JP3590877B2 - Atmセルの遅延変動発生回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はATMセルの遅延変動発生回路に関するものであり、より具体的には入力セルの所望の出力タイミングで出力するATMセルの遅延変動発生回路についてのものである。
【0002】
【従来の技術】
ATM(Asynchronous Transfer Mode)では、音声、画像、データの全てを53バイトの固定長のセルにして転送する。セルのヘッダ部分には宛先を示すアドレスがつけられ、これがそのままATM網内で多重・分離・交換処理される。このためATM網ではマルチメディアを単一に扱うことができる。
【0003】
図4はこのような従来技術によるATMセルの遅延時間付加回路の構成を示したブロック図である。図4に示すように、従来技術ではシフトレジスタを用いてセルの遅延出力を行っていた。すなわち、遅延対象のセル41は、シフトレジスタ6の段数分だけ遅延して、セル42を出力する。
【0004】
図5はこのような図4に示した従来技術の動作を示すタイムチャートである。すなわち、図5(ア)は遅延対象入力セル41の時系列表示したものである。また、図5(イ)は入力セル41からシフトレジスタ6の段数を、例えば3セル分として、遅延付加されて出力したセル42を時系列表示したものである。
【0005】
図5(ア)に示すように、例えば一定時間Tにて遅延対象セル41が到着した時、シフトレジスタ6に入力される。対象セル41はシフトレジスタ6に入力後、次の対象セル41がシフトレジスタ6に入力されるたびに1段づつシフトされ、3つのセルが入力されたときシフトレジスタ6から遅延セル42として逐次出力される。
【0006】
たとえば、図5(イ)に示すセル1は、シフトレジスタ6に入力後、セル4が入力されたときに出力される。したがって、このとき付加された遅延時間は、遅延付加セルの平均セル到着時間Tとすれば、平均3T時間遅延ということになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなATMセルの遅延変動発生回路が適用されるATM網では、多重化装置やスイッチングを通る際における待ち合わせによってセル間隔が変動し、セル遅延変動が生じるためATM端末装置ではこの遅延変動の吸収が要求される。
【0008】
しかし、図4に示した従来技術では、付加される遅延量は対象セル42に対して一定のシフトレジスタ6の分しか遅延発生することができない。したがって、間隔が一定のCBR(固定速度)のセルの場合には、遅延量も一定となりゆらぎをもたせることができず、ATM網におけるセルの遅延変動による端末装置の影響を評価することができないという欠点があった。この発明は、入力したセルを所望の遅延変動を持たせて出力することが可能なATMセルの遅延変動発生回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、この発明は、入力した遅延対象入力セルを格納し、読み出し信号により入力したセルを出力セルとして順次出力する遅延バッファと、この遅延バッファに前記遅延対象入力セルを書き込むための書き込み信号と、前記出力セルとして読み出すための読み出し信号を出力するリード・ライト制御回路と、このリード・ライト制御回路より出力された前記書き込み信号によりカウントアップし、前記読み出し信号によりカウントダウンを行う遅延量監視カウンタと、遅延量がそれぞれ設定され、前記遅延量監視カウンタでカウントされた値がこの設定値に達したことを検出すると、検出信号を出力する複数の比較回路と、この比較回路に対応してそれぞれ設定された遅延量の開始と終了を示す区間をそれぞれ出力する複数の区間カウンタとを有し、前記リードライト制御回路は、前記複数の比較回路からの検出信号と前記複数の比較回路にそれぞれ対応して設定される前記複数の区間カウンタからの遅延量開始及び終了区間を順次切り替え、前記遅延バッファから出力される前記出力セルの読み出しタイミングを制御する。
【0010】
また、前記複数の比較回路は、前記遅延量監視カウンタでカウントされた値が設定された設定値に達して検出信号を出力すると、他の比較回路に切り替わり、順次これを繰り返す。
【0011】
さらに、前記比較回路が切り替わるとき、出力セルは、切り替え前の比較回路に設定された遅延量と切り替え後の比較回路に設定された遅延量の間に読み出される。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、この発明によるATMセルの遅延変動発生回路の実施の形態を詳細に説明する。図1の1は遅延バッファ、2は遅延量監視カウンタ、3A,3Bは遅延設定1、遅延設定2がそれぞれ設定される比較回路、4は遅延バッファのリード・ライト制御回路、5A,5Bは遅延区間カウンタである。
【0013】
遅延付加対象となる遅延対象セル11をリード・ライト制御回路4の書き込み信号12aで遅延バッファ1に書き込み、同時にこの書き込み信号12aで遅延量監視カウンタ2をカウントアップさせる。これを比較回路3Aに設定された遅延量を検出するまで続ける。比較回路3Aがこの設定値を検出した時点で信号13が真になり、リード・ライト制御回路4はこの遅延量を保持するために入力セルがあるたびに遅延バッファを先頭から読み出す。この読み出し信号12bによって遅延量カウンタ2はカウントダウンして遅延量とカウンタ値を一致させる。
【0014】
区間カウンタ5Aは、遅延量1の区間の終了を信号14でリードライト制御回路4に知らせる。区間カウンタ5Aで指示される遅延量区間1(図2参照)の終了を受けたリードライト制御回路4は、区間カウンタ5Bで指示される次の遅延設定値2に移行するため、遅延バッファ1から入力セル速度によらず遅延バッファを読み出し、出力セル16として出力する。
【0015】
読み出すたびに遅延量監視カウンタ2はカウントダウンし、比較回路3Bに設定された遅延量が検出されるまで続ける。比較回路3Bがこの設定値を検出した時点で信号13が真になり、リード・ライト制御回路4はこの遅延量を保持するために入力セルがあるたびに遅延バッファを先頭から読み出す状態に遷移し、設定値2の遅延量の保持状態となる。このタイミングで区間カウンタ5Bを有効にして終了まで待つ。
【0016】
遅延量がこのように2値の場合には区間カウンタ5Bが終了した時点でまた区間1の制御を繰り返す。この場合の遅延の変動は設定値1と設定値2の差分による変動となる。
【0017】
リードライト制御回路4は、遅延設定1、2の大小、各区間の終了信号、遅延量比較の結果信号、入力セルのタイミングにより書き込み信号12aと読み出し信号信号12bを出力する。
【0018】
次に、図1を図2のタイムチャートにより説明する。図2は、本実施の形態の一例として、到着間隔が一定値Tである対象セルに対して、遅延量設定値1が3セル、遅延量設定値2が1セルの遅延変動付加の動作を示すタイムチャートである。すなわち、ここでは遅延設定1により比較回路3Aには“3”が、また遅延設定2により比較回路3Bには“1”がそれぞれ設定される。
【0019】
図2(ア)は入力セル11の到着時間の分布、図2(イ)は3T時間、1T時間の遅延を付加された出力セルタイミングである。図2(ウ)、(エ)は区間カウンタ5A,5Bのタイミングである。図2(オ)は遅延量監視カウンタ2のカウント値である。そのカウント値に対し、図2の(カ),(キ)は遅延量の比較結果を出力したものである。
【0020】
図2(ア)は遅延変動が付加された後、図2(イ)のように対象セルを出力する。説明を簡単にするため、ここでは対象セル11の到着間隔は一定T時間であるとする。
【0021】
遅延量監視カウンタ2は書き込み信号12aが遅延バッファ1に出力され、入力セル11が遅延バッファ1に入力されるたびにカウンタの計数値が増加する。したがって入力セル1、2、3が遅延バッファ1に格納されると、遅延量監視カウンタ2の値は“3”となる。これにより、図2(オ)のカウント値が遅延設定1と一致すると、図2(カ)のように比較回路3Aの結果13が真となる。
【0022】
これにより、リード・ライト制御回路4は読み出し信号12bを遅延バッファ1に出力し、この時点から遅延バッファ1の出力は図2(イ)のように入力から3T時間遅延して出力される。この3T時間遅延した状態が図2(ウ)のように区間1の終了まで推移する。なお、この間、読み出し信号12bにより出力セル16が出力されるたびに遅延量監視カウンタ2にはカウントダウンの信号が出力されるが、これと同じタイミングで書き込み信号12aにより入力セル11が遅延バッファ1に入力されるので、遅延量監視カウンタ2にはこの時点では“3”がカウントされた状態で維持される。
【0023】
図2(ウ)の区間1が終了すると、次に遅延設定2の状態に移行する。このとき、リードライト制御回路4は遅延設定2が遅延設定1より小さいのを検出して、入力セル間隔T時間より速い時間(この場合T/2時間)で遅延バッファの読み出しを開始し、遅延量を減少させる状態遷移を開始する。この処理により、入力セル8を入力する間に出力セル5、6、7を出力するため、遅延監視カウンタ2は図2(オ)のように遅延量3・2・1とカウントを下げていく。すなわち、出力セルは、切り替え前の比較回路に設定された遅延量と切り替え後の比較回路に設定された遅延量の間に読み出される。遅延監視カウンタ2のカウント値が1になった時点で比較検出回路3Bの出力13が図2(キ)のように真となり、再びリードライト制御回路4に通知される。
【0024】
この時点からリードライト制御回路4は遅延量減少のための読み出しを停止して、入力セルの書き込みのたびに読み出しを行う状態に遷移する。これにより、図2(イ)に示すように1T時間遅延した状態で、図2(エ)の区間2が終了するまで推移する。このように、遅延設定値が2値の場合には区間2が終了すると区間1を再び開始し、上記処理を繰り返す。
【0025】
図3は発明による2値の遅延変動を時系列表示したものであり、縦軸に遅延量を横軸に時間を示しており、遅延設定1の遅延量が3T時間の状態で図2(ア)の入力セル1〜4が出力され、遅延設定2の遅延量が1Tの状態で図2(ア)の入力セル8〜11が出力され、遅延設定1から遅延設定2へ状態が遷移する間に、図2(ア)の入力セル5〜7が出力され、以下、遅延設定1と遅延設定2が繰り返し行われている。
【0026】
なお、本実施の形態では遅延設定値が3セルと1セルの2値の遅延量制御の場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、区間カウンタ5と比較回路3を増やすことにより3値以上の遅延量制御を同様に行うことが可能である。
【0027】
【発明の効果】
このように発明のATMセルの遅延変動発生回路によれば、入力したセルを所望の遅延変動を持たせて出力することが可能となる。このため、ATM網におけるセルの遅延変動による端末装置の影響を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるATMセルの遅延変動発生回路の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示したATMセルの遅延変動発生回路の動作例を示すタイムチャートである。
【図3】図2に示した動作例を時系列表示したグラフである。
【図4】図4は従来技術におけるATMセルの遅延変動発生回路のブロック図である。
【図5】図4に示した従来技術における動作例のタイムチャートである。
【図6】図5に示した動作例を時系列表示したグラフである。
【符号の説明】
1 遅延バッファ
2 遅延量監視カウンタ
3A・3B 比較回路
4 リード・ライト制御回路
5A・5B 区間カウンタ
Claims (3)
- 入力した遅延対象入力セルを格納し、読み出し信号により入力したセルを出力セルとして順次出力する遅延バッファと、
この遅延バッファに前記遅延対象入力セルを書き込むための書き込み信号と、前記出力セルとして読み出すための読み出し信号を出力するリード・ライト制御回路と、
このリード・ライト制御回路より出力された前記書き込み信号によりカウントアップし、前記読み出し信号によりカウントダウンを行う遅延量監視カウンタと、
遅延量がそれぞれ設定され、前記遅延量監視カウンタでカウントされた値がこの設定値に達したことを検出すると、検出信号を出力する複数の比較回路と、
この比較回路に対応してそれぞれ設定された遅延量の開始と終了を示す区間をそれぞれ出力する複数の区間カウンタとを有し、
前記リードライト制御回路は、前記複数の比較回路からの検出信号と前記複数の比較回路にそれぞれ対応して設定される前記複数の区間カウンタからの遅延量開始及び終了区間を順次切り替え、
前記遅延バッファから出力される前記出力セルの読み出しタイミングを制御する、
ことを特徴とするATMセルの遅延変動発生回路。 - 前記複数の比較回路は、前記遅延量監視カウンタでカウントされた値が設定された設定値に達して検出信号を出力すると、他の比較回路に切り替わり、順次これを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のATMセルの遅延変動発生回路。
- 前記比較回路が切り替わるとき、出力セルは、切り替え前の比較回路に設定された遅延量と切り替え後の比較回路に設定された遅延量の間に読み出される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のATMセルの遅延変動発生回路。
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JP33116195A JP3590877B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | Atmセルの遅延変動発生回路 |
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JPH09149049A JPH09149049A (ja) | 1997-06-06 |
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JP33116195A Expired - Fee Related JP3590877B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | Atmセルの遅延変動発生回路 |
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1995
- 1995-11-27 JP JP33116195A patent/JP3590877B2/ja not_active Expired - Fee Related
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