JP3587087B2 - 送りねじ付き直線運動案内装置 - Google Patents

送りねじ付き直線運動案内装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械をはじめ産業用ロボットや精密計測器等の各種分野において、案内レールに沿う移動自在に設けられた移動ブロックを案内するのに用いられる直線運動案内装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械や産業用ロボット等の分野においては、移動ブロックを一の方向に亙って往復移動自在とする技術が不可欠である。例えば、半導体製造装置を構成するウエハ研削盤においては、研削装置を、水平方向に亙って設けられた軌道軸に沿って移動自在とし、この軌道軸の所定位置で荒研削を行い、他の所定位置で仕上げ研削を行うように構成している。このように研削装置を一の方向に亙って往復移動自在とするための装置として、従来から例えば図7に示すような送りねじ付き直線運動案内装置が広く利用されている。
【0003】
以下、上記図7に記載された構成に基づいて、従来の送りねじ付き直線運動案内装置の基本的な構成並びに作用について説明する。図示の送りねじ付き直線運動案内装置は、上方が開口する断面略コ字形の案内レール102を備えている。更に、上記案内レール102の内側に設けられた移動ブロック101と、この移動ブロック101を上記案内レール102に沿う移動自在に支持する多数のボール(鋼球)103、103と、上記移動ブロック101の移動に伴って上記多数のボール103、103が循環するための複数の無限循環路108と、上記移動ブロック101の幅方向略中央部に、この移動ブロック101の長さ方向に亙って貫通した状態で形成された雌ねじ109と、この雌ねじ109に螺合する雄ねじ110を刻設され、上記移動ブロック101の移動を案内する送りねじ104と、を備えている。
【0004】
上記移動ブロック101を構成する本体113の一対の側壁112と上記案内レール102の一対の側壁106、106との、互いに対向する面には、それぞれ内側転走面112a、112aと外側転走面106a、106aとが形成されている。これら互いに対向する外側、内側各転走面106a、112aによって、ボール103、103が循環する無限循環路108を構成する負荷軌道路114が構成される。又、上記本体113には貫通孔を形成し、この貫通孔を、上記負荷軌道路114とともに無限循環路108を構成する戻し通路としている。更に、上記本体113には、上記内側転走面112a、112aとこの内側転走面112a、112aに対応する戻し通路とを連続する半円状の方向転換路内周部を形成している。又、上記移動ブロック101を構成する側蓋105、105は、上記本体113の縦断面形状と同形状の縦断面形状を有し、その内側面に方向転換路外周部を形成している。この方向転換路外周部は、上記方向転換路内周部とともに方向転換路を形成する。上記負荷軌道路114、114と戻し通路と方向転換路とによって、上記ボール103、103が循環する無限循環路108が構成される。
【0005】
上記移動ブロック101の幅方向中央部に形成された雌ねじ109には、図示のように送りねじ104を螺合させている。従って、この送りねじ104を適宜回転させることにより、この送りねじ104に螺合した移動ブロック101が送りねじ104の回転量に応じた距離だけ移動する。この際、上記ボール103、103は、移動ブロック101の移動に伴って無限循環路108を循環する。これらボール103、103のうち、上記負荷軌道路114、114に位置するボール103、103が、上記移動ブロック101を案内レール102に対して移動自在に支持する。他のボール103、103は、方向転換路及び戻し通路に位置し、移動ブロック101の移動に伴って移動し、再び負荷軌道路114、114に位置して移動ブロック101を支持する。上述したように、多数のボール103、103が上記無限循環路108を循環しつつ移動ブロック101を支承するため、上記移動ブロック101は上記案内レール102に沿って円滑に移動する。
【0006】
尚、上記送りねじ104の一端は、図示しない電動機等の駆動源に連結されており、この駆動源を作動させることにより上記送りねじ104を回動させることができる。従って、上記駆動源を適宜の時間作動させることにより、上記送りねじ104を適宜の量だけ回動させ、この送りねじ104の回動量に応じた距離だけ上記移動ブロック101を移動させることができる。実際の場合、上記駆動源としてサーボモータを採用したり、この駆動源の回転量や回転方向等を制御する制御器を設ける等により、所望の距離だけ移動ブロックを適宜の方向に移動させて停止させるように構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の送りねじ付き直線運動案内装置においては、移動ブロック101の円滑で静粛な移動を行う上で、第一、第二の各解決すべき課題が存在する。先ず、第一の解決すべき課題は次のとおりである。すなわち、移動ブロック101を構成する本体113上面には、この上面に設けた螺子孔128、128に、加工装置等の各種装置を挿通したボルト(図示せず)を螺合し更に緊締することにより、上記各種装置を固定する。ところで、上記移動ブロック101を構成する本体113は、図8に示すように金属材製で断面矩形状の筒部材の内側に合成樹脂材19等の成形部材を充填することにより造っている。このように本体113を筒部材を用いて構成しているために、本体113の移動方向に対して直角な向きに回転モーメント荷重が加わった場合には、本体113内側部に合成樹脂材を充填したとしても本体113の剛性が不足し、本体113が、図9(A)に示す状態から同図(B)に示す状態に折り畳まれるように変形する傾向となる。
【0008】
このような場合、上記負荷軌道路114を形成した一対の側壁112、112が変位したり或いは撓んでしまうため、上記側壁112、112に形成した内側転走面112a、112a自体が歪んでしまったり、この内側転走面112a、112aと外側転走面106a、106aとの間隔が所望値から外れる結果になってしまう。例えば、負荷軌道路114を構成する内側転走面112a、112aと外側転走面106a、106aとの間隔が狭まってしまう。この結果、ボール103、103の転走を良好に行うに足る状態を保持できない事態が生じてしまう。このような事態が生じると、ボール103、103の転走を円滑に行うことができなくなってしまう。
【0009】
次に、第二の解決すべき課題は次のとおりである。すなわち、上記雌ねじ109及び雄ねじ110は、不可避的な製造誤差により、雌ねじ109と上記送りねじ104の雄ねじ110とを螺合させた場合に、互いの歯と歯との間に隙間が生じてしまう。このような隙間は、上記送りねじ104と上記移動ブロック101との相対移動を、この隙間の間隔分、許容してしまう(所謂、バックラッシ)。言い換えれば、上記移動ブロック101の停止位置が、上記隙間の間隔分の距離を限度にずれてしまう場合がある。このようなバックラッシを極力僅少に抑えるために、例えば、上記雌ねじ109の切削加工寸法を極力小さくして多数回に亙って合わせ加工する(所謂、現物合わせ加工を施す)ことが考えられる。ところが、このような現物合わせ加工は、製造効率が悪く、しかも、雄ねじ110と雌ねじ109との軸方向隙間を完全に解消することは不可能である。この結果、従来の送りねじ付き直線運動案内装置を切削装置等に付設した場合、移動ブロック101に固定の載置台に載置された被加工物は、切削装置のバイト等によって押圧力が加えられた際に、上記隙間の距離分ずれてしまい、所望箇所の加工ができなくなってしまう。又、移動ブロック101の往路移動の後に復路移動する際には、送りねじ104が上記距離分往路方向に送られた後に復路移動を開始する。このため、移動ブロック101の移動にタイムラグが生じ、上記送りねじ104の駆動制御に従った移動ができない。
【0010】
この発明に係る送りねじ付き直線運動案内装置は、上述のような事情に鑑みて創案されたもので、移動ブロックの本体の剛性を向上させるとともに、上記移動ブロックが停止した位置において、上記雌ねじを形成した移動ブロックと上記雄ねじを形成した送りねじとが相対移動しないようにすることで、上記移動ブロックが円滑に作動し、且つ、所望の位置に正確に停止することを可能にすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る送りねじ付き直線運動案内装置は、請求項1に記載したように、上方が開口する断面略コ字形の案内レールと、上記案内レールの内側に設けられた移動ブロックと、この移動ブロックを上記案内レールに沿う移動自在に支持する多数の転動体と、上記移動ブロックの移動に伴って上記多数の転動体が循環するための複数の無限循環路と、上記移動ブロックの幅方向略中央部に、この移動ブロックの長さ方向に亙って貫通した状態で形成された雌ねじ部と、この雌ねじ部に螺合する雄ねじを刻設され、上記移動ブロックの移動を案内する送りねじと、を備えている。上記無限循環路は、上記案内レールが有する一対の側壁のそれぞれ内側面に形成された外側転走面と上記移動ブロックが有する一対の側壁のそれぞれ外側面に形成された内側転走面とから成る負荷軌道路と、上記移動ブロックの長さ方向に亙って貫通した状態で設けられた戻し通路と、これら戻し通路と負荷軌道路とを連続する方向転換路と、を有するものである。
【0012】
特に、この請求項1に記載した送りねじ付き直線運動案内装置においては、上記移動ブロックを、下方が開口する有底四角箱状の本体と、この本体の内側に充填された成形部材と、により構成している。勿論、上記本体を構成する、互いに対向する二対の側壁のうち、送りねじの軸方向に位置する一対の側壁には、上記送りねじ挿通用の通孔を形成している。又、上記雌ねじ部は、上記成形部材に刻設された雌ねじと、この雌ねじに連続して形成された第一の凹溝部内に設けられた第一のナット部材と、この第一のナット部材を上記移動ブロックの長さ方向一端側に向けて押圧する弾性部材と、を備えることで構成している。
【0013】
上述したように構成される請求項1に記載の送りねじ付き直線運動案内装置においては、上記移動ブロックを構成する本体を、下方が開口する有底四角筒状としているため、本体の剛性が向上する。すなわち、前述した従来構造においては、本体は内側転走面を形成する一対の側壁を有するのみであったのに対し、この発明に係る本体は、下方が開口する有底四角筒状としているため、上記内側転走面を形成する一対の側壁に直角に連続する一対の側壁を備えている。この側壁の存在に基づいて、上記本体は前記図8(B)に示すように折り畳まれるように変形することが防止される。従って、上記負荷軌道路を形成した一対の側壁が撓んだり変位したりすることが抑制されるため、上記負荷軌道路の歪みや負荷軌道路を構成する内外両軌道面間の距離の変化も抑制される。言い換えれば、負荷軌道路がボールの転走に好ましい状態を保持するため、ボールの転走を円滑に行うことが可能になる。
【0014】
更に、上記請求項1に記載した発明の場合、送りねじを雌ねじ部に螺合させた際に、この送りねじは、上記雌ねじと上記第一のナット部材とに螺合する。言うなれば、上記送りねじは、2個のナットに螺合した(所謂、ダブルナットを設けた)のと同様の効果を有する。しかも、上記弾性部材の存在により、上記第一のナット部材は、この第一のナット部材の歯と上記雌ねじの歯とが当接する向きに押圧されるため、上記螺合が確実に行われる。このため、互いに螺合する上記雌ねじと送りねじに形成する雄ねじとの間に、不可避的な製造誤差による隙間が存在していても、移動ブロックは所望の停止位置で正確に停止する。すなわち、移動ブロックの停止位置の精度が向上する。
【0015】
尚、請求項2に記載したように、上記雌ねじ部を構成する雌ねじを刻設するのに代えて、第二の凹溝部を形成するとともに、この第二の凹溝部内に第二のナット部材を設ける構成としても良い。更に、請求項3に記載したように、上記成形部材を、前記本体にインサート成形し、このインサート成形時に、上記成形部材に形成する構成各部を形成するようにすれば、製造工程数を削減でき、製造コスト低減に寄与できる。上記インサート成形とは、一体成形すべき部材と金型との間にキャビティを形成し、このキャビティ内に成形材料を充填する成形方法である。又、請求項4に記載したように、上記多数の転動体が鋼球であり、且つ、保持部材により転動を自在に連結された、所謂ボール連結体を採用することもできる。又、請求項5に記載したように、上記案内レールの底面に、上記雌ねじ部を構成するナット部材(第一のナット部材、更には第二のナット部材)を着脱するための透孔を設けることもできる。このような透孔を設けることにより、上記ナット部材の交換や点検を、移動ブロックを案内レールに装着した状態のまま行なえる。このため、上記ナット部材の点検作業や交換作業を迅速且つ容易に行なうことが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5は、この発明の実施の第一形態例を示している。尚、この発明は、移動ブロック101を構成する本体18自体の剛性の向上を図るとともに、送りねじ104と雌ねじ部11との間に生じる隙間に基づいて移動ブロック101が停止位置からずれ動くことを防止する構造に特徴を有している。すなわち、移動ブロック101の停止位置精度を向上させることにある。その他の構成並びに作用は、前述した従来構造と同様である。従って、上記従来構造と同等部分には同符号を付し、重複する説明を省略若しくは簡略化し、以下、この発明の特徴部分を中心に説明する。
【0017】
本形態例に係る送りねじ付き直線運動案内装置においては、移動ブロック101を、下方が開口する有底四角箱状の本体18と、この本体18の内側に充填された成形部材19と、により構成している。上記本体18は、例えば、ステンレス鋼材等の板状金属材により形成する。上記本体18を構成する、互いに対向する二対の側壁12、17のうち、送りねじ104の軸方向に位置する一対の側壁17、17には、上記送りねじ4を挿通するための通孔25、25を形成している。又、上記成形部材19としては、熱可塑性樹脂、亜鉛合金のダイカスト、アルミニウム合金のダイカスト等を採用する。上記成形部材19は、上記本体18にインサート成形し、このインサート成形時に、戻し通路7、7、方向転換路16、16、雌ねじ109、第一のナット部材20を組み込むための第一の凹溝部21を形成する。このようにすれば、製造工程数を削減でき、製造コスト低減に寄与できる。尚、上記インサート成形とは、一体成形すべき部材と金型との間にキャビティを形成し、このキャビティ内に成形材料を充填する成形方法である。
【0018】
上記雌ねじ部11は、上記合成樹脂部材19に刻設された雌ねじ109と、この雌ねじ109に連続して形成された第一の凹溝部21内に設けられた第一のナット部材20と、この第一のナット部材20を上記移動ブロック1の長さ方向(図2の左右方向、図3及び図4の表裏方向)一端側(図2の右端側)に向けて押圧する皿ばね22と、を備えることで構成されている。上記皿ばね22が、特許請求の範囲に記載した弾性部材である。この弾性部材としては、上記皿ばね22の他、コイルばね等、第一のナット部材20を弾性的に押圧し、第一の凹溝部21内に支持できるものなら採用可能である。尚、上記第一のナット部材20及びこの第一のナット部20が嵌装される第一の凹溝部21の内周面形状は矩形状に形成している。これは、この第一のナット部材20の回り止めを図るためである。
【0019】
更に、本形態例においては、上記多数の転動体としてボール(鋼球)103、103を採用するとともに、保持部材23により転動を自在に連結された、所謂ボール連結体24を採用している。このようなボール連結体24を採用すれば、互いに隣接するボール103、103同士の間隔が一定に保持されるため、ボール103、103の移動が円滑に行われ、その結果、移動ブロック101の移動が円滑なものとなる。更に、ボール103、103同士の接触等が防止されるため、これに起因する疵や騒音の発生を防止でき、上記移動ブロック101の円滑な移動とともに、装置全体としての寿命の向上を図れる。尚、図1で符号27は皿ばね22の一端を当接させるための間座である。
【0020】
上述したように構成される本形態例に係る送りねじ付き直線運動案内装置における、移動ブロック101の移動、停止に係る基本的な作用は、前述した従来構造と同様である。特に、本形態例に係る送りねじ付き直線運動案内装置においては、上記移動ブロック1を構成する本体18を、ステンレス鋼材等の金属材により、下方が開口する有底四角箱状に形成している。このため、本体18全体としての剛性が向上し、本体18自体が撓んでしまう等の不都合が解消される。すなわち、上記本体18は下方が開口する有底四角箱状に形成しているため、この本体18の移動方向に対して直角な向きに回転モーメント荷重が加わった場合でも、内側転走面112aを形成した一対の側壁112、112に直角に連続する側壁17、17の存在に基づき、本体18が、前記図9(B)に示す状態に折り畳まれるように変形することがなくなる。従って、上記負荷軌道路114を形成した一対の側壁112、112が変位したり或いは撓んでしまうことに起因する、内側転走面112a、112a自体の歪みや、この内側転走面112a、112aと外側転走面106a、106aとの間隔が所望値から外れることが可及的に防止される。この結果、上記負荷転走路114は、常にボール103、103の転走を良好に行うに足る状態を保持するため、ボール103、103の転走は常に円滑に行われるようになる。
【0021】
更に説明すると、本体18自体が撓んだり変形した場合、前述したように、この本体18の中間部の撓みや変形に伴って上記負荷軌道路114を形成した一対の側壁112、112も撓んだり変形したりしてしまい、この結果、側壁112、112に形成した内側転走面112a、112aも歪んでしまう。このため、この内側転走面112a、112aと外側転走面106a、106aとによって構成される負荷軌道路114が歪んでしまう。この結果、負荷軌道路114を構成する内側転走面112a、112aと外側転走面106a、106aとの間隔が狭まってしまう等、ボール103、103の転走を良好に行うに足る状態を保持できない事態が生じてしまう。従って、上述のように本体18の中間部が撓んだ場合、これに起因して、ボール103、103の転走を円滑に行うことができなくなってしまう。これに対し、本形態例の構造においては、本体18を上述のように構成することにより、本体18の剛性が向上するため、この本体18の撓みに伴う負荷軌道路114の歪が生じることが抑制され、上記ボール103、103の円滑な転走が可能になる。
【0022】
更に、本形態例に係る送りねじ付き直線運動案内装置においては、送りねじ104を雌ねじ部11に螺合させた場合に、送りねじ104の雄ねじ110は、上記雌ねじ109と上記第一のナット部材20に刻設した雌ねじ9aとに螺合する。言うなれば、上記送りねじ104は、所謂、ダブルナットを設けたのと同様の効果を有する。すなわち、上記雌ねじ109、9aにより、送りねじ104の雄ねじ10に対し、互いに逆方向に予圧を付与するため、上記雄ねじ110は、各雌ねじ109、9aの、それぞれ反対側の歯面に当接する。この結果、雄ねじ110の上記雌ねじ109、9aに対する相対移動(バックラッシ)が僅少に抑制される。
【0023】
しかも、上記皿ばね22は、上記第一のナット部材20を第一の凹溝部21内に支持するのみならず、第一のナット部材20を押圧する。このため、図示のように皿ばね22を装着した場合には、この皿ばね22の存在により、上記雌ねじ9aと雄ねじ110とが確実に当接し、移動ブロック101の停止位置からのずれを抑制する。又、この皿ばね22の存在により、上記第一のナット部材20の雌ねじ9aと上記送りねじ104の雄ねじ10との当接圧を強め、移動ブロック101がずれ動くことを防止する。これらの結果、上記移動ブロック101は当該停止位置に精度良く停止することが可能になる。
【0024】
更に、本形態例の場合、上記案内レール102の底面に、上記雌ねじ部11を構成する第一のナット部材20を着脱するための透孔1を設けている。このような透孔1を設けることにより、上記第一のナット部材20の交換や点検を、移動ブロック101を案内レール102に装着した状態のまま行えるようになる。但し、移動ブロック101と送りねじ104との螺合は完全に外しておく必要がある。本形態例の構造の場合、上記交換や点検を、移動ブロック101を案内レール102に装着した状態のまま、上記透孔1を介して行えるため、従来構造のようにナットを交換する等の際に移動ブロックを案内レール102から取り外すことによってボール103、103が脱落したり、或いはこの脱落を防止するための手段を講じる必用がなくなる。従って、上記第一のナット部材20の点検作業や交換作業を迅速且つ容易に行なうことが可能になる。
【0025】
次に、図6は、この発明の実施の第二形態例を示している。本形態例の構造は、に 上記第一形態例に係る雌ねじ部11を構成する雌ねじ109を刻設するのに代えて、第二の凹溝部26を形成するとともに、この第二の凹溝部26内に第二のナット部材27を設けたものである。上記第二の凹溝部26は、移動ブロック1を構成する鋼製部材18に合成樹脂部材19をインサート成形する際に上記第一の凹溝部21等とともに形成する。上記インサート成形とは、上述した第一形態例で説明したとおり、一体成形すべき部材と金型との間にキャビティを形成し、このキャビティ内に成形材料を充填する成形方法である。
【0026】
このような第二形態例におけるその他の構成並びに作用は、上述した第一形態例と同様である。尚、本形態例においては、上記第二の凹溝部26内に皿ばね22等の弾性部材を装着してはいないが、この第二の凹溝部26内に上記第一凹溝部21内に装着したのと同様の皿ばね22等の弾性部材を装着しても良い。このような皿ばね22は、少なくとも何れか一方の凹溝部21、26内に、その一端側と他端側との少なくとも一方に装着する。
【0027】
更に、この発明に係る形態例の場合、上記第一、第二のナット部材20、27を上記第一の移動ブロック101に着脱自在である。従って、材質や刻設する雌ねじの精度等の異なる第一、第二のナット部材を用意しておき、送りねじ付き直線運動案内装置の使用目的等に合わせて適宜の第一、第二のナット部材20、27を選択して使用することが可能である。その他の構成並びに作用は、上述した第一形態例と同様である。
【0028】
【発明の効果】
この発明に係る送りねじ付き直線運動案内装置は、上述のように構成され作用するため、容易且つ安価に製造できるにも拘わらず、移動ブロックの本体の剛性が向上するために、移動ブロックの移動方向と直角な方向の回転モーメント荷重が加わった場合でも本体の変形が抑制され、荷軌道路を形成した一対の側壁等が撓んでしまうことが抑制されて上記負荷軌道路が歪んでしまうことがなくる。この結果、上記転動体の転走を円滑に行うことが可能になる。
【0029】
更に、容易且つ安価に製造できるにも拘わらず、移動ブロックの停止位置制御を高精度に行うことが可能になる。又、すべりねじを採用していることに伴い、ボールねじを採用した場合に比較して粛清性が向上する。すなわち、請求項1及び請求項2にそれぞれ記載した発明においては、送りねじを雌ねじ部に螺合させた場合に、雌ねじと第一のナット部材とに螺合し、互いに逆方向の予圧を付与するために、バックラッシを僅少に抑制する、所謂ダブルナットを設けたのと同様の効果を有する。しかも、第一のナット部材を押圧する弾性部材の存在により、上記第一のナット部材の雌ねじと上記送りねじの雄ねじとを確実に当接させるため、上記移動ブロックは停止位置に精度良く停止することが可能になる。この結果、送りねじ付き直線運動案内装置を用いた各種加工装置等における高精度の加工等に果たす役割は大きい。更に、すべりねじの採用により、ボールねじを用いた場合のようにボールの循環に伴う騒音が発生せず、粛静性が向上する。
【0030】
又、請求項3に記載した発明においては、インサート成形時に、上記成形部材に形成する構成各部を形成することが可能になるため、製造工程数を削減でき、製造コスト低減に寄与できる。更に、請求項4に記載した発明においては、転動体であるボールの円滑な転走と、組み付け時或いは保守点検時等におけるボールの脱落防止と、を図れる。更に、請求項5に記載した発明においては、上記案内レールの底面に設けた透孔を介して、上記雌ねじ部を構成するナット部材(第一のナット部材、更には第二のナット部材)を着脱可能であるため、上記ナット部材の交換や点検を、移動ブロックを案内レールに装着した状態のまま行なえ、上記ナット部材の点検作業や交換作業を迅速且つ容易に行なうことが可能になって、実用上の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第一形態例を示す斜視図である。
【図2】同じく要部横断平面図である。
【図3】移動ブロックを構成する本体のみを取り出して示しており、(A)は平面図、(B)は同図(A)のイ矢視図、(C)は同図(A)のロ矢視図である。
【図4】移動ブロックのみを取り出して示す側面図である。
【図5】同じく、移動ブロックのみを取り出して示す正面図である。
【図6】この発明の実施の第二形態例を示す要部横断平面図である。
【図7】送りねじ付き直線運動案内装置の従来構造を示す斜視図である。
【図8】従来の移動ブロックを構成する本体のみを取り出して示す縦断面図である。
【図9】従来の移動ブロックの本体の変形状態を模式的に説明するための、それぞれ縦断正面図である。
【符号の説明】
1 透孔
101 移動ブロック
102 案内レール
103 ボール
104 送りねじ
106、112 側壁
106a 外側転走路
7 戻し通路
108 無限循環路
109、9a 雌ねじ
110 雄ねじ
11 雌ねじ部
112a 内側転走路
114 負荷軌道路
16 方向転換路
17 側壁
18 本体
19 合成樹脂部材
20 第一のナット部材
21 第一の凹溝部
22 皿ばね
23 保持部材
25 第二の凹溝部
26 第二のナット部材

Claims (5)

  1. 上方が開口する断面略コ字形の案内レールと、上記案内レールの内側に設けられた移動ブロックと、この移動ブロックを上記案内レールに沿う移動自在に支持する多数の転動体と、上記移動ブロックの移動に伴って上記多数の転動体が循環するための複数の無限循環路と、上記移動ブロックの幅方向略中央部に、この移動ブロックの長さ方向に亙って貫通した状態で形成された雌ねじ部と、この雌ねじ部に螺合する雄ねじを刻設され、上記移動ブロックの移動を案内する送りねじと、を備え、上記無限循環路は、上記案内レールが有する一対の側壁のそれぞれ内側面に形成された外側転走面と上記移動ブロックが有する一対の側壁のそれぞれ外側面に形成された内側転走面とから成る負荷軌道路と、上記移動ブロックの長さ方向に亙って貫通した状態で設けられた戻し通路と、これら戻し通路と負荷軌道路とを連続する方向転換路と、を有するものである、送りねじ付き直線運動案内装置であって、
    上記移動ブロックは、下方が開口する有底四角箱状の本体と、この本体の内側に充填された成形部材と、により構成されており、
    上記雌ねじ部は、上記成形部材に刻設された雌ねじと、この雌ねじに連続して形成された第一の凹溝部内に設けられた第一のナット部材と、この第一のナット部材を上記移動ブロックの長さ方向一端側に向けて押圧する弾性部材と、を備えて成るものであることを特徴とする、送りねじ付き直線運動案内装置。
  2. 前記雌ねじ部を構成する雌ねじを刻設するのに代えて、第二の凹溝部を形成するとともに、この第二の凹溝部内に第二のナット部材を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の送りねじ付き直線運動案内装置。
  3. 前記成形部材は、前記本体にインサート成形されたものであり、このインサート成形時に、上記成形部材に形成する構成各部を形成することを特徴とする、請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の送りねじ付き直線運動案内装置。
  4. 前記多数の転動体が鋼球であり、且つ、保持部材により転動を自在に連結されたものであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の送りねじ付き直線運動案内装置。
  5. 前記案内レールの底面に、前記雌ねじ部を構成するナット部材を着脱するための透孔を設けたことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の送りねじ付き直線運動案内装置。
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