JP3307241B2 - プリンタ - Google Patents

プリンタ

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JP3307241B2
JP3307241B2 JP24716696A JP24716696A JP3307241B2 JP 3307241 B2 JP3307241 B2 JP 3307241B2 JP 24716696 A JP24716696 A JP 24716696A JP 24716696 A JP24716696 A JP 24716696A JP 3307241 B2 JP3307241 B2 JP 3307241B2
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feed roller
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層された用紙
(普通紙、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェ
クタ)用シート、光沢紙、光沢フィルム等のカットシー
ト)を、その最上位のものから1枚づつ給送し、その用
紙に印字するプリンタに関する。特に、給送される用紙
が搬送方向に対して斜めになった状態で搬送されるのを
防止する、すなわち用紙の斜行を防止する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なプリンタの概要を図13
に示す。
【0003】同図において、1は給紙装置であり、用紙
Pを1枚ずつ給送する。
【0004】給送された用紙Pは、搬送ローラ対2,3
によって挟圧されながら搬送され、印字手段4によって
印字された後、排出ローラ対5,6によって機外に排出
される。
【0005】給紙装置1としては、従来、図14に示す
ものが知られている(実公平8−3396号公報)。
【0006】同図において、10は側面視略D形の給紙
ローラであり、円弧部10aと直線部10bとを有して
いる。
【0007】11はガイドブロックであり、このガイド
ブロック11に給紙ローラ10の軸10cが支持されて
いる。
【0008】12はカセットであり、内部に積載板12
aが設けられている。この積載板12aの上に複数枚の
用紙Pが積層状態でセットされる。12cはスプリング
であり、このスプリング12cによって用紙Pは給紙ロ
ーラ10に向けて付勢されている。
【0009】13は分離パッドであり、ブラケット13
a上に取り付けられている。分離パッド13は、給紙ロ
ーラ10の円弧部10aの回転軌道中に位置しており、
スプリング14により、ガイド15に沿って給紙ローラ
軸10cの方向に付勢されている。
【0010】16はガイドブロック11に回転可能に取
り付けられたアイドルローラ、17はガイドブロック1
1の長溝11aに軸17aが移動可能に取り付けられた
可動アイドルローラである。可動アイドルローラ17
は、スプリング18により分離パッド13に向けて付勢
され、分離パッド13に当接している。
【0011】このスプリング18の付勢力F2は、分離
パッド13のスプリング14の付勢力F1よりも小さく
設定されている(すなわちF1>F2である)。
【0012】以上のような給紙装置は、次のように作動
する。
【0013】待機時には、図14に示すように、給紙ロ
ーラ10の直線部10bが用紙Pと対向した状態となっ
ており、給紙ローラ10は用紙Pとは接触していない。
また、可動アイドルローラ17のスプリング18の付勢
力F2は、分離パッド13のスプリング14の付勢力F
1よりも小さく設定されているので、可動アイドルロー
ラ17は分離パッド13によって押し上げられ、その軸
17aが長溝11aの上端に当接した状態となってい
る。
【0014】給紙動作時には、給紙ローラ10が矢印方
向に回転し、その円弧部10aが用紙Pのうちの最上位
の用紙P1と接触することによって、この用紙P1が分
離パッド13に向けて送られる。この際、用紙P1に対
して次位の用紙P2が静電気の作用で吸着していること
により、あるいは用紙P1と用紙P2との間に摩擦力が
作用することによって、用紙P2が用紙P1とともに送
られることがある。
【0015】しかしながら、用紙P2は、次のようにし
て分離パッド13によって用紙P1から分離され、最上
位の用紙P1のみが給送されることとなる。
【0016】すなわち、用紙P2は、その先端が分離パ
ッド13に突き当たることによって、その移動が阻害さ
れ、一次的に用紙P1から分離され得る。
【0017】また、給紙ローラ10の円弧部10aと用
紙P1との間の摩擦力をf1、用紙P2と分離パッド1
3との間の摩擦力をf2、用紙P1と用紙P2との間の
摩擦力をf3とすると、f1>f2>f3なる関係が成
立するように給紙ローラ10および分離パッド13が構
成されているため、給紙ローラ10の回転につれて用紙
P1と用紙P2とがともに給紙ローラの円弧部10aと
分離パッド13とで挟圧された状態になると、用紙P2
は分離パッド13との間の摩擦力によってその移動が阻
害され、二次的に用紙P1から分離されて、用紙P1の
みが給送されることとなる。なお、分離パッド13は、
給紙ローラ10の円弧部10aの回転軌道中に位置して
いるため、円弧部10aが回転することにより円弧部1
0aによって押し下げられることとなるが、可動アイド
ルローラ17はスプリング18により分離パッド13に
向けて付勢されているので、分離パッド13が押し下げ
られてもこれに当接し、この当接によっても用紙の分離
動作がなされることとなる。
【0018】給紙ローラ10が丁度一回転して待機状態
(図14に示した状態)に戻る。
【0019】以上のようにして、最上位の用紙P1のみ
が給送されることとなる。
【0020】このようにして給送される用紙は、進行方
向に対して斜めになった状態で給送されることがある。
給送された用紙は、通常、図13に示したように、搬送
ローラ対2,3によって搬送され、印字手段4によって
印字されることとなるが、用紙が斜めになった状態で搬
送される、すなわち用紙が斜行していると、印字状態も
斜めになってしまうので、用紙の斜行を防止する必要が
ある。
【0021】用紙の斜行を防止する技術としては、従
来、図15(a)(b)に示すように、単一の給紙ロー
ラ7で用紙を給送し、給送された用紙P1の先端P1a
が搬送ローラ対2,3のニップ部(挟圧部)Nを通過し
た後に、給紙ローラ7を停止させ、一旦搬送ローラ対
2,3を逆転させる技術が知られている。
【0022】用紙P1が斜行している場合において、搬
送ローラ対2,3が逆転すると、用紙の先端部P1aが
搬送ローラ対2,3のニップ部Nを逆方向に通過するタ
イミングは、その幅方向において異なる。用紙P1が例
えば図15(a)仮想線で示すように斜行している場合
には、図15(a)において上方側における先端部P1
a1が通過した後に下方側における先端部P1a2が通
過することとなる。すなわち、上方側における先端部P
1a1には搬送ローラ対2,3による搬送力は作用しな
いが、下方側における先端部P1a2には搬送力が作用
するという状況が生じる。
【0023】このような状況において、給紙ローラ7が
停止しているため、用紙P1は図15(a)において矢
印X方向に回転し、結果として用紙の先端P1aが搬送
ローラ対2,3のニップ部Nに沿って揃えられることと
なる。
【0024】その後、搬送ローラ対2,3を正転させる
ことによって、用紙P1を真っ直ぐに搬送することがで
きる。
【0025】一方、プリンタの給紙装置の中には、図1
6(b)に示すように、給紙トレイ12’を斜めに立て
て傾斜させた状態とし、これによって、プリンタ全体の
設置面積の低減を図ったものがある。
【0026】このように給紙トレイ12’が斜めになる
と、給送時に用紙P1の自重がその給送方向に作用する
こととなるため、給紙ローラが単一であると、用紙が著
しく斜行し易いという難点が生じる。
【0027】そこでこのような装置においては、図16
(a)に示すように、給紙ローラ7’を少なくとも一対
設けることによって、給紙時の斜行の低減を図ってい
る。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、給紙
ローラ7’が一対設けられていると、前述した斜行防止
技術(図15)では用紙の斜行を防止することができな
い。一対の給紙ローラ7’,7’が、共通の駆動軸7a
に取り付けられており、同時に用紙P1を押圧している
ため、搬送ローラ対2,3を逆転させても用紙P1が回
転し得ないからである。
【0029】もっとも、一対の給紙ローラ7’,7’を
別々の駆動軸に取り付け、搬送ローラ対2,3の逆転時
に独立して自由回転可能なフリーローラとなる構成とす
れば、前述した斜行防止技術(図15)によって用紙の
斜行を防止することは可能ではある。しかしながら、一
対の給紙ローラ7’,7’を別々の駆動軸に取り付けた
場合には両駆動軸の同期を取らなければ給紙時に用紙が
著しく斜行してしまうし、搬送ローラ2,3の逆転時に
独立して自由回転可能なフリーローラとなるようにする
ためにはクラッチ等が必要で、構造が著しく複雑になっ
てしまう。
【0030】したがって、一対の給紙ローラ7’,7’
を別々の駆動軸に取り付け、搬送ローラ2,3の逆転時
に独立して自由回転可能なフリーローラとなる構成とす
ることは得策ではない。
【0031】これに対し、図14に示した構造、すなわ
ち、側面視略D形の給紙ローラ10と、この給紙ローラ
10とは独立して自由回転可能な可動アイドルローラ1
7とを備えた構造によれば、前述した斜行防止技術(図
15)を用いることが可能であると考えられる。給紙ロ
ーラ10が用紙を押圧していないときに搬送ローラ対を
逆転させれば、アイドルローラ17が負荷となりつつ回
転することによって用紙が回転し得るとも考えられるか
らである。
【0032】しかしながら、図14に示した構造では、
以下に説明するように、用紙を円滑に回転させる、すな
わち斜行防止動作を円滑に行なうことは極めて困難であ
るか、あるいは不可能である。
【0033】図14に示した構造では、給紙動作時に給
紙ローラ10が1回転して図14に示した状態(円弧部
10aが分離パッド13を押圧しない状態)となると、
可動アイドルローラ17のスプリング18の付勢力F2
よりも、分離パッド13のスプリング14の付勢力F1
の方が大きく設定されているので、分離パッド13は、
可動アイドルローラ17をその軸17aが長溝11aの
上端に当接するまで押し上げた状態で停止した状態とな
る。
【0034】この状態において、搬送ローラ対を逆転さ
せて用紙P1を回転させようとすると、用紙P1は、そ
の後部が分離パッド13のスプリング14の付勢力F1
によって分離パッド13と可動アイドルローラ17との
間に挟圧された状態で回転しようとすることとなる。
【0035】ところが、分離パッド13は、上述したよ
うに給紙ローラ10の円弧部10aとの間で用紙を挟圧
することにより、用紙が2枚以上送られようとした場合
にこれを防止するためのものであるから、その付勢力F
1は比較的大きく(少なくとも上述したように可動アイ
ドルローラ17の付勢力F2より大きく)設定されてい
る。
【0036】したがって、用紙P1は、この比較的大き
な付勢力F1によって用紙P1の後部が挟圧された状態
で回転しなければならないから、極めて回転しにくい
か、あるいは回転しない。
【0037】すなわち、図14に示した構造では、用紙
の斜行を防止することが極めて困難であるか、あるいは
不可能である。
【0038】本発明の目的は、以上のような問題を解決
し、側面視略D形の給紙ローラおよび可動アイドルロー
ラを用いたものにおいて、用紙の斜行防止を円滑に行な
うことができるプリンタを提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の給紙装置は、複数枚の用紙を積層状態
で保持する給紙トレイと、円弧部と直線部とを有し、給
紙動作時に1回転して前記円弧部が前記給紙トレイ上に
積層された複数枚の用紙のうち最上位の用紙と接触する
ことによって当該用紙を送る側面視略D形の給紙ローラ
と、この給紙ローラの円弧部の回転軌道中に位置し、パ
ッド付勢手段により給紙ローラに向けて付勢されていて
前記円弧部との間で用紙を挟圧することにより、給紙ロ
ーラにより送られるべき前記用紙を次位の用紙から分離
する分離パッドと、前記パッド付勢手段による付勢力よ
りも小さな付勢力を発生させるローラ付勢手段によって
前記分離パッドに向けて付勢され、分離パッドと当接す
るアイドルローラと、前記分離パッドが給紙ローラの円
弧部との間で用紙を挟圧しないときに、給紙ローラに向
かう分離パッドの移動を規制する、前記アイドルローラ
とは別のパッド規制手段と、前記給紙ローラにより給送
された用紙を搬送する搬送ローラ対とを備え、前記用紙
の先端が搬送ローラ対のニップ部を通過した後であっ
て、前記分離パッドが給紙ローラの円弧部との間で用紙
を挟圧していないときに、一旦搬送ローラ対を逆転させ
て用紙の先端を前記ニップ部に沿わせて揃えることを特
徴とする。
【0040】請求項2記載のプリンタは、請求項1記載
のプリンタにおいて、前記給送トレイは傾斜していて、
用紙を傾斜させた状態で保持する給紙トレイであり、前
記給紙ローラは少なくとも一対設けられていることを特
徴とする。
【0041】
【作用効果】請求項1記載のプリンタによれば、複数枚
の用紙を積層状態で保持する給紙トレイと、円弧部と直
線部とを有し、給紙動作時に1回転して前記円弧部が積
層された複数枚の用紙のうち最上位の用紙と接触するこ
とによって当該用紙を送る側面視略D形の給紙ローラ
と、この給紙ローラの円弧部の回転軌道中に位置し、パ
ッド付勢手段により給紙ローラに向けて付勢されていて
前記円弧部との間で用紙を挟圧することにより、給紙ロ
ーラにより送られるべき前記用紙を次位の用紙から分離
する分離パッドとを備えているので、給紙動作時には、
給紙トレイから最上位の用紙のみが給送される。
【0042】最上位の用紙が給送された後には、給紙ロ
ーラの円弧部は、用紙と接触しない状態、すなわち分離
パッドが給紙ローラの円弧部との間で用紙を挟圧しない
状態となるが、アイドルローラが、前記パッド付勢手段
による付勢力よりも小さな付勢力を発生させるローラ付
勢手段によって前記分離パッドに向けて付勢され、分離
パッドと当接しているので、前記用紙はこのアイドルロ
ーラと分離パッドとで挟圧された状態となる。
【0043】そして、このプリンタによれば、分離パッ
ドが給紙ローラの円弧部との間で用紙を挟圧しないとき
に、給紙ローラに向かう分離パッドの移動を規制する、
前記アイドルローラとは別のパッド規制手段を備えてい
るので、パッド付勢手段による付勢力は、このパッド規
制手段によって受けられることとなる。
【0044】したがって、前記用紙の挟圧力はローラ付
勢手段によって得られることとなり、このローラ付勢手
段による付勢力はパッド付勢手段による付勢力よりも小
さいから、用紙の挟圧力は従来の装置(図14)に比べ
て小さくすることが可能である。
【0045】このような状態において、用紙の先端が搬
送ローラ対のニップ部を通過した後に、一旦搬送ローラ
対が逆転すると、用紙が斜行している場合には、前述し
たように、用紙の先端部が搬送ローラ対のニップ部を逆
方向に通過するタイミングは、その幅方向において異な
り、搬送ローラ対による搬送力が用紙に対してその幅方
向で部分的に作用することとなる。
【0046】このような状況において、用紙の後部は、
アイドルローラと分離パッドとで比較的弱い挟圧力で挟
圧されているので、用紙はこの挟圧部まわりに円滑に回
転し、結果として用紙の先端が搬送ローラ対のニップ部
に沿って揃えられることとなる。
【0047】その後、搬送ローラ対を正転させることに
よって、用紙を真っ直ぐに搬送することができる。
【0048】すなわち、この請求項1記載のプリンタに
よれば、用紙の斜行防止を円滑に行なうことができる。
【0049】請求項2記載のプリンタによれば、前記給
送トレイは傾斜していて、用紙を傾斜させた状態で保持
する構成であるから、プリンタ全体の設置面積の低減を
図ることができる。
【0050】そして、給紙ローラは少なくとも一対設け
られているので、給紙時の用紙の著しい斜行は防止さ
れ、その後、上記請求項1記載の構成による作用と同様
にして用紙の斜行が取り除かれる。
【0051】したがって、上記請求項1記載の構成は、
給紙トレイが傾斜している場合に特に有効である。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0053】図1は本発明に係るプリンタの一実施の形
態の要部を示す側面図、図2は同じく概略的な部分省略
平面図、図3は図1の部分拡大図で一部を透視した部分
省略側面図、図4は図3におけるIV−IV断面図、図
5は部分省略平面図、図6は図3とは異なる箇所を省略
した側面図である。
【0054】図1、図2において、SFはプリンタに組
み込まれた給紙装置、2,3は従来と同様の搬送ローラ
対、4は同じく印字手段、5,6は同じく排紙ローラ
対、80は、上ガイド80aと下ガイド80bとからな
る用紙ガイドである。
【0055】20は給紙ローラであり、図2に示すよう
に、一対設けられている。
【0056】図3は給紙装置SFの拡大図であり、図1
とは角度を変えて描いてあるが、給紙装置SFは、実際
には図1に示すように後述する給紙トレイ31およびホ
ッパ30が傾斜した状態でプリンタに組み込まれてい
る。
【0057】図3に示すように、給紙ローラ20は、円
弧部20aと直線部20bとを有する側面視略D形に構
成されており、少なくとも円弧部20aの表面および直
線部20bの表面が高摩擦材料(例えばゴム)で形成さ
れている。この給紙ローラ20は、ブッシュ21を介し
て給紙ローラ軸22に固定されている。すなわち、給紙
ローラ20およびブッシュ21は給紙ローラ軸22に対
して回転不能である。給紙ローラ軸22は、フレーム
(図示せず、以下同じ)に支持されており、駆動手段
(図示せず、以下同じ)によって、給紙動作時に丁度1
回転だけ回転駆動されるようになっている。
【0058】30はホッパ、31は給紙トレイである。
ホッパ30は、軸32によってフレームに対して回動可
能に取り付けられており、給紙トレイ31はフレームに
対して着脱可能に固定されている。これらホッパ30お
よび給紙トレイ31の上に、複数枚の用紙Pが図1に示
すように傾斜した積層状態でセットされる。セットされ
た用紙Pは、その先端Paが、後述する分離パッドホル
ダ51の背面52に当接することによって揃えられる。
【0059】40はサブフレームであり、このサブフレ
ーム40とホッパ30の先端部との間にはホッパバネ
(圧縮バネ)33が設けられている(図5参照)。した
がって、ホッパ30は、ホッパバネ33により、図3に
おいて時計方向すなわち用紙Pを給紙ローラ20に当接
させる方向に向けて常時付勢されているが、図5および
図6に示すように、ホッパ30の両側端(図5では一側
端のみ図示)にはカムフォロア34が形成されており、
このカムフォロア34が、給紙ローラ軸22に固定され
たホッパカム35(図5では一方のみ図示)と当接する
ことによって、その回動が規制されている。なお、ホッ
パ30の先端部上面には、後述する分離パッドと同様の
パッド36が設けられている。
【0060】図3〜図5において、50は分離パッドで
あり、分離パッドホルダ51に固定されている。分離パ
ッド50は、用紙Pに対する摩擦係数が、給紙ローラ2
0の摩擦係数よりも小さな材料(例えばコルク等の材
料)で構成されている。また、いずれの摩擦係数も用紙
相互間の摩擦係数よりも大きな摩擦係数の材料で構成さ
れている。すなわち、給紙ローラ20と用紙との間の摩
擦係数をμ1、分離パッド50と用紙との間の摩擦係数
をμ2、用紙相互間の摩擦係数をμ3とすると、μ1>
μ2>μ3となっている。
【0061】分離パッドホルダ51は、分離パッド50
が固定されているパッド支持部53と、これと一体の前
述した背面52部分と、これと一体に形成された一対の
アーム部54とを有しており、アーム部54の後端に設
けられた軸55によって、サブフレーム40に回動可能
に取り付けられている。
【0062】パッド支持部53とサブフレーム40との
間には、パッド付勢手段であるパッドバネ(圧縮バネ)
56が設けられている。したがって、分離パッドホルダ
51は、パッドバネ56により、図3において時計方向
すなわち分離パッド50を給紙ローラ20に当接させる
方向に向けて常時付勢されているが、図4に示すよう
に、分離パッドホルダ51の一側には突部57が形成さ
れており、この突部57が、サブフレーム40に設けら
れた、パッド規制手段をなすピン41と当接することに
よって、その回動が規制されている。突部57がピン4
1と当接している状態で、分離パッド50は、給紙ロー
ラの円弧部20aの回転軌道中に位置している。
【0063】図3、図4において、60はアイドルロー
ラ、61はアイドルローラホルダである。また、70は
給紙ローラ20のカバーであり、サブフレーム40に取
り付けられている。
【0064】アイドルローラホルダ61は、その中心に
穴61aを有する略リング状をなしている。アイドルロ
ーラホルダ61の一側面下方には、軸63が設けられて
おり、この軸63にアイドルローラ60が回転可能に支
持されている。
【0065】アイドルローラホルダ61には、図3に示
すように一対の穴61b,61bが形成されており、サ
ブフレーム40に設けられたフック42,42がこの穴
61b,61bと軽く嵌まり合うことによって、アイド
ルローラホルダ61はサブフレーム40に取り付けられ
ている。また、アイドルローラホルダ61の他側面上下
には一対のピン61c,61cが設けられており、この
ピン61c,61cが、サブフレーム40に形成された
長穴43,43に対してスライド可能に嵌まり込んでい
る(図4参照)。さらに、アイドルローラホルダ61の
穴61aには、給紙ローラ軸22が挿通されているが、
穴61aの径は給紙ローラ軸22の径よりも大きく形成
されている。
【0066】したがって、アイドルローラホルダ61
は、そのピン61c,61cが長穴43,43に案内さ
れることにより、図3において矢印a1,a2方向にス
ライド可能であり、したがってまた、アイドルローラ6
0も矢印a1,a2方向にスライド可能である。
【0067】アイドルローラホルダ61の一側面上部に
はバネ受け部64が設けられており、このバネ受け部6
4とカバー70との間に、ローラ付勢手段であるローラ
バネ(圧縮バネ)65が設けられている。したがって、
アイドルローラホルダ61は、ローラバネ65により、
矢印a1方向に向けて常時付勢されているが、アイドル
ローラ60が分離パッド50と当接することによって、
その移動が規制されている。ローラバネ65の付勢力
は、パッドバネ56の付勢力よりも小さく設定されてい
る。したがって、アイドルローラ60が分離パッド50
を押し下げてしまうということはない。
【0068】一方、バネ受け部64の下面にはカムフォ
ロア66が形成されており、このカムフォロア66が、
前述したブッシュ21に形成されたカム23と接離する
ことによって、アイドルローラホルダ61が矢印a1ま
たはa2方向に移動し、したがってまた、アイドルロー
ラ60も矢印a1またはa2方向に移動するようになっ
ている。すなわち、アイドルローラホルダ61およびカ
ム23でアイドルローラ退避機構が構成されており、カ
ム23の作動によって、後述するように、給送されるべ
き用紙の先端が分離パッド50とアイドルローラ60と
の間を通過する際にアイドルローラ60を分離パッド5
0から離間させ、用紙の先端が分離パッド50とアイド
ルローラ60との間を通過した後、給紙ローラ20の円
弧部20aと分離パッド50との用紙を介した当接が解
除される前に、アイドルローラ60を分離パッド50に
当接させるように、前記カム23の形状が構成されてい
る。
【0069】なお、図4においてAは通紙範囲を示して
いる。
【0070】次に、以上のようなプリンタの作動につい
て、待機時、給紙動作、用紙の斜行取り動作、および印
字動作に分けて順次説明する。
【0071】<待機時>待機時には、図6に実線で示す
ように、給紙装置SFにおけるホッパカム35に、ホッ
パ30のカムフォロア34が当接していることにより、
ホッパ30が押し下げられた状態となっている。また、
図3に示すように、給紙ローラ20は、その直線部20
bが用紙Pと対向した状態となっており、給紙ローラ2
0は用紙Pとは接触していない。
【0072】したがって、この状態においては、ホッパ
30および給紙トレイ31上に容易に用紙Pをセットす
ることができる。
【0073】分離パッドホルダ51(すなわち分離パッ
ド50)は、パッドバネ56により、図3において時計
方向に付勢されているが、図4に示すように突部57が
ピン41と当接することによって、その回動が規制さ
れ、図3に示す位置に停止している。したがって、パッ
ドバネ56の付勢力はアイドルローラ60には作用して
いない。また、このとき、分離パッド50は、給紙ロー
ラの円弧部20aの回転軌道中に位置している。
【0074】カム23とアイドルローラホルダ61のカ
ムフォロア66とは接触しておらず、したがって、アイ
ドルローラ60はローラバネ65の付勢力によって分離
パッド50に当接している。
【0075】<給紙動作> (i)図3において、給紙ローラ軸22が時計方向への
回転を開始する。したがって、給紙ローラ20およびカ
ム23も回転を開始する。
【0076】(ii)図7に示すように、給紙ローラ軸
22とともに給紙ローラ20およびホッパカム35が所
定角度回転してホッパカム35とホッパ30のカムフォ
ロア34との当接が解除されると、ホッパバネ33によ
ってホッパ30が押し上げられ、用紙Pも押し上げられ
てその最上位の用紙P1が給紙ローラ20の円弧部20
aに押し付けられる。
【0077】(iii)さらに給紙ローラ軸22が回転
し続けることにより、図8に示すように、給紙ローラ2
0の円弧部20aと最上位の用紙P1とが接触している
ことによって、この用紙P1が分離パッド50に向けて
送られる。この際、用紙P1に対して次位の用紙P2が
静電気の作用で吸着していることにより、あるいは用紙
P1と用紙P2との間に摩擦力が作用することによっ
て、用紙P2が用紙P1とともに送られることもある
が、用紙P2は、その先端P2aが分離パッド50に突
き当たることによって、その移動が阻害され、一次的に
用紙P1から分離され得る。なお、同様に、さらに下位
の用紙P3等が送られようとしても同様にして分離され
得る。
【0078】また、この時点(図8に示す時点)で、カ
ム23の斜面23aがアイドルローラホルダ61のカム
フォロア66に当接するが、最上位の用紙P1の先端P
1aは未だアイドルローラ60と分離パッド50との当
接部Tには達していない。
【0079】(iv)さらに給紙ローラ軸22が回転し
続けることにより、図9に示すように、給紙ローラ20
の円弧部20aが最上位の用紙P1を介して分離パッド
50を押圧する。これによって、分離パッド50はパッ
ドバネ56の付勢力に抗して矢印b1方向に押し下げら
れると同時に、パッドバネ56の付勢力によって給紙ロ
ーラ20の円弧部20aとの間で最上位の用紙P1を挟
圧する。すなわち、用紙P1は給紙ローラ20と分離パ
ッド50との間で挟圧された状態で送られることとな
る。この際、上述したように、用紙P2が用紙P1とと
もに送られそうになることもあるが、前述したように給
紙ローラ20と用紙との間の摩擦係数をμ1、分離パッ
ド50と用紙との間の摩擦係数をμ2、用紙相互間の摩
擦係数をμ3とすると、μ1>μ2>μ3となっている
ので、給紙ローラ20の回転につれて用紙P1と用紙P
2とがともに給紙ローラの円弧部20aと分離パッド5
0とで挟圧された状態になると、用紙P2は分離パッド
50との間の摩擦力によってその移動が阻害され、二次
的に用紙P1から分離されて、用紙P1のみが給送され
ることとなる。
【0080】また、この時点(図9に示す時点)で、ア
イドルローラホルダ61のカムフォロア66は、カム2
3の斜面23aによって押し上げられてカム23の円弧
面23bに乗り上げた状態となる。これによって、アイ
ドルローラ60は矢印a2方向に移動し、分離パッド5
0から離間した状態となるが、最上位の用紙P1の先端
P1aは未だアイドルローラ60と分離パッド50との
当接部T(図8参照)には達していない。
【0081】すなわち、給送されるべき用紙P1の先端
P1aが分離パッド50とアイドルローラ60との間を
通過する際には、すでにアイドルローラ60は分離パッ
ド50から離間した状態となっていることとなる。
【0082】(v)さらに給紙ローラ軸22が回転し続
けることにより、図10に示すように、用紙P1が給紙
ローラ20と分離パッド50とで挟圧された状態でさら
に送られる。
【0083】また、この時点(図10に示す時点)で、
アイドルローラホルダ61のカムフォロア66は、カム
23の円弧面23bの終端部に位置する。
【0084】(vi)さらに給紙ローラ軸22が回転し
続けることにより、図11に示すように、用紙P1が給
紙ローラ20と分離パッド50とで挟圧された状態でさ
らに送られる。
【0085】この時点(図11に示す時点)で、アイド
ルローラホルダ61のカムフォロア66は、カム23の
もう一方の傾斜面23cを滑り落ち、したがってローラ
バネ65の付勢力によってアイドルローラ60が分離パ
ッド50に当接する。しかし、この時点では未だ、給紙
ローラの円弧部20aが用紙P1を介して分離パッド5
0を押圧した状態となっている。
【0086】すなわち、給紙ローラの円弧部20aと分
離パッド50との用紙P1を介した当接が解除される前
にアイドルローラ60が分離パッド50に当接すること
となる。
【0087】(vii)さらに給紙ローラ軸22が回転
し(丁度一回転し)、図12に示すように、ホッパ30
がホッパカム35で押し下げられて待機状態(図3に示
した状態)に戻る。
【0088】なお、この時点では、用紙P1は給紙装置
から完全に脱した状態とはなっておらず、用紙の後部は
分離パッド50とアイドルローラ60との当接部T,
T’(図2参照)によって挟圧された状態となってい
る。
【0089】<用紙の斜行取り動作>上述した給紙動作
時に給紙ローラ軸22が回転すると、図1に示す搬送ロ
ーラ対2,3も正転する(用紙搬送方向に回転する)。
【0090】給紙ローラ20の回転によって給送された
用紙P1は、用紙ガイド80で案内され、搬送ローラ対
2,3に向かう。
【0091】そして、給紙ローラ20が丁度1回転した
とき、図2の仮想線で示すように、用紙P1の先端P1
aは、搬送ローラ対2,3のニップ部Nを僅かに通過し
た状態となる。
【0092】その後、一旦搬送ローラ対2,3が逆転す
る(図1矢印方向参照)。
【0093】用紙P1が図2仮想線で示すように斜行し
ている場合において、搬送ローラ対2,3が逆転する
と、用紙の先端部P1aが搬送ローラ対2,3のニップ
部Nを逆方向に通過するタイミングは、その幅方向にお
いて異なる。用紙P1が例えば図2仮想線で示すように
斜行している場合には、図2において上方側における先
端部P1a1が通過した後に下方側における先端部P1
a2が通過することとなる。すなわち、上方側における
先端部P1a1には搬送ローラ対2,3による搬送力は
作用しないが、下方側における先端部P1a2には搬送
力が作用するという状況が生じる。
【0094】このような状況において、用紙の後部は分
離パッド50とアイドルローラ60との当接部T,T’
によって挟圧された状態となっているため、用紙の下方
側における先端部P1a2にのみ搬送力が作用すると、
一方の(図2においては上方の)当接部Tが逆送される
用紙に対して負荷として作用する。このため、用紙P1
は図2において矢印X1方向に回転し、結果として用紙
の先端P1aが図2に破線で示すように搬送ローラ対
2,3のニップ部Nに沿って揃えられることとなる。な
お、他方の当接部T’におけるアイドルローラ60は矢
印X1方向に回転する用紙にしたがって回転することと
なる。
【0095】<印字動作>その後、搬送ローラ対2,3
が正転して用紙P1は真っ直ぐに搬送され、印字手段4
で印字された後、排紙ローラ対5,6によって機外に排
出される。
【0096】なお、用紙P1は、その後端が分離パッド
50とアイドルローラ60との当接部T,T’を通過す
るまでは、この当接部T,T’における負荷を受けた状
態(後方に引っ張られた状態)で、搬送ローラ2,3に
よって搬送されることとなる。
【0097】この場合、アイドルローラ60が分離パッ
ド50に向けてローラバネ65で付勢され、分離パッド
50との間で用紙P1を挟圧しているので、すでに一旦
次位の用紙P2から分離された用紙P1に対して再び次
位の用紙P2が静電気の作用で吸着し、あるいは用紙P
1と用紙P2との間に摩擦力が作用することによって、
用紙P2が用紙P1とともに送られようとしても、これ
が防止される。
【0098】以上のようなプリンタによれば、次のよう
な作用効果が得られる。
【0099】(a)複数枚の用紙Pを積層状態で保持す
る給紙トレイ31と、円弧部20aと直線部20bとを
有し、給紙動作時に1回転して前記円弧部20aが、積
層された複数枚の用紙Pのうち最上位の用紙P1と接触
することによって当該用紙P1を送る側面視略D形の給
紙ローラ20と、この給紙ローラ20の円弧部20aの
回転軌道中に位置し、パッドバネ56により給紙ローラ
20に向けて付勢されていて前記円弧部20aとの間で
用紙を挟圧することにより、給紙ローラ20により送ら
れるべき前記用紙P1を次位の用紙P2から分離する分
離パッド50とを備えているので、給紙動作時には、最
上位の用紙P1のみが給送される。
【0100】最上位の用紙P1が給送された後には、図
12に示したように、給紙ローラの円弧部20aは、用
紙と接触しない状態、すなわち分離パッド50が給紙ロ
ーラの円弧部20aとの間で用紙P1を挟圧しない状態
となるが、アイドルローラ60が、前記パッドバネ56
による付勢力よりも小さな付勢力を発生させるローラバ
ネ65によって分離パッド50に向けて付勢され、分離
パッド50と当接しているので、用紙P1はこのアイド
ルローラ60と分離パッド50とで挟圧された状態とな
る。
【0101】そして、このプリンタによれば、分離パッ
ド50が給紙ローラの円弧部20aとの間で用紙P1を
挟圧しないときに、給紙ローラ20に向かう分離パッド
50の移動を規制する、前記アイドルローラ60とは別
のパッド規制手段としてのピン41を備えているので、
パッドバネ56による付勢力は、このピン41によって
受けられることとなる。
【0102】したがって、前記用紙P1の挟圧力はロー
ラバネ65によって得られることとなり、このローラバ
ネ65による付勢力はパッドばね56による付勢力より
も小さいから、用紙P1の挟圧力は従来の装置(図1
4)に比べて小さくすることが可能である。
【0103】この実施の形態において、アイドルローラ
60を分離パッド50に向けて付勢し、分離パッド50
との間で用紙P1を挟圧する構成としているのは、
(1)斜行防止動作時に逆送される用紙に負荷(抵抗)
を与えて用紙を回転させるため、(2)すでに一旦次位
の用紙P2から分離された用紙P1に対して再び次位の
用紙P2が静電気の作用で吸着し、あるいは用紙P1と
用紙P2との間に摩擦力が作用することによって、搬送
ローラ2,3により用紙P1が搬送される過程で、用紙
P2が用紙P1とともに送られてしまうのを防止するた
め、であるから、これらの目的を同時に達成し得る範囲
内においてローラ付勢手段(この場合ローラバネ65)
の付勢力を可及的に小さくすることが可能である。
【0104】搬送ローラ2,3により用紙P1が搬送さ
れる過程で、次位の用紙P2が用紙P1とともに送られ
てしまうのを防止するために必要な挟圧力TF1と、逆
送される用紙に負荷(抵抗)を与えて用紙を回転させる
ために必要な挟圧力TF2と、給紙時にパッド分離を行
なうために必要なパッドと給紙ローラとの間の挟圧力T
F3との間には、TF1<TF2<TF3なる関係があ
るから、この関係が成立する範囲内において、ローラ付
勢手段(この場合ローラバネ65)の付勢力を可及的に
小さくすることが可能である。この実施の形態では、T
F1=TF2<TF3となっている。
【0105】以上のような状態において、用紙P1の先
端が搬送ローラ対2,3のニップ部Nを通過した後に、
一旦搬送ローラ対2,3が逆転すると、用紙P1の後部
は、アイドルローラ60と分離パッド50とで比較的弱
い挟圧力TF2で挟圧されているので、斜行している用
紙P1はその挟圧部まわりに円滑に回転し、結果として
用紙P1の先端P1aが搬送ローラ対2,3のニップ部
Nに沿って揃えられることとなる。
【0106】すなわち、このプリンタによれば、用紙の
斜行防止を円滑に行なうことができる。
【0107】(b)給送トレイ31は図1に示したよう
に傾斜していて、用紙を傾斜させた状態で保持する構成
であるから、プリンタ全体の設置面積の低減を図ること
ができる。
【0108】そして、給紙ローラ20は一対設けられて
いるので、給紙時の用紙の著しい斜行は防止され、その
後、上記(a)の作用と同様にして用紙の斜行が取り除
かれる。
【0109】(c)前述したように、この実施の形態の
プリンタによれば、最上位の用紙P1を給送した後にこ
の用紙P1に作用する負荷を、従来の装置(図14)に
比べて小さくすることができる。
【0110】従来の装置では、比較的大きな付勢力F1
によって用紙P1の後部が挟圧される構造となっていた
ため、この挟圧部における負荷が大きく、この負荷に十
分に打ち勝つだけの搬送力が搬送ローラ2,3によって
得られない場合には、用紙の送り精度が低下するため、
印字手段4による印字精度が低下してしまうという難点
があった。したがって、従来の装置では、上記負荷に十
分に打ち勝つだけの搬送力を得るべく、搬送ローラ2,
3による用紙の挟圧力を大きくする必要があると同時
に、搬送ローラ2,3を駆動するための大きな駆動力が
必要であり、装置が大型化したり消費電力が増大してし
まうという問題があった。また、搬送ローラ2,3が摩
耗し易いという問題もあった。
【0111】これに対し、この実施の形態のプリンタに
よれば、最上位の用紙P1を給送した後にこの用紙P1
に作用する負荷を、従来の装置(図14)に比べて小さ
くすることができるから、上記問題を解消し、比較的小
さな駆動力で搬送ローラ対2,3を駆動することができ
るとともに、印字精度の向上も図ることができる。
【0112】(d)給紙動作時に給紙ローラ20が回転
して最上位の用紙P1が送られ、この用紙P1の先端P
1aが給紙ローラ20の円弧部20aと分離パッド50
との当接部Tを通過しようとする際(図9参照)、仮
に、アイドルローラ60が分離パッド50に当接してい
るとすると、このアイドルローラ60が、通過しようと
する用紙に対して抵抗となる。
【0113】これに対し、この実施の形態のプリンタに
よれば、給送されるべき用紙P1の先端P1aが分離パ
ッドとアイドルローラとの間を通過しようとする際にア
イドルローラ60を分離パッド50から離間させる退避
機構が設けられているので、通過しようとする用紙P1
に対してアイドルローラ60が抵抗になるということが
ない。
【0114】また、退避機構は、前記用紙P1の先端P
1aが分離パッド50とアイドルローラ60との間を通
過した後、給紙ローラの円弧部20aと分離パッド50
との用紙P1を介した当接が解除される前に、アイドル
ローラ60を分離パッド50に当接させるから(図11
参照)、給紙ローラの円弧部20aと分離パッド50と
の用紙P1を介した当接が解除された後に、最上位の用
紙P1とともに次位の用紙P2が送られてしまうという
こともない(図12参照)。
【0115】(e)アイドルローラの退避機構が、給紙
ローラ軸22に設けられ、この軸22とともに回転する
カム23によって作動する構成となっているので、構造
の簡素化を図ることができる。例えば、ソレノイド等に
よって作動させるような構成にした場合に比べて簡単な
構造とすることができる。
【0116】以上、本発明の一実施の形態について説明
したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可
能である。
【0117】
【発明の効果】請求項1記載のプリンタによれば、用紙
の斜行防止を円滑に行なうことができる。
【0118】さらに、請求項2記載のプリンタによれ
ば、プリンタ全体の設置面積の低減を図ることができ
る。
【0119】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの一実施の形態の要部を
示す側面図。
【図2】同じく概略的な部分省略平面図。
【図3】図1の部分拡大図で一部を透視した部分省略側
面図。
【図4】図3におけるIV−IV断面図。
【図5】部分省略平面図。
【図6】図3とは異なる箇所を省略した側面図。
【図7】作動説明図。
【図8】作動説明図。
【図9】作動説明図。
【図10】作動説明図。
【図11】作動説明図。
【図12】作動説明図。
【図13】従来技術の説明図。
【図14】従来技術の説明図。
【図15】従来技術の説明図。
【図16】従来技術の説明図。
【符号の説明】
P 用紙 P1 最上位の用紙 P2 次位の用紙 2,3 搬送ローラ対 20 給紙ローラ 20a 円弧部 20b 直線部 23 カム 30 ホッパ 31 給紙トレイ 40 サブフレーム 41 ピン 50 分離パッド 56 パッドバネ 60 アイドルローラ 61 アイドルローラホルダ 65 ローラバネ 66 カムフォロア

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の用紙を積層状態で保持する給紙
    トレイと、 円弧部と直線部とを有し、給紙動作時に1回転して前記
    円弧部が前記給紙トレイ上に積層された複数枚の用紙の
    うち最上位の用紙と接触することによって当該用紙を送
    る側面視略D形の給紙ローラと、 この給紙ローラの円弧部の回転軌道中に位置し、パッド
    付勢手段により給紙ローラに向けて付勢されていて前記
    円弧部との間で用紙を挟圧することにより、給紙ローラ
    により送られるべき前記用紙を次位の用紙から分離する
    分離パッドと、 前記パッド付勢手段による付勢力よりも小さな付勢力を
    発生させるローラ付勢手段によって前記分離パッドに向
    けて付勢され、分離パッドと当接するアイドルローラ
    と、 前記分離パッドが給紙ローラの円弧部との間で用紙を挟
    圧しないときに、給紙ローラに向かう分離パッドの移動
    を規制する、前記アイドルローラとは別のパッド規制手
    段と、 前記給紙ローラにより給送された用紙を搬送する搬送ロ
    ーラ対とを備え、 前記用紙の先端が搬送ローラ対のニップ部を通過した後
    であって、前記分離パッドが給紙ローラの円弧部との間
    で用紙を挟圧していないときに、一旦搬送ローラ対を逆
    転させて用紙の先端を前記ニップ部に沿わせて揃えるこ
    とを特徴とするプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記給送トレイは傾斜していて、用紙を
    傾斜させた状態で保持する給紙トレイであり、前記給紙
    ローラは少なくとも一対設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載のプリンタ。
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