JP4091770B2 - 生物系廃棄物のコンポスト化処理方法 - Google Patents

生物系廃棄物のコンポスト化処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、「生物系廃棄物」の試料を、予め実験装置を用いて「コンポスト化」処理に必要な諸条件下で実験的に処理し、この実験結果を参照して、実機での「コンポスト化」処理の処理状態を比較する際に基準となる最適条件を算定して、当該算定方法を利用して「コンポスト化」処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下の説明において「コンポスト化」の対象となる「生物系廃棄物」とは、天然の動植物自身及びその代謝物、並びにそれらの処理残さ等の生物に由来する有機資材の残さのことをいう。例えば、一般廃棄物に分類される可燃ゴミ、厨芥、し尿、更に、産業廃棄物に分類される汚泥や動植物性残さ、動物の糞尿及び死体等を挙げることができる。
【0003】
また、以下の説明において「コンポスト化」とは、上記した生物系廃棄物を、農業生産に係る肥料及び土壌改良材として有効なコンポスト製品にすることである。生物系廃棄物は、元来空気中や土壌において、その表面に存在している好気性の常温(中温)又は高温性の微生物の活動によって、自身の有機資材が分解され、コンポスト製品にされる。これらの微生物は、前記有機資材中のより分解し易い糖類等から順に消費し、代謝及び増殖活動するものと理解されている。また、これらの微生物の活動により得られる(発生する)温度上昇により、生物系廃棄物中の病原菌、雑草の種子、害虫の卵や幼虫等を死滅させることができる。よって、汚物感を感じさせない状態にして、作物にとって適度な栄養分を保持する安定な性状に、生物系廃棄物を変質することができる。また、前記微生物の活動により、生物系廃棄物中の水分を除去することができるので、大量のゴミとなるはずの生物系廃棄物の重量及び体積を減量することが可能となる。生物系廃棄物のコンポスト化処理は、社会的に期待されているゴミ減量方法の1つである。
【0004】
上記したコンポスト化の反応は、微生物が代謝及び増殖活動するために、生物系廃棄物中の有機物を「エサ」として、エネルギーを獲得するための一つの形式である。即ち、微生物は、上記有機物中の炭素や窒素を代謝、循環させて、自身の生存エネルギーを得たり、細胞増殖するために活動するものである。このようにして、微生物が有機物を分解する過程を、物質レベルの反応面からややマクロ的に着目すると、次の3つの生化学反応が、複合連鎖的に進行するものと考察されている。
【0005】
x y z +(x+y/4−z/2)O2 → xCO2 +(y/2)H2 --------- (1)
n(Cx y z )+nNH3 +n(x+y/4−z/2−5)O2
(C5 7 NO2 )n+n(x−5)CO2 +(y−4)(n/2)H2
--------- (2)
(C5 7 NO2 )n+5nO2 →5nCO2 +2nH2 O+nNH3
--------- (3)
化学式(1)は、微生物が生物系廃棄物中の糖類を始めとする易分解性の有機物(Cx y z )を消費して、生活エネルギーを得るための反応である。化学式(2)は、微生物が生物系廃棄物から細胞を作る過程であって、有機物(Cx y z )を酸化させつつ、細胞原形質等の他の有機物〔(C5 7 NO2 )n〕を合成する反応である。化学式(3)は、化学式(2)の合成で得られた他の有機物〔(C5 7 NO2 )n〕を更に酸化する過程であって、微生物が、共食い、自己分解することを示す反応である。各化学式(1),(2),(3)に示されるように、コンポスト化の反応は、各生化学反応が複合連鎖的に進行して、生物系廃棄物中の有機物が、最終過程において、CO2 とH2 Oとに分解する反応であると解されている。よって、コンポスト化反応系中のCO2 の総排出量と、コンポスト化反応の進行度合いとは、比例すると考えられている。なお、実際のコンポスト化の反応過程においては、各化学式(1),(2),(3)式に示されるコンポスト化反応以外にも、嫌気性微生物による生物系廃棄物の分解反応や、その他の分解反応も並行して進行するが、上記したコンポスト化の反応の進行が、より卓越していると推察されている。
【0006】
このように、コンポスト化の反応は、微生物が自身の栄養素を得る生命活動を利用したものである。そのためには、微生物が好む適度な温度環境、微生物の「エサ」となるべき生物系廃棄物中の有機物、適度な水分、酸素等が必要であり、同時に、微生物の活性を阻害する要因を排除する必要がある。よって、コンポスト化の反応は、(1)微生物の生育環境がある程度限定されるために、環境変化の影響を受けやすい。(2)生物反応であるため、化学反応に比べて分解速度が遅い。(3)生物系廃棄物の種類・性状によりコンポスト化における最適条件や、処理速度などが異なるという特徴を有している。
【0007】
ところで、現在各メーカーから市販されているコンポスト化処理装置は、独自の標準廃棄物(調質された生ゴミ等)を設定し、そのコンポスト化の最適条件に基づいて、装置の設計が行われている。よって、個々の特定の廃棄物排出事業者から排出され、上記した特徴を有する極めて雑多な生物系廃棄物を、市販されているコンポスト化処理装置を使用してコンポスト化する際には、以下の問題点が掲げられている。
【0008】
(1)メーカーが調整した前記標準廃棄物と、個々の廃棄物排出事業者から排出される被処理生物系廃棄物の特性は各々異なる場合が多いので、コンポスト化するための最適条件も異なっている。しかし、前記標準廃棄物のための既設の条件設定で、個々の被処理生物系廃棄物のコンポスト化が行われるために、微生物の活性が鈍化し、コンポスト化の反応が遅々として進行せず、その処理効率が大幅に悪化する。
【0009】
(2)特定の廃棄物排出事業者の同一生物系廃棄物であっても、その時々で性状が異なることが多い。例えば、気温などの自然環境の影響を受けたり(夏期と冬期)、被処理生物系廃棄物が厨芥等の場合、「中身」が多少異なったり、コンポスト化の過程で被処理生物系廃棄物の粘度等の性状が変化したりすることがある。同一廃棄物排出事業者であっても、コンポスト化するための最適条件は経時変化するが、予め設定された同一条件でコンポスト化が行われるために、(1)の場合と同様に、コンポスト化処理の効率が悪化する。
【0010】
(3)コンポスト化の過程では、微生物が被処理生物系廃棄物を分解する副産物として臭気成分(アンモニア等)が発生することが多い。臭気は、環境に著しく影響し、廃棄物排出事業者等に多大な不快感を与える。しかし、前記標準廃棄物の既設の条件設定に基づいて、コンポスト化処理が行われるため、逐一発生する臭気成分に対応して、臭気発生を抑制する機能が充分ではなく、不快感が充満すると共に、環境汚染につながる。
【0011】
(4)従来構成のコンポスト化処理装置には、コンポスト化被処理物に含まれる塩分濃度を知るべき手段が設けられていなかった。よって、被処理生物系廃棄物の塩分濃度が高い場合には、コンポスト化処理物を農地に還元する時に、作物の塩害を引き起こす恐れがある。また、塩分濃度が高くなることは、微生物の活性を阻害する要因でもあるので、コンポスト化処理の効率が悪化する。
【0012】
(5)コンポスト化の反応を効率的に進行させるためには、微生物を活性化するために、その「エサ」となる新規の被処理生物系廃棄物の投入タイミングを図り、酸素の供給量及び被処理生物系廃棄物の含水率を調整し、均一な撹拌を行う等して、コンポスト化の反応を管理する必要があるが、それらの作業は、廃棄物排出事業者自身の判断に委ねられているので、廃棄物排出事業者の負担が少なくない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、微生物の活動によって生物系廃棄物をコンポスト化処理する途中において、その処理を安定的かつ高速に行うために、コンポスト化処理の最適条件を求め、人為的な条件付け(環境調節)を継続して施して進行させ、高品質なコンポストの生成効率を向上させることを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1に記載の発明は、アンモニア濃度、二酸化炭素濃度、温度、水分、電気伝導度を含む生物系廃棄物のコンポスト化処理の種々の処理状態を検出する各種センサを備えたコンポスト化処理装置を用いて、処理槽内に投入された被処理生物系廃棄物を微生物と酸素の作用によってコンポスト化処理する方法であって、コンポスト化処理実験装置を用いて前記被処理生物系廃棄物の試料を実験的にコンポスト化処理して、時間に対する二酸化炭素濃度を求め、二酸化炭素の総生成量を算定することにより、被処理生物系廃棄物のコンポスト化処理に必要な含水率、及び通気量の各条件については、二酸化炭素の前記総生成量が最大となる各最適値をそれぞれ予め求めると共に、新規の被処理生物系廃棄物の最適な投入タイミングについては、前記実験的コンポスト化処理において、時間に対する二酸化炭素濃度が低下してほぼ一定値となって、収束を開始する時点以降の時間帯から選択された特定の時点を最適投入タイミングと予め定めておいて予め実験的に求められた前記最適投入タイミングにて新規の被処理生物系廃棄物を投入しながら、前記各種センサにより、その時点の処理状態を検出して、同一の前記被処理生物系廃棄物の試料により予め実験的に求められた含水率、及び通気量のそれぞれの前記各最適値と比較して、必要な場合には、処理条件の変更、処理停止を行なって、処理中の被処理生物系廃棄物の含水率、及び通気量を前記各最適値にしてコンポスト化処理することを特徴としている。
【0015】
請求項1の発明によれば、以下に説明する手順に従って被処理生物系廃棄物をコンポスト化処理することにより、その処理効率を大きく高めることができる。まず、個々の廃棄物排出事業者の被処理生物系廃棄物の試料を、コンポスト化処理に必要な諸条件下で、コンポスト化処理実験装置にて実験的に処理する。この実験結果を参照することによって、最適なコンポスト化処理のための諸条件を知ることができる。前述したとおり、被処理生物系廃棄物のコンポスト化の進行と、該コンポスト化処理物から生成する二酸化炭素の総量とは、比例している。よって、諸条件下にて生成する二酸化炭素の総量を比較し、二酸化炭素の総生成量が最も多い場合の条件を、最適条件と決定することができる。二酸化炭素の総生成量は、時間に対する二酸化炭素の濃度の関数を計測し、該関数を算定することによって求められる。また、該関数は、所定の時間の間に、二酸化炭素の濃度が極大値を2つ示した(二酸化炭素が激しく発生した)後に、二酸化炭素の発生が穏やかになることを示す関数であることが知られている。
【0016】
例えば、生物系廃棄物のコンポスト化の処理促進を左右する諸条件として、被処理生物系廃棄物中の含水率や反応系中に供給される空気の通気量の調整が挙げられる。含水率及び供給通気量を変えながら、該当する被処理生物系廃棄物の試料を実験的にコンポスト化処理し、各条件下における時間に対する二酸化炭素の濃度の各関数を求め、一定時間内に生成した二酸化炭素の各総量を算定する。その中から算定値が最大となる、即ち微生物が最も活性化され、多くの二酸化炭素が排出されたと思われる含水率及び通気量の各最適数値を決定することができる。また、上記関数を参照し、二酸化炭素濃度の各極大値及びその発生が穏やかになるまでの時間を求め、実機でコンポスト化処理を行う際の新規の被処理生物系廃棄物の投入タイミング(間隔)を決定することができる。二酸化炭素濃度の各極大値を示す時間は、微生物が最も高く活性化している時間であり、著しい変化は好ましくなく、微生物の活性が鈍化するのを防ぐため、被処理生物系廃棄物を投入するのを避けるべき時間である。従って、二酸化炭素の発生が穏やかになるまでの時間(時点)を求め、この時間(時点)を実機でコンポスト化処理を行う際の新規の被処理生物系廃棄物の投入タイミング(間隔)と同じにすることによって、微生物の活性が鈍化することもなく、効果的に微生物の活性を促進することができる。このように、新規投入するのに最適な時間を把握した上で、事業者の処理事情に対応した投入タイミングを取り決めることができる。
【0017】
そして、これらの実験終了後、廃棄物排出事業者の元で実機において被処理生物系廃棄物を処理する時にも、上記した最適含水率及び通気量に近い数値を維持するように管理することによって、効率良くコンポスト化処理することができる。そのために、コンポスト化処理装置には、水分及び通気量を計測するためのセンサが取付けられており、リアルタイムでそれらの計測値を参照して、現時点でのコンポスト化の進行の様子を知ることができる。よって、コンポスト化反応が滞った時の指標として利用することができ、滞った時には、諸条件の最適値に近づくように調整して、常に最適なコンポスト化処理を継続させることができる。
【0018】
また、このようにして、被処理生物系廃棄物の処理効率を高めることができると共に、最適な諸条件に基づいて、個別に廃棄物排出事業者のコンポスト化処理装置の設計製作を行うこともできる。例えば、処理装置の設置面積を有効に使用する設計製作が可能となって、コンポスト化処理に携わる廃棄物排出事業者の負担を軽減することができる。
【0019】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記コンポスト化処理実験装置で被処理生物系廃棄物の最適処理条件を求める前に、前記被処理生物系廃棄物の含水率、電気伝導度、有機物含有量の各物性を測定して、コンポスト化処理の可否の判定を行うことを特徴としている。
【0020】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、コンポスト化処理する被処理生物系廃棄物を予め選択し、時間的にコンポスト化処理に適さないという不具合や、出来上がったコンポスト化処理物の「コンポスト製品」として利用価値が低いといったトラブルを避けることができる。また、例えば、予め生物系廃棄物の含水率を測定した結果、微生物の活動環境に適した含水率の範囲外であると判明した時には、許容される含水率に近づくように調整することによって、実機における微生物の活性を維持して、被処理生物系廃棄物の分解が遅くなる等の問題を回避することができる。また、以下の説明において、「有機物含有量」とは、生物系廃棄物中における微生物の「エサ」となるべき有機成分の含有量のことである。これが少ない場合には、微生物の増殖が阻害され、被処理生物系廃棄物の水分が低下せずに分解が遅くなる等の問題が生じる。また、電気伝導度は、生物系廃棄物中の塩分濃度に比例すると考えられており、塩分は、微生物の活性を低下させるので、この値を規制することによって、コンポスト化の処理効率が悪化することを防ぐことができる。更に、コンポスト化処理完成品を農地で再利用する際には、「塩害」を招くことを避けることができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について、詳細に説明する。まず、特定の廃棄物排出事業者(以下の実施例の説明においては、単に「事業者」と記す場合もある)から排出される被処理生物系廃棄物(以下の実施例の説明においては、単に「被処理廃棄物」と記す)の特性を調べ、コンポスト化処理に適しているか否かを判定する方法について説明する。実施例の被処理廃棄物としては、「生ゴミ」や「汚泥」等がある。調べるべき被処理廃棄物の特性としては、含水率、有機物含有量、電気伝導度等が挙げられる。各特性値は、後述する所定の方法にて測定される。
【0026】
該被処理廃棄物の含水率は、規定値の範囲内であることが望ましい。その規定値よりも大き過ぎる場合には、被処理廃棄物中に十分な酸素が行届かないので、コンポスト化処理装置でコンポスト化する時に、微生物の活性が阻害され、その処理効率が低下すると予想される。この時には、水分調整剤を混合して全体としての含水率を下げることができる。このような水分調整剤としては、例えば、コンポスト化処理完成品(以下の説明において、「製品コンポスト」と記す)があるが、元の被処理廃棄物に加えて該製品コンポストの分の容量が増大する。通常は、コンポスト化処理装置には容量的な限界があるので、特に、初回投入時における製品コンポストの含量は、ある値以下に設定されており、よって、含水率の上限値が設定される。また、含水率が大きい被処理廃棄物に脱水等の前処理を行い、含水率が小さくなるように予め調整することも可能である。一方、微生物は、栄養や酸素を水への溶存状態で活用するために、その媒体とするべく、ある程度の水分を必要とする。よって、含水率が規定値より小さ過ぎる場合には、被処理廃棄物に水を加える等の調整を施すことができる。このように、含水率が規定値の範囲内に収まるようにした後に、コンポスト化処理装置にて処理することによって、被処理廃棄物の分解が遅くなる等の問題を回避することができる。
【0027】
また、有機物含有量が少ない場合には、微生物にとって「エサ」不足の状態を招き、微生物が活性化しない恐れがある。よって、コンポスト化の反応による発熱が充分に得られずに、被処理廃棄物の殺菌効果が得られなかったり、その水分が低下しないので、「ゴミの減量」ができない等の問題が生じると予想される。よって、コンポスト化処理される被処理廃棄物には、有機物含有量が規定値以上含まれていることが望ましい。
【0028】
また、被処理廃棄物の電気伝導度は、被処理廃棄物中に含まれる塩分の濃度に比例すると考えられており、この数値を測定確認することによって、コンポスト化処理された製品コンポストを農地で再利用する際に「塩害」を招くことを避けることができる。即ち、農地での再利用が想定される場合には、電気伝導度は、規定値以下でなければならない。なお、実際には、電気伝導度は、被処理廃棄物を含む規定の水溶液中の「塩類」の濃度を示す測定値であって、即ち「塩分(NaCl)」ではないが、大半が塩分であると仮定して差し支えない。また、上記した以外にも、この時に、被処理廃棄物の物性をチェックされることが望ましい。著しく粘潤で扱いが困難であったり、破砕しにくい塊状や板状であると、コンポスト化処理装置での処理時において、どうしても不均一で不良な条件の部分が残り、不都合が起き易い。
【0029】
次に、図1ないし図3を用いて、コンポスト化処理に必要な諸条件の各最適値を求める方法について説明する。該各最適値は、図1に示されるコンポスト化処理実験装置10(以下の実施例の説明においては、単に「実験装置」と記す場合もある)を使用して、必要に応じて調整された被処理廃棄物の試料を、その反応槽1の中で、実験的にコンポスト化反応させることによって決定される。コンポスト化処理実験装置10は、コンポスト化反応に係る実験的な各設定値において、コンポスト化の反応を進行させ、それから排気される二酸化炭素の濃度を時間経過と共に記録して、実験的な各設定値の中から各最適値を決定するための装置である。この二酸化炭素の濃度と時間との記録は、後述する二酸化炭素の総排気量を比較するために用いられるものである。本実施例においては、諸条件として、被処理廃棄物をコンポスト化するために最適なその含水率と、反応槽1に供給する空気の最適な通気量とを決定し、その時の前記記録から、実機(コンポスト化処理装置)において、新規に被処理廃棄物を投入するタイミングを導くための実験方法について説明する。被処理廃棄物中の含水率及び通気量(酸素供給量)、並びに新規に被処理廃棄物を投入するタイミングは、各々微生物が活性化するために重要な環境条件であって、多種の被処理廃棄物によって各々最適値が異なっているものである。
【0030】
コンポスト化処理実験装置10の構成及び作用は、以下に説明する通りである。エアーポンプ2は、給気管路3を介して、反応槽1の中に空気を流入させるポンプであり、流量計4でその流量が測定可能となっている。エアーポンプ2から送られる空気は、水槽5の水6の中に浸漬された反応槽1の底部からその内部に供給されて、微生物の活動に必要な(空気中の)酸素が供給され、反応槽1の中の被処理廃棄物の試料のコンポスト化反応が開始するように構成されている。
【0031】
反応槽1では、微生物が活動を開始して、被処理廃棄物の試料が発熱し、反応槽1の内部の温度が上昇する。水槽5は、反応槽1の内部の反応温度を保持するために、反応槽1の外部に水6を貯留するためのものであって、その外部にある水6の温度は、反応槽1の内部の温度が上昇するのに追随して、前記反応温度と一致するように調整可能となっている。水6の温度は、ヒーター7によって調温される。温度制御機8は、反応槽1の内部の温度を検知して、その外部の水6の温度が反応槽1の内部の温度と同じになるように水6の温度を検知しながら、ヒーター7への電気出力を制御するためのものである。
【0032】
そして、コンポスト化反応は反応槽1の内部にて進行し、その上方から、余剰空気や二酸化炭素を含む反応生成ガスが、排気管路11及びアンモニアトラップ12、シリカゲル槽13、二酸化炭素の濃度計14を介して外部に排気される。アンモニアトラップ12は、コンポスト化反応中に生成するアンモニア(ガス)を、排気ガスから除去するための希硫酸水溶液槽であり、シリカゲル槽13は、コンポスト化反応中に生成する水蒸気及び水分を、同じく除去するためにシリカゲルを充填したU字管である。アンモニアや水蒸気は、二酸化炭素の濃度計14の二酸化炭素を検知するセンサー部分を損傷したり、検知結果に影響を与える恐れがあるので、ここで取除かれる。二酸化炭素の濃度計14は、反応槽1から排気される(実際には、アンモニアと水蒸気とを除く)ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度を測定する計測器であって、この測定値は、コンポスト化反応開始後の時間及び反応槽1の内部の温度と共に、記録計15においてプロットアウトされる。なお、16は、撹拌機であって、水槽5の中の水6の温度を均一にするためのものである。17、18、19は、各々電気信号の送受信路であって、順に、ヒーター7への電気出力、二酸化炭素の濃度、反応槽1の中の温度に相当する電気信号を送受信するためのものである。8a,8bは、各々、温度制御機8の反応槽1の内部及び水6の温度を検知するロッド部分である。
【0033】
最適な含水率を求めるための実験は、例えば以下のように行われる。含水率とは、被処理廃棄物に含まれる水分の重量%である。一般に、(生物系)被処理廃棄物は、自身の含水率(M1)が最適な含水率よりも大きい状態で持ち込まれることが多いので、より含水率の小さい製品コンポスト〔含水率=(M2)〕を混合して、実験するものとして説明する。図2に示されるとおり、予め含水率を測定された被処理廃棄物(A1)〔含水率=(M1 )〕と、同じく、製品コンポスト(A2)〔含水率=(M2)(M2 <M1 )〕とを、各々重量(W1),(W2)ずつ混合し、含水率(M)となる被処理廃棄物の試料(A)を作成する。そして、前記コンポスト化実験装置10を使用して、試料(A)のコンポスト化の実験を所定時間行う。該試料(A)の二酸化炭素の時間に対する濃度変化を示す記録が、記録計15よりプロットアウトされる。なお、図2に示される(W)は、混合後の試料(A)の総重量即ち、(W1 +W2)を示している。
【0034】
この後に、例えば被処理廃棄物(A1)の重量(W1)のみを所定量づつ変化させ、両者の混合比(W' )(W' =W1 /W2)を変えた各試料(A)を製作して、同様に、各被処理廃棄物の試料(A)における二酸化炭素の時間に対する濃度変化を示す記録をプロットアウトする。
【0035】
プロットアウトされる記録は、例えば図3のグラフに示されるように、時間に対する二酸化炭素濃度の関数(F)となる。図示されるとおり、二酸化炭素の濃度は、時間の経過と共にそのピーク値を二箇所に示し(ヤマを2つ生じ)た後になだらかに減少するという特徴を有している。また、コンポスト化反応開始後72時間を経過した後には、コンポスト化反応は激しい変化を示さないということが知られている。図3のグラフにおいて、時間(t1)における二酸化炭素の排気量は、その時の濃度(d1)に全排気ガス量を乗じることによって求められる。ここで、全排気ガス量は、供給される空気量とほぼ等しいか、或は比例すると考えて差し支えない。よって、全排気ガス量は、時間変化とは無関係な定数だと考えることができる。そして、コンポスト化反応開始後、時間(t1)が経過するまでの間に発生した二酸化炭素の総排気量は、関数(F)の時間0〜(t1)までの定積分値に対応し、即ち、斜線(B)を施した部分の面積に比例すると考えられる。本実施例に係る微生物の活動の指標として、二酸化炭素の総排気量を比較する目的の場合には、関数(F)の時間0〜72(h)の間の定積分値を概算したり、そのグラフの前記面積に相当する部分の大きさを算定することによって、その多い少ないを比較することができる。
【0036】
このようにして、各含水率に調整された前記被処理廃棄物の各試料の中から、72時間の間の二酸化炭素の総排気量が最大となる被処理廃棄物の試料(A0 )を特定することができる。該試料(A0 )の最適含水率(M0 )は、被処理廃棄物(A1)と製品コンポスト(A2 )との含水率及び重量(M1),(M2 ),(W1),(W2 )又はそれらの前記混合比(W' )より、式(4)又は式(5)から求められる。
【0037】
0 =(W1 ×M1 +W2 ×M2 )/(W1 +W2 --------(4)
0 =(W' ×M1 +M2 )/(W' +1) --------(5)
【0038】
なお、被処理廃棄物の含水率(M1)が最適含水率(M0 )よりも小さい場合にも、所定量づつ水を加えて含水率の異なる各被処理廃棄物の試料を作成し、実験を行うことも可能である。
【0039】
次に、前記最適な通気量を求めるための実験が行われる。コンポスト化の反応においては、自然状態のまま放置するのではなく、人為的に被処理廃棄物に空気を通気させて、常にその処理槽内を好気的な雰囲気に保つことによって、処理効率を向上することができる。コンポスト化のための通気量、即ち酸素の供給量は、不足すると、酸素を必要とする微生物の活性が阻害され、多い場合には、反応槽1の内部において、その空気流がコンポスト化途中の被処理廃棄物の温度を下げてしまい、微生物が活性化されないという問題が生じる恐れがある。よって、その最適値が決定されなければならない。
【0040】
最適通気量を決定するための実験は、最適含水率(M0 )となるように調整された被処理廃棄物の試料(A0 )を使用して行われるのが望ましい。最適含水率に調整された試料(A0 )は、通気量(V)の条件下で所定時間コンポスト化され、その間の二酸化炭素の時間に対する濃度変化を示す関数が求められて、二酸化炭素の総排気量に相当する数値が算定される。その後に、空気流量(V)を所定流量づつ変えながら、前記試料(A0 )について同様の実験を行い、各流量時における二酸化炭素の総排気量に対応する数値が算定される。そして、それらの中から、前記算定値が最も大きい、即ち二酸化炭素の総排気量が最大となる最適通気量(V0 )を決定することができる。
【0041】
そして、最適通気量(V0 )が決定されたグラフの関数を使用して、コンポスト化処理装置において、被処理廃棄物を新規に投入するタイミングを求める方法を図3のグラフを用いて説明する。コンポスト化処理装置で被処理廃棄物を処理する時には、処理槽内のコンポスト化途中の被処理廃棄物に、次の新たな被処理廃棄物を投入するまでの間隔(以下、「被処理廃棄物の新規投入タイミング」と記す)を予め取り決めることによって、その一定の処理効率を維持することができる。
【0042】
被処理廃棄物の新規の投入タイミングは、二酸化炭素の発生が穏やかになるまでの時間(図3においては、CO2 濃度が1%程度となる14h付近)とするのが望ましい。この時間を、コンポスト化処理装置で処理をする際の被処理廃棄物の新規投入タイミングとすることによって、微生物の活性に与える影響を少なくすることができる。また、被処理廃棄物の新規投入タイミングとして、特に避けるべきタイミングは、二酸化炭素の濃度がピーク値(10%付近)を呈する時間〔4(h),9(h)〕である。この時に新たに被処理廃棄物を投入すると、微生物の活性が鈍化するので、効率的にコンポスト化処理するために、不都合となる。これらの処理効率を高めるために最適なタイミング〔図3においては、14(h)付近〕と、避けるべきタイミング〔図3においては、4(h),9(h)〕を求めることによって、一定の処理効率を維持しながら、後述するように、各廃棄物排出事業者の事情に応じて都合の良いタイミングを決定することができる。
【0043】
そして、上記した最適含水率(M0 )及び最適通気量(V0 )と、その条件下での72時間の間の二酸化炭素の時間に対する濃度変化を示す関数は、各廃棄物排出事業者の知るところとなると同時に、後述するデータ管理センターにも登録される。
【0044】
次に、図4及び図5を参照して、各廃棄物排出事業者の被処理廃棄物を、その元でコンポスト化処理するのに使用されるコンポスト化処理装置20について説明する。このコンポスト化処理装置20は、底部の断面が半円弧状となった処理槽22内に撹拌羽根23が配設され、前記処理槽22の下方に水平に配設された通気パイプ24と前記処理槽22の底部とが複数本の分岐パイプ25で連結されて、送風機26から通気パイプ24に送られた空気流が複数本の前記分岐パイプ25を介して前記処理槽22内に収容された被処理廃棄物に対して送られて、酸素が均一に与えられる構成になっている。通気パイプ24には、通気量を調整するための調整バルブ27が組み込まれている。また、前記処理槽22における断面半円弧状の部分の外側には、内部に収容された被処理廃棄物の温度が35℃以下にならないように加熱して、そのコンポスト化処理を促進させるためのヒーター28が取付けられている。
【0045】
また、前記各撹拌羽根23は、処理槽22の内部に水平に配設された回転軸31に多数本の撹拌棒29が螺旋状に取付けられた構成である。前記回転軸31は、処理槽22の対向側板部32の外側の各軸受33により水平に支持されている。この回転軸31の一端部に取付けられた鎖歯車34と、減速機付のモータ35の出力軸36に取付けられた鎖歯車37とに鎖38が掛装されて、前記モータ35の駆動力により前記各撹拌羽根23は低速回転して、処理槽22内に収容された被処理廃棄物は、ゆっくりと撹拌されながらコンポスト化処理される。
【0046】
また、処理槽22には、蓋体41が着脱可能に取付けられていて、該蓋体41の上方には、脱臭機42が配設されて、前記脱臭機42と処理槽22の内部とは、接続パイプ43を介して連結されている。この脱臭機42は、処理槽22の内部から大気中に放出される排気ガスの中から、被処理廃棄物のコンポスト化処理により分解発生したアンモニアを主として除去するものである。脱臭機42によりアンモニアが除去された排気ガスは、この脱臭機42に接続された排気筒44から大気中に放出される。また、処理槽22の正面の前記回転軸31よりも上方の部分には、該処理槽22の内部に予め定められた時間に被処理廃棄物を投入するための投入口45が設けられている。また、処理槽22の正面の前記回転軸31よりも下方の部分には、コンポスト化処理を終えて製品状態となったコンポスト化処理完成品を所定量ずつ取り出すための取出し口46が設けられている。なお、図5に示される2点鎖線(A1 ,A2 )は、所定の含水率になるように混合され、処理槽22の中に投入された被処理廃棄物及び製品コンポストの上面を示している。
【0047】
また、処理槽22の一方の側板部32であって、その底部に近い部分には、第1センサ筒51が取付けられている。第1センサ筒51には、コンポスト化処理中の処理槽22内の被処理廃棄物の水分(含水率)、温度及び電気伝導度を測定するための水分センサ61、温度センサ62及び電気伝導度センサ63(各々具体的に図示せず)が組み込まれている。また、脱臭機42に接続された排気筒44には、第2センサ筒52が取付けられている。第2センサ筒52には、前記排気筒44を通過する排気ガスに含まれる二酸化炭素及びアンモニアの各濃度を検出するための二酸化炭素濃度センサ64及びアンモニア濃度センサ65(各々具体的に図示せず)が組み込まれている。そして、各センサ61,62,63,64,65は、後述するデータ化手段75を介して各側定値を確認できるように取付けられていると共に、更に通信回線手段80を介して、管理センター90に各測定値を送信できるように構成されている。
【0048】
また、コンポスト化処理装置20は、必要に応じて、廃棄物排出事業者の条件に合わせて製作されることが可能である。例えば、予め排出される被処理廃棄物の量を予想して、実験で決定した最適含水率に調整するために混入される製品コンポストの混合量を逆算し、各事業者のコンポスト化処理装置の設置予定地の面積に応じた形状の処理槽を有するように(縦横高さ長の各比を自在に調整された)、コンポスト化処理装置を製作することができる。また、必要に応じて各センサを選定することもできる。例えば、塩分の含有量が極めて微量な被処理廃棄物の場合は、電気伝導度センサが不用となる。一方、より正確にコンポスト化反応の進行状況を把握する指標を設けたい場合には、重量センサ等を取付けることが可能である。
【0049】
次に、上記したコンポスト化処理装置20を使用して、コンポスト化処理実験装置10で求めた最適含水率(M0 )、最適通気量(V0 )、被処理廃棄物の新規投入タイミングを参照しながら、コンポスト化処理する方法について説明する。まず、最初に被処理廃棄物を、コンポスト化処理装置20に投入する際には、予め測定された被処理廃棄物の含水率(M1 )が、前記最適含水率(M0 )となるように調整される。各事業所における被処理廃棄物に、より含水率の小さい製品コンポストを混合するか、或は、被処理廃棄物の含水率(M1 )が最適値よりも少ない場合には、水を加える等して調整されたものが使用される。該最適含水率(M0 )になるように調整された被処理廃棄物は、コンポスト化処理装置20の処理槽22内に投入され、ゆっくりと撹拌されて、均一に混合される。そして、前記最適通気量(V0 )となるように調整バルブ27で調整された空気が、通気パイプ24及び分岐パイプ25を介して、処理槽22内に流入され、コンポスト化反応が開始する。このようにして、コンポスト化反応に関与する微生物を活性化するために、その活動初期において、最適な環境条件が調整される。ところで、コンポスト化において、所定の処理効率を維持するのに最も重要な要因は、原料(被処理廃棄物)自体の特に早い時期の分解性が良好なことであって、このことは、コンポスト化反応の盛衰に大きく関与すると考えられている。よって、上記のようにコンポスト化反応開始時の諸条件を最適値に調整することは、長期に亘るコンポスト化の処理効率を向上させ、それを維持することに対して、大変効果的である。
【0050】
このようにして、コンポスト化の初期時の環境条件が調整されて、廃棄物排出事業者の元でコンポスト化処理が開始持続される。コンポスト化処理装置20には、コンポスト化の状況をリアルタイムで知るべく、前記水分、温度、電気伝導度、二酸化炭素濃度、アンモニア濃度の各センサ61,62,63,64,65が取付けられている。例えば、水分センサ61においては、被処理廃棄物の含水率が検知され、その測定値は、データ化手段及び通信回線手段を介して管理センターに送信されている。管理センターにおいては、該廃棄物排出事業者の被処理廃棄物の最適含水率(M0 )が予め登録されているので、水分センサ61の測定値と登録値とを比較することができる。それらの各数値が、規定の範囲を超えて異なる場合には、何らかの理由で微生物の活性が阻害されている可能性があると推理することができる。同様に、温度センサ62や二酸化炭素濃度センサ64が示す測定値は、微生物の活性のバロメーターとなるべき測定値であるので、予め登録されている前記関数(F)も含めて参照され、対処法を含む様々な判断がなされる。
【0051】
管理センターに送信される前記水分、温度、電気伝導度、二酸化炭素濃度、アンモニア濃度の各センサ61,62,63,64,65の測定値の例としては、図10ないし図12のようなグラフが挙げられる。図10は、約7日間、24時間毎に新たな被処理廃棄物を投入した場合の二酸化炭素及びアンモニア濃度の測定値を示すグラフであり、図11は、同じく、(反応)温度及び含水率の測定値を示すグラフであり、図12は、同じく電気伝導度の測定値を示すグラフである。また、図10ないし図12は、前記各センサ61,62,63,64,65の測定値が、適正な範囲に収まっている場合のグラフ例である。図示されるとおり、新規の被処理廃棄物の投入間隔は24時間であって、二酸炭素の発生が穏やかになった後に新規投入されている。被処理廃棄物の反応温度及び含水率は、そのタイミングで下降及び上昇する。また、被処理廃棄物中の塩分は、コンポスト化処理量が増えると共にその中に徐々に蓄積されるので、電気伝導度の測定値は、処理日数が経過すると共に緩やかに上昇する。
【0052】
そして、上記した各測定値が規定の範囲を超えて異なる場合には、管理センターから管理オフィスの技能者に、不具合と思われるコンポスト化の状況の情報が伝達され、該技能者は、廃棄物排出事業者の元に出向いて対処して、不具合を解消することができる。また、電気伝導度センサ63の測定値が、規定値を超えた時には、農地で再利用する際に塩害を招いたり、また、コンポスト化を継続して塩分が蓄積される間に、まもなく微生物の活性が低下することが予想されるので、コンポスト化の処理は停止されなければならない。また、アンモニア濃度センサ65の測定値が規定値を超えた時には、そのままでは、臭気による不快感が充満するのみなので、前記技能者が出向いて脱臭機を取替える等の処置が講じられ、臭気の被害が広がるのを防ぐことができる。
【0053】
次に、特定の廃棄物排出事業者(E1 )から排出された被処理廃棄物(A1 )のコンポスト化処理方法及び管理方法について、より具体的な実施例を挙げて説明する。図6に示すとおり、廃棄物排出事業者(E 1)の廃棄物(A1 )が、その元でコンポスト化処理されるまでには、(1)被処理廃棄物(A1 )の発生→(2)コンポスト化の可否判定→(3)コンポスト化処理実験装置10で各コンポスト化最適条件の決定→(4)コンポスト化処理装置20の設計製作→(5)廃棄物排出事業者(E 1)の元でのコンポスト化処理の開始となる。そして、その後のコンポスト化の処理に係る管理は、管理センター90及び管理オフィス(R1 )の技能者(C1 )に委ねられる。
【0054】
コンポスト化の可否判定の手順は、図8に示すとおりであって、含水率、有機物含有量、電気伝導度の各項目について行われる。まず、被処理廃棄物(A1 )の含水率(M1 )が測定される。予め風袋重量を測定した容器に適当量の被処理廃棄物(A1 )を取り入れる。取り入れ後直ちに全重量を秤量した後に、105℃で12時間以上乾燥する。被処理廃棄物(A1 )の乾燥試料はデシケーターの中で冷却した後、再度秤量して、乾燥前全重量からの減量を水分量とし、その現物量(乾燥前全重量−風袋重量)に対する重量%を含水率(M1 )とする。含水率は、35〜85%の範囲内であることが望ましい。含水率(M1 )が規定範囲より小さい場合には、規定の範囲内になるように水分が加えられ、多い場合には、脱水等の調整処理が行われる。
【0055】
次に、有機物含有量が測定される。この場合の有機物の定義は、微生物「エサ」となり得るものであるが、この定義を簡便にするため、被処理廃棄物(A1 )を加熱灰化させて、その減量分が「有機物」に相当すると仮定する。予め重量を測定した磁性ルツボに適当量の被処理廃棄物を取り入れる。その後に、105℃で12時間乾燥し、デシケーター中で冷却して、被処理廃棄物の試料の乾物重量を秤量する。これを電気マッフル炉に入れ、穏やかに加熱して炭化させた後、約600℃で4時間保ち、完全に灰化する。デシケーター内で冷却後秤量し、減量分の被処理廃棄物の試料の乾物重量に対する重量%を有機物含有量とする。有機物含有量の規定値は、70%以上である。この規定値よりも小さい場合も、コンポスト化処理することはできるが、微生物が活性化されないので、反応熱による殺菌効果が得られなかったり、被処理廃棄物(A1 )の中の水分が減少せずにその容量が減らない等の不具合が起こる可能性がある。また、コンポスト化処理完成品を農地で再利用する際に、「コンポスト」としての肥料効果が期待できない。このような不具合が危惧される時には、コンポスト化を断念するのが望ましい。
【0056】
次に、電気伝導度が測定される。被処理廃棄物の試料25(g)を容器に正確に取り入れ、蒸留水100(ml)を加え、スプーンですりつぶすなどして十分に撹拌する。これに、電気伝導時計の電極を浸して、その数値を測定する。測定値は、被処理廃棄物(A1 )の前記含水率(M1 )から次式(6)によって、試料乾物10(g)+水100(ml)の時の値に換算される。
【0057】
換算測定値=測定値×{10×〔100+(25×M1 /100)〕}/〔25×(1−M1 /100)×100〕----------(6)
該換算測定値は、10(mS/cm)以下であることが望ましい。これ以上の時には、上記有機物の含有量の場合と同様の処理となる。なお、電気伝導度は、断面積1(cm2 )、距離1(cm)に相対する電極間にある溶液の電気抵抗値の逆数に相当する値であり、〔S(ジーメンス)/cm〕がその単位である。通常は、その1/1000の〔mS(ミリジーメンス)/cm〕が用いられる。
【0058】
次に、コンポスト化するための最適含水率及び通気量を決定する実験が行われる。実験は、最適含水率(M0 )の決定、最適通気量(V0 )の決定、被処理廃棄物(A1 )の新規投入タイミングの決定の順に行われる。コンポスト化処理実験装置10の反応槽1の容量は1(L)程度なので、その容量に応じて、混合後の被処理廃棄物の総重量が500〜600(g)程度に収まるように、実験用の試料(A)を製作する。被処理廃棄物(A1 )(含水率M1 、重量W1 )と製品コンポスト(A2 )(含水率M2 、重量W2 )の混合比(W1 /W2 )は、1/2以上に設定されると後の処理効率がよくなるので、1/2から5%づつ上昇させながら、1/2,1/2× 1.05,1/2×(1.05)2 …となる混合比の試料(A)を製作する。そして、順に、72時間に亘って実験的にコンポスト化処理され、その間の二酸化炭素の濃度が10分ごとに記録される。この二酸化炭素濃度の時間変化は、10分間隔の棒グラフ状となる。この「棒」部分の総面積を算定し、各被処理廃棄物の試料(A)の二酸化炭素の総排気量に対応する数値とする。そして、途中の特定の混合比の試料(A)において実験結果が良好な(二酸化炭素の総排気量が多い)ことが明らかな時には、その混合比から1%づつ混合比を変えた試料を製作して同様に実験を行い、二酸化炭素の総排気量が最も多くなる混合比の試料(A0 )を特定する。そして、前記式(4)又は式(5)より最適な含水率(M0 )が決定される。
【0059】
次に、最適通気量(V0 )を決定する実験を行う。この実験は、上記最適含水率(M0 )になるように調整された試料(A0 )を用いて行われる。該試料(A0 )を反応槽1に仕込んだ後、その中に供給する空気の通気量を、例えば、10(m3 /h)に設定し、上記と同様にして、72時間の間の二酸化炭素の濃度を記録する。その後に通気量を5%づつ減じて最適含水率の場合と同様の実験を行い、二酸化炭素の総排出量が最大となる最適通気量(V0 )を決定する。
【0060】
そして、最適通気量(V0 )を示したグラフを用いて、72時間の間に、二酸化炭素濃度の2つのピーク値を示した各時間と、その発生が穏やかになるまでの時間を確認する。一方の2つのピーク値を示した各時間は、コンポスト化処理装置20での処理時において、新たな被処理廃棄物を投入するのを避けるべき時間であり、他方の時間は、投入するのに最適な時間である。実際の投入タイミングは、廃棄物排出事業者(E1 )における各作業者の生活リズム等を考慮して、1日3回投入したい又は朝、夕の2回投入したい等の要望に対して、避けるべきタイミングを明確にしたり、又は、前回の投入から12時間経過すれば、何時投入しても良いというように取り決めをすることができる。つまり、被処理廃棄物を少量づつほぼ連続して投入すると、コンポスト化の処理効率は下がることはあっても、向上することは望めない。よって、少なくとも避けるべきタイミングを明確にすることによって、前記コンポスト化の処理効率を維持することができる。また、処理効率を最大に高めたい時には、前記最適な時間毎に投入すれば良い。そして、実験によって求められた前記最適含水率(M0 )及び最適通気量(V0 )は、そのグラフと共に管理センター90に登録される。
【0061】
このようにして、コンポスト化処理実験装置10にて最適な条件が求められた後に、廃棄物排出事業者(E1 )から排出される被処理廃棄物(A1 )の処理量等を考慮して、コンポスト化処理装置20が設計製作される。そして、該コンポスト化処理装置20が、廃棄物排出事業者(E1 )の元に納品され、コンポスト化を開始するための準備が行われる。この後の手順は、図9に示されるとおりである。処理槽22の容量に収まるように、製品コンポスト(A2 )を混合して最適含水率(M0 )に調整された被処理廃棄物(A1 )を、投入口45より仕込む。調整バルブ27で最適通気量(V0 )に調整された空気が、処理槽22の底部から、通気パイプ24及び分岐パイプ25を介してその内部に流入され、処理槽22においては、被処理廃棄物(A1 )及び製品コンポスト(A2 )が撹拌羽根23でゆっくり撹拌されて、コンポスト化が開始する。処理槽22は、その下方からヒーターで加熱されており、35℃以上を維持するように制御されている。廃棄物排出事業者(E1 )の被処理廃棄物(A1 )の特性に応じた最適含水率及び通気量(M0 ),(V0 )にて、コンポスト化が開始されているので、その反応を、速やかに立ち上げることができる。
【0062】
そして、更に図6に示されるとおり、コンポスト化処理装置20の第1及び第2の各センサ筒51,52における各センサ61,62,63,64,65は、各検知項目を測定し、それらの測定値は、データ化手段75及び通信端末76並びに通信回線手段80を介して、管理センター90に送信される。管理センター90では、通信端末96を介してデータ比較手段91によって、前記各測定値を受信すると共に、それらに対する各登録値を比較参照し、それらが規定の範囲内の値であるかどうか、即ちコンポスト化の適否が判定される。また、同時に、各センサ61,62,63,64,65の測定値を記録した記録用紙93が、データ比較手段91に連結したプリンター92から、アウトプットされるように構成されている。該記録用紙93は、例えば図10ないし図12に示されるように、時間経過に対する各センサ61,62,63,64,65の測定値の変化が、解かり易く示されるグラフ形式のものがある。また、該記録用紙93は、所定時間毎に検知された前記各測定値のスポットデータを記載した表形式のもの(図示せず)でも構わない。なお、データ化手段75としては、各センサの出力電圧をデジタルデータ化し、モデム等の通信端末76を介して、該データを通信回線手段80に送信することができるパソコン等が使用され、通信回線手段80としては、インターネットを利用することができる。
【0063】
上記の環境の元で、まず、水分センサ61の測定値は、最適含水率(M0 )±3%であるかどうか判定される。例えば、夏期のような気象条件の良い季節でのコンポスト化では、反応が順調に進行し、通気や熱エネルギーのための水分の蒸発が盛んになり、水分低下が起きすぎて規定値を下回ることがある。このような時には、管理センター90から管理オフィス(R1 )の技能者(C1 )にその旨が伝達され、該技能者(C1 )の指導の元に水分を加えて調整することが可能である。温度センサ62の測定値は、35〜65℃の範囲であるか判定される。35℃以下の場合は、微生物の活動が緩慢であると推理できる。原因としては、ヒーター28の故障等の(コンポスト化の)機械に係るものや、他の理由により反応自体の不具合が起こっている場合や、気象現象による(例えば冬期)場合もある。一方60℃以上の場合には、(活動によって二酸化炭素を排気する)コンポスト化に係る微生物の生存領域とは異なるために、不都合となる。これら温度に係る不具合の時には、ヒーター28の修理等を行って対処することができる。これらの水分及び温度の各センサ61,62の測定値は、二酸化炭素濃度センサ64の測定値と共に参照されるのが望ましい。そして、技能者(C1 )が廃棄物排出事業者(E1 )の元に駆け付け、調整処理して問題ないと判断された場合には、コンポスト化処理が再開され、若しくは、状況に応じて中断されることもある。
【0064】
また、アンモニアの濃度は、1(ppm)以下であると望ましい。これを超えた場合には、大型の脱臭機に取替えられる必要がある。電気伝導度は、10(mS/cm)以下であるべきである。この規定値を超えた時には、コンポスト化は停止される。なお、各センサ61,62,63,64,65は、予めコンポスト化処理装置20に取付けられているものでなくても構わない。例えば、既存のメーカー製のコンポスト化処理機に対して各センサ61,62,63,64,65を組み込み、同様に検知して測定値を管理する方法でも構わない。
【0065】
そして、予め決定されている投入タイミングが経過した後に、新規の被処理廃棄物(A1 )が投入され、新たなコンポスト化反応が開始される。コンポスト化処理装置20にて連続運転(コンポスト化)されている間には、その処理槽22の内部において、製品コンポストが出来ているので、2回目以降の投入時においては、初回投入時のように、新規の被処理廃棄物(A1 )含水率を下げる目的で別途製品コンポストを混合する必要はない。管理センター90においては、前記各センサ61,62,63,64,65の各測定値の分析が引き続き行われ、異常がない限りは、コンポスト化が継続される。また、管理センター90からは、廃棄物排出事業者(E1 )に対して、定期的に管理報告書94が提出されるので、廃棄物排出事業者(E1 )は、容易にコンポスト化の進行状況を把握することができる。管理報告書94としては、例えば、図10ないし図12に示される前記グラフのような書式のものがある。なお、この時には、前記データ化手段75は、例えばパソコンであって、図6に示されるように、通信端末76及び通信回線手段80を介して、該管理報告書94の文書を受信及び表示確認したり、又は廃棄物排出事業者(E1 )の要望に応じて、FAX送信したり郵送する(図示せず)ことができる。
【0066】
また、図7に示されるとおり、廃棄物排出事業者(E1 )とは別の多数の廃棄物排出事業者(E2 〜En )は、各々通信回線手段80を介して管理センター90と通信可能な環境であって、各々の性状の異なる被処理廃棄物の特性が、予め該管理センター90に登録されていると共に、各コンポスト化処理の現状況が、廃棄物排出事業者(E 1)と同様に、リアルタイムにデータ送信されている。そして、各事業者(E2 〜En )の元に近い場所には、各管理オフィス(R2 ,R3 〜Rn )が設けられている。よって、管理センター90において、各廃棄物排出事業者(E2 〜En )の元で、コンポスト化処理に係る不具合が起こっていると推理される時には、各管理オフィス(R2 〜Rn )に駐在している各技能者(C2 〜Cn )が、派遣され、不具合の解決をすることができる。各技能者(C1 〜Cn )は、研修センター110にて、コンポスト化に係る処理方法に関して、教育、訓練を受けたものである。このようにして、各事業者(E 1〜En )の元に、コンポスト化に関する専門知識・経験がなくても、常に最適な条件で各コンポスト化処理装置を作動させて、各被処理廃棄物のコンポスト化処理を行うことができる。
【0067】
管理センター90は1箇所に設けられ、各廃棄物排出事業者(E1 〜En )のコンポスト化処理に係る全データを一括管理するのに対して、管理オフィス(R1 〜Rn )は、各廃棄物排出事業者(E1 〜En )の所在地に対応して、地理的に近い場所に設けられている。よって、管理オフィス(R1 〜Rn )の各技能者(C1 〜Cn )が各廃棄物排出事業者(E1 〜En )の元に派遣される場合には、その対応を速やかに行うことができる。また、特定の廃棄物排出事業者(E1 )が複数のコンポスト化処理装置を有する場合にも、地理的に近い管理オフィス(R1 〜Rn )のサポートを受けることができるので、各処理装置の維持管理が容易となる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、個々の廃棄物排出事業者の被処理生物系廃棄物の試料を、コンポスト化処理に必要な諸条件下で、コンポスト化処理実験装置にて実験的に処理し、この実験結果を参照することによって、最適なコンポスト化処理のための諸条件である被処理生物系廃棄物の含水率、通気量、及び新規の被処理生物系廃棄物の最適投入タイミングを知ることができる。該実験においては、諸条件下にてコンポスト化した結果、生成する二酸化炭素の総量を比較し、二酸化炭素の総量が最も多い場合の条件を、最適条件と決定することができる。これらのコンポスト化処理のための最適条件を参照比較しながら、実際にコンポスト化処理装置にて処理することによって、即ち、人為的な条件付け(環境調節)を継続して施してコンポスト化を進行させることによって、高品質なコンポストの生成効率を向上させることができる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンポスト化処理実験装置10の概略図である。
【図2】 被処理廃棄物(A1 )と製品コンポスト(A2 )との混合を示す模式図である。
【図3】 コンポスト化において、排気される二酸炭素濃度の時間変化を示す関数(F)のグラフである。
【図4】 コンポスト化処理装置20の正面縦断面図である。
【図5】 図4のX−X線断面図である。
【図6】 被処理廃棄物のコンポスト化処理方法全体を示す工程図である。
【図7】 被処理廃棄物のコンポスト化処理の管理方法を示す工程図である。
【図8】 コンポスト化可否の判定を示すフローチャートである。
【図9】 コンポスト化処理装置20において、コンポスト化処理する方法を示すフローチャートである。
【図10】 コンポスト化処理中の二酸化炭素濃度及びアンモニア濃度変化を示すグラフである。
【図11】 コンポスト化処理中の反応温度及び含水率の変化を示すグラフである。
【図12】 コンポスト化処理中の電気伝導度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
A,A0 :被処理廃棄物の試料
1 :被処理廃棄物(生物系廃棄物)
1 〜Cn :技能者
1 〜En :廃棄物排出事業者
0 :最適含水率
1 〜Rn :管理オフィス(管理事務所)
0 :最適通気量
10:コンポスト化処理実験装置
20:コンポスト化処理装置
61:水分センサ
62:温度センサ
63:電気伝導度センサ
64:二酸化炭素濃度センサ
65:アンモニア濃度センサ
80:通信回線手段
90:管理センター

Claims (2)

  1. アンモニア濃度、二酸化炭素濃度、温度、水分、電気伝導度を含む生物系廃棄物のコンポスト化処理の種々の処理状態を検出する各種センサを備えたコンポスト化処理装置を用いて、処理槽内に投入された被処理生物系廃棄物を微生物と酸素の作用によってコンポスト化処理する方法であって、
    コンポスト化処理実験装置を用いて前記被処理生物系廃棄物の試料を実験的にコンポスト化処理して、時間に対する二酸化炭素濃度を求め、二酸化炭素の総生成量を算定することにより、被処理生物系廃棄物のコンポスト化処理に必要な含水率、及び通気量の各条件については、二酸化炭素の前記総生成量が最大となる各最適値をそれぞれ予め求めると共に、新規の被処理生物系廃棄物の最適な投入タイミングについては、前記実験的コンポスト化処理において、時間に対する二酸化炭素濃度が低下してほぼ一定値となって、収束を開始する時点以降の時間帯から選択された特定の時点を最適投入タイミングと予め定めておいて
    予め実験的に求められた前記最適投入タイミングにて新規の被処理生物系廃棄物を投入しながら、前記各種センサにより、その時点の処理状態を検出して、同一の前記被処理生物系廃棄物の試料により予め実験的に求められた含水率、及び通気量のそれぞれの前記各最適値と比較して、必要な場合には、処理条件の変更、処理停止を行なって、処理中の被処理生物系廃棄物の含水率、及び通気量を前記各最適値にしてコンポスト化処理することを特徴とする生物系廃棄物のコンポスト化処理方法。
  2. 前記コンポスト化処理実験装置で被処理生物系廃棄物の最適処理条件を求める前に、前記被処理生物系廃棄物の含水率、電気伝導度、有機物含有量の各物性を測定して、コンポスト化処理の可否の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の生物系廃棄物のコンポスト化処理方法。
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