JP3589012B2 - 静止誘導電器 - Google Patents

静止誘導電器 Download PDF

Info

Publication number
JP3589012B2
JP3589012B2 JP08079498A JP8079498A JP3589012B2 JP 3589012 B2 JP3589012 B2 JP 3589012B2 JP 08079498 A JP08079498 A JP 08079498A JP 8079498 A JP8079498 A JP 8079498A JP 3589012 B2 JP3589012 B2 JP 3589012B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
winding
core
horizontal portion
iron core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP08079498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11283848A (ja
Inventor
良夫 浜館
達 斉藤
巌 梅根
吉広 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP08079498A priority Critical patent/JP3589012B2/ja
Publication of JPH11283848A publication Critical patent/JPH11283848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3589012B2 publication Critical patent/JP3589012B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Regulation Of General Use Transformers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静止誘導電器に係り、特に、変圧器,リアクトル等における鉄心締付部に磁気シールド装置を備えているものに好適な静止誘導電器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、静止誘導電器の一つである変圧器は益々大容量化される傾向にあり、それに伴い巻線からの漏れ磁束も増大している。そのため、漏れ磁束の増大が原因となる変圧器構造物の漂遊損の増加や温度上昇が製品性能,耐用性等の観点から問題になっている。
【0003】
中でも積層された鉄心を締め付けている鉄心締付金具は、巻線に近接した配置となることから、その漂遊損の増加や温度上昇は著しい。一般には、これらを防止するために、鉄心締付金具の一部に磁気シールドを施すようにしている。
【0004】
この鉄心締付金具の一部に磁気シールドを施し、鉄心締付金具の漂遊損の増加や温度上昇を防止する構造として特開平7ー99126号公報を挙げることができる。この公知例には、上下鉄心締付金具の巻線と対向している側と反巻線側に磁気シールド部材を上下鉄心締付金具の長手方向に伸ばし、かつ、両端を電気的に短絡して配置することにより、巻線からの漏れ磁束を上記磁気シールド部材で阻止して上下鉄心締付金具へ侵入することを防ぎ、鉄心締付金具の漂遊損の増加や温度上昇を防止することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術では、磁気シールド部材により上下鉄心締付金具への侵入が阻止された巻線からの漏れ磁束が、タンク底板やタンクカバー等に侵入するために、この部分での漂遊損の増加や温度上昇を誘発するという問題がある。
【0006】
即ち、上記従来技術は、上下鉄心締付金具の巻線と対向している側と反巻線側に磁気シールド部材を上下鉄心締付金具の長手方向に伸ばして両端を電気的に短絡して配置し、この磁気シールド部材で巻線からの漏れ磁束が上下鉄心締付金具へ侵入するのを阻止しているが、上下鉄心締付金具への侵入が阻止された巻線からの漏れ磁束が、鉄心脚部の上下に配置され、鉄心締付金具により締め付けられている上下継鉄部の長手方向端部の空間部からタンク底板やタンクカバー等に侵入してしまい、漂遊損を増加させると共に局部過熱による温度上昇を誘発してしまうのである。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、鉄心締付金具は勿論のこと、タンク底板,タンクカバー等の漂遊損を低減すると共に、局部過熱に伴う温度上昇を防止した信頼性の高い静止誘導電器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、巻線が巻回された鉄心脚部及び該鉄心脚部の両端を磁気的に結ぶ継鉄部からなる積層鉄心の側面に配置され、該積層鉄心を締め付ける鉄心締付金具の前記巻線と対向している側に配置された磁気シールド部材を、電気的に短絡されて前記継鉄部を包囲するように配置した静止誘導電器、また、上記構成に加え、タンク側板の内側に電気的に短絡して変圧器本体を包囲するように第2の磁気シールド部材を設けた静止誘導電器としたことを特徴とする。
【0009】
上記磁気シールド部材は、鉄心締付金具に比べて電気抵抗率が小さい材質で形成されることが好ましい。
【0010】
更に、本発明は上記目的を達成するために、巻線が巻回された鉄心脚部及び該鉄心脚部の両端を磁気的に結ぶ上下継鉄部からなる積層鉄心の側面に配置され、該積層鉄心を締め付ける鉄心締付金具を備えた変圧器本体をタンク内に収納すると共に、該タンク内を前記変圧器本体を包囲するように配置された容器で区分し、該容器内にパーフルオロカーボン液が、該容器と前記タンクとの間にガスが収納されてなる際に、前記容器が、前記上下継鉄部を包むように配置され、かつ、前記巻線と対向する側がタンク側板側に延びる水平部を有する上下支持金具と、該上下支持金具の水平部の先端側に接続され、かつ、前記巻線を包むように配置された絶縁筒容器とから形成されると共に、前記上下支持金具の水平部の前記巻線と対向する側に、電気的に短絡されて前記上下継鉄部を包囲するように磁気シールド部材が配置されている静止誘導電器、また、上記構成に加え、タンク側板の内側に電気的に短絡して変圧器本体を包囲するように第2の磁気シールド部材を設けた静止誘導電器、更には上記構成に加え、前記上下鉄心締付金具の前記巻線と対向している側に、電気的に短絡されて前記上下継鉄部を包囲するように別の磁気シールド部材を設け静止誘導電器としたことを特徴とする。
【0011】
上記した本発明の静止誘導電器によれば、巻線からの漏れ磁束が上下継鉄部を包む上下鉄心締付金具やタンク底板,タンクカバー等に侵入しようとしても、上下鉄心締付金具の巻線と対向する側に配置された磁気シールド部材に流れるうず電流で発生する逆方向磁束により巻線からの漏れ磁束が反発され、しかも、この磁気シールド部材が、電気的に短絡されて前記上下継鉄部を包囲するように配置されているため、鉄心締付金具により締め付けられている上下継鉄部の長手方向端部の空間部から漏れ磁束がタンク底板やタンクカバー等に侵入することはなく、上下鉄心締付金具やタンク底板,タンクカバー等に侵入する磁束を阻止することができ、上下鉄心締付金具やタンク底板,タンクカバー等の漂遊損を低減すると共に、局部過熱に伴う温度上昇が防止され信頼性の高い静止誘導電器が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の静止誘導電器を詳細に説明する。尚、本発明は静止誘導電器であれば如何なるものにも採用可能であるが、ここでは静止誘導電器の一つである変圧器の場合について説明していく。
【0013】
図1にはその変圧器の要部が、図2には全体構成が、図3には平面から見た構成がそれぞれ示されている。
【0014】
該図に示すごとく、鉄心脚部3には内側巻線1及び外側巻線2が巻回され、鉄心脚部3の上下端部には、この上下端部と結合している上部継鉄部4及び下部継鉄部5が設けられ、上部継鉄部4及び下部継鉄部5の側面には、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7が取付けられている。そして、これらで変圧器本体を構成し、この変圧器本体がタンク底板8a,タンク側板8b、及びタンクカバー8cで構成されたタンク8の中に冷却媒体と共に収納されている。上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7は、上部継鉄部4及び下部継鉄部5の側面に沿って配置される鋼材(磁性体及び非磁性体)で形成され、これらを締め付ける立上り部6b及び7bと、上部継鉄部4及び下部継鉄部5の側面から直角方向に延び内側巻線1及び外側巻線2と対向している水平部6a,6c、及び7a,7cとで構成され、この立上り部6b及び7bと水平部6a,6c、及び7a,7cが組み合わされ概略逆コ字型に構成されている。また、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の内側巻線1及び外側巻線2と対向する側の水平部6a,7aには、磁気シールド部材9,10が設けられており、この磁気シールド部材9、及び10は、電気的に短絡されて図1に示すように上部継鉄部4及び下部継鉄部5を包囲して(図1には上部継鉄部4部分のみを示す)配置されている。尚、磁気シールド部材9,10の材質としては、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7、或いはタンク8等に使用される鋼板に比べて電気抵抗率の小さい、例えば銅或いはアルミニウム等が有効である。
【0015】
このような本実施例の構成によれば、図2に矢印で示されるように、内側巻線1及び外側巻線2からの漏れ磁束Φが、上部継鉄部4及び下部継鉄部5を締め付けている上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7へ侵入しようとしても、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a及び7aには磁気シールド部材9,10が、電気的に短絡されて上部継鉄部4及び下部継鉄部5を包囲して配置されているため、この磁気シールド部材9,10には全周にわたって侵入磁束を打ち消す方向にうず電流が流れ、このうず電流によって全周に生ずる逆方向磁束(図示せず)により漏れ磁束Φが反発され、しかも、上部継鉄部4及び下部継鉄部5が磁気シールド部材9,10により包囲されていることから、上部継鉄部4及び下部継鉄部5の長手方向端部には空間部が生じないために、漏れ磁束Φは磁気シールド部材9と10の間に閉じ込められるようになるので、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7やタンク底板8a,タンクカバー8cへの漏れ磁束Φの侵入を阻止することが可能となるために漂遊損の増加や局部過熱に伴う温度上昇が防止できる。また、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a,7aのみに磁気シールド部材9,10を配置しているために、従来に比べて磁気シールド部材9,10の取付け範囲を少なくできる効果もある。
【0016】
図4及び図5に本発明の第2の実施例を示す。該図に示す実施例は、その構成は上述した実施例とほぼ同一であるが、外側巻線2と対向するタンク側板8bの内側の全周にも、電気的に短絡されしかも変圧器本体を包囲するように磁気シールド部材20を配置した構成が上述した実施例と異なる。
【0017】
このような本実施例の構成とすることにより、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7への漏れ磁束Φの侵入に対する抑制効果は、上述した実施例と同様であるが、本実施例の構成では、内側巻線1及び外側巻線2からの漏れ磁束Φが矢印で示すごとく、タンク側板8bへ侵入しようとしてもタンク側板8bの内側に配置された磁気シールド部材20には、これらの侵入しようとする磁束を打ち消す方向に大量のうず電流が流れ、このうず電流によって生ずる逆方向磁束により漏れ磁束Φを反発するため、タンク底板8a,タンク側板8b,タンクカバー8cへの漏れ磁束Φの侵入を阻止することが可能となるために漂遊損の増加や局部過熱に伴う局部過熱も防止できる。従って、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a,7aに配置された磁気シールド部材9,10による効果と併せて漏れ磁束Φの侵入阻止効果があるので、より信頼性の高い変圧器を得ることができる。また、タンク側板8bの内側に配置される磁気シールド部材
20の取付け範囲は、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の立上り部
6b,7bの中間付近までで十分であり、従来、タンク底板8a,タンクカバー8c等に設けられていた磁気シールド部材が不要になる効果もある。
【0018】
図6に本発明の第3の実施例を示す。該図に示す実施例は、上記した第2の実施例を改良したものであり、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の内側巻線1及び外側巻線2と対向する面の水平部6a及び7aには、第2の実施例と同様に磁気シールド部材9及び10が設けられているが、この磁気シールド部材9及び10が設けられている上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a及び7aをタンク側板8bに延ばし、反巻線側の水平部6c,7cよりも長くして、タンク側板8bの内側に配置された磁気シールド部材20との距離を狭くした構成となっている。
【0019】
このような本実施例の構成とすることにより、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a及び7aに設けられた磁気シールド部材9,10とタンク側板8bに設けられた磁気シールド部材20との距離を狭くしているために、内側巻線1及び外側巻線2からの漏れ磁束Φが、矢印で示す如く、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7やタンク底板8a,タンク側板8b,タンクカバー8cへ漏れようとしても、漏れ磁束Φを磁気シールド部材9,10,20で包囲するような構造となっているために、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7やタンク底板8a,タンク側板8b,タンクカバー8cへ侵入することはなくなり、より効果的に漏れ磁束Φを阻止することが可能となる。
【0020】
つまり、内側巻線1及び外側巻線2からの漏れ磁束Φが、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7やタンク底板8a,タンクカバー8cに侵入しようとしても、水平部6a,7aに設けられた磁気シールド部材9,10には、これらの侵入磁束を打ち消す方向にうず電流が流れ、このうず電流によって生ずる逆方向磁束により漏れ磁束Φを反発して漏れ磁束Φの侵入を阻止することが可能となる。また、タンク側板8bに内側巻線1及び外側巻線2からの漏れ磁束Φが侵入しようとしても、タンク側板8bの内側に設けられた磁気シールド部材20に生ずるうず電流で発生する逆方向磁束により、漏れ磁束Φを反発して漏れ磁束Φの侵入を阻止することが可能となる。しかも、磁気シールド部材9及び10と20の距離を狭くしているために両者の効果が重畳されて、さらに信頼性の高い変圧器を得ることができるようになる。
【0021】
図7に本発明の第4の実施例を示す。該図に示す実施例は、上記した第2の実施例を改良したものであり、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の内側巻線1及び外側巻線2と対向する面の水平部6a及び7aには、第2の実施例と同様に磁気シールド部材9及び10が設けられているが、本実施例では、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の内側巻線1及び外側巻線2と対向する側の水平部6a,7aと対向するタンク側板8bの一部に、このタンク側板8bと直交するように水平部11,12を設けると共に、該タンク側板8bの水平部
11,12の内側巻線1及び外側巻線2と対向側にも磁気シールド部材21を配置し、しかも、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a及び
7aに設けられた磁気シールド部材9,10とタンク側板8bの水平部11,
12に設けられた磁気シールド部材21とを同一高さにした構成となっている。このような本実施例の構成とすることにより、内側巻線1及び外側巻線2からの漏れ磁束Φが上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7やタンク底板8a,タンク側板8b,タンクカバー8cへ漏れようとしても、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a,7aに設けられた磁気シールド部材9,
10とタンク側板8b及びこの水平部11,12の内側に設けられた磁気シールド部材20,21には、これらの侵入磁束を打ち消す方向にうず電流が流れ、このうず電流によって生ずる逆方向磁束により漏れ磁束Φを反発して漏れ磁束Φの侵入を阻止することが可能となる。しかも、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a,7aに設けられた磁気シールド部材9,10とタンク側板8bの水平部11,12の内側に設けられた磁気シールド部材21の取付け位置をほぼ同一高さにしているため、タンク側板8bの内側に設けられる磁気シールド部材20の取付け範囲を少なくできるメリットもある。
【0022】
図8及び図9は本発明の第5の実施例を示す。該図に示す実施例は、内側巻線1及び外側巻線2が鉄心脚部3に巻回され、鉄心脚部3の上下端部と結合している上部継鉄部4及び下部継鉄部5の側面に上部鉄心締付金具6と下部鉄心締付金具7が取付けられて構成される変圧器本体を冷却する冷却媒体として、不燃性のパーフルオロカーボン液とガスとを用いた場合の例である。つまり、タンク8内を、変圧器本体を包囲するように配置された容器22で区分し、この容器22内にパーフルオロカーボン液が収納されると共に、容器22とタンク8との間にガスが収納されている変圧器である。
【0023】
そして、本実施例では上記容器22が、上部継鉄部4及び下部継鉄部5を包むように配置され、かつ、内側巻線1及び外側巻線2と対向する側がタンク側板
8b側に延びる水平部30a,35aを有する上部支持金具30及び下部支持金具35と、この上部支持金具30及び下部支持金具35の水平部30a,35aのタンク側板8b側先端部に接続され、内側巻線1及び外側巻線2を包むように配置された筒状の絶縁筒容器22aとから形成されており、この絶縁筒容器22aを共通板(図示せず)を介して上部支持金具30及び下部支持金具35に連結すると共に、上部支持金具30及び下部支持金具35の内側巻線1及び外側巻線2と対向する面の水平部30a,35aの内側に、磁気シールド部材23,24が電気的に短絡されて上部継鉄部4及び下部継鉄部5を包むように配置された構成となっている。
【0024】
このような本実施例の構成とすることにより、内側巻線1及び外側巻線2からの漏れ磁束Φが、矢印で示すごとく、上部継鉄部4及び下部継鉄部5を包む上部支持金具30及び下部支持金具35に侵入しようとしても、その上部支持金具
30及び下部支持金具35の水平部30a,35aの内側に配置された磁気シールド部材23,24には、これらの侵入磁束を打ち消す方向にうず電流が流れ、このうず電流によって生ずる逆方向磁束により漏れ磁束Φを反発し、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具下部7やタンク底板8a,タンクカバー8cへの漏れ磁束Φの侵入が阻止されるため、漂遊損の増加や局部過熱に伴う温度上昇が防止できる。
【0025】
図10は本発明の第6の実施例を示す。該図に示す実施例は、上述した第5の実施例に加え、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の内側巻線1及び外側巻線2と対向する面の水平部6a,7aの内側に、磁気シールド部材9,10を、電気的に短絡されて、しかも、上部継鉄部4及び下部継鉄部5を包囲するように配置したものである。
【0026】
このような本実施例の構成とすることにより、内側巻線1及び外側巻線2からの漏れ磁束Φが、矢印で示すごとく、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7や上部支持金具30及び下部支持金具35,タンク底板8a,タンク側板8b,タンクカバー8cへ侵入しようとしても、内側巻線1及び外側巻線2と対向する面の上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7の水平部6a,7aや上部支持金具30及び下部支持金具35の水平部30a,35aの内側に配置された磁気シールド部材9,10,23、及び24には、これらの侵入磁束を打ち消す方向にうず電流が流れ、このうず電流によって生ずる逆方向磁束により漏れ磁束Φを反発し、上部鉄心締付金具6及び下部鉄心締付金具7やタンク8への漏れ磁束Φの侵入が阻止されるため、漂遊損の増加や局部過熱に伴う温度上昇等を防止することが可能となり、より信頼性の高い変圧器を得ることができる。
【0027】
尚、上述した各実施例は、単相センタコア変圧器の場合について説明したが、単相3脚変圧器,単相5脚変圧器の場合でも同様な効果が期待できる。また、変圧器タンク8の形状を角形にした場合を例に説明したが、円形および楕円形タンク等の圧力容器においても同様な効果が期待できる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した本発明の静止誘導電器によれば、巻線が巻回された鉄心脚部及び該鉄心脚部の両端を磁気的に結ぶ継鉄部からなる積層鉄心の側面に配置され、該積層鉄心を締め付ける鉄心締付金具の前記巻線と対向している側に配置された磁気シールド部材を、電気的に短絡されて前記継鉄部を包囲するように配置した静止誘導電器、また、上記構成に加え、タンク側板の内側に電気的に短絡して変圧器本体を包囲するように第2の磁気シールド部材を設けた静止誘導電器としたものであるから、
巻線からの漏れ磁束が上下継鉄部を包む上下鉄心締付金具やタンク底板,タンクカバー等に侵入しようとしても、上下鉄心締付金具の巻線と対向する側に配置された磁気シールド部材に流れるうず電流で発生する逆方向磁束により巻線からの漏れ磁束が反発され、しかも、この磁気シールド部材が、電気的に短絡されて前記上下継鉄部を包囲するように配置されているため、鉄心締付金具により締め付けられている上下継鉄部の長手方向端部の空間部から漏れ磁束がタンク底板やタンクカバー等に侵入することはなく、上下鉄心締付金具やタンク底板,タンクカバー等に侵入する磁束を阻止することができ、上下鉄心締付金具やタンク底板,タンクカバー等の漂遊損を低減すると共に、局部過熱に伴う温度上昇が防止され信頼性の高い静止誘導電器が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静止誘導電器の一実施例である変圧器の上部を示す部分斜視図である。
【図2】図1に示した変圧器の縦断面図である。
【図3】図1に示した変圧器の平面図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す変圧器の縦断面図である。
【図5】図4に示した変圧器の平面図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す変圧器の縦断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例を示す変圧器の縦断面図である。
【図8】本発明の第5の実施例を示す変圧器の縦断面図である。
【図9】図8に示した変圧器の平面図である。
【図10】本発明の第6の実施例を示す変圧器の縦断面図である。
【符号の説明】
1…内側巻線、2…外側巻線、3…鉄心脚部、4…上部継鉄部、5…下部継鉄部、6…上部鉄心締付金具、6a,6c…上部鉄心締付金具の水平部、6b…上部鉄心締付金具の立上り部、7…下部鉄心締付金具、7a,7c…下部鉄心締付金具の水平部、7b…下部鉄心締付金具の立上り部、8…タンク、8a…タンク底板、8b…タンク側板、8c…タンクカバー、9,10,20,21,23,24…磁気シールド部材、11,12…タンク側板の水平部、22…容器、22a…絶縁筒容器、30…上部支持金具、30a…上部支持金具の水平部、35…下部支持金具、35a…下部支持金具の水平部。

Claims (4)

  1. 巻線と、該巻線が巻回された鉄心脚部及び該鉄心脚部の両端を磁気的に結ぶ上下継鉄部からなる積層鉄心と、該積層鉄心の上下継鉄部を締め付ける立上がり部及び前記巻線と対向する側と反巻線側に位置する水平部から形成される上下鉄心締付金具と、該上下鉄心締付金具の前記巻線と対向する側の水平部に配置された磁気シールド部材とを備えた変圧器本体をタンク内に収納してなる静止誘導電器において、
    前記磁気シールド部材は、前記鉄心締付金具に比べて電気抵抗率が小さい材質で形成されると共に、電気的に短絡されて前記継鉄部を包囲するように配置され、かつ、前記タンク側板の内側に、電気的に短絡して前記変圧器本体を包囲するように第2の磁気シールド部材を設け、更に、前記上下鉄心締付金具の水平部と対向する前記タンク側板の一部に該タンク側板と直交するように水平部を設けると共に、該タンク側板水平部の巻線側にも前記第2の磁気シールド部材を配置し、かつ、前記上下鉄心締付金具の水平部に設けられた磁気シールド部材と前記タンク側板の水平部に設けられた第2の磁気シールド部材とを同一高さにしたことを特徴とする静止誘導電器。
  2. 巻線と、該巻線が巻回された鉄心脚部及び該鉄心脚部の両端を磁気的に結ぶ上下継鉄部からなる積層鉄心と、該積層鉄心の側面に配置され、該積層鉄心を締め付ける鉄心締付金具とを備えた変圧器本体をタンク内に収納すると共に、該タンク内を前記変圧器本体を包囲するように配置された容器で区分し、該容器内にパーフルオロカーボン液が、該容器と前記タンクとの間にガスが収納されてなる静止誘導電器において、
    前記容器は、前記上下継鉄部を包むように配置され、かつ、前記巻線と対向する側がタンク側板側に延びる水平部を有する上下支持金具と、該上下支持金具の水平部の先端側に接続され、かつ、前記巻線を包むように配置された絶縁筒容器とから形成されると共に、前記上下支持金具の水平部の前記巻線と対向する側に、電気的に短絡されて前記上下継鉄部を包囲するように磁気シールド部材が配置されていることを特徴とする静止誘導電器。
  3. 巻線と、該巻線が巻回された鉄心脚部及び該鉄心脚部の両端を磁気的に結ぶ上下継鉄部からなる積層鉄心と、該積層鉄心の側面に配置され、該積層鉄心を締め付ける鉄心締付金具とを備えた変圧器本体をタンク内に収納すると共に、該タンク内を前記変圧器本体を包囲するように配置された容器で区分し、該容器内にパーフルオロカーボン液が、該容器と前記タンクとの間にガスが収納されてなる静止誘導電器において、
    前記容器は、前記上下継鉄部を包むように配置され、かつ、前記巻線と対向する側がタンク側板側に延びる水平部を有する上下支持金具と、該上下支持金具の水平部の先端側に接続され、かつ、前記巻線を包むように配置された絶縁筒容器とから形成されると共に、前記上下支持金具の水平部の前記巻線と対向する側に、電気的に短絡されて前記上下継鉄部を包囲するように磁気シールド部材が配置され、一方、前記タンク側板の内側には、電気的に短絡されて前記変圧器本体を包囲するように第2の磁気シールド部材が設けられていることを特徴とする静止誘導電器。
  4. 巻線と、該巻線が巻回された鉄心脚部及び該鉄心脚部の両端を磁気的に結ぶ上下継鉄部からなる積層鉄心と、該積層鉄心の側面に配置され、該積層鉄心の上下継鉄部を締め付ける上下鉄心締付金具とを備えた変圧器本体をタンク内に収納すると共に、該タンク内を前記変圧器本体を包囲するように配置された容器で区分し、該容器内にパーフルオロカーボン液が、該容器と前記タンクとの間にガスが収納されてなる静止誘導電器において、
    前記容器は、前記上下継鉄部を包むように配置され、かつ、前記巻線と対向する側がタンク側板側に延びる水平部を有する上下支持金具と、該上下支持金具の水平部の先端側に接続され、かつ、前記巻線を包むように配置された絶縁筒容器とから形成されると共に、前記上下支持金具の水平部の前記巻線と対向する側に、電気的に短絡されて前記上下継鉄部を包囲するように磁気シールド部材が配置され、一方、前記上下鉄心締付金具の前記巻線と対向している側に、電気的に短絡されて前記上下継鉄部を包囲するように別の磁気シールド部材を設け、更に前記タンク側板の内側には、電気的に短絡されて前記変圧器本体を包囲するように第2の磁気シールド部材が設けられていることを特徴とする静止誘導電器。
JP08079498A 1998-03-27 1998-03-27 静止誘導電器 Expired - Lifetime JP3589012B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08079498A JP3589012B2 (ja) 1998-03-27 1998-03-27 静止誘導電器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08079498A JP3589012B2 (ja) 1998-03-27 1998-03-27 静止誘導電器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11283848A JPH11283848A (ja) 1999-10-15
JP3589012B2 true JP3589012B2 (ja) 2004-11-17

Family

ID=13728375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08079498A Expired - Lifetime JP3589012B2 (ja) 1998-03-27 1998-03-27 静止誘導電器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3589012B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109524221A (zh) * 2018-12-21 2019-03-26 济南西门子变压器有限公司 变压器

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010171313A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Japan Ae Power Systems Corp 静止誘導電器
EP2400513A1 (en) 2010-06-28 2011-12-28 ABB Research Ltd. Magnetic shielding for transformers
CN101944423B (zh) * 2010-09-14 2011-11-09 保定天威集团有限公司 一种变压器铁心绑扎方法
EP3255644B1 (en) * 2016-06-10 2021-06-02 ABB Power Grids Switzerland AG Cooling arrangement
KR102460560B1 (ko) * 2021-09-28 2022-10-27 한국전기연구원 전계 평탄화 실드를 이용한 고압 절연 고주파 변압기

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109524221A (zh) * 2018-12-21 2019-03-26 济南西门子变压器有限公司 变压器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11283848A (ja) 1999-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170278606A1 (en) Magnetic circuit component
JP3589012B2 (ja) 静止誘導電器
TWI595517B (zh) Static induction electrical appliances
US6946946B2 (en) Toroidal inductive devices and methods of making the same
JP2008182053A (ja) 静止誘導電器
JPS6320009B2 (ja)
JP3646595B2 (ja) 静止誘導電器
JP2009076534A (ja) 静止誘導電器
JP2010171313A (ja) 静止誘導電器
JP2008177325A (ja) 静止誘導電器
JP3713172B2 (ja) 静止誘導電器
JP2008041929A (ja) 静止誘導電器
JP2000058332A (ja) 静止誘導電器
JP2018107224A (ja) 静止誘導電器
JP3161398B2 (ja) コンバータトランス
JPH11340057A (ja) 静止誘導電気機器
JP3638998B2 (ja) 静止誘導電器
JP2009088084A (ja) 静止誘導電器
JPH07335454A (ja) 静止誘導電器
JPH0799126A (ja) 静止誘導電器
JP2001035733A (ja) 静止誘導電器の磁気遮蔽装置
JPS5972712A (ja) 鉄心締付金具用磁気シ−ルド板
JP2009272522A (ja) 三相変圧器
JPH0423294Y2 (ja)
JPH11265829A (ja) 静止誘導電器の磁気遮蔽装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040107

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040727

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040809

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070827

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110827

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120827

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term