JP3591175B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等に用いることのできる給紙装置に関する。より詳しくは、給紙動作時に回転する給紙ローラと、この給紙ローラに接触して給送されるべき用紙が支持され、給紙ローラの回転時に給紙ローラに向けて用紙を圧接させるホッパと、前記給紙ローラにより給送された用紙を挟圧して搬送する搬送ローラ対とを有し、用紙の先端が搬送ローラ対の挟圧部を僅かに通過した後、給紙ローラを一旦停止させるとともに搬送ローラ対を逆転させて用紙先端を逆送することにより搬送ローラ対の挟圧部に用紙の先端を沿わせ、これにより用紙の斜行を矯正して給送する給紙装置に関するものである。なお、給送される用紙としては、普通紙、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用シート、光沢紙、光沢フィルム等のカットシートあるいは封筒等を挙げることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種給紙装置の基本構成およびその作動を図12に示す。
【0003】
同図において、1は給紙ローラであり、給紙ローラ軸2に固定されている。
【0004】
3,4は搬送ローラ対である。一方のローラ3は駆動ローラであり、他方のローラ4は駆動ローラ3に圧接されて従動する従動ローラである。
【0005】
給紙動作は次の通りである。
【0006】
(a) 待機状態においては、図(a)に示すように給紙ローラ1、搬送ローラ対3,4とも停止している。
【0007】
(b) 図示しない制御部より給紙指令信号が出力されると、図(b)に示すように、給紙ローラ1および搬送ローラ対3,4が紙送り方向に回転(正転)する。
【0008】
このとき用紙Pは図示しないホッパによって給紙ローラ1に向けて付勢されている。したがって、用紙Pは給紙ローラ1に接触し、搬送ローラ対3,4に向けて給送されることとなる。
【0009】
(c) 図(c)に示すように、用紙Pの先端Paが、搬送ローラ対3,4の挟圧部(両ローラの接触部)を僅かに通過した時点で、給紙ローラ1および搬送ローラ対3,4が一旦停止する。
【0010】
(d) 図(d)に示すように、給紙ローラ1が停止している状態のままで、搬送ローラ対3,4が逆転する。これによって用紙の先端Paが搬送ローラ対3,4の挟圧部の手前まで逆送される(挟圧部を逆に通過するまで押し戻される)。このとき、給紙ローラ1は停止したままであるから用紙に弛みPbが生じ、その復元力で用紙の先端Paが搬送ローラ対3,4の挟圧部に押し付けられ、用紙が斜めに送られている場合にはこれが矯正されることとなる。すなわち、用紙の先端Paが搬送ローラ対3,4の挟圧部に沿うこととなって、用紙の斜行が防止される。なお、用紙の斜行が良好に矯正されるためには、上記(c)の時点で、用紙の先端Paが、その用紙幅方向(図12の紙面と直交する方向)全長において搬送ローラ対3,4の挟圧部を通過していることが望ましい。
【0011】
(e) 図(e)に示すように、給紙ローラ1および搬送ローラ対3,4が再び正転して用紙が送られる。
【0012】
なお、給紙ローラ1は、図示しない1回転クラッチ等の作動で丁度1回転した状態で停止し、搬送ローラ対3,4は引き続き必要に応じて回転し、用紙を搬送する。
【0013】
一方、給紙装置において、積層されている用紙を最上位のものから1枚づつ分離して給送する方式としては、爪分離方式とパッド分離方式とが一般に知られている。
【0014】
爪分離方式は、周知のように、積層された用紙の先端角部を爪に係止させておき、この爪部よりも後方(給紙方向下流側)に給紙ローラを配置し、給紙ローラを回転させることによってこの給紙ローラと前記爪部との間で最上位の用紙を撓ませ、この撓みが限界に達して弾かれることを利用して最上位の用紙を次位の用紙から分離させて最上位の用紙のみを給送する方式である。
【0015】
パッド分離方式は、これも周知であるように、給紙ローラと用紙との間の摩擦係数をμ1、分離パッドと用紙との間の摩擦係数をμ2、用紙相互間の摩擦係数をμ3とした場合に、μ1>μ2>μ3なる関係が成立するように給紙ローラと分離パッドとを構成し、回転する給紙ローラとこれに圧接される分離パッドとで用紙を挟圧することによって最上位の用紙と次位の用紙とを分離し、最上位の用紙のみを給送する方式である。
【0016】
これらの方式では、いずれも、回転する給紙ローラに最上位の用紙の表面が接触して最上位の用紙が移動する際、その接触部の他面側において最上位の用紙の裏面と次位の用紙の表面とが摺接することとなるため、次位の用紙の表面に、摺接による薄い傷が付き、用紙が例えば光沢紙や光沢フィルムであると、この薄傷が多少目立つ。
【0017】
そして、爪分離方式であると、前記摺接部(すなわち薄傷部分)が、爪部後方すなわち最上位の用紙に撓み付けを行なうことができるほどの後方となるため、用紙の印字領域に位置してしまい、好ましくない。
【0018】
他方、パッド分離方式であると、摺接による薄傷は付くものの、この薄傷部は、次位の用紙の表面先端部に付くだけであるから、通常、印字領域には位置しない。
【0019】
したがって、上記薄傷の観点からすると、パッド分離方式の方が優れている。
【0020】
従来、パッド分離方式を用いた給紙装置としては、例えば図13に示すようなものが知られている。
【0021】
同図において、10は側面視略D形の給紙ローラであり、円弧部10aと直線部10bとを有している。
【0022】
11はホッパであり、このホッパ11の上に複数枚の用紙Pが積層状態でセットされる。12はスプリングであり、このスプリング12によって用紙Pは給紙ローラ10に向けて付勢される。
【0023】
13は分離パッドであり、ホルダ14上に取り付けられている。ホルダ14は、軸14aによって回動可能に支持されており、スプリング15により、給紙ローラ10に向けて力Fで付勢されている。すなわち、分離パッド13は、軸14aによって回動可能に支持されており、スプリング15により、給紙ローラ10に向けて付勢されている。
【0024】
17はアイドルローラであり、給紙ローラ10の側方において給紙ローラ軸10cに対して回転可能に取り付けられている。アイドルローラ17は、給紙ローラ10の円弧部10aの径よりも多少小さな径を有しており、給紙ローラ10の円弧部10aと分離パッド13とが当接しないときに(給紙ローラ10の直線部10bが分離パッド13と対向しているときに)、図示のように分離パッド13と当接するようになっている。
【0025】
以上のような給紙装置は、次のように作動する。
【0026】
給紙動作時には、給紙ローラ10が矢印方向に回転し、その円弧部10aが複数枚の用紙Pのうちの最上位の用紙P1と接触することによって、この用紙P1が分離パッド13に向けて送られる。この際、用紙P1に対して次位の用紙P2が静電気の作用で吸着していることにより、あるいは用紙P1と用紙P2との間に摩擦力が作用することによって、用紙P2が用紙P1とともに送られることがある。
【0027】
しかしながら、用紙P2は、次のようにして分離パッド13によって用紙P1から分離され、最上位の用紙P1のみが給送されることとなる。
【0028】
すなわち、用紙P2は、その先端が分離パッド13に突き当たることによって、その移動が阻害され、一次的に用紙P1から分離され得る。
【0029】
また、給紙ローラ10の円弧部10aと用紙P1との間の摩擦力をf1、用紙P2と分離パッド13との間の摩擦力をf2、用紙P1と用紙P2との間の摩擦力をf3とすると、f1>f2>f3なる関係が成立するように給紙ローラ10および分離パッド13が構成されているため、給紙ローラ10の回転につれて用紙P1と用紙P2とがともに給紙ローラの円弧部10aと分離パッド13とで挟圧された状態になると、用紙P2は分離パッド13との間の摩擦力によってその移動が阻害され、二次的に用紙P1から分離されて、用紙P1のみが給送されることとなる。なお、このとき、分離パッド13は、給紙ローラ10の円弧部10aと当接することによって押し下げられ、アイドルローラ17の径は給紙ローラ10の円弧部10aの径よりも多少小さく形成されているので、アイドルローラ17と分離パッド13とは離間することとなる。
【0030】
以上のようにして、給送された用紙P1は、図12を参照して説明した通り、斜行が矯正されて給送され、搬送ローラ対3,4によって挟圧されながら搬送されることとなる。
【0031】
搬送ローラ対3,4による用紙P1の搬送が開始された際、通常、用紙P1の後部は次位の用紙P2の上にあるので、用紙P1が搬送される過程で、用紙P1に対して次位の用紙P2が静電気の作用で吸着し、あるいは用紙P1と用紙P2との間の摩擦力によって、用紙P2が用紙P1とともに送られようとすることがあるが、このときアイドルローラ17が分離パッド13に力Fで当接しているので、用紙P2が送られてしまうことが防止される。
【0032】
逆にいえば、用紙P1は、その後端が分離パッド13とアイドルローラ17との挟圧部を通過するまでは、この挟圧部による負荷を受けた状態(後方に引っ張られた状態すなわちバックテンションを受けた状態)で、搬送ローラ対3,4によって搬送されることとなる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
<課題1>
上述した分離パッド方式の給紙装置は、一般に、その用紙が略水平状態に保持されるようになっていた。例えば、図13に示した給紙装置においても、その用紙Pは略水平状態に保持されている。
【0034】
このため、分離パッド方式を用いた従来の給紙装置は、その設置面積が大きいという問題があった。
【0035】
この問題は、用紙を傾斜させた状態で保持する構造とすることによって解決することが可能である。例えば、用紙を45゜傾斜させた状態で保持する構造とすれば、用紙によって占められる設置面積は半減される。
【0036】
しかしながら、分離パッド方式を用いたものにおいて、用紙を傾斜させた状態で保持する構造とすることは従来困難であった。
【0037】
例えば、図13に示したものを傾斜させた(例えば45゜程度傾斜させた)状態を考えてみれば明らかなように、用紙を傾斜させた状態で保持する構造とすると、用紙はその自重によって滑降し得る状態となるため、次位の用紙(P2)あるいはさらにその次の用紙等がいわば雪崩現象を起こして、給紙ローラ10と分離パッド13との圧接部に進入しやすくなる。特に、用紙が滑り易い用紙、例えばOHP用シート等である場合には、その自重によって滑降し易いため、雪崩現象を起こし易く、給紙ローラ10と分離パッド13との圧接部に極めて進入し易くなる。
【0038】
このため、給紙動作を繰り返す度に次位の用紙が給紙ローラ10と分離パッド13との圧接部に徐々に(累積的に)進入して、用紙の分離ができなくなってしまう。すなわち複数枚の用紙が同時に給送されてしまうという事態が生ずる。
【0039】
このような事態は、分離パッド13の付勢力(すなわち給紙ローラ10あるいはアイドルローラ17との間の圧接力)Fを極めて大きくすることによって解決することが可能であるとも考えられる。
【0040】
しかしながら、この付勢力Fを大きくすると、給紙ローラ10の駆動力を大きくする必要があると同時に、前述した搬送ローラ対3,4による用紙搬送時の負荷(バックテンション)が極めて大きくなるため、この負荷に十分に打ち勝つだけの搬送力を得るべく、搬送ローラ対3,4による用紙の挟圧力を大きくする必要がある。したがって、搬送ローラ等を駆動するための大きな駆動力も必要となり、装置が大型化したり消費電力が増大してしまうという問題が生じる。また、給紙ローラ、搬送ローラ等が摩耗し易くなるという問題も生じる。なお、このような事情は、給紙ローラ10がD形でなく円形であっても同様である。
【0041】
すなわち、種々のローラの駆動力およびバックテンション(負荷)を増大させることなく、設置面積を低減させることは、従来困難であった。
【0042】
以上のような問題は、前記ホッパを傾斜させて、用紙の前部を傾斜状態で支持する構成とするとともに、このホッパの後部に、用紙の後部を略水平状態に向けて支持する支持部材を設けることによって解決することが可能である。このような構成とすると、ホッパが傾斜しているので、その分設置面積が低減され、また、用紙の後部が、ホッパ後部に設けられた支持部材によって略水平状態に向けて支持されるので、用紙が滑り易い用紙であったとしても、これが自重によって滑降するということがなくなるかあるいは滑降し難くなるからである。
【0043】
ところが、このような構成(ホッパを傾斜させて用紙の前部を傾斜状態で支持させるとともに、このホッパの後部に、用紙の後部を略水平状態に向けて支持する支持部材を設けた構成)とすると、給送される用紙の斜行量が大きくなってしまうという別の問題が生じることがあり得る。
【0044】
詳しく説明すると、先ず、用紙を確実に給送するためには、給紙ローラは、少なくとも用紙幅方向両側において用紙と接触する構成となっていることが望ましい。
【0045】
また、ホッパに支持され得る用紙の枚数には自ずと限界があるから、この枚数を規制するための規制手段をホッパに設けることが望ましく、しかもこの規制手段は、構造の簡略化を図るべく、用紙の一側部側にのみ設けることが望ましい。
【0046】
ところが、このような状態(給紙ローラが少なくとも用紙幅方向両側において用紙と接触する構成となっており、前記規制手段が用紙の一側部側にのみ設けられている状態)において、前述したように、ホッパを傾斜させて用紙の前部を傾斜状態で支持させるとともに、このホッパの後部に、用紙の後部を略水平状態に向けて支持する支持部材を設けた構成とすると、ホッパに傾斜状に支持されている用紙の前部は、用紙の復原力によって水平状態に向かおうとするが、一側部側が前記規制手段によって規制されるため、他側部側が一側部側に比べて浮き上がった状態となる。
【0047】
そして、この状態でホッパが用紙を、回転している給紙ローラに向けて付勢すると、他側部側が一側部側に比べてより早く給紙ローラと接触して移動を開始することとなるため、送られる用紙の斜行量が大きくなってしまうという問題が生じる。
【0048】
この発明の第1の目的は、以上のような問題を解決し、上記用紙の斜行量が大きくなっても、これを確実に矯正して給送することのできる給紙装置を提供することにある。
【0049】
<課題2>
上述した問題、すなわち、送られる用紙の斜行量が大きくなってしまうことがあるという問題は、前述した構成とした場合にのみ生じるわけではない。
【0050】
用紙全体が従来同様水平状態に支持される構造であり、また、前記枚数規制手段が設けられていない(あるいは両側に設けられている)場合にも生じ得る。
【0051】
すなわち、給送されるべき用紙が用紙幅方向において反りを生じ易い用紙(例えば封筒等)である場合には、やはり、給紙ローラに対する用紙の接触のタイミングが用紙幅方向において異なることとなり易いため、斜行量が大きくなってしまうことがある。
【0052】
この発明の第2の目的は、このような用紙の斜行量が大きくなっても、これを確実に矯正して給送することのできる給紙装置を提供することにある。
【0053】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1記載の給紙装置は、給紙動作時に回転し、少なくとも用紙幅方向両側において用紙と接触する給紙ローラと、この給紙ローラに接触して給送されるべき用紙が複数枚積層され、給紙ローラの回転時に給紙ローラに向けて用紙を圧接させるホッパと、前記給紙ローラに向けて付勢されていて給紙ローラとの間で用紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送られるべき前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッドと、前記給紙ローラにより給送された用紙を挟圧して搬送する搬送ローラ対とを有し、用紙の先端が搬送ローラ対の挟圧部を僅かに通過した後、給紙ローラを一旦停止させるとともに搬送ローラ対を逆転させて用紙先端を逆送することにより搬送ローラ対の挟圧部に用紙の先端を沿わせて用紙の斜行を矯正する給紙装置であって、
前記ホッパは、用紙の前部を傾斜状態で支持し、かつ支持されるべき用紙の枚数を規制するための規制手段が用紙の一側部側にのみ設けられたホッパであるとともに、このホッパの後部には、用紙の種類に応じて、用紙の後部を傾斜状態に支持する傾斜位置と、用紙の後部を略水平状態に支持する水平位置とのいずれかにセットされる支持部材が設けられており、
かつ、前記搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量が、前記支持部材が傾斜位置にセットされるべき用紙の場合の通過量に比べて、水平位置にセットされるべき用紙の場合の通過量の方が大きく設定されていることを特徴とする。
【0054】
上記第2の目的を達成するために請求項2記載の給紙装置は、給紙動作時に回転し、少なくとも用紙幅方向両側において用紙と接触する給紙ローラと、この給紙ローラに接触して給送されるべき用紙が複数枚積層され、給紙ローラの回転時に給紙ローラに向けて用紙を圧接させるホッパと、前記給紙ローラに向けて付勢されていて給紙ローラとの間で用紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送られるべき前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッドと、前記給紙ローラにより給送された用紙を挟圧して搬送する搬送ローラ対とを有し、用紙の先端が搬送ローラ対の挟圧部を僅かに通過した後、給紙ローラを一旦停止させるとともに搬送ローラ対を逆転させて用紙先端を逆送することにより搬送ローラ対の挟圧部に用紙の先端を沿わせて用紙の斜行を矯正する給紙装置であって、
前記搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量が、前記給送されるべき用紙が用紙幅方向において反りを生じ難い用紙である場合の通過量に比べて、反りを生じ易い用紙である場合の通過量の方が大きく設定されていることを特徴とする。
【0055】
【作用効果】
請求項1記載の給紙装置によれば、ホッパが、用紙の前部を傾斜状態で支持する構成となっているので、その分設置面積が低減される。
【0056】
また、ホッパには、これに支持されるべき用紙の枚数を規制するための規制手段が設けられているので、許容枚数以上の用紙がセットされるということが防止されると同時に、規制手段は用紙の一側部側にのみ設けられているので、構造の簡素化も図られる。
【0057】
さらに、ホッパの後部には、用紙の種類に応じて、用紙の後部を傾斜状態に支持する傾斜位置と、用紙の後部を略水平状態に支持する水平位置とのいずれかにセットされる支持部材が設けられているので、比較的滑り難い用紙(例えば普通紙等)の場合には支持部材を傾斜位置にセットして用紙後部も傾斜状態に支持することによって一層設置面積の低減を図ることができ、比較的滑り易い用紙(例えばOHP用シート)の場合には支持部材を水平位置にセットして用紙後部を略水平状態に支持することによって、用紙が自重で滑降することを防止することができる。
【0058】
そして、搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量は、支持部材が水平位置にセットされるべき用紙の場合、支持部材が傾斜位置にセットされるべき用紙の場合の通過量に比べて大きく設定されているので、ホッパに傾斜状に支持されている用紙の前部の一側部側が前記規制手段によって規制されて他側部側が一側部側に比べて浮き上がった状態となり、この他側部側が一側部側に比べて早く給紙ローラと接触して移動を開始する結果として、その斜行量が大きくなってしまったとしても、これを確実に矯正して給送することができる。
【0059】
ここで、仮に、支持部材が傾斜位置にセットされるべき用紙(例えば普通紙)の場合にも、搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量が、上記通過量と同様大きく設定されているとすると、用紙先端が逆送された際に、用紙に皺が発生するおそれがあるが、この請求項1記載の給紙装置によれば、支持部材が傾斜位置にセットされるべき用紙の場合には、その通過量が比較的小さく設定されているので、用紙に皺が生じてしまうということがない。しかも、通過量が小さい分だけ(したがって逆送量も小さくて済む分だけ)給紙速度の向上を図ることができる。
【0060】
請求項2記載の給紙装置によれば、搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量が、用紙幅方向において反りを生じ易い用紙(例えば封筒)である場合には、反りを生じ難い用紙である場合の通過量に比べて大きく設定されているので、用紙が用紙幅方向において反りを生じていて給紙ローラに対する用紙の接触のタイミングが用紙幅方向において異なり、結果として、その斜行量が大きくなってしまったとしても、これを確実に矯正して給送することができる。
【0061】
ここで、仮に、反りを生じ難い用紙である場合にも、搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量が、上記通過量と同様大きく設定されているとすると、その分だけ(したがって逆送量も大きくなる分だけ)給紙速度が低下することとなるが、この請求項2記載の給紙装置によれば、反りを生じ難い用紙である場合には、その通過量が比較的小さく設定されているので、通過量が小さい分だけ(したがって逆送量も小さくて済む分だけ)給紙速度の向上を図ることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0063】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る給紙装置の一実施の形態がプリンタに適用されている状態を示す部分切断側面図、図2は主として給紙ローラとホッパとの組立体を示す斜視図、図3は図1の部分省略平面図、図4は図1における部分省略IV−IV断面図である。
【0064】
主として図1に示すように、この給紙装置は、給紙ローラ121と、ホッパ130と、分離パッド150と、支持部材137と、搬送ローラ対3’,4’とを備えている。搬送ローラ対3’,4’は図12に示した搬送ローラ対3,4に相当する。
【0065】
主として図2に示すように、組立体ASは、フレーム100と、このフレーム100に回転可能に支持された給紙ローラ軸110と、この給紙ローラ軸110に取り付けられた左右一対の給紙ローラユニット120,120’と、フレーム100に対して軸132(図1参照)で回動可能に取り付けられた前記ホッパ130とを有している。
【0066】
ホッパ130には、用紙幅方向にスライド可能なエッジガイド131が取り付けられており、このエッジガイド131の内側面に、規制手段としての突条131aが設けられている。
【0067】
一対の給紙ローラユニット120,120’のうち、一方の給紙ローラユニット120’は、エッジガイド131と連結されており、エッジガイド131と共に、給紙ローラ軸110に沿ってスライド可能になっている。
【0068】
ホッパ130は、図示のように傾斜しており、この上および後述する支持部材137上に複数枚の用紙P(図1)が積層状態でセットされる。
【0069】
エッジガイド131は、ユーザによりセットされる用紙の幅に合わせてスライド操作され、給送される用紙の一側縁を案内する。他側縁は、フレーム100の側壁101によって案内される。従って、他方の給紙ローラユニット120は給紙ローラ軸110上をスライドしない。
【0070】
一対の給紙ローラユニット120,120’は、左右対称に構成されており、スライドするかしないかだけが異なっているに過ぎないので、以下、給紙ローラユニットに関しては、一方の給紙ローラユニット120についてのみ説明する。
【0071】
給紙ローラ121は、円弧部121aと直線部121bとを有する側面視略D形に構成されており、少なくとも円弧部121aの表面および直線部121bの表面が高摩擦材料(例えばゴム)で形成されている。この給紙ローラ121は、図4に示すようにブッシュ122を介して給紙ローラ軸110に固定されている。すなわち、給紙ローラ121およびブッシュ122は給紙ローラ軸110に対して回転不能である。給紙ローラ軸110は、その軸端に固定された歯車111(図2参照)を介し、図示しない駆動手段によって、給紙動作時に丁度1回転だけ回転駆動されるようになっている。
【0072】
図1、図4において、140はサブフレームであり、このサブフレーム140とホッパ130の先端部との間にはホッパバネ(圧縮バネ)133が設けられている。したがって、ホッパ130は、ホッパバネ133により、図1において時計方向すなわち用紙Pを給紙ローラ121に当接させる方向に向けて常時付勢されているが、ホッパ130の両端には図3に示すようなカムフォロア134が形成されており、このカムフォロア134が、給紙ローラ軸110に固定されたホッパカム135(図1参照)と当接することによって、その回動が規制されている。なお、ホッパ130の先端部上面には、後述する分離パッドと同様のパッド136が設けられている。
【0073】
分離パッド150は、分離パッドホルダ151に固定されている。分離パッド150は、用紙Pに対する摩擦係数が、給紙ローラ121の摩擦係数よりも小さな材料(例えばコルク等の材料)で構成されている。また、いずれの摩擦係数も用紙相互間の摩擦係数よりも大きな摩擦係数の材料で構成されている。すなわち、給紙ローラ121と用紙との間の摩擦係数をμ1、分離パッド150と用紙との間の摩擦係数をμ2、用紙相互間の摩擦係数をμ3とすると、μ1>μ2>μ3となっている。
【0074】
分離パッドホルダ151は、分離パッド150が固定されるパッド支持部153と、これと一体の、用紙先端を支持する支持面(背面)152部分と、これと一体に形成されたアーム部154とを有しており、アーム部154の後端両側に設けられた軸155によって、サブフレーム140に回動可能に取り付けられている。
【0075】
パッド支持部153の下面とサブフレーム140との間には、パッド付勢手段としてのパッドバネ(圧縮バネ)156が設けられている。したがって、分離パッドホルダ151は、パッドバネ156により、時計方向すなわち分離パッド150を給紙ローラ121に当接させる方向に向けて常時付勢されているが、分離パッドホルダ151の一側には突部157(図3,図4参照)が形成されており、この突部157が、図4に示すようにサブフレーム140に設けられた、パッド規制手段をなすピン141と当接することによって、その回動が規制されている。突部157がピン141と当接している状態で、分離パッド150は、給紙ローラ121の円弧部121aの回転軌道中に位置している。
【0076】
図1、図4において、160はアイドルローラ、161はアイドルローラホルダである。なお、170は給紙ローラ121のカバーであり、サブフレーム140に取り付けられている。
【0077】
アイドルローラホルダ161は、その中心に穴161aを有する略リング状をなしている。アイドルローラホルダ161の一側面下方には、軸163が設けられており、この軸163にアイドルローラ160が回転可能に支持されている。
【0078】
アイドルローラホルダ161には、図1に示すように一対の爪161b,161bが形成されており、これら爪161b,161bが、サブフレーム140に設けられた長穴142,142と軽く嵌まり合うことによって、アイドルローラホルダ161はサブフレーム140に取り付けられている。また、アイドルローラホルダ161の他側面上下には図4に示すように一対のピン161c,161cが設けられており、このピン161c,161cが、サブフレーム140に形成されたトラック穴143,143に対してスライド可能に嵌まり込んでいる。さらに、アイドルローラホルダ161の穴161aには、図4に示すように給紙ローラ軸110およびブッシュ122が挿通されているが、穴161aの径はブッシュ122の対応する部分122aの外径よりも大きく形成されている。
【0079】
したがって、アイドルローラホルダ161は、そのピン161c,161cがトラック穴143,143に案内されることにより、上下方向にスライド可能であり、したがってまた、アイドルローラ160も上下方向にスライド可能である。
【0080】
図1,図4に示すように、アイドルローラホルダ161の上部にはバネ受け部164が設けられており、このバネ受け部164を跨ぐようにしてローラ付勢手段としてのローラバネ(引っ張りコイルバネ)165が設けられている。このローラバネ165は、その両端165a(図1参照)が、サブフレーム140の内面に形成された掛け止め部(図示せず)に係止されることによって、サブフレーム140に取り付けられている。したがって、アイドルローラホルダ161は、ローラバネ165により、下方に向けて常時付勢されているが、アイドルローラ160が分離パッド150と当接することによって(または、後述するカムフォロア166がブッシュ122に形成されたカム123と当接することによって)その移動が規制されている。ローラバネ165の付勢力は、パッドバネ156の付勢力よりも小さく設定されている。したがって、アイドルローラ160が分離パッド150を押し下げてしまうということはない。
【0081】
一方、アイドルローラホルダ161の一側面上方にはカムフォロア166が形成されており、このカムフォロア166が、前述したブッシュ122に形成されたカム123と接離することによって、アイドルローラホルダ161が上方または下方に移動し、したがってまた、アイドルローラ160も上方または下方に移動するようになっている。カム123は、後述するように、給送されるべき用紙の先端が分離パッド150とアイドルローラ160との間を通過する際にアイドルローラ160を分離パッド150から離間させ、用紙の先端が分離パッド150とアイドルローラ160との間を通過した後、給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド150との用紙を介した当接が解除される前に、アイドルローラ160を分離パッド150に当接させるように構成されている。
【0082】
以上のような組立体ASは、図1に示すようにプリンタに組み込まれ、前記搬送ローラ対3’,4’および支持部材137とともに、この実施の形態の給紙装置を構成している。
【0083】
図1において、Hは用紙に印字する印字ヘッド、5,6は印字済の用紙を排出する排紙ローラ対、8a,8bは用紙ガイドである。搬送ローラ対3’,4’のうち、ローラ4’が駆動ローラ、ローラ3’が従動ローラである。また、排紙ローラ対5,6のうちローラ5が駆動ローラ、ローラ6が従動ローラである。従動ローラ6はスターホイルで構成されている。
【0084】
支持部材137は、軸137aによってプリンタの図示しないフレームに回動可能に取り付けられている。
【0085】
この支持部材137およびホッパ130上に、複数枚の用紙Pが積層状態でセットされる。用紙Pのセットは、その先端をホッパ130の上面と給紙ローラ121の後部との間に挿入することによって行なわれるが、所定枚数以上の用紙を挿入しようとした場合には、その過剰分の用紙の先端が前記規制手段131aに当接することによって挿入が規制され、枚数が制限されるようになっている。
【0086】
支持部材137は、給送されるべき用紙の種類に応じて、実線で示すような略水平位置と、仮想線で示すような傾斜位置とをとり得、ユーザーによっていずれかの位置にセットされるようになっている。具体的には、用紙がOHP用シートである場合には、水平位置にセットされ、用紙がOHP用シート以外の用紙である場合には、傾斜位置にセットされる。
【0087】
支持部材137が図1実線で示すように略水平位置にセットされた場合、用紙Pは、その前部Paがホッパ130によって傾斜状態で支持され、その後部Pbが支持部材137によって略水平状態に向くように支持される。また、支持部材137が図1仮想線で示すように傾斜位置にセットされた場合、用紙Pは、その全体がホッパ130および支持部材137によって傾斜状態で支持されるようになっている。なお、用紙の先端Pa1は、分離パッドホルダ151の背面(支持面)152に当接することによって支持され揃えられる。
【0088】
図5は、図1におけるV−V視の模式図である。
【0089】
支持部材137が水平位置にセットされた状態において、ホッパ130および支持部材137上に用紙Pが載置されると(図1参照)、ホッパ130に傾斜状に支持されている用紙の前部Paは、用紙Pの復原力によって図1矢印Yで示すように水平状態に向かおうとするが、図5に示すように一側部PR側が前記規制手段131aによって規制されるため、他側部PL側が一側部側に比べて浮き上がった状態となる。
【0090】
そして、この状態でホッパ130が用紙Pを、回転している左右一対の給紙ローラ121,121に向けて付勢すると、他側部PL側が一側部PR側に比べてより早く給紙ローラ121と接触して移動を開始することとなるため、送られる用紙の斜行量が大きくなってしまうという問題が生じる。
【0091】
そこで、この実施の形態では、上記用紙の斜行量が大きくなっても、これを確実に矯正して給送すべく、以下に説明するように、搬送ローラ対3’,4’の挟圧部N(図1参照)における用紙先端の通過量が、前記支持部材137が傾斜位置にセットされるべき用紙の場合の通過量に比べて、水平位置にセットされるべき用紙の場合の通過量の方が大きくなるように設定してある。
【0092】
以下、給紙動作について具体的に説明する。なお、給紙動作の制御はプリンタに設けられている制御部によってなされる。この制御部は、プリンタが接続されている図示しないホストコンピュータ(例えばパソコン)からの指令信号によって作動する。ホストコンピュータにおいては、印字されるべき用紙すなわち給送されるべき用紙がどのような種類の用紙であるのか(例えばOHP用シートであるのか普通紙であるのか封筒であるのか等)を選択することができるようになっており、選択された用紙のデータは、上記指令信号とともにプリンタの制御部に送出されるようになっている。
【0093】
先ず、待機時の状態について説明する。
【0094】
待機時には、図1〜図4に示すように、ホッパカム135(図3)に、ホッパ130のカムフォロア134が当接していることにより、ホッパ130が押し下げられた状態となっている。
【0095】
給紙ローラ121は、その直線部121bが用紙Pと対向した状態となっており、給紙ローラ121は用紙Pとは接触していない。
【0096】
したがって、この状態においては、ホッパ130、および支持部材137上に容易に用紙Pをセットすることができる。
【0097】
分離パッドホルダ151(すなわち分離パッド150)は、パッドバネ156により、図1において時計方向に付勢されているが、図4に示すように突部157がピン141と当接することによって、その回動が規制され、図1,図4に示す位置に停止している。したがって、パッドバネ156の付勢力はアイドルローラ160には作用していない。また、このとき、分離パッド150は、給紙ローラの円弧部121aの回転軌道中に位置している。
【0098】
ブッシュ122のカム123とアイドルローラホルダ161のカムフォロア166とは接触しておらず、したがって、アイドルローラ160はローラバネ165の付勢力によって分離パッド150に当接している。
【0099】
次に、給紙動作について説明する。給紙動作は、上述したようにホストコンピュータからの指令信号によって開始される。
【0100】
(i)図1において、給紙ローラ軸110が時計方向への回転を開始する。したがって、給紙ローラ121、ブッシュ122、およびホッパカム135も回転を開始する。
【0101】
また、搬送ローラ対3’,4’も用紙搬送方向(正転方向)に回転を開始する。
【0102】
(ii)図6に示すように、給紙ローラ軸110とともに給紙ローラ121、ブッシュ122、およびホッパカム135が所定角度回転してホッパカム135とホッパ130のカムフォロア134との当接が解除されると、ホッパバネ133によってホッパ130が押し上げられ、用紙Pも押し上げられてその最上位の用紙P1が給紙ローラ121の円弧部121aに押し付けられる。
【0103】
このとき、仮に、支持部材137が図1に仮想線で示すように傾斜位置にあり、したがって用紙全体が傾斜状態で支持されおり、かつ、用紙Pが滑り易い用紙、例えばOHP用シート等であったとすると、用紙Pがその自重によって滑降してしまうおそれがあるが、図1に示すように支持部材137が略水平位置にあると、用紙の後部Pbが支持部材137によって略水平状態に向けて支持されるので、用紙Pが仮に滑り易い用紙であったとしても、これが自重によって滑降するということがない(あるいは滑降し難い)。
【0104】
なお、この時点(図6に示す時点)で、分離パッドホルダ151(すなわち分離パッド150)は、上述した待機状態と同じ状態にある。また、ブッシュ122のカム123とアイドルローラホルダ161のカムフォロア166とは未だ接触しておらず、アイドルローラ160はローラバネ165の付勢力によって分離パッド150に当接している。
【0105】
(iii)さらに給紙ローラ軸110が回転し続けることにより、図7に示すように、給紙ローラ121の円弧部121aと最上位の用紙P1とが接触していることによって、この用紙P1が分離パッド150に向けて送られる。この際、用紙P1に対して次位の用紙P2が静電気の作用で吸着していることにより、あるいは用紙P1と用紙P2との間に摩擦力が作用することによって、用紙P2が用紙P1とともに送られることもあるが、用紙P2は、その先端P2aが分離パッド150に突き当たることによって、その移動が阻害され、一次的に用紙P1から分離され得る。同様に、さらに下位の用紙P3等が送られようとしても同様にして分離され得る。なお、これからも分かるように、「次位の用紙」には、さらに下位の用紙P3等も含まれるが、説明が煩雑化するのを避けるために、特に必要がない限り「さらに下位の用紙P3等」も含めて単に「次位の用紙」ということにする。
【0106】
この時点(図7に示す時点)で、ブッシュ122のカム23の斜面123aがアイドルローラホルダ161のカムフォロア166に当接するが、最上位の用紙P1の先端P1aは未だアイドルローラ160と分離パッド150との当接部Tには達していない。なお、この当接部Tは、給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド150との当接部と一致している(図10参照)。
【0107】
(iv)さらに給紙ローラ軸110が回転し続けることにより、図8に示すように、給紙ローラ121の円弧部121aが最上位の用紙P1を介して分離パッド150を押圧する。これによって、分離パッド150はパッドバネ156の付勢力に抗して矢印b1方向に押し下げられると同時に、パッドバネ156の付勢力によって給紙ローラ121の円弧部121aとの間で最上位の用紙P1を挟圧する。すなわち、用紙P1は給紙ローラ121と分離パッド150との間で挟圧された状態で送られることとなる。この際、上述したように、次位の用紙P2が用紙P1とともに送られそうになることもあるが、前述したように給紙ローラ121と用紙との間の摩擦係数をμ1、分離パッド150と用紙との間の摩擦係数をμ2、用紙相互間の摩擦係数をμ3とすると、μ1>μ2>μ3となっているので、給紙ローラ121の回転につれて用紙P1と用紙P2とがともに給紙ローラの円弧部121aと分離パッド150とで挟圧された状態になると、用紙P2は分離パッド150との間の摩擦力によってその移動が阻害され、二次的に用紙P1から分離されて、用紙P1のみが給送されることとなる。
【0108】
また、この時点(図8に示す時点)で、アイドルローラホルダ161のカムフォロア166は、カム123の斜面123aによって押し上げられてカム123の円弧面123bに乗り上げた状態となる。これによって、アイドルローラ160は上方向(矢印a2方向)に移動し、分離パッド150から離間した状態となるが、最上位の用紙P1の先端P1aは未だアイドルローラ160と分離パッド150との当接部T(図7参照)には達していない。
【0109】
すなわち、給送されるべき用紙P1の先端P1aが分離パッド150とアイドルローラ160との間を通過する際には、すでにアイドルローラ160は分離パッド150から離間した状態となっていることとなる。
【0110】
(v)さらに給紙ローラ軸110が回転し続けることにより、図9に示すように、用紙P1が給紙ローラ121と分離パッド150とで挟圧された状態でさらに送られる。
【0111】
この時点(図9に示す時点)で、アイドルローラホルダ161のカムフォロア166は、カム123の円弧面123bの終端部近くに位置する。
【0112】
(vi)さらに給紙ローラ軸110が回転し続けることにより、図10に示すように、用紙P1が給紙ローラ121と分離パッド150とで挟圧された状態でさらに送られる。
【0113】
この時点(図10に示す時点)で、アイドルローラホルダ161のカムフォロア166は、カム123のもう一方の傾斜面123cを滑り落ち、したがってローラバネ165の付勢力によってアイドルローラ160が分離パッド150に当接する。しかし、この時点では未だ、給紙ローラ121の円弧部121aが用紙P1を介して分離パッド150を押圧した状態となっている。
【0114】
すなわち、給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド150との用紙P1を介した当接が解除される前にアイドルローラ160が分離パッド150に当接することとなる。
【0115】
また、この時点で、用紙P1の先端は、搬送ローラ対3’,4’の挟圧部N(図1参照)にすでに達しており、この挟圧部Nを僅かに通過した状態となる。
【0116】
そこで、この時点で一旦給紙ローラ121を停止させるとともに、上記(i)の時点から正転し続けていた搬送ローラ対3’,4’を一旦逆転させることによって用紙P1の先端を挟圧部Nの手前(給紙ローラ121側)まで逆送し、給紙ローラ121が停止していることによって生じる用紙の弛みの復元力で用紙の先端Pa1を搬送ローラ対3’,4’の挟圧部Nに沿わせ、用紙P1が斜めに給送されている場合にはこれを矯正する。
【0117】
そして、この実施の形態では、前述したように、搬送ローラ対3’,4’の挟圧部N(図1参照)における用紙先端の通過量が、前記支持部材137が傾斜位置にセットされるべき用紙の場合の通過量に比べて、水平位置にセットされるべき用紙の場合の通過量の方が大きくなるように作動する。
【0118】
より詳しくは、上記ホストコンピュータからの指令信号に含まれている、用紙種のデータがOHP用シート以外のデータである場合には、前記支持部材137が傾斜位置にセットされているということであるから、用紙の先端が図1に示すPa1’の位置に達したときに(より正確には、用紙の先端が図1に示すPa1’の位置に達するだけ給紙ローラ121(および搬送ローラ対3’,4’)が回転した時点で)、一旦給紙ローラ121を停止させるとともに、搬送ローラ対3’,4’を一旦逆転させるようになっている。また、上記指令信号に含まれている、用紙種のデータがOHP用シートのデータである場合には、前記支持部材137が水平位置にセットされているということであるから、用紙の先端が図1に示す上記Pa1’位置よりも通過量の大きいPa1’’の位置に達したときに(より正確には、用紙の先端が図1に示すPa1’’の位置に達するだけ給紙ローラ121(および搬送ローラ対3’,4’)が回転した時点で)、一旦給紙ローラ121を停止させるとともに、搬送ローラ対3’,4’を一旦逆転させるようになっている。
【0119】
なお、各通過量(挟圧部Nから位置Pa1’までの距離と、位置Pa1’’までの距離)は、ホッパ130、規制手段131aの寸法、構造等に応じて適宜設定される。
【0120】
(vii)その後、給紙ローラ121および搬送ローラ対3’,4’が正転し、図11に示すように、給紙ローラ軸110が丁度一回転すると、これが停止し、給紙装置における搬送ローラ対3’,4’以外の各部材は、待機状態(図1に示した状態)に戻る。
【0121】
一方、搬送ローラ対3’,4’は正転し続ける。
【0122】
この時点で、用紙P1はホッパ130上から完全に脱した状態とはなっていないから、用紙P1は、その後端が分離パッド150とアイドルローラ160との当接部Tを通過するまでは、この当接部Tにおける負荷を受けた状態(後方に引っ張られた状態)で、搬送ローラ対3’,4’によって搬送されることとなる。
【0123】
この場合、アイドルローラ160が分離パッド150に向けてローラバネ165で付勢され、分離パッド150との間で用紙P1を挟圧しているので、すでに一旦用紙P1から分離された次位の用紙P2が、用紙P1に対して静電気の作用で吸着しあるいは用紙P1との間の摩擦力によって用紙P1とともに送られようとしても、これが防止される。
【0124】
(viii)以上のようにして給送され、搬送される用紙P1の後端が給紙装置から脱した後、必要に応じて再び給紙動作が行なわれることとなる。
【0125】
以上のような給紙装置によれば、次のような作用効果が得られる。
【0126】
(a)ホッパ130が、用紙Pの前部Paを傾斜状態で支持する構成となっているので、その分設置面積が低減される。
【0127】
また、ホッパ130には、これに支持されるべき用紙Pの枚数を規制するための規制手段131aが設けられているので、許容枚数以上の用紙がセットされるということが防止されると同時に、規制手段131aは用紙の一側部PR側にのみ設けられているので、構造の簡素化も図られる。
【0128】
(b)ホッパ130の後部には、用紙の種類に応じて、用紙Pの後部Pbを傾斜状態に支持する傾斜位置と、用紙Pの後部Pbを略水平状態に支持する水平位置とのいずれかにセットされる支持部材137が設けられているので、比較的滑り難い用紙(例えば普通紙等)の場合には支持部材137を傾斜位置にセットして用紙後部も傾斜状態に支持することによって一層設置面積の低減を図ることができ、比較的滑り易い用紙(例えばOHP用シート)の場合には支持部材137を水平位置にセットして用紙後部を略水平状態に支持することによって、用紙が自重で滑降することを防止することができる。
【0129】
ここで、仮に、用紙Pが滑り易い用紙、例えばOHP用シート等である場合にも、用紙全体が傾斜状態で支持される構成にしたとすると、OHP用シート等は、その自重によって滑降し易いため、図6から図10に示した過程で雪崩現象を起こし易く、給紙ローラ121と分離パッド150との圧接部に極めて進入し易くなるが、この実施の形態の給紙装置によれば、用紙の後部Pbが、ホッパ後部に設けられた支持部材137によって略水平状態に向けて支持されるので、用紙Pが滑り易い用紙であったとしても、これが自重によって滑降するということがなくなるかあるいは滑降し難くなる。
【0130】
したがって、この給紙装置によれば、上記雪崩現象に備えて、分離パッド150の付勢力(バネ156の圧縮力)を大きくする必要がなくなり、したがってまた、給紙ローラ121、搬送ローラ対3’,4’等の駆動力を大きくしたり、前述した用紙搬送時の負荷(バックテンション)が大きくなるという事態を防止することができる。
【0131】
すなわち、この給紙装置によれば、分離パッド方式を用いて上記駆動力および負荷を増大させることなく確実に用紙Pを一枚づつ給送することができるとともに、設置面積の低減を図ることができる。
【0132】
(c) 搬送ローラ対3’,4’の挟圧部Nにおける用紙先端の通過量は、支持部材137が水平位置にセットされるべき用紙の場合、支持部材137が傾斜位置にセットされるべき用紙の場合の通過量(図1の位置Pa1’参照)に比べて大きく設定されているので(図1の位置Pa1’’参照)、図5に示すように、ホッパ130に傾斜状に支持されている用紙Pの前部Paの一側部PR側が規制手段131aによって規制されて他側部PL側が一側部PR側に比べて浮き上がった状態となり、この他側部PL側が一側部PR側に比べて早く給紙ローラ121と接触して移動を開始する結果として、その斜行量が大きくなってしまったとしても、これを確実に矯正して給送することができる。
【0133】
ここで、仮に、支持部材137が傾斜位置にセットされるべき用紙(例えば普通紙)の場合にも、搬送ローラ対3’,4’の挟圧部Nにおける用紙先端の通過量が、上記通過量(図1の位置Pa1’’参照)と同様大きく設定されているとすると、用紙先端が逆送された際に、用紙に皺が発生するおそれがあるが、この実施の形態の給紙装置によれば、支持部材137が傾斜位置にセットされるべき用紙の場合には、その通過量が比較的小さく設定されているので(図1の位置Pa1’参照)、用紙に皺が生じてしまうということがない。しかも、通過量が小さい分だけ(したがって逆送量も小さくて済む分だけ)給紙速度の向上を図ることができる。
【0134】
(d)給紙ローラ121は、円弧部121aと直線部121bとを有する側面視略D形であるから、支持部材137が図1に仮想線で示す傾斜位置となっており、したがって用紙全体が傾斜状態で支持されている場合には、給紙ローラ121が1回転する過程で円弧部121aと分離パッド150との圧接が解除され、直線部121bが分離パッド150と対向する状態になる、すなわち上記圧接部がなくなると、次位の用紙P2が下降しようとすることがあるが、このときはアイドルローラ160が分離パッド150と当接して、次位の用紙P2の下降を阻止するので、次位の用紙P2の下降が防止される(図11参照)。
【0135】
(e)この実施の形態の給紙装置によれば、分離パッド150が給紙ローラ121の円弧部121aとの間で用紙P1を挟圧しないときに、給紙ローラ121に向かう分離パッド150の移動を規制する、アイドルローラ160とは別のパッド規制手段141を備えているので、パッド付勢手段156による付勢力は、このパッド規制手段141によって受けられることとなる。
【0136】
したがって、アイドルローラ160と分離パッド150との当接力はローラ付勢手段165によって得られることとなり、このローラ付勢手段165による付勢力はパッド付勢手段156による付勢力よりも小さい、すなわち、次位の用紙P2がアイドルローラ160と分離パッド150との当接部を通過しないように次位の用紙P2の移動を阻止し得る程度の比較的小さな付勢力とすることができるから、このアイドルローラ160と分離パッド150とによる用紙の挟圧力は従来の装置に比べて小さくすることが可能であり、結果として、最上位の用紙P1を給送した後にこの用紙P1に作用する負荷をより一層小さくすることができる。
【0137】
(f)給送されるべき用紙P1の先端が分離パッド150とアイドルローラ160との間を通過する際にアイドルローラ160を分離パッド150から離間させ(図8参照)、用紙P1の先端が分離パッド150とアイドルローラ160との間を通過した後、給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド150との用紙を介した当接が解除される前にアイドルローラ160を分離パッド150に当接させる(図10参照)構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0138】
すなわち、給紙動作時に給紙ローラ121が回転して最上位の用紙P1が送られ、この用紙P1の先端が給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド150との当接部を通過しようとする際、アイドルローラ160が分離パッド150に向けて付勢されて分離パッド150に当接していると、このアイドルローラ160が通過しようとする用紙P1に対して抵抗となる。
【0139】
これに対し、この実施の形態の給紙装置によれば、給送されるべき用紙P1の先端P1aが分離パッド150とアイドルローラ160との間を通過する際にアイドルローラ160が分離パッド150から離間するので、通過しようとする用紙に対してアイドルローラ160が抵抗になるということがない。
【0140】
また、用紙P1の先端が分離パッド150とアイドルローラ160との間を通過した後、給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド150との用紙を介した当接が解除される前にアイドルローラ160が分離パッド150に当接するから、給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド150との用紙を介した当接が解除された後に、最上位の用紙P1とともに次位の用紙P2が送られてしまうということもない。
【0141】
<第2の実施の形態>
前述した問題、すなわち、送られる用紙の斜行量が大きくなってしまうことがあるという問題は、上述した第1の実施の形態のように、ホッパ130が傾斜していて、規制手段131aが片側にのみ設けられている構成とした場合にのみ生じるわけではない。
【0142】
用紙全体が従来同様水平状態に支持される構造であり、また、枚数規制手段131aが設けられていない(あるいは両側に設けられている)場合にも生じ得る。
【0143】
すなわち、給送されるべき用紙が用紙幅方向において反りを生じ易い用紙(例えば封筒等)である場合には、やはり、図5を参照して説明したのと同様、給紙ローラ121に対する用紙の接触のタイミングが用紙幅方向において異なることとなり易いため、斜行量が大きくなってしまうことがある。
【0144】
そこで、この第2の実施の形態では、上記用紙の斜行量が大きくなっても、これを確実に矯正して給送すべく、搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量が、前記給送されるべき用紙が用紙幅方向において反りを生じ難い用紙である場合の通過量に比べて、反りを生じ易い用紙である場合の通過量の方が大きくなるように設定する。
【0145】
具体的には、前述した第1の実施の形態において、ホストコンピュータからの指令信号に含まれている、用紙種のデータが封筒のデータである場合にも(したがって、支持部材137は傾斜位置にセットされている)、用紙の先端が図1に示す上記Pa1’位置よりも通過量の大きいPa1’’の位置に達したときに(より正確には、用紙の先端が図1に示すPa1’’の位置に達するだけ、給紙ローラ121(および搬送ローラ対3’,4’)が回転した時点で)、一旦給紙ローラ121を停止させるとともに、搬送ローラ対3’,4’を一旦逆転させるようにした。
【0146】
この実施の形態によれば、搬送ローラ対3’,4’の挟圧部Nにおける用紙先端の通過量が、用紙幅方向において反りを生じ易い用紙(例えば封筒)である場合には、反りを生じ難い用紙である場合の通過量に比べて大きく設定されているので、用紙が用紙幅方向において反りを生じていて給紙ローラ121に対する用紙の接触のタイミングが用紙幅方向において異なり、結果として、その斜行量が大きくなってしまったとしても、これを確実に矯正して給送することができる。
【0147】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0148】
例えば、上記実施の形態においては、支持部材137を回動可能な構成としたが、フレームまたはホッパに対して着脱可能な2つの支持部材、すなわち、用紙後部Pbを略水平状態に支持する支持部材と、用紙後部Pbを傾斜状態に支持する支持部材とを用意しておき、これら2つの支持部材のうちいずれかを装着する構成としてもよい。
【0149】
【発明の効果】
請求項1記載の給紙装置によれば、設置面積が低減される。また、許容枚数以上の用紙がセットされるということが防止されると同時に、構造の簡素化も図られる。さらに、給送されるべき用紙が比較的滑り難い用紙の場合には一層設置面積の低減を図ることができ、比較的滑り易い用紙の場合には用紙が自重で滑降することを防止することができる。
【0150】
しかも、用紙の斜行量が大きくなってしまったとしても、これを確実に矯正して給送することができる。
【0151】
請求項2記載の給紙装置によれば、用紙の斜行量が大きくなってしまったとしても、これを確実に矯正して給送することができる。
【0152】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給紙装置の一実施の形態がプリンタに適用されている状態を示す部分切断側面図。
【図2】主として給紙ローラとホッパとの組立体を示す斜視図。
【図3】図1の部分省略平面図。
【図4】図1における部分省略IV−IV断面図である。
【図5】図1におけるV−V視の模式図。
【図6】作動説明図。
【図7】作動説明図。
【図8】作動説明図。
【図9】作動説明図。
【図10】作動説明図。
【図11】作動説明図。
【図12】(a)〜(e)は従来技術の説明図。
【図13】(a)(b)は従来技術の説明図。
【符号の説明】
P 用紙
Pa 前部
Pb 後部
P1 最上位の用紙
P2 次位の用紙
3’,4’搬送ローラ対
N 挟圧部
121 給紙ローラ
130 ホッパ
131a 規制手段
137 支持部材
150 分離パッド
Claims (2)
- 給紙動作時に回転し、少なくとも用紙幅方向両側において用紙と接触する給紙ローラと、この給紙ローラに接触して給送されるべき用紙が複数枚積層され、給紙ローラの回転時に給紙ローラに向けて用紙を圧接させるホッパと、前記給紙ローラに向けて付勢されていて給紙ローラとの間で用紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送られるべき前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッドと、前記給紙ローラにより給送された用紙を挟圧して搬送する搬送ローラ対とを有し、用紙の先端が搬送ローラ対の挟圧部を僅かに通過した後、給紙ローラを一旦停止させるとともに搬送ローラ対を逆転させて用紙先端を逆送することにより搬送ローラ対の挟圧部に用紙の先端を沿わせて用紙の斜行を矯正する給紙装置であって、
前記ホッパは、用紙の前部を傾斜状態で支持し、かつ支持されるべき用紙の枚数を規制するための規制手段が用紙の一側部側にのみ設けられたホッパであるとともに、このホッパの後部には、用紙の種類に応じて、用紙の後部を傾斜状態に支持する傾斜位置と、用紙の後部を略水平状態に支持する水平位置とのいずれかにセットされる支持部材が設けられており、
かつ、前記搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量が、前記支持部材が傾斜位置にセットされるべき用紙の場合の通過量に比べて、水平位置にセットされるべき用紙の場合の通過量の方が大きく設定されていることを特徴とする給紙装置。 - 給紙動作時に回転し、少なくとも用紙幅方向両側において用紙と接触する給紙ローラと、この給紙ローラに接触して給送されるべき用紙が複数枚積層され、給紙ローラの回転時に給紙ローラに向けて用紙を圧接させるホッパと、前記給紙ローラに向けて付勢されていて給紙ローラとの間で用紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送られるべき前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッドと、前記給紙ローラにより給送された用紙を挟圧して搬送する搬送ローラ対とを有し、用紙の先端が搬送ローラ対の挟圧部を僅かに通過した後、給紙ローラを一旦停止させるとともに搬送ローラ対を逆転させて用紙先端を逆送することにより搬送ローラ対の挟圧部に用紙の先端を沿わせて用紙の斜行を矯正する給紙装置であって、
前記搬送ローラ対の挟圧部における用紙先端の通過量が、前記給送されるべき用紙が用紙幅方向において反りを生じ難い用紙である場合の通過量に比べて、反りを生じ易い用紙である場合の通過量の方が大きく設定されていることを特徴とする給紙装置。
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- 1996-11-22 JP JP32757696A patent/JP3591175B2/ja not_active Expired - Fee Related
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