JP7217484B1 - 発酵乾燥制御方法および発酵乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

発酵乾燥制御方法は、発酵原料について発酵乾燥処理または堆肥化処理を行う密閉型の発酵槽を含む、発酵乾燥設備と、発酵乾燥設備における発酵乾燥処理または堆肥化処理を制御する設備制御部と、を有する、発酵乾燥装置における発酵乾燥制御方法であって、前記発酵槽からの排気温度の変化と、前記発酵槽の熱収支から算出される発酵熱量の変化と、に基づいて、前記発酵槽への送気流量を調整することを含む。

Description

本開示は、発酵乾燥制御方法および発酵乾燥装置に関する。
特許文献1には、密閉型の堆肥化装置において、発酵熱を発酵指標として、発酵槽への送気流量を設定する方法が記載されている。具体的には、特許文献1では、入気量調整工程において、所定時間間隔で発酵熱量を算出し、任意の算出時の発酵熱量がその前回に算出された発酵熱量と比べて調整を行うことが示されている。具体的には、発酵熱量が前回に算出された発酵熱量と比べて増加した場合には容器内に導入される外気の量を一定幅で増加させ、減少した場合には容器内に導入される外気の量を一定幅で減少させることが開示されている。
特開2018-172272号公報 特開2015-171992号公報 特許6235253号公報 特開2010-69477号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手法は、例えば、発酵熱量の変化量が小さい条件において、外気の導入量が発酵熱量の変化に適切に追従できない現象が生じ得る。
本開示は上記を鑑みてなされたものであり、発酵状況に応じてより適切な送気流量が設定可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一形態に係る発酵乾燥制御方法は、発酵原料について発酵乾燥処理または堆肥化処理を行う密閉型の発酵槽を含む、発酵乾燥設備と、発酵乾燥設備における発酵乾燥処理または堆肥化処理を制御する設備制御部と、を有する、発酵乾燥装置における発酵乾燥制御方法であって、前記設備制御部によって、前記発酵槽からの排気温度の変化と、前記発酵槽の熱収支から算出される発酵熱量の変化と、に基づいて、前記発酵槽への送気流量を調整することを含む。
また、本開示の一形態に係る発酵乾燥装置は、発酵原料について発酵乾燥処理または堆肥化処理を行う密閉型の発酵槽を含む、発酵乾燥設備と、前記発酵乾燥設備における発酵乾燥処理または堆肥化処理を制御する設備制御部と、を有し、前記設備制御部は、前記発酵槽からの排気温度の変化と、前記発酵槽の熱収支から算出される発酵熱量の変化と、に基づいて、前記発酵槽への送気流量を調整する。
上記の発酵乾燥制御方法および発酵乾燥装置によれば、発酵槽からの排気温度の変化と、発酵槽の熱収支から算出される発酵熱量の変化と、に基づいて、発酵槽への送気流量が求められる。発酵槽内での発酵状態は、排気温度および発酵熱量から送気流量を求める構成とすることで、発酵槽内での発酵状態に応じて適切な送気流量を設定することができる。
ここで、前記設備制御部は、所定間隔で、前記発酵槽の前記排気温度および前記発酵熱量を繰り返し取得し、前記送気流量を調整することは、第1のタイミングで取得した前記発酵槽の排気温度および発酵熱量と、前記第1のタイミングから所定間隔前である第2のタイミングで取得された前記発酵槽の排気温度および発酵熱量と、から、前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量を算出することと、前記排気温度の差分および前記発酵熱量の差分に基づいて、前記第1のタイミングから所定間隔経過する第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することと、前記発酵槽の熱収支から、前記仮想排気温度および前記仮想発酵熱量を実現するための前記発酵槽への送気流量を算出することと、を含む態様としてもよい。
前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記第2のタイミングで取得した前記発酵槽の排気温度をTとし、前記発酵熱量をEとし、前記第2のタイミングから第1のタイミングまでの前記排気温度の変化量をΔTとし、前記発酵熱量の変化量をΔEとし、仮想点パラメータをα,βとした場合に、前記第3のタイミングの前記仮想排気温度がT+αΔTとなり、前記仮想発酵熱量がE+βΔEとなるように、前記αおよび前記βを選択することである態様としてもよい。
前記αおよび前記βは、0≦α≦1且つ0≦β≦1を満たす態様としてもよい。
前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記αおよび前記βを、前記発酵槽からの排気温度によって変更する態様としてもよい。
前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記αおよび前記βは、前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量によって変更される態様としてもよい。
前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記αおよび前記βとして、前記第2のタイミングから前記第1のタイミングへの前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量の実績値より算出された、前記第1のタイミングにおける前記αおよび前記βの実績値を使用するとともに、前記αおよび前記βを、新規に仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定するタイミングごとに更新する態様としてもよい。
上記に記載の手法において、ΔTとして、前記第2のタイミングから第1のタイミングまでの前記排気温度の変化量に代えて、前記第2のタイミングから前記第1のタイミングまでの送気流量に基づいて、前記第3のタイミングの前記仮想発酵熱量であるE+βΔEに対応する排気温度を計算し、この排気温度と前記第1のタイミングの排気温度の差を使用する態様としてもよい。
前記所定間隔は、1分以上180分以下で設定される態様としてもよい。
前記発酵槽内の圧力が微負圧になるように制御することをさらに含む態様としてもよい。また、発酵乾燥装置において、前記設備制御部は、前記発酵槽内の圧力が微負圧になるように制御する態様としてもよい。
前記発酵槽への送気流量を調整することは、前記設備制御部によって自動的に行われる態様としてもよい。
本開示によれば、発酵状況に応じてより適切な送気流量が設定可能な技術が提供される。
図1は、一形態に係る発酵乾燥システムの概略構成図である。 図2は、発酵槽の概略構成図である。 図3は、送気流量の算出に使用するパラメータを説明する図である。 図4は、発酵槽への気体の出入りについて説明する図である。 図5は、仮想点の設定方法の一例を説明する図である。 図6は、仮想点の設定方法の一例を説明する図である。 図7は、仮想点の設定方法の一例を説明する図である。 図8は、仮想点の設定方法の一例を説明する図である。 図9は、発酵乾燥制御方法を説明するフローチャートである。 図10(a)、図10(b)、図10(c)は、評価例1の結果の一例を示す図である。 図11(a)、図11(b)、図11(c)は、評価例1の結果の一例を示す図である。 図12(a)、図12(b)は、評価例1の結果の一例を示す図である。 図13(a)、図13(b)は、比較例1の結果の一例を示す図である。 図14(a)、図14(b)は、評価例1の結果の一例を示す図であり、図13に対応する図である。 図15は、評価例2及び比較例2に使用した発酵乾燥システムの概略構成図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[統合発酵乾燥システム]
図1は、本開示の一形態に係る発酵乾燥システム(発酵乾燥装置)の概略構成図である。発酵乾燥システム1は、発酵原料を投入し、好気性発酵熱による発酵乾燥処理によって発酵乾燥物または堆肥を生成するシステムである。発酵乾燥システム1による発酵乾燥処理の対象は、例えば、畜産廃棄物、食品廃棄物、下水汚泥等であり、好気性発酵により乾燥または堆肥化することが可能な物質であれば特に限定されない。また、発酵乾燥処理の発酵分解を進めることによって、投入原料を減量および減容するととともに、処理後の発酵乾燥物のハンドリング性(流動性、臭気、保存性など)を改善し、燃料としての品質、および堆肥としての品質を高めることである。なお、複数の発酵乾燥システム1における発酵乾燥処理の対象の種類は、同一のものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。
図1に示すように、発酵乾燥システム1は、発酵乾燥設備2と、設備制御部3と、を含んで構成される。発酵乾燥設備2は、発酵槽21、原料供給部22、乾燥物排出部23、送気ブロア24、送気ヒータ25、除塵塔26、排気ファン27、および洗浄脱臭塔28を含んで構成される。発酵乾燥システム1において製造されるのは、発酵原料を発酵するとともに乾燥させた発酵乾燥物(乾燥汚泥)または堆肥である。また、発酵原料の発酵に伴って発生する排気ガスについては所定の処理が行われる。
なお、以下の実施形態では、一例として、発酵乾燥の対象となる主原料が下水汚泥である場合について説明する。主原料が下水汚泥とは異なるものであっても、図1に示す発酵乾燥システム1と同様の構成を用いることができるが、システム構成は適宜変更され得る。
発酵槽21は、発酵原料を投入して発酵処理を行う機能を有する。発酵槽21では、好気性微生物による好気処理が行われる。発酵槽21へは、主原料のほか、発酵に寄与する副原料等がラインL1を介して投入される。
発酵槽21への原料の供給量・配合比等の調整は、例えば、原料供給部22によって行われる。発酵槽21からは発酵後の発酵乾燥物がラインL2を介して排出される。発酵乾燥物の排出量の調整等は、例えば、乾燥物排出部23によって行われる。また、発酵槽21へは、ラインL3を介して空気が供給される。また、発酵槽21における発酵に伴って発生したガスや水蒸気(以下排気)は、ラインL4を介して排出される。
原料供給部22は、発酵槽21へ供給する発酵原料の供給量・配合比等を調整する機能を有する。発酵原料についての詳細は後述するが、発酵槽21へは発酵乾燥の対象となる主原料のほか副原料等の複数種類の原料が供給され得る。発酵原料の供給量および配合比等は発酵槽21内での発酵乾燥の状況に影響し得る。したがって、原料供給部22において発酵原料の供給量および配合比等を調整することで、発酵槽21内での発酵乾燥を制御する。
乾燥物排出部23は、発酵乾燥物の排出量を調整する機能を有する。図1では、乾燥物排出部23はラインL2に設けられているように模式的に示しているが、乾燥物排出部23は、例えば、発酵乾燥システム1の運転員が現場で排出量および発酵乾燥物の品質を確認しながら、後述の発酵槽21の排出口の開閉を行うのが一般的である。また、排出口の開閉を発酵槽重量変化より、後述の発酵槽21の排出口の開閉を制御する機構等であってもよい。
送気ブロア24は、ラインL3へ気体を供給する機能を有する。送気ブロア24にはモータM1が接続されていて、モータM1の動作による送気ブロア24によって、外部からの空気がラインL3へ導入される。
送気ヒータ25は、ラインL3へ導入された気体を加熱する機能を有する。発酵槽21へ投入される空気の温度は、例えば、50℃~80℃程度とされる。送気ヒータ25は、ラインL3を流れる気体が所定の温度範囲となるように気体を加熱する機能を有する。送気ヒータ25の上流に、例えばラインL4の排気の熱を利用して送気ファンから容器内に導入される外気を加温する熱交換手段(図示せず)を設けてもよい。熱交換手段の形態は特に限定されず、熱交換によって、ラインL4からの排気ガスは冷却される。一方、加熱された空気は、ラインL3を経て発酵槽21へ導入される。
除塵塔26、排気ファン27、および洗浄脱臭塔28は、発酵槽21からの排気ガスを排出するラインL4上に設けられる。除塵塔26および洗浄脱臭塔28は、排気ガスに対する脱臭処理を行う湿式脱臭装置として機能する。
除塵塔26は、ラインL4を流れる排気ガスを導入し、排気ガスに含まれる塵埃を除去する機能を有する。除塵塔としては、スクラバ等の設備が用いられる。塵埃が除去されたガスは、排気ファン27を経て洗浄脱臭塔28へ送られる。
排気ファン27は、ラインL1において排気ガスを移動させる機能を有する。排気ファン27にはモータM2が接続されていて、モータM2の動作による排気ファン27の駆動によって、排気ガスが下流側へ移動される。ファンとしてはファン回転数をインバータ周波数で制御できるものを用いることができる。
洗浄脱臭塔28は、発酵槽からの排気に含まれるアンモニアおよび硫化水素等の微量臭気成分を除去する機能を有する。一例として、洗浄脱臭塔は、湿式の洗浄塔であり、希硫酸を使用する酸洗浄脱臭塔とすることができる。なお、洗浄脱臭塔28は、酸洗浄脱臭塔に限定されず、アルカリ洗浄脱臭、アルカリ・次亜塩素酸水洗浄脱臭等の酸化剤洗浄脱臭を行い、臭気成分を除去する構成であれば種々の構成を採用することができる。洗浄脱臭塔は処理対象のガスに応じて適宜選択でき、例えば、酸洗浄塔は、アンモニアを脱臭の対象とする場合に用いられる。また、排気に含まれるガスの種類や数、および処理後の許容成分濃度によっては直列して複数の洗浄脱臭塔を接続することができる。硫化水素が発生する可能性がある場合は、さらに水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムを組み合わせたアルカリ・次亜塩素酸水洗浄脱臭塔を設けてもよい。
なお、湿式脱臭装置は上記の構成には限定されない。例えば、活性炭を充填し、上記液の作用では十分に除去しきれない微量臭気成分を活性炭による吸着作用で除去する、吸着塔が含まれていてもよい。吸着塔は複数の処理装置の最後段に設置すればよい。
発酵乾燥設備2では、各所に複数のセンサが設けられていてもよい。図1では、発酵乾燥システム1に設けられ得る複数のセンサ29a~29gを例示している。例えば、センサ29aは、発酵槽21の重量を計測する重量計である。また、センサ29bは、発酵槽21内(より正しくは、後述の容器内)の圧力(気圧)を測定する圧力計である。センサ29cは、発酵槽21内の温度を計測する温度計である。また、センサ29dは、ラインL3に供給された気体の量を計測する流量計である。また、センサ29dと同じ場所に、気体の温度を測定する温度計、気体の圧力を測定する圧力計等が設けられていてもよい。センサ29eは、送気ヒータ25で加温された気体の温度を測定する温度計である。また、センサ29fは、発酵槽21からの排気ガスの温度を測定する温度計であり、センサ29gは、排気ガスの酸素濃度を測定する酸素濃度計である。このように、発酵乾燥設備2ではその動作を確認するための種々のセンサを設けることができる。
設備制御部3は、発酵乾燥設備2の各部を制御する機能を有する。設備制御部3は、発酵乾燥システム1の各所に設けられた複数のセンサ等および上記の各部からの出力信号を受信する。設備制御部3ではこれらの出力信号に基づいて、設備の制御内容を変更し得る。
[発酵槽]
次に、発酵槽21について説明する。図2は、発酵槽21の概略構成図である。発酵槽21は密閉型の縦型発酵槽である。発酵槽21は、設置面に対して鉛直方向(図示A方向)に延びた容器41を有している。容器41の上方には、主原料および副原料等を投入する投入口42が設けられる。投入口42の上流には原料供給部22がラインL1を介して接続される。また、容器41の下方には、容器41内での処理後の発酵乾燥物を排出するための排出口43が設けられる。排出口43にはラインL2を介して乾燥物排出部23が接続される。
投入口42および排出口43は、発酵槽21の密閉構造を形成するために、どちらも蓋などの開閉可能又は脱着可能な蓋状部材(図示せず)が設けられる。この蓋状部材を投入口42および排出口43に装着することによって、発酵槽21における容器41を密閉可能に構成されている。このように、発酵槽21は密閉系での好気発酵を可能としている。好気発酵熱による内容物の乾燥効率をより向上させる観点から、発酵槽21は、例えば容器41の外周面に断熱材を配する等の方法によって、断熱構造を有していてもよい。
発酵槽21は、発酵槽内の原材料を混合するための攪拌設備44を備える。一例として、攪拌設備44は、例えば容器41内に設けられた攪拌翼44aと、攪拌翼44aに接続された回転軸44bと、容器41外に設けられた回転駆動装置(図示せず)とを備えている。攪拌翼44aは、回転軸44bを介して容器41外に設けられた回転駆動装置に接続されており、油圧シリンダを駆動源として一定方向に回転するようになっている。攪拌翼44aは回転軸44bの下部から上部にかけて所定間隔で離間して多段に設けられていてもよい。攪拌設備44を更に備えることによって、内容物の過度の圧密状態を抑制しながら原料を適度に混合することができ、好気発酵効率を向上させることができる。
また、発酵槽21は、空気などの酸素含有気体を発酵槽21内に供給するための送気手段45と、容器41内の気体を容器41外へ排気可能な排気手段46とを備える。酸素含有気体Fは、例えば、空気とすることができる。一例として、酸素含有気体Fは、容器41外に設けられた送気手段45から、中空の回転軸44bを経由し、攪拌翼44aの通気孔を介して、発酵槽21の下部に供給できるようになっていてもよい。送気手段45は、ラインL3に接続されていて、ラインL3を流れる気体が酸素含有気体として供給される。図2に示す例では、最下方に設けられた攪拌翼44aに、酸素含有気体Fを流通可能な気体流通孔が複数設けられている。この場合、攪拌翼44aによる内容物の攪拌を行いながら、酸素含有気体Fを容器41に満遍なく供給することができる。容器41内に存在する酸素含有気体Fと、好気発酵によって生じたガスとは、容器41の上方に設けられた排気手段46を介して排気ガスとしてラインL4(図1参照)へ排気される。
酸素含有気体と内容物の接触効率を高めて、容器41内での発酵対象物の好気発酵効率を高める観点から、酸素含有気体Fは容器41の鉛直方向下方側から供給され、且つ、酸素含有気体Fを含む排気ガスは、容器41の鉛直方向上方側から排気する構成とすることができる。
発酵原料は、投入口42から連続的又は間欠的に発酵槽21における容器41内に投入する。発酵原料は、発酵槽21内で好気発酵させた後、発酵乾燥物として排出口43から連続的または間欠的に排出される。
上述の発酵槽21では、投入口42から発酵原料を容器41の内部に投入し、処理物を容器内で発酵後に発酵乾燥物を容器41下部の排出口43から取り出す。発酵槽21では、送気手段45により最下段の攪拌翼44aの通気孔から所定の送気量で外気を導入し、且つ、排気手段46から排気する。この状態で各攪拌翼44aを低速で回転させて、発酵原料を通気攪拌し、槽内の好気性菌と有機成分と酸素を効率的に接触させることにより、発酵が行われる。また、発酵による発酵熱により同時に内容物は乾燥される。排気手段46より排出される空気は、通気孔から容器内に導入されて処理物中を通過しながら上方へ流れてきた気体に対して、発酵の過程で生じた二酸化炭素、アンモニア等のガスや水蒸気を含むものである。
発酵槽21の運転手順の一例は以下のとおりである。まず、発酵槽21に、容器41の内容積に対して10~30%の空間を残して、主原料および副原料等の原料を投入口42から投入する。上記の程度の空間を残して原料を投入することにより、原料の攪拌と通気が十分かつ均一になされる。そのため、容器41内での発酵および乾燥が効率よく行われ得る。一例として、原料の投入は毎日行われる。すなわち、原料は、所定の間隔で(一定期間毎に)複数回投入され得る。また、発酵槽21内で所定の滞留期間(3日~20日程度)、原料の発酵および乾燥を継続し、一定期間(例えば毎日)毎に所定量の発酵乾燥物を排出口43から取り出す。原料の投入は発酵乾燥物を排出口43から取り出した後に行う。このように、一定時間サイクルで原料の一部投入と発酵物の一部取り出しを繰り返しながら、連続的に発酵処理を行う。上記の手順で得られる発酵乾燥物は、粉状又は粒状の固形物であり、部分的には塊状物となっている。
設備制御部3は、発酵槽21およびその周辺の各装置を制御することにより、発酵槽21内の発酵速度を高レベルに維持することができる。一例として、設備制御部3は、発酵槽21の容器41への送気手段45による送気流量の調整と、発酵槽21内の気体の排気に使用される排気ファン27のモータM2により排気量の調整と、を行うことができる。
発酵槽21上部空間部分に圧力センサを設け、発酵槽21の上部の空間部分の内圧を常時測定し、発酵槽内力が微負圧(0~-0.05kPa)になるように、送気流量の変化に応じて排気流量を変化させる様態とするのが望ましい。また、上記圧力センサは、発酵槽下流の排気ラインの発酵槽にできるだけ近い部分に取り付けてもよい。
[発酵原料]
発酵槽21での発酵乾燥物または堆肥の製造に用いられる原料には、発酵乾燥処理または堆肥化処理の対象となる成分である主原料と、主原料の発酵乾燥処理または堆肥化処理を補助する副原料等が用いられる。以下、各原料の詳細についておよびその混合比等について説明する。
(主原料)
主原料としては、下水の活性汚泥処理の過程で生じる余剰汚泥をフィルタープレス等の脱水機で脱水した下水汚泥、畜産設備等で発生する畜糞尿またはこれを活性汚泥処理して得られる余剰汚泥の脱水物、食品廃棄物、各種有機排水の活性汚泥処理によって得られる余剰汚泥の脱水物等が上げられる。これらの主原料は、有機物、無機物および水を含むスラッジ状又はペースト状の物質である。例えば、主原料が下水汚泥の場合、下水汚泥をそのまま用いてもよく、或いは、消化汚泥などの下水汚泥の自己発酵処理物を用いてもよい。
主原料の水分含有量は、特に限定されないが、例えば、50%~90%程度、好ましくは50%~85%とされる。なお、主原料に使用する汚泥については、その含水率、消化の有無、および脱水処理方法の少なくとも一つに基づいて選別してもよい。
(副原料)
発酵原料は副原料を含んでいてもよい。副原料は、主原料とともに含有させることによって、発酵原料を発酵に供する際に、主原料の安定的な好気発酵を促すための材料である。具体的には、副原料は、主原料の含水率を低減させたり、主原料と副原料とを含む発酵原料の通気性を高めたり、好気発酵に寄与する微生物の栄養源となる易分解性有機分を供給したり、好気発酵を効率良く進行させるための好気性微生物群を供給したりするために用いられる。
用いられる副原料の形状は特に制限はなく、例えば、固形状、粒状、粉状、ペースト状等の形状としてもよい。副原料の総含有量は、用いられる副原料の物性や目的に応じて適宜調整できるが、主原料100重量部に対する副原料の総重量部として、好ましくは5重量部以上100重量部以下、より好ましくは5重量部以上50重量部以下、更に好ましくは5重量部以上40重量部以下とすることができる。このとき、基準となる主原料の重量は、含水状態での重量とする。
副原料の一例として用いられ得る通気助材および栄養助材について説明する。
(通気助材)
副原料として、含水率の低減や通気性の向上を目的として通気助材を含んでいてもよい。通気助材としては、例えば、稲わら、もみがら、おがくず、バーク、草木又はこれらの乾燥物若しくは破砕物などの有機系通気助材や、パーライト、ゼオライト、珪藻土、石炭灰などの無機系通気助材等が用いられる。通気助材を含むことによって、過度の圧密状態となることを抑制しつつ通気性を確保することができ、主原料の好気性発酵を安定的かつ効果的に進行させることができる点で有利である。
通気助材の形状は特に制限はなく、例えば、固形状、粒状、粉状、ペースト状、流動状、液状等の形状としてもよい。通気助材の含有量は、用いられる副原料の物性や目的に応じて適宜調整できるが、主原料100重量部に対する通気助材の総重量部を、好ましくは5重量部以上80重量部以下、更に好ましくは5重量部以上50重量部以下とすることができる。このとき、基準となる主原料の重量は、含水状態での重量とする。
(栄養助材)
発酵原料の好気発酵を促進させる観点から、副原料として栄養助材を更に含んでいてもよい。栄養助材は、好気発酵に寄与する微生物の栄養源となる易分解性有機分を供給するために用いられ得る副原料である。栄養助材としては、例えば、食品汚泥、酒粕および焼酎粕等の食品加工残渣、廃白土、製紙スラッジ、廃食油、廃棄物固形燃料(RDF)、肉骨粉、生ごみ、し尿、畜糞、堆肥、活性汚泥、スカム等が挙げられる。これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。
上述した栄養助材のうち、好気発酵をより一層促進させて、発酵の温度上昇効果を大きくさせるという理由から、肉骨粉が採用され得る。肉骨粉は、例えば、牛・豚・鶏から食肉を除いた後に、内蔵や屑肉等とともに加熱処理されたものであり、例えば、粉末状に粉砕された乾燥粉砕物である。肉骨粉の粉末は、下水汚泥等の他の発酵原料との混合効率が高められ得る。栄養助材の含有量は、主原料100重量部に対して、好ましくは5重量部以上100重量部以下、更に好ましくは5重量部以上50重量部以下である。このとき、基準となる主原料の重量は、含水状態での重量とする。
[発酵原料の混合および含水率について]
発酵原料は、例えば、主原料と副原料とを混合した混合物とすることができる。一例として、発酵槽21等の発酵のための装置へ供給する前に、主原料と副原料とを予め混合して発酵原料の混合物を調整してもよい。また、屋内若しくは屋外で、主原料および副原料のうち一方の上に他方を堆積させた堆積物として発酵原料を作成してもよい。さらに、下水汚泥および副原料のうち一方を発酵用の容器に供給し、次いで他方を容器内に供給して、容器内で各原材料を交互に堆積させた堆積物としてもよい。この場合、堆積物の状態から発酵を開始してもよいし、堆積物を容器内で混合して混合物した後に発酵を開始してもよい。
発酵初期の時点から好気発酵を安定的に進行させるために十分な水分量を確保する観点から、発酵原料の含水率は、30%以上70%以下とすることができる。さらに、含水率が40%以上60%以下であると、好気発酵がより安定的に進行し得る。発酵原料の含水率は、例えば、所望の含水率となるように原材料の配合比を選択したり、原材料又は発酵原料に対して、水を添加したりすることによって適宜調整することができる。
上述の発酵原料は、上述のように堆積物又は混合物の状態で発酵槽21の容器41へ供給することで、好気発酵処理に供することができる。
[発酵乾燥物の使用]
発酵原料の発酵の進行に伴い、発酵原料が含有する水分は徐々に減少していく。その結果、発酵乾燥物の状態では、含水率が10%~40%、好ましくは15%~35%程度となる。発酵乾燥物は、例えば、セメントクリンカー原料、熱エネルギー源等のセメントの製造用途に用いることができる。さらに、熱エネルギー源として、例えば、種々のプラントに使用してもよく、一例としては火力発電所等燃料が必要とされる各種プラント等が挙げられる。また、発酵乾燥物は、例えば、堆肥の製造用途に用いることができる。堆肥を製造する場合、発酵乾燥システムでの処理時間をより長くなるように調整してもよい。
[設備制御部]
設備制御部3は、センサ信号等の発酵乾燥設備2の運転状態に係る情報を取得し、この情報に基づいて、送気流量を算出するそしてその結果に基づいて、発酵乾燥設備2の各部を制御する機能を有する。
なお、運転状態に係る情報としては、発酵乾燥設備2の各所に設けられたセンサ29a~29gからの信号のほか、例えば、送気ブロア24のモータM1の駆動状況やインバータ周波数、排気ファン27のモータM2のインバータ周波数や駆動状況に係る情報等、そのほか、発酵槽21の各部の動作状況に係る情報も取得してもよい。また、設備制御部3では、これらの情報に基づいて、発酵乾燥設備2の動作を制御する際に使用する、発酵槽21への送気流量の設定値が算出される。この点の詳細については後述する。さらに設備制御部3は、算出された設定値に基づいて、発酵槽21への送気を行う送気ブロア24に対する信号の指令を算出し、送気ブロア24に対して動作信号を出力する機能を有する。また、設備制御部3では、発酵槽の圧力情報に基づいて、発酵槽槽内圧力が所定(目標)の圧力になるように、発酵槽21の排気を行う排気ファン27のモータ周波数が設定され、それに基づいて排気ファン27の動作信号を出力する機能を有する。ここで、発酵槽圧力から排気ファンのモータ周波数の設定方法は、標準的なPID制御が使用できる。
上記の設備制御部3のハードウェアは、例えば一つまたは複数の制御用のコンピュータにより構成されてもよい。例えば設備制御部3は、一つまたは複数のプロセッサ、メモリ、ストレージ、入出力ポート、タイマー等を含む回路を有していてもよい。設備制御部3は、上記の構成により、発酵乾燥システム1に含まれる各部等を制御する。なお、上記の設備制御部3に係るハードウェア構成は一例であって、上記に限定されるものではない。
[送気流量の設定方法について]
次に、図3および図4を参照しながら、発酵槽21への送気流量(外気導入量)の設定方法について説明する。図3は、送気流量の算出時に使用するパラメータの関係を説明する図である。
図3に示すように、現在の時間をt2(第1のタイミング)とする。また、この時間t2を起点として、t2のΔt(分)前を時間t1(過去:第2のタイミング)とし、時間t2のΔt(分)後を時間t3(未来:第3のタイミング)とする。このとき、発酵槽21への送気流量は、Δt(分)毎に変更され、また、Δt(分)間の送気流量は一定とする。ここで、間隔Δtは1分~180分程度に設定することが考えられる。
時間t1~t2のΔt(分)間の実績送気流量をV12(Nm/分)とし、時間t2~t3のΔt(分)間の設定送気流量をV23(Nm/分)とする。
ここで、時間t1における実績発酵槽排気温度をT1℃とし、実績発酵槽排気温度T1と、実績送気流量V12と、発酵槽21における熱収支と、に基づいて、実績発酵熱量E1(kcal/分)を計算する。発酵熱量E1は、例えば、下記の方法で求められる。
発酵槽21における熱収支として、図4に示すような条件を想定する。つまり、発酵槽21が断熱気密構造であることを想定し、送気流量(外気の導入量)がV(Nm/分)であり、発酵槽21内の内容物から生じる水蒸気がW(Nm/分)であるとする。そして、発酵槽21から外部へ排出される排気が温度T(℃)であり、排気量がV+W(Nm/分)であるとする。また、想定として、温度T(℃)において、相対湿度が100%であるとする。
発酵槽21は断熱構造であるので、発酵槽21周りの送排気に伴うエンタルピ変化に対して発酵槽からの熱ロスは無視できる。よって、下記の数式(1)の関係が成り立つ。
発酵熱量E(kcal/分)=排気エンタルピ(kcal/分)-送気エンタルピ(kcal/分) …(1)
ここで、送気エンタルピは、送気流量、送気温度、外気相対湿度、外気温度における飽和水蒸気圧、および、飽和水蒸気エンタルピに係る関数になる。発酵槽21へ導入する外気(空気)を送気ブロア24で昇圧する場合、外気の外気温度における飽和水蒸気圧は発酵槽21からの排気に含まれる飽和水蒸気圧と比べて大幅に低いため、発酵槽21への送気の相対湿度を0%と仮定する。この結果、送気エンタルピは、下記の数式(2)として記述することができる。
送気エンタルピ=f(送気流量(Nm/分)、送気温度(℃)) …(2)
また、上記の発酵槽21は、縦型密閉発酵槽であって、発酵槽21の下部から内部に送気し、発酵槽21の上部から排気する構造である。そのため、発酵槽21からの排気の相対湿度は、排気温度Tにおいて100%になると仮定できる。よって、排気エンタルピは、排気流量、排気温度、排気温度における飽和水蒸気圧、および、飽和水蒸気エンタルピに係る関数になる。また、縦型密閉発酵槽は気密構造であるため、また、好ましくは上述のように発酵槽21の圧力制御によって発酵槽21内の圧力が微負圧に維持されていれば、発酵槽21外から発酵槽21内への外気の非意図的流入、および発酵槽21内から発酵槽21外への発酵槽排気の非意図的流出を無視することができることから、送気流量=排気流量と取り扱うことができる。したがって、排気エンタルピについて、下記の数式(3)として記述することができる。
排気エンタルピ=g(送気流量(Nm/分)、排気温度(℃)、排気温度における飽和水蒸気圧(at)および飽和水蒸気エンタルピ(kcal/kg)) …(3)
つまり、上記数式(1)~(3)に基づき、発酵熱量Eは以下の数式(4)として記載することができる。
発酵熱量E(kcal/分)=g(送気流量(Nm/分),排気温度(℃),排気温度における飽和水蒸気圧(at)および飽和水蒸気エンタルピ(kcal/kg))-f(送気流量(Nm/分)、送気温度(℃)) …(4)
上記数式(4)において、送気流量は送気ブロアの回転数より送気ブロア性能式に基づいて算出される。なお、送気ラインの流量または流速を実測することによって、送気流量を計算してもよい。また、送気温度および排気温度は、送気ラインおよび排気ラインの温度センサによる実測値としてもよい。また、排気温度における飽和水蒸気圧および飽和水蒸気エンタルピは、日本機械学会蒸気表を使用して計算することができる。なお、飽和水蒸気圧および飽和水蒸気エンタルピは、排気温度に基づいて変動する関数として近似してもよい。
発酵槽21が定常運転の期間(原料投入中および原料投入後一時的に発酵槽排気温度が下がる時間帯を除く期間)は、排気温度が45℃~70℃であり、且つ、相対湿度が10%であるため、「排気エンタルピ>>送気エンタルピ」の関係となる。そのため、上記の数式(4)の代わりに、送気エンタルピの項を消去した下記の数式(5)を用いてもよい。
発酵熱量E(kcal/分)=排気エンタルピ(kcal/分)=g(送気流量(Nm/分),排気温度(℃),排気温度における飽和水蒸気圧(at)および飽和水蒸気エンタルピ(kcal/kg)) …(5)
上記の数式(5)は、発酵熱量Eが、送気流量Vと排気温度Tの関数であることを示している。つまり、送気流量Vおよび排気温度Tが決まれば、発酵熱量Eが決定できることを示している。
上記の手法を用いると、時間t1における実績発酵槽排気温度T1(℃)と実績送気流量V12(Nm/分)から実績発酵熱量E1(kcal/分)が求められる。また、時間t2における実績発酵槽排気温度T2(℃)と実績送気流量V12(Nm/分)から推定発酵熱量E2(kcal/分)が求められる。
時間t1~t2のΔt(分)間の実績排気温度変化をΔT12(℃)=T2-T1とし、時間t1~t2のΔt(分)間の実績発酵熱量変化をΔE12(kcal/分)=E2-E1とする。ここでは、実績送気流量V12として、時間t1~t2のΔt(分)間運転した結果、排気温度がΔT12だけ変化し、発酵熱量がΔE12だけ変化したことを示す。
また、時間t2~t3のΔt(分)間の送気流量をV23(Nm/分)とし。未来時間t3における仮想発酵槽排気温度T3(℃)としたとする。この場合、T3とV23とから、仮想発酵熱量E3(kcal/分)を求めることができる。このように、上記の数式(5)は、未来時間t3における仮想排気温度T3と仮想発酵熱量E3とを設定すれば、すなわち仮想点(T3,E3)を設定すれば、仮想点を通過する送気流量V23が数式により算出できることを示している。
排気温度、発酵熱量および送気流量の関係について、図5を参照しながら説明する。図5は、図3に示す、時間t1,時間t2および時間t3における発酵槽21の状態を、排気温度Tを横軸とし、発酵熱量Eを縦軸とした図にプロットしたものである。時間t1のプロットは実績点であり、上記の手法で求められた排気温度T1および実績発酵熱量E1に基づく座標(T1,E1)に配置されている。また、時間t2のプロットは、時間t1からΔtだけ経過した時点での実績点であり、上記の手法で求められた排気温度T2および実績発酵熱量E2に基づく座標(T2,E2)に配置されている。
上記の座標(T1,E1)および座標(T2,E2)は、いずれも(5)式において実績送気流量V12とする曲線上に設けられている。送気流量V12を示す曲線は、送気流量V12で送気を継続していた場合の排気温度と発酵熱との関係を規定した曲線であるといえる。すなわち、送気流量V12となるように送気を継続した場合、上記のように想定した条件では、排気温度と発酵熱とがこの曲線上で変化し得ることを示している。
このように、上記で設定したモデルでは、発酵槽21への送気流量をある任意の値に設定した場合、排気温度Tと発酵熱量Eとは、送気流量に応じて変化する関係式に基づいて変化し得ることになる。図5では、この関係式を一次式として模式的に示している。
一方、時間t3のプロットは、将来のことを想定した仮想点であり、仮想排気温度T3および仮想発酵熱量E3に基づく座標(T3,E3)に配置されている。また、座標(T3,E3)は、送気流量V12を示す直線上ではなく、送気流量V23を示す直線上に存在する。このことは、時間t2からΔtだけ経過した後の時間t3に仮想排気温度T3および仮想発酵熱量E3の状態を実現しようとした場合、発酵槽21への送気流量をV23に変更する必要があることを示している。換言すると、座標(T3,E3)を特定すると、座標(T3,E3)の状態を実現するための送気流量V23が特定され得る。なお、座標(T3,E3)を実現するための送気流量(図5の例では、V23)は、発酵槽21の熱収支、すなわち、(5)式から求めることができる。
なお、発酵槽21における送気流量を調整するためには、送気手段45への気体の供給量を調整する必要があり、具体的には、送気ブロア24を駆動させるモータM1のインバータ周波数を調整する必要がある。したがって、変更すべき送気流量(例えば、V23)が求められると、その結果に基づいて、当該送気流量に変更するための送気ブロア24を駆動させるモータM1のインバータ周波数が算出される。インバータ周波数の算出は、設備制御部3の設備制御信号出力部33において行われ得る。なお、送気手段45およびその上流の送気のための各部の構成によって、調整する対象の機器およびパラメータが変化し得る。例えば、上述の送気ブロア24を駆動させるモータM1のインバータ周波数のような、送気ブロア24の回転数を制御するパラメータのほかに、送気ブロア吐出バルブ開度を調整する等が挙げられる。
(仮想点の設定方法)
上述の通り、時間Δtだけ経過した後の排気温度および発酵熱の状態を示す座標(T3,E3)を特定することによって、仮想点が示す座標(T3,E3)の状態を実現するための送気流量V23を特定することが可能となる。そこで、座標(T3,E3)をどのように設定するかについて説明する。
図5に示す例では、 仮想点の座標(T3,E3)を(T2+α×ΔT12,E2+β×ΔE12)としている。ここで、αおよびβは仮想点の調整に用いられるパラメータ(仮想点調整パラメータ)である。αおよびβの両方を正の値とした場合、図5に示すように、仮想点(T3,E3)は、時間t2における座標(T2,E2)に対して右上方向に移動する。発酵槽21内の発酵乾燥が進行し、発酵熱が上昇していく曲面では、αおよびβはいずれも正とすることが考えられる。つまり、発酵熱の上昇に対応させて、排気温度も上昇することが想定されるので、このような関係となるように、仮想点の座標(T3,E3)を選択する。
上記のΔT12については、上記の手法とは異なる方法を用いて算出してもよい。具体的には、上記の仮想発酵熱量E+βΔEに対応する送気流量V12の線上での排気温度を算出し、この温度とT2との差をΔT12として使用してもよい。つまり、ΔT12として、第2のタイミング(t1)から第1のタイミング(t2)までの送気流量に基づいて、第3のタイミング(t3)における仮想発酵熱量E+βΔEに対応する排気温度を計算し、この排気温度と第1のタイミングの排気温度(T2)との差を使用してもよい。
一方、図6に示す例においても、仮想点の座標(T3,E3)を求める際のαおよびβの両方について負の値を選択した場合の例を示している。この場合、図6に示すように、仮想点(T3,E3)は、時間t2における座標(T2,E2)に対して左下方向に移動する。発酵槽21内の発酵乾燥状態の変化によって、発酵熱が低下していく曲面においては、αおよびβはいずれも正とすることが考えられる。
αおよびβは、発酵槽21内の発酵の状態に応じて、または、発酵槽21内の原料の残量等に応じて、設定され得る。したがって、一例としては、発酵槽21内の発酵状況に関する複数のセンサ29a~29g等の情報に基づいて設定されてもよい。または、発酵槽21内に投入する原料等の投入実績等から予め発酵状態の変遷が予測できる場合には、発酵状態の進捗を考慮してαおよびβを設定してもよい。
そのほか、より簡単に仮想点の座標を設定する方法として、図7または図8に示す例を採用してもよい。
図7に示す例は、β=1として、仮想点の座標(T3,E3)として、(T3,E3)=(T2+α×ΔT12,E2+ΔE12)を用いて設定した例である。この場合、0≦α≦1とすることで、発酵熱に対して仮想点の排気温度をどの程度上昇させるかを設定することができる。
図8に示す例は、α=0として、仮想点の座標(T3,E3)として、(T3,E3)=(T2,E2+β×ΔE12)を用いて設定した例である。この場合、0≦β≦1とすることで、排気温度を維持したまま、仮想点の発酵熱を設定することができる。
なお、仮想点を設定する他の方法として、時間Δtが経過する度に、時間Δtが経過する前と比較して、αおよびβがどの程度の値となるように発酵状態が変化したかを評価し、仮想点調整パラメータαおよび/またはβの実績値を求めてもよい。そして、このαおよび/またはβに実績値に基づいて、現在時間(基準時間)から未来の仮想点の座標を設定してもよい。このように、時間Δtが経過する毎に、αおよび/またはβを変更するロジックを組み込んでもよい。αおよび/またはβは、1つ前の制御ステップの発酵熱量変化&温度変化の実績(すなわちαβの実績)を次ステップのα,βに設定してもよい。
一方、αおよび/またはβは、発酵状況に応じた固定値が選択されてもよい。一例としては、特定の排気温度域では、αおよび/またはβ一定値としてもよい。さらに、排気温度帯によって、αおよび/またはβの設定値を変更する構成としてもよい。
さらに、αおよび/またはβは、排気温度に代えて、実績発酵熱量Eの変化状況に対応して変更してもよい。
また、αおよび/またはβを決定する方法として、例えば、過去の発酵状況等の情報から、αおよび/またはβとしての複数の候補値を予め算出しておき、現在時間の実績発酵熱量の変化に対応して、候補値に基づいて設定値を変更してもよい。α,βの候補値としては、例えば、α,β<0もしくはα,β>1等のように数値範囲を設定してもよい。
また、αおよび/またはβは、過去の所定期間(時間Δt×複数の期間)の発酵熱量変化または排気温度変化の実績(すなわちα,βの実績)の平均値を、次期間(時間Δt)のα,βとして設定してもよい。
また、αおよび/またはβは、過去の所定期間(時間Δt×複数の期間)の発酵熱量変化または排気温度変化の実績(すなわちα,βの実績)の変化傾向に基づいて、次期間(時間Δt)のα,βを設定してもよい。
また、αおよび/またはβは、実績排気温度変化ΔTまたは、実績発酵熱量変化ΔEの変化傾向に基づいて設定値が変化し得るように、αおよび/またはβを設定するためのロジックを用いてもよい。
さらに、αおよび/またはβは、AI(人工知能)の機械学習モデル(例えば、ディープラーニング等で用いられる「強化学習」等)を用いて設定されるような構成としてもよい。この場合、学習に用いられる教師データとしては、これまでの発酵状況に係る排気温度と発酵熱との関係を特定する情報や、これに関係する運転状況に関する情報等が用いられ得る。
[発酵乾燥制御方法]
図9を参照しながら、発酵乾燥システム1の発酵乾燥制御方法について説明する。
発酵設備運転情報として、発酵槽排気温度の実績値T(温度センサー出力)、送気流量の実績値V(流量センサー出力)をあらかじめ設定された取得周期にしたがって、蓄積する(ステップS01)。送気流量は送気ブロアモータ周波数実績から計算してもよいし、送気ブロアモータ周波数既設定値から推算してもよい。
次に、ステップS01で取得した複数の実績データ発酵槽排気温度実績値T、送気流量実績値Vについて、あらかじめ設定された平均値取得タイミングと期間に従って実績データ発酵槽排気温度実績値T、送気流量実績値V(流量センサー出力)の平均値を計算する(ステップS02)。
次に、時間Δtだけ前のタイミングからの、排気温度の変化量ΔTと、発酵熱量の変化量ΔEを算出する(ステップS03)。前ステップで得られた平均値同士の差分を求める構成としてもよい。
次に、パラメータα,βを用いて、上述の仮想排気温度T3および仮想発酵熱量E3に対応する仮想点(T,E)を算出する(ステップS04)。
次に、仮想点(T,E)を特定することで、仮想点(T,E)に発酵状態を移行させるための仮想送気流量Vが算出され、この結果に基づいて、例えば、送気ブロア24を駆動させるためのモータM1のインバータ周波数が算出される(ステップS05)。
次に、算出されたモータM1のインバータ周波数を用いて、モータM1に対して周波数の変更指示を行う(ステップS06)。具体的には、変更を指示する制御信号を送気ブロア24のモータM1に対して送信することで、周波数が変更され得る。
上記が発酵槽21への送気流量を制御するための一連の処理となる。この処理は、例えば、時間Δtが経過する度に行われてもよい。また、発酵槽21を用いた発酵乾燥処理が終了する(ステップS07-YES)まで、上記の処理(S01~S06)は繰り返し行われてもよい。
なお、上記の処理(S01~S06)をどのタイミングで開始するかは、発酵槽21の状態に応じて調整されてもよい。例えば、発酵槽21へ原料を投入際には、発酵槽21の投入ダンパーを開状態とするため、外気が発酵槽21内に流入する。また、発酵槽21の内容物上部に常温の原料が積層された状態が形成されるため、発酵槽21からの排気温度が一時的に低下し得る。そのため、原料を投入してからしばらくの期間は、排気温度と、排気温度から計算される発酵熱量と、が発酵槽21の発酵状態を示す指標として適切な値とはならない可能性がある。そのため、例えば、原料投入時およびその後の2~4時間程度、上記制御を適用しない対応とすることが考えられる。
[評価例]
上述の発酵乾燥システム1における設備制御部3による送気流量の調整による効果の検証を目的として、下記の評価を行った。
[評価例1]
縦型密閉発酵槽として、容量38mの発酵槽(中部エコテック社製、型番:C-40ET)を準備し、発酵原料を下水汚泥とし、3種類の副原料として、公知の材料を添加しながら、運転を行った。なお、下水汚泥の投入量は、1日あたり2トンとした。また、湿式脱臭設備として、1分当たり25mの処理能力を有する除塵塔およびアンモニア吸収塔を組み合わせた設備を接続した。さらに、発酵槽への送気流量の調整手段として、インバータによる回転数制御が可能なルーツブロアを用いた。
設備制御部では、上述の手法による送気流量の制御を行った。その際に使用した関係式(熱収支の計算に利用した関係式)を以下に示す。
・発酵槽排気温度T(℃):センサ等による実績値(計測値)を利用
・飽和水蒸気圧Y1(ata):蒸気表を用いて下記近似式を作成
Y1=0.0000000108691×T-0.0000006267351×T+0.0000634807524×T-0.0008394524409×T+0.0194553104893
・水蒸気エンタルピY2(kcal/kg):蒸気表より近似式を作成
Y2=0.0000004795251×T-0.0001040846264×T+0.0079545383099×T+0.1684867358301×T+600.8454619200120
・発酵熱量E:発酵熱収支から下記式を作成
E(kcal/分)=V(Nm/分)×Y1(ata)÷(1.0332-Y1(ata))×18/22.414×Y2(kcal/kg)
・排気流量V:発酵槽熱収支から下記式を作成
V(Nm/分)=E(kcal/分)÷Y1(ata)×(1.0332-Y1(ata))÷18/22.414÷Y2(kcal/kg)
また、送気ブロア24を用いた送気流量の調整のためには、下記式を準備した。ここでは、流量V(Nm/分)、吐出圧力P(kPa)、送気ブロアインバータ周波数F(Hz)とする。
・流量V:送気ブロアの性能試験結果を用いて下記近似式を作成
V(Nm/分)=0.2275×F-0.000056×P+0.003896×P-0.14432×P-0.7899
・送気ブロアインバータ周波数F:送気ブロアの性能試験結果を用いて下記近似式を作成
F(Hz)=4.3956×V+0.0002461536×P-0.017125264×P+0.63437354×P+3.4720878
評価例1では、発酵原料として下水汚泥B、副原料Cおよび副原料Dを用いた。副原料Cは食品廃棄物で栄養源として使用した。副原料Dは畜産廃棄物で種汚泥として使用した。製品排出と原料投入は1日1回午前中に実施した。試験期間中の下水汚泥投入量は日平均で2トン程度に設定した。下水汚泥に対する各副原料の配合比は所定範囲内に設定した。また、評価期間のうち、2/20、22、26、3/6は2日分を投入し、2/21、23、27、3/7は原料投入を行わなかった。
評価例1では、下記でも示す『排気エンタルピ>>送気エンタルピ』および『送気流量=排気流量』の2点が成立しない時間帯を除いて、仮想点を設定しながら送気流量を設定する方法を採用した。このとき、上記実施形態で示した(T3,E3)を(T2+α×ΔT12,E2+ΔE12)に基づいて算出する方法を採用し、すなわち、β=1として固定した。仮想点調整パラメータαは0.7、制御周期は15分とした。ΔT12は、仮想発酵熱量E+βΔEに対応する送気流量V12の線上での排気温度を算出し、この温度とT2との差をΔT12とする方法を採用して設定した。制御周期15分中10秒ごとに発酵槽排気温度の実測値を取得しその平均値を算出し、排気温度Tとして仮想点設定に使用した。送気ブロアの設定周波数の上限を42Hz、下限を30Hzとした。
評価例1では、発酵熱の計算精度を向上させるために、全時間帯において発酵槽圧力制御を導入した。具体的には、発酵槽内圧力を微負圧に制御することにより、発酵槽上部の原料投入ダンパーや発酵槽下部の乾燥汚泥排出ダンパーの隙間を介して、発酵槽内に流入する外気や発酵槽外に流出する内気の量を最小化することが可能になる。これにより、上述のロジックにおいて、前提としている「送気流量=排気流量」という状態により近い状態を形成することを目的としている。
発酵槽圧力制御の方法は、具体的には、発酵槽内の圧力が-0.05kPaになるように、仮想点を設定しながら送気流量を設定する方法で算出された送気流量の変動に対応して、発酵槽からの排気を行う排気ファンの回転数を調整する方法である。この方法によってより、排気流量を制御した。
評価例1では、仮想点を設定しながら送気流量を設定する方法の制御効果を向上させるために、本制御の前提条件、すなわち、『排気エンタルピ>>送気エンタルピ』および『送気流量=排気流量』の2点が成立しない時間帯は、本流量制御方式を適用せず、送気ブロア周波数を固定することとした。具体的には、原料投入時から排気温度が凡そ45℃以上になるまでの期間(2~4時間程度)は、本制御を適用せず、送気ブロア周波数を30Hzに固定した。
評価期間中の各原料の投入量および使用した下水汚泥の特性値(分析値)を、以下の表1および2に示す。
Figure 0007217484000001
Figure 0007217484000002
評価期間中の乾燥汚泥(製品)の抜き出し量および水分を以下の表3に示す。乾燥汚泥は、平均水分22%の均質で流動性が高い粉状物で、品質は極めて良好であった。
Figure 0007217484000003
図10(a)は、評価期間中(仮想点の設定を利用した送気流量制御を行っている期間2/20~3/7)の発酵槽の重量変化を示している。発酵槽の重量減少量は、理論的には、発酵による有機物の分解(消失)量と発酵熱による水分蒸発量の和であるので、発酵速度の指標となる。図10(a)より、発酵槽重量は、乾燥汚泥排出および原料投入を起点として周期的かつほぼ一定の傾き(日内変動している傾き)で減少していることが確認された。発酵乾燥製品の水分が20~25%で安定していることも考え合わせると、本制御下では良好な発酵乾燥状態が維持できていることが確認された。
図10(a)に示す結果から、発酵速度の指標となる1日当たりの重量減少を計算した結果を表4に示す。
Figure 0007217484000004
表1~3に示す結果から、評価期間(2/20~3/7)中の発酵槽周りの日平均ベースで物質収支を計算すると以下のようになる。

発酵槽への原料投入量(表1の日平均ベースより)
=下水汚泥B:1923kg+副原料C:313kg+副原料D:484kg=2720kg …(A)
発酵槽からの乾燥汚泥排出量(表2の日平均ベースより)
=1150kg …(B)
発酵槽重量減(表3の日平均ベースより)
=1548kg …(C)
発酵槽の重量増分=(A)=2720kg …(D)
発酵槽の重量減分=(B)+(C)=2698kg …(E)

上記のように(D)の結果と(E)の結果とがほぼ等しくなることから、評価期間中の発酵槽の原料投入量および製品排出量は適切に実施され、本制御下において安定的に発酵が進行していると評価される。
発酵槽の運転状況を図10(b)、(c)、図11(a)~(c)に示す。
図10(b)は、排気温度と本制御方式により設定された送気流量に対応する送気ブロアの運転周波数の変化を示している。図10(c)は、発酵熱量と本制御方式により設定された送気流量に対応する送気ブロアの運転周波数の変化を示している。
図10(c)によれば、発酵槽熱収支から算出される発酵熱量は、原料投入後より徐々に増加、半日程度経過するとピークに達し、その後徐々に減少している。これは、発酵槽内の発酵状態が健全であることを示している。また、送気ブロアの周波数(送気流量に対応する)は、上記発酵熱量の変化に追従して変化している。この結果は、発酵槽内の発酵状態を健全に維持することに、送気流量の変化が貢献していることを示すと考えられる。このように、送気ブロア運転周波数は、製品排出および原料投入時を起点として周期的に一定のパターンで30Hz~42Hzの範囲で変動している。送気ブロア周波数の変動パターンは排気温度および発酵熱量の変化パターンに窮めて強く相関しており、本制御方式が有効に機能していると考えられる。
なお、図10(b)および図10(c)に示す結果では、送気ブロア周波数が上下限に張り付く(上下限から変化しない)現象や、上下限を繰り返す現象(ハンチング現象)や、発酵熱量が変化しているにもかかわらず送気ブロア周波数が一定値に張り付くような現象は全く見られなかった。このことから、送気ブロア周波数が、発酵熱量および排気熱量に応じて適切に調整されたと考えられる。
図11(a)は、実測送気流量の変化を示している。実測送気流量は、製品排出および原料投入時を起点として周期的に一定のパターンで4Nm/分~7Nm/分の範囲で変動している。送気量の変動パターンは排気温度および発酵熱量の変化パターンに窮めて強く相関している。本制御では、制御周期ごとに、仮想点を設定→送気量算出→算出送気量に対応する送気ブロア周波数に調整を繰り返す。図11(a)に示す結果は、図10(b)および図10(c)に示される送気ブロア周波数調整により、適切に送気量が調整されていることを示している。
家畜ふん尿処理施設の設計・審査技術(財団法人畜産環境整備機構,2004年4月発行)によると、縦型発酵槽の標準的な送気量は0.25Nm/分/m(発酵槽容量)と記載されている。また、特許文献2には、縦型発酵槽の標準的な送気量は0.25Nm/分/m(発酵槽容量)以上と記載されている。また、特許文献3には、縦型発酵槽の標準的な送気量は0.25~0.5Nm/分/m(発酵槽容量)と記載され、特許文献4には、縦型発酵槽の標準的な送気量は0.2好ましくは0.5Nm/分/m(発酵槽容量)以上、と記載されている。上記の制御による実績送気量は、図11(a)に示す結果から、4Nm/分/39m~7Nm/分/39mであるので、換算すると、0.10Nm/分/m~0.18Nm/分/mとなる。本制御を適用すれば、上記の文献および特許文献2~4に記載されている標準的な送気量の40%~70%の送気量であっても、良好な発酵状態が維持できると考えられる。送気量が下がれば、送気ブロアの電力消費量が下がり、ランニングコストの削減につながる。
図11(b)は、発酵槽の圧力の変化を示している。発酵槽圧力は、原料投入時を除いて、過度なプラス圧やマイナス圧になることなく、-0.05kPa±0.02kPa範囲内にある。これにより、発酵槽内への過度な外気の導入や醗酵槽からの過度な発酵排気の流出が抑えられ、本制御における発酵熱量の計算精度が維持されていると考えられる。
図11(c)は、評価期間中の発酵槽における上部温度、中部温度、下部温度の変化を示している。発酵槽上中部温度は、好気性発酵菌の活動が活発になる温度域(55℃~70℃)に維持されている。一方、発酵槽下部温度は30℃~45℃付近を変動していることから、発酵槽下部(すなわち排出口付近)では発酵が既に完了していると考えられる。これらの点は、評価期間中、すなわち本制御適用期間中は、発酵槽内の発酵状況は、縦型発酵槽として理想的な状況に維持されていると考えられる。
図12(a)および図12(b)は、2021年3月4日~5日及び3月6日~7日の発酵槽排気温度及び発酵熱量の仮想点と実績点の軌跡を表現したものである。図中のプロットは制御周期15分ごとに設定される仮想点とそれに対応する実績点を表している。両図によれば、仮想点の軌跡と実績点の軌跡には強い相関性がみられ、β=1、α=0.7、制御周期15分とし、ΔT12を上述の方法で設定した、本実施例における制御は有効に機能していると考えられる。
上記の結果から、仮想点を用いた発酵制御方法を用いて、良好な発酵乾燥状態を形成し、維持できることが確認された。
[比較例1]
比較例1として、図13(a)および図13(b)に、従来の制御法を適用した下水汚泥の発酵乾燥試験結果を示した。本比較例では、副原料として畜産廃棄物および石炭灰を使用している。下水汚泥の1日当たりの投入量は、2.4トン前後で、実施例1より2割程度大きい。従来の制御法とは、特許文献1に記載の制御法に基づくものである。排気温度から計算される発酵熱量が1つ前の制御ステップの発酵熱量より増加した場合は送気ブロア周波数を一定量増加し、減少した場合は送気ブロア周波数を一定量減少させるものである。いずれの場合も、制御周期を3分として、排気温度実測値を1秒ごとに取得し制御周期後半の1分間の平均値を排気温度として制御に使用した。送気ブロアの設定周波数の上限を42Hz、下限を35Hzとした。図13(a)では、送気ブロア周波数変動幅を±0.2Hz、図13(b)では、1制御周期当たりの送気ブロア周波数変動幅を±0.1Hzに設定している。
図13(a)および図13(b)は、いずれも同じ発酵槽における送気ブロアの運転周波数と、発酵熱量と、の変化を算出したものであり、図13(a)が2020/3/23-24の結果であり、図13(b)が2020/3/24-25の結果である。なお、図13(a)に示す結果では、発酵熱量と、送気ブロア運転周波数と、に関係性が見られない区間が存在する。前半時間帯(3/23/16時~3/24/1時)は、送気ブロア周波数が1時間程度の周期でハンチングし、それにつられて発酵熱量も変動している。後半時間帯(3/24/3時~3/24/8時)は、発酵熱量が増加しているにも関わらず送気ブロア周波数は周波数下限値付近に張り付いて増加していない。これらの結果として、発酵熱量は全般的に低調である。
また、図13(b)に示す結果では、前半時間帯(3/24/11時~3/24/18時)は、送気ブロア周波数が1時間程度の周期でハンチングし、それにつられて発酵熱量も変動している。発酵熱量が増加傾向であるにもかかわらず、送気ブロア周波数は減少傾向になっている。後半時間帯(3/24/18時~3/25/3時)は、発酵熱量が増加傾向にあるにも関わらず送気ブロア運転周波数が34Hz付近でほぼ変動していない区間が存在している。これらの結果から、1制御周期あたりの送気ブロア周波数変動幅を固定した制御では、送気流量の制御が発酵槽内の発酵状態の調整に対して十分に働いていないと考えられた。また、結果として発酵が低調になると考えられた。
(評価例1に係る結果の検討)
図14(a)、図14(b)に、比較例1と同様のプロットを行った図を示している。図14(a)、図14(b)は、いずれも同じ発酵槽における送気ブロアの運転周波数と、発酵熱量と、の変化を算出したものであり、図14(a)が2021/3/14-15の結果であり、図14(b)が2021/3/9-10の結果である。
なお、図14(a)、図14(b)では、前述したように、仮想点調整パラメータαは0.7とし、制御周期は15分とした。制御周期15分の全時間帯において10秒ごとに発酵槽排気温度の実測値データを取得しその平均値を算出し、平均値を現制御ステップの排気温度Tとして、次制御ステップの仮想点設定に使用した。送気ブロアの設定周波数の上限を42Hz、下限を30Hzとした。
図14(a)、図14(b)のいずれの結果においても、送気ブロアの運転周波数および発酵熱量について、強い相関があることが確認できた。つまり、送気ブロアの運転周波数と、発酵熱量とが連動して変動することが確認できた。
また、図14(a)、図14(b)のいずれの結果においても、送気ブロア運転周波数が特定の値でほぼ変動していない区間が存在しなかった。また、送気ブロア周波数のハンチングおよびそれに伴う発酵熱の変動も確認出なかった。このことから、発酵熱量の状態に対して送気ブロアの周波数が適切に追随していることが考えられる。
図14(a)、図14(b)に示す結果より、下水汚泥の発酵乾燥に本制御を適用する場合は、仮想点調整パラメータαは0.7、制御周期は15分に設定すれば、適切に発酵熱量の状態に対して送気ブロアの周波数が適切に追随させることができると考えられる。
[評価例2]
評価例2として、養豚施設において設置・運用されている容量56mの縦型密閉発酵槽(中部エコテック社製、型番:S-60ET)に、図15に記載する計測及び制御システムを組み込み、発酵乾燥システム1Aとして構成した。その上で、発酵乾燥システム1Aにおいて豚糞の発酵堆肥化運転を実施した。
発酵乾燥システム1Aは、図1に示す発酵乾燥システム1と比べて以下の点が相違する。まず、ラインL4においては除塵塔26および洗浄脱臭塔28が設けられていない。代わりに、ラインL4は土壌脱臭設備に接続され、ここで発酵槽排気に含まれる臭気成分が除去される構成になっている。また、発酵乾燥システム1Aでは、発酵乾燥システム1におけるセンサ29a~29gに代えて、センサ30a~30eが設けられている。具体的には、発酵乾燥システム1Aでは、センサ30a~30cとして温度計が用いられ、センサ30dは流量計、温度計、および圧力計が用いられる。また、センサ30eとして温度計が用いられる。さらにラインL4には、排気ファン27よりも上流側(発酵槽21側)に、発酵槽圧力調整用の空気を供給するラインが設けられている。
発酵槽21への送気には、発酵乾燥システム1と同様に、回転数制御が可能なルーツブロア(以下、送気ブロア24)を使用した。送気量は、後述の送気量制御プログラムにより、送気ブロア電動機のインバータ出力周波数を制御することにより調整される。
発酵槽21からの排気を行うラインL4は、30m/分の吸気能力を有する排気ファン27を経由して土壌脱臭設備(図示せず)に接続されている。排気ファン27は固定周波数で運転される。また、送気量制御プログラムにより、発酵状況に応じて送気量が変動しても発酵槽21の内圧が微負圧に維持できるように、排気ファン27の上流に設けられた吸い込み弁31aと、空気吸い込み弁31bとの開度を事前に手動で調整した。
なお、発酵処理前の豚糞の水分は80%程度であった。
上記の発酵乾燥システム1Aにおける発酵槽21への豚糞の投入と製品(豚糞堆肥)の抜き出しの実施パターンを以下に示す。第1日~第4日目を基本パターンとして、これを繰り返した。
第1日目:製品約10m抜き出し→豚糞約4m投入
第2日目:豚糞約4m投入
第3日目:豚糞約4m投入
第4日目:豚糞約4m投入
第5(1)日目:製品約10m抜き出し→豚糞約4m投入
第1日目~第4日目までの豚糞の発酵槽21への投入は、ショベルローダと発酵槽21のバケットエレベータとを使用して午前中の所定時間帯(午前7時~午前10時)に実施した。本設備の発酵槽21にはロードセルが装着されていないので、評価例1のように原料(豚糞)投入量や製品(豚糞堆肥)抜き出し量(重量)を直接計測することはできなかった。そのため、豚糞投入量は、バケット容量(1m)とバケット使用回数(4回/日)より4m/日とした。
第1(5)日目には、原料投入の前に、発酵槽21の底面排出部のスライドゲートを手動で開閉し、製品を抜き出した。製品の抜き出し量は目視で凡そ10mになるように調整した。
送気流量の制御に使用した関係式(熱収支の計算に利用した関係式)を以下に示す。
・発酵槽排気温度T(℃):センサ等による実績値(計測値)を利用
・飽和水蒸気圧Y1(ata):蒸気表を用いて下記近似式を作成
Y1=0.0000000108691×T-0.0000006267351×T+0.0000634807524×T-0.0008394524409×T+0.0194553104893
・水蒸気エンタルピY2(kcal/kg):蒸気表より近似式を作成
Y2=0.0000004795251×T-0.0001040846264×T+0.0079545383099×T+0.1684867358301×T+600.8454619200120
・発酵熱量E:発酵熱収支から下記式を作成
E(kcal/分)=V(Nm/分)×Y1(ata)÷(1.0332-Y1(ata))×18/22.414×Y2(kcal/kg)
・排気流量V:発酵槽熱収支から下記式を作成
V(Nm/分)=E(kcal/分)÷Y1(ata)×(1.0332-Y1(ata))÷18/22.414÷Y2(kcal/kg)
また、送気ブロアを用いた送気流量の調整のためには、下記式を準備した。ここでは、流量V(Nm/分)、吐出圧力P(kPa)、送気ブロアインバータ周波数F(Hz)とする。
・流量V:送気ブロアの性能試験結果を用いて下記近似式を作成
V(Nm/分)=0.254685×F-0.00004×P+0.0022×P-0.0839×P-1.3045
・送気ブロアインバータ周波数F:送気ブロアの性能試験結果を用いて下記近似式を作成
F(Hz)=3.926419×V+0.0002×P-0.0086××P+0.3294×P+5.122
評価例2では、一定の間隔Δtにおける、排気温度Tとその変化量ΔTと、発酵熱Eとその変化量ΔEにより、排気温度VS発酵熱グラフ上に仮想点を設定しながら、仮想点に対応する送気流量を設定する方法を採用した。このとき、評価例1の実施形態で示した(T3,E3)を(T2+α×ΔT12,E2+ΔE12)に基づいて算出する方法を採用した。すなわち、図7に示す例と同様の方法で、仮想点調整パラメータα、βのうち、βは1として固定した。一方、仮想点調整パラメータαは、事前の調整運転により当該パラメータαを変化させて最適値を求め、0.5とし、制御周期は14分とした。ΔT12は、仮想発酵熱量E+βΔEに対応する送気流量V12の線上での排気温度を算出し、この温度とT2との差をΔT12とする方法を採用して設定した。制御周期14分中10秒ごとに発酵槽21の排気温度の実測値を取得しその平均値を算出し、排気温度Tとして仮想点設定に使用した。送気ブロアの設定周波数の上限を42Hz、下限を30Hzとした。この条件で、送気量は5Nm/分~8Nm/分の範囲で変動した。
なお、原料投入時間帯およびその後の5時間(午前7時~午後3時)は、発酵槽上面の投入ダンパー開閉による発酵槽上部空間への外気流入や原料投入による発酵槽内上部温度低下に起因する排気温度の非定常変動により、定常状態を前提とする熱収支による発酵熱の推算制度が落ちるため、排気温度55℃未満では本制御を解除し送気ブロアの電動機周波数を30Hz~31Hzに固定した。
[比較例2]
比較例2では、評価例2で使用した装置を用いて、送気制御プログラムを使用せずに送気ブロア24の電動機周波数を35Hzに固定して、豚糞の発酵堆肥化試験を実施した。豚糞と投入と製品排出パターンは評価例2と同じとした。本法は縦型密閉発酵槽による畜糞堆肥化において一般的に採用されている運転方法であり、当該発酵槽容積において一般に採用される送気量となるように電動機周波数を調整したものである。
評価例2は2021年10月4日~10月31日の28日間、比較例2は2021年11月12日~11月19日の8日間の長期運転データを評価及び比較した。
実施期間中の製品(豚糞堆肥)は、両者ともに、水分は23%~25%、窒素全量3.7%、リン酸4.5%、カリウム全量1.8%、pH8.4の均質な流動性を有する粉状物であり、堆肥としての品質は良好であった。
評価例2および比較例2について、運転データを送気量と発酵熱量に着目して整理したものを表5に示す。
Figure 0007217484000005
表5において、原料投入量は、試験期間中の豚糞投入量を示している。製品取り出し量は、試験期間中の豚糞発酵物(堆肥)の取り出し量を示している。平均送気量は、試験期間中1分間隔で送気ラインに設置した流量センサの及び圧力センサおよび温度センサの出力より送気量を計算し、平均を求めたものである。平均排気温度は、試験期間中1分間隔で排気ラインの温度センサの出力を取得し、平均を求めたものである。平均発酵熱量は、試験期間中1分間隔で算出される上記送気量と上記排気温度より前述の発酵熱量Eを算出するための計算式に基づいて発酵熱を計算し、その平均を求めたものであり、試験期間全般の発酵状況の指標となる。
表5に示されるように、評価例2の試験期間中(28日間)の平均発酵熱量は比較例(8日間)の(602÷528=)1.14倍になり、本送気制御により発酵速度が14%程度増加したと考えられる。
評価例2および比較例2の結果から、上記実施形態で説明した制御方法は、縦型密閉発酵槽を使用する畜糞堆肥化においても有効であり、同分野で一般的に実施されている送気量固定運転(従来方法)に比べて発酵速度が増加することが確認された。
[作用]
上記の発酵乾燥制御方法および発酵乾燥装置(発酵乾燥システム1)によれば、発酵槽21からの排気温度の変化と、発酵槽21の熱収支より算出した発酵熱量の変化と、に基づいて、発酵槽21への送気流量が求められる。発酵槽21内での発酵状態は、排気温度および発酵熱量から送気流量を求める構成とすることで、発酵槽内での発酵状態に応じて適切な送気流量を設定することができる。
従来から、発酵槽における対象物の発酵乾燥制御を行う際に、所定時間間隔で発酵熱量を算出し、発酵熱量の増加または減少に応じて、外気の導入量を増加または減少させることが検討されていた。しかしながら、対象物の条件等に応じては、外気導入量の調整が発酵状態に応じて適切に調整できない場合があった。これに対して、上記の手法を用いることで、排気温度と発酵熱量とに基づいて送気流量が求められる。排気温度と発酵熱量とを用いることにより、発酵槽21内の発酵状態をある程度正確に評価できるため、この手法を用いることで、発酵槽内での発酵状態に応じて適切な送気流量を設定することができる。
また、上記実施形態では、所定間隔で、発酵槽21の排気温度および発酵熱量を繰り返し取得している。そして、送気流量を調整する際には、第1のタイミングで取得した前記発酵槽の排気温度および発酵熱量と、第1のタイミングから所定間隔前である第2のタイミングで取得された発酵槽の排気温度および発酵熱量と、から、排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量を算出することと、排気温度の差分および前記発酵熱量の差分に基づいて、第1のタイミングから所定間隔経過する第3のタイミングにおける発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することと、前記発酵槽の熱収支から、前記仮想排気温度および前記仮想発酵熱量を実現するための前記発酵槽への送気流量を算出することと、を含む態様としてもよい。上記のように、第1および第2のタイミングにおける排気温度および発酵熱量に基づいて、将来の第3のタイミングにおける発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定し、この排気温度よび発酵熱量が実現されるように送気流量を求める構成とすることで、現在の発酵槽21の状況に応じた仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することができる。また、仮想排気温度および仮想発酵熱量に応じて送気流量を設定することで、発酵槽21内の発酵状態をより好適に調整することができる。
なお、第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記第1のタイミングで取得した前記発酵槽の排気温度をTとし、前記発酵熱量をEとし、前記排気温度の変化量をΔTとし、前記発酵熱量の変化量をΔEとし、仮想点パラメータをα,βとした場合に、前記仮想排気温度がT+αΔTとし、前記仮想発酵熱量がE+βΔEとし、前記αおよび前記βを選択することである態様としてもよい。このような構成とすることで、過去の排気温度および発酵熱量の変化量に基づいて仮想排気温度および仮想発酵熱量をより適切に設定することができる。
前記αおよび前記βは、0≦α≦1且つ0≦β≦1を満たす態様としてもよい。
また、前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記αおよび前記βを、前記発酵槽からの排気温度によって変更する態様としてもよい。このような構成とすることで、発酵槽21からの排気温度に基づいた調整を行うことができる。
また、前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記αおよび前記βは、前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量によって変更される態様としてもよい。このような構成とすることで、発酵槽21からの記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量に基づいたより細かな調整を行うことができる。
また、前記第2のタイミングから前記第1のタイミングへの前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量の実績値より算出された、前記第1のタイミングにおける前記αおよび前記βの実績値を使用して、前記第1のタイミングから前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定する態様としてもよい。このような構成とすることで、発酵槽21からの排気温度に基づいた調整を行うことができる。また、前記αおよび前記βを新規に仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定するタイミングごとに更新する態様とした場合、より細かな調整を行うことができる。
前記所定間隔は、1分以上180分以下で設定される態様としてもよい。このような間隔で調整を行うことで、発酵槽21内の環境の変化に応じて適切に調整することができる。
また、前記発酵槽内の圧力が微負圧になるように制御することをさらに含む態様としてもよい。また、発酵乾燥装置において、前記設備制御部は、前記発酵槽内の圧力が微負圧になるように制御する態様としてもよい。このような構成とすることで、排気温度と発酵熱量から送気流量を算出する際もより精度よく送気流量を設定することができるだけでなく、発酵槽21内での発酵状態を安定させることができる。
なお、前記発酵槽への送気流量を調整することは、前記設備制御部によって自動的に行われる態様としてもよい。この場合、システムの運転者等による調整を行わず、安定した運転を実現することができる。
[変形例]
以上、本開示の実施形態について説明してきたが、本開示は上記の実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。
例えば、上記で説明した発酵乾燥システム1、発酵乾燥設備2、設備制御部3等の構成は一例であって、適宜変更することができる。また、その装置構成に応じて、設備制御部3における制御内容を適宜変更してもよい。
また、設備制御部3では、上記で説明した送気流量の調整と、他のセンサ情報等を用いた発酵槽の運転制御とを組み合わせた制御を行ってもよい。
1…発酵乾燥システム、2…発酵乾燥設備、3…設備制御部、21…発酵槽、24…送気ブロア、29a~29g…センサ、41…容器、45…送気手段、46…排気手段。

Claims (10)

  1. 発酵原料について発酵乾燥処理または堆肥化処理を行う密閉型の発酵槽を含む、発酵乾燥設備と、
    発酵乾燥設備における発酵乾燥処理または堆肥化処理を制御する設備制御部と、
    を有する、発酵乾燥装置における発酵乾燥制御方法であって、
    前記設備制御部によって、前記発酵槽からの排気温度の変化と、前記発酵槽の熱収支から算出される発酵熱量の変化と、に基づいて、前記発酵槽への送気流量を調整することを含み、
    前記設備制御部は、所定間隔で、前記発酵槽の前記排気温度および前記発酵槽の熱収支から算出される前記発酵熱量を繰り返し取得し、
    前記送気流量を調整することは、
    第1のタイミングで取得した前記発酵槽の排気温度および前記発酵槽の熱収支から算出される発酵熱量と、前記第1のタイミングから所定間隔前である第2のタイミングで取得された前記発酵槽の排気温度および発酵熱量と、から、前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量を算出することと、
    前記排気温度の差分および前記発酵熱量の差分に基づいて、前記第1のタイミングから所定間隔経過する第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することと、
    前記発酵槽の熱収支から、前記仮想排気温度および前記仮想発酵熱量を実現するための前記発酵槽への送気流量を算出することと、前記発酵槽への送気流量を、算出した送気流量に調整することと、を含み、
    前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記第1のタイミングで取得した前記発酵槽の排気温度をTとし、前記発酵熱量をEとし、前記第2のタイミングから第1のタイミングまでの前記排気温度の変化量をΔTとし、前記発酵熱量の変化量をΔEとし、仮想点パラメータをα,βとした場合に、前記第3のタイミングの前記仮想排気温度がT+αΔTとなり、前記仮想発酵熱量がE+βΔEとなるように、前記αおよび前記βを選択する、発酵乾燥制御方法。
  2. 前記αおよび前記βは、0≦α≦1且つ0≦β≦1を満たす、請求項に記載の発酵乾燥制御方法。
  3. 前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、
    前記αおよび前記βを、前記発酵槽からの排気温度によって変更する、請求項に記載の発酵乾燥制御方法。
  4. 前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、
    前記αおよび前記βは、前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量によって変更される、請求項に記載の発酵乾燥制御方法。
  5. 前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、
    前記αおよび前記βとして、前記第2のタイミングから前記第1のタイミングへの前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量の実績値より算出された、前記第1のタイミングにおける前記αおよび前記βの実績値を使用するとともに、前記αおよび前記βを、新規に仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定するタイミングごとに更新する、請求項に記載の発酵乾燥制御方法。
  6. 前記ΔTとして、前記第2のタイミングから第1のタイミングまでの前記排気温度の変化量に代えて、前記第2のタイミングから前記第1のタイミングまでの送気流量に基づいて、前記第3のタイミングの前記仮想発酵熱量であるE+βΔEに対応する排気温度を計算し、この排気温度と前記第1のタイミングの排気温度の差を使用する、請求項2~5のいずれか一項に記載の発酵乾燥制御方法。
  7. 前記発酵槽内の圧力が微負圧になるように制御することをさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の発酵乾燥制御方法。
  8. 前記発酵槽への送気流量を調整することは、前記設備制御部によって自動的に行われる、請求項1~のいずれか一項に記載の発酵乾燥制御方法。
  9. 発酵原料について発酵乾燥処理または堆肥化処理を行う密閉型の発酵槽を含む、発酵乾燥設備と、
    発酵乾燥設備における発酵乾燥処理または堆肥化処理を制御する設備制御部と、
    を有し、
    前記設備制御部は、前記発酵槽からの排気温度の変化と、前記発酵槽の熱収支から算出される発酵熱量の変化と、に基づいて、前記発酵槽への送気流量を調整し、
    前記設備制御部は、所定間隔で、前記発酵槽の前記排気温度および前記発酵槽の熱収支から算出される前記発酵熱量を繰り返し取得し、
    前記設備制御部による前記送気流量の調整として、
    第1のタイミングで取得した前記発酵槽の排気温度および前記発酵槽の熱収支から算出される発酵熱量と、前記第1のタイミングから所定間隔前である第2のタイミングで取得された前記発酵槽の排気温度および発酵熱量と、から、前記排気温度の変化量および前記発酵熱量の変化量を算出することと、
    前記排気温度の差分および前記発酵熱量の差分に基づいて、前記第1のタイミングから所定間隔経過する第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することと、
    前記発酵槽の熱収支から、前記仮想排気温度および前記仮想発酵熱量を実現するための前記発酵槽への送気流量を算出することと、前記発酵槽への送気流量を、算出した送気流量に調整することと、を行い、
    前記第3のタイミングにおける前記発酵槽の仮想排気温度および仮想発酵熱量を設定することにおいて、前記第1のタイミングで取得した前記発酵槽の排気温度をTとし、前記発酵熱量をEとし、前記第2のタイミングから第1のタイミングまでの前記排気温度の変化量をΔTとし、前記発酵熱量の変化量をΔEとし、仮想点パラメータをα,βとした場合に、前記第3のタイミングの前記仮想排気温度がT+αΔTとなり、前記仮想発酵熱量がE+βΔEとなるように、前記αおよび前記βを選択する、発酵乾燥装置。
  10. 前記設備制御部は、前記発酵槽内の圧力が微負圧になるように制御する、請求項に記載の発酵乾燥装置。
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