JP3587638B2 - 繰出機構及びそれを有する棒状材繰出容器 - Google Patents

繰出機構及びそれを有する棒状材繰出容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰出機構及びそれを有する棒状材繰出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
棒状化粧材繰出容器を例にとって従来技術を説明する。棒状化粧材繰出容器においては、一般的に螺旋係合部式の繰出機構が用いられている。ところで、従来の繰出機構は、外面螺旋係合部及び同期係合部を有する押棒と、この外面螺旋係合部と螺合する内面螺旋係合部を有する内面螺旋係合部筒と、この内面螺旋係合部筒と回動自在に連結されており押棒の同期係合部と係合する回り止めを有する同期係合筒と、を最低の構成要素として有し、内面螺旋係合部筒と同期係合筒とを相対的に回動させることによって押棒を繰り出し・引き込みする。なお、本明細書中では、外面螺旋係合部には、オネジや外面螺旋係合部状の突起及び外面溝を含むものとし、内面螺旋係合部にはメネジや内面螺旋係合部状の突起及び内面凸条を含むものとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の繰出機構とは発想の全く異なる新たな繰出機構を提供することを目的とする。また、そのような繰出機構を備えた様々な特性を有する棒状材繰出容器を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の基本態様の繰出機構は、 第1の外面螺旋係合部及び第2の外面螺旋係合部を有する押棒と、 第1の外面螺旋係合部と螺合する第1の内面螺旋係合部部を有する第1の筒体と、 第2の外面螺旋係合部と螺合する第2の内面螺旋係合部部を有し、第1の筒体に回動自在に連結された第2の筒体と、 を備え、 第1の筒体と第2の筒体とを相対的に回動させることにより押棒を繰り出すことを特徴とする。
【0005】
この繰出機構の動作について説明する。
まず諸元を以下とする。
第1の螺旋係合部のリード(単位角度当り、以下同):L 、第2の螺旋係合部のリード:L
押棒の回転角θ 、第1の筒体の回転角θ 、第2の筒体の回転角θ
このとき、押棒の長さが変化せず、かつ第1の筒体と第2の筒体とが軸方向に距離が変らないとすれば、第1の筒体中における押棒の繰り出し寸法と第2の筒体中における押棒の繰り出し寸法は同一であるので以下となる。
(θ −θ )×L =(θ −θ )×L ………(1)
これより、θ は次のように表わされる。
θ =(L θ −L θ )/(L −L )………(2)
したがって押棒の繰り出し寸法Sは以下となる。
S=(θ −θ )×L =(θ −θ )×L /(L −L )………(3)
この式で見ると、L =L (同方向、同リード螺旋係合部)の場合はS=∞となって繰り出し不能である。
【0006】
(3)式において以下の場合を検討する。
▲1▼ L =∞、すなわち、第1の螺旋係合部が軸方向の直線溝すなわち回り止めの場合:
S=(θ −θ )×L (1−L /L )=(θ −θ )×L ………(4)
押棒の繰り出し量は、両筒の相対回転角に第2の筒体のリードを掛けたものであり、従来の繰出機構である。
【0007】
▲2▼ L =−L 、すなわち、第1の螺旋係合部と第2の螺旋係合部がリードの等しい逆螺旋係合部(左と右)の場合:
S=(θ −θ )×(−L )/(−2L )=(θ −θ )×L /2………(5)
押棒の繰り出し量(速度)は、▲1▼の場合の(4)式と比べて1/2すなわち半分となり、繰り出しリード(スピード)は半分になる。
【0008】
▲3▼ L =L /2、すなわち、第1の螺旋係合部のリードが第2の螺旋係合部のリードの半分の場合:
S=(θ −θ )×(L /2)/(−L /2)=−(θ −θ )×L ………(6)
押棒の繰り出し量(速度)は、▲1▼の場合の(4)式と比べて絶対値は等しいがその方向は反対になる。
【0009】
▲4▼ L =2L 、すなわち、第1の螺旋係合部のリードが第2の螺旋係合部の倍の場合:
S=(θ −θ )×2L /(L )=(θ −θ )×2L ………(7)押棒の繰り出し量(速度)は、▲1▼の場合の(4)式と比べて2倍となり、繰り出しスピードは倍になる。
【0010】
式(3)を変形すると以下となる。
Figure 0003587638
【0011】
これから以下が言える。
(A)L とL の符号が逆(螺旋係合部のねじれ方向が逆)の場合:
(1−L /L )>1となって、▲1▼の場合よりも繰り出し速度は遅くなる。繰り出し速度の遅い、リードの短い螺旋係合部を成形するのは一般に手間がかかるが、この態様では、螺旋係合部のリードは長くても繰り出し速度の遅い繰出機構が得られる。
(B)L とL の符号が同じで|L /L |<1(|L |<|L |)のとき:
(1−L /L )<1となって、▲1▼の場合よりも繰り出し速度は速くなる。
(C)L とL の符号が同じで2>|L /L |>1のとき:
繰り出し方向が、▲1▼の場合の反対になり、繰り出し速度は速くなる。
(D)L とL の符号が同じで|L /L |>2のとき:
繰り出し方向が、▲1▼の場合の反対になり、繰り出し速度は遅くなる。
【0012】
本発明の棒状化粧材繰出容器は、 棒状材を保持するチャックと、このチャックから垂下する押棒と、チャックが進退する先筒スリーブと、この先筒スリーブと回動自在に連結された押棒を内蔵する元筒と、を備える棒状材繰出容器であって; チャック又は押棒の外面には、上下2段に二種類の突起が形成されており、 先筒スリーブには、上の突起(第1の突起)と螺合する第1の内面螺旋係合部が設けられており、 元筒には、下の突起(第2の突起)と螺合する第2の内面螺旋係合部が設けられており、 先筒スリーブと元筒とを相対的に回動させることによりチャックを先筒スリーブ内で進退させ、もって棒状材を先筒スリーブから繰り出し・引き込みすることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつより詳しく説明する。
図1は、本発明の1実施例に係る繰出機構の基本的構成を示す断面図である。この繰出機構1は、第1の筒体3と、押棒5と、第2の筒体7とから構成されている。第1の筒体3は、円筒状のものであり、その貫通している内孔13には、内面螺旋係合部17が設けられている。内孔13内には、押棒5が収められており、内面螺旋係合部17は、押棒5の上部外周に突設されている第1の外面突起15と螺合する。押棒5の先端は、先端開口11から繰り出し・引き込みされる。第1の筒体3の下部は1段外径の細くなっている回動連結部19となっている。この回動連結部19は、第2の筒体7の回動連結部23の内径に嵌合しており、両者には嵌合凹凸21が形成されている。したがって、両筒3、7は互いに回動自在に連結されている。
【0014】
押棒5は、全体として真直丸棒であり、外周の上部に第1の外面突起15が、下部に第2の外面突起27が形成されている。第1の外面突起15は第1の筒体3の内面螺旋係合部17と、第2の外面突起27は第2の筒体の内面螺旋係合部25とそれぞれ螺合している。
【0015】
第2の筒体7は、第1の筒体3とほぼ同じものであるが、回動連結部23が第1の筒体3の回動連結部19の外側にきている点が異なる。この回動連結部における内外関係は、いずれが内でも外でも特に問題はない。第2の筒体7の内孔29の内面螺旋係合部25は、上述のように、押棒5下部の第2の外面突起27と螺合している。
【0016】
図1の繰出機構において、第1の筒体3と第2の筒体7とを相対的に回動させると、押棒5が各筒3、7内で軸方向に繰り出し・引き込みされる。この図の場合、第1の内面螺旋係合部17が右ネジで、第2の内面螺旋係合部25が左ネジで、両者のリードは等しいので、上述の▲2▼の場合であり、第1の筒体3に同期係合縦溝がある場合に比べて、繰り出し方向は同じで、繰り出し速度が半分になる。なお、繰出しの際、押棒は各筒体内を回転しつつ進退する。
【0017】
図2は、本発明の他の1実施例に係る繰出機構の構成を示す断面図である。この繰出機構1は、第1の筒体3と、押棒5と、第2の筒体7とから構成されている。第1の筒体3は、円筒状のものであり、その貫通している内孔13の中段部には、内面突起17が内径方向に突設されている。内孔13内には、押棒5が収められており、内面突起17は押棒5の上部外周に形成されている第1の外面螺旋係合部15と螺合する。押棒5の先端は、先端開口13から繰り出し・引き込みされる。第1の筒体3の下部は1段外径の細くなっている回動連結部19となっている。この回動連結部19は、第2の筒体7の回動連結部23の内径に嵌合しており、両者には嵌合凹凸21が形成されている。したがって、両筒3、7は互いに回動自在に連結されている。
【0018】
押棒5は、全体として真直丸棒であり、外周の上部1/3ほどに第1の外面螺旋係合部15が、下部1/3ほどに第2の外面螺旋係合部27が形成されている。第1の外面螺旋係合部15は第1の筒体3の内面突起17と、第2の外面螺旋係合部27は第2の筒体の内面突起25とそれぞれ螺合している。
【0019】
第2の筒体7は、第1の筒体3とほぼ同じものであるが、回動連結部23が第1の筒体3の回動連結部19の外側にきている点が異なる。第2の筒体7の内孔29の内面突起25は、上述のように、押棒5下部の第2の外面螺旋係合部27と螺合している。
【0020】
図2の繰出機構において、第1の筒体3と第2の筒体7とを相対的に回動させると、押棒5が各筒3、7内で軸方向に繰り出し・引き込みされる。この図の場合、第1の外面螺旋係合部15が右ネジで、第2の外面螺旋係合部27が左ネジで、両者のリードは等しいので、上述の▲2▼の場合であり、第1の筒体3に同期係合縦溝がある場合に比べて、繰り出し方向は同じで、繰り出し速度が半分になる。
図3は上半分が図1の実施例の構造を有し、下半分が図2の実施例の構造を有する組み合わせタイプの繰出機構の構成を示す断面図である。このような、組み合わせをとることもでき、その動作は上述の実施例と同様である。
【0021】
図4は、本発明の他の1実施例(押棒一群の突起型)の繰出機構を示す断面図である。この繰出機構は、 選択により異なる2種類の外面螺旋係合部(第1の外面螺旋係合部・第2の外面螺旋係合部)を構成しうる一群の突起115を外面に有する押棒105と、 第1の外面螺旋係合部と螺合する第1の内面螺旋係合部117を有する第1の筒体103と、 第2の外面螺旋係合部と螺合する第2の内面螺旋係合部125を有し、第1の筒体103に回動自在に連結された第2の筒体107と、 を備え、 第1の筒体103と第2の筒体107とを相対的に回動させることにより押棒105を繰り出す。
【0022】
すなわち、押棒105の外周には、90°振り分けで4列の一群の突起115が軸方向にあるピッチpで配置されている。これらの一群の突起115は、見ようによっては、軸方向に真直ぐ延びるようにも見えるし、一方、右ネジあるいは左ネジ状のスパイラル空間の一部を占めるように螺旋状に配列されているようにも見える。また、その螺旋係合部のリードも、適当に突起115を飛ばせば、最短のリード(=2p)より大きい値を選択可能である。
【0023】
押棒105には、2つの筒(第1の筒体103、第2の筒体107)が嵌合している。第1の筒体103は、その内孔に右ネジの第1の内面螺旋係合部117(リード2p)が切られている。一方、第2の筒体107には、左ネジの第2の内面螺旋係合部125(リード2p)が切られている。そして、両内面螺旋係合部117、125共に押棒外面の一群の突起115と螺合している。また、両筒103、107は、嵌合凹凸121を有する回動連結部119、123において回動自在に連結されている。ここで、第1の筒体を固定して第2の筒体を回す(相対的に回動させる)と、図1と同様に、第1の筒体103に同期係合縦溝が切られている場合の半分の繰り出し速度で押棒105が繰り出し・引き込みされる。
【0024】
図5は、本発明の他の1実施例(内外2重筒型)の繰出機構を示す断面図である。この繰出機構は、口紅の繰り出し容器に応用した場合を想定したものであり、 外面に突起215を有する押棒(チャック207)と、 この突起215と螺合する第1の内面螺旋係合部217を有する第1の筒体(内筒203)と、 この突起215と螺合する第2の内面螺旋係合部225を有し、第1の筒体203に回動自在に連結された第2の筒体205と、 を備え、 第1の筒体203と第2の筒体205とを相対的に回動させることにより押棒(チャック207)を繰り出すことを特徴とする。
つまり、第1の筒体203と第2の筒体205が内外に重なり合っており、内側の筒203の内面螺旋係合部217が該筒203をスリット状に貫通しており、1種類の突起215が第1の内面螺旋係合部217及び第2の内面螺旋係合部225の双方と螺合する。
【0025】
すなわち、短い押棒の役目も果すチャック207の両サイドには、比較的高さの高い外面突起215が当接されている。そして、このチャック207は、嵌合した2重の筒(内筒203と外筒205)の中に収められている。内筒203には、その側壁を貫通する内面螺旋係合部状のスリット217が形成されており、外筒205には、その内孔に内面螺旋係合部225が形成されている。そして、チャック207の突起215は、内面螺旋係合部状スリット217を貫通螺合して、その外側の内面螺旋係合部225とも螺合している。すなわち、外面突起215は、2つの内面螺旋係合部217、225と螺合しているのである。
【0026】
一方、外筒205と内筒203とは、嵌合凹凸221、221′で回動自在に連結されている。内筒203の下端部には、フランジ部241が形成されており、同フランジ部241の外周は外筒205の外周面とほぼ同径まで突出している。
ここで、外筒205とフランジ部241を相対的に回動させると、チャック207を両筒203、205の軸方向に繰り出し・引き込みできる。この場合、内筒203の内面螺旋係合部217のリードL に対して、外筒205の内面螺旋係合部225のリードL がL =−2/3L であるので式(3)から以下となる。
Figure 0003587638
すなわち、内面螺旋係合部(スリット)217が内筒203の軸方向に延びる縦スリットの場合と比較して繰り出し速度が2/5(=40%)となる。
【0027】
図6は、本発明の1実施例に係る棒状化粧材繰出容器を示す側面断面図である。
図6の棒状化粧材繰出容器301は、図の上から下方に向かって、キャップ303、先筒スリーブ305、チャック307、押棒309、内面螺旋係合部筒311、本体筒313の各部、部品からなる。この図の棒状化粧材繰出容器は、 外面に突起(突起335、突起341)を有する押棒(チャック307、押棒309)と、 突起335と螺合する第1の内面螺旋係合部329を有する第1の筒体(先筒スリーブ305)と、 突起341と螺合する第2の内面螺旋係合部339を有し、第1の筒体305に回動自在に連結された第2の筒体(内面螺旋係合部筒311)と、 を備え、 第1の筒体305と第2の筒体311とを相対的に回動させることにより押棒309を繰り出すことを特徴とする。つまり、突起が2つあり、第1の筒体305と螺合する突起335と第2の筒体311と螺合する突起341から構成される。
【0028】
以下、各部を説明する。
キャップ303は、有頂筒状をしており、先筒スリーブ305の外周及び上部を覆う。キャップ303の頂部320の下にはフック321が下方に突設されており、このフック321は、先筒スリーブ305先端内側の内突部323と係合して、キャップ303を先筒スリーブ305に係止する。
【0029】
先筒スリーブ305の内孔327には、2条の第1の内面螺旋係合部329が形成されている。第1の内面螺旋係合部329は、先筒スリーブ305の下端面から始まり、先筒スリーブ305の上端近くで終っている。先筒スリーブ305の中段部には、嵌合凹凸337が形成されており、本体筒313と回動自在に連結されている。この本体筒313には、内面螺旋係合部筒311が一体に(あるいは組立てて)固定されているので、内面螺旋係合部筒311も先筒スリーブ305に回動自在に連結されている。先筒スリーブ305の下半部338は、長く下方に延びて本体筒313の内面に嵌合している。
【0030】
チャック307は有底筒状であり、その内面凹部331に棒状化粧材304の尾部をくわえて保持している。チャック307の外面には左右一対の突起(第1外面突起)335が突設されている。この突起335は、先筒スリーブ305内孔の第1の内面螺旋係合部329と螺合している。チャック307には、下方に延びる押棒309が一体に接続されている。押棒309の下端外面には左右一対の突起(第2外面突起)341が突設されている。この突起341は、内面螺旋係合部筒311の内孔の第2の内面螺旋係合部339と螺合している。
【0031】
内面螺旋係合部筒311は、前述のようにその内孔に第2の内面螺旋係合部339が切られている。第2の内面螺旋係合部339は内面螺旋係合部筒311の上下に抜けている(貫通している)。内面螺旋係合部筒311と本体筒313とは、尾端部343で一体に接続する。本体筒313は、棒状化粧材繰出容器301の下半部外面を覆っている。
【0032】
図6の棒状化粧材繰出容器で、先筒スリーブ305と本体筒313とを相対的に回動させると、第1外面突起335は第1の内面螺旋係合部329に沿って移動し、第2外面突起341は第2の内面螺旋係合部339に沿って移動する。そして、第1の内面螺旋係合部329のリードL は第2の内面螺旋係合部339のリードL に対して、L =−1.5L であるので式(3)から以下となる。なお、繰出しの際押棒は先筒スリーブ内を回転しながら進退する。
S=(θ −θ )×L /(L −L )=(θ −θ )×(−1.5L )/(−2.5L )=3/5×(θ −θ )×L
すなわち、先筒スリーブに同期係合縦溝がある場合に比べて繰り出し速度が3/5(=60%)となる。
なお、この図の棒状化粧材繰出容器では、ストローク限は、上限は突起335と329内面螺旋係合部のエンドが当接して、下限は内面螺旋係合部筒311の上端とチャック307下端段部が当接して定まる。
【0033】
図7は、図6の棒状化粧材繰出容器の変形例(繰り出し速度変化型)の棒状化粧材繰出容器を示す側面断面図である。
なお、図7の符号のうち下2桁が図6の符号と同じ符号は、以下に特記しない限り、図6と同じ部位を表す。(A)は全体の側面断面図であり、(B)は(A)から90°回した方向から見た内面螺旋係合部筒部の側面断面図である。この棒状化粧材繰出容器は、 第1の内面螺旋係合部529又は第2の内面螺旋係合部539の螺旋係合部谷の一端に、筒体の軸方向に延びる縦溝540が形成されており、この内面螺旋係合部539と螺合する外面螺旋係合部が外面突起541であり、この外面突起541は、該縦溝540とも係合する。そして、外面突起541が縦溝540と係合している時は繰り出し速度が速く、外面突起541が内面螺旋係合部529と螺合する時は繰り出し速度が遅い。
【0034】
すなわち、内面螺旋係合部筒511の内孔には、その下半部に縦溝540が、その上半部に第2の内面螺旋係合部539が切られており、両者540、539はスムーズに連続している。なお、第2の内面螺旋係合部539は内面螺旋係合部筒511の上端まで抜けるように切られており、縦溝540は内面螺旋係合部筒511の下端まで抜けるように切られている。
【0035】
縦溝540の下端部には、下方が空間で抜けている横行段部542が連なっている。この横行段部542に沿って突起541が横向きに進む。横行段部542には、小突起であるロック突起544が突設されており、横行する突起541に対して軽い抵抗を与える。そして、押棒509の下降限で押棒の動きをロックし、人為的な回動操作がない限り、自然の振動で押棒509が上に繰り出されないようになっている。
【0036】
図7の棒状化粧材繰出容器で先筒スリーブ505と本体筒513とを相対的に回動させると、まず、押棒509の下端の第2の外面突起541が横行段部542を抜けて縦溝540に入る。そして、突起541は、縦溝540を上昇する。この時は、押棒509と内面螺旋係合部筒511(本体筒513)が同期係合し、先筒505の第1の内面螺旋係合部529のリードと同じ繰り出し速度で繰り出される。
【0037】
次に、押棒509が上昇して突起541が第2の内面螺旋係合部539に入ると、L =−2L /3であるので、繰出速度は以下となる。
S=(θ −θ )×L /(L −L )=(θ −θ )×(−2L /3)÷(5L /3)=−2/5(θ −θ )L
【0038】
一方、L =∞(縦溝540)のときのSは以下である。
S=(θ −θ )×L /(L /L −1)=−(θ −θ )×L
従って、突起541が第2の内面螺旋係合部539に入ると繰り出し速度が40%に減速される。
【0039】
つまり、図7の実施例の棒状化粧材繰出容器501は、押棒509を下から上に繰り出していく際に、始めの半分のストロークは早く、後の半分のストロークは遅く繰り出すことができる。内面螺旋係合部539と縦溝540の上下関係を逆にすると、始めの半分のストロークは遅く後の半分のストロークは早く繰り出すことができ、可変の繰出を部品点数を増やすことなく可能にしたものである。
【0040】
図7の棒状化粧材繰出容器では、キャップ503と本体筒513が、嵌合凹凸532の形成された係止部530、534で係止される。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は以下の効果を発揮する。
▲1▼ 従来の繰出機構とは発想の全く異なる新たな繰出機構を提供することができ、様々な特性を有する繰出容器を提供することができる。
▲2▼ 従来のオネジや同期係合部、メネジ、回転止から構成された繰出機構といった常識を、リード角の違った内面螺旋係合部、外面螺旋係合部の組合せによって、外面螺旋係合部、内面螺旋係合部が同期係合部と回転止をそれぞれ兼ね合うので、同期係合部に回転止をつける必要がなくなった。
▲3▼ 順ネジと逆ネジの組合せにおいては、繰出ピッチは短くなるため、微妙な繰出速度が必要な時でもこれに対応する繰出容器が提供できる。
【0042】
▲4▼ 図7の実施例においては、内面螺旋係合部溝と種類の違った溝穴(縦溝又は逆内面螺旋係合部溝)を組合せることにより、使用目的において変速繰出容器が提供できる。
▲5▼ 図4の実施例において、一群の突起を設けた押棒においては、順螺旋係合部筒と逆螺旋係合部筒の螺合する突起を共有することが可能であり、また、容器の選択において順ネジの螺旋係合部筒同士を組合せることもできるため、細径の繰出容器が使用目的によって提供できる。
▲6▼ 通常繰出ピッチの短い螺旋筒の製作(射出成形)においては、コアピンの回転抜き出しを行わなければならないが、逆螺旋係合部、順螺旋係合部を使用することによりリード角の大きい螺旋係合部でも繰出ピッチを短くすることが可能なため、従来のものよりコアピン回転抜出を使用する必要性が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る繰出機構の基本的構成を示す断面図である。
【図2】本発明の他の1実施例に係る繰出機構の基本的構成を示す断面図である。
【図3】上半分が図1の実施例の構造を有し、下半分が図2の実施例の構造を有する組み合わせタイプの繰出機構の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の他の1実施例(押棒一群の突起型)の繰出機構を示す断面図である。
【図5】本発明の他の1実施例(内外2重筒型)の繰出機構を示す断面図である。
【図6】本発明の1実施例に係る棒状化粧材繰出容器を示す側面断面図である。
【図7】図5の棒状化粧材繰出容器の変形例(繰り出し速度変化型)の棒状化粧材繰出容器を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 繰出機構 3 第1の筒体
5 押棒 7 第2の筒体
11、31 先端開口 13、29 内孔
15、27 外面突起、外面螺旋係合部
17、25 内面螺旋係合部、内面突起
19、23 回動連結部 21 嵌合凹凸
101 繰出機構 103 第1の筒体
105 押棒 107 第2の筒体
115 外面突起 117 第1の内面螺旋係合部(右)
119、123 回動連結部 121 嵌合凹凸
125 第2の内面螺旋係合部(左)
201 繰出機構 203 第1の筒体(内筒)
205 第2の筒体(外筒) 207 押棒(チャック)
215 外面突起 217 内面螺旋係合部状スリット
221 嵌合凹凸 225 内面螺旋係合部
241 下フランジ部
301 棒状化粧材繰出容器 303 キャップ
304 棒状化粧材 305 先筒スリーブ
307 チャック 309 押棒
311 内面螺旋係合部筒 313 本体筒
320 頂部 321 フック
323 内突部 325 先端開口
327 内孔 329 第1の内面螺旋係合部
331 凹部 335 第1外面突起
337 嵌合凹凸 339 第2の内面螺旋係合部
341 第2外面突起343 尾端部
450 鉢巻き部
530、534 係止部 532 嵌合凹凸
540 縦溝 542 横行段部
544 ロック突起

Claims (9)

  1. 外面に第1の突起及び第2の突起を有する押棒と、第1の突起と螺合する第1の内面螺旋係合部を有する第1の筒体と、第2の突起と螺合する第2の内面螺旋係合部を有し、第1の筒体に回動自在に連結された第2の筒体と、を備え、第1の筒体と第2の筒体とを相対的に回動させることにより押棒を繰り出す繰出機構。
  2. 外面に第1の外面螺旋係合部及び第2の外面螺旋係合部を有する押棒と、第1の外面螺旋係合部と螺合する第1の内面突起を有する第1の筒体と、第2の外面螺旋係合部と螺合する第2の内面突起を有し、第1の筒体に回動自在に連結された第2の筒体と、を備え、第1の筒体と第2の筒体とを相対的に回動させることにより押棒を繰り出す繰出機構。
  3. 外面に突起及び外面螺旋係合部を有する押棒と、突起と螺合する内面螺旋係合部を有する第1の筒体と、外面螺旋係合部と螺合する内面突起を有し、第1の筒体に回動自在に連結された第2の筒体と、を備え、第1の筒体と第2の筒体とを相対的に回動させることにより押棒を繰り出す繰出機構。
  4. 第1の外面螺旋係合部及び第2の外面螺旋係合部を有する押棒と、第1の外面螺旋係合部と螺合する第1の内面螺旋係合部を有する第1の筒体と、第2の外面螺旋係合部と螺合する第2の内面螺旋係合部部を有し、第1の筒体に回動自在に連結された第2の筒体と、を備え、第1の筒体と第2の筒体とを相対的に回動させることにより押棒を繰り出す繰出機構。
  5. 外面に突起を有する押棒と、この突起と螺合する第1の内面螺旋係合部を有する第1の筒体と、この突起と螺合する第2の内面螺旋係合部を有し、第1の筒体に回動自在に連結された第2の筒体と、を備え、上記第1の筒体と第2の筒体が内外に重なり合っており、内側の筒の内面螺旋係合部が該筒をスリット状に貫通しており、上記押棒の突起が、第1の内面螺旋係合部及び第2の内面螺旋係合部の双方と螺合し、第1の筒体と第2の筒体とを相対的に回動させることにより押棒を繰り出す繰出機構。
  6. 上記螺旋係合部のリードが途中から変化している請求項1〜5いずれか1項記載の繰出機構。
  7. 上記螺旋係合部の一端に、筒体の軸方向に延びる縦溝又は縦リブが形成されており、この螺旋係合部と螺合する螺旋係合部が該縦溝又は縦リブとも係合する請求項1〜6いずれか1項記載の繰出機構。
  8. 棒状材を保持するチャックと、このチャックから垂下する押棒と、チャックが進退する先筒スリーブと、この先筒スリーブと回動自在に連結された押棒を内蔵する元筒と、を備える棒状材繰出容器であって;チャック又は押棒の外面には、上下2段に二種類の突起が形成されており、先筒スリーブには、上の突起(第1の突起)と螺合する第1の内面螺旋係合部が設けられており、元筒には、下の突起(第2の突起)と螺合する第2の内面螺旋係合部が設けられており、先筒スリーブと元筒とを相対的に回動させることによりチャックを先筒スリーブ内で進退させ、もって棒状材を先筒スリーブから繰り出し・引き込みする棒状材繰出容器。
  9. 上記第1の内面螺旋係合部又は第2の内面螺旋係合部の螺旋係合部谷の一端に、筒体の軸方向に延びる縦溝が形成されており、上記押棒外面の突起は、該縦溝とも係合する請求項記載の棒状材繰出容器。
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