JP3591489B2 - 粘性材料塗布装置および粘性材料塗布方法 - Google Patents
粘性材料塗布装置および粘性材料塗布方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リードフレームや基板などのワーク上に半導体チップをボンディングするための粘性材料を塗布する粘性材料塗布装置および粘性材料塗布方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置製造のダイボンディング工程では、リードフレームなどのワークに半導体チップを接着するための粘性材料であるボンディングペースト(以下、単に「ペースト」と略称する。)が塗布される。この塗布方法の一つとして、塗布ノズルを塗布エリア内で所定の塗布パターンにしたがって移動させながらペーストを吐出することにより塗布を行う描画塗布が知られている。
【0003】
良好なボンディング品質を確保するためには、ペーストが塗布エリア内で均一に塗布されていることが求められることから、描画塗布後にはペーストが正しい形状で塗布されているか否かを判定するための塗布状態検査が行われる。この塗布状態検査は従来より画像認識によって行われ、塗布後に撮像して得られた画像上で塗布パターンを構成する塗布線の幅を求めることによって行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の塗布状態検査においては、半導体チップのサイズや形状によっては、塗布パターンを構成する塗布線の組み合わせが複雑になることから幅検出対象数が増大して画像認識に要する時間が遅延し、塗布状態検査の効率が低下するとともに、半導体チップによって異なる塗布パターン毎に、上述の塗布状態検査に用いられる塗布幅や幅検出位置などの検査パラメータをその都度設定して入力する必要があり、品種切り替えに伴う作業に時間を要するという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、画像認識に要する時間を短縮して効率のよい塗布状態検査を行うことができるとともに、品種切り替え時の手間を削減することができる粘性材料塗布装置および粘性材料塗布方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の粘性材料塗布装置は、塗布ノズルから粘性材料を吐出させながらこの塗布ノズルをワークに対して所定の塗布パターンに従って移動させることによって前記ワークに粘性材料を塗布する粘性材料塗布装置であって、前記塗布ノズルをワークに対して相対的に移動させる移動手段と、前記塗布パターンを生成する塗布パターン生成手段と、生成された塗布パターンに基づいて前記移動手段の動作パターンを設定する動作パターン設定手段と、設定された動作パターンに基づいて前記移動手段を駆動する駆動手段と、前記動作パターンに基づいて塗布ノズルから粘性材料を吐出する吐出手段と、粘性材料が塗布されたワークを撮像して得られた画像に基づき粘性材料の塗布状態を検査する検査手段と、この塗布状態の検査において用いられる検査情報を前記塗布パターンに基づいて設定する検査情報設定手段とを備え、前記検査情報は、前記塗布パターンを構成する塗布線の中心線に平行であってこの中心線からそれぞれ第1の距離および第1の距離よりも遠い第2の距離だけ隔てた第1の検査ラインおよび第2の検査ラインを含む。
【0008】
請求項2記載の粘性材料塗布装置は、請求項1記載の粘性材料塗布装置であって、前記塗布パターン生成手段は、ワークにボンディングされる半導体チップのサイズに基づいて塗布パターンを生成する。
【0009】
請求項3記載の粘性材料塗布装置は、請求項1記載の粘性材料塗布装置であって、前記駆動手段は、前記塗布ノズルを移動させる移動テーブルのX軸、Y軸、Z軸をそれぞれ駆動する。
【0010】
請求項4記載の粘性材料塗布装置は、請求項1記載の粘性材料塗布装置であって、前記検査情報設定手段は、前記塗布パターンを構成する塗布線における塗布ノズルの折り返し点から外側へそれぞれ第3の距離およびこの第3の距離よりも遠い第4の距離だけ隔てた第1の検査ポイントおよび第2の検査ポイントをそれぞれ設定する。
【0011】
請求項5記載の粘性材料塗布方法は、塗布ノズルから粘性材料を吐出させながらこの塗布ノズルをワークに対して所定の塗布パターンに従って移動させることによってワークに粘性材料を塗布する粘性材料塗布方法であって、前記塗布パターンを生成する工程と、生成された塗布パターンに基づいて塗布ノズルを移動する移動手段の動作パターンを設定する工程と、粘性材料が塗布されたワークを撮像して得られた画像に基づき粘性材料の塗布状態を検査する塗布状態検査において用いられる検査情報を前記塗布パターンに基づいて設定する工程と、前記塗布ノズルから粘性材料を吐出するとともに塗布ノズルを前記動作パターンにしたがってワークに対して相対的に移動させて粘性材料をワークに塗布する工程と、粘性材料が塗布されたワークを撮像して画像を取り込む工程と、前記第1の検査ラインおよび第2の検査ライン上の輝度分布より前記粘性材料の塗布状態を判定する工程とを含み、前記検査情報は、前記塗布パターンを構成する塗布線の中心線に平行であってこの中心線からそれぞれ第1の距離および第1の距離よりも遠い第2の距離だけ隔てた第1の検査ラインおよび第2の検査ラインを含む。
【0013】
請求項6記載の粘性材料塗布方法は、請求項5記載の粘性材料塗布方法であって、前記塗布パターン生成において、ワークにボンディングされる半導体チップのサイズに基づいて塗布パターンを生成する。
【0014】
請求項7記載の粘性材料塗布方法は、請求項5記載の粘性材料塗布方法であって、前記塗布ノズルの移動は、前記塗布ノズルを移動させる移動テーブルのX軸、Y軸、Z軸をそれぞれ駆動することによって行われる。
【0015】
請求項8記載の粘性材料塗布方法は、請求項5記載の粘性材料塗布方法であって、前記検査情報設定において、前記塗布パターンを構成する塗布線における塗布ノズルの折り返し点から外側へそれぞれ第3の距離およびこの第3の距離よりも遠い第4の距離だけ隔てた第1の検査ポイントおよび第2の検査ポイントをそれぞれ設定し、塗布状態の判定において、第1の検査ポイントおよび第2の検査ポイントの輝度より塗布状態の判定を行う。
【0016】
本発明によれば、生成された塗布パターンに基づいて、塗布ノズルを移動する移動手段の動作パターンおよび粘性材料の塗布状態を検査する塗布状態検査において用いられる検査情報を設定し、動作パターンに基づいて塗布を行った後には検査情報に基づいて塗布状態検査を行うことにより、画像認識に要する時間を短縮して効率のよい塗布状態検査を行うことができるとともに、品種切り換え時の手間を削減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の機能ブロック図、図2は本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の塗布状態検査ユニットの構成を示すブロック図、図3は本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の制御部およびペースト塗布機構の構成を示すブロック図、図4は本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の塗布状態検査ユニットの機能ブロック図、図5は本発明の一実施の形態の塗布状態検査方法を説明する画像図である。
【0018】
まず図1を参照してダイボンディング装置の機能について説明する。図1において、1はコンベアなどの基板搬送機構であり、基板搬送機構1はワークである基板2を以下に説明するペースト塗布部4およびボンディング部5に搬送する。ペースト塗布部4(粘性材料塗布装置)には、ディスペンサ6を備えたペースト塗布機構7が配設されており、ペースト塗布機構7を駆動することにより、ディスペンサ6によって粘性材料であるペースト3が基板2に塗布される。
【0019】
ペースト塗布機構7は、ディスペンサ6の塗布ノズル6aをX,Y,Zの3方向に移動させる移動テーブル(図示せず)を備えており、塗布ノズル6aからペースト3を吐出させながらこの塗布ノズル6aを基板2に対して所定の塗布パターンに従って移動させることによって基板2にペースト3を塗布する。したがって、ペースト塗布機構7の移動テーブルは、塗布ノズル6aを基板2に対して相対的に移動させる移動手段となっている。
【0020】
基板2に塗布された状態のペースト3は第1のカメラ8によって撮像され、この撮像によって得られた画像データを第1の検査ユニット9によって検査処理することにより、塗布状態の検査が行われる。したがって第1のカメラ8および第1の検査ユニット9は、ペースト3が塗布された基板2を撮像して得られた画像に基づきペースト3の塗布状態を検査する検査手段となっている。
【0021】
ペースト3塗布後の基板2は、ボンディング部5に搬送される。ボンディング部5には搭載ヘッド11を備えたチップ搭載機構12が配設されており、チップ搭載機構12を駆動することにより、搭載ヘッド11により半導体チップ10(以下、単に「チップ10」と略称する。)が、基板2のペースト3上に搭載される。ペースト3上に搭載されたチップ10は、第2のカメラ13によって撮像され、この撮像で得られた画像データを第2の検査ユニット14によって検査処理することにより、ボンディング状態の検査が行われる。
【0022】
次に制御系について説明する。基板搬送機構1、ペースト塗布機構7、第1の検査ユニット9、チップ搭載機構12および第2の検査ユニット14は、制御部15によって制御される。制御部15は検査結果記憶部16を内蔵しており、第1の検査ユニット9および第2の検査ユニット14による検査結果は、検査結果記憶部16に記憶される。報知部17は、ブザーやシグナルタワーなどの報知装置であり、異常警報などの各種の報知を行う。表示部18はディスプレイ装置であり、操作入力時の画面や検査結果の画面表示を行う。外部データ読み・書き装置19は、外部ディスクドライブであり、フレキシブルディスクなどに記憶されたデータの読み取りおよびデータの書き込みを行う。操作・入力部20は、キーボードやマウスなどの入力手段であり制御コマンドの入力やデータ入力を行う。
【0023】
次に図2、図3を参照して、ペースト塗布部4において行われるボンディング状態検査の処理機能について説明する。図2において、第1のカメラ8の下方には、照明ユニット21が設けられており、照明ユニット21は光源部21aおよびハーフミラー21bを備えている。光源部21aを点灯することにより照射された照明光は、ハーフミラー21bによって下方に反射され、基板2に塗布されたペースト3を上方から照射する。そしてこの反射光が、ハーフミラー21bを透過して第1のカメラ8に入射することにより、同軸落射照明によるペースト3の撮像が行われる。そしてこの撮像により、図5に示すような画像が得られ、この画像データは第1の検査ユニット9に送られる。
【0024】
次に第1の検査ユニット9(塗布状態検査ユニット)について説明する。第1の検査ユニット9は、A/D変換部9a、画像記憶部9b、演算部9c、データ記憶部9d、プログラム記憶部9e、インターフェース9fを備えており、画像記憶部9b、演算部9c、データ記憶部9d、プログラム記憶部9e、インターフェース9fは相互に接続され各部間での信号授受が可能となっている。
【0025】
A/D変換部9aは第1のカメラ8によって取得された画像データをA/D変換する。A/D変換されたデジタルの画像データは、画像記憶部9bに記憶される。演算部9cは、取得された画像データを画像処理することにより、基板2に塗布されたペースト3の塗布状態検査処理のための演算処理を行う。データ記憶部9dは、塗布状態検査に用いられる検査情報や判定条件などの各種データを記憶する。プログラム記憶部9eは、塗布状態検査のための各種処理に必要なプログラムを記憶する。インターフェース9fは、制御部15との間でのデータ授受を行う。
【0026】
次に図3を参照して、制御部15およびペースト塗布機構7の構成について説明する。図3において、制御部15は、塗布パターン演算処理部15a、動作パターン演算処理部15b、検査情報演算処理部15cを備えており、制御部15に内蔵された記憶装置には、チップサイズ情報15dおよび検査パラメータ15eが記憶されている。塗布パターン演算処理部15aは、チップサイズ情報15dに基づいて、当該チップ10のボンディングに先立って塗布されるペースト3の塗布パターンを演算する。塗布パターン演算処理部15aは、塗布パターンを生成する塗布パターン生成手段となっている。
【0027】
ここで塗布パターンについて説明する。塗布パターンは、塗布ノズル6aからペースト3を吐出させながら基板2に対して移動させる際の描画形状や描画速度、塗布ノズル6aからペースト3を吐出させるタイミングなどを決定する基本パターンである。例えば、図5に示すようなパターンでペースト塗布を行う場合には、描画形状としてクロス形状パターンが設定され、このクロス形状パターンで塗布ノズル6aを移動させて描画塗布を行う場合の、移動テーブルのX,Y,Z各駆動軸の速度パターンが決定される。そしてこの速度パターンとともに、ディスペンサ6の吐出バルブ開閉のタイミングを示す吐出パターンが決定される。
【0028】
描画形状は、ペースト3を単に点状に塗布する最も単純なパターンから、複数の塗布線を組み合わせた複雑なパターンまで、各種のバリエーションが予め設定されている。塗布パターンの生成の際には、これらのバリエーションの中からボンディング対象のチップサイズに応じて、適切なパターンが選択されるようになっている。
【0029】
塗布パターン演算処理部15aによって演算された塗布パターンは、動作パターン演算処理部15bにおくられる。動作パターン演算処理部15bは、この塗布パターンに基づいて、ペースト塗布機構7に対して出力される駆動指令データ(速度パターン、吐出パターン)を生成する。動作パターン演算処理部15bは、生成された塗布パターンに基づいて前記移動手段の動作パターンを設定する動作パターン設定手段となっている。
【0030】
ペースト塗布機構7は、ノズル移動機構のX軸モータ7e、Y軸モータ7f、Z軸モータ7gをそれぞれ駆動するX軸駆動部7a、Y軸駆動部7b、Z軸駆動部7cおよびディスペンサ6を駆動するディスペンサ駆動部7dを備えている。X軸駆動部7a、Y軸駆動部7b、Z軸駆動部7cは、設定された動作パターンに基づいて、塗布ノズルを移動させる移動テーブルを駆動する駆動手段となっている。
【0031】
前述の駆動指令データとして、X軸駆動部7a、Y軸駆動部7b、Z軸駆動部7cに対しては、各軸の動作速度のパターンを示す速度パターンが、またディスペンサ駆動部7dに対しては、ペースト吐出ポンプの吐出量や吐出バルブの動作タイミングを示す吐出パターンが出力される。ディスペンサ駆動部7dおよびディスペンサ6は、動作パターンに基づいて塗布ノズル6aから粘性材料を吐出する吐出手段となっている。
【0032】
また塗布パターンは検査情報演算処理部15cにも送られる。検査情報演算処理部15cは、この塗布パターンに基づいて第1の検査ユニット9に対して出力される検査情報を生成するための演算を行う。したがって、検査情報演算処理部15cは、塗布パターンに基づいて検査情報を設定する検査情報設定手段となっている。
【0033】
ここで塗布状態検査およびこの塗布状態検査に用いられる検査情報について、図5を参照して説明する。図5は、前述のようにクロス形状の塗布パターンに基づいて描画塗布されたペースト3を撮像した画像を示しており、この塗布パターンは、互いに交差する2つの塗布線によって構成される。描画塗布に際しては、塗布ノズル6aは中心線Lに沿って移動し、塗布線の折り返し点TPに到達したならば、塗布ノズル6aの移動が折り返される。
【0034】
塗布状態検査においては、塗布パターンを構成する各塗布線がかすれやはみ出しを生じることなく正しい塗布幅で塗布されているか否かが検査される。この検査を画像上で行うため、基板2に塗布されたペースト3を撮像した画像上には、以下に説明する2種類の検査ラインおよび2種類の検査ポイントが設定される。そしてこれらの検査ラインおよび検査ポイントの輝度測定結果に基づいて、ペースト3の塗布状態を検査する。
【0035】
検査ラインについて説明する。各塗布線の中心線Lに平行して、中心線Lからそれぞれ第1の距離D1および第1の距離D1よりも遠い第2の距離D2だけ隔てた第1の検査ラインIL1および第2の検査ラインIL2が設定される。ここで第1の距離D1は塗布線の正規塗布幅Bの半幅B/2よりも小さく、また第2の距離D2は半幅B/2よりも大きくなるように設定され、それぞれ塗布幅の下限許容値および上限許容値に対応している。
【0036】
検査ポイントについて説明する。塗布線の端部に設定された折り返し点TPから外側へ第3の距離D3およびこの第3の距離D3よりも遠い第4の距離D4だけ隔てた位置には、第1の検査ポイントP1および第2の検査ポイントP2が設定される。ここで第3の距離D3は塗布線の端部における塗布代Eよりも小さく、また第4の距離D4は塗布代Eよりも大きくなるように設定され、それぞれ塗布代Eの下限許容値および上限許容値に対応している。塗布代Eとして、前述の半幅B/2の値をそのまま用いてもよい。
【0037】
上記D1、D2、D3、D4のデータは、塗布幅Bや塗布代Eに基づいて予め設定され、検査パラメータ15eとして制御部15に記憶されている。検査情報演算処理部15cは、この検査パラメータ15eと塗布パターン演算処理部15aによって演算された塗布パターンに基づいて、前述の第1の検査ラインIL1、第2の検査ラインIL2および第1の検査ポイントP1、第2の検査ポイントP2を含む検査情報を設定するための演算を行う。設定された検査情報は、第1の検査ユニット9に送られ、データ記憶部9dに記憶される。
【0038】
図4は、第1の検査ユニット9によって行われる処理機能を示している。図4に示す各部の処理機能は、プログラム記憶部9eに記憶された処理プログラムを演算部9cによって実行することにより実現される。まず画像記憶部9bに記憶された画像データは、前処理部22によって二値化、多値化などの画像処理が行われ、ペースト3を撮像した範囲のみが抽出される(図5参照)。
【0039】
輝度分布検出処理部23は、データ記憶部9dに記憶された検査情報25に基づいて設定される第1の検査ラインIL1および第2の検査ラインIL2に沿った輝度分布の検出、及び第1の検査ポイントP1および第2の検査ポイントP2の輝度の検出を行う。判定処理部24は、これらの輝度検出結果をデータ記憶部9dに記憶された判定条件と比較することにより、塗布線に沿って塗布されたペースト3の塗布状態が適正であるか否かを判定する。
【0040】
すなわち、第1の検査ラインIL1上において、検出された輝度がペースト3に相当する輝度である場合には当該検出点にはペースト3が塗布されていると判断される。そして第1の検査ラインIL1に沿った輝度分布により、塗布線の各位置において、ペーストのかすれ、すなわちペースト塗布幅の下限許容値が確保されているか否かを判断することができる。同様に、第2の検査ラインIL2に沿った輝度分布により、ペーストのはみ出し、すなわちペーストが塗布幅の上限許容値を超えてはみ出しているか否かを判断することができる。更に、塗布線の各端部に設定された第1の検査ポイントP1、第2の検査ポイントP2の輝度により、各端部において下限許容値を下回らずかつ上限許容値を超えない適正な塗布代Eが確保されているか否かを判断することができる。
【0041】
このダイボンディング装置は上記のように構成されており、以下このダイボンディング装置におけるペースト塗布および塗布状態検査について説明する。
【0042】
先ずペースト塗布の実行に先立って、塗布パターンが生成される。この塗布パターンの生成は、ボンディングされるチップ10のサイズを示すチップサイズ情報15dに基づいて、塗布パターン演算処理部15aによって行われる。そして、生成された塗布パターンに基づいて、塗布ノズル6aを移動する移動テーブルの動作パターンが、動作パターン演算処理部15bによって設定される。これとともに、塗布パターンに基づいて、前述の検査ライン、検査ポイントを含む検査情報が、検査情報演算処理部15cによって設定される。
【0043】
この後塗布動作が実行され、ペースト塗布部4において塗布ノズル6aからペースト3を吐出するとともに、塗布ノズル6aを動作パターンにしたがって基板2に対して相対的に移動させ、ペースト3を基板2に塗布する。ペースト塗布後には、ペースト3が塗布された基板2は第1のカメラ8によって撮像され、ペースト3の画像が取り込まれる。そして、取り込まれた画像データは、第1の検査ユニット9によって検査処理され、第1の検査ラインIL1および第2の検査ラインIL2上の輝度分布および第1の検査ポイントP1および第2の検査ポイントP2の輝度により、ペースト3の塗布状態を判定する。この判定条件26は、以下の(1)〜(4)を全て満足した場合正常とする。
【0044】
(1)第1の検査ラインIL1の画素のうち、ペースト3の輝度を有する画素の割合が A%以上 (90≦A≦100)
(2)第2の検査ラインIL2の画素のうち、ペースト3の輝度を有する画素の割合が B%以下 (0≦B≦10)
(3)全ての第1の検査ポイントP1の輝度が、ペースト3の輝度である。
【0045】
(4)全ての第2の検査ポイントP2の輝度が、ペースト3の輝度ではない。
【0046】
(なお、この半定条件26は、あくまでも一例に過ぎない)
この後、塗布後の基板2はボンディング部5に搬送され、塗布状態が正常と判断されたペースト3上には、チップ10がボンディングされる。
【0047】
上記説明したように、本実施の形態に示す粘性材料塗布においては、塗布後の塗布状態検査を、取り込んだ画像上において予め設定された検査ライン上の輝度分布、検査ポイントの輝度を検出することによって行うようにしたものである。これにより、各塗布線の塗布幅を画像上で計測することによって塗布状態を検査していた従来の方法と比較して、画像認識に要する時間を大幅に短縮することができ、塗布線の塗布幅、かすれなどの塗布状態を効率よく検査することができる。
【0048】
また、ボンディング対象のチップサイズに応じて自動的に塗布パターンを生成し、この塗布パターンに応じて検査ライン及び検査ポイントの設定を自動的に設定するようにしていることから、品種切り替えごとに塗布状態検査に必要な検査情報をその都度設定・入力する必要がなく、品種切り替え時の手間を削減することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、生成された塗布パターンに基づいて、塗布ノズルを移動する移動手段の動作パターンおよび粘性材料の塗布状態を検査する塗布状態検査において用いられる検査情報を設定し、動作パターンに基づいて塗布を行った後には検査情報に基づいて塗布状態検査を行うようにしたので、画像認識に要する時間を短縮して効率のよい塗布状態検査を行うことができるとともに、品種切り換え時の手間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の機能ブロック図
【図2】本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の塗布状態検査ユニットの構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の制御部およびペースト塗布機構の構成を示すブロック図
【図4】本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の塗布状態検査ユニットの機能ブロック図
【図5】本発明の一実施の形態の塗布状態検査方法を説明する画像図
【符号の説明】
2 基板
3 ペースト
4 ペースト塗布部
5 ボンディング部
6 ディスペンサ
6a 塗布ノズル
7 ペースト塗布機構
8 第1のカメラ
9 第1の検査ユニット
15 制御部
15a 塗布パターン演算処理部
15b 動作パターン演算処理部
15c 検査情報演算処理部
IL1 第1の検査ライン
IL2 第2の検査ライン
L 中心線
P1 第1の検査ポイント
P2 第2の検査ポイント
Claims (8)
- 塗布ノズルから粘性材料を吐出させながらこの塗布ノズルをワークに対して所定の塗布パターンに従って移動させることによって前記ワークに粘性材料を塗布する粘性材料塗布装置であって、前記塗布ノズルをワークに対して相対的に移動させる移動手段と、前記塗布パターンを生成する塗布パターン生成手段と、生成された塗布パターンに基づいて前記移動手段の動作パターンを設定する動作パターン設定手段と、設定された動作パターンに基づいて前記移動手段を駆動する駆動手段と、前記動作パターンに基づいて塗布ノズルから粘性材料を吐出する吐出手段と、粘性材料が塗布されたワークを撮像して得られた画像に基づき粘性材料の塗布状態を検査する検査手段と、この塗布状態の検査において用いられる検査情報を前記塗布パターンに基づいて設定する検査情報設定手段とを備え、前記検査情報は、前記塗布パターンを構成する塗布線の中心線に平行であってこの中心線からそれぞれ第1の距離および第1の距離よりも遠い第2の距離だけ隔てた第1の検査ラインおよび第2の検査ラインを含むことを特徴とする粘性材料塗布装置。
- 前記塗布パターン生成手段は、ワークにボンディングされる半導体チップのサイズに基づいて塗布パターンを生成することを特徴とする請求項1記載の粘性材料塗布装置。
- 前記駆動手段は、前記塗布ノズルを移動させる移動テーブルのX軸、Y軸、Z軸をそれぞれ駆動することを特徴とする請求項1記載の粘性材料塗布装置。
- 前記検査情報設定手段は、前記塗布パターンを構成する塗布線における塗布ノズルの折り返し点から外側へそれぞれ第3の距離およびこの第3の距離よりも遠い第4の距離だけ隔てた第1の検査ポイントおよび第2の検査ポイントをそれぞれ設定することを特徴とする請求項1記載の粘性材料塗布装置。
- 塗布ノズルから粘性材料を吐出させながらこの塗布ノズルをワークに対して所定の塗布パターンに従って移動させることによってワークに粘性材料を塗布する粘性材料塗布方法であって、前記塗布パターンを生成する工程と、生成された塗布パターンに基づいて塗布ノズルを移動する移動手段の動作パターンを設定する工程と、粘性材料が塗布されたワークを撮像して得られた画像に基づき粘性材料の塗布状態を検査する塗布状態検査において用いられる検査情報を前記塗布パターンに基づいて設定する工程と、前記塗布ノズルから粘性材料を吐出するとともに塗布ノズルを前記動作パターンにしたがってワークに対して相対的に移動させて粘性材料をワークに塗布する工程と、粘性材料が塗布されたワークを撮像して画像を取り込む工程と、前記第1の検査ラインおよび第2の検査ラ
イン上の輝度分布より前記粘性材料の塗布状態を判定する工程とを含み、前記検査情報は、前記塗布パターンを構成する塗布線の中心線に平行であってこの中心線からそれぞれ第1の距離および第1の距離よりも遠い第2の距離だけ隔てた第1の検査ラインおよび第2の検査ラインを含むことを特徴とする粘性材料塗布方法。 - 前記塗布パターン生成において、ワークにボンディングされる半導体チップのサイズに基づいて塗布パターンを生成することを特徴とする請求項5記載の粘性材料塗布方法。
- 前記塗布ノズルの移動は、前記塗布ノズルを移動させる移動テーブルのX軸、Y軸、Z軸をそれぞれ駆動することによって行われることを特徴とする請求項5記載の粘性材料塗布方法。
- 前記検査情報設定において、前記塗布パターンを構成する塗布線における塗布ノズルの折り返し点から外側へそれぞれ第3の距離およびこの第3の距離よりも遠い第4の距離だけ隔てた第1の検査ポイントおよび第2の検査ポイントをそれぞれ設定し、塗布状態の判定において、第1の検査ポイントおよび第2の検査ポイントの輝度より塗布状態の判定を行うことを特徴とする請求項5記載の粘性材料塗布方法。
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