JP3587282B2 - 窒素酸化物濃度検出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば燃焼器や内燃機関の排ガスの成分である窒素酸化物濃度を検出するために使用される窒素酸化物濃度検出器及び窒素酸化物濃度検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の窒素酸化物濃度検出器としては、例えばSAE paper No.960334 p137〜142 1996に、薄板状ジルコニアからなる固体電解質層の積層体の内部に、第1酸素ポンピングセルと酸素濃度測定セルを有する第1空隙部と、第2酸素ポンピングセルを有する第2空隙部と、第1空隙部を被測定ガス側と連通する第1拡散通路と、第1空隙部と第2空隙部との間を連通する第2拡散通路とを備えた図3の平面図と図4のA−A’拡大断面図に示す窒素酸化物濃度検出器が開示されている。
【0003】
図4において、1は第1拡散通路、2は第1空隙部、3は第2拡散通路、4は第2空隙部、5−1、5−2、5−3、5−4、5−5及び5−6は積層された薄板状ジルコニアの固体電解質層、6は第1酸素ポンピングセル、7は酸素濃度測定セル、8は第2酸素ポンピングセル、9は大気導入部、10は加熱ヒータである。第1酸素ポンピングセル6、酸素濃度測定セル7及び第2酸素ポンピングセル8には、多孔質白金又は多孔質ロジウムからなる電極6−a、6−b、7−a、7−b、8−a及び8−bがそれぞれ設けられている。以下、本明細書では、酸素ポンピングセルや酸素濃度測定セルを酸素セルと呼ぶことにする。
【0004】
この窒素酸化物濃度検出器では、加熱ヒータ10に通電することによって各酸素セルの温度が一定値に保持される。内燃機関の排ガスなどの被測定ガスは、第1拡散通路1を通って第1空隙部2に導入され、第1空隙部2に導入された被測定ガスから、第1酸素ポンピングセル6によって酸素が抜き取られる。第1空隙部2内の酸素濃度は、酸素濃度測定セル7によって監視され、窒素酸化物が分解しない低い酸素濃度にまで酸素が抜き取られ、この酸素濃度に保持される。
【0005】
この、低酸素濃度に保持された第1空隙部2内のガスが、第2拡散通路3を通って第2空隙部4に導入される。次いで第2空隙部4に導入された被測定ガスから、第2酸素ポンピングセル8によって酸素が抜き取られる。この第2酸素ポンピングセル8で、酸素がほとんどすべて抜き取られてさらに低い酸素濃度になるため、また、電極として用いた多孔質ロジウムの触媒機能によって窒素酸化物が完全に窒素と酸素に分解されるため、窒素酸化物の分解された酸素が第2酸素ポンピングセル8によって抜き取られる。このとき、第2酸素ポンピングセル8に流れる電流値(μA)は、被測定ガス中に含まれる窒素酸化物の濃度(ppm)と直線関係を有するので、あらかじめ窒素酸化物の濃度とポンプ電流Ipとの相関関係を求めておけば、被測定ガス中に含まれる窒素酸化物濃度を検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この窒素酸化物濃度検出器による窒素酸化物濃度の検出値は、CO、炭化水素、CO、SOなどの他のガス成分が共存していても影響されない。しかし、被測定ガス中にある酸素によってある程度影響される。その影響はあまり大きくないが、低濃度の窒素酸化物を検出するときには大きな誤差となる。また、窒素酸化物濃度検出器の使用時には、固体電解質層が700℃程度に加熱されるため、固体電解質層の比抵抗が数百Ωcm程度にまで低下する。このため、同一の固体電解質層上に酸素濃度測定セルと第2酸素ポンピングセルの電極が設けられている従来の検出器では、電極間に電流リークがあるために酸素濃度の測定精度が悪く、第1空隙部内の酸素濃度を精度よく制御できないことによって窒素酸化物濃度の検出精度が劣るという問題がある。また、EP0678740A1に開示されている窒素酸化物濃度検出器についても同様である。
【0007】
他方、特開昭62−276453号には、図5に示す構造の、複数の固体電解質層5−1、5−2、5−3及び5−4と多孔質の電極6−a、6−b、7−a、7−b、7−c、8−a及び8−bからなる複数の酸素セルを有する空燃比センサが開示されている。この空燃比センサには、被測定ガスの導入部の第1拡散通路1側にある第1空隙部2と、第1空隙部2と比べてガス拡散抵抗を第1拡散通路1の約2倍にした第2拡散通路3で連通された第2空隙部4とがあり、第1空隙部2と第2空隙部4の2箇所に酸素濃度測定セル7、7’が設けられ、両酸素濃度測定セル7、7’を空燃比のリーン域とリッチ域で使い分けることによってリーン域における酸素濃度の検出精度を向上させている。また、被測定ガスが内燃機関の排ガスである場合など、被測定ガス中に含まれるパティキュレートによって第1拡散通路1の通気性が悪くなっても、第2拡散通路3が目詰まりしないことを利用して、検出値の経時変化を補正するようにしているので、酸素濃度の検出値に基いて求める空燃比を長期間にわたって精度よく検出できる空燃比センサとなっている。
【0008】
本発明は、被測定ガス中の窒素酸化物濃度を高精度で検出でき、小型で安価な窒素酸化物濃度検出器の提供を目的とする。さらに本発明は、被測定ガス中の窒素酸化物を実用レベルにおいて高精度で検出可能な窒素酸化物濃度検出方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の視点における窒素酸化物濃度検出器は、固体電解質層に一対の多孔質の電極を備えてなる第1酸素ポンピングセル及び酸素濃度測定セルを有する第1空隙部と、固体電解質層に一対の多孔質の電極を備えてなる第2酸素ポンピングセルを有する第2空隙部と、第1空隙部を被測定ガス側に連通する第1拡散通路と、第1空隙部を第2空隙部に連通する第2拡散通路とを備える固体電解質層が積層されてなる窒素酸化物濃度検出器であって、第1酸素ポンピングセル、酸素濃度測定セル及び第2酸素ポンピングセルがいずれも互いに異なる固体電解質層に設けられ、前記第2空隙部の有効容積が前記第1空隙部の有効容積の50%以下であることを特徴とする。固体電解質層としては例えば薄板状ジルコニアを用い、これを挟んで一対の多孔質電極を設けることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
ジルコニアの固体電解質としては、ジルコニアとイットリアの固溶体やジルコニアとカルシアの固溶体が代表的なものであるが、他にハフニアの固溶体、ペロブスカイト型酸化物固溶体、3価金属酸化物固溶体等も使用できる。固体電解質の表面に設ける多孔質の電極としては、触媒機能を有する白金やロジウムあるいはその合金を使用するのが好ましい。その形成方法は、たとえば白金粉末に固体電解質と同じ材料の粉末を混合したものをペースト状とし、固体電解質層上にスクリーン印刷し、次いで焼結する厚膜形成方法や溶射による皮膜形成方法がある。電極が触媒機能を有していると、窒素酸化物の検知を妨害する一酸化炭素や炭化水素ガスが触媒作用によって分解され、除去される。また、拡散通路には、細い貫通孔を有するセラミックスや多孔質セラミックスを使用するのが好ましい。
【0011】
本発明の窒素酸化物濃度検出器は、薄板状ジルコニアからなる固体電解質層の積層体の内部に、第1酸素ポンピングセル及び酸素濃度測定セルを有する第1空隙部と、第2酸素ポンピングセルを有する第2空隙部と、第1空隙部を被測定ガス側と連通する第1拡散通路と、第1空隙部を第2空隙部に連通する第2拡散通路とを備えている点において前述のSAE paper No.960334に記載された窒素酸化物濃度検出器と同じであるが、酸素濃度測定セルの電極と第2酸素ポンピングセルの電極とが同じ固体電解質層上に設けられていない点が異なっている。
【0012】
この相違によって本発明の窒素酸化物濃度検出器では、酸素濃度測定セルと第2酸素ポンピングセルの電極間に生じる電流リークが顕著に減少し、第1空隙部内の酸素濃度の測定精度が向上して第1空隙部内の酸素濃度を精度よく制御することができる。これによって第1空隙部内の酸素濃度を、窒素酸化物が分解を始める酸素濃度に近い低レベルに安定して制御できるので、微量である排ガス中の窒素酸化物濃度の検出精度が顕著に向上する。本発明による上述の構造を有する窒素酸化物濃度検出器は、セラミックス多層基板の製造技術をセラミックス固体電解質材料に適用することによって、小型の窒素酸化物濃度検出器を、生産性よく安価に製造でき、かつ提供できる。
【0013】
また、本発明の好ましい窒素酸化物濃度検出器では、固体電解質層の間に設けられた絶縁膜又は絶縁層によって、酸素濃度測定セルの電極が第1酸素ポンピングセル及び第2酸素ポンピングセルの電極と電気的に絶縁されている。同じ層の固体電解質に2つ以上の酸素濃度セルが設けられている従来の窒素酸化物濃度検出器では電極間が互いに完全に絶縁されていないが、本発明の窒素酸化物濃度検出器ではこれが可能であり、固体電解質層の間に設けた絶縁膜又は絶縁層によって電極相互間の電流リークを完全に防げる。
【0014】
このような構成とした窒素酸化物濃度検出器では、酸素濃度測定セルの測定精度が向上し、第1空隙部の酸素濃度を精度よく制御できるので窒素酸化物濃度検出器の窒素酸化物濃度の検出精度がさらに向上し、低濃度の窒素酸化物濃度も精度よく検出できる。絶縁膜はすべての固体電解質層の間に設けてもよいが、絶縁を必要とする固体電解質層の間にだけ設けるのが好ましい。また、絶縁膜を設ける代わりに、酸素セルを設けない固体電解質層をアルミナなどの絶縁層で置き換えてもよい。
【0015】
本発明の他の好ましい窒素酸化物濃度検出器では、第2空隙部が多孔質材料で充填されている。たとえば、第2拡散通路と第2空隙部に同じ多孔質材料が充填されており、これによって第2空隙部の有効容積が顕著に小さくなる。第2空隙部の有効容積が小さくなれば、窒素酸化物検出器が窒素酸化物を検知する応答性が顕著に向上する。この第2空隙部の容積は、0.1mm以下、あるいは第1空隙部の50%以下とするのが好ましい。
【0016】
本発明の他の好ましい窒素酸化物濃度検出器では、第2酸素ポンピングセルの第2空隙部側に設けた多孔質の電極が白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、レニウムから選ばれるいずれかの金属又はその合金からなり、他の電極が白金又は白金合金からなる。特にロジウムを含む多孔質の電極には窒素酸化物を分解する触媒機能があるので、検出器のセンサ部の温度をそれほど高くしなくても第2空隙部中の窒素酸化物を完全に分解でき、ppmオーダーの少ない窒素酸化物濃度を第2酸素ポンピングセルの電流値として検出できる。なお、第1空隙部に設けた多孔質の電極は好ましくは、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、レニウムから選ばれるいずれかの金属又はその合金からなり、あるいは、これらとAg,Au,Ni,Co,Cr,Fe,Mn,Cu,Ti,Al,Pb,Zn,Sn,Inから選ばれる少なくとも1種とを含有する。
【0017】
本発明の他の好ましい窒素酸化物濃度検出器では、絶縁膜又は絶縁層がアルミナセラミックス(例えば高純度アルミナ)である。アルミナセラミックスは高温下での絶縁性が良好であり、またジルコニアの固体電解質層との同時焼成も可能であり、さらに原料の入手も容易である。
【0018】
本発明の他の好ましい窒素酸化物濃度検出器では、窒素酸化物濃度検出器を固体電解質層に垂直な方向に投影したとき、第1空隙部と第2空隙部とが互いに概ね重なり合う位置にあり、第1空隙部と第2空隙部の間の固体電解質層を貫通して固体電解質層に垂直な方向に伸びる第2拡散通路によって第1空隙部と第2空隙部とが連通されている。
【0019】
この構成の窒素酸化物濃度検出器では、たとえば被測定ガスである排ガスが流れる管の管壁に設けた穴から棒状に形成されたセンサ部を管内に挿入するとき、センサ部の各酸素セルの管壁からの距離がほぼ等しくなるので、熱伝導などによって検出器の長手方向に温度勾配があっても、各酸素セル間に温度差が生じないので検出値に誤差がもたらされないという利点がある。また、検出器の第2空隙部中の窒素酸化物を分解できるように、検出器を高温に保持する必要がある。このとき、空隙部が互いに重なり合っているセンサ部構成を採用することによって、温度保持のために付設する面状の発熱部を有する加熱ヒータの発熱部を小さくでき、各酸素セルの管壁からの距離が等しくなるので、管内の温度分布や検出器を通しての熱伝導による温度差に影響されにくく、検出器の各酸素セルの温度を一定温度に制御しやすい。
【0020】
本発明の他の好ましい窒素酸化物濃度検出器では、積層された固体電解質層に面状の発熱部を有する加熱ヒータを設けた層が積層され、窒素酸化物濃度検出器を固体電解質層に垂直な方向に投影したとき、第1空隙部、第2空隙部及び面状の発熱部が互いに概ね重なり合う位置にある。加熱ヒータは、酸素濃度測定セルの温度を一定値に保持し、第2空隙部の温度を高くしやすい、互いに概ね重なり合う位置に積層するのが好ましい。ここで面状の発熱部というのは、ヒータ線が一平面上に屈曲して設けられているものを含む。なお、加熱ヒータをたとえば2枚用いてセンサ部をその間に配置するサンドイッチ構造にすることも好ましい。この場合加熱ヒータと固体電解質層との間に外部に通じる空隙を設ければ、各ポンピングセルから抜き取った酸素ガスを排出させることができる。
【0021】
窒素酸化物の分解温度は酸素濃度が低い程低いが、窒素酸化物濃度検出器に付設する加熱ヒータは、通常酸素濃度測定セルの部分の温度を700℃以上に保持できるものが好ましい。この条件を充たす加熱ヒータとしては、加熱ヒータの発熱部をセラミックスと白金又は白金合金の複合材料とし、加熱ヒータのリード部を白金又は白金合金としたものを使用するのが好ましい。また、加熱ヒータのリード部の常温抵抗値を加熱ヒータ全体の常温抵抗値の30%以下とするのが好ましい。リード部の抵抗値を小さくすれば、検出器を加熱するための電気エネルギのロスを少なくできる。
【0022】
本発明の第2の視点における窒素酸化物濃度の検出方法は、固体電解質層に一対の多孔質電極を備えた第1酸素ポンピングセル及び酸素濃度測定セルを有する第1空隙部と、固体電解質層に一対の多孔質電極を備えた第第2酸素ポンピングセルを有する第2空隙部と、第1空隙部を被測定ガス側と連通する第1拡散通路と、第1空隙部を第2空隙部に連通する第2拡散通路とを備える固体電解質層が積層されてなるとともに、第1酸素ポンピングセル、酸素濃度測定セル及び第2酸素ポンピングセルがいずれも異なる固体電解質層に設けられている窒素酸化物濃度検出器を用い、
第1拡散通路を通して第1空隙部に導入した被測定ガスから窒素酸化物が実質的に分解しない所定の低酸素濃度まで、酸素濃度測定セルで酸素濃度を測定しつつ第1酸素ポンピングセルによって第1空隙部から酸素を抜き取り、所定の低酸素濃度とした被測定ガスを第2拡散通路を通して第2空隙部に導入し、第2空隙部に設けられた第2酸素ポンピングセルに一定電圧を印加して第2空隙部内の被測定ガス中の窒素酸化物を分解しつつ酸素を抜き取り、このとき第2酸素ポンピングセルに流れるポンプ電流Ip(μA)に基いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度を検出することを特徴とする。
【0023】
すなわち、前述の窒素酸化物濃度検出器を使用し、第1拡散通路を通して第1空隙部に導入された被測定ガスから窒素酸化物が実質的に分解しない所定の低酸素濃度まで、酸素濃度測定セルで酸素濃度を監視しつつ第1酸素ポンピングセルによって酸素を抜き取り、酸素を抜き取った後の一定の低酸素濃度、たとえば酸素分圧を10−6atm(100ppm程度)とした被測定ガスを第2拡散通路を通して第2空隙部に導入し、第2空隙部に設けた第2酸素ポンピングセルに、第1酸素ポンピングセルで印加したより高い一定電圧、例えば450mVを印加して第2空隙部内に導入した被測定ガス中の窒素酸化物を分解するとともに酸素を抜き取り、このときの第2酸素ポンピングセルに流れる電流値から被測定ガス中の窒素酸化物濃度を検出する。酸素分圧を一定の低酸素濃度とするには、第1空隙部の酸素測定セルの起電力が所定の値(例えば150mV)となるように、第1酸素ポンピングセルを制御すればよい。
【0024】
第2ポンピングセルに印加する電圧は、第2空隙部の温度や第2空隙部内にある触媒の種類、第2酸素ポンピングセルの電極の種類などによって変化するが、COやHOが分解しない電圧、たとえば温度が700℃で電極が多孔質ロジウム(Rh)であるとき、安定して窒素酸化物濃度が検出できるように300〜800mVとするのが好ましい。
【0025】
本発明の窒素酸化物濃度の検出方法は、従来の検出方法と比べて酸素濃度測定セルの電極と他の酸素セルの電極と間の電流リークが僅かであることによって、好ましくは絶縁膜又は絶縁層で電極間が絶縁されていて電極間で電流リークがないことによって、酸素濃度測定セルの測定精度が高い。酸素濃度測定セルの測定精度が高いことによって、第1空隙部内の酸素濃度を窒素酸化物が実質的に分解しない一定の低濃度に精度よく制御でき、低酸素濃度の窒素酸化物を含む被測定ガスを第2拡散通路から第2空隙部に送って被測定ガス中の窒素酸化物を分解し、第2空隙部に流れる電流値から窒素酸化物を精度よく検出できる。この検出方法で得られる検出値は、被測定ガス中の酸素を除く介在ガスの濃度によって変動しない。また、被測定ガス中の酸素濃度による変動はあまり大きくない。
【0026】
さらに、本発明の第2の視点に係る窒素酸化物の検出方法は、被測定ガス中の酸素濃度が窒素酸化物濃度の検出値に及ぼす影響を、あらかじめ酸素濃度と窒素酸化物濃度が異なり、かつ既知である標準ガスを用いて測定したデータに基いて補正する。これによって被測定ガス中に含まれる酸素濃度による検出値の変動を補正することができ、窒素酸化物の検出精度を一層向上させることができる。
【0027】
本発明の他の好ましい窒素酸化物の検知方法は、前記データが、前記標準ガスを用いて酸素濃度測定セルで第1空隙部内の酸素濃度を監視しつつ第1酸素ポンピングセルで第1空隙部内の酸素濃度を窒素酸化物が実質的に分解されない低濃度に保つときの被測定ガス中の酸素濃度(%)と第1酸素ポンピングセルのポンプ電流Ip(μA)との関係、窒素酸化物濃度がゼロのときのO濃度(%)と第2空隙部から酸素を抜き取る第2酸素ポンピングセルのポンプ電流Ipo(μA)との関係、及び測定対象とする被測定ガスと同レベルの酸素濃度を有し、異なる窒素酸化物濃度を有する標準ガスについて求めた窒素酸化物濃度(ppm)と第2酸素ポンピングセルのポンプ電流Ip(μA)との関係である。このデータは、検出器の仕様やその製造上のばらつき、たとえば検出器の設定温度、第1拡散通路や第2拡散通路の通気性とその比、第1空隙部と第2空隙部の容積とその比などによって変わるので、好ましくは各検出器についてあらかじめ測定データを求めておく。
【0028】
本発明の他の好ましい窒素酸化物の検出方法は、被測定ガス中の酸素濃度が変化しても、窒素酸化物濃度(ppm)とポンプ電流Ip(μA)の間に所定の函数関係(例えば直線関係)があると仮定し、あらかじめマイクロコンピュータのメモリーに蓄積した前記データに基きマイクロコンピュータで演算して補正した窒素酸化物濃度を求め、ディスプレイに表示又は記録計に出力する。検出値の補正演算を検出器に付設したマイクロコンピュータによって行なえば、補正された精度のよい検出値をオンタイムで得ることができ、得られた検出値を表示あるいは記録できる他、内燃機関などの燃焼装置の制御部にこの検出値をフィードバックして燃焼装置の運転状態の制御に使用できる。
【0029】
ここで、本発明の一実施形態に係る窒素酸化物濃度検出器の測定原理を説明する。図16は、本発明の一実施形態に係る窒素酸化物濃度検出器の測定原理を説明するための概略構成図であって、検出器を短手方向に沿って切断した断面図である。図16に示した検出器においては、固体電解質層と該層を挟んで設けられた一対の酸素イオンポンプ電極を備えた第1酸素イオンポンプセル(第1酸素ポンピングセル)6の層、第1測定室(第1空隙部)2の層、固体電解質層と該層を挟んで設けられた一対の酸素分圧検知電極を備えた酸素濃度測定セル7の層、固体電解質の層、第2測定室(第2空隙部)4の層、及び固体電解質層と該層を挟んで設けられた一対の酸素イオンポンプ電極を備えた第2酸素イオンポンプセル(第2酸素ポンピングセル)8の層の順に積層され、さらに、第1測定室2の両側には第1拡散孔(第1拡散通路)1が設けられ、第1測定室2と第2測定室4の間には、酸素濃度測定セル7の層及び固体電解質の層を貫通して両室2,4を連通する第2拡散孔(第2拡散通路)3が設けられている。
【0030】
次ぎに、図16に示した窒素酸化物濃度検出器の測定原理を説明する。先ず、(a)排気ガスが第1拡散孔1を通って第1測定室2に拡散する。(b)第1酸素イオンポンプセル6により、第1測定室2に流入した排気ガス中の酸素を、NOが実質的に分解しない程度にまで外部へ汲み出す。このとき、酸素分圧検知電極(酸素濃度測定セル7の電極)から出力される信号に基いて、第1酸素イオンポンプセル6を駆動して、第1測定室2内の酸素分圧を一定に制御する。(c)第1測定室2から、第2拡散孔3を通って、第2測定室4へ、濃度制御されたOガスと、NOガスとが拡散する。(d)第2酸素イオンポンプセル8によって、第2測定室4内の酸素が汲み出されることにより、第2測定室4内の酸素濃度が低下され、第2測定室4のNOガスはNとOとに分解される。このとき、第2酸素イオンポンプセル8間に流れるポンプ電流Ipの値とNO濃度の値には直線的な相関関係があるから、結局Ipの値を測定することによりNO濃度が測定でき、排気ガス中の窒素酸化物濃度を検出できることとなる。また、このような窒素酸化物濃度検出器において、異なる固体電解質層に酸素分圧検知電極と酸素イオンポンプ電極とをそれぞれ設けることにより、両電極間にリーク電流が流れなくされる。従って、第1測定室2内の残留酸素濃度をより正確に測定できるようになるから、NOが分解された酸素濃度に基づき検出されるNO濃度がより正確に検出されることとなる。
【0031】
次ぎに、本発明の第3の視点に係る別の好ましい実施形態を図17を参照して説明する。図17は、被測定ガスが流入する第1測定室(第1拡散通路、第1拡散律速部)を固体電解質層面に沿って破断した断面を示す説明図であり、図中左側には本実施形態に係るNOセンサ(窒素酸化物濃度検出器)、右側には比較例のNOセンサを示し、両者を対比して、本実施形態に係るNOセンサの原理を説明する。まず、図17中右側の比較例のNOセンサにおいては、被測定ガスを第1測定室2に流入させるための4つの第1拡散孔(第1拡散通路)1が第2拡散孔(第2拡散通路)3の近くに設けられ、かつ第1測定室2底面のほぼ全面に第1拡散孔1に接して(第1測定室2の全長に対して長く)酸素分圧検知電極7−aが設けられている。一方、同図中左側の実施形態のNOセンサにおいては、2つの第1拡散孔1が第2拡散孔3と大きく離間して設けられ、酸素分圧検知電極7−aは第1測定室2底面全体の面積に対して小さく(第1測定室2の全長に対して短く)、第1拡散孔1と所定距離離間して、かつ第2拡散孔3の周囲(近傍)のみに設けられている。この実施形態のNOセンサの“第1拡散孔が第2拡散孔と大きく離間して設けられ、酸素分圧検知電極は第1測定室底面全体の面積に対して小さく(第1測定室2の全長に対して短く)、第1拡散孔1と所定距離離間して、かつ第2拡散孔3の周囲(近傍)のみに設けられている”という特徴は、後述の図15に示すNOセンサも備えている。
【0032】
ところで、本発明者の知見によれば、第1に、NOセンサにおいて、第1測定室の酸素濃度は実質的に酸素分圧検知電極上に存在する酸素濃度の平均値で代表される。従って、第1測定室内で部分的に酸素濃度が低い場所があったとしても、第1測定室内の酸素濃度は酸素分圧検知電極上に存在する酸素濃度の平均値に応じて制御されるため、実際値より高い酸素濃度が検出されれば余分に酸素が第1測定室から汲み出されてしまい、NOの分解が第1測定室で発生するおそれがある。第2に、第1測定室において第1拡散孔付近の酸素濃度は第1測定室の他の部分よりも高いと考えられる。従って、第1拡散孔付近の酸素濃度が酸素分圧検知電極による酸素濃度検出に影響を与える場合、第1酸素イオンポンプセルの電圧は自動的に高められることとなる。このような印加電圧の上昇は、通常ジルコニア製の固体電解質層に“ブラックニング”の発生を招くから、好ましくない。第3に、被測定ガスの条件変化(例えば、ディーゼルエンジンの排ガスでは酸素濃度が4〜18%に変化する)に対する酸素分圧検知電極の出力の追随性が低い場合、この出力を入力要素とする第1酸素イオンポンプセルの制御が最適化できないため、第1測定室から第2測定室へ送られる残留酸素濃度が変化して、第2測定室において正確なNO濃度測定ができないおそれがある。第4に、第1測定室においてNOが分解しないように、及び“ブラックニング”が発生しないように、第1測定室の酸素濃度を高めに設定することは、第2測定室における窒素酸化物濃度測定において大きなオフセットの存在を許すこととなり、このオフセットの存在が窒素酸化物濃度測定の温度依存性、酸素濃度依存性を高めるという問題を発生させる。
【0033】
従って、前記第1〜第4の知見に基づき、図17中右側に示した比較例NOセンサを検証すれば、その酸素分圧検知電極7−aは、第1測定室2の底面積(第2拡散孔の開口が形成された第1空隙部の壁面)に比較して非常に大きく、しかも第1拡散孔1に接して設けられているため、上述した通り、正確な窒素酸化物濃度測定ができない等の不都合を生じる場合が考えられる。これに対し、図17の左側に示した実施形態のNOセンサにおいては、酸素分圧検知電極7−aが第1測定室2底面全体の面積に対して小さくされ、第1拡散孔1と離間され、かつ第2拡散孔3の周囲(近傍)のみに設けられていることによって、前記比較例NOセンサの不都合がいずれも解消されている。好ましくは、同一平面上において、前記酸素濃度測定セルの電極と前記第1拡散通路の出口との距離が略1.5mm以上とする。なお、本発明において数値範囲の記載は上下限のみならず、任意の中間値も含むものとする。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例の図面に基いて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0035】
[実施例1]
図1は、本発明の一実施例である窒素酸化物濃度検出器の先端部分の縦断面図である。同図において、1は第1拡散通路、2は第1空隙部、3は第2拡散通路、4は第2空隙部、5−1、5ー2、5−3、5−4、5−5、5−6及び5−7は薄板状ジルコニアの固体電解質層、6は第1酸素ポンピングセル、6−a及び6−bは第1酸素ポンピングセルの多孔質電極、7は酸素濃度測定セル、7−a及び7−bは酸素濃度測定セルの多孔質電極、8は第2酸素ポンピングセル、8−a及び8−bは第2酸素ポンピングセルの多孔質電極、9は大気導入部、10は加熱ヒータである。
【0036】
図1に示された窒素酸化物濃度検出器の、図3、図4に示された従来の窒素酸化物濃度検出器と異なる点は、酸素濃度測定セル7と第2酸素ポンピングセルが異なる固体電解質層5−3及び5−4に設けられている点である。本発明の窒素酸化物濃度検出器では、酸素セルがいずれも異なる固体電解質層に設けられているので、各酸素セルの電極間の電流リークが僅かとなり、酸素濃度測定セル7によって測定される酸素濃度の精度が高い。この酸素濃度測定セル7で第1空隙部1中の酸素濃度を監視しつつ第1空隙部2から第1酸素ポンピングセル6で酸素を抜き取り、第1空隙部2内の酸素濃度を窒素酸化物が実質的に分解しない低い酸素濃度、たとえば約100ppmに制御する。この低酸素濃度に安定して制御できることによって、窒素酸化物濃度の低い被測定ガス中の窒素酸化物濃度を精度よく検出できる。
【0037】
すなわち、次いで酸素濃度の低いこの被測定ガスを、第2拡散通路3から第2空隙部4に送って第2空隙部4中の被測定ガスから第2酸素ポンピングセル8で酸素を抜き取る。第2空隙部内4の酸素濃度を窒素酸化物が分解する濃度にまで下げると、2NO→N+XOの分解反応が起き、生成したOが第2酸素ポンピングセル8によって抜き取られる。このとき抜き取られるOのほとんどは前記分解反応で生成したOであるので、第2酸素ポンピングセル8に流れる電流値を測定すれば、被測定ガス中の窒素酸化物濃度を検出できる。
【0038】
このとき、第2空隙部4中の酸素濃度はCOやHOが分解するほど低い濃度にしないようにしてNOを分解するためには、たとえば450mVの定電圧を第2酸素ポンピングセル8に印加する。この窒素酸化物濃度の測定方法では、被測定ガスと第1酸素ポンピングセル6と第2酸素ポンピングセル8の温度、第1拡散通路1及び第2拡散通路3のガス拡散抵抗、第1空隙部2の設定酸素濃度、第2酸素ポンピングセル8の設定電圧などによって第2酸素ポンピングセル8に流れる電流値が変化するので、あらかじめガス濃度が既知の標準ガスを用いて較正しておく。この窒素酸化物濃度検出器の寸法は、たとえば高さ(固体電解質層に垂直な方向)が1.7mm、幅3.5mm、長さ7mmである。
【0039】
なお、第2酸素ポンピングセル8に印加する電圧を適宜設定することにより、NO以外のガス(例えばCOやHO、HCなど)を選択時に分解させれば、他のガスの測定にも利用可能である。これらの設定条件をマイクロコンピュータに記憶させておけば、O,NO,HO,CO等の多成分ガスを1個の検出器で測定することも可能となる。
【0040】
[実施例2]
図2の実施例2の図1の実施例と異なる点は、固体電解質5−1と5−2の間及び固体電解質5−3と5−4の間に絶縁膜11−1と11−2が配置されている点と、第2空隙部4が多孔質材料で充填されている点である。実施例2では、実施例1と同じ機能を有する部分に同じ符号を付して説明を省略した(以下同じ)。この実施例では、厚さ20〜30μmの高純度アルミナの絶縁膜11−1及び11−2が固体電解質層の間に配置されていることによって酸素濃度測定セル7の電極7−a、7−bと、第2酸素ポンピングセル8の電極8−a、8−bの間のリーク電流を完全に防止しているので、酸素濃度測定セル7の測定精度が高く、第1空隙部2内の酸素濃度を低い一定濃度に安定して保持でき、窒素酸化物濃度が低いときも高い窒素酸化物の検出精度が得られる。
【0041】
[実施例3]
図6は本発明の窒素酸化物濃度検出器の他の実施例、すなわち実施例3の平面図である。この検出器の寸法は、高さ(固体電解質層に垂直な方向)1.5mm、幅3.5mm、長さ5mmである。また、図7は図6の実施例のB−B’縦断面図である。実施例1との相違点は、第1空隙部2と第2空隙部4が上下方向に互いに概ね重なり合って配置されていることである。また、第1拡散通路1は、検出器の先端側でなく検出器の両側にあり、第2空隙部4には多孔質材料が充填されず、固体電解質5−1、5−2、5−3、5−4、5−5及び5−6の各相互間に絶縁膜11−1、11−2、11−3及び11−5がそれぞれ配置されており、各酸素セルの電極は互いに絶縁されている点である。なお、第2空隙部4には実施例2のように多孔質材料を充填してもよい。図7にはさらに、第1酸素ポンピングセル6の電源部15と電流計16、酸素濃度測定セル7のポテンショメータ17、第2酸素ポンピングセル8の電源部19と電流計18及び記録計21を備えたマイクロコンピュータ20が付設されている。この検出器の酸素濃度測定セル7の基準酸素濃度は、電極7−bとそのリード線が多孔質であることによって外部の空気に所定の拡散抵抗を介して連通されている。また、酸素濃度測定セル7に一定の微小電流を流す構成にすれば、電極7−bを自己生成基準極として、使用できる。この自己生成基準極の利点は基準とする酸素濃度が空気中の酸素濃度の変化に影響されにくいことである。
【0042】
[実施例4]
図8は、本発明の実施例に係る窒素酸化物濃度検出器を製造するときのレイアウトの一例を示す斜視図である。この場合、酸素濃度測定セル7に微小な一定電流を流せば電極7−bを自己生成基準極として使用可能である。
【0043】
図9は図6や図8の窒素酸化物濃度検出器に積層して使用する加熱ヒータであり、この加熱ヒータ24は固体電解質層5−7上にスクリーン印刷されたアルミナと白金の複合材料からなる発熱部22と、白金のリード線23からなる。この加熱ヒータ24は、たとえば図6に示された検出器の下方に積層され、一体化される。この発熱部22は第1空隙部2及び第2空隙部4と固体電解質層に垂直方向に投影したとき互いに概ね重なり合っている。この例では、加熱ヒータ24は高純度アルミナの絶縁膜11−6に挟まれており、第2酸素ポンピングセルの電極とは絶縁されている。
【0044】
[試験例1]
実施例2の窒素酸化物濃度検出器(図2の構成のもの)を使用し、1気圧の被測定ガスについての窒素酸化物の検出方法を以下に説明する。図10は、第1空隙部内に導入される温度が500℃、センサー温度が760℃でCOを10%含む被測定ガス中の窒素酸化物濃度を0ppmと1000ppmに変化させ、酸素濃度が7%、3%及び1%であるとき(残りのガスは窒素)、第1空隙部内の酸素濃度が1ppmに維持されるように第1ポンピングセルが制御された際の第1ポンピングセルに流れるポンプ電流Ip(mA)と被測定ガス中の酸素濃度との相関関係を示すグラフである。
【0045】
次に、被測定ガス中の酸素濃度を1%、3%、7%とし、第2酸素ポンピングセルに450mVの電圧を印加したときに流れるポンプ電流Ipと酸素濃度の相関関係を求め図11に示した。図11のグラフから、窒素酸化物濃度がゼロのときの第2酸素ポンピングセルの電流値Ipoを求めることができる。他方、窒素酸化物濃度とポンプ電流Ipの間には、図12に示す所定の函数関係(この例では直線関係)があるので、あらかじめ図10と図11に示されるデータを求めておけば、第1酸素ポンピングセルのポンプ電流Ipから被測定ガス中の酸素が求められ、図11からその酸素濃度のときのIpoを求めることができる。Ipoが決まれば、図12のグラフにポンプ電流Ipと窒素酸化物濃度との関係を示すほぼ直線状の函数曲線を引くことができるので、ポンプ電流Ipに基いて補正された精度のよい窒素酸化物濃度を検出することができる。なお、図11に示すポンプ電流Ipと酸素濃度との関係は窒素酸化物濃度検出器の設計仕様によっては図13に示すような場合もあるが、ポンプ電流Ipから求めた酸素濃度を用いて補正すれば良い点については同じである。
【0046】
[試験例2]
図14は実施例における窒素酸化物濃度検出器の使用状況を説明するためのグラフであり、縦軸が第1空隙部内及び第2空隙部内の温度(℃)、横軸が−log[O]で表される酸素濃度(%)である。そして図中の領域Aが窒素酸化物が安定な領域、領域Bが窒素酸化物が分解する領域である。図14の横方向の一点鎖線は酸素ポンピングセルが作動できる下限温度、△Taは温度差が小さい検出器の、△Tbは温度差が大きい検出器の第1空隙部内に存在する温度差の範囲である。また、[Oは第1空隙部内の酸素濃度の制御範囲、[Oは第2空隙部内の酸素濃度の範囲である。
【0047】
酸素濃淡電池の場合、酸素セルの電極間に発生する起電力eは、ファラデー常数をF、1モル当たりの気体常数をR、絶対温度をT、両極の酸素分圧をそれぞれP、Pとするとき、e=−(RT/nF)ln(P/P)で表される。酸素濃度測定セルでは、たとえば空気中の酸素分圧を基準にして第1空隙部内の酸素濃度を測定する。
【0048】
図2の実施例2や図6、図7の実施例3の窒素酸化物濃度検出器では、酸素濃度測定セルの電極と第2酸素ポンピングセルの電極との間に電流リークがないので、第1空隙部内の酸素濃度を精度よく制御でき、これによって第1空隙部内の酸素濃度を狭い範囲の一定値に制御できる。第1空隙部内の酸素濃度がばらつくと、ばらつきがそのまま窒素酸化物濃度の検出値に影響し、第1空隙部内の酸素濃度の変動量が即誤差となる。たとえば、第1空隙部内の酸素濃度が1ppm変動したとすると、数ppm程度の窒素酸化物濃度を検出するときの誤差としては影響が大きい。実施例2の窒素酸化物濃度検出器では、第1空隙部内の酸素濃度のばらつきを±0.01ppm程度以内に制御できる。また、第2空隙部4が多孔質材料で充填されていれば、第2空隙部の有効容積が小さく、第2酸素ポンピンセルのポンプ電流Ipが短時間で平衡値に到達する。したがって、窒素酸化物濃度を検出するときの応答性が良好である。
【0049】
空気中の酸素分圧を基準として酸素濃度測定セルで第1空隙部内の酸素濃度を監視しながら、第1空隙部内の酸素濃度を所定の[Oに制御するときに第1空隙部内に△Taの温度のばらつきがあっても、第1空隙部内の窒素酸化物が分解されることはない。しかし、第1空隙部内に△Tbの温度のばらつきがあると、第1空隙部内の一部の状態が領域Bにはみ出て窒素酸化物の一部が分解するため、第1空隙部内の被測定ガスを第2拡散通路を経て第2空隙部に送って酸素濃度を[Oに下げて窒素酸化物を完全に分解させても、既に窒素酸化物の一部が既に分解していて窒素酸化物の濃度を精度よく測定できない。
【0050】
[試験例3]
図6と図7に示した実施例3の窒素酸化物濃度検出器を、被測定ガスが流れるガソリン内燃機関の排ガス管に設けた穴から挿入し、窒素酸化物濃度を検出した。この検出器では、検出器を固体電解質層に垂直な方向に投影したとき、第1空隙部、第2空隙部及び発熱部が互いに概ね重なり合う位置にあるので、管の壁に設けた穴から検出器の測定部を管内に挿入して管内を流れる被測定ガスの窒素酸化物濃度を検出するとき、第1空隙部、第2空隙部及び酸素濃度測定セルが管の壁からほぼ等距離にあり、管内の温度分布に起因する温度差がほとんど発生しないことが分かった。
【0051】
また、第1空隙部が細長くない形状とされているので、第1空隙部内における温度差が小さく、第1空隙部中の酸素濃度を高精度に制御できた。これによって所定の低酸素濃度になった被測定ガスを第2拡散通路から第2空隙部に送って被測定ガス中の窒素酸化物濃度が検出されるので、窒素酸化物濃度を高精度に検出できた。また、加熱ヒータの面状の発熱部が第1空隙部、第2空隙部及び酸素濃度測定セルと投影図上で重なり合う位置にあるので、検出器のセンサー部の加熱が容易であり、センサー部の温度を所定値に保持するのに要する加熱ヒータの消費電力量を節減できることが分かった。なお、図9に示した構成の加熱ヒータを2枚用いてセンサ部を間に配置するサンドイッチ構造とすることも好ましく、図15にその一例を示す。上下の加熱ヒータ32と第1、第2ポンピングセルとの間には、外気に連通する排気通路31が設けられ、各ポンピングセルから抜き取った酸素ガスを排出できる。加熱ヒータ32の基部はセメント等の接着層33で各ポンピングセルの基部に接着される。なお、酸素濃度測定セル7の第1測定室に対向する側の電極は内部基準電極をなし、その多孔質電極と多孔質リード部を介して外気に連通される。
【0052】
また、図7の実施例3に示したように、記録計等を備えるマイクロコンピュータに検出器を接続し、センサー部の酸素濃度や温度等の測定や制御を行なうと同時に、出力された第1ポンプ電流Ipと第2ポンプ電流Ipの値から、あらかじめ標準ガスについて求めたデータに基き補正計算をマイクロコンピュータに実行させれば、補正された精度の高い窒素酸化物濃度の検出値がオンタイムで得られ、マイクロコンピュータを内燃機関の制御系と接続すれば内燃機関の運転制御に即使用できることが分かった。
【0053】
[比較例1]
図3と図4に示した構成の従来の窒素酸化物濃度検出器を用いて窒素酸化物濃度の検出を試みた。その結果、窒素酸化物濃度検出器を正常に機能させられる検出器の温度の設定範囲が狭いことが分かった。その理由は、窒素酸化物濃度検出器の第1空隙部が細長いことによって第1空隙部内に温度差が存在するためであると推定された。また、低い窒素酸化物濃度の被測定ガス中の窒素酸化物濃度を測定するときには、従来の窒素酸化物濃度検出器の検出精度が本発明の窒素酸化物濃度検出器の検出精度と比べて顕著に劣ることを認めた。
【0054】
[実施例5及び比較例2]
図18は、本発明の実施例5に係る窒素酸化物濃度検出器を長手方向に沿って切断した断面図である。図18に示す本発明の実施例5に係る窒素酸化物濃度検出器の特徴部分の概略構成は、図17の左側(実施形態のNOセンサ)に図示した通りであって、発明の実施の形態の欄で説明した通り、第2拡散孔(第2拡散通路)3と大きく離間して、第1拡散孔(第1拡散通路)1が計2カ所設けられ、酸素分圧検知電極7は第1測定室2底面全体の面積に対して小さく(第1測定室2の全長に対して短く)、第1拡散孔1と離間して、かつ第2拡散孔3の周囲(近傍)のみに設けられている。一方、比較例であるタイプ4の検出器は、図17の右側図を参照して発明の実施の形態の欄で説明した通り、被測定ガスを第1測定室に流入させるための4つの第1拡散孔1が第2拡散孔3の近くに設けられ、第1測定室2底面のほぼ全面に第1拡散孔1に接して酸素分圧検知電極7−aが設けられているものである。また、実施例5に係る窒素酸化物濃度検出器の構成が、図1などに示した実施例の検出器と異なる点は、第1拡散孔1が第1測定室2の短手方向に対向して設けられ、第2拡散孔3が第1拡散孔1と離間して検出器(第1測定室2)端部側に設けられ、Pt線からなるヒータは別体で素子を挟むように設けられ、第1拡散孔1と酸素分圧検知電極7との距離が所定値に規定されたことである。
【0055】
図17の紙面上に示す第1拡散孔1と酸素分圧検知電極7−aとの距離Aを表1に示す通り変えたタイプ1〜3の検出器を作製した。比較例であるタイプ4の検出器の形状は、第1拡散孔1及び酸素分圧検知電極7−aの形態、相互配置関係以外はタイプ1〜3の検出器の形状と同一である。検出器の外形は、高さ(第2拡散孔の延在する方向)1.35mm、短手方向の幅(第1拡散孔の延在する方向)4.1mm、長手方向の長さ(第1測定室の延在する方向)45mmであり、第1拡散孔1の図17中上下方向の幅は2.4mm、第2拡散孔3の孔径は1.1mmである。タイプ1〜4の酸素分圧検知電極7−a(図17参照)の寸法(図17中上下方向×図17中左右方向)は、タイプ1が6.9×2.2mm、タイプ2〜4が2.0×2.2mm、厚みはいずれも10〜20μmである。
【0056】
【表1】
Figure 0003587282
【0057】
[試験例4]
タイプ1〜4の検出器を用いて、酸素濃度検出電位Vs、及び第2酸素ポンピングセルのポンプ電流Ipを測定した。測定条件は、酸素濃度検出電位Vsと第2酸素ポンピングセルのポンプ電流Ipのゲインとの相関を測定する場合、排ガス温度を300℃、検出器温度を800℃、排ガス中の酸素濃度を7%、NO=1500ppmとした。酸素濃度とIpの相関を測定する場合、排ガス温度を300℃、検出器温度を800℃、排ガス中の酸素濃度を1,4及び,7%、NO=0ppmとした。ヒータ電力とIpの相関を測定する場合、排ガス温度を300℃、排ガス中の酸素濃度を7%、NOを0ppmとした。検出器温度はヒータ電圧(電力)により変化し、ヒータ電力16Wで検出器温度800℃に相当する。なお、Ipのゲインとは、“NO:1500ppm(所定濃度)を投入した際のIpの変化量(μA)である”。ゲインはNOガス濃度測定感度をあげるため高い方が好ましく、外的要因によって変動しないことが望ましい。Ipのオフセットとは、“NOを投入していない場合のIpの値(μA)であり、第1測定室で汲み残した残留酸素濃度に相当する。オフセット値はより小さい方が好ましく、またいろいろな外的要因、例えば被測定ガス雰囲気中の酸素濃度及び温度等の変動に対しより鈍感で変動し難いことが望ましい。表2及び図19に、検出器タイプ1〜4における酸素濃度検出電位Vsと第2酸素ポンピングセルのポンプ電流(窒素酸化物濃度検出電流)Ipのゲインとの相関を示す。表3及び図20に、検出器タイプ1〜4における酸素濃度とIpの相関を示す。さらに、表4及び図21に、ヒータ電力とIpの相関を示す。
【0058】
【表2】
Figure 0003587282
【0059】
表2及び図19に示した通り、酸素分圧検知電極7−aが第1拡散孔1から遠くに且つ第2拡散孔3の周囲に小さな面積で設けられた検出器ほど、酸素濃度検出電位Vsの変化に対する第2酸素ポンピングセルのポンプ電流Ipのゲインの変化が小さいこと、またゲインが大きくNOガス濃度測定感度が高いことが分かる。
【0060】
【表3】
Figure 0003587282
【0061】
表3及び図20に示した通り、酸素分圧検知電極7−aが第1拡散孔1から遠くに且つ第2拡散孔3の周囲に小さな面積で設けられた検出器ほど、酸素濃度に対する窒素酸化物濃度検出電流Ipの値及び変動が小さく外乱に影響されにくい検出器であることが分かる。
【0062】
【表4】
Figure 0003587282
【0063】
表4及び図21に示した通り、酸素分圧検知電極7−aが第1拡散孔1から遠くに且つ第2拡散孔3の周囲に小さな面積で設けられたタイプ1の検出器の方が、素子温度に対する窒素酸化物濃度検出電流Ipの値及び変動が小さく、外乱に影響されにくい検出器であることが分かる。比較例であるタイプ4の検出器によれば、窒素酸化物濃度検出電流Ipの値が大きく、素子温度に対するIpの変動が大きくなり、しかも極小値を有している。
【0064】
以上の結果より、タイプ1〜4の順に(タイプ1の方がよい)、Ipのゲイン変動が小さく、かつオフセット値及びその変動が低く、素子温度変動の影響が少なく、正確な窒素酸化物濃度測定が可能な検出器であることが分かった。また、第1拡散孔と酸素分圧検知電極との距離A=1.5mm以上の検出器が好ましく、さらにA=3mm以上の検出器が好ましいことが分かった。なお、1.5mm以上の任意のAの値を有する検出器も好ましい。
【0065】
また、第1測定室の長手方向(第1拡散孔から第2拡散孔へ向かう方向、図17中上下方向)に、第1拡散孔と酸素分圧検出電極とを、酸素分圧検出電極の第1測定室長手方向の長さの2/3、好ましくは同距離以上、離間して配置することが好ましいと考えられる。
【0066】
[製造例]
図18などに示した窒素酸化物濃度検出器の製造方法及びレイアウトを説明する。図22は、窒素酸化物濃度検出器の製造方法及びレイアウトを説明するための図である。なお、図18及び下記の説明により、他の実施例及び比較例の検出器のレイアウト及び製造工程も容易に理解される。
【0067】
図22を参照して、図中左上から左下、そして右上から右下の順にZrOシート及び電極用ペーストなどが積層されて、一体の検出器が作成される。絶縁コート、電極などペースト材料は、所定のZrOシートにスクリーン印刷されることにより、積層形成される。次に、図22に示したZrOシートなど各構成部品の製造例を説明する。
【0068】
[ZrOシート成形]
【0069】
ZrO粉末を600℃×2時間、大気炉にて仮焼した。仮焼したZrO粉末30kg、分散材150g、有機溶剤10kg、玉石60kgをトロンメルにて調合し、約50時間混合し、分散させ、これにバインダー4kgを有機溶剤10kgに溶解させたものを添加し、20時間混合して10Pa・s(パスカル・セカンド)程度の粘度を有するスラリーを得た。このスラリーからドクターブレード法により、厚さ0.4mm程度のZrOグリーンシートを作成し、100℃×1時間乾燥した。
【0070】
[印刷用ペースト]
【0071】
(1)第1酸素イオンポンプ電極a、酸素分圧検出電極(酸素基準電極)a、第2酸素イオンポンプ電極a、b用: 白金粉末20g、ZrO粉末2.8g、適量の有機溶剤を、らいかい機(或いはポットミル)にて調合し、4時間混合し、分散させ、これにバインダー2gを有機溶剤20gに溶解させたものを添加し、さらに粘度調整剤5gを添加し、4時間混合して粘度150Pa・s程度のペーストを作成した。
【0072】
(2)第1酸素イオンポンプ電極b、酸素分圧検出電極(酸素基準電極)b用:白金粉末19.8g、ZrO粉末2.8kg、金粉末0.2g、適量の有機溶剤を、らいかい機(或いはポットミル)にて調合し、4時間混合し、分散させ、これにバインダー2gを有機溶剤20gに溶解させたものを添加し、さらに粘度調整剤5gを添加し、4時間混合して粘度150Pa・s程度のペーストを作成した。
【0073】
(3)絶縁コート、保護コート用: アルミナ粉末50gと適量の有機溶剤を、らいかい機(或いはポットミル)にて調合し、12時間混合し、溶解させ、さらに粘度調整剤20gを添加し、3時間混合して粘度100Pa・s程度のペーストを作成した。
【0074】
(4)Pt入り多孔質用(リード線用): アルミナ粉末10g、白金粉末1.5g、バインダ2.5g、有機溶剤20gを、らいかい機(或いはポットミル)にて調合し、4時間混合し、さらに粘度調整剤10gを添加し、4時間混合して粘度100Pa・s程度のペーストを作成した。
【0075】
(5)第1拡散孔用: 平均粒径2μm程度のアルミナ粉末10g、バインダ2g、有機溶剤20gを、らいかい機(或いはポットミル)にて調合し、混合し、分散させ、さらに粘度調整剤10gを添加し、4時間混合して粘度400Pa・s程度のペーストを作成した。
【0076】
(6)カーボンコート用: カーボン粉末4g、バインダ2g、有機溶剤40gを、らいかい機(或いはポットミル)にて調合し、混合し、分散させ、さらに粘度調整剤5gを添加し、4時間混合してペーストを作成した。なお、カーボンコートを印刷形成することにより、一例を挙げれば、第1酸素ポンプ電極bと酸素基準電極bとの接触が防止される。また、カーボンコートは第1測定室及び第2測定室を形成するために用いられる。カーボンは焼成途中で焼失するので、カーボンコート層は焼成体には存在しない。
【0077】
[ペレット体]
【0078】
第2拡散孔用: 平均粒径2μm程度のアルミナ粉末20g、バインダ8g、有機溶剤20gを、らいかい機(或いはポットミル)にて調合し、1時間混合し、造粒し、金型プレスにて約2t/cm圧を加えφ1.3×0.8tの円柱状のプレス成形体(グリーン状態)を作成した。このグリーン状態のプレス成形体を、2、3層目のジルコニアグリーンシートの所定箇所に挿入され、圧着して一体化した後、焼成することにより、検出器中に第2拡散孔を形成する。
【0079】
[ZrO積層方法] 2、3層目圧着後、第2拡散孔が貫通する部分(φ1.3)を打ち抜く。打ち抜き後、第2拡散孔となるグリーン円柱状成形体を埋め込み、1〜4層のZrOシートを加圧力:5kg/cm、加圧時間:1分で圧着する。
【0080】
[脱脂及び焼成] 圧着した成形体を、400℃×2時間脱脂し、1500℃×1時間焼成する。
【0081】
【発明の効果】
本発明の第1の視点における窒素酸化物濃度検出器を使用すれば、酸素濃度測定セルと酸素ポンピングセルが異なる固体電解質層に設けられているので、酸素濃度測定セルの電極と酸素ポンピングセルの電極との間に流れるリーク電流が僅か又は電極間が絶縁されていることによってリーク電流が全く流れないので酸素濃度の測定精度がよく、第1空隙部中の酸素濃度を精度よく制御できる。これによって、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度が低いときにも、窒素酸化物濃度を精度よく実用的レベルにおいて安定して検出できる。前記第2空隙部の有効容積が前記第1空隙部の有効容積の50%以下であることにより、窒素酸化物検出器が窒素酸化物を検知する応答性が顕著に向上する。
【0082】
また、本発明の第2の視点における窒素酸化物濃度の検出方法によれば、被測定ガス中に含まれる酸素濃度による窒素酸化物濃度の検出値に対する影響を補正して除くことができ、さらに精度の高い検出値を安定して得ることができる。また、マイクロコンピュータを窒素酸化物濃度検出器に付設しておくことによって、補正された窒素酸化物濃度の検出値をオンタイムで得ることができ、内燃機関などの燃焼機の制御系への接続が可能となる。
【0083】
本発明の第3の視点によれば、酸素濃度測定セルの電極が、前記第2拡散通路の開口が形成された前記固体電解質層の層面であって前記第1空隙部を区画する壁面に部分的に、かつ第2拡散通路の近傍に設けられたことにより、又は、少なくとも第1空隙部側の酸素濃度測定セルの電極が、第1拡散通路から離間されて第2拡散通路の近傍に設けられたことにより、第1測定室の残留酸素濃度の測定が正確に行えるため、窒素酸化物が分解しないように第1測定室の残留酸素濃度を一層低下させることが可能となり、これにより、窒素酸化物濃度測定の酸素濃度依存性、温度依存性を大幅に低下させることができる。さらに、同一平面上において、前記酸素濃度測定セルの電極と前記第1拡散通路の出口との距離を所定範囲にすることにより、上記効果が確実に得られる。
【0084】
各従属請求項に本発明の好適な実施の態様を規定した。上述の第1、第2、第3の視点における基本的効果に、夫々の態様に基づくさらに好ましい利点・効果が付加される。その詳細は発明の実施の形態及び実施例に記載したのでここでは記載を省く。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒素酸化物濃度検出器の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の窒素酸化物濃度検出器の他の一実施例を示す縦断面図である。
【図3】従来の窒素酸化物濃度検出器の一例を示す平面図である。
【図4】図3の窒素酸化物濃度検出器のA−A’の拡大断面図である。
【図5】従来の空燃比センサを中央で切断した断面を示す斜視図である。
【図6】本発明の窒素酸化物濃度検出器の他の一実施例を示す平面図である。
【図7】図6のB−B’拡大縦断面図に制御系の系統図を付記した図である。
【図8】図6の窒素酸化物濃度検出器を製造するときのレイアウトの斜視図である。
【図9】図6の窒素酸化物濃度検出器に取り付けられる加熱ヒータの平面図である。
【図10】本発明の一実施例に係る窒素酸化物濃度検出器(図2の構成)において、異なった窒素酸化物濃度における第1ポンピングセルのポンプ電流Ipと被測定ガス中の酸素濃度との相関関係の一例を示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施例に係る窒素酸化物濃度検出器(図2の構成)を用い、酸素濃度と窒素酸化物濃度を変え、第2ポンピングセルに450mVの電圧を印加したときの酸素濃度との相関関係の一例を示すグラフである。
【図12】本発明の他の実施例に係る窒素酸化物濃度検出器(図2の構成)における、被測定ガス中の窒素酸化物濃度とポンプ電流Ipとの関係の一例を示すグラフである。
【図13】図11の場合と異なった設計仕様の本発明の別の実施例に係る窒素酸化物濃度検出器における、酸素濃度とIpの相関関係の一例を示すクラフである。
【図14】本発明の実施例に係る窒素酸化物濃度検出器の使用状況を説明するためのグラフである。
【図15】本発明の窒素酸化物濃度検出器の更に他の実施例を示す断面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る窒素酸化物濃度検出器の測定原理を説明するための概略構成図であって、検出器を短手方向に沿って切断した断面図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る及び更に別の実施例(実施例5)に係る窒素酸化物濃度検出器の概略構成を説明するための、被測定ガスが流入する第1測定室を固体電解質層面に沿って切断した断面を示す図であり、図中左側にはこの実施例に係るNOセンサ(窒素酸化物濃度検出器)、右側には比較例(比較例2)のNOセンサを示す。
【図18】本発明の更に別の実施例(実施例5)に係る窒素酸化物濃度検出器を長手方向に沿って切断した断面図である。
【図19】本発明の更に別の実施例(実施例5)及び比較例に係る窒素酸化物濃度検出器による、酸素濃度検出電位Vsと第2酸素ポンピングセルのポンプ電流Ipのゲインとの相関を示すグラフである。
【図20】本発明の更に別の実施例(実施例5)及び比較例(比較例2)に係る窒素酸化物濃度検出器による、酸素濃度とIpの相関を示すグラフである。
【図21】本発明の更に別の実施例(実施例5)に係る窒素酸化物濃度検出器による、ヒータ電力とIpの相関を示すグラフである。
【図22】本発明の実施例に係る窒素酸化物濃度検出器の製造方法及びレイアウトを説明するための図である。
【符号の説明】
1:第1拡散通路、第1拡散孔
2:第1空隙部、第1測定室
3:第2拡散通路、第2拡散孔
4:第2空隙部、第2測定室
5−1、・・・、5−6、5−7:ジルコニアの固体電解質層
6:第1酸素ポンピングセル、第1酸素イオンポンプセル
6−a、6−b:第1酸素ポンピングセルの多孔質電極
7:酸素濃度測定セル、
7−a、7−b:酸素濃度測定セルの多孔質電極、酸素分圧検知電極
8:第2酸素ポンピングセル、第2酸素イオンポンプセル
8−a、8−b:第2酸素ポンピングセルの多孔質電極
9:大気導入部
10:加熱ヒータ
11−1、・・・、11−5、11−6、11−7:高純度アルミナの絶縁膜
12:アルミナの絶縁層
15:第1酸素ポンピングセルの電源部
16:第1酸素ポンピングセルの電流計
17:ポテンショメータ
18:第2酸素ポンピングセルの電流計
19:第2酸素ポンピングセルの電源部
20:マイクロコンピュータ
21:記録計
22:発熱部
23:白金のリード線
24:加熱ヒータ
A:第1拡散孔と第1測定室内部側の酸素分圧検知電極との距離

Claims (25)

  1. 固体電解質層に一対の多孔質電極を備えてなる第1酸素ポンピングセル及び酸素濃度測定セルを有する第1空隙部と、固体電解質層に一対の多孔質電極を備えてなる第2酸素ポンピングセルを有する第2空隙部と、前記第1空隙部を被測定ガス側に連通する第1拡散通路と、前記第1空隙部を前記第2空隙部に連通する第2拡散通路とを備える固体電解質層が積層されてなる窒素酸化物濃度検出器であって、
    前記第1酸素ポンピングセル、前記酸素濃度測定セル及び前記第2酸素ポンピングセルがいずれも互いに異なる固体電解質層に設けられ
    前記第2空隙部の有効容積が前記第1空隙部の有効容積の50%以下であることを特徴とする窒素酸化物濃度検出器。
  2. 固体電解質層の間に設けられた絶縁膜又は絶縁層によって、前記酸素濃度測定セルの電極が前記第1酸素ポンピングセル及び前記第2酸素ポンピングセルの電極と電気的に絶縁されている請求項1に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  3. 前記絶縁膜又は前記絶縁層がアルミナセラミックスである請求項1又は2に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  4. 窒素酸化物濃度検出器を固体電解質層に垂直な方向に投影したとき、前記第1空隙部と前記第2空隙部とが互いに概ね重なり合う位置にあり、前記第1空隙部と前記第2空隙部の間の固体電解質層を貫通して固体電解質層に垂直な方向に伸びる前記第2拡散通路によって該第1空隙部と該第2空隙部とが連通されている請求項1〜のいずれかに記載の窒素酸化物濃度検出器。
  5. 前記第2空隙部が多孔質材料で充填されている請求項1〜のいずれかに記載の窒素酸化物濃度検出器。
  6. 前記第2酸素ポンピングセルの前記第2空隙部側に設けた多孔質の電極が白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、レニウムから選ばれるいずれかの金属又はその合金からなり、他の電極が白金又は白金合金からなる請求項1〜のいずれかに記載の窒素酸化物濃度検出器。
  7. 前記第1空隙部に設けた多孔質の電極が、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、レニウムから選ばれるいずれかの金属又はその合金からなる請求項1〜のいずれかに記載の窒素酸化物濃度検出器。
  8. 前記第1空隙部に設けた多孔質の電極が、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、レニウムから選ばれるいずれかの金属又はその合金と、Ag,Au,Ni,Co,Cr,Fe,Mn,Cu,Ti,Al,Pb,Zn,Sn,Inから選ばれる少なくとも1種とを含有する請求項1〜のいずれかに記載の窒素酸化物濃度検出器。
  9. 積層された固体電解質層に面状の発熱部を有する加熱ヒータを設けた層が積層され、窒素酸化物濃度検出器を固体電解質層に垂直な方向に投影したとき前記第1空隙部、前記第2空隙部及び前記面状の発熱部が互いに概ね重なり合う位置にある請求項に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  10. 前記加熱ヒータを設けた層を複数設け、積層された固体電解質層を挟むように配設されている請求項に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  11. 前記加熱ヒータを設けた層と固体電解質層との間に、前記第1空隙部及び前記第2空隙部の少なくとも一方から抜き取られた酸素を排出するための排気路が設けられている請求項に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  12. 前記加熱ヒータの発熱部がセラミックスと白金又は白金合金の複合材料からなり、前記加熱ヒータのリード部が白金又は白金合金からなり、前記加熱ヒータのリード部の常温抵抗値が該加熱ヒータ全体の常温抵抗値の30%以下である請求項9〜11のいずれかに記載の窒素酸化物濃度検出器。
  13. (a)固体電解質層と一対の多孔質電極を備えた第1酸素ポンピングセル及び酸素濃度測定セルを有する第1空隙部と、固体電解質層に一対の多孔質電極を備えた第2酸素ポンピングセルを有する第2空隙部と、前記第1空隙部を被測定ガス側と連通する第1拡散通路と、前記第1空隙部を第2空隙部に連通する第2拡散通路とを備える固体電解質層が積層されてなるとともに、前記第1酸素ポンピングセル、前記酸素濃度測定セル及び前記第2酸素ポンピングセルがいずれも異なる固体電解質層に設けられている窒素酸化物濃度検出器を用意すること、
    (b)前記第1拡散通路を通して前記第1空隙部に導入した被測定ガスから窒素酸化物が実質的に分解しない所定の低酸素濃度まで、前記酸素濃度測定セルで酸素濃度を測定しつつ前記第1酸素ポンピングセルによって該第1空隙部から酸素を抜き取ること、
    (c)所定の低酸素濃度とした被測定ガスを前記第2拡散通路を通して前記第2空隙部に導入すること、
    (d)前記第2空隙部に設けられた前記第2酸素ポンピングセルに所定電圧を印加して該第2空隙部内の被測定ガス中の窒素酸化物を分解しつつ酸素を抜き取ること、
    (e)このとき前記第2酸素ポンピングセルに流れるポンプ電流Ip2に基いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度を検出すること、
    被測定ガス中の酸素濃度が窒素酸化物濃度の検出値に及ぼす影響を、あらかじめ酸素の濃度と窒素酸化物の濃度が異なり、かつ既知である標準ガスを用いて測定したデータに基いて補正することを特徴とする窒素酸化物濃度の検出方法。
  14. 前記データが、(1)前記標準ガスを用いて前記酸素濃度測定セルで前記第1空隙部内の酸素濃度を監視しつつ前記第1酸素ポンピングセルで該第1空隙部内の酸素濃度を窒素酸化物が実質的に分解されない低濃度に保つときの被測定ガス中の酸素濃度と該第1酸素ポンピングセルのポンプ電流Ip1との関係、
    (2)窒素酸化物濃度がゼロのときのO2濃度と前記第2空隙部から酸素を抜き取る前記第2酸素ポンピングセルのポンプ電流Ip2oとの関係、及び
    (3)測定対象とする被測定ガスと同レベルの酸素濃度を有し、異なる窒素酸化物濃度を有する標準ガスについて求めた窒素酸化物濃度と前記第2酸素ポンピングセルのポンプ電流Ip2との関係
    である請求項13に記載の窒素酸化物濃度の検出方法。
  15. 被測定ガス中の酸素濃度が変化しても、窒素酸化物濃度とポンプ電流Ip2の間に所定の函数関係があると仮定し、あらかじめマイクロコンピュータのメモリーに蓄積した前記データに基きマイクロコンピュータで演算して補正した窒素酸化物濃度を求める請求項13に記載の窒素酸化物濃度の検出方法。
  16. 前記酸素濃度測定セルの電極は、前記第2拡散通路の開口が形成された前記固体電解質層の層面であって前記第1空隙部を区画する壁面に部分的に、かつ前記第2拡散通路の近傍に設けられたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の窒素酸化物濃度検出器。
  17. 少なくとも前記第1空隙部側の酸素濃度測定セルの電極が、前記第1拡散通路から離間されて前記第2拡散通路の近傍に設けられたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の窒素酸化物濃度検出器。
  18. 同一平面上において、少なくとも前記第1空隙部側の酸素濃度測定セルの電極と前記第1拡散通路の出口との距離が略1.5mm以上であることを特徴とする請求項16又は17に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  19. 前記第1及び第2酸素ポンピングセルの一対の多孔質電極が固体電解質層を挟んでその両側に配されることを特徴とする請求項1〜12及び16〜18の一に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  20. 前記固体電解質層は薄板状ジルコニアからなることを特徴とする請求項1〜12及び16〜19の一に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  21. 前記第2空隙部が、前記酸素濃度測定セルが挟持される固体電解質層を貫通して配設され、前記第2酸素ポンピングセルが前記酸素濃度測定セルの固体電解質層に隣接する固体電解質層を挟んで配設されることを特徴とする請求項1〜12及び16〜20の一に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  22. 前記第2酸素ポンピングセルの外側電極が外気に連通する通路に露出することを特徴とする請求項21に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  23. 前記酸素濃度測定セルが、第2酸素ポンピングセルの固体電解質層を横切って延びる通路部分を介して、前記通路に露出することを特徴とする請求項22に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  24. 前記第1拡散通路は、検出器本体の少なくとも一側面に開口することを特徴とする請求項1〜12及び16〜23の一に記載の窒素酸化物濃度検出器。
  25. 少なくとも一つの加熱ヒータが、検出器の外部に連通する通路を残して第1及び第2酸素ポンピングセルの少なくとも一方の外側多孔質電極を覆って配設されたことを特徴とする請求項1〜12及び16〜24の一に記載の窒素酸化物濃度検出器。
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