JP2003221289A - 生物系廃棄物のコンポスト化処理方法、及びその管理方法 - Google Patents

生物系廃棄物のコンポスト化処理方法、及びその管理方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】生物系廃棄物をコンポスト化処理する途中にお
いて、人為的な条件付けを施してコンポスト化処理し
て、高品質なコンポストの生成効率を向上させ、更に、
廃棄物排出事業者の負担を軽減する方法を提供する。 【解決手段】コンポスト化処理実験装置10を用いて被
処理廃棄物の試料をコンポスト化処理し、被処理廃棄物
の最適含水率、最適通気量、新規の被処理廃棄物の投入
タイミング等のコンポスト化処理に必要な各最適値を予
め求めておく。次に、コンポスト化処理装置20の各種
センサ(61,62,63,64,65)により、コン
ポスト化処理時点の状態を検出して、前記各最適値と比
較し、必要な場合には、処理条件の変更を行なって、最
適値又はこれに近い条件でコンポスト化処理する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、「生物系廃棄物」
を「コンポスト化」処理する方法と、この「コンポスト
化」処理を管理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下の説明において「コンポスト化」の
対象となる「生物系廃棄物」とは、天然の動植物自身及
びその代謝物、並びにそれらの処理残さ等の生物に由来
する有機資材の残さのことをいう。例えば、一般廃棄物
に分類される可燃ゴミ、厨芥、し尿、更に、産業廃棄物
に分類される汚泥や動植物性残さ、動物の糞尿及び死体
等を挙げることができる。
【0003】また、以下の説明において「コンポスト
化」とは、上記した生物系廃棄物を、農業生産に係る肥
料及び土壌改良材として有効なコンポスト製品にするこ
とである。生物系廃棄物は、元来空気中や土壌におい
て、その表面に存在している好気性の常温(中温)又は
高温性の微生物の活動によって、自身の有機資材が分解
され、コンポスト製品にされる。これらの微生物は、前
記有機資材中のより分解し易い糖類等から順に消費し、
代謝及び増殖活動するものと理解されている。また、こ
れらの微生物の活動により得られる(発生する)温度上
昇により、生物系廃棄物中の病原菌、雑草の種子、害虫
の卵や幼虫等を死滅させることができる。よって、汚物
感を感じさせない状態にして、作物にとって適度な栄養
分を保持する安定な性状に、生物系廃棄物を変質するこ
とができる。また、前記微生物の活動により、生物系廃
棄物中の水分を除去することができるので、大量のゴミ
となるはずの生物系廃棄物の重量及び体積を減量するこ
とが可能となる。生物系廃棄物のコンポスト化処理は、
社会的に期待されているゴミ減量方法の1つである。
【0004】上記したコンポスト化の反応は、微生物が
代謝及び増殖活動するために、生物系廃棄物中の有機物
を「エサ」として、エネルギーを獲得するための一つの
形式である。即ち、微生物は、上記有機物中の炭素や窒
素を代謝、循環させて、自身の生存エネルギーを得た
り、細胞増殖するために活動するものである。このよう
にして、微生物が有機物を分解する過程を、物質レベル
の反応面からややマクロ的に着目すると、次の3つの生
化学反応が、複合連鎖的に進行するものと考察されてい
る。
【0005】 Cx y z +(x+y/4−z/2)O2 → xCO2 +(y/2)H2 --------- (1) n(Cx y z )+nNH3 +n(x+y/4−z/2−5)O2 → (C5 7 NO2 )n+n(x−5)CO2 +(y−4)(n/2)H2 --------- (2) (C5 7 NO2 )n+5nO2 →5nCO2 +2nH2 O+nNH3 --------- (3) 化学式(1)は、微生物が生物系廃棄物中の糖類を始め
とする易分解性の有機物(Cx y z )を消費して、
生活エネルギーを得るための反応である。化学式(2)
は、微生物が生物系廃棄物から細胞を作る過程であっ
て、有機物(Cx y z )を酸化させつつ、細胞原形
質等の他の有機物〔(C5 7 NO2 )n〕を合成する
反応である。化学式(3)は、化学式(2)の合成で得
られた他の有機物〔(C5 7 NO2 )n〕を更に酸化
する過程であって、微生物が、共食い、自己分解するこ
とを示す反応である。各化学式(1),(2),(3)
に示されるように、コンポスト化の反応は、各生化学反
応が複合連鎖的に進行して、生物系廃棄物中の有機物
が、最終過程において、CO2 とH2 Oとに分解する反
応であると解されている。よって、コンポスト化反応系
中のCO2 の総排出量と、コンポスト化反応の進行度合
いとは、比例すると考えられている。なお、実際のコン
ポスト化の反応過程においては、各化学式(1),
(2),(3)式に示されるコンポスト化反応以外に
も、嫌気性微生物による生物系廃棄物の分解反応や、そ
の他の分解反応も並行して進行するが、上記したコンポ
スト化の反応の進行が、より卓越していると推察されて
いる。
【0006】このように、コンポスト化の反応は、微生
物が自身の栄養素を得る生命活動を利用したものであ
る。そのためには、微生物が好む適度な温度環境、微生
物の「エサ」となるべき生物系廃棄物中の有機物、適度
な水分、酸素等が必要であり、同時に、微生物の活性を
阻害する要因を排除する必要がある。よって、コンポス
ト化の反応は、(1)微生物の生育環境がある程度限定
されるために、環境変化の影響を受けやすい。(2)生
物反応であるため、化学反応に比べて分解速度が遅い。
(3)生物系廃棄物の種類・性状によりコンポスト化に
おける最適条件や、処理速度などが異なるという特徴を
有している。
【0007】ところで、現在各メーカーから市販されて
いるコンポスト化処理装置は、独自の標準廃棄物(調質
された生ゴミ等)を設定し、そのコンポスト化の最適条
件に基づいて、装置の設計が行われている。よって、個
々の特定の廃棄物排出事業者から排出され、上記した特
徴を有する極めて雑多な生物系廃棄物を、市販されてい
るコンポスト化処理装置を使用してコンポスト化する際
には、以下の問題点が掲げられている。
【0008】(1)メーカーが調整した前記標準廃棄物
と、個々の廃棄物排出事業者から排出される被処理生物
系廃棄物の特性は各々異なる場合が多いので、コンポス
ト化するための最適条件も異なっている。しかし、前記
標準廃棄物のための既設の条件設定で、個々の被処理生
物系廃棄物のコンポスト化が行われるために、微生物の
活性が鈍化し、コンポスト化の反応が遅々として進行せ
ず、その処理効率が大幅に悪化する。
【0009】(2)特定の廃棄物排出事業者の同一生物
系廃棄物であっても、その時々で性状が異なることが多
い。例えば、気温などの自然環境の影響を受けたり(夏
期と冬期)、被処理生物系廃棄物が厨芥等の場合、「中
身」が多少異なったり、コンポスト化の過程で被処理生
物系廃棄物の粘度等の性状が変化したりすることがあ
る。同一廃棄物排出事業者であっても、コンポスト化す
るための最適条件は経時変化するが、予め設定された同
一条件でコンポスト化が行われるために、(1)の場合
と同様に、コンポスト化処理の効率が悪化する。
【0010】(3)コンポスト化の過程では、微生物が
被処理生物系廃棄物を分解する副産物として臭気成分
(アンモニア等)が発生することが多い。臭気は、環境
に著しく影響し、廃棄物排出事業者等に多大な不快感を
与える。しかし、前記標準廃棄物の既設の条件設定に基
づいて、コンポスト化処理が行われるため、逐一発生す
る臭気成分に対応して、臭気発生を抑制する機能が充分
ではなく、不快感が充満すると共に、環境汚染につなが
る。
【0011】(4)従来構成のコンポスト化処理装置に
は、コンポスト化被処理物に含まれる塩分濃度を知るべ
き手段が設けられていなかった。よって、被処理生物系
廃棄物の塩分濃度が高い場合には、コンポスト化処理物
を農地に還元する時に、作物の塩害を引き起こす恐れが
ある。また、塩分濃度が高くなることは、微生物の活性
を阻害する要因でもあるので、コンポスト化処理の効率
が悪化する。
【0012】(5)コンポスト化の反応を効率的に進行
させるためには、微生物を活性化するために、その「エ
サ」となる新規の被処理生物系廃棄物の投入タイミング
を図り、酸素の供給量及び被処理生物系廃棄物の含水率
を調整し、均一な撹拌を行う等して、コンポスト化の反
応を管理する必要があるが、それらの作業は、廃棄物排
出事業者自身の判断に委ねられているので、廃棄物排出
事業者の負担が少なくない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微生物の活
動によって生物系廃棄物をコンポスト化処理する途中に
おいて、その処理を安定的かつ高速に行うために、廃棄
物排出事業者の負担を軽減しつつ人為的な条件付け(環
境調節)を継続して施して進行させ、高品質なコンポス
トの生成効率を向上させることを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに請求項1に記載の発明は、アンモニア濃度、二酸化
炭素濃度、温度、水分、電気伝導度等の生物系廃棄物の
コンポスト化処理の種々の処理状態を検出する各種セン
サを備えたコンポスト化処理装置を用いて、処理槽内に
投入された被処理生物系廃棄物を微生物と酸素の作用に
よってコンポスト化処理する方法であって、コンポスト
化処理実験装置を用いて前記被処理生物系廃棄物の試料
をコンポスト化処理して、時間に対する二酸化炭素濃度
を求めることにより、被処理生物系廃棄物の含水率、通
気量、新規の被処理生物系廃棄物の投入タイミング等の
コンポスト化処理に必要な諸条件の各最適値を予め求め
ておいて、前記各種センサにより、その時点の処理状態
を検出して、前記各最適値に比較して、必要な場合に
は、処理条件の変更、処理停止を行なって、前記最適値
又はこれに近い条件でコンポスト化処理することを特徴
としている。
【0015】請求項1の発明によれば、以下に説明する
手順に従って被処理生物系廃棄物をコンポスト化処理す
ることにより、その処理効率を大きく高めることができ
る。まず、個々の廃棄物排出事業者の被処理生物系廃棄
物の試料を、コンポスト化処理に必要な諸条件下で、コ
ンポスト化処理実験装置にて実験的に処理する。この実
験結果を参照することによって、最適なコンポスト化処
理のための諸条件を知ることができる。前述したとお
り、被処理生物系廃棄物のコンポスト化の進行と、該コ
ンポスト化処理物から生成する二酸化炭素の総量とは、
比例している。よって、諸条件下にて生成する二酸化炭
素の総量を比較し、二酸化炭素の総量が最も多い場合の
条件を、最適条件と決定することができる。二酸化炭素
の総量は、時間に対する二酸化炭素の濃度の関数を計測
し、該関数を算定することによって求められる。また、
該関数は、所定の時間の間に、二酸化炭素の濃度が極大
値を2つ示した(二酸化炭素が激しく発生した)後に、
二酸化炭素の発生が穏やかになることを示す関数である
ことが知られている。
【0016】例えば、生物系廃棄物のコンポスト化の処
理促進を左右する諸条件として、被処理生物系廃棄物中
の含水率や反応系中に供給される空気の通気量の調整が
挙げられる。含水率及び供給通気量を変えながら、該当
する被処理生物系廃棄物の試料を実験的にコンポスト化
処理し、各条件下における時間に対する二酸化炭素の濃
度の各関数を求め、一定時間内に生成した二酸化炭素の
各総量を算定する。その中から算定値が最大となる、即
ち微生物が最も活性化され、多くの二酸化炭素が排出さ
れたと思われる含水率及び通気量の各最適数値を決定す
ることができる。また、上記関数を参照し、二酸化炭素
濃度の各極大値及びその発生が穏やかになるまでの時間
を求め、実機でコンポスト化処理を行う際の新規の被処
理生物系廃棄物の投入タイミング(間隔)を決定するこ
とができる。二酸化炭素濃度の各極大値を示す時間は、
微生物が最も高く活性化している時間であり、著しい変
化は好ましくなく、微生物の活性が鈍化するのを防ぐた
め、被処理生物系廃棄物を投入するのを避けるべき時間
である。従って、二酸化炭素の発生が穏やかになるまで
の時間を求め、この時間を実機でコンポスト化処理を行
う際の新規の被処理生物系廃棄物の投入タイミング(間
隔)と同じにすることによって、微生物の活性が鈍化す
ることもなく、効果的に微生物の活性を促進することが
できる。このように、新規投入するのに最適な時間を把
握した上で、事業者の処理事情に対応した投入タイミン
グを取り決めることができる。
【0017】そして、これらの実験終了後、廃棄物排出
事業者の元で実機において被処理生物系廃棄物を処理す
る時にも、上記した最適含水率及び通気量に近い数値を
維持するように管理することによって、効率良くコンポ
スト化処理することができる。そのために、コンポスト
化処理装置には、水分及び通気量を計測するためのセン
サが取付けられており、リアルタイムでそれらの計測値
を参照して、現時点でのコンポスト化の進行の様子を知
ることができる。よって、コンポスト化反応が滞った時
の指標として利用することができ、滞った時には、諸条
件の最適値に近づくように調整して、常に最適なコンポ
スト化処理を継続させることができる。
【0018】また、このようにして、被処理生物系廃棄
物の処理効率を高めることができると共に、最適な諸条
件に基づいて、個別に廃棄物排出事業者のコンポスト化
処理装置の設計製作を行うこともできる。例えば、処理
装置の設置面積を有効に使用する設計製作が可能となっ
て、コンポスト化処理に携わる廃棄物排出事業者の負担
を軽減することができる。
【0019】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記コンポスト化処理実験装置で被処
理生物系廃棄物の最適処理条件を求める前に、前記被処
理生物系廃棄物の含水率、電気伝導度、有機物含有量等
を測定して、コンポスト化処理の可否の判定を行うこと
を特徴としている。
【0020】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、コンポスト化処理する被処理生物系廃
棄物を予め選択し、時間的にコンポスト化処理に適さな
いという不具合や、出来上がったコンポスト化処理物の
「コンポスト製品」として利用価値が低いといったトラ
ブルを避けることができる。また、例えば、予め生物系
廃棄物の含水率を測定した結果、微生物の活動環境に適
した含水率の範囲外であると判明した時には、許容され
る含水率に近づくように調整することによって、実機に
おける微生物の活性を維持して、被処理生物系廃棄物の
分解が遅くなる等の問題を回避することができる。ま
た、以下の説明において、「有機物含有量」とは、生物
系廃棄物中における微生物の「エサ」となるべき有機成
分の含有量のことである。これが少ない場合には、微生
物の増殖が阻害され、被処理生物系廃棄物の水分が低下
せずに分解が遅くなる等の問題が生じる。また、電気伝
導度は、生物系廃棄物中の塩分濃度に比例すると考えら
れており、塩分は、微生物の活性を低下させるので、こ
の値を規制することによって、コンポスト化の処理効率
が悪化することを防ぐことができる。更に、コンポスト
化処理完成品を農地で再利用する際には、「塩害」を招
くことを避けることができる。
【0021】また、請求項3の発明は、請求項1のコン
ポスト化処理方法を実施する多数の廃棄物排出事業者に
設置された多数のコンポスト化処理装置の処理状態を通
信回線手段を用いて中央のデータ管理センターにおいて
一括管理する方法であって、前記各種センサから検出さ
れた各検出値を前記通信回線手段を介して前記データ管
理センターに送信して、該データ管理センターにおい
て、予め登録してある前記最適値と比較して、各種処理
条件の適否の判定を行い、不適と判定された場合には、
管理技術者が当該不適判定に係るコンポスト化処理装置
を所有する廃棄物排出事業者に出向いて、コンポスト化
処理条件の修正を行うことを特徴としている。
【0022】請求項3の発明によれば、各事業者の排出
する被処理生物系廃棄物の最適コンポスト化条件を予め
データ管理センターに登録してあって、各事業者のコン
ポスト化処理装置により処理されている被処理生物系廃
棄物のコンポスト化状態(現実のデータ)は、通信回線
手段を介してデータ管理センターに送られる。このた
め、各事業者の現実のコンポスト化処理条件は、データ
管理センターにより一括把握され、現実の処理条件が登
録データと比較して不適な場合には、その判定がなされ
て、専門の管理技術者が事業者の所に出向いて、コンポ
スト化処理装置の条件等の変更を行う。よって、各事業
者は、コンポスト化に関する専門知識・経験がなくて
も、常に最適な条件でコンポスト化処理装置を作動させ
て、生物系廃棄物のコンポスト化処理を行える。
【0023】また、請求項4の発明は、請求項3の発明
において、前記管理技術者は、多数の前記廃棄物排出事
業者に対して地理的に近い多数の管理事務所に駐在して
いることを特徴としている。
【0024】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
の効果に加えて、各事業者の現実のコンポスト化の処理
条件が登録データと比較して不適であって、専門の管理
技術者が事業者の所に出向く場合において、迅速に対処
することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について、
詳細に説明する。まず、特定の廃棄物排出事業者(以下
の実施例の説明においては、単に「事業者」と記す場合
もある)から排出される被処理生物系廃棄物(以下の実
施例の説明においては、単に「被処理廃棄物」と記す)
の特性を調べ、コンポスト化処理に適しているか否かを
判定する方法について説明する。実施例の被処理廃棄物
としては、「生ゴミ」や「汚泥」等がある。調べるべき
被処理廃棄物の特性としては、含水率、有機物含有量、
電気伝導度等が挙げられる。各特性値は、後述する所定
の方法にて測定される。
【0026】該被処理廃棄物の含水率は、規定値の範囲
内であることが望ましい。その規定値よりも大き過ぎる
場合には、被処理廃棄物中に十分な酸素が行届かないの
で、コンポスト化処理装置でコンポスト化する時に、微
生物の活性が阻害され、その処理効率が低下すると予想
される。この時には、水分調整剤を混合して全体として
の含水率を下げることができる。このような水分調整剤
としては、例えば、コンポスト化処理完成品(以下の説
明において、「製品コンポスト」と記す)があるが、元
の被処理廃棄物に加えて該製品コンポストの分の容量が
増大する。通常は、コンポスト化処理装置には容量的な
限界があるので、特に、初回投入時における製品コンポ
ストの含量は、ある値以下に設定されており、よって、
含水率の上限値が設定される。また、含水率が大きい被
処理廃棄物に脱水等の前処理を行い、含水率が小さくな
るように予め調整することも可能である。一方、微生物
は、栄養や酸素を水への溶存状態で活用するために、そ
の媒体とするべく、ある程度の水分を必要とする。よっ
て、含水率が規定値より小さ過ぎる場合には、被処理廃
棄物に水を加える等の調整を施すことができる。このよ
うに、含水率が規定値の範囲内に収まるようにした後
に、コンポスト化処理装置にて処理することによって、
被処理廃棄物の分解が遅くなる等の問題を回避すること
ができる。
【0027】また、有機物含有量が少ない場合には、微
生物にとって「エサ」不足の状態を招き、微生物が活性
化しない恐れがある。よって、コンポスト化の反応によ
る発熱が充分に得られずに、被処理廃棄物の殺菌効果が
得られなかったり、その水分が低下しないので、「ゴミ
の減量」ができない等の問題が生じると予想される。よ
って、コンポスト化処理される被処理廃棄物には、有機
物含有量が規定値以上含まれていることが望ましい。
【0028】また、被処理廃棄物の電気伝導度は、被処
理廃棄物中に含まれる塩分の濃度に比例すると考えられ
ており、この数値を測定確認することによって、コンポ
スト化処理された製品コンポストを農地で再利用する際
に「塩害」を招くことを避けることができる。即ち、農
地での再利用が想定される場合には、電気伝導度は、規
定値以下でなければならない。なお、実際には、電気伝
導度は、被処理廃棄物を含む規定の水溶液中の「塩類」
の濃度を示す測定値であって、即ち「塩分(NaC
l)」ではないが、大半が塩分であると仮定して差し支
えない。また、上記した以外にも、この時に、被処理廃
棄物の物性をチェックされることが望ましい。著しく粘
潤で扱いが困難であったり、破砕しにくい塊状や板状で
あると、コンポスト化処理装置での処理時において、ど
うしても不均一で不良な条件の部分が残り、不都合が起
き易い。
【0029】次に、図1ないし図3を用いて、コンポス
ト化処理に必要な諸条件の各最適値を求める方法につい
て説明する。該各最適値は、図1に示されるコンポスト
化処理実験装置10(以下の実施例の説明においては、
単に「実験装置」と記す場合もある)を使用して、必要
に応じて調整された被処理廃棄物の試料を、その反応槽
1の中で、実験的にコンポスト化反応させることによっ
て決定される。コンポスト化処理実験装置10は、コン
ポスト化反応に係る実験的な各設定値において、コンポ
スト化の反応を進行させ、それから排気される二酸化炭
素の濃度を時間経過と共に記録して、実験的な各設定値
の中から各最適値を決定するための装置である。この二
酸化炭素の濃度と時間との記録は、後述する二酸化炭素
の総排気量を比較するために用いられるものである。本
実施例においては、諸条件として、被処理廃棄物をコン
ポスト化するために最適なその含水率と、反応槽1に供
給する空気の最適な通気量とを決定し、その時の前記記
録から、実機(コンポスト化処理装置)において、新規
に被処理廃棄物を投入するタイミングを導くための実験
方法について説明する。被処理廃棄物中の含水率及び通
気量(酸素供給量)、並びに新規に被処理廃棄物を投入
するタイミングは、各々微生物が活性化するために重要
な環境条件であって、多種の被処理廃棄物によって各々
最適値が異なっているものである。
【0030】コンポスト化処理実験装置10の構成及び
作用は、以下に説明する通りである。エアーポンプ2
は、給気管路3を介して、反応槽1の中に空気を流入さ
せるポンプであり、流量計4でその流量が測定可能とな
っている。エアーポンプ2から送られる空気は、水槽5
の水6の中に浸漬された反応槽1の底部からその内部に
供給されて、微生物の活動に必要な(空気中の)酸素が
供給され、反応槽1の中の被処理廃棄物の試料のコンポ
スト化反応が開始するように構成されている。
【0031】反応槽1では、微生物が活動を開始して、
被処理廃棄物の試料が発熱し、反応槽1の内部の温度が
上昇する。水槽5は、反応槽1の内部の反応温度を保持
するために、反応槽1の外部に水6を貯留するためのも
のであって、その外部にある水6の温度は、反応槽1の
内部の温度が上昇するのに追随して、前記反応温度と一
致するように調整可能となっている。水6の温度は、ヒ
ーター7によって調温される。温度制御機8は、反応槽
1の内部の温度を検知して、その外部の水6の温度が反
応槽1の内部の温度と同じになるように水6の温度を検
知しながら、ヒーター7への電気出力を制御するための
ものである。
【0032】そして、コンポスト化反応は反応槽1の内
部にて進行し、その上方から、余剰空気や二酸化炭素を
含む反応生成ガスが、排気管路11及びアンモニアトラ
ップ12、シリカゲル槽13、二酸化炭素の濃度計14
を介して外部に排気される。アンモニアトラップ12
は、コンポスト化反応中に生成するアンモニア(ガス)
を、排気ガスから除去するための希硫酸水溶液槽であ
り、シリカゲル槽13は、コンポスト化反応中に生成す
る水蒸気及び水分を、同じく除去するためにシリカゲル
を充填したU字管である。アンモニアや水蒸気は、二酸
化炭素の濃度計14の二酸化炭素を検知するセンサー部
分を損傷したり、検知結果に影響を与える恐れがあるの
で、ここで取除かれる。二酸化炭素の濃度計14は、反
応槽1から排気される(実際には、アンモニアと水蒸気
とを除く)ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度を測定す
る計測器であって、この測定値は、コンポスト化反応開
始後の時間及び反応槽1の内部の温度と共に、記録計1
5においてプロットアウトされる。なお、16は、撹拌
機であって、水槽5の中の水6の温度を均一にするため
のものである。17、18、19は、各々電気信号の送
受信路であって、順に、ヒーター7への電気出力、二酸
化炭素の濃度、反応槽1の中の温度に相当する電気信号
を送受信するためのものである。8a,8bは、各々、
温度制御機8の反応槽1の内部及び水6の温度を検知す
るロッド部分である。
【0033】最適な含水率を求めるための実験は、例え
ば以下のように行われる。含水率とは、被処理廃棄物に
含まれる水分の重量%である。一般に、(生物系)被処
理廃棄物は、自身の含水率(M1)が最適な含水率よりも
大きい状態で持ち込まれることが多いので、より含水率
の小さい製品コンポスト〔含水率=(M2)〕を混合し
て、実験するものとして説明する。図2に示されるとお
り、予め含水率を測定された被処理廃棄物(A1)〔含水
率=(M1 )〕と、同じく、製品コンポスト(A 2)〔含
水率=(M2)(M2 <M1 )〕とを、各々重量(W1),
(W2)ずつ混合し、含水率(M)となる被処理廃棄物の
試料(A)を作成する。そして、前記コンポスト化実験
装置10を使用して、試料(A)のコンポスト化の実験
を所定時間行う。該試料(A)の二酸化炭素の時間に対
する濃度変化を示す記録が、記録計15よりプロットア
ウトされる。なお、図2に示される(W)は、混合後の
試料(A)の総重量即ち、(W1 +W2)を示している。
【0034】この後に、例えば被処理廃棄物(A1)の重
量(W1)のみを所定量づつ変化させ、両者の混合比
(W' )(W' =W1 /W2)を変えた各試料(A)を製
作して、同様に、各被処理廃棄物の試料(A)における
二酸化炭素の時間に対する濃度変化を示す記録をプロッ
トアウトする。
【0035】プロットアウトされる記録は、例えば図3
のグラフに示されるように、時間に対する二酸化炭素濃
度の関数(F)となる。図示されるとおり、二酸化炭素
の濃度は、時間の経過と共にそのピーク値を二箇所に示
し(ヤマを2つ生じ)た後になだらかに減少するという
特徴を有している。また、コンポスト化反応開始後72
時間を経過した後には、コンポスト化反応は激しい変化
を示さないということが知られている。図3のグラフに
おいて、時間(t1)における二酸化炭素の排気量は、そ
の時の濃度(d1)に全排気ガス量を乗じることによって
求められる。ここで、全排気ガス量は、供給される空気
量とほぼ等しいか、或は比例すると考えて差し支えな
い。よって、全排気ガス量は、時間変化とは無関係な定
数だと考えることができる。そして、コンポスト化反応
開始後、時間(t1)が経過するまでの間に発生した二酸
化炭素の総排気量は、関数(F)の時間0〜(t1)まで
の定積分値に対応し、即ち、斜線(B)を施した部分の
面積に比例すると考えられる。本実施例に係る微生物の
活動の指標として、二酸化炭素の総排気量を比較する目
的の場合には、関数(F)の時間0〜72(h)の間の
定積分値を概算したり、そのグラフの前記面積に相当す
る部分の大きさを算定することによって、その多い少な
いを比較することができる。
【0036】このようにして、各含水率に調整された前
記被処理廃棄物の各試料の中から、72時間の間の二酸
化炭素の総排気量が最大となる被処理廃棄物の試料(A
0 )を特定することができる。該試料(A0 )の最適含
水率(M0 )は、被処理廃棄物(A1)と製品コンポスト
(A2 )との含水率及び重量(M1),(M2 ),
(W 1),(W2 )又はそれらの前記混合比(W' )よ
り、式(4)又は式(5)から求められる。
【0037】 M0 =(W1 ×M1 +W2 ×M2 )/(W1 +W2 --------(4) M0 =(W' ×M1 +M2 )/(W' +1) --------(5)
【0038】なお、被処理廃棄物の含水率(M1)が最適
含水率(M0 )よりも小さい場合にも、所定量づつ水を
加えて含水率の異なる各被処理廃棄物の試料を作成し、
実験を行うことも可能である。
【0039】次に、前記最適な通気量を求めるための実
験が行われる。コンポスト化の反応においては、自然状
態のまま放置するのではなく、人為的に被処理廃棄物に
空気を通気させて、常にその処理槽内を好気的な雰囲気
に保つことによって、処理効率を向上することができ
る。コンポスト化のための通気量、即ち酸素の供給量
は、不足すると、酸素を必要とする微生物の活性が阻害
され、多い場合には、反応槽1の内部において、その空
気流がコンポスト化途中の被処理廃棄物の温度を下げて
しまい、微生物が活性化されないという問題が生じる恐
れがある。よって、その最適値が決定されなければなら
ない。
【0040】最適通気量を決定するための実験は、最適
含水率(M0 )となるように調整された被処理廃棄物の
試料(A0 )を使用して行われるのが望ましい。最適含
水率に調整された試料(A0 )は、通気量(V)の条件
下で所定時間コンポスト化され、その間の二酸化炭素の
時間に対する濃度変化を示す関数が求められて、二酸化
炭素の総排気量に相当する数値が算定される。その後
に、空気流量(V)を所定流量づつ変えながら、前記試
料(A0 )について同様の実験を行い、各流量時におけ
る二酸化炭素の総排気量に対応する数値が算定される。
そして、それらの中から、前記算定値が最も大きい、即
ち二酸化炭素の総排気量が最大となる最適通気量
(V0 )を決定することができる。
【0041】そして、最適通気量(V0 )が決定された
グラフの関数を使用して、コンポスト化処理装置におい
て、被処理廃棄物を新規に投入するタイミングを求める
方法を図3のグラフを用いて説明する。コンポスト化処
理装置で被処理廃棄物を処理する時には、処理槽内のコ
ンポスト化途中の被処理廃棄物に、次の新たな被処理廃
棄物を投入するまでの間隔(以下、「被処理廃棄物の新
規投入タイミング」と記す)を予め取り決めることによ
って、その一定の処理効率を維持することができる。
【0042】被処理廃棄物の新規の投入タイミングは、
二酸化炭素の発生が穏やかになるまでの時間(図3にお
いては、CO2 濃度が1%程度となる14h付近)とす
るのが望ましい。この時間を、コンポスト化処理装置で
処理をする際の被処理廃棄物の新規投入タイミングとす
ることによって、微生物の活性に与える影響を少なくす
ることができる。また、被処理廃棄物の新規投入タイミ
ングとして、特に避けるべきタイミングは、二酸化炭素
の濃度がピーク値(10%付近)を呈する時間〔4
(h),9(h)〕である。この時に新たに被処理廃棄
物を投入すると、微生物の活性が鈍化するので、効率的
にコンポスト化処理するために、不都合となる。これら
の処理効率を高めるために最適なタイミング〔図3にお
いては、14(h)付近〕と、避けるべきタイミング
〔図3においては、4(h),9(h)〕を求めること
によって、一定の処理効率を維持しながら、後述するよ
うに、各廃棄物排出事業者の事情に応じて都合の良いタ
イミングを決定することができる。
【0043】そして、上記した最適含水率(M0 )及び
最適通気量(V0 )と、その条件下での72時間の間の
二酸化炭素の時間に対する濃度変化を示す関数は、各廃
棄物排出事業者の知るところとなると同時に、後述する
データ管理センターにも登録される。
【0044】次に、図4及び図5を参照して、各廃棄物
排出事業者の被処理廃棄物を、その元でコンポスト化処
理するのに使用されるコンポスト化処理装置20につい
て説明する。このコンポスト化処理装置20は、底部の
断面が半円弧状となった処理槽22内に撹拌羽根23が
配設され、前記処理槽22の下方に水平に配設された通
気パイプ24と前記処理槽22の底部とが複数本の分岐
パイプ25で連結されて、送風機26から通気パイプ2
4に送られた空気流が複数本の前記分岐パイプ25を介
して前記処理槽22内に収容された被処理廃棄物に対し
て送られて、酸素が均一に与えられる構成になってい
る。通気パイプ24には、通気量を調整するための調整
バルブ27が組み込まれている。また、前記処理槽22
における断面半円弧状の部分の外側には、内部に収容さ
れた被処理廃棄物の温度が35℃以下にならないように
加熱して、そのコンポスト化処理を促進させるためのヒ
ーター28が取付けられている。
【0045】また、前記各撹拌羽根23は、処理槽22
の内部に水平に配設された回転軸31に多数本の撹拌棒
29が螺旋状に取付けられた構成である。前記回転軸3
1は、処理槽22の対向側板部32の外側の各軸受33
により水平に支持されている。この回転軸31の一端部
に取付けられた鎖歯車34と、減速機付のモータ35の
出力軸36に取付けられた鎖歯車37とに鎖38が掛装
されて、前記モータ35の駆動力により前記各撹拌羽根
23は低速回転して、処理槽22内に収容された被処理
廃棄物は、ゆっくりと撹拌されながらコンポスト化処理
される。
【0046】また、処理槽22には、蓋体41が着脱可
能に取付けられていて、該蓋体41の上方には、脱臭機
42が配設されて、前記脱臭機42と処理槽22の内部
とは、接続パイプ43を介して連結されている。この脱
臭機42は、処理槽22の内部から大気中に放出される
排気ガスの中から、被処理廃棄物のコンポスト化処理に
より分解発生したアンモニアを主として除去するもので
ある。脱臭機42によりアンモニアが除去された排気ガ
スは、この脱臭機42に接続された排気筒44から大気
中に放出される。また、処理槽22の正面の前記回転軸
31よりも上方の部分には、該処理槽22の内部に予め
定められた時間に被処理廃棄物を投入するための投入口
45が設けられている。また、処理槽22の正面の前記
回転軸31よりも下方の部分には、コンポスト化処理を
終えて製品状態となったコンポスト化処理完成品を所定
量ずつ取り出すための取出し口46が設けられている。
なお、図5に示される2点鎖線(A1 ,A2 )は、所定
の含水率になるように混合され、処理槽22の中に投入
された被処理廃棄物及び製品コンポストの上面を示して
いる。
【0047】また、処理槽22の一方の側板部32であ
って、その底部に近い部分には、第1センサ筒51が取
付けられている。第1センサ筒51には、コンポスト化
処理中の処理槽22内の被処理廃棄物の水分(含水
率)、温度及び電気伝導度を測定するための水分センサ
61、温度センサ62及び電気伝導度センサ63(各々
具体的に図示せず)が組み込まれている。また、脱臭機
42に接続された排気筒44には、第2センサ筒52が
取付けられている。第2センサ筒52には、前記排気筒
44を通過する排気ガスに含まれる二酸化炭素及びアン
モニアの各濃度を検出するための二酸化炭素濃度センサ
64及びアンモニア濃度センサ65(各々具体的に図示
せず)が組み込まれている。そして、各センサ61,6
2,63,64,65は、後述するデータ化手段75を
介して各側定値を確認できるように取付けられていると
共に、更に通信回線手段80を介して、管理センター9
0に各測定値を送信できるように構成されている。
【0048】また、コンポスト化処理装置20は、必要
に応じて、廃棄物排出事業者の条件に合わせて製作され
ることが可能である。例えば、予め排出される被処理廃
棄物の量を予想して、実験で決定した最適含水率に調整
するために混入される製品コンポストの混合量を逆算
し、各事業者のコンポスト化処理装置の設置予定地の面
積に応じた形状の処理槽を有するように(縦横高さ長の
各比を自在に調整された)、コンポスト化処理装置を製
作することができる。また、必要に応じて各センサを選
定することもできる。例えば、塩分の含有量が極めて微
量な被処理廃棄物の場合は、電気伝導度センサが不用と
なる。一方、より正確にコンポスト化反応の進行状況を
把握する指標を設けたい場合には、重量センサ等を取付
けることが可能である。
【0049】次に、上記したコンポスト化処理装置20
を使用して、コンポスト化処理実験装置10で求めた最
適含水率(M0 )、最適通気量(V0 )、被処理廃棄物
の新規投入タイミングを参照しながら、コンポスト化処
理する方法について説明する。まず、最初に被処理廃棄
物を、コンポスト化処理装置20に投入する際には、予
め測定された被処理廃棄物の含水率(M1 )が、前記最
適含水率(M0 )となるように調整される。各事業所に
おける被処理廃棄物に、より含水率の小さい製品コンポ
ストを混合するか、或は、被処理廃棄物の含水率
(M1 )が最適値よりも少ない場合には、水を加える等
して調整されたものが使用される。該最適含水率
(M0 )になるように調整された被処理廃棄物は、コン
ポスト化処理装置20の処理槽22内に投入され、ゆっ
くりと撹拌されて、均一に混合される。そして、前記最
適通気量(V0 )となるように調整バルブ27で調整さ
れた空気が、通気パイプ24及び分岐パイプ25を介し
て、処理槽22内に流入され、コンポスト化反応が開始
する。このようにして、コンポスト化反応に関与する微
生物を活性化するために、その活動初期において、最適
な環境条件が調整される。ところで、コンポスト化にお
いて、所定の処理効率を維持するのに最も重要な要因
は、原料(被処理廃棄物)自体の特に早い時期の分解性
が良好なことであって、このことは、コンポスト化反応
の盛衰に大きく関与すると考えられている。よって、上
記のようにコンポスト化反応開始時の諸条件を最適値に
調整することは、長期に亘るコンポスト化の処理効率を
向上させ、それを維持することに対して、大変効果的で
ある。
【0050】このようにして、コンポスト化の初期時の
環境条件が調整されて、廃棄物排出事業者の元でコンポ
スト化処理が開始持続される。コンポスト化処理装置2
0には、コンポスト化の状況をリアルタイムで知るべ
く、前記水分、温度、電気伝導度、二酸化炭素濃度、ア
ンモニア濃度の各センサ61,62,63,64,65
が取付けられている。例えば、水分センサ61において
は、被処理廃棄物の含水率が検知され、その測定値は、
データ化手段及び通信回線手段を介して管理センターに
送信されている。管理センターにおいては、該廃棄物排
出事業者の被処理廃棄物の最適含水率(M0 )が予め登
録されているので、水分センサ61の測定値と登録値と
を比較することができる。それらの各数値が、規定の範
囲を超えて異なる場合には、何らかの理由で微生物の活
性が阻害されている可能性があると推理することができ
る。同様に、温度センサ62や二酸化炭素濃度センサ6
4が示す測定値は、微生物の活性のバロメーターとなる
べき測定値であるので、予め登録されている前記関数
(F)も含めて参照され、対処法を含む様々な判断がな
される。
【0051】管理センターに送信される前記水分、温
度、電気伝導度、二酸化炭素濃度、アンモニア濃度の各
センサ61,62,63,64,65の測定値の例とし
ては、図10ないし図12のようなグラフが挙げられ
る。図10は、約7日間、24時間毎に新たな被処理廃
棄物を投入した場合の二酸化炭素及びアンモニア濃度の
測定値を示すグラフであり、図11は、同じく、(反
応)温度及び含水率の測定値を示すグラフであり、図1
2は、同じく電気伝導度の測定値を示すグラフである。
また、図10ないし図12は、前記各センサ61,6
2,63,64,65の測定値が、適正な範囲に収まっ
ている場合のグラフ例である。図示されるとおり、新規
の被処理廃棄物の投入間隔は24時間であって、二酸炭
素の発生が穏やかになった後に新規投入されている。被
処理廃棄物の反応温度及び含水率は、そのタイミングで
下降及び上昇する。また、被処理廃棄物中の塩分は、コ
ンポスト化処理量が増えると共にその中に徐々に蓄積さ
れるので、電気伝導度の測定値は、処理日数が経過する
と共に緩やかに上昇する。
【0052】そして、上記した各測定値が規定の範囲を
超えて異なる場合には、管理センターから管理オフィス
の技能者に、不具合と思われるコンポスト化の状況の情
報が伝達され、該技能者は、廃棄物排出事業者の元に出
向いて対処して、不具合を解消することができる。ま
た、電気伝導度センサ63の測定値が、規定値を超えた
時には、農地で再利用する際に塩害を招いたり、また、
コンポスト化を継続して塩分が蓄積される間に、まもな
く微生物の活性が低下することが予想されるので、コン
ポスト化の処理は停止されなければならない。また、ア
ンモニア濃度センサ65の測定値が規定値を超えた時に
は、そのままでは、臭気による不快感が充満するのみな
ので、前記技能者が出向いて脱臭機を取替える等の処置
が講じられ、臭気の被害が広がるのを防ぐことができ
る。
【0053】次に、特定の廃棄物排出事業者(E1 )か
ら排出された被処理廃棄物(A1 )のコンポスト化処理
方法及び管理方法について、より具体的な実施例を挙げ
て説明する。図6に示すとおり、廃棄物排出事業者(E
1)の廃棄物(A1 )が、その元でコンポスト化処理さ
れるまでには、(1)被処理廃棄物(A1 )の発生→
(2)コンポスト化の可否判定→(3)コンポスト化処
理実験装置10で各コンポスト化最適条件の決定→
(4)コンポスト化処理装置20の設計製作→(5)廃
棄物排出事業者(E 1)の元でのコンポスト化処理の開
始となる。そして、その後のコンポスト化の処理に係る
管理は、管理センター90及び管理オフィス(R1 )の
技能者(C1 )に委ねられる。
【0054】コンポスト化の可否判定の手順は、図8に
示すとおりであって、含水率、有機物含有量、電気伝導
度の各項目について行われる。まず、被処理廃棄物(A
1 )の含水率(M1 )が測定される。予め風袋重量を測
定した容器に適当量の被処理廃棄物(A1 )を取り入れ
る。取り入れ後直ちに全重量を秤量した後に、105℃
で12時間以上乾燥する。被処理廃棄物(A1 )の乾燥
試料はデシケーターの中で冷却した後、再度秤量して、
乾燥前全重量からの減量を水分量とし、その現物量(乾
燥前全重量−風袋重量)に対する重量%を含水率
(M1 )とする。含水率は、35〜85%の範囲内であ
ることが望ましい。含水率(M1 )が規定範囲より小さ
い場合には、規定の範囲内になるように水分が加えら
れ、多い場合には、脱水等の調整処理が行われる。
【0055】次に、有機物含有量が測定される。この場
合の有機物の定義は、微生物「エサ」となり得るもので
あるが、この定義を簡便にするため、被処理廃棄物(A
1 )を加熱灰化させて、その減量分が「有機物」に相当
すると仮定する。予め重量を測定した磁性ルツボに適当
量の被処理廃棄物を取り入れる。その後に、105℃で
12時間乾燥し、デシケーター中で冷却して、被処理廃
棄物の試料の乾物重量を秤量する。これを電気マッフル
炉に入れ、穏やかに加熱して炭化させた後、約600℃
で4時間保ち、完全に灰化する。デシケーター内で冷却
後秤量し、減量分の被処理廃棄物の試料の乾物重量に対
する重量%を有機物含有量とする。有機物含有量の規定
値は、70%以上である。この規定値よりも小さい場合
も、コンポスト化処理することはできるが、微生物が活
性化されないので、反応熱による殺菌効果が得られなか
ったり、被処理廃棄物(A1 )の中の水分が減少せずに
その容量が減らない等の不具合が起こる可能性がある。
また、コンポスト化処理完成品を農地で再利用する際
に、「コンポスト」としての肥料効果が期待できない。
このような不具合が危惧される時には、コンポスト化を
断念するのが望ましい。
【0056】次に、電気伝導度が測定される。被処理廃
棄物の試料25(g)を容器に正確に取り入れ、蒸留水
100(ml)を加え、スプーンですりつぶすなどして
十分に撹拌する。これに、電気伝導時計の電極を浸し
て、その数値を測定する。測定値は、被処理廃棄物(A
1 )の前記含水率(M1 )から次式(6)によって、試
料乾物10(g)+水100(ml)の時の値に換算さ
れる。
【0057】 換算測定値=測定値×{10×〔100+(25×M1 /100)〕}/〔2 5×(1−M1 /100)×100〕----------(6) 該換算測定値は、10(mS/cm)以下であることが
望ましい。これ以上の時には、上記有機物の含有量の場
合と同様の処理となる。なお、電気伝導度は、断面積1
(cm2 )、距離1(cm)に相対する電極間にある溶
液の電気抵抗値の逆数に相当する値であり、〔S(ジー
メンス)/cm〕がその単位である。通常は、その1/
1000の〔mS(ミリジーメンス)/cm〕が用いら
れる。
【0058】次に、コンポスト化するための最適含水率
及び通気量を決定する実験が行われる。実験は、最適含
水率(M0 )の決定、最適通気量(V0 )の決定、被処
理廃棄物(A1 )の新規投入タイミングの決定の順に行
われる。コンポスト化処理実験装置10の反応槽1の容
量は1(L)程度なので、その容量に応じて、混合後の
被処理廃棄物の総重量が500〜600(g)程度に収
まるように、実験用の試料(A)を製作する。被処理廃
棄物(A1 )(含水率M1 、重量W1 )と製品コンポス
ト(A2 )(含水率M2 、重量W2 )の混合比(W1
2 )は、1/2以上に設定されると後の処理効率がよ
くなるので、1/2から5%づつ上昇させながら、1/
2,1/2× 1.05,1/2×(1.05)2 …とな
る混合比の試料(A)を製作する。そして、順に、72
時間に亘って実験的にコンポスト化処理され、その間の
二酸化炭素の濃度が10分ごとに記録される。この二酸
化炭素濃度の時間変化は、10分間隔の棒グラフ状とな
る。この「棒」部分の総面積を算定し、各被処理廃棄物
の試料(A)の二酸化炭素の総排気量に対応する数値と
する。そして、途中の特定の混合比の試料(A)におい
て実験結果が良好な(二酸化炭素の総排気量が多い)こ
とが明らかな時には、その混合比から1%づつ混合比を
変えた試料を製作して同様に実験を行い、二酸化炭素の
総排気量が最も多くなる混合比の試料(A0 )を特定す
る。そして、前記式(4)又は式(5)より最適な含水
率(M0 )が決定される。
【0059】次に、最適通気量(V0 )を決定する実験
を行う。この実験は、上記最適含水率(M0 )になるよ
うに調整された試料(A0 )を用いて行われる。該試料
(A 0 )を反応槽1に仕込んだ後、その中に供給する空
気の通気量を、例えば、10(m3 /h)に設定し、上
記と同様にして、72時間の間の二酸化炭素の濃度を記
録する。その後に通気量を5%づつ減じて最適含水率の
場合と同様の実験を行い、二酸化炭素の総排出量が最大
となる最適通気量(V0 )を決定する。
【0060】そして、最適通気量(V0 )を示したグラ
フを用いて、72時間の間に、二酸化炭素濃度の2つの
ピーク値を示した各時間と、その発生が穏やかになるま
での時間を確認する。一方の2つのピーク値を示した各
時間は、コンポスト化処理装置20での処理時におい
て、新たな被処理廃棄物を投入するのを避けるべき時間
であり、他方の時間は、投入するのに最適な時間であ
る。実際の投入タイミングは、廃棄物排出事業者
(E1 )における各作業者の生活リズム等を考慮して、
1日3回投入したい又は朝、夕の2回投入したい等の要
望に対して、避けるべきタイミングを明確にしたり、又
は、前回の投入から12時間経過すれば、何時投入して
も良いというように取り決めをすることができる。つま
り、被処理廃棄物を少量づつほぼ連続して投入すると、
コンポスト化の処理効率は下がることはあっても、向上
することは望めない。よって、少なくとも避けるべきタ
イミングを明確にすることによって、前記コンポスト化
の処理効率を維持することができる。また、処理効率を
最大に高めたい時には、前記最適な時間毎に投入すれば
良い。そして、実験によって求められた前記最適含水率
(M0 )及び最適通気量(V0)は、そのグラフと共に
管理センター90に登録される。
【0061】このようにして、コンポスト化処理実験装
置10にて最適な条件が求められた後に、廃棄物排出事
業者(E1 )から排出される被処理廃棄物(A1 )の処
理量等を考慮して、コンポスト化処理装置20が設計製
作される。そして、該コンポスト化処理装置20が、廃
棄物排出事業者(E1 )の元に納品され、コンポスト化
を開始するための準備が行われる。この後の手順は、図
9に示されるとおりである。処理槽22の容量に収まる
ように、製品コンポスト(A2 )を混合して最適含水率
(M0 )に調整された被処理廃棄物(A1 )を、投入口
45より仕込む。調整バルブ27で最適通気量(V0
に調整された空気が、処理槽22の底部から、通気パイ
プ24及び分岐パイプ25を介してその内部に流入さ
れ、処理槽22においては、被処理廃棄物(A1 )及び
製品コンポスト(A2 )が撹拌羽根23でゆっくり撹拌
されて、コンポスト化が開始する。処理槽22は、その
下方からヒーターで加熱されており、35℃以上を維持
するように制御されている。廃棄物排出事業者(E1
の被処理廃棄物(A1 )の特性に応じた最適含水率及び
通気量(M0 ),(V0 )にて、コンポスト化が開始さ
れているので、その反応を、速やかに立ち上げることが
できる。
【0062】そして、更に図6に示されるとおり、コン
ポスト化処理装置20の第1及び第2の各センサ筒5
1,52における各センサ61,62,63,64,6
5は、各検知項目を測定し、それらの測定値は、データ
化手段75及び通信端末76並びに通信回線手段80を
介して、管理センター90に送信される。管理センター
90では、通信端末96を介してデータ比較手段91に
よって、前記各測定値を受信すると共に、それらに対す
る各登録値を比較参照し、それらが規定の範囲内の値で
あるかどうか、即ちコンポスト化の適否が判定される。
また、同時に、各センサ61,62,63,64,65
の測定値を記録した記録用紙93が、データ比較手段9
1に連結したプリンター92から、アウトプットされる
ように構成されている。該記録用紙93は、例えば図1
0ないし図12に示されるように、時間経過に対する各
センサ61,62,63,64,65の測定値の変化
が、解かり易く示されるグラフ形式のものがある。ま
た、該記録用紙93は、所定時間毎に検知された前記各
測定値のスポットデータを記載した表形式のもの(図示
せず)でも構わない。なお、データ化手段75として
は、各センサの出力電圧をデジタルデータ化し、モデム
等の通信端末76を介して、該データを通信回線手段8
0に送信することができるパソコン等が使用され、通信
回線手段80としては、インターネットを利用すること
ができる。
【0063】上記の環境の元で、まず、水分センサ61
の測定値は、最適含水率(M0 )±3%であるかどうか
判定される。例えば、夏期のような気象条件の良い季節
でのコンポスト化では、反応が順調に進行し、通気や熱
エネルギーのための水分の蒸発が盛んになり、水分低下
が起きすぎて規定値を下回ることがある。このような時
には、管理センター90から管理オフィス(R1 )の技
能者(C1 )にその旨が伝達され、該技能者(C1 )の
指導の元に水分を加えて調整することが可能である。温
度センサ62の測定値は、35〜65℃の範囲であるか
判定される。35℃以下の場合は、微生物の活動が緩慢
であると推理できる。原因としては、ヒーター28の故
障等の(コンポスト化の)機械に係るものや、他の理由
により反応自体の不具合が起こっている場合や、気象現
象による(例えば冬期)場合もある。一方60℃以上の
場合には、(活動によって二酸化炭素を排気する)コン
ポスト化に係る微生物の生存領域とは異なるために、不
都合となる。これら温度に係る不具合の時には、ヒータ
ー28の修理等を行って対処することができる。これら
の水分及び温度の各センサ61,62の測定値は、二酸
化炭素濃度センサ64の測定値と共に参照されるのが望
ましい。そして、技能者(C1 )が廃棄物排出事業者
(E1 )の元に駆け付け、調整処理して問題ないと判断
された場合には、コンポスト化処理が再開され、若しく
は、状況に応じて中断されることもある。
【0064】また、アンモニアの濃度は、1(ppm)
以下であると望ましい。これを超えた場合には、大型の
脱臭機に取替えられる必要がある。電気伝導度は、10
(mS/cm)以下であるべきである。この規定値を超
えた時には、コンポスト化は停止される。なお、各セン
サ61,62,63,64,65は、予めコンポスト化
処理装置20に取付けられているものでなくても構わな
い。例えば、既存のメーカー製のコンポスト化処理機に
対して各センサ61,62,63,64,65を組み込
み、同様に検知して測定値を管理する方法でも構わな
い。
【0065】そして、予め決定されている投入タイミン
グが経過した後に、新規の被処理廃棄物(A1 )が投入
され、新たなコンポスト化反応が開始される。コンポス
ト化処理装置20にて連続運転(コンポスト化)されて
いる間には、その処理槽22の内部において、製品コン
ポストが出来ているので、2回目以降の投入時において
は、初回投入時のように、新規の被処理廃棄物(A1
含水率を下げる目的で別途製品コンポストを混合する必
要はない。管理センター90においては、前記各センサ
61,62,63,64,65の各測定値の分析が引き
続き行われ、異常がない限りは、コンポスト化が継続さ
れる。また、管理センター90からは、廃棄物排出事業
者(E1 )に対して、定期的に管理報告書94が提出さ
れるので、廃棄物排出事業者(E1 )は、容易にコンポ
スト化の進行状況を把握することができる。管理報告書
94としては、例えば、図10ないし図12に示される
前記グラフのような書式のものがある。なお、この時に
は、前記データ化手段75は、例えばパソコンであっ
て、図6に示されるように、通信端末76及び通信回線
手段80を介して、該管理報告書94の文書を受信及び
表示確認したり、又は廃棄物排出事業者(E1 )の要望
に応じて、FAX送信したり郵送する(図示せず)こと
ができる。
【0066】また、図7に示されるとおり、廃棄物排出
事業者(E1 )とは別の多数の廃棄物排出事業者(E2
〜En )は、各々通信回線手段80を介して管理センタ
ー90と通信可能な環境であって、各々の性状の異なる
被処理廃棄物の特性が、予め該管理センター90に登録
されていると共に、各コンポスト化処理の現状況が、廃
棄物排出事業者(E 1)と同様に、リアルタイムにデー
タ送信されている。そして、各事業者(E2 〜En )の
元に近い場所には、各管理オフィス(R2 ,R 3
n )が設けられている。よって、管理センター90に
おいて、各廃棄物排出事業者(E2 〜En )の元で、コ
ンポスト化処理に係る不具合が起こっていると推理され
る時には、各管理オフィス(R2 〜Rn )に駐在してい
る各技能者(C2 〜Cn )が、派遣され、不具合の解決
をすることができる。各技能者(C1〜Cn )は、研修
センター110にて、コンポスト化に係る処理方法に関
して、教育、訓練を受けたものである。このようにし
て、各事業者(E 1〜En )の元に、コンポスト化に関
する専門知識・経験がなくても、常に最適な条件で各コ
ンポスト化処理装置を作動させて、各被処理廃棄物のコ
ンポスト化処理を行うことができる。
【0067】管理センター90は1箇所に設けられ、各
廃棄物排出事業者(E1 〜En )のコンポスト化処理に
係る全データを一括管理するのに対して、管理オフィス
(R 1 〜Rn )は、各廃棄物排出事業者(E1 〜En
の所在地に対応して、地理的に近い場所に設けられてい
る。よって、管理オフィス(R1 〜Rn )の各技能者
(C1 〜Cn )が各廃棄物排出事業者(E1 〜En )の
元に派遣される場合には、その対応を速やかに行うこと
ができる。また、特定の廃棄物排出事業者(E1)が複
数のコンポスト化処理装置を有する場合にも、地理的に
近い管理オフィス(R1 〜Rn )のサポートを受けるこ
とができるので、各処理装置の維持管理が容易となる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、個々の廃棄物排出事業
者の被処理生物系廃棄物の試料を、コンポスト化処理に
必要な諸条件下で、コンポスト化処理実験装置にて実験
的に処理し、この実験結果を参照することによって、最
適なコンポスト化処理のための諸条件を知ることができ
る。該実験においては、諸条件下にてコンポスト化した
結果、生成する二酸化炭素の総量を比較し、二酸化炭素
の総量が最も多い場合の条件を、最適条件と決定するこ
とができる。これらのコンポスト化処理のための最適条
件を参照比較しながら、実際にコンポスト化処理装置に
て処理することによって、即ち、人為的な条件付け(環
境調節)を継続して施してコンポスト化を進行させるこ
とによって、高品質なコンポストの生成効率を向上させ
ることができる。
【0069】そして、微生物の活動によって生物系廃棄
物をコンポスト化処理する途中において、その処理を安
定的かつ高速に行うための環境管理は、管理センター及
び各管理オフィスの技能者の働きにより行われる。この
ことによって、各廃棄物排出事業者の負担を軽減しなが
ら、高品質なコンポストの生成効率を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンポスト化処理実験装置10の概略図であ
る。
【図2】被処理廃棄物(A1 )と製品コンポスト
(A2 )との混合を示す模式図である。
【図3】コンポスト化において、排気される二酸炭素濃
度の時間変化を示す関数(F)のグラフである。
【図4】コンポスト化処理装置20の正面縦断面図であ
る。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】被処理廃棄物のコンポスト化処理方法全体を示
す工程図である。
【図7】被処理廃棄物のコンポスト化処理の管理方法を
示す工程図である。
【図8】コンポスト化可否の判定を示すフローチャート
である。
【図9】コンポスト化処理装置20において、コンポス
ト化処理する方法を示すフローチャートである。
【図10】コンポスト化処理中の二酸化炭素濃度及びア
ンモニア濃度変化を示すグラフである。
【図11】コンポスト化処理中の反応温度及び含水率の
変化を示すグラフである。
【図12】コンポスト化処理中の電気伝導度の変化を示
すグラフである。
【符号の説明】
A,A0 :被処理廃棄物の試料 A1 :被処理廃棄物(生物系廃棄物) C1 〜Cn :技能者 E1 〜En :廃棄物排出事業者 M0 :最適含水率 R1 〜Rn :管理オフィス(管理事務所) V0 :最適通気量 10:コンポスト化処理実験装置 20:コンポスト化処理装置 61:水分センサ 62:温度センサ 63:電気伝導度センサ 64:二酸化炭素濃度センサ 65:アンモニア濃度センサ 80:通信回線手段 90:管理センター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 5/00 M L P Fターム(参考) 4D004 AA02 AA03 AA46 BA04 BA10 CA19 CA46 DA03 DA06 DA09 DA10 DA16 DA20 4D059 AA01 BA01 BJ01 CA16 CC01 EA01 EA06 EA09 4H061 AA02 CC31 CC36 CC51 CC55 GG10 GG49

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニア濃度、二酸化炭素濃度、温
    度、水分、電気伝導度等の生物系廃棄物のコンポスト化
    処理の種々の処理状態を検出する各種センサを備えたコ
    ンポスト化処理装置を用いて、処理槽内に投入された被
    処理生物系廃棄物を微生物と酸素の作用によってコンポ
    スト化処理する方法であって、 コンポスト化処理実験装置を用いて前記被処理生物系廃
    棄物の試料をコンポスト化処理して、時間に対する二酸
    化炭素濃度を求めることにより、被処理生物系廃棄物の
    含水率、通気量、新規の被処理生物系廃棄物の投入タイ
    ミング等のコンポスト化処理に必要な諸条件の各最適値
    を予め求めておいて、 前記各種センサにより、その時点の処理状態を検出し
    て、前記各最適値に比較して、必要な場合には、処理条
    件の変更、処理停止を行なって、前記最適値又はこれに
    近い条件でコンポスト化処理することを特徴とする生物
    系廃棄物のコンポスト化処理方法。
  2. 【請求項2】 前記コンポスト化処理実験装置で被処理
    生物系廃棄物の最適処理条件を求める前に、前記被処理
    生物系廃棄物の含水率、電気伝導度、有機物含有量等を
    測定して、コンポスト化処理の可否の判定を行うことを
    特徴とする請求項1に記載の生物系廃棄物のコンポスト
    化処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のコンポスト化処理方法を実施
    する多数の廃棄物排出事業者に設置された多数のコンポ
    スト化処理装置の処理状態を通信回線手段を用いて中央
    のデータ管理センターにおいて一括管理する方法であっ
    て、 前記各種センサから検出された各検出値を前記通信回線
    手段を介して前記データ管理センターに送信して、該デ
    ータ管理センターにおいて、予め登録してある前記最適
    値と比較して、各種処理条件の適否の判定を行い、 不適と判定された場合には、管理技術者が当該不適判定
    に係るコンポスト化処理装置を所有する廃棄物排出事業
    者に出向いて、コンポスト化処理条件の修正を行うこと
    を特徴とする生物系廃棄物のコンポスト化処理の管理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記管理技術者は、多数の前記廃棄物排
    出事業者に対して地理的に近い多数の管理事務所に駐在
    していることを特徴とする請求項3に記載の生物系廃棄
    物のコンポスト化処理の管理方法。
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