JP3587407B2 - ポジ型レジスト用アルカリ可溶性ノボラック樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジ型レジスト用アルカリ可溶性ノボラック樹脂の新規な製造方法、さらに詳しくは、耐熱性及び解像性に優れ、かつ実質上スカムの発生がなく、特に微細加工を必要とする半導体素子製造分野で好適に用いられるポジ型レジストを調製するためのアルカリ可溶性ノボラック樹脂の新規な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ可溶性ノボラック樹脂とキノンジアジド基含有化合物を含むポジ型レジストは、ネガ型レジストと比較して、高解像性であるため、プリント配線板や半導体素子の製造分野におけるリソグラフィ工程で利用されている。
【0003】
また、特に半導体素子は高集積化が進み、ハーフミクロンからクオーターミクロンのパターン形成が必要となってきており、このような加工寸法の微細化に伴い、形成されたレジストパターン膜を保護膜として、基板をエッチングする工程においてもドライエッチングが主流となり、ポジ型レジストの特性として耐ドライエッチング性、すなわち耐熱性及び解像性の向上が強く要望されている。
【0004】
さらに、微細化に対応するためにはレジストパターン形成の際に、基板上にわずかなレジスト残りも許されないため、スカム(レジスト残り)の発生のないポジ型レジスト組成物が望まれている。
【0005】
このために、従来からポジ型レジスト組成物の改善に関する研究が行われており、これまでポジ型レジスト組成物で使用されるアルカリ可溶性ノボラック樹脂として、例えばノボラック樹脂の良溶媒であるエトキシエタノール、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの存在下、混合クレゾールとホルマリンをシュウ酸を触媒として反応させて製造したポジ型ホトレジスト用ノボラック樹脂(特開昭62−172341号公報)を用いることが提案されている。しかし、このノボラック樹脂を用いて調製したポジ型レジストは、感度が良好であるものの、形成されたレジストパターンの耐熱性が十分でなく、またスカムの発生も確認され、実用に供するにはまだ十分満足しうるものとはいえない。
【0006】
また、プロピレングリコールモノアルキルエーテルやプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートと、n‐ヘキサン、n‐ヘプタン、クロロホルムなどの溶解度パラメータδ([cal/cm3]1/2)が9.2以下の脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、あるいは20以上の水などのアルカリ可溶性樹脂に対して貧溶媒となる溶媒との混合溶媒中において、フェノール類とアルデヒド類を110〜200℃の温度で重縮合させて得られたアルカリ可溶性樹脂を用いることも提案されているが(特開平7−191464号公報)、この方法は反応が進行しにくく、分子量を上げるためには長時間反応させなければならない上、この方法で得られたノボラック樹脂を用いたポジ型レジストは、耐熱性やスカムの抑制点で問題があり、十分に満足しうるものではない。
【0007】
一方、レジストパターンの耐熱性の改善には、ノボラック樹脂を分別処理して低分子量領域を除去したものが有効であるが、ポジ型レジストの調製において分別処理という工程が加わり、安定したポジ型レジストの調製ができないという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のポジ型レジスト用ノボラック樹脂がもつ欠点を克服し、耐熱性及び解像性に優れ、実質上スカムの発生がないポジ型レジストを得るためのアルカリ可溶性ノボラック樹脂を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の改善された性質を有するポジ型レジスト組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、アルカリ可溶性ノボラック樹脂として、特定の溶媒中でフェノール類とアルデヒド類とを反応させ、この反応生成物から低分子量画分を除いた特定の範囲の分子量をもつノボラック樹脂を用いることにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、γ‐ブチロラクトンとプロピレングリコールモノアルキルエーテルとの混合溶媒中、酸性触媒の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させ、次いでこの反応生成物から低分子量画分を除去することを特徴とする重量平均分子量2,000〜15,000をもつポジ型レジスト用アルカリ可溶性ノボラック樹脂の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明方法において、ポジ型レジスト用アルカリ可溶性ノボラック樹脂を製造するには、出発原料としてフェノール類とアルデヒド類が用いられる。このフェノール類としては、例えばフェノール、o‐クレゾール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、o‐エチルフェノール、m‐エチルフェノール、p‐エチルフェノール、o‐ブチルフェノール、m‐ブチルフェノール、p‐ブチルフェノール、2,3‐キシレノール、2,4‐キシレノール、2,5‐キシレノール、2,6‐キシレノール、3,4‐キシレノール、3,5‐キシレノール、p‐フェニルフェノール、2,3,5‐トリメチルフェノール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、2‐メチルレゾルシノール、ピロガロール、α‐ナフトール、2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ジヒドロキシ安息香酸エステル、没食子酸エステルなどがあるが、特にo‐クレゾール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、2,5‐キシレノール、3,5‐キシレノール、2,3,5‐トリメチルフェノールが好ましい。これらのフェノール類は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
もう一方の原料のアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α‐フェニルプロピルアルデヒド、β‐フェニルプロピルアルデヒド、o‐ヒドロキシベンズアルデヒド、m‐ヒドロキシベンズアルデヒド、p‐ヒドロキシベンズアルデヒド、o‐クロロベンズアルデヒド、m‐クロロベンズアルデヒド、p‐クロロベンズアルデヒド、o‐ニトロベンズアルデヒド、m‐ニトロベンズアルデヒド、p‐ニトロベンズアルデヒド、o‐メチルベンズアルデヒド、m‐メチルベンズアルデヒド、p‐メチルベンズアルデヒド、p‐エチルベンズアルデヒドなどがあるが、特にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒドが好ましい。これらのアルデヒド類は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
このアルデヒド類は、前記フェノール類1モル当り、通常0.5〜4モル、好ましくは0.7〜3モルの範囲で使用される。
本発明方法においては、前記のフェノール類とアルデヒド類を酸性触媒の存在下で反応させるが、この際用いる酸性触媒としては、例えば塩酸、硫酸などの無機酸や、ギ酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸がある。その使用量は、フェノール類1モル当り、1×10-4〜5×10-1モルの範囲が好ましい。これらの酸は、反応を均一にかつ効率よく行わせるために、水溶液として用いるのがよい。
【0014】
また、本発明方法においては、反応溶媒として、γ‐ブチロラクトンとプロピレングリコールモノアルキルエーテルとの混合溶媒を用いることが必要である。この溶媒の使用量は、フェノール類とアルデヒド類との合計量100重量部当り、10〜1000重量部の範囲が好ましい。また、反応温度は、使用する原料のフェノール類やアルデヒド類の種類などにより異なり、一概に定めることはできないが、通常10〜200℃、好ましくは50〜150℃の範囲で選ばれる。このような混合溶媒を用いることにより、反応性の低いフェノール類が未反応のまま残留することなく、原料として用いた各フェノール類が均一に反応したノボラック樹脂が得られる上に、レジストを調製した際にスカムの発生がなく、またコスト的にも有利になる。
【0015】
本発明方法で用いる混合溶媒中のγ‐ブチロラクトンの含有量を少なくとも20重量%、好ましくは50重量%以上にすると、反応時間が短かくてすみ、かつレジストとした場合に耐熱性に優れ、スカムの発生もないので有利である。
【0016】
なお、γ‐ブチロラクトンは、その溶解度パラメーターδが9.8であって、アルカリ可溶性樹脂に対する貧溶媒にならず、したがって本発明における方法は、従来のアルカリ可溶性樹脂に対する貧溶媒を用いる方法例えば特開平7−191464号公報に記載された方法とは根本的に異なるものである。
【0017】
本発明方法において、γ‐ブチロラクトンと組み合わせて用いられるプロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどがあるが、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルが好適である。これらのプロピレングリコールモノアルキルエーテルは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
本発明方法により得られたアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、比較的低分子量部分が少ない上、分子量分布が狭く、従来の方法で得られるアルカリ可溶性ノボラック樹脂と比較して、耐熱性が高いという特徴を有しており、そのままでもポジ型レジストに使用することができるが、本発明方法においては、耐熱性及び解像性に優れ、かつ実質上スカム発生のないポジ型レジスト組成物を得るために、重量平均分子量が2,000〜15,000、好ましくは4,000〜10,000の範囲のものを分取する。
【0019】
本発明方法により得られたアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、キノンジアジド基含有化合物と組み合わせてポジ型レジスト組成物に調製されるが、このキノンジアジド基含有化合物としては、例えばオルトベンゾキノンジアジド、オルトナフトキノンジアジド、オルトアントラキノンジアジドなどのキノンジアジド類のスルホン酸と、フェノール性水酸基又はアミノ基を有する化合物とを部分若しくは完全エステル化、あるいは部分若しくは完全アミド化したものなどを挙げることができる。
【0020】
このフェノール性水酸基又はアミノ基を有する化合物としては、例えば2,3,4,4´‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒドロキシベンゾフェノン類や、1‐[1‐(4‐ヒドロキシフェニル)イソプロピル]‐4‐[1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、トリス(4‐ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタンなどのトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体やビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシ‐2‐メチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシ‐2‐メチルフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシ‐2‐メチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐2‐ヒドロキシフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐2‐ヒドロキシフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐2‐ヒドロキシフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5‐シクロヘキシル‐2‐ヒドロキシ‐4‐メチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5‐シクロヘキシル‐2‐ヒドロキシ‐4‐メチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタンなどのトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体や、その他水酸基又はアミノ基を有する化合物、例えばフェノール、フェノール樹脂、p‐メトキシフェノール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ポリヒドロキシジフェニルアルカン、ポリヒドロキシジフェニルアルケン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール‐1,3‐ジメチルエーテル、没食子酸、水酸基を一部残してエステル化又はエーテル化された没食子酸、アニリン、p‐アミノジフェニルアミンなどが挙げられる。これらの化合物の中で特に好ましいものは、ポリヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐5‐スルホン酸又はナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐4‐スルホン酸との完全エステル化物や部分エステル化物であり、特に平均エステル化度が70モル%以上のものが好ましい。これらは単独でも、また2種以上を組み合わせても使用できる。
【0021】
このポジ型レジスト組成物においては、これらのキノンジアジド基含有化合物は、本発明方法で得たアルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対して、10〜40重量部の割合で用いるのが好ましい。この量が10重量部未満では実用的な形状を有するレジストパターンが得られにくいし、40重量部を超えると感度が低下する傾向がみられる。レジストパターンの形状及び感度の面から、キノンジアジド基含有化合物の特に好ましい使用量は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対して、15〜30重量部の範囲である。
【0022】
このポジ型レジスト組成物は、本発明方法で得たアルカリ可溶性ノボラック樹脂とキノンジアジド基含有化合物を、適当な有機溶剤に溶解した形で使用するのが有利である。この場合の有機溶剤としては、例えば乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】
このポジ型レジスト組成物には、さらに必要に応じて相容性のある添加物、例えばレジスト膜の性能などを改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤あるいは現像して得られるパターンをより一層可視的にするための着色料、またより増感効果を向上させるための増感剤、コントラスト向上剤、界面活性剤などの慣用成分を添加させることができる。
【0024】
次に、このポジ型レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成するには、例えば、まずシリコンウエーハのような基板上に、本発明方法で得たアルカリ可溶性ノボラック樹脂、キノンジアジド基含有化合物及び必要に応じて配合する添加剤を前記した有機溶剤に溶解して得られる溶液をスピンナーなどで塗布し、乾燥してレジスト層を形成させ、次いで紫外線や遠紫外線などの活性光線を所要のマスクを介して縮小投影露光装置により露光するか、マスクを介してエキシマレーザーやX線を照射するか、あるいは電子線を走査しながら照射する。次にこれを現像液、例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液に浸せきして、露光によって可溶化した部分を選択的に溶解除去してレジストパターンを形成する。
【0025】
【発明の効果】
本発明方法によると、キノンジアジド基含有化合物と組み合わせて用いることにより、耐熱性及び解像性に優れ、かつ実質上スカム発生のないポジ型レジスト組成物を与えるアルカリ可溶性ノボラック樹脂を得ることができる。このポジ型レジスト組成物は、特に微細加工を必要とする半導体素子製造分野において好適に用いられる。
【0026】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、レジスト組成物の諸物性は次のようにして求めた。
【0027】
(1)耐熱性
シリコンウエーハ上に形成された線幅5μmのレジストパターンを125℃から5℃ずつ昇温させ、各温度で5分間、ホットプレート上でベークした場合、レジストパターンに変形が生じる温度を示した。
【0028】
(2)解像性
0.6μm幅のマスクパターンを再現する露光量における限界解像度で示した。
【0029】
(3)スカム発生の有無
試料をスピンナーを用いてシリコンウエーハ上に塗布し、これをホットプレート上で90℃、90秒間乾燥して膜厚1.05μmのレジスト膜を形成し、次いでこの膜に縮小投影露光装置NSR−2005i10D(ニコン社製)を用いて露光したのち、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃にて60秒間現像し、30秒間水洗して乾燥することで、シリコンウエーハ上に0.6μm幅のラインとスペースのレジストパターンを形成し、電子顕微鏡にてライン部及びスペース部におけるスカム(レジスト残り)の発生を観察した結果、スカムの発生が観察されなかったものは○、スカムの発生が観察されたものは×として評価した。
【0030】
実施例1
1リットル容の四ツ口フラスコにm‐クレゾール 650g、p‐クレゾール65g、2,3,5‐トリメチルフェノール 133g、シュウ酸 5g、γ‐ブチロラクトン 160g及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル 40gを仕込んだのち、120℃で30分間かきまぜた。次いで、反応溶液温度を100℃にしたのち、この中に35重量%ホルマリン水溶液 730gを45分にわたって滴下後、5時間還流下にかきまぜた。その後、冷却し、純水 180gを加え、30分間静置することで、フラスコの下層に沈殿した生成物(ノボラック樹脂)を回収し、重量平均分子量7,200のノボラック樹脂約200gを得た。
【0031】
上記ノボラック樹脂のアルカリ溶解性を調べるために、このノボラック樹脂の25重量%エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート溶液を調製し、この溶液を3インチシリコンウエーハ上にスピンナーを用いて塗布したのち、110℃で90秒間乾燥することで、膜厚1.0μmのノボラック樹脂膜を形成した。
【0032】
次いで、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(23℃)中にノボラック樹脂膜が形成されたシリコンウエーハを浸せきして、シリコンウエーハ表面から、完全にノボラック樹脂膜を溶解除去させる時間を測定したところ、26秒であった。
【0033】
また、得られたノボラック樹脂 200gを酢酸ブチル 533gに加え、30分間かきまぜ溶解させ、次いで、n‐ヘプタン 1200gを加え、かきまぜたのち静止させ、下層中の低分子量部分をカットしたノボラック樹脂 100gを得た。
【0034】
実施例2
5リットル容の四ツ口フラスコにm‐クレゾール 650g、3,4‐キシレノール 128g、2,3,5‐トリメチルフェノール 65g、シュウ酸 15g、γ‐ブチロラクトン 90g及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル 90gを仕込んだのち、120℃で30分間かきまぜた。次いで、反応溶液温度を100℃にしたのち、この中に35重量%ホルマリン水溶液 730gを45分にわたって滴下後、7時間還流下にかきまぜた。その後、冷却し、純水 180gを加え、30分間静置することで、フラスコの下層に沈殿した生成物(ノボラック樹脂)を回収し、重量平均分子量4,500のノボラック樹脂約200gを得た。
【0035】
このノボラック樹脂のアルカリ溶解性を実施例1と同様の操作により測定した結果、21秒であった。
また、得られたノボラック樹脂を実施例1と同様の操作で低分子領域を除去した。
【0036】
実施例3
1リットル容の四ツ口フラスコにm‐クレゾール 100g、3,4‐キシレノール 23g、2,5‐キシレノール 12g、シュウ酸 10g、γ‐ブチロラクトン 32g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル 48gを仕込んだのち、120℃で30分間かきまぜた。次いで、反応溶液温度を100℃にしたのち、この中に35重量%ホルマリン水溶液 120gを45分間かけて滴下後、7時間還流下にかきまぜた。その後、冷却し、純水 180gを加え、30分間静置することで、フラスコの下層に沈殿した生成物(ノボラック樹脂)を回収し、重量平均分子量5,300のノボラック樹脂約200gを得た。
【0037】
このノボラック樹脂のアルカリ溶解性を実施例1と同様の操作により測定した結果、45秒であった。
また、得られたノボラック樹脂を実施例1と同様の操作で低分子領域を除去した。
【0038】
比較例1
1リットル容の四ツ口フラスコにm‐クレゾール 140g、3,4‐キシレノール 68g、純水10g、シュウ酸 5g、2‐エトキシエタノール 79gを仕込んだのち、120℃で30分間かきまぜた。次いで反応溶液温度を100℃にしたのち、この中に、35重量%ホルマリン水溶液 120gを45分にわたって滴下後、5時間還流下にかきまぜた。その後冷却し、純水 180gを加え、30分間静置することでフラスコの下層に沈殿した生成物(ノボラック樹脂)を分取し、重量平均分子量5,000のノボラック樹脂約200gを得た。
【0039】
このノボラック樹脂のアルカリ溶解性を実施例1と同様の操作により測定したところ、58秒であった。
また、得られたノボラック樹脂 200gを酢酸ブチル 533gに加え、30分間かきまぜて溶解を行い、次いでn‐ヘプタン 1200gを加え、かきまぜたのち静止させ、下層中のノボラック樹脂 100gを分取した。
【0040】
比較例2
1リットル容の四ツ口フラスコにm‐クレゾール 140g、3,4‐キシレノール 68g、純水 10g、シュウ酸 5g、メチルイソブチルケトン 79gを仕込んだのち、120℃で30分間かきまぜた。次いで反応溶液温度を100℃にしたのち、この中に35重量%ホルマリン水溶液 120gを45分にわたって滴下後、5時間還流下にかきまぜた。その後冷却し、純水180gを加え、30分間静置することでフラスコの下層に沈殿した生成物(ノボラック樹脂)を分取し、重量平均分子量6,600のノボラック樹脂約200gを得た。
【0041】
このノボラック樹脂のアルカリ溶解性を実施例1と同様の操作により測定した結果、60秒であった。
また、得られたノボラック樹脂 200gを酢酸ブチル 533gに加え、30分間かきまぜて溶解を行い、次いでn‐ヘプタン 1200gを加え、かきまぜたのち静止させ、下層中のノボラック樹脂 100gを分取した。
【0042】
比較例3
1リットル容の四ツ口フラスコにm‐クレゾール 140g、p‐クレゾール 42g、2,5‐キシレノール 48g、シュウ酸 5g、プロピレングリコールモノメチルエーテル 81g及び水 9.5gを仕込んだのち、120℃で30分間かきまぜた。次いで、反応溶液温度を100℃にしたのち、この中に35重量%ホルマリン水溶液 120gを45分間かけて滴下後、19時間還流下にかきまぜた。その後、冷却し、純水 180gを加え、30分間静置することで、フラスコの下層に沈殿した生成物(ノボラック樹脂)を分取し、重量平均分子量6,200のノボラック樹脂約200gを得た。
【0043】
このノボラック樹脂のアルカリ溶解性を実施例1と同様の操作により測定した結果、59秒であった。
また、得られたノボラック樹脂を実施例1と同様の操作で低分子領域を除去した。
【0044】
参考例1〜3
実施例1〜3で得たノボラック樹脂 100重量部と2,3,4,4´‐テトラヒドロキシベンゾフェノン 1モルとナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐5‐スルホニルクロリド 3モルとのエステル化物 30重量部とを、乳酸エチル 360重量部と酢酸ブチル 40重量部との混合液に溶解したのち、このものを孔径0.2μmのメンブランフィルターを用いてろ過し、ポジ型レジスト溶液を調製した。
このものについての耐熱性、解像性及びスカムの有無の物性を表1に示す。
【0045】
比較参考例1〜3
参考例1〜3で用いたノボラック樹脂の代りに、比較例1〜3で得たノボラック樹脂を用い、参考例1〜3と同様にしてポジ型レジスト溶液を調製した。
このものについての耐熱性、解像性及びスカムの有無の物性を表1に示す。
【0046】
【表1】
Claims (2)
- γ‐ブチロラクトンとプロピレングリコールモノアルキルエーテルとの混合溶媒中、酸性触媒の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを反応させ、次いでこの反応生成物から低分子量画分を除去することを特徴とする重量平均分子量2,000〜15,000をもつポジ型レジスト用アルカリ可溶性ノボラック樹脂の製造方法。
- 混合溶媒がγ‐ブチロラクトンを少なくとも20重量%含有する請求項1記載のポジ型レジスト用アルカリ可溶性ノボラック樹脂の製造方法。
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