勘案することも好ましいという
ことがわかった。
【0025】また、一方、可動部材の配置と液供給路の
構造を考慮することで、リフィル速度が大幅に向上する
ことができることがわかった。
【0026】本発明の目的は、気泡の発生に基づく圧力
による可動部材の自由端の変位を利用して液体を吐出す
る際に吐出特性が安定した、信頼性の高い液体吐出ヘッ
ドを製造することが可能な液体吐出ヘッドの製造方法
や、その製造方法により製造された液体吐出ヘッド、ヘ
ッドカートリッジおよび液体吐出記録装置を提供するこ
とにある。また、本発明の目的は、前記液体吐出ヘッド
の可動部材などを高い精度で、かつ高密度に形成するこ
とができる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することに
ある。さらに、本発明の目的は、高速印字などに伴いヘ
ッドの温度が変化しても、液流路の流れ抵抗や、素子基
板と流路壁との密着性、発熱体に対する可動部材および
液流路の位置がほとんど変化せず、高品位な記録および
吐出安定性を保ち得る液体吐出ヘッドを製造することが
可能な液体吐出ヘッドの製造方法を提供することにあ
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、液体を吐出する吐出口と、前記吐出口に
前記液体を供給するために前記吐出口と連通する液流路
と、前記液流路内に設けられた前記液体に気泡を発生さ
せるための発熱体と、前記発熱体を備える素子基板と、
前記素子基板の前記発熱体に対向する位置に、前記素子
基板との間に間隙をおいて前記吐出口側を自由端として
前記素子基板に設けられた可動部材とを備え、前記気泡
が発生されることにより生じる圧力によって、前記可動
部材の自由端が前記可動部材の、前記素子基板との支持
固定部付近に構成された支点部を中心として前記吐出口
側に変位されることにより、前記液体を前記吐出口から
吐出させる液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記素
子基板の前記発熱体側の面上に、前記素子基板と前記可
動部材との間の前記間隙を形成するためのAlからなる
間隙形成部材を形成する工程と、前記間隙形成部材を被
覆するように前記可動部材を形成するための材料膜を形
成する工程と、前記材料膜をドライエッチングによって
パターニングする工程と、前記間隙形成部材を溶出する
ことにより前記間隙を形成する工程とを有するととも
に、前記Alからなる間隙形成部材は、前記材料膜がエ
ッチングされる領域まで延在されている。
【0028】具体的には、前記素子基板の材料としてシ
リコンを用い、前記可動部材の材料膜として窒化シリコ
ン、酸化シリコンまたは炭化シリコンのうちいずれか1
つを用いる。
【0029】また、前記素子基板は、前記液流路を形成
するための液流路側壁を有し、該液流路側壁は、前記材
料膜の可動部材形成領域に耐エッチング保護膜を設けた
後、前記材料膜上に、前記液流路側壁を形成するための
膜を積層し、その後ドライエッチングを行うことにより
前記可動部材と同時に形成されることが好ましい。
【0030】さらに、前記ドライエッチングの工程時
に、前記間隙形成部材は、前記間隙形成部材と電気的に
接続された基板を介して接地されていることが好まし
い。さらに、前記素子基板が、前記発熱体の面上に形成
されたTaからなる耐キャビテーション膜を有するもの
であり、前記流路側壁を形成するための膜を、プラズマ
CVD法を用いて形成する際に前記耐キャビテーション
膜を接地することが好ましい。
【0031】さらに、前記素子基板の発熱体が設けられ
た面には、前記発熱体をヘッド外部と電気的に接続する
ためのパッドが設けられており、前記間隙形成部材は保
護層を介して該パッド上にも設けられるとともに、該保
護層は前記間隙形成部材の溶出後に除去される。この場
合、前記保護層の材料として窒化シリコンを用いること
が好ましい。さらに、前記保護層として前記窒化シリコ
ン上にさらにTiWを用いてもよい。
【0032】さらに、前記間隙形成部材を溶出する工程
で、酢酸、りん酸および硝酸の混合液による加温エッチ
ングを用いることが好ましく、前記TiWの除去は、過
酸化水素を用いたエッチングによって行われることが好
ましい。
【0033】さらに、本発明は、液体を吐出する吐出口
と、前記吐出口に前記液体を供給するために前記吐出口
と連通する液流路と、前記液流路内の前記液体に気泡を
発生させるための発熱体が一方の面側に備えられた素子
基板と、前記液流路を形成するように前記素子基板上に
形成された流路側壁と、前記素子基板の前記発熱体に対
向する位置に、前記素子基板との間に間隙をおいて、前
記吐出口側を自由端として前記素子基板に設けられた可
動部材とを備え、前記気泡が発生されることにより生じ
る圧力によって、前記可動部材の自由端が前記可動部材
の、前記素子基板との支持固定部付近に構成された支点
部を中心として前記吐出口側に変位されることにより、
前記液体を前記吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドの
製造方法であって、前記素子基板の前記発熱体側の面上
に前記素子基板と前記可動部材との間の前記間隙を形成
するための間隙形成部材を部分的に形成する工程と、前
記素子基板の表面および前記間隙形成部材の表面に、前
記可動部材を形成するためのシリコン系材料からなる材
料膜を形成する工程と、前記可動部材を形成するための
材料膜表面の、前記可動部材に対応する部分に第1のマ
スク層を形成する工程と、前記可動部材を形成するため
の材料膜表面および前記第1のマスク層の表面に、前記
流路側壁を形成するためのシリコン系材料からなる膜を
形成する工程と、前記流路側壁を形成するための膜表面
の、前記流路側壁に対応する部分に第2のマスク層を形
成する工程と、前記可動部材を形成するための材料膜お
よび前記流路側壁を形成するための膜を前記第1、第2
のマスク層を用いてエッチングによりパターニングして
前記液流路、および前記流路側壁の少なくとも一部を形
成する工程と、前記間隙形成部材および前記第2の保護
層を除去して前記可動部材を形成する工程とを有する。
【0034】具体的には、前記可動部材を形成するため
の前記材料膜を形成する工程、および前記流路側壁を形
成するための膜を形成する工程でプラズマCVD法を用
いる。また、前記間隙形成部材および前記第1、第2の
マスク層の材質としてAlまたは、Alを含む合金を用
い、かつ、前記間隙形成部材を形成する工程、および前
記第2の保護層を形成する工程でスパッタリング法およ
びフォトリソグラフィプロセスを用いる。前記Alを含
む合金としては、Al-Cu、Al-Ni、Al-Cr、
Al-CoまたはAl-Feのうちいずれか1つを用いる
ことができる。さらに、前記可動部材の前記支持固定部
と、前記素子基板との密着部の構成材料にTiWまたは
Taの少なくともいずれか一方が含まれていてもよい。
【0035】さらに、前記間隙形成部材を形成する工程
の前に、前記可動部材の、前記自由端と反対側の端部を
前記素子基板上に固定するための台座部を前記素子基板
の前記発熱体側の面上に形成する工程をさらに有するこ
とが好ましい。この場合、前記台座部と前記素子基板と
の密着部の構成材料にTiWまたはTaの少なくともい
ずれか一方が含まれていてもよい。さらに、前記流路側
壁と前記素子基板との密着部の構成材料にTiWまたは
Taの少なくともいずれか一方が含まれていてもよい。
【0036】さらに、本発明は、液体を吐出する吐出口
と、前記吐出口に前記液体を供給するために前記吐出口
と連通する液流路と、前記液流路内の前記液体に気泡を
発生させるための発熱体が一方の面側に備えられた素子
基板と、前記液流路を形成するように前記素子基板上に
形成された流路側壁と、前記素子基板の前記発熱体に対
向する位置に、前記素子基板との間に間隙をおいて、前
記吐出口側を自由端として前記素子基板に設けられた可
動部材と、該可動部材の変位を規制するストッパ部とを
備え、前記気泡が発生されることにより生じる圧力によ
って、前記可動部材の自由端が前記可動部材の、前記素
子基板との支持固定部付近に構成された支点部を中心と
して前記吐出口側に変位されることにより、前記液体を
前記吐出口から吐出させる液体吐出ヘッドの製造方法で
あって、前記素子基板の前記可動部材上に流路側壁を形
成するための膜を設け、前記可動部材の可動領域におけ
る液流路パターンとは異なるパターンで前記膜をエッチ
ングすることにより可動部材上に液流路の一部とストッ
パ部とを同時に作り込む工程を有する。
【0037】前記ストッパ部を形成する工程が、前記液
流路の内部に、前記可動部材が変位する空間を形成する
ための膜を埋め込む工程と、前記流路側壁を形成するた
めの膜の表面、および前記可動部材が変位する空間を形
成するための膜の表面に、前記ストッパ部を形成するた
めの膜を形成する工程と、前記ストッパ部を形成するた
めの膜を、フォトリソグラフィプロセスを用いてパター
ニングして前記ストッパ部を形成する工程とから構成さ
れていることが好ましい。
【0038】上記の通りの発明では、液体吐出ヘッド
に、気泡の発生に伴う圧力によって変位する可動部材を
設けることで、発生した圧力を効率的に吐出口方向に向
かわせるでき、吐出液体のリフィルを向上させつつ、吐
出エネルギーの効率が高く、高い吐出圧で液体を吐出す
ることが可能な液体吐出ヘッドを製造することができ
る。
【0039】また、素子基板の材料としてシリコンを用
い、可動部材および流路側壁の材料として、窒化シリコ
ン、酸化シリコンまたは炭化シリコンといった、シリコ
ン系のものを用いることにより、それらの部材の熱膨張
率がほぼ等しくなる。これにより、温度変化によって、
可動部材の、素子基板に対する固定部分の強度や、流路
側壁と素子基板との密着性が低下することが防止され
る。その結果、液体吐出ヘッドの温度が変化しても、素
子基板と流路壁との密着性、発熱体に対する可動部材お
よび液流壁の位置や、さらには液流路の流れ抵抗がほと
んど変化しない液体吐出ヘッドを製造することができ
る。
【0040】さらに、可動部材を形成するための前記材
料膜や、流路側壁を形成するための膜をプラズマCVD
法を用いて形成する際に素子基板の耐キャビテーション
膜を接地することにより、プラズマ放電により分解され
たイオン種およびラジカルの電荷によって素子基板の発
熱体2などの機能素子が損傷することが防止される。
【0041】さらに、可動部材を形成するための前記材
料膜、および流路側壁を形成するための膜をドライエッ
チングによりパターニングして、液流路、および流路側
壁の少なくとも一部を形成する際に間隙形成部材を接地
することにより、ドライエッチングの際に、例えばCF
4ガスなどのガスの分解により生じるイオン種およびラ
ジカルの電荷によって素子基板1の発熱体2などの機能
素子が損傷することが防止される。
【0042】さらに、可動部材を形成するためにフォト
リソグラフィプロセスを用いることで、可動部材の吐出
方向の長さおよび幅などの寸法ばらつきに起因する、可
動部材の機械的特性のばらつきを小さくすることができ
る。
【0043】また、本発明の液体吐出ヘッドは、熱エネ
ルギーを液体に作用させることで起こる気泡の発生を利
用して液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、上述し
た液体吐出ヘッドの製造方法により製造されたものであ
る。
【0044】さらに、本発明のヘッドカートリッジは、
上述した製造方法により製造された液体吐出ヘッドと、
該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器
とを有する。
【0045】さらに、本発明の液体吐出記録装置は、上
述した製造方法により製造された液体吐出ヘッドと、該
液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を
供給する駆動信号供給手段とを有する。
【0046】さらに、本発明の液体吐出記録装置は、上
述した製造方法により製造された液体吐出ヘッドと、該
液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記録媒体
を搬送する被記録媒体搬送手段とを有する。
【0047】上記の液体吐出記録装置は、前記液体吐出
ヘッドから液体を吐出して被記録媒体に前記液体を付着
させることで記録を行うものである。
【0048】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部
材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、
又はこの構成上の方向に関しての表現として表されてい
る。
【0049】また、気泡自体に関する「下流側」とは、
気泡の中心に対して、上記流れ方向や上記構成上の方向
に関する下流側、又は、発熱体の面積中心より下流側の
領域で発生する気泡を意味する。同様に、気泡自体に関
する「上流側」とは気泡の中心に対して、上記流れ方向
や上記構成上の方向に関する上流側、又は、発熱体の面
積中心より上流側の領域で発生する気泡を意味する。
【0050】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0051】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態の液体吐出ヘッドに用いられる素子基板の
断面図である。図1に示すように、本実施形態の液体吐
出ヘッドに用いられる素子基板1では、シリコン基板3
01の表面に、蓄熱層としての熱酸化膜302および、
蓄熱層を兼ねる層間膜303がこの順番で積層されてい
る。層間膜303としては、SiO2膜またはSi34
膜が用いられている。層間膜303の表面に部分的に抵
抗層304が形成され、抵抗層304の表面に部分的に
配線305が形成されている。配線305としては、A
lまたは、Al-Si,Al-CuなどのAl合金配線が
用いられている。この配線305、抵抗層304および
層間膜303の表面に、SiO2膜またはSi34膜か
ら成る保護膜306が形成されている。保護膜306の
表面の、抵抗層304に対応する部分およびその周囲に
は、抵抗層304の発熱に伴う化学的および物理的な衝
撃から保護膜306を守るための耐キャビテーション膜
307が形成されている。抵抗層304表面の、配線3
05が形成されていない領域は、抵抗層304の熱が作
用する部分となる熱作用部308である。
【0052】この素子基板1上の膜は半導体の製造技術
によりシリコン基板301の表面に順に形成され、シリ
コン基板301に熱作用部308が備えられている。
【0053】図2は、図1に示した素子基板1の主要素
子を縦断するように素子基板1を断面にした時の模式的
断面図である。
【0054】図2に示すように、P導電体であるシリコ
ン基板301の表層にはN型ウェル領域422およびP
型ウェル領域423が部分的に備えられている。そし
て、一般的なMosプロセスを用いてイオンプラテーシ
ョンなどの不純物導入および拡散によって、N型ウェル
領域422にP-Mos420が、P型ウェル領域42
3にN-Mos421が備えられている。P-Mos42
0は、N型ウェル領域422の表層に部分的にN型ある
いはP型の不純物を導入してなるソース領域425およ
びドレイン領域426や、N型ウェル領域422の、ソ
ース領域425およびドレイン領域426を除く部分の
表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜428を介して堆積さ
れたゲート配線435などから構成されている。また、
N-Mos421は、P型ウェル領域423の表層に部
分的にN型あるいはP型の不純物を導入してなるソース
領域425およびドレイン領域426や、P型ウェル領
域423の、ソース領域425およびドレイン領域42
6を除く部分の表面に厚さ数百Åのゲート絶縁膜428
を介して堆積されたゲート配線435などから構成され
ている。ゲート配線435は、CVD法により堆積した
厚さ4000Å〜5000Åのポリシリコンから成るも
のである。これらのP-Mos420およびN-Mos4
21からC-Mosロジックが構成されている。
【0055】P型ウェル領域423の、N-Mos42
1と異なる部分には、電気熱変換素子駆動用のN-Mo
sトランジスタ430が備えられている。N-Mosト
ランジスタ430も、不純物導入および拡散などの工程
によりP型ウェル領域423の表層に部分的に備えられ
たソース領域432およびドレイン領域431や、P型
ウェル領域423の、ソース領域432およびドレイン
領域431を除く部分の表面にゲート絶縁膜428を介
して堆積されたゲート配線433などから構成されてい
る。
【0056】本実施形態では、電気熱変換素子駆動用の
トランジスタとしてN-Mosトランジスタ430を用
いたが、複数の電気熱変換素子を個別に駆動できる能力
を持ち、かつ、上述したような微細な構造を得ることが
できるトランジスタであれば、このトランジスタに限ら
れない。
【0057】P-Mos420とN-Mos421との間
や、N-Mos421とN-Mosトランジスタ430と
の間などの各素子間には、5000Å〜10000Åの
厚さのフィールド酸化により酸化膜分離領域424が形
成されており、その酸化膜分離領域424によって各素
子が分離されている。酸化膜分離領域424の、熱作用
部308に対応する部分は、シリコン基板301の表面
側から見て一層目の蓄熱層434としての役割を果た
す。
【0058】P-Mos420、N-Mos421および
N-Mosトランジスタ430の各素子の表面には、厚
さ約7000ÅのPSG膜またはBPSG膜などから成
る層間絶縁膜436がCVD法により形成されている。
熱処理により層間絶縁膜436を平坦化した後に、層間
絶縁膜436およびゲート絶縁膜428を貫通するコン
タクトホールを介して第1の配線層となるAl電極43
7により配線が行われている。層間絶縁膜436および
Al電極437の表面には、厚さ10000Å〜150
00ÅのSiO2膜から成る層間絶縁膜438がプラズ
マCVD法により形成されている。層間絶縁膜438の
表面の、熱作用部308およびN-Mosトランジスタ
430に対応する部分には、厚さ約1000ÅのTaN
0.8,hex膜から成る抵抗層304がDCスパッタ法によ
り形成されている。抵抗層304は、層間絶縁膜438
に形成されたスルーホールを介してドレイン領域431
の近傍のAl電極437と電気的に接続されている。抵
抗層304の表面には、各電気熱変換素子への配線とな
る第2の配線層としての、Alの配線305が形成され
ている。
【0059】配線305、抵抗層304および層間絶縁
膜438の表面の保護膜306は、プラズマCVD法に
より形成された厚さ10000ÅのSi34膜から成る
ものである。保護膜306の表面に形成された耐キャビ
テーション膜307は、厚さ約2500ÅのTaなどの
膜から成るものである。
【0060】図3は、本発明の第1の実施形態の液体吐
出ヘッドの、流路方向に沿った断面図である。
【0061】図3に示すように本実施形態の液体吐出ヘ
ッドは、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを
与える吐出エネルギー発生素子としての、複数個(図3
では、1つのみ示す)の発熱体2が並列に設けられた素
子基板1と、この素子基板1上に接合された天板3と、
素子基板1および天板3の前端面に接合されたオリフィ
スプレート4とを有する。
【0062】素子基板1は、上述したように、シリコン
などの基板上に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸
化膜または窒化シリコン膜を成膜し、その上に、発熱体
2を構成する電気抵抗層および配線をパターニングした
ものである。この配線から電気抵抗層に電圧を印加し、
電気抵抗層に電流を流すことで発熱体2が発熱する。そ
して、この配線と電極抵抗層の上には、それらをインク
から保護する保護膜が形成されており、さらにその保護
膜の上にはインク消泡によるキャビテーションから保護
する耐キャビテーション膜が形成されている。素子基板
1上には、各発熱体2に対応した複数の液流路7を形成
するための流路側壁9や、各液流路7に液体を供給する
ための共通液室8を構成するための部材が形成されてい
る。
【0063】天板3も、各発熱体2に対応した複数の液
流路7および、各液流路7に液体を供給するための共通
液室8を構成するためのものである。天板3はシリコン
系の材料で構成され、シリコン基板上にCVDなどの公
知の成膜方法により酸化シリコンを堆積したものであ
る。
【0064】オリフィスプレート4には、各液流路7に
対応し、それぞれの液流路7を介して共通液室8に連通
する複数の吐出口5が形成されている。素子基板1と天
板3とを接合することにより複数の発熱体2および液流
路7を備えたヘッド基体が構成されていて、そのヘッド
基体の前端面にオリフィスプレート4が接合されてい
る。
【0065】素子基板1の、液流路7に対応する部分の
上には、発熱体2に対向する平面部を有する板状の可動
部材6が片持ち梁状に設けられている。可動部材6は、
弾性を有する材料から構成されている。片持ち梁状に形
成された可動部材6の一端に段差部6cが設けられてお
り、素子基板1上に可動部材6が直接固定されている。
これにより、可動部材6は素子基板1上に保持され、可
動部材6の支点6aが構成されるともとに、この支点6
aに対して下流側に自由端6bが構成されている。
【0066】可動部材6は、液体の吐出動作によって共
通液室8から可動部材6の上方を経て吐出口5側へ流れ
る大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6a
に対して下流側に自由端6bを持つように、発熱体2と
対向する位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2か
ら所定の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可
動部材6との間の間隙が気泡発生領域10となる。可動
部材6の材料としては、窒化シリコン、酸化シリコンま
たは炭化シリコンなどのシリコン系のものが用いられ
る。
【0067】図4は、図1、図2および図3に示した素
子基板1の回路構成を説明するための図である。図4に
おいて、符号2は一列に配列された発熱体であり、符号
502はドライバとしてのパワートランジスタであり、
符号503はラッチ回路であり、符号504はシフトレ
ジスタである。また、符号505は、シフトレジスタ5
04を動かすためのクロックであり、符号506は画像
データ入力部であり、符号507は、パワートランジス
タ502のオン時間を外部からコントロールするための
ヒートパルス幅入力部であり、符号508はロジック電
源であり、符号509はGNDであり、符号510は発
熱体駆動電源(VH)であり、符号511はパワートラ
ンジスタ(Vce)であり、符号512は、素子基板1
に形成された耐キャビテーション膜である。耐キャビテ
ーション膜512は、素子基板1を構成するシリコン基
板と電気的に接続されている。これにより、後述するよ
うに液体吐出ヘッドを製造するためにプラズマCVD法
により素子基板1上にSiN膜を形成する際や、素子基
板1上のSiN膜をドライエッチングにより除去する際
に、耐キャビテーション膜512が素子基板1のシリコ
ン基板を介してアースに接地される。
【0068】このような構成の素子基板1を含む液体吐
出ヘッドを有する液体吐出記録装置では、画像データが
画像データ入力部506からシフトレジスタ504に直
列(シリアル)に入力される。その入力データはラッチ
回路503において一時記憶され、その間にデコーダで
制御された、ヒートパルス幅入力部507からパルスが
入力されると、パワートランジスタ502がオン状態と
なり、発熱体2が駆動される。これにより、駆動された
発熱体2上の液流路中の液体(インク)が加熱され、吐
出口から液体が吐出されて記録が行われる。
【0069】次に、図3に示した液体吐出ヘッドの製造
方法について説明する。
【0070】図5は、図3に示した素子基板1上に可動
部材6および流路側壁9を形成する方法を説明するため
の図であり、図6は、プラズマCVD装置を用いて素子
基板1上にSiN膜を形成する方法を説明するための図
である。また、図7は、図3に示した素子基板1上に可
動部材6および流路側壁9を形成する方法を説明するた
めの図であり、図8は、ドライエッチング装置を用いて
SiN膜をエッチングする方法を説明するための図であ
る。図5(a)〜図5(c)および、図7(a)〜図7
(c)のそれぞれでは、図3に示した液流路7の流路方
向と直行する方向に沿った断面が示されている。図5
(a)〜図5(c)および、図7(a)〜図7(c)の
工程を経て、素子基板1上に可動部材6および流路側壁
9が形成される。
【0071】まず、図5(a)では、素子基板1の発熱
体2側の面全体に、発熱体2との電気的な接続を行うた
めの接続用パッド部分を保護するための第1の保護層と
して、不図示のTiW膜をスパッタリング法によって厚
さ約5000Å形成する。この素子基板1の発熱体2側
の面に、間隙形成部材21を形成するためのAl膜をス
パッタリング法によって厚さ約4μm形成する。形成さ
れたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセスを用
いてパターニングし、図3に示した発熱体2と可動部材
6との間の気泡発生領域10に対応する位置に、素子基
板1と可動部材6との間の間隙を形成するための、Al
膜からなる間隙形成部材21を複数形成する。それぞれ
の間隙形成部材21は、後述する図7(b)の工程にお
いて、可動部材6を形成するための材料膜であるSiN
膜22がエッチングされる領域まで延在されている。
【0072】間隙形成部材21は、後述するようにドラ
イエッチングにより液流路7および可動部材6を形成す
る際のエッチングストップ層として機能する。これは、
素子基板1におけるパッド保護層としてのTiW層や、
耐キャビテーション膜としてのTa膜、および抵抗体上
の保護層としてのSiN膜が、液流路7を形成するため
に使用するエッチングガスによりエッチングされてしま
うからであり、これらの層や膜のエッチングが間隙形成
部材21により防止される。そのため、ドライエッチン
グにより液流路7を形成する際に素子基板1の発熱体2
側の面や、素子基板1上のTiW層が露出しないよう
に、それぞれの間隙形成部材21における液流路7の流
路方向と直行する方向の幅は、後述する図7(b)の工
程で形成される液流路7の幅よりも広くなっている。
【0073】さらに、ドライエッチング時には、CF4
ガスの分解によりイオン種およびラジカルが発生し、素
子基板1の発熱体2や機能素子にダメージを与えること
があるが、Alからなる間隙形成部材21は、これらイ
オン種やラジカルを受け止めて素子基板1の発熱体2や
機能素子を保護するものとなっている。
【0074】次に、図5(b)では、間隙形成部材21
の表面、および素子基板1の間隙形成部材21側の面上
に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を形成する
ための材料膜である厚さ約4.5μmのSiN膜22
を、間隙形成部材21を被覆するように形成する。ここ
で、プラズマCVD装置を用いてSiN膜22を形成す
る際には、図6を参照して次に説明するように、素子基
板1を構成するシリコン基板などを介して、素子基板1
に備えられたTaからなる耐キャビテーション膜を接地
する。これにより、プラズマCVD装置の反応室内での
プラズマ放電により分解されたイオン種およびラジカル
の電荷に対して素子基板1内の発熱体2やラッチ回路な
どの機能素子を保護することができる。
【0075】図6に示すように、SiN膜22を形成す
るためのプラズマCVD装置の反応室43a内には、所
定の距離をおいて互いに対向するRF電極42aおよび
ステージ45aが備えられている。RF電極42aに
は、反応室43aの外部のRF電源41aによって電圧
が印加される。一方、ステージ45aのRF電極42a
側の面上には素子基板1が取り付けられており、素子基
板1の発熱体2側の面がRF電極42aと対向してい
る。ここで、素子基板1が有する、発熱体2の面上に形
成されたTaからなる耐キャビテーション膜は、図4に
基づいて前述したように素子基板1のシリコン基板と電
気的に接続されており、間隙形成部材21は、素子基板
1のシリコン基板、およびステージ45aを介して接地
されている。このように構成されたプラズマCVD装置
においては、前記耐キャビテーション膜が接地された状
態で供給管44aを通して反応室43a内にガスを供給
し、素子基板1とRF電極42aとの間にプラズマ46
を発生させる。反応室43a内でのプラズマ放電により
分解されたイオン種やラジカルが素子基板1上に堆積す
ることで、SiN膜22が素子基板1上に形成される。
その際、イオン種やラジカルにより素子基板1上に電荷
が発生するが、上述したように耐キャビテーション膜が
接地されていることにより、素子基板1内の発熱体2や
ラッチ回路などの機能素子がイオン種やラジカルの電荷
によって損傷することが防止される。
【0076】次に、図5(c)では、SiN膜22の表
面に、スパッタリング法によりAl膜を厚さ約6100
Å形成した後、形成されたAl膜を、周知のフォトリソ
グラフィプロセスを用いてパターニングし、SiN膜2
2表面の、可動部材6に対応する部分、すなわちSiN
膜22表面の可動部材形成領域に第2の保護層としての
Al膜23を残す。Al膜23は、ドライエッチングに
より液流路7を形成する際の保護層(エッチングストッ
プ層)となる。
【0077】次に、図7(a)では、SiN膜22およ
びAl膜23の表面に、流路側壁9を形成するためのS
iN膜24を、マイクロ波CVD法を用いて厚さ約50
μm形成する。ここで、マイクロ波CVD法によるSi
N膜24の成膜に使用するガスとしては、モノシラン
(SiH4)、窒素(N2)およびアルゴン(Ar)を用
いた。そのガスの組み合わせとしては、上記以外にも、
ジシラン(Si26)やアンモニア(NH3)などとの
組み合わせや、混合ガスを用いてもよい。また、周波数
が2.45[GHz]のマイクロ波のパワーを1.5[k
W]とし、ガス流量としてはモノシランを100[scc
m]、窒素を100[sccm]、アルゴンを40[sccm]
でそれぞれのガスを供給して、圧力が0.667[Pa]
(5[mTorr])の高真空下でSiN膜24を形成し
た。また、ガスのそれ以外の成分比でのマイクロ波プラ
ズマCVD法や、RF電源を使用したCVD法などでS
iN膜24を形成してもよい。
【0078】CVD法によりSiN膜24を形成する際
には、図6に基づいて前述したようなSiN膜22を形
成する方法と同様に、発熱体2の面上に形成されている
Taからなる耐キャビテーション膜を素子基板1のシリ
コン基板を介して接地する。これにより、CVD装置の
反応室内でのプラズマ放電により分解されたイオン種お
よびラジカルの電荷に対して素子基板1内の発熱体2や
ラッチ回路などの機能素子を保護することができる。
【0079】そして、SiN膜24の表面全体にAl膜
を形成した後に、形成されたAl膜を、フォトリソグラ
フィなどの周知の方法を用いてパターニングして、Si
N膜24表面の、液流路7に対応する部分を除く部分に
Al膜25を形成する。前述したように、それぞれの間
隙形成部材21における液流路7の流路方向と直行する
方向の幅は、次の図7(b)の工程で形成される液流路
7の幅よりも広くなっているので、Al膜25の側部が
間隙形成部材21の側部の上方に配置されている。
【0080】次に、図7(b)では、誘電結合プラズマ
を使ったエッチング装置を用いてSiN膜24およびS
iN膜22をパターニングして流路側壁9および可動部
材6を同時に形成する。そのエッチング装置では、CF
4とO2の混合ガスを用いて、Al膜23,25および間
隙形成部材21をエッチングストップ層すなわちマスク
として、SiN膜24がトレンチ構造となるようにSi
N膜24およびSiN膜22のエッチングを行う。この
SiN膜22をパターニングする工程では、図3に示し
たように可動部材6の支持固定部が素子基板1に直接固
定されるようにSiN膜22の不要な部分を除去する。
可動部材6の支持固定部と素子基板1との密着部の構成
材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、およ
び素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料である
Taが含まれる。
【0081】ここで、ドライエッチング装置を用いてS
iN膜22および24をエッチングする際には、図8を
参照して次に説明するように素子基板1などを介して間
隙形成部材21を接地する。これにより、ドライエッチ
ングの際にCF4ガスの分解により生じるイオン種およ
びラジカルの電荷が間隙形成部材21に留まることを防
止して、素子基板1の発熱体2やラッチ回路などの機能
素子を保護することができる。また、このエッチングの
工程で形成される液流路7の幅よりも間隙形成部材21
の幅の方が広くなっているため、SiN膜24の不要な
部分を除去した際に素子基板1の発熱体2側の面が露出
することがなく、間隙形成部材21によって素子基板1
が確実に保護される。
【0082】図8に示すように、SiN膜22および2
4をエッチングするためのドライエッチング装置の反応
室43b内には、所定の距離をおいて互いに対向するR
F電極42bおよびステージ45bが備えられている。
RF電極42bには、反応室43bの外部のRF電源4
1bによって電圧が印加される。一方、ステージ45b
のRF電極42b側の面上には素子基板1が取り付けら
れており、素子基板1の発熱体2側の面がRF電極42
bと対向している。ここで、Al膜からなる間隙形成部
材21は、素子基板1に備えれたTaからなる耐キャビ
テーション膜と電気的に接続されており、かつ、その耐
キャビテーション膜は、図4に基づいて前述したように
素子基板1のシリコン基板と電気的に接続されており、
間隙形成部材21は、素子基板1の耐キャビテーション
膜やシリコン基板、およびステージ45bを介して接地
されている。
【0083】このように構成されたドライエッチング装
置において、間隙形成部材21が接地された状態で供給
管44aを通して反応室43a内にCF4とO2の混合ガ
スを供給し、SiN膜24,22のエッチングを行う。
その際、CF4ガスの分解により生じるイオン種やラジ
カルによって素子基板1上に電荷が発生するが、上述し
たように間隙形成部材21が接地されていることによ
り、素子基板1内の発熱体2やラッチ回路などの機能素
子がイオン種やラジカルの電荷によって損傷することが
防止される。
【0084】本実施形態では、反応室43aの内部に供
給するガスとして、CF4とO2の混合ガスを用いたが、
2が混合されていないCF4ガスまたはC26ガス、あ
るいはC26とO2の混合ガスなどを用いてもよい。
【0085】次に、図7(c)では、酢酸、りん酸およ
び硝酸の混酸を用いてAl膜23および25を加温エッ
チングすることで、Al膜23および25や、Al膜か
らなる間隙形成部材21を溶出して除去し、素子基板1
上に可動部材6および流路側壁9を作り込む。その後、
過酸化水素を用いて、素子基板1に形成したパッド保護
層としてのTiW膜の、気泡発生領域10およびパッド
に対応する部分を除去する。素子基板1と流路側壁9と
の密着部にも、パッド保護層の構成材料であるTiW、
および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成材料で
あるTaが含まれている。
【0086】図9は、図3に示した本実施形態の液体吐
出ヘッドの製造方法を説明するための図である。
【0087】上述したように素子基板1上に可動部材6
および流路側壁9を形成した後には、図9に示すように
素子基板1の流路側壁9側の面に天板3を接合するとも
とに素子基板1および天板3の前端面に、吐出口5が形
成されたオリフィスプレート4を接合して、図3に示し
た液体吐出ヘッドが製造される。天板3は、シリコンウ
ェハ51の両面にSiO2膜52を形成してなるもので
ある。天板3を作成する方法としては、シリコンウェハ
51にSiO2膜52を形成し、周知のフォトリソグラ
フィプロセスを用いてSiO2膜52のパターニングを
行う。その後、シリコンウェハ51の、共通液室8に対
応する部分を、TMAH(テトラメチルアンモニウムハ
イドライド)を使ってエッチングにより除去して、液流
路7にインクを供給するための共通液室8を天板3に形
成する。
【0088】本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法で
は、図3に示したように可動部材6の支持固定部が素子
基板1に直接固定されているものを製造する場合で説明
したが、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を適用
して、可動部材が台座部を介して素子基板に固定された
液体吐出ヘッドを製造することもできる。この場合、図
5(a)に示した間隙形成部材21を形成する工程の前
に、可動部材の、自由端と反対側の端部を素子基板に固
定するための台座部を素子基板の発熱体側の面上に形成
する。この場合でも、台座部と素子基板との密着部の構
成材料には、パッド保護層の構成材料であるTiW、お
よび素子基板の耐キャビテーション膜の構成材料である
Taが含まれる。
【0089】以上で説明したように、本実施形態の液体
吐出ヘッドの製造方法では、液体吐出ヘッドに、気泡の
発生に伴う圧力によって変位する可動部材6を設けるこ
とで、発生した圧力を効率的に吐出口方向に向かわせる
でき、吐出液体のリフィルを向上させつつ、吐出エネル
ギーの効率が高く、高い吐出圧で液体を吐出することが
可能な液体吐出ヘッドを製造することができる。
【0090】また、素子基板1の材料としてシリコンを
用い、可動部材6および流路側壁9の材料として、窒化
シリコン、酸化シリコンまたは炭化シリコンといった、
シリコン系のものを用いることにより、それらの部材の
熱膨張率がほぼ等しくなる。これにより、温度変化によ
って、可動部材6の、素子基板1に対する固定部分の強
度や、流路側壁9と素子基板1との密着性が低下するこ
とが防止される。その結果、液体吐出ヘッドの温度が変
化しても、素子基板1と流路側壁9との密着性、発熱体
2に対する可動部材6および液流側壁9の位置や、さら
には液流路7の流れ抵抗がほとんど変化しない液体吐出
ヘッドを製造することができる。
【0091】さらに、可動部材を形成するためにフォト
リソグラフィプロセスを用いることで、可動部材の吐出
方向の長さおよび幅などの寸法ばらつきに起因する、可
動部材の機械的特性のばらつきを小さくすることができ
る。また、可動部材6や流路側壁9などを高い精度で、
かつ高密度に形成することができる。
【0092】本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法で
は、素子基板1上に可動部材6および流路側壁9を形成
してなるものに天板を接合したが、この製造方法とは異
なる、次に説明するような別の製造方法により液体吐出
ヘッドを製造してもよい。
【0093】図10は、図5および図7に基づいて説明
した液体吐出ヘッドの製造方法の変形例を説明するため
の図であり、図10では、図3に示した液流路7の流路
方向に沿った断面が示されている。図10に基づいて説
明する製造方法では、素子基板1上に可動部材6を形成
してなるものと、天板に流路側壁を形成してなるものと
を接合することで、図3に示した構成の液体吐出ヘッド
を製造する。従って、この製造方法では、可動部材6が
作り込まれた素子基板1に天板を接合する前に、天板に
流路側壁が作り込まれる。
【0094】まず、図10(a)では、素子基板1の発
熱体2側の面全体に、発熱体2との電気的な接続を行う
ための接続用パッド部分を保護するための第1の保護層
としてのTiW膜26をスパッタリング法によって厚さ
約5000Å形成する。
【0095】次に、図10(b)では、TiW膜26の
表面に、間隙形成部材21aを形成するためのAl膜を
スパッタリング法によって厚さ約4μm形成する。間隙
形成部材21aは、後述する図10(d)の工程におい
て、SiN膜22aがエッチングされる領域までに延在
されている。
【0096】形成されたAl膜を、周知のフォトリソグ
ラフィプロセスを用いてパターニングすることで、その
Al膜の、可動部材6の支持固定部に対応する部分のみ
を除去し、TiW膜26の表面に間隙形成部材21aを
形成する。従って、TiW膜26表面の、可動部材6の
支持固定部に対応する部分が露出することになる。この
間隙形成部材21aは、図5および図7に示した間隙形
成部材21と同様に素子基板1と可動部材6との間の間
隙を形成するための、Al膜からなるものである。しか
しながら、間隙形成部材21aは間隙形成部材21と異
なって、図3に示した発熱体2と可動部材6との間の気
泡発生領域10に対応する位置を含む、TiW膜26表
面の、可動部材6の支持固定部に対応する部分を除く部
分全てに形成されている。従って、この製造方法では、
図5および図7に基づいて説明した製造方法と異なり、
TiW膜26表面の、流路側壁に対応する部分にまで間
隙形成部材21aが形成されている。
【0097】この間隙形成部材21aは、後述するよう
にドライエッチングにより可動部材6を形成する際のエ
ッチングストップ層として機能する。これは、TiW層
26や、素子基板1における耐キャビテーション膜とし
てのTa膜、および抵抗体上の保護層としてのSiN膜
が、液流路7を形成するために使用するエッチングガス
によりエッチングされてしまうからであり、それらの層
や膜のエッチングを防止するために、このような間隙形
成部材21aを素子基板1上に形成する。これにより、
可動部材6を形成するためにSiN膜のドライエッチン
グを行う際にTiW膜26の表面が露出することがな
く、そのドライエッチングによるTiW膜26および、
素子基板1内の機能素子の損傷が間隙形成部材21aに
よって防止される。
【0098】次に、図10(c)では、間隙形成部材2
1aの表面全体および、TiW膜26の、露出した面全
体に、プラズマCVD法を用いて、可動部材6を形成す
るための材料膜である厚さ約4.5μmのSiN膜22
aを、間隙形成部材21aを被覆するように形成する。
ここで、プラズマCVD装置を用いてSiN膜22aを
形成する際には、図6を参照して説明した方法と同様
に、素子基板1のシリコン基板などを介して素子基板1
の耐キャビテーション膜を接地する。これにより、プラ
ズマCVD装置の反応室内でのプラズマ放電により分解
されたイオン種およびラジカルによって素子基板1上に
電荷が発生するが、素子基板1内の発熱体2やラッチ回
路などの機能素子が損傷することが防止される。
【0099】次に、図10(d)では、SiN膜22a
の表面に、スパッタリング法によりAl膜を厚さ約61
00Å形成した後、形成されたAl膜を、周知のフォト
リソグラフィプロセスを用いてパターニングし、SiN
膜22a表面の、可動部材6に対応する部分に第2の保
護層としてのAl膜(不図示)を残す。その第2の保護
層としてのAl膜は、可動部材6を形成するためにSi
N膜22aのドライエッチングを行う際の保護層(エッ
チングストップ層)すなわちマスクとなる。
【0100】そして、誘電結合プラズマを使ったエッチ
ング装置を用い、前記第2の保護層をマスクにしてSi
N膜22aをパターニングすることで、そのSiN膜2
2aの残った部分で構成される可動部材6を形成する。
そのエッチング装置ではCF 4とO2の混合ガスを用いて
おり、SiN膜22aをパターニングする工程では、図
3に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板1
に直接固定されるようにSiN膜22aの不要な部分を
除去する。可動部材6の支持固定部と素子基板1との密
着部の構成材料には、パッド保護層の構成材料であるT
iW、および素子基板1の耐キャビテーション膜の構成
材料であるTaが含まれる。
【0101】ここで、ドライエッチング装置を用いてS
iN膜22をエッチングする際には、図8を参照して説
明した方法と同様に、素子基板1などを介して間隙形成
部材21aを接地する。これにより、エッチングの際に
CF4ガスの分解により生じるイオン種およびラジカル
の電荷が間隙形成部材21aに留まることを防止して、
素子基板1の発熱体2やラッチ回路などの機能素子を保
護することができる。また、このエッチングの工程にお
いて、SiN膜22aの不要な部分を除去することで露
出する部分、すなわちエッチングされる領域には、上述
したように間隙形成部材21aが形成されているため、
TiW膜26の表面が露出することがなく、間隙形成部
材21aによって素子基板1が確実に保護される。
【0102】次に、図10(e)では、酢酸、りん酸お
よび硝酸の混酸を用いて、可動部材6に形成したAl膜
からなる前記第2の保護層や、Al膜からなる間隙形成
部材21aを溶出して除去し、素子基板1上に可動部材
6を作り込む。その後、過酸化水素を用いて、素子基板
1に形成したTiW膜26の、気泡発生領域10および
パッドに対応する部分を除去する。
【0103】そして、素子基板1上に可動部材6を形成
する工程と異なる別の工程で、天板に溝を直接形成して
その天板に流路側壁を形成するか、あるいは天板の一面
に流路側壁を形成して、図3に示した流路側壁9に相当
するものを有する天板を作製する。そして、その天板
を、図10に基づいて説明した方法により素子基板1上
に可動部材6を形成してなるものに接合することで、図
3に示した構成の液体吐出ヘッドを製造する。
【0104】図10に基づいて説明した製造方法では、
図3に示したように可動部材6の支持固定部が素子基板
1に直接固定されているものを製造する場合で説明した
が、この製造方法を適用して、可動部材が台座部を介し
て素子基板に固定された液体吐出ヘッドを製造すること
もできる。この場合、図10(b)に示した間隙形成部
材21aを形成する工程の前に、可動部材の、自由端と
反対側の端部を素子基板に固定するための台座部を素子
基板の発熱体側の面上に形成する。この場合でも、台座
部と素子基板との密着部の構成材料には、パッド保護層
の構成材料であるTiW、および素子基板の耐キャビテ
ーション膜の構成材料であるTaが含まれる。
【0105】(第2の実施の形態)図11は、本発明の
第2の実施形態の液体吐出ヘッドを液流路方向で切断し
た断面図である。図11では、第1の実施形態と同一の
構成部品に同一の符号を付してある。
【0106】本形態の液体吐出ヘッドでは、第1の実施
形態と同様に、液体を吐出するための吐出エネルギー発
生素子として、液体に熱エネルギーを作用させる発熱体
2が平滑な素子基板1に設けられており、素子基板1上
の発熱体2に対応して液流路7aが配されている。液流
路7aは吐出口18に連通しているともとに、複数の液
流路7aに液体を供給するための共通液室13に連通し
ており、吐出口18から吐出された液体に見合う量の液
体をこの共通液室13から受け取る。符号Mは吐出液が
形成するメニスカスを表し、メニスカスMは、吐出口1
8及びそれに連通する液流路7aの内壁によって発生す
る毛細管力によって通常負圧である共通液室13の内圧
に対して、吐出口18近傍でつり合っている。
【0107】液流路7aは、発熱体2を備えるとともに
流路側壁9aが形成された素子基板1に、天板50が接
合されることで構成されている。発熱体2と吐出液との
接する面の近傍領域には、発熱体2が急速に加熱されて
吐出液に発泡を生じさせるための気泡発生領域10aが
存在する。この気泡発生領域10aを有する液流路7a
に可動部材31の少なくとも一部が発熱体2と対面する
ように配されている。この可動部材31は吐出口18に
向かう下流側に自由端32を有するともとに、上流側に
配置された支持部材34に支持されている。特に本形態
では、上流側へのバック波及び液体の慣性力に影響す
る、気泡の上流側半分の成長を抑制するため、自由端3
2が気泡発生領域10aの中央付近に配されている。そ
して可動部材31は気泡発生領域10aで発生する気泡
の成長に伴い、支持部材34に対して変位可能である。
この変位するときの支点33は支持部材34における可
動部材31の支持部となっている。
【0108】気泡発生領域10aの中央上方にはストッ
パ(規制部)64が位置していて、気泡の上流側半分の
成長を抑制するために可動部材31の変位をある範囲で
規制している。
【0109】以上の構成により、変位した可動部材31
とストッパ64との接触によって、気泡発生領域10a
を有する液流路7aが吐出口18を除いて、実質的に閉
じた空間になるという従来にない特徴的なヘッド構造を
提案している。
【0110】次に、図11に示した液体吐出ヘッドの製
造方法について説明する。
【0111】図12〜図15は、図11に示した素子基
板1上に可動部材31、ストッパ64および流路側壁9
aを形成する方法を説明するための図である。図12
(a)〜図14(b)の工程を経て、素子基板1上に可
動部材31、ストッパ64および流路側壁9aが形成さ
れる。なお、図12〜図14は、図11のB−B’線断
面における工程説明図、図15は図14に対応した工程
における図11のA−A’線断面における工程説明図で
ある。
【0112】まず、図12(a)では、素子基板1の発
熱体2側の面全体に、発熱体2との電気的な接続を行う
ための接続用パッド部分を保護するための第1の保護層
として、不図示のTiW膜をスパッタリング法によって
厚さ約5000Å形成する。この素子基板1の発熱体2
側の面に、間隙形成部材71を形成するためのAl膜
を、スパッタリング法を用いて厚さ約5μm形成する。
形成されたAl膜を、周知のフォトリソグラフィプロセ
スを用いてパターニングし、図11に示した発熱体2と
可動部材31との間の気泡発生領域10aに対応する位
置に、素子基板1と可動部材31との間の間隙を形成す
るための、Al膜からなる間隙形成部材71を形成す
る。それぞれの間隙形成部材71は、後述する図13
(b)の工程において、可動部材31を形成するための
材料膜であるSiN膜72がエッチングされる領域まで
延在されている。
【0113】間隙形成部材71は、後述するように誘電
結合プラズマを使ったドライエッチングにより液流路7
aを形成する際のエッチングストップ層として機能す
る。これは、素子基板1におけるパッド保護層としての
TiW層や、耐キャビテーション膜としてのTa膜、お
よび抵抗体上の保護層としてのSiN膜が、液流路7a
を形成するために使用するエッチングガスによりエッチ
ングされてしまうからであり、これらの層や膜のエッチ
ングが間隙形成部材71により防止される。そのため、
液流路7aを形成するためにドライエッチングを行う際
に素子基板1の発熱体2側の面や、素子基板1上のTi
W層が露出しないように、それぞれの間隙形成部材71
における液流路7aの流路方向と直行する方向の幅は、
液流路7の幅よりも広くなっている。
【0114】さらに、ドライエッチング時には、CF4
ガスの分解によりイオン種およびラジカルが発生し、素
子基板1の発熱体2や機能素子にダメージを与えること
があるが、Alからなる間隙形成部材71は、これらイ
オン種やラジカルを受け止めて素子基板1の発熱体2や
機能素子を保護するものとなっている。
【0115】次に、図12(b)では、間隙形成部材7
1の表面、および素子基板1の間隙形成部材71側の面
上に、プラズマCVD法を用いて、可動部材31を形成
するための材料膜である厚さ約5μmのSiN膜72を
形成する。ここで、素子基板1内の発熱体2やラッチ回
路などの機能素子がイオン種やラジカルの電荷によって
損傷することを防止するために、第1の実施形態と同様
に、素子基板1の耐キャビテーション膜を接地した状態
でプラズマCVD法によりSiN膜72を形成する。
【0116】次に、図12(c)では、SiN膜72の
表面に、スパッタリング法を用いてAl膜を厚さ約1.
0μm形成した後、形成されたAl膜を、周知のフォト
リソグラフィプロセスを用いてパターニングし、SiN
膜72表面の、可動部材31に対応する部分に第2の保
護層としてのAl膜73を残す。Al膜73は、エッチ
ングにより液流路7aを形成する際の保護層(エッチン
グストップ層)となる。
【0117】次に、図13(a)では、SiN膜72お
よびAl膜73の表面に、流路側壁9aを形成するため
のSiN膜74を、マイクロ波CVD法を用いて厚さ約
20μm形成する。ここで、マイクロ波CVD法による
SiN膜74の成膜に使用するガスとしては、モノシラ
ン(SiH4)、窒素(N2)およびアルゴン(Ar)を
用いた。そのガスの組み合わせとしては、上記以外に
も、ジシラン(Si26)やアンモニア(NH3)など
との組み合わせや、混合ガスを用いてもよい。また、周
波数が2.45[GHz]のマイクロ波のパワーを1.5
[kW]とし、ガス流量としてはモノシランを100
[sccm]、窒素を100[sccm]、アルゴンを40[sc
cm]でそれぞれのガスを供給して、圧力が0.667
[Pa](5[mTorr])の高真空下でSiN膜74を形
成した。また、ガスのそれ以外の成分比でのマイクロ波
プラズマCVD法や、RF電源を使用したCVD法など
でSiN膜74を形成してもよい。このようにCVD法
によりSiN膜74を形成する際にも、素子基板1の耐
キャビテーション膜を接地する。
【0118】そして、SiN膜74の表面全体にAl膜
を形成した後に、形成されたAl膜をフォトリソグラフ
ィなどの周知の方法によってパターニングして、SiN
膜74表面の、液流路7aに対応する部分を除く部分に
Al膜75を残す。
【0119】次に、図13(b)では、誘電結合プラズ
マを使ったエッチング装置を用いてSiN膜74および
SiN膜72をパターニングする。ここでは、CF4
2の混合ガスを用い、Al膜73,75および間隙形
成部材71をエッチングストップ層として、SiN膜7
4がトレンチ構造となるようにSiN膜74およびSi
N膜72のエッチングを行う。その際、素子基板1内の
発熱体2やラッチ回路などの機能素子がイオン種やラジ
カルの電荷によって損傷することを防止するために、間
隙形成部材71を、第1の実施形態と同様に素子基板1
の耐キャビテーション膜およびシリコン基板などを介し
て接地する。
【0120】次に、図13(c)では、可動部材31が
変位するための空間を形成するために、この空間、すな
わちSiN膜74が除去された部分にAl膜76を埋め
込む。Al膜76を埋め込む方法としては、SiN膜7
4およびAl膜73の表面や、間隙形成部材71の、露
出している部分に、スパッタリング法を用いてAl膜を
厚さ20μm形成した後、そのAl膜を形成したものを
真空中で約400〜500℃に加熱するAlリフロー法
を用いてもよい。あるいは、SiN膜74が除去されて
窪んだ部分のみに選択的にAl膜を積層するAl選択C
VD法を用いてもよい。もしくは、SiN膜74および
Al膜73の表面などに厚膜レジストなどを塗布した
後、その厚膜レジストの表面をCMP(Chemical Mecha
nical Polishing)などの研磨によって平坦化する方法
を用いてもよい。
【0121】次に、図14、15(a)では、素子基板
1の耐キャビテーション膜を接地した状態で、ストッパ
64および流路側壁9aを形成するためのSiN膜77
を、マイクロ波CVD法を用いて厚さ約30μm形成す
る。そして、SiN膜77の表面に、スパッタリング法
を用いてAl膜を厚さ3.0μm形成した後、形成され
たAl膜を周知のフォトリソグラフィプロセスによって
パターニングし、SiN膜77の表面の、流路側壁9a
およびストッパ64に対応する部分にAl膜78を残
す。
【0122】次に、図14、15(b)では、誘電結合
プラズマを使ったエッチング装置を用いて、Al膜76
および78をエッチングストップ層として、SiN膜7
7がトレンチ構造となるようにSiN膜77のエッチン
グを行う。ここでも、図13(b)の工程と同様に間隙
形成部材71を接地することにより、素子基板1内の発
熱体2やラッチ回路などの機能素子がイオン種やラジカ
ルの電荷によって損傷することを防止する。その後、酢
酸、りん酸および硝酸の混酸を用いてAl膜を加温エッ
チングして、Al膜78,76,73や、Al膜からな
る間隙形成部材71を除去し、素子基板1上に可動部材
31および流路側壁9aを作り込む。その後、過酸化水
素を用いて、素子基板1に形成したパッド保護層として
のTiW膜の、気泡発生領域10およびパッドに対応す
る部分を除去する。
【0123】上述したように素子基板1上に可動部材3
1、ストッパ64および流路側壁9aを形成した後に、
第1の実施形態で図9に基づいて説明したのと同様に、
素子基板1の流路側壁9a側の面に天板3を接合すると
ともに素子基板1および天板3の前端面に、吐出口5が
形成されたオリフィスプレート4を接合する。これによ
り、図11に示した液体吐出ヘッドが製造される。
【0124】本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法に
より、ストッパ64を高い精度で、かつ高密度に形成す
ることができ、高精細で信頼性の高い液体吐出ヘッドを
製造することができる。
【0125】(第3の実施の形態)上述したように本発
明の液体吐出ヘッドにおける可動部材の形成工程におい
て、気泡を発生させる発熱素子領域と該可動部材との間
に間隙形成部材を形成し、最後に、該間隙形成部材を完
全に除去する。その際、前記間隙形成部材を完全に除去
するためには、強酸性の溶液に長時間浸漬する必要があ
る。間隙形成部材であるAl犠牲層は可動部材の間隙部
分に設けられている箇所はエッチングが遅く、パッド上
に設けられる箇所はエッチングが速い。従って、完全に
Al犠牲層が除去されるまでにはパッド部分が長時間エ
ッチング液に晒されることになる。そして、このような
浸漬工程は、外部との電気接続用のパッドが腐蝕される
要因になってしまい、液体吐出ヘッドの信頼性を損なう
要因となっていた。
【0126】そこで、間隙形成部材除去時にパッド上に
保護層を残しておくことにより、パッドがエッチング液
によってダメージを受ける虞を格段に低減することがで
きる。さらに通常上述の保護層はSiO2やSiNとい
った材料で形成されているが、これら材料には、ピンホ
ールが存在するためこの保護層上にさらにTiWを設け
ることによってピンホールを被覆することができ、パッ
ドをエッチング液から確実に守ることができる。
【0127】このようにすることにより、本発明の可動
部材の量産工程において、ウェットプロセスにおける電
気パッドの腐蝕等を低減し、ウェハー内の歩留まりを向
上することができる。
【0128】以下、図面を用いて説明する。
【0129】図16は、本実施形態における液体吐出ヘ
ッド基体上に可動部材を製造する際の流路方向の断面を
示した工程説明図である。
【0130】図16(a)は、電極パッド310の第2
のAl層上の保護膜306であるSiN膜を残した状態
を示している。尚、ここでは、電極パッド310上の、
図2で示した最上層の耐キャビテーション膜は、周知の
フォトリソグラフィプロセスを用いて、パターニング
し、除去している。
【0131】図16(b)では、前記素子基体1上に、
前記発熱素子2と可動部材6間の間隙形成部材21とな
るAl膜をスパッタリング法を用いて、約5.0μm成
膜し、周知のフォトリソグラフィプロセスを用いて、パ
ターニングを行った。
【0132】その後、図16(c)では、プラズマCV
D法を用いて、約5μmのSiN膜を成膜し、櫛歯形状
の可動部分と台座部分を形成するために、フォトリソグ
ラフィプロセスを用いて、パターニング後、前記Al膜
21をエッチングストップ層として、エッチングを行っ
た。
【0133】次に、図16(d)で示しているように、
酢酸と硝酸と塩酸の混酸を用いて、Al膜21を加温エ
ッチングし、Al膜21を除去した。その後、図16
(e)で示すようにドライエッチングによってSiN保
護膜306を除去することで電極パッド310を露出さ
せる。
【0134】<液体吐出記録装置>図17は、図3に示
した液体吐出ヘッド、または図11に示した液体吐出ヘ
ッドを搭載した液体吐出記録装置の一例であるインクジ
ェット記録装置を示す斜視図である。図17に示される
インクジェット記録装置600に搭載されたヘッドカー
トリッジ601は、第1または第2の実施形態の液体吐
出ヘッドと、その液体吐出ヘッドに供給される液体を保
持する液体容器とを有するものである。ヘッドカートリ
ッジ601は、図15に示すように、駆動モータ602
の正逆回転に連動して駆動力伝達ギヤ603および60
4を介して回転するリードスクリュー605の螺旋溝6
06に対して係合するキャリッジ607上に搭載されて
いる。駆動モータ602の動力によってヘッドカートリ
ッジ601がキャリッジ607ともとにガイド608に
沿って矢印aおよびbの方向に往復移動される。インク
ジェット記録装置600には、ヘッドカートリッジ60
1から吐出されたインクなどの液体を受ける被記録媒体
としてのプリント用紙Pを搬送する被記録媒体搬送手段
(不図示)が備えられている。その被記録媒体搬送手段
によってプラテン609上を搬送されるプリント用紙P
の紙押さえ板610は、キャリッジ607の移動方向に
わたってプリント用紙Pをプラテン609に対して押圧
する。
【0135】リードスクリュー605の一端の近傍に
は、フォトカプラ611および612が配設されてい
る。フォトカプラ611および612は、キャリッジ6
07のレバー607aの、フォトカプラ611および6
12の領域での存在を確認して駆動モータ602の回転
方向の切り換えなどを行うためのホームポジション検知
手段である。プラテン609の一端の近傍には、ヘッド
カートリッジ601の吐出口のある前面を覆うキャップ
部材614を支持する支持部材613が備えられてい
る。また、ヘッドカートリッジ601から空吐出などさ
れてキャップ部材614の内部に溜まったインクを吸引
するインク吸引手段615が備えられている。このイン
ク吸引手段615によりキャップ部材614の開口部を
介してヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われ
る。
【0136】インクジェット記録装置600には本体支
持体619が備えられている。この本体支持体619に
は移動部材618が、前後方向、すなわちキャリッジ6
07の移動方向に対して直角な方向に移動可能に支持さ
れている。移動部材618には、クリーニングブレード
617が取り付けられている。クリーニングブレード6
17はこの形態に限らず、他の形態の公知のクリーニン
グブレードであってもよい。さらに、インク吸引手段6
15による吸引回復操作にあたって吸引を開始するため
のレバー620が備えられており、レバー620は、キ
ャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移
動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換
えなどの公知の伝達手段で移動制御される。ヘッドカー
トリッジ601に設けられた発熱体に信号を付与した
り、上記の各機構の駆動制御を行ったりするインクジェ
ット記録制御部はインクジェット記録装置の本体に設け
られており、図15では示されていない。インクジェッ
ト記録制御部には、液体吐出ヘッドから液体を吐出させ
るための駆動信号を供給する駆動信号供給手段が備えら
れている。
【0137】上述した構成を有するインクジェット記録
装置600では、前記の被記録媒体搬送手段によりプラ
テン609上を搬送されるプリント用紙Pに対して、ヘ
ッドカートリッジ601がプリント用紙Pの全幅にわた
って往復移動しながら記録を行う。
【0138】また、インクジェット記録装置600は、
上述したように吐出特性が安定した液体吐出ヘッドを有
していることにより、温度変化などに対しても安定して
被記録媒体に記録を行うことができる。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように本発明の液体吐出ヘ
ッドの製造方法は、液体吐出ヘッドに、気泡の発生に伴
う圧力によって変位する可動部材を設けることで、吐出
液体のリフィルを向上させつつ、吐出エネルギーの効率
が高く、高い吐出圧で液体を吐出することが可能な液体
吐出ヘッドを製造することができ、吐出特性が安定し
た、信頼性の高い液体吐出ヘッドを製造することができ
るという効果がある。
【0140】また、素子基板の材料としてシリコンを用
い、可動部材および流路側壁の材料として、窒化シリコ
ン、酸化シリコンまたは炭化シリコンといった、シリコ
ン系のものを用いることにより、それらの部材の熱膨張
率がほぼ等しくなり、液体吐出ヘッドの温度が変化して
も、素子基板と流路壁との密着性、発熱体に対する可動
部材および液流路の位置や、さらには液流路の流れ抵抗
がほとんど変化しない液体吐出ヘッドを製造することが
できるという効果がある。
【0141】さらに、可動部材を形成するためにフォト
リソグラフィプロセスを用いることで、可動部材の吐出
方向の長さおよび幅などの寸法ばらつきに起因する可動
部材の機械的特性のばらつきを小さくすることができ、
かつ、可動部材や流路側壁などを高い精度で、かつ高密
度に形成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドに用
いられる素子基板の断面図である。
【図2】図1に示した素子基板の主要素子を縦断するよ
うに素子基板を断面にした時の模式的断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドの、
流路方向に沿った断面図である。
【図4】図1、図2および図3に示した素子基板1の回
路構成を説明するための図である。
【図5】図3に示した素子基板上に可動部材および流路
側壁を形成する方法を説明するための図である。
【図6】プラズマCVD装置を用いて素子基板1上にS
iN膜を形成する方法を説明するための図である。
【図7】図3に示した素子基板上に可動部材および流路
側壁を形成する方法を説明するための図である。
【図8】ドライエッチング装置を用いてSiN膜をエッ
チングする方法を説明するための図である。
【図9】図3に示した本実施形態の液体吐出ヘッドの製
造方法を説明するための図である。
【図10】図5および図7に基づいて説明した液体吐出
ヘッドの製造方法の変形例を説明するための図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドを
液流路方向で切断した断面図である。
【図12】図11に示した素子基板上に可動部材、スト
ッパおよび流路側壁を形成する方法を説明するための図
である。
【図13】図11に示した素子基板上に可動部材、スト
ッパおよび流路側壁を形成する方法を説明するための図
である。
【図14】図11に示した素子基板上に可動部材、スト
ッパおよび流路側壁を形成する方法を説明するための図
である。
【図15】図11に示した素子基板上に可動部材、スト
ッパおよび流路側壁を形成する方法を説明するための図
である。
【図16】本発明の第3の実施形態における液体吐出ヘ
ッド基体上に可動部材を製造する際の流路方向の断面を
示した工程説明図である。
【図17】図3に示した液体吐出ヘッド、または図11
に示した液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出記録装置の
一例であるインクジェット記録装置を示す斜視図であ
る。
【図18】従来の液体吐出ヘッドにおける吐出原理を説
明するための図である。
【図19】図18に示される液体吐出ヘッドを部分的に
破断した斜視図である。
【図20】図18に示される液体吐出ヘッドの変形例の
断面図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 発熱体 3、50 天板 4 オリフィスプレート 5、18 吐出口 6、31 可動部材 6a、33 支点 6b、32 自由端 6c 段差部 7、7a 液流路 8、13 共通液室 9、9a 流路側壁 10、10a 気泡発生領域 21、21a、71 間隙形成部材 22、22a、24、72、74、77 SiN膜 23、25、73、75、76、78 Al膜 26 TiW膜 34 支持部材 41a、41b RF電源 42a、42b RF電極 43a、43b 反応室 44a、44b 供給管 45a、45b ステージ 46 プラズマ 51 シリコンウェハ 52 SiO2膜 64 ストッパ 65 低流路抵抗領域 301 シリコン基板 302 熱酸化膜 303 層間膜 304 抵抗層 305 配線 306 保護膜 307 耐キャビテーション膜 308 熱作用部 310 電極パッド 420 P-Mos 421 N-Mos 422 N型ウェル領域 423 P型ウェル領域 424 酸化膜分離領域 425、432 ソース領域 426 ドレイン領域 428 ゲート絶縁膜 430 N-Mosトランジスタ 431 ドレイン領域 433、435 ゲート配線 434 蓄熱層 436、438 層間絶縁膜 437 Al電極 502、511 パワートランジスタ 503 ラッチ回路 504 シフトレジスタ 505 クロック 506 画像データ入力部 507 ヒートパルス幅入力部 508 ロジック電源 509 GND 510 発熱体駆動電源 512 耐キャビテーション膜 600 インクジェット記録装置 601 ヘッドカートリッジ 602 駆動モータ 603、604 駆動力伝達ギヤ 605 リードスクリュー 606 螺旋溝 607 キャリッジ 607a レバー 608 ガイド 609 プラテン 610 紙押さえ板 611、612 フォトカプラ 613 支持部材 614 キャップ部材 615 インク吸引手段 617 クリーニングブレード 618 移動部材 619 本体支持体 620 レバー 621 カム P プリント用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 照夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 今仲 良行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 望月 無我 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 樫野 俊雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する吐出口と、 前記吐出口に前記液体を供給するために前記吐出口と連
    通する液流路と、 前記液流路内に設けられた前記液体に気泡を発生させる
    ための発熱体と、 前記発熱体を備える素子基板と、 前記素子基板の前記発熱体に対向する位置に、前記素子
    基板との間に間隙をおいて前記吐出口側を自由端として
    前記素子基板に設けられた可動部材とを備え、 前記気泡が発生されることにより生じる圧力によって、
    前記可動部材の自由端が前記可動部材の、前記素子基板
    との支持固定部付近に構成された支点部を中心として前
    記吐出口側に変位されることにより、前記液体を前記吐
    出口から吐出させる液体吐出ヘッドの製造方法であっ
    て、 前記素子基板の前記発熱体側の面上に、前記素子基板と
    前記可動部材との間の前記間隙を形成するためのAlか
    らなる間隙形成部材を形成する工程と、 前記間隙形成部材を被覆するように前記可動部材を形成
    するための材料膜を形成する工程と、 前記材料膜をドライエッチングによってパターニングす
    る工程と、 前記間隙形成部材を溶出することにより前記間隙を形成
    する工程とを有するとともに、 前記Alからなる間隙形成部材は、前記材料膜がエッチ
    ングされる領域まで延在されている液体吐出ヘッドの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記素子基板の材料としてシリコンを用
    い、前記可動部材の材料膜として窒化シリコン、酸化シ
    リコンまたは炭化シリコンのうちいずれか1つを用いる
    請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記素子基板は、前記液流路を形成する
    ための液流路側壁を有し、該液流路側壁は、前記材料膜
    の可動部材形成領域に耐エッチング保護膜を設けた後、
    前記材料膜上に、前記液流路側壁を形成するための膜を
    積層し、その後ドライエッチングを行うことにより前記
    可動部材と同時に形成される請求項1に記載の液体吐出
    ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ドライエッチングの工程時に、前記
    間隙形成部材は、前記間隙形成部材と電気的に接続され
    た基板を介して接地されている請求項1に記載の液体吐
    出ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記素子基板が、前記発熱体の面上に形
    成されたTaからなる耐キャビテーション膜を有するも
    のであり、前記流路側壁を形成するための膜を、プラズ
    マCVD法を用いて形成する際に前記耐キャビテーショ
    ン膜を接地する請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記素子基板の発熱体が設けられた面に
    は、前記発熱体をヘッド外部と電気的に接続するための
    パッドが設けられており、前記間隙形成部材は保護層を
    介して該パッド上にも設けられるとともに、該保護層は
    前記間隙形成部材の溶出後に除去される請求項1に記載
    の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記保護層の材料として窒化シリコンを
    用いる請求項6に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記保護層として前記窒化シリコン上に
    さらにTiWを用いる請求項7に記載の液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記間隙形成部材を溶出する工程で、酢
    酸、りん酸および硝酸の混合液による加温エッチングを
    用いる請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記TiWの除去は、過酸化水素を用
    いたエッチングによって行われる請求項8に記載の液体
    吐出ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 熱エネルギーを液体に作用させること
    で起こる気泡の発生を利用して液体を吐出する液体吐出
    ヘッドであって、 請求項1〜10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド
    の製造方法により製造された液体吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載に記載の液体吐出ヘ
    ッドと、該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する
    液体容器とを有するヘッドカートリッジ。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の液体吐出ヘッド
    と、該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動
    信号を供給する駆動信号供給手段とを有する液体吐出記
    録装置。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の液体吐出ヘッド
    と、該液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記
    録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段とを有する液体吐
    出記録装置。
  15. 【請求項15】 液体を吐出する吐出口と、 前記吐出口に前記液体を供給するために前記吐出口と連
    通する液流路と、 前記液流路内の前記液体に気泡を発生させるための発熱
    体が一方の面側に備えられた素子基板と、 前記液流路を形成するように前記素子基板上に形成され
    た流路側壁と、 前記素子基板の前記発熱体に対向する位置に、前記素子
    基板との間に間隙をおいて、前記吐出口側を自由端とし
    て前記素子基板に設けられた可動部材とを備え、 前記気泡が発生されることにより生じる圧力によって、
    前記可動部材の自由端が前記可動部材の、前記素子基板
    との支持固定部付近に構成された支点部を中心として前
    記吐出口側に変位されることにより、前記液体を前記吐
    出口から吐出させる液体吐出ヘッドの製造方法であっ
    て、 前記素子基板の前記発熱体側の面上に前記素子基板と前
    記可動部材との間の前記間隙を形成するための間隙形成
    部材を部分的に形成する工程と、 前記素子基板の表面および前記間隙形成部材の表面に、
    前記可動部材を形成するためのシリコン系材料からなる
    材料膜を形成する工程と、 前記可動部材を形成するための材料膜表面の、前記可動
    部材に対応する部分に第1のマスク層を形成する工程
    と、 前記可動部材を形成するための材料膜表面および前記第
    1のマスク層の表面に、前記流路側壁を形成するための
    シリコン系材料からなる膜を形成する工程と、 前記流路側壁を形成するための膜表面の、前記流路側壁
    に対応する部分に第2のマスク層を形成する工程と、 前記可動部材を形成するための材料膜および前記流路側
    壁を形成するための膜を前記第1、第2のマスク層を用
    いてエッチングによりパターニングして前記液流路、お
    よび前記流路側壁の少なくとも一部を形成する工程と、 前記間隙形成部材および前記第2の保護層を除去して前
    記可動部材を形成する工程と、を有する液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記可動部材を形成するための前記材
    料膜を形成する工程、および前記流路側壁を形成するた
    めの膜を形成する工程でプラズマCVD法を用いる請求
    項15に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記間隙形成部材および前記第1、第
    2のマスク層の材質としてAlまたは、Alを含む合金
    を用い、かつ、前記間隙形成部材を形成する工程、およ
    び前記第2の保護層を形成する工程でスパッタリング法
    およびフォトリソグラフィプロセスを用いる請求項15
    に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記Alを含む合金として、Al-C
    u、Al-Ni、Al-Cr、Al-CoまたはAl-Fe
    のうちいずれか1つを用いる請求項17に記載の液体吐
    出ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記可動部材の前記支持固定部と、前
    記素子基板との密着部の構成材料にTiWまたはTaの
    少なくともいずれか一方が含まれる請求項15に記載の
    液体吐出ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記間隙形成部材を形成する工程の前
    に、前記可動部材の、前記自由端と反対側の端部を前記
    素子基板上に固定するための台座部を前記素子基板の前
    記発熱体側の面上に形成する工程をさらに有する請求項
    15に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記台座部と前記素子基板との密着部
    の構成材料にTiWまたはTaの少なくともいずれか一
    方が含まれる請求項20に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法。
  22. 【請求項22】 前記流路側壁と前記素子基板との密着
    部の構成材料にTiWまたはTaの少なくともいずれか
    一方が含まれる請求項15に記載の液体吐出ヘッドの製
    造方法。
  23. 【請求項23】 液体を吐出する吐出口と、 前記吐出口に前記液体を供給するために前記吐出口と連
    通する液流路と、 前記液流路内の前記液体に気泡を発生させるための発熱
    体が一方の面側に備えられた素子基板と、 前記液流路を形成するように前記素子基板上に形成され
    た流路側壁と、 前記素子基板の前記発熱体に対向する位置に、前記素子
    基板との間に間隙をおいて、前記吐出口側を自由端とし
    て前記素子基板に設けられた可動部材と、該可動部材の
    変位を規制するストッパ部と、を備え、 前記気泡が発生されることにより生じる圧力によって、
    前記可動部材の自由端が前記可動部材の、前記素子基板
    との支持固定部付近に構成された支点部を中心として前
    記吐出口側に変位されることにより、前記液体を前記吐
    出口から吐出させる液体吐出ヘッドの製造方法であっ
    て、 前記素子基板の前記可動部材上に流路側壁を形成するた
    めの膜を設け、前記可動部材の可動領域における液流路
    パターンとは異なるパターンで前記膜をエッチングする
    ことにより可動部材上に液流路の一部とストッパ部とを
    同時に作り込む工程を有する液体吐出ヘッドの製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記ストッパ部を形成する工程が、 前記液流路の内部に、前記可動部材が変位する空間を形
    成するための膜を埋め込む工程と、 前記流路側壁を形成するための膜の表面、および前記可
    動部材が変位する空間を形成するための膜の表面に、前
    記ストッパ部を形成するための膜を形成する工程と、 前記ストッパ部を形成するための膜を、フォトリソグラ
    フィプロセスを用いてパターニングして前記ストッパ部
    を形成する工程とから構成されている請求項23に記載
    の液体吐出ヘッドの製造方法。
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