JP3587108B2 - 生ごみ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物の力を利用して生ごみを分解処理するための生ごみ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、微生物の力を利用して有機物及び水分を有する生ごみを環境に影響を与えない程度に分解処理(発酵)することが行われており、このようにして生ごみ処理を行うための生ごみ処理装置が知られている。この生ごみ処理装置は、生ごみ処理槽内にバイオチップと称される木質細片などの担体を生ごみ処理材として充填してあり、生ごみ処理槽に設けた生ごみ投入口から生ごみを生ごみ処理槽内に投入し、生ごみ処理材に生息する微生物の働きで生ごみを発酵させて分解処理するようになっている。生ごみの微生物による分解反応は、温度、酸素、水分等の要因に大きく影響され、上記要因のどれか一つが適正範囲外でも分解は進まない。そのため、生ごみ処理材を収納した生ごみ処理槽内の環境を分解に好適な条件に保つ必要がある。
【0003】
家庭用の生ごみ処理装置のように小型のものにおいては、生ごみ処理材の内部への酸素の供給が十分に行われないのは水分過剰の場合が殆どである。そこで含水率センサを用いて水分調整を行う制御は特開平8−57458号などにより知られている。しかし、水分量のみを指標として制御を行うと、業務用生ごみ処理装置のように大型のものでは、生ごみ処理材の深さが深くなるため撹拌が十分に行われずに酸素不足になりやすいという傾向にある。
【0004】
一方、酸素要求量の指標として温度を用いて制御することが考えられるが、水分を検知できないと過乾燥又は水分過剰により良好な分解が行われない。
【0005】
したがって、一般的には安全側の設定として通風量、加熱量及び撹拌頻度を大きめに設定することになる。そのため、生ごみ量が定格より少ないときには常に生ごみ処理材が乾燥気味となり、撹拌及び通風動力を無駄に消費してしまうことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、水分量、酸素要求に応じた制御を行い、良好な分解を維持することができる生ごみ処理装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る生ごみ処理装置は、生ごみ処理槽1内に微生物が生息した生ごみ処理材を収容し、生ごみと共に撹拌して発酵分解処理する生ごみ処理装置2において、生ごみ処理材を撹拌するための撹拌手段9と、生ごみ処理材を加熱するための生ごみ処理材加熱手段21と、生ごみ処理槽1の排気を排出するための排気手段19と、生ごみ処理材の含水率を検知するための含水率検知手段4と、生ごみ処理材の温度を検知するための生ごみ処理材温度検知手段3とを設け、含水率検知手段4により検知した生ごみ処理材の水分量の指標となる生ごみ処理材の含水率のみに基づいて排気手段19による排気風量と生ごみ処理材加熱手段21による加熱とを制御して運転する水分除去モードと、生ごみ処理材温度検知手段3により検知した生ごみ処理材の分解に要する酸素要求量の指標となる生ごみ処理材の温度のみに基づいて撹拌手段9による撹拌頻度を制御して運転する酸素要求モードとを有し、前記水分除去モードと酸素要求モードとを同時に運転する制御を行う制御手段25を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、生ごみ処理材の温度が低いと生ごみ処理材の分解に要する酸素要求量が少ないとみなして撹拌頻度を少なくし、生ごみ処理材の温度が高いと生ごみ処理材の分解に要する酸素要求量が多いとみなして撹拌頻度を多くするように制御し、また、生ごみ処理材の含水率が高いと水分を多く飛ばして排出する必要があるので生ごみ処理材加熱手段21による加熱温度を上げるとともに排気手段19の風量を上げて生ごみ処理材の含水率が低下するように制御し、また、生ごみ処理材の含水率が低いと生ごみ処理材加熱手段21による加熱温度を低下させるか又はオフとするとともに排気手段19による排気風量を低下させるものである。そして、上記生ごみ処理材温度検知手段3及び含水率検知手段4により検出した生ごみ処理材の温度と含水率に基づく制御は同時に行われるものであり、例えば、含水率が高くて生ごみ処理材加熱手段21による加熱温度を上げて生ごみ処理材の温度を上げると、生ごみ処理材温度検知手段3によりこれを検知するので、撹拌手段9の撹拌頻度が高くなるように制御し、また、生ごみ処理材が乾燥していて含水率が低くても分解が進んで温度が高い場合には撹拌手段9の撹拌頻度が高くなるように制御して分解をより進めるようにするものである。
【0008】
また、生ごみ処理槽1内の炭酸ガス濃度を検知する炭酸ガス検知手段6を設け、炭酸ガス検知手段6により検知した炭酸ガス濃度により生ごみ処理材の温度を求めて撹拌手段9による撹拌頻度を制御する制御手段25を設けることが好ましい。つまり、生ごみの分解過程における生ごみ処理材の温度と生ごみ処理槽内の炭酸ガス濃度との間には正の相関関係があり、したがって、炭酸ガス濃度を検知することで生ごみ処理材の温度を検知することができるものである。
【0009】
また、生ごみ処理槽1内の酸素濃度を検知する酸素検知手段7を設け、酸素検知手段7により検知した酸素濃度により生ごみ処理材の温度を求めて撹拌手段9による撹拌頻度を制御する制御手段25を設けることが好ましい。つまり、生ごみの分解過程における生ごみ処理材の温度と生ごみ処理槽1内の酸素濃度とには負の相関関係があり、したがって、酸素濃度を検知することで生ごみ処理材の温度を検知することができるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
生ごみ処理装置2は図1に示すようなものである。
【0012】
すなわち図1に示すように、ハウジング8内に生ごみ処理槽1を内装して生ごみ処理装置2が構成してある。生ごみ処理槽1内には撹拌羽根9aを有する撹拌軸9bが架設してあり、モータ30により撹拌軸9bが回転するようになっている。そして、この撹拌羽根9a、撹拌軸9bにより撹拌手段9が構成してある。生ごみ処理槽1内には微生物が生息したバイオチップと称されるおが屑状の木質細片のような担体よりなる生ごみ処理材が充填してある。ハウジング8の上面には生ごみ投入口10が設けてあり、生ごみ投入口10に開閉自在な蓋11が設けてあり、蓋11を開けて生ごみ投入口10から生ごみ処理槽1の上開口を経て生ごみ処理槽1内に生ごみを投入することができるようになっている。
【0013】
図1に示すように、生ごみ処理槽1の一側部の上部には吸気ダクト12が設けてあり、他側部の上部には排気経路13の始端となる排気部14が設けてあり、この排気部14には着脱自在にフィルタ15が設けてある。
【0014】
排気経路13の途中には加熱脱臭部16と熱交換部17とを備えた脱臭装置18が設けてある。また、排気経路13の脱臭装置18よりも下流側にはファンよりなる排気手段19が設けてある。排気経路13は生ごみ処理槽1内の排気を排気部13から熱交換部17を経て加熱脱臭部16に排気を流す上流側流路13aと、加熱脱臭部16で脱臭された排気を熱交換部17、排気手段19を経て終端の排気口20に排出する下流側流路13bとにより構成してある。ここで、熱交換部17において上流側流路13aを流れる排気と下流側流路13bを流れる排気とは互いに逆方向の流れ、つまり、対向流となるように熱交換部17内において上流側流路13aを流れる排気と下流側流路13bを流れる排気の各流れを設定してある。
【0015】
加熱脱臭部16はヒータと白金触媒のような触媒とを有しており、加熱脱臭部16はアルミニウム等の熱伝導性がよく、また、アンモニア等の臭気で腐敗しない材料により形成してある。
【0016】
上記の加熱脱臭部16と熱交換部17とを備えた脱臭装置18を含む排気経路13はハウジング8と生ごみ処理槽1との間の隙間空間内に配置してある。ハウジング8の底板8aには上記隙間空間に開口する外気取り入れ口22が設けてある。また、生ごみ処理槽1の排気部14を設けた側面部と同じ側面部には更に吸気経路の処理槽入口24が設けてあり、吸気ダクト12の一端部が上記処理槽入口24に連通接続してある。吸気ダクト12には吸気口26が設けてある。
【0017】
そして、本発明においては、外気取り入れ口22→ハウジング8と生ごみ処理槽1との間の隙間空間→処理槽入口24→吸気ダクト12→吸気口26という順路で生ごみ処理装置2の外部から生ごみ処理槽1内に新鮮な外部空気が供給されるようになっていて、外気取り入れ口22→ハウジング8と生ごみ処理槽1との間の隙間空間→処理槽入口24→吸気ダクト12→吸気口26という一連の流路が吸気経路となっている。
【0018】
生ごみ処理槽1の側壁の下部には図1に示すように生ごみ処理槽1内の生ごみ処理材を加熱するための生ごみ処理材加熱手段21が設けてあり、また、生ごみ処理槽1内の上部(生ごみ処理槽1の側壁の上部又は天面部分)には空気加熱手段21aが設けてあり、生ごみ処理槽1内の上部の空気層の空気を加熱することができるようになっている。
【0019】
生ごみ処理槽1には生ごみ処理槽1内に収納した生ごみ処理材の温度を検出するための生ごみ処理材温度検知手段3が設けてある。また、生ごみ処理槽1には生ごみ処理槽1内に収納した生ごみ処理材の含水率を検出するための含水率検知手段4が設けてある。
【0020】
図2には本発明の一実施形態の制御ブロック図が示してある。図2において含水率検知手段4により検知した生ごみ処理材の含水率の情報、生ごみ処理材温度検知手段3で検知した生ごみ処理材の温度の情報が制御手段25に入力され、含水率情報に基づいて排気手段19による排気風量と、生ごみ処理材加熱手段21と空気加熱手段21aによる加熱とを制御すると共に、温度情報に基づいて撹拌手段9による撹拌頻度を制御するようになっている。つまり、本発明においては、生ごみ処理材温度検知手段3により検知した生ごみ処理材の温度に基づいて撹拌手段9の撹拌頻度を制御するモードである酸素要求モードと、含水率検知手段4により検知した生ごみ処理材の含水率に基づいて排気手段19による排気風量、生ごみ処理材加熱手段21による生ごみ処理材の加熱温度、空気加熱手段21aによる生ごみ処理槽1の上部の空気層内の空気の加熱温度を制御する水分除去モードとを有している。酸素要求モードは下記の表1のような「最大」「大」「標準」「小」「最小」の各モードを有しており、また、水分除去モードは下記の表2のように「最強」「強」「標準」「弱」「最弱」の各モードを有しており、生ごみ処理材の温度情報に基づいて「最大」「大」「標準」「小」「最小」のいずれかにより運転されるとともに、生ごみ処理材の含水率の情報に基づいて「最強」「強」「標準」「弱」「最弱」のいずれかにより運転されるものである。例えば、生ごみ処理材の温度が55℃で含水率が35%の場合、酸素要求モードが「大」、水分除去モードが「標準」で運転される(つまり、撹拌手段9の撹拌頻度が1分オンで3分オフ、排気手段19による排気風量が1.0Nm3/分、生ごみ処理材加熱手段21により加熱する生ごみ処理材温度30℃、空気加熱手段21aがオフとなるように制御運転される)。このように、生ごみ処理材の温度及び含水率の両方を求めて生ごみ処理装置2の運転を制御することで、安定した分解が行え、省エネルギーが図れるものである。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
しかして、上記のような酸素要求モードと水分除去モードとを同時に運転するように制御する本発明においては、生ごみ処理材の温度が低いと生ごみ処理材の分解に要する酸素要求量が少ないとみなして撹拌頻度を少なくし、生ごみ処理材の温度が高いと生ごみ処理材の分解に要する酸素要求量が多いとみなして撹拌頻度を多くするように制御し、また、生ごみ処理材の含水率が高いと水分を多く飛ばして排出する必要があるので生ごみ処理材加熱手段21による加熱温度を上げるとともに排気手段19の風量を上げて生ごみ処理材の含水率が低下するように制御し、また、生ごみ処理材の含水率が低いと生ごみ処理材加熱手段21、空気加熱手段21aによる加熱温度を低下させるか又はオフとするとともに排気手段19による排気風量を低下させるように制御するものである。そして、上記生ごみ処理材温度検知手段3及び含水率検知手段4により検出した生ごみ処理材の温度と含水率に基づく制御は同時に行われるものであり、例えば、含水率が高くて生ごみ処理材加熱手段21による加熱温度21による加熱温度を上げて生ごみ処理材の温度を上げると、生ごみ処理材温度検知手段3によりこれを検知するので、撹拌手段9の撹拌頻度が高くなるように制御し、また、生ごみ処理材が乾燥していて含水率が低くても分解が進んで温度が高い場合もあり、このような場合には生ごみ処理材温度検知手段3によりこれを検知して撹拌手段9の撹拌頻度が高くなるように制御手段25により制御して分解をより進めるようにするものである。
【0023】
ここで、生ごみ処理材の温度のみを検出して運転の制御すると過乾燥状態で分解が起きない場合や、水分過多で酸敗が発生した場合に対応できないが、生ごみの温度の検出だけでなく含水率を検出して上記のように運転の制御をすることで、過乾燥や水分過多にも対応して、効果的な分解処理ができるものである。
【0024】
そして、生ごみが投入されると、撹拌手段を撹拌して生ごみを生ごみ処理材とともに撹拌混合して生ごみ処理材内に生息している微生物の働きで分解処理し、生ごみ処理材の分解により発生した水分及びガスを排気手段19を運転することで外部に排気する。この場合脱臭装置18を運転することで排気中の臭気を脱臭するようになっている。
【0025】
ところで、生ごみ処理装置2に図3に示す実施形態のように外気温度を検知する外気温検知手段5を設け、この外気温検知手段5で検知した外気温度により生ごみ処理材温度検知手段3で検知した温度を補正するようにしてもよい。すなわち、夏期のように外気温度が高い時や、冬期のような外気温度が低い時のように、外気温度の変化に対応して生ごみ処理材温度検知手段3によって検知した生ごみ処理材の検知温度を補正し、この外気温に対応して補正された適正な温度に基づいて制御手段25により前述の制御を行うことで、適正な分解処理ができるものである。
【0026】
次に、本発明の他の実施形態につき説明する。
【0027】
一般的に生ごみが分解する反応は下記で表される。
・炭水化物の分解
Cm(H2O)n+mO2→mCO2+mH2O………… (式1)
・タンパク質、脂質の分解
CxHyNzOp+aO2→CuHvNwOq+bCO2+dH2O+eNH3 ………… (式2)
したがって、生ごみの分解に伴って炭酸ガス、アンモニアが発生するが、糖質の分解は一般にタンパク質の分解に先行して行われる。
【0028】
ところで上記した式1の過程では下記の式3のような反応が起きている。
【0029】
C6H12O6→6CH3COOH………………………… (式3)
生ごみ処理材に生息する微生物により生ごみを分解する場合、生ごみの分解にともなって炭酸ガス、アンモニアが発生するが、生ごみの分解は一般的に炭水化物(糖分)の分解がタンパク質の分解に先行して行われる。生ごみ投入からの経過時間と生ごみ処理材の温度との関係は、図4(a)に示すグラフで表すことができ、また、生ごみ投入からの経過時間とガス濃度の関係は図4(b)に示すグラフにより表すことができる。そして、図4(a)、図4(b)のグラフから明らかなように、炭酸ガスの発生と生ごみ処理材の温度とは正の相関関係にあり、炭水化物(糖分)の分解が活発で炭酸ガス濃度が高い場合には生ごみ処理材の温度が高く、炭酸ガス濃度が低くなると生ごみ処理温度が低くなる。
【0030】
したがって、図5の制御ブロック図に示すように、生ごみ処理槽1内の炭酸ガス濃度を検知する炭酸ガス検知手段6を設け、炭酸ガス検知手段6により検知した炭酸ガス濃度を求めることで生ごみ処理材の温度を求めることができるものである。このように本実施形態においては生ごみ処理材温度検知手段3が炭酸ガス検知手段6により構成してある。
【0031】
次に、本発発明の更に他の実施形態が示してある。本実施形態においては、前述の炭酸ガス検知手段6に代えて、図6に示すように、生ごみ処理槽1内の酸素濃度を検知するための酸素検知手段7を設けた点が前述の実施形態と異なる。ここで、生ごみ処理槽1内の酸素濃度が低下するということは生ごみ処理槽1内における酸素が消費されて炭酸ガスが発生して炭酸ガス濃度が高くなるということであり、酸素濃度を検知すれば炭酸ガス濃度を知ることができるものであり、これにより前述の式1の分解反応をモニターできて生ごみ処理材の温度を知ることができるものである。そして、生ごみ処理槽1内の酸素濃度と生ごみ処理槽1内の炭酸ガス濃度とは負の相関関係にあり、生ごみ処理槽1内の炭酸ガス濃度と生ごみ処理材の温度とは正の相関関係にあり、この結果、生ごみ処理槽1内の酸素濃度と生ごみ処理材の温度とは負の相関関係にあることになる。したがって、酸素検知手段7により検知した生ごみ処理槽1内の酸素濃度により生ごみ処理材の温度を求めることができるものである。このように本実施形態においては生ごみ処理材温度検知手段3が酸素検知手段6により構成してある。
【0032】
なお、上記各実施形態においては、生ごみ処理槽2内の上部の空気層の空気を加熱するための空気加熱手段21aを設けた例で説明したが、空気加熱手段21aを設けない場合もある。
【0033】
また、含水率検知手段4として生ごみ処理材の温度を検知して含水率を測定するものの場合、含水率検知手段4に設けた温度センサにより生ごみ処理材温度検知手段3を構成するようにしてもよいものである。
【0034】
【発明の効果】
上記の請求項1記載の本発明にあっては、生ごみ処理材を撹拌するための撹拌手段と、生ごみ処理材を加熱するための生ごみ処理材加熱手段と、生ごみ処理槽の排気を排出するための排気手段と、生ごみ処理材の含水率を検知するための含水率検知手段と、生ごみ処理材の温度を検知するための生ごみ処理材温度検知手段とを設け、含水率検知手段により検知した生ごみ処理材の水分量の指標となる生ごみ処理材の含水率のみに基づいて排気手段による排気風量と生ごみ処理材加熱手段による加熱とを制御して運転する水分除去モードと、生ごみ処理材温度検知手段により検知した生ごみ処理材の分解に要する酸素要求量の指標となる生ごみ処理材の温度のみに基づいて撹拌手段による撹拌頻度を制御して運転する酸素要求モードとを有し、前記水分除去モードと酸素要求モードとを同時に運転する制御を行う制御手段を設けてあるので、生ごみ処理材の含水率と温度とを検知して、水分量、酸素要求に応じた制御を同時に行うことができ、良好な分解を維持することができ、特に大型の生ごみ処理装置であっても酸素不足にならないものである。
【0035】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、生ごみ処理槽内の炭酸ガス濃度を検知する炭酸ガス検知手段を設け、炭酸ガス検知手段により検知した炭酸ガス濃度により生ごみ処理材の温度を求めて撹拌手段による撹拌頻度を制御する制御手段を設けた場合には、生ごみの分解過程における生ごみ処理材の温度と生ごみ処理槽内の炭酸ガス濃度とが正の相関関係にあるということを有効に利用して、炭酸ガス検知手段を設けるという簡単な構成で生ごみ処理材の温度を検知して、適正な分解処理ができるものである。
【0036】
また、生ごみ処理槽内の酸素濃度を検知する酸素検知手段を設け、酸素検知手段により検知した酸素濃度により生ごみ処理材の温度を求めて撹拌手段による撹拌頻度を制御する制御手段を設けた場合には、生ごみの分解過程における生ごみ処理材の温度と生ごみ処理槽内の酸素濃度とが負の相関関係にあるということを有効に利用して、酸素検知手段を設けるという簡単な構成で生ごみ処理材の温度を検知して、適正な分解処理ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生ごみ処置装置の概略斜視図である。
【図2】同上の制御ブロック図である。
【図3】本発明の他の実施形態の制御ブロック図である。
【図4】(a)は生ごみ投入からの経過時間と生ごみ処理材温度との関係を示すグラフであり、(b)は生ごみ投入からの経過時間とガス濃度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の更に他の実施形態の制御ブロック図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 生ごみ処理槽
2 生ごみ処理装置
3 生ごみ処理材温度検知手段
4 含水率検知手段
5 外気温検知手段
6 炭酸ガス検知手段
7 酸素検知手段
Claims (2)
- 生ごみ処理槽内に微生物が生息した生ごみ処理材を収容し、生ごみと共に撹拌して発酵分解処理する生ごみ処理装置において、生ごみ処理材を撹拌するための撹拌手段と、生ごみ処理材を加熱するための生ごみ処理材加熱手段と、生ごみ処理槽の排気を排出するための排気手段と、生ごみ処理材の含水率を検知するための含水率検知手段と、生ごみ処理材の温度を検知するための生ごみ処理材温度検知手段とを設け、含水率検知手段により検知した生ごみ処理材の水分量の指標となる生ごみ処理材の含水率のみに基づいて排気手段による排気風量と生ごみ処理材加熱手段による加熱とを制御して運転する水分除去モードと、生ごみ処理材温度検知手段により検知した生ごみ処理材の分解に要する酸素要求量の指標となる生ごみ処理材の温度のみに基づいて撹拌手段による撹拌頻度を制御して運転する酸素要求モードとを有し、前記水分除去モードと酸素要求モードとを同時に運転する制御を行う制御手段を設けて成ることを特徴とする生ごみ処理装置。
- 生ごみ処理槽内の炭酸ガス濃度を検知する炭酸ガス検知手段又は生ごみ処理槽内の酸素濃度を検知する酸素検知手段を設け、炭酸ガス検知手段により検知した炭酸ガス濃度又は酸素検知手段により検知した酸素濃度により生ごみ処理材の温度を求めて撹拌手段による撹拌頻度を制御する制御手段を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理装置。
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