JP3588960B2 - 連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法に係わり、特に完全連続式タンデム圧延機を用いた板材の圧延において、走間での板厚変更を精度よく行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロール組み替え時以外は圧延機を停止することなく圧延を継続する完全連続式のタンデム圧延機においては、板材の板厚を連続的に変更するため、先行材と後行材の接続点である溶接点等の板厚変更点を判断基準にして、圧延モデルにより計算した後行材の圧下位置およびロール速度に制御する走間板厚変更制御を行っているのが一般的であった(たとえば、「板圧延の理論と実際」p.131 参照)。
【0003】
しかし、ミル入側の板厚には前工程(熱間仕上圧延であれば熱間粗圧延、冷間圧延であれば熱間仕上圧延)での圧延において生じた板厚偏差が残っており、特に板材の先端部および尾端部においては前工程の非定常圧延部であることから板厚偏差が非常に大きく、従来の板厚制御技術では十分な板厚精度が得られないのが現状であった。
【0004】
この問題への対策として、ミルの入側に板厚計を設け、この板厚計にて測定された入側板厚をセットアップ計算の入力値とする方法が提案されている(たとえば、特開昭60−227913号公報参照)。しかし、セットアップ計算を板厚変更介しまでに終えるためには入側板厚計をミルから十分離す必要があり、その結果、定常部の圧延において用いられる、入側板厚測定に基づくフィードフォワード制御の精度が悪くなるという欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この点に関して、本発明者らは既に特願平8−3270号によってその改良技術を出願している。その内容は、ミル入側に設置した板厚計を用いて板厚偏差を読み取り、これとあらかじめ計算しておいた板厚偏差に対する圧延荷重の影響係数を基に、板厚偏差における圧延荷重変動量を計算し、ミルの第1スタンドにおいて圧下位置変更量を補正することによって入側板厚偏差の影響を軽減しようとするものである。
【0006】
しかしながら、上記した特願平8−3270号の技術は、ミル入側で検出した板厚偏差を第1スタンドですべて補正して取り除こうとするものであるが、板厚偏差の大きい場合には第1スタンドでの制御量が大きくなり、スタンド間の張力バランスを悪化させるなどの問題があるため、第1スタンドでの制御量を抑える必要があった。
【0007】
本発明は、上記したような従来技術の有する課題を解決すべく、ミル入側直近の板厚計で入側板厚偏差を検出し、この偏差を用いて複数のスタンドの走間板厚変更量を補正することで板厚制御精度を向上させることの可能な連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数台のスタンドをタンデムに配列した連続式タンデム圧延機を用い、走間での板厚変更を行いつつ連続的な圧延を実施するに際し、板材の板厚変更点がタンデム圧延機の入側に配置した板厚計に到達するよりも前に、タンデム圧延機の各スタンドにおける第1の圧下位置変更量と入側板厚偏差に対する圧延荷重の影響係数を計算する一方、前記板厚計を用いて検出した第1スタンドの入側板材の板厚偏差と前記影響係数を基に圧延荷重の変動量を算出して、複数のスタンドにおける圧延荷重の変動量を補償する第2の圧下位置変更量を求め、被圧延材の板厚変更点が各スタンドを通過する際に各スタンドの圧下位置変更量を補正することを特徴とする連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法である。
【0009】
なお、本発明での前記第2の圧下位置変更量は板厚偏差の補正ゲインで補正されるのがよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。図1は本発明の実施に用いる連続式タンデム圧延機の構成を示す概要図であり、図2はその走間板厚変更の手順を説明する流れ図である。
図1において、被圧延材(板材)である先行材1aと後行材1bは溶接点P点で接合されて、矢示F方向すなわち紙面に対して左から右に向かって移動して、第1スタンド2a、第2スタンド2b、・・・第nスタンド(最終スタンド)2nを経て圧延されるものとする。
【0011】
図中における3はミル入側に設置される板厚計、4は圧下位置演算器、5はプロセスコンピュータなどの演算制御装置、6a,6b,・・・6nは各スタンドの圧下制御装置、7a,7b,・・・7nは各スタンドの圧下装置、8a,8b,・・・8nは各スタンドの駆動モータである。
つぎに、このように構成された連続式タンデム圧延機(以下、単に圧延機という)で本発明法を実施する場合の板厚制御の手順を図2に基づいて説明する。いまP点で接合された先行材1aと後行材1bが矢示F方向に移動し、溶接点Pにおいて板厚を先行材1aに対するスケジュール(以下、スケジュールS1という)から後行材1bに対するスケジュール(以下、スケジュールS2という)に変更するものとする。
▲1▼圧延荷重の計算;
溶接点Pが板厚計3に到達するよりも前の段階で、演算制御装置5で以下の計算を実施する。まず、スケジュールS1における先行材1aの各スタンドの圧延荷重PS1i を下記(1) 式で計算する。ここで、添字S1は先行材1aを表す。また、iはスタンドNo. で1〜nである。
【0012】
【数1】
【0013】
つぎに、溶接点Pが第iスタンドを通過し、第iスタンドと第i+1スタンドとの間にあるトランジェント時(添字Tで表示)の後行材1bの各スタンドの圧延荷重PTiを下記(2) 式で計算する。
【0014】
【数2】
【0015】
そして、第3番目に溶接点Pが第i+1スタンドを通過したときのスケジュールS2における後行材1bの各スタンドの圧延荷重PS2i を下記(3) 式で計算する。ここで、添字S2は後行材1bを表す。
【0016】
【数3】
【0017】
▲2▼第1の圧下位置変更量の計算;
これらの圧延荷重から各スタンドの第1の圧下位置変更量ΔSTi,ΔSS2i を下記(4) ,(5) 式で計算する。
ΔSTi=(hS2i −hS1i )−(PTi−PS1i )/Mi ……………(4)
ΔSS2i =(PS2i −PTi)/Mi ……………(5)
ここで、Mi ;第iスタンドのミル剛性である。
▲3▼影響係数の計算;
これらの計算はミル入側の板厚に偏差がない場合のものである。そこで、板厚計3の実測値を用いる場合の圧延荷重PS1i ’およびPTi’は、スケジュールS1およびスケジュールS2においてそれぞれ、設定値に相当する入側板厚偏差があったものと仮定して、下記(6) ,(7) 式によって計算する。
【0018】
【数4】
【0019】
これらにより、各スタンドの入側板厚偏差が存在する場合の各スタンドの圧延荷重への影響係数を下記(8) ,(9) で計算する。
【0020】
【数5】
【0021】
▲4▼第2の圧下位置変更量の計算;
入側板厚変動による圧延荷重の影響の計算;計算された影響係数は圧下位置演算器4に送られ、次いで溶接点Pがミル入側の板厚計3の地点を通過し、第1スタンド2aに到達する前に圧下位置演算器4にて以下の計算がなされる。すなわち、溶接点Pの前後における板厚の設置入側板厚に対する先行材1aの板厚偏差dHS11 および後行材1bの板厚偏差dHS21 は板厚計3で実測される。これらの板厚偏差の補正ゲインαS11 ,αS21 分を下記(10)式を用いて第1スタンド2aでまず補正する。
【0022】
【数6】
【0023】
この圧延荷重変動を補償するため、次に第1スタンド2aの第2の圧下位置変更量ΔST1’を下記(11)式で計算する。
ΔST1’=−ΔPT1/M1 ……………(11)
一方、第1スタンド2a入側の板厚を修正できなかった量は第1スタンド2a出側で下記(12), (13)式のようになる。
【0024】
【数7】
【0025】
これらの板厚偏差は第2スタンド2bにおいて(10)〜(13)式を用いて圧下位置変更量の補正値を計算する際の入側板厚偏差として用いる。第3スタンド以降においても同様に入側板厚偏差として前スタンドの出側板厚偏差を用いる。
▲5▼第1の圧下位置変更量と第2の圧下位置変更量の和の計算;
演算制御装置5からの出力である第1の圧下位置変更量と上記(11)式で計算された第2の圧下位置変更量との和ΔST10 を下記(14)式で計算する。
【0026】
ΔST10 =ΔST1+ΔST1’ ………………(14)
▲6▼圧下位置変更量の圧下制御装置への出力;
溶接点Pが第1スタンド通過直後に、圧下位置演算器4から第1スタンド2aの圧下制御装置6aに圧下位置変更量ΔST10 を出力し、第1スタンド2aの圧下位置を変更する。
▲7▼スケジュールS2の出力;
溶接点Pが第2スタンド2b通過直後に演算制御装置5からスケジュールS2での第1の圧下位置変更量ΔSS21 を出力し、第1スタンド2aの圧下位置がスケジュールS2の圧下位置に変更される。
▲8▼以下、同様の処理を各スタンド2b,・・・2nで行う。
【0027】
これによって、走間の板厚変更量を補正することができる。
【0028】
【実施例】
前出図1に示したような構成とされる4Hi式のミルを5スタンド配置した連続式タンデム冷間圧延機を用いて、下記の条件のもとに本発明法に従う板厚制御を行いつつ、圧延を実施し得られた出側板厚について調査した。なお、圧延機の入側および出側に板厚計として、γ線厚さ計をそれぞれ設置して板厚偏差を測定した。
【0029】
その結果を図3に示した。この図に示すように、入側板厚偏差が溶接点前後で存在した場合、板厚偏差の大きな場合においても最終スタンドの出側において板厚精度が向上することが確認された。これは、従来法では圧延機入側板厚偏差が大きな場合に補正しきれずに出側板厚偏差として残っていたものが、本発明法によれば圧延機入側の板厚偏差をすべて補正することが可能となったので、製品歩留りが著しく改善された。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、板厚変更点がミルの直近に設けた板厚計よりも前に存在するときに求めた影響係数と、板厚変更点が板厚計を通過したときに検出した入側板厚偏差とに基づいて第1スタンドおよび後段のスタンドにおいて圧下位置を補正するようにしたので、板厚精度が改善され、歩留りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる連続式タンデム圧延機の構成を示す概要図である。
【図2】本発明法の板厚制御の手順を説明する流れ図である。
【図3】本発明法を適用したときの板厚変動を示す特性図である。
【符号の説明】
1a 先行材
1b 後行材
2a 第1スタンド
2b 第2スタンド
2n 第nスタンド(最終スタンド)
3 板厚計
4 圧下位置演算器
5 演算制御装置
6a,6b,・・・6n 圧下制御装置
7a,7b,・・・7n 圧下装置
8a,8b,・・・8n 駆動モータ
P 溶接点
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法に係わり、特に完全連続式タンデム圧延機を用いた板材の圧延において、走間での板厚変更を精度よく行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロール組み替え時以外は圧延機を停止することなく圧延を継続する完全連続式のタンデム圧延機においては、板材の板厚を連続的に変更するため、先行材と後行材の接続点である溶接点等の板厚変更点を判断基準にして、圧延モデルにより計算した後行材の圧下位置およびロール速度に制御する走間板厚変更制御を行っているのが一般的であった(たとえば、「板圧延の理論と実際」p.131 参照)。
【0003】
しかし、ミル入側の板厚には前工程(熱間仕上圧延であれば熱間粗圧延、冷間圧延であれば熱間仕上圧延)での圧延において生じた板厚偏差が残っており、特に板材の先端部および尾端部においては前工程の非定常圧延部であることから板厚偏差が非常に大きく、従来の板厚制御技術では十分な板厚精度が得られないのが現状であった。
【0004】
この問題への対策として、ミルの入側に板厚計を設け、この板厚計にて測定された入側板厚をセットアップ計算の入力値とする方法が提案されている(たとえば、特開昭60−227913号公報参照)。しかし、セットアップ計算を板厚変更介しまでに終えるためには入側板厚計をミルから十分離す必要があり、その結果、定常部の圧延において用いられる、入側板厚測定に基づくフィードフォワード制御の精度が悪くなるという欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この点に関して、本発明者らは既に特願平8−3270号によってその改良技術を出願している。その内容は、ミル入側に設置した板厚計を用いて板厚偏差を読み取り、これとあらかじめ計算しておいた板厚偏差に対する圧延荷重の影響係数を基に、板厚偏差における圧延荷重変動量を計算し、ミルの第1スタンドにおいて圧下位置変更量を補正することによって入側板厚偏差の影響を軽減しようとするものである。
【0006】
しかしながら、上記した特願平8−3270号の技術は、ミル入側で検出した板厚偏差を第1スタンドですべて補正して取り除こうとするものであるが、板厚偏差の大きい場合には第1スタンドでの制御量が大きくなり、スタンド間の張力バランスを悪化させるなどの問題があるため、第1スタンドでの制御量を抑える必要があった。
【0007】
本発明は、上記したような従来技術の有する課題を解決すべく、ミル入側直近の板厚計で入側板厚偏差を検出し、この偏差を用いて複数のスタンドの走間板厚変更量を補正することで板厚制御精度を向上させることの可能な連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数台のスタンドをタンデムに配列した連続式タンデム圧延機を用い、走間での板厚変更を行いつつ連続的な圧延を実施するに際し、板材の板厚変更点がタンデム圧延機の入側に配置した板厚計に到達するよりも前に、タンデム圧延機の各スタンドにおける第1の圧下位置変更量と入側板厚偏差に対する圧延荷重の影響係数を計算する一方、前記板厚計を用いて検出した第1スタンドの入側板材の板厚偏差と前記影響係数を基に圧延荷重の変動量を算出して、複数のスタンドにおける圧延荷重の変動量を補償する第2の圧下位置変更量を求め、被圧延材の板厚変更点が各スタンドを通過する際に各スタンドの圧下位置変更量を補正することを特徴とする連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法である。
【0009】
なお、本発明での前記第2の圧下位置変更量は板厚偏差の補正ゲインで補正されるのがよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。図1は本発明の実施に用いる連続式タンデム圧延機の構成を示す概要図であり、図2はその走間板厚変更の手順を説明する流れ図である。
図1において、被圧延材(板材)である先行材1aと後行材1bは溶接点P点で接合されて、矢示F方向すなわち紙面に対して左から右に向かって移動して、第1スタンド2a、第2スタンド2b、・・・第nスタンド(最終スタンド)2nを経て圧延されるものとする。
【0011】
図中における3はミル入側に設置される板厚計、4は圧下位置演算器、5はプロセスコンピュータなどの演算制御装置、6a,6b,・・・6nは各スタンドの圧下制御装置、7a,7b,・・・7nは各スタンドの圧下装置、8a,8b,・・・8nは各スタンドの駆動モータである。
つぎに、このように構成された連続式タンデム圧延機(以下、単に圧延機という)で本発明法を実施する場合の板厚制御の手順を図2に基づいて説明する。いまP点で接合された先行材1aと後行材1bが矢示F方向に移動し、溶接点Pにおいて板厚を先行材1aに対するスケジュール(以下、スケジュールS1という)から後行材1bに対するスケジュール(以下、スケジュールS2という)に変更するものとする。
▲1▼圧延荷重の計算;
溶接点Pが板厚計3に到達するよりも前の段階で、演算制御装置5で以下の計算を実施する。まず、スケジュールS1における先行材1aの各スタンドの圧延荷重PS1i を下記(1) 式で計算する。ここで、添字S1は先行材1aを表す。また、iはスタンドNo. で1〜nである。
【0012】
【数1】
【0013】
つぎに、溶接点Pが第iスタンドを通過し、第iスタンドと第i+1スタンドとの間にあるトランジェント時(添字Tで表示)の後行材1bの各スタンドの圧延荷重PTiを下記(2) 式で計算する。
【0014】
【数2】
【0015】
そして、第3番目に溶接点Pが第i+1スタンドを通過したときのスケジュールS2における後行材1bの各スタンドの圧延荷重PS2i を下記(3) 式で計算する。ここで、添字S2は後行材1bを表す。
【0016】
【数3】
【0017】
▲2▼第1の圧下位置変更量の計算;
これらの圧延荷重から各スタンドの第1の圧下位置変更量ΔSTi,ΔSS2i を下記(4) ,(5) 式で計算する。
ΔSTi=(hS2i −hS1i )−(PTi−PS1i )/Mi ……………(4)
ΔSS2i =(PS2i −PTi)/Mi ……………(5)
ここで、Mi ;第iスタンドのミル剛性である。
▲3▼影響係数の計算;
これらの計算はミル入側の板厚に偏差がない場合のものである。そこで、板厚計3の実測値を用いる場合の圧延荷重PS1i ’およびPTi’は、スケジュールS1およびスケジュールS2においてそれぞれ、設定値に相当する入側板厚偏差があったものと仮定して、下記(6) ,(7) 式によって計算する。
【0018】
【数4】
【0019】
これらにより、各スタンドの入側板厚偏差が存在する場合の各スタンドの圧延荷重への影響係数を下記(8) ,(9) で計算する。
【0020】
【数5】
【0021】
▲4▼第2の圧下位置変更量の計算;
入側板厚変動による圧延荷重の影響の計算;計算された影響係数は圧下位置演算器4に送られ、次いで溶接点Pがミル入側の板厚計3の地点を通過し、第1スタンド2aに到達する前に圧下位置演算器4にて以下の計算がなされる。すなわち、溶接点Pの前後における板厚の設置入側板厚に対する先行材1aの板厚偏差dHS11 および後行材1bの板厚偏差dHS21 は板厚計3で実測される。これらの板厚偏差の補正ゲインαS11 ,αS21 分を下記(10)式を用いて第1スタンド2aでまず補正する。
【0022】
【数6】
【0023】
この圧延荷重変動を補償するため、次に第1スタンド2aの第2の圧下位置変更量ΔST1’を下記(11)式で計算する。
ΔST1’=−ΔPT1/M1 ……………(11)
一方、第1スタンド2a入側の板厚を修正できなかった量は第1スタンド2a出側で下記(12), (13)式のようになる。
【0024】
【数7】
【0025】
これらの板厚偏差は第2スタンド2bにおいて(10)〜(13)式を用いて圧下位置変更量の補正値を計算する際の入側板厚偏差として用いる。第3スタンド以降においても同様に入側板厚偏差として前スタンドの出側板厚偏差を用いる。
▲5▼第1の圧下位置変更量と第2の圧下位置変更量の和の計算;
演算制御装置5からの出力である第1の圧下位置変更量と上記(11)式で計算された第2の圧下位置変更量との和ΔST10 を下記(14)式で計算する。
【0026】
ΔST10 =ΔST1+ΔST1’ ………………(14)
▲6▼圧下位置変更量の圧下制御装置への出力;
溶接点Pが第1スタンド通過直後に、圧下位置演算器4から第1スタンド2aの圧下制御装置6aに圧下位置変更量ΔST10 を出力し、第1スタンド2aの圧下位置を変更する。
▲7▼スケジュールS2の出力;
溶接点Pが第2スタンド2b通過直後に演算制御装置5からスケジュールS2での第1の圧下位置変更量ΔSS21 を出力し、第1スタンド2aの圧下位置がスケジュールS2の圧下位置に変更される。
▲8▼以下、同様の処理を各スタンド2b,・・・2nで行う。
【0027】
これによって、走間の板厚変更量を補正することができる。
【0028】
【実施例】
前出図1に示したような構成とされる4Hi式のミルを5スタンド配置した連続式タンデム冷間圧延機を用いて、下記の条件のもとに本発明法に従う板厚制御を行いつつ、圧延を実施し得られた出側板厚について調査した。なお、圧延機の入側および出側に板厚計として、γ線厚さ計をそれぞれ設置して板厚偏差を測定した。
【0029】
その結果を図3に示した。この図に示すように、入側板厚偏差が溶接点前後で存在した場合、板厚偏差の大きな場合においても最終スタンドの出側において板厚精度が向上することが確認された。これは、従来法では圧延機入側板厚偏差が大きな場合に補正しきれずに出側板厚偏差として残っていたものが、本発明法によれば圧延機入側の板厚偏差をすべて補正することが可能となったので、製品歩留りが著しく改善された。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、板厚変更点がミルの直近に設けた板厚計よりも前に存在するときに求めた影響係数と、板厚変更点が板厚計を通過したときに検出した入側板厚偏差とに基づいて第1スタンドおよび後段のスタンドにおいて圧下位置を補正するようにしたので、板厚精度が改善され、歩留りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる連続式タンデム圧延機の構成を示す概要図である。
【図2】本発明法の板厚制御の手順を説明する流れ図である。
【図3】本発明法を適用したときの板厚変動を示す特性図である。
【符号の説明】
1a 先行材
1b 後行材
2a 第1スタンド
2b 第2スタンド
2n 第nスタンド(最終スタンド)
3 板厚計
4 圧下位置演算器
5 演算制御装置
6a,6b,・・・6n 圧下制御装置
7a,7b,・・・7n 圧下装置
8a,8b,・・・8n 駆動モータ
P 溶接点
Claims (2)
- 複数台のスタンドをタンデムに配列した連続式タンデム圧延機を用い、走間での板厚変更を行いつつ連続的な圧延を実施するに際し、
板材の板厚変更点がタンデム圧延機の入側に配置した板厚計に到達するよりも前に、タンデム圧延機の各スタンドにおける第1の圧下位置変更量と入側板厚偏差に対する圧延荷重の影響係数を計算する一方、前記板厚計を用いて検出した第1スタンドの入側板材の板厚偏差と前記影響係数を基に圧延荷重の変動量を算出して、複数のスタンドにおける圧延荷重の変動量を補償する第2の圧下位置変更量を求め、被圧延材の板厚変更点が各スタンドを通過する際に各スタンドの圧下位置変更量を補正することを特徴とする連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法。 - 前記第2の圧下位置変更量は板厚偏差の補正ゲインで補正されることを特徴とする請求項1記載の連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法。
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JP05938497A JP3588960B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法 |
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JP05938497A JP3588960B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10249424A JPH10249424A (ja) | 1998-09-22 |
JP3588960B2 true JP3588960B2 (ja) | 2004-11-17 |
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ID=13111742
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JP05938497A Expired - Fee Related JP3588960B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 連続式タンデム圧延機における板材の走間板厚変更方法 |
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JP (1) | JP3588960B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN103785692B (zh) * | 2012-10-31 | 2016-01-27 | 宝山钢铁股份有限公司 | 热连轧机组生产长度方向不同目标厚度带钢的方法 |
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1997
- 1997-03-13 JP JP05938497A patent/JP3588960B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH10249424A (ja) | 1998-09-22 |
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