JP3586092B2 - 電子放出素子、電子源、及び画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源、及び画像形成装置の製造方法 Download PDF

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    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子放出素子、該素子を複数用いた電子源、及びこれを用いた表示装置や露光装置等の画像形成装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子放出素子には大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類が知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型(以下、「FE型」と称する)、金属/絶縁層/金属型(以下、「MIM型」と称する)や、表面電子放出素子等が有る。
【0003】
FE型の例としては、ダブリュ・ピイ・ダイク アンド ダブリュ・ダブリュ・ドラン(W.P.Dyke and W.W.Dolan)「フィールド エミッション(Field Emission)」,アドバンス イン エレクトロン フィジックス(Advance in Electron Physics),8,89(1956)或いはシイ・エイ・スピント(C.A.Spindt),「フィジカル プロパティズ オブ シン−フィルム フィールド エミッション カソーズ ウィズ モリブデナム コーンズ(Physical Properties of thin−film field emission cathodes with molybdenum cones)」,J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等に開示されたものがある。
【0004】
また、MIM型の例としては、シイ・エイ・ミード(C.A.Mead),「オペレーション オブ トンネル−エミッション デバイセズ(Operation of Tunnel−Emission Devices)」,J.Appl.Phys.,32,646(1961)等に開示されたものが知られている。
【0005】
表面伝導型電子放出素子の例としては、エム・アイ・エリンソン(M.I.Elinson),Radio Eng.Electoron Phys.,10,1290(1965)等に開示されたものがある。
【0006】
表面伝導型電子放出素子は、絶縁性基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等によるSnO 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの[ジイ・ディットマー(G.Dittmer)「シン ソリッド フィルムズ(Thin Solid Films)」,9,317(1972)]、In /SnO 薄膜によるもの[エム・ハートウェル アンド シイ・ジイ・フォンスタッド(M.Hartwell and
C.G.Fonstad),「IEEE Trans.ED Conf.」519(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他,真空、第26巻、第1号、第22頁(1983)]等が報告されている。
【0007】
これらの表面伝導型電子放出素子の典型的な例として、前述のエム・ハートウェルの素子構成を図14に模式的に示す。同図において1は基板である。また、4は導電性膜で、H型形状のパターンに形成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成される。尚、図中の素子電極間隔Lは、0.5〜1mm、W’は0.1mmで設定されている。
【0008】
これらの表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を行なう前に導電性膜4に予め通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施して電子放出部5を形成するのが一般的である。即ち、通電フォーミングとは、前記導電性膜4の両端に電圧を印加通電し、導電性膜4を局所的に破壊、変形もしくは変質させて構造を変化させ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部5を形成する処理である。尚、電子放出部5では導電性膜4の一部に亀裂を発生しており、その亀裂付近から電子放出が行なわれる。
【0009】
上述の表面伝導型電子放出素子は、構造が単純であることから、大面積に亘って多数素子を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を生かすための種々の応用が研究されている。例えば、荷電ビーム源、表示装置等の画像形成装置への利用が挙げられる。
【0010】
従来、多数の表面伝導型電子放出素子を配列形成した例としては、並列に表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の表面伝導型電子放出素子の両端(両素子電極)を配線(共通配線)にて夫々結線した行を多数行配列(梯子状配置)した電子源が挙げられる(例えば、特開昭64−31332号公報、特開平1−283749号公報、同2−257552号公報)。
【0011】
また、特に表示装置においては、液晶を用いた表示装置と同様の平板型表示装置とすることが可能で、しかもバックライトが不要な自発光型の表示装置として、表面伝導型電子放出素子を多数配置した電子源と、この電子源からの電子線の照射により可視光を発光する蛍光体とを組み合わせた表示装置が提案されている(アメリカ特許第5066883号明細書)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記した表面伝導型電子放出素子を構成する導電性膜を構成する金属としては、種々用いることができるが、主としてPdが用いられていた。
【0013】
しかしながら、Pdを用いて導電性膜を形成する場合、特定の還元雰囲気下での電気的な耐熱温度は400℃以下となり、製造工程上及び素子特性向上の制限となる可能性がある。具体的には、通常真空槽の封着時には400℃以上に加熱する必要があるため、これより低い耐熱温度に対応すると、良好な真空槽が形成しにくくなる。また、導電性膜の耐熱温度よりも高温で封着すると、導電性膜に形成された亀裂の幅が広がり、素子特性が低下してしまう。ここで、特定の還元雰囲気とは水素還元雰囲気などのことを示し、また電気的な耐熱温度とは素子幅(素子電極間距離)10μmで電気抵抗値が1MΩ以上となり導通がとれなくなる温度のことを示す。
【0014】
本発明の目的は、導電性膜の電気的な耐熱温度を向上することによって、高温での封着によっても導電性膜の亀裂が広がらず、電子放出特性の向上した電子放出素子を提供し、表示特性に優れた画像形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、基板上に形成した一対の素子電極と、該素子電極のそれぞれに電気的に接続された導電性膜と、該導電性膜の一部に形成された電子放出部を有する電子放出素子の製造方法であって、前記導電性膜を、パラジウム化合物とビスマス化合物とを含有する溶液を、基板上に付与し、焼成して形成する工程と、水素雰囲気中でフォーミングによって該導電性膜に電子放出部を形成する工程を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の第二は、上記電子放出素子の製造方法によって複数個の電子放出素子を形成することを特徴とする電子源の製造方法、第三及び第四は該製造方法による電子源を、画像形成部材と組み合わせる画像形成装置の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施形態として表面伝導型電子放出素子を例に挙げて本発明を詳細に説明する。
【0018】
表面伝導型電子放出素子の基本的構成には大別して、平面型と垂直型がある。
【0019】
先ず、平面型の表面伝導型電子放出素子について説明する。
【0020】
図1は、平面型表面伝導型電子放出素子の一構成例を示す模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は縦断面図である。図1において、1は基板、2と3は素子電極、4は導電性膜、5は電子放出部である。
【0021】
基板1としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等によりSiO を積層した積層体、アルミナ等のセラミックス及びSi基板等を用いることができる。
【0022】
対向する素子電極2、3の材料としては、一般的な導体材料を用いることができ、例えばNi、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属或いは合金及びPd、Ag、Au、RuO 、Pd−Ag等の金属或いは金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In −SnO 等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等から適宜選択される。
【0023】
素子電極間隔L、素子電極長さW、導電性膜4の形状等は、応用される形態等を考慮して、設計される。素子電極間隔Lは、好ましくは数百nm〜数百μmの範囲とし、より好ましくは、素子電極間に印加する電圧等を考慮して、数μm〜数十μmの範囲とする。
【0024】
素子電極長さWは、電極の抵抗値、電子放出特性を考慮すると、好ましくは数μm〜数百μmの範囲であり、素子電極2、3の膜厚dは、好ましくは数十nm〜数μmの範囲である。
【0025】
尚、図1に示した構成だけでなく、基板1上に、導電性膜4、対向する素子電極2、3の順に積層した構成とすることもできる。
【0026】
導電性膜4を構成する材料は、本発明においては、PdOを主成分とし、金属Bi及び/またはその酸化物を含有する組成物である。
【0027】
導電性膜4には、良好な電子放出特性を得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが好ましい。その膜厚は、素子電極2、3へのステップカバレージ、素子電極2、3間の抵抗値等を考慮して適宜設定されるが、通常は、数Å〜数百nmの範囲とするのが好ましく、より好ましくは30Å〜200Åの範囲とするのが良い。その抵抗値は、R が1×10 〜1×10 Ω/□の値である。尚、R は、幅がwで長さがlの薄膜の長さ方向に測定した抵抗RをR=R (l/w)とおいた時の値である。
【0028】
ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、或いは重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体として島状構造を形成している場合も含む)をとっている。微粒子の粒径は、数Å〜数百nmの範囲、好ましくは1nm〜20nmの範囲である。
【0029】
尚、本明細書では頻繁に「微粒子」という言葉を用いるので、その意味について説明する。
【0030】
一般に、小さな粒子を「微粒子」と呼び、これよりも小さなものを「超微粒子」と呼ぶ。「超微粒子」よりもさらに小さく、原子の数が数百個程度以下のものを「クラスター」を呼ぶことは広く行なわれている。
【0031】
しかしながら、それぞれの境は厳密なものではなく、どのような性質に注目して分類するかにより変化する。また「微粒子」と「超微粒子」を一括して「微粒子」と呼ぶ場合もあり、本明細書中での記述はこれに沿ったものである。
【0032】
例えば、「実験物理学講座 14 表面・微粒子」(木下是雄 編、共立出版、1986年9月1日発行)では、「本稿で微粒子と言うときにはその直径がだいたい2〜3μm程度から10nm程度までとし、特に超微粒子というときは粒径が10nm程度から2〜3nm程度までを意味することにする。両者を一括して単に微粒子と書くこともあってけっして厳密なものではなく、だいたいの目安である。粒子を構成する原子の数が2個から数十〜数百個程度の場合はクラスターと呼ぶ。」(第195頁22〜26行目)と記述されている。
【0033】
付言すると、新技術開発事業団の”林・超微粒子プロジェクト”での「超微粒子」の定義では、粒径の下限がさらに小さく、次のようなものであった。
【0034】
「創造科学技術推進制度の”超微粒子プロジェクト”(1981〜1986)では、粒子の大きさ(径)がおよそ1〜100nmの範囲のものを”超微粒子”(ultra fine particle)と呼ぶことにした。すると1個の超微粒子はおよそ100〜10 個くらいの原子の集合体という事になる。原子の尺度でみれば超微粒子は大〜巨大粒子である。」(「超微粒子−創造科学技術」林主税、上田良二、田崎明 編、三田出版、1988年、第2頁1〜4行目)/「超微粒子よりもさらに小さいもの、すなわち原子が数個〜数百個で構成される1個の粒子は、ふつうクラスターと呼ばれる」(同書第2頁12〜13行目)。
【0035】
上記のような一般的な呼び方をふまえて、本明細書において、「超微粒子」とは多数の原子・分子の集合体で、粒径の下限は数Å〜1nm程度、上限は数μm程度のものを指すこととする。
【0036】
電子放出部5は、導電性膜4の一部に形成された亀裂領域により構成され、後述する亀裂形成手法に依存したものとなる。電子放出部5の内部には、数Å〜数十nmの範囲の粒径の導電性微粒子が存在する場合もある。この導電性微粒子は、導電性膜4を構成する材料の元素の一部、或いは全ての元素を含有するものとなる。電子放出部5及びその近傍の導電性膜4には、炭素或いは炭素化合物を有する場合もある。
【0037】
次に、垂直型の表面伝導型電子放出素子について説明する。
【0038】
図2は、垂直型表面伝導型電子放出素子の一構成例を示す模式図であり、図1に示した部位と同じ部位には図1に示した符号と同一の符号を付している。21は段差形成部である。基板1、素子電極2及び3、導電性膜4、電子放出部5は、前述した平面型表面伝導型電子放出素子の場合と同様の材料で構成することができる。段差形成部21は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO 等の絶縁性材料で構成する。段差形成部21の膜厚は、先に述べた平面型表面伝導型電子放出素子の素子電極間隔Lに対応し、好ましくは数百nm〜数十μmの範囲である。この膜厚は、段差形成部21の製法、及び、素子電極2、3間に印加する電圧を考慮して設定されるが、数十nm〜数μmの範囲が好ましい。
【0039】
導電性膜4は、通常、素子電極2、3の作製後に形成されるので、素子電極2、3の上に積層されるが、導電性膜4の形成後に素子電極2、3を作製し、導電性膜4の上に素子電極2、3が積層されるようにすることも可能である。また、平面型表面伝導型電子放出素子の説明においても述べたように、電子放出部2の形成は、導電性膜4の膜厚、膜質、材料及び後述するフォーミング条件等の製法に依存するもので、その位置及び形状は図2に示されるような位置及び形状に特定されるものではない。
【0040】
表面伝導型電子放出素子の製造方法としては様々な方法があるが、その一例を図3に基づいて説明する。尚、図3においても図1に示した部位と同じ部位には図1に付した符号と同一の符号を付している。
【0041】
1)基板1を洗浄、純水及び有機溶剤等を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ法等により素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて基板1上に素子電極2、3を形成する(図3(a))。
【0042】
2)素子電極2、3を設けた基板1上に、導電性膜4を形成する。導電性膜4の形成方法としては、有機金属溶液塗布・焼成法、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法、液滴付与法等を用いることができる。中でも、フォトリソグラフィによるパターニングや真空プロセスが不要で生産性の上から好ましい液滴付与法が望ましい。以下に当該液滴付与法について詳細に説明する。
【0043】
液滴付与法で用いる溶液は、Pd化合物及びBi化合物を含有する金属化合物溶液である。Pd化合物としては、焼成可能な錯体または塩であれば特に制約されないが、水溶液中で安定なアミン錯体などが好ましい。また、Bi化合物としては、Pd化合物と同様に特に制約はないが、水溶液中でPd化合物と共に安定に存在できるEDTA(エチレンジアミン四酢酸)錯体が好ましい。
【0044】
上記Biの焼成後の導電性膜中の含有量は、金属全体を100モル%とした場合に、1〜20モル%の範囲が適当である。
【0045】
上記金属化合物溶液中の金属濃度(金属元素濃度)は、金属塩の種類によって最適な範囲が多少異なるが、一般には0.01〜5重量%の範囲が適当である。当該金属濃度が低過ぎる場合、基板に所望の量の金属を付与するためには多量の溶液を付与する必要があり、工程に要する時間が長くなるのみならず、基板上に無用に大きな液溜を生じてしまい、所望の領域のみに金属を付与することができなくなる。
【0046】
逆に、前記溶液の金属濃度が高すぎると、基板に付与された液滴が後の工程で乾燥或いは焼成される際に著しく不均一化し、その結果として電子放出特性の不均一化を招くことになる。
【0047】
前記金属化合物溶液には、水溶性ポリマーを添加することによって、基板に付与された液滴の凝集を防ぐことができる。このような水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが用いられる。その添加量は、0.01〜0.5重量%必要であり、0.01重量%未満ではその効果が得られない。また、0.5重量%を超えると、溶液粘度が高くなり取り扱いが困難になる。
【0048】
上記水溶液ポリマーを添加して溶液粘度が高くなった上記溶液に、低級アルコールを添加することによって、上記溶液粘度を低下させ、取り扱いを容易にすることができる。当該低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノールなどが用いられる。その添加量は、5〜35重量%である。35重量%を超えると、基板に付与された液滴が後の工程で乾燥或いは焼成される際に著しく不均一化し、その結果として導電性膜内での組成が不均一になり、電子放出素子の特性が低下する。また、5重量%未満では低級アルコール添加の効果が得られない。
【0049】
上記金属化合物溶液の液滴を付与する具体的な手段としては、液滴を形成し付与することができる手段であれば特に制限されないが、特に微小な液滴を効率よく適度な精度で発生付与でき制御性も良好なインクジェット法が好ましい。インクジェット法によれば、10ngから数十μg程度の微小液滴を再現性良く発生し基板に付与することができる。インクジェット法の装置としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ、或いは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能である。
【0050】
上記液滴で基板上に付与された金属化合物溶液は、乾燥、焼成工程を経て無機微粒子膜化することにより、導電性膜4とする。乾燥工程としては、通常用いられる自然乾燥、送風乾燥、熱風乾燥等を用いれば良く、焼成手段としては、電磁波照射手段や加熱空気照射手段、基板全体を加熱する手段が用いられる。電磁波照射手段としては、例えば赤外線ランプ、アルゴンイオンレーザー、半導体レーザー等を用いることができる。尚、乾燥工程と焼成工程は必ずしも区別された別工程として行なう必要はなく、連続して同時に行ってもかまわない。
【0051】
3)続いて、フォーミング工程を行なう。このフォーミング工程の方法の一例として、通電処理による方法を説明する。上記素子電極2、3間に、不図示の電源より通電すると、導電性膜4に構造の変化した電子放出部5が形成される(図3(c))。この通電フォーミングにより、導電性膜4を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、構造の変化した部位が電子放出部5である。通電フォーミングの電圧波形の例を図4に示す。
【0052】
通電フォーミングの電圧波形は、特にパルス波形が好ましい。これには、パルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加する図4(a)に示した方法と、パルス波高値を増加させながらパルスを印加する図4(b)に示した方法がある。
【0053】
先ず、パルス波高値を定電圧とした場合について、図4(a)で説明する。図4(a)におけるT 及びT は電圧波形のパルス幅とパルス間隔である。通常T は1μsec〜10msec、T は10μsec〜100msecの範囲で設定される。三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選択される。このような条件のもと、例えば、数秒〜数十秒間電圧を印加する。パルス波形は、三角波に限定されるものではなく、矩形波等の所望の波形を採用することができる。
【0054】
次に、パルス波高値を増加させながら電圧パルスを印加する場合について図4(b)で説明する。図4(b)におけるT 及びT は図4(a)に示したT 、T と同様である。また三角波の波高値は、例えば0.1V程度ずつ増加させる。
【0055】
通電フォーミング処理の終了は、パルス間隔T 中に、導電性膜4を局所的に破壊、変形しない程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することができる。例えば、0.1V程度の電圧印加により流れる電流を測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示した時、通電フォーミングを終了する。
【0056】
本発明においては、当該フォーミング工程を、水素雰囲気中或いは水素雰囲気に熱を併用して行なう。具体的には、水素雰囲気中で行う場合は、雰囲気中に2%H(Nにて希釈)を数百mPa〜数万Pa導入し、好ましくは一定電圧のパルス(パルス幅100μsec〜1msec、60Hz〜数Hz)でフォーミング処理を行う。基板温度は室温とする。熱を併用する場合には、上記水素雰囲気よりも水素圧を低くし、基板温度を50〜100℃に保ってフォーミング処理を行う。
【0057】
4)導電性膜4に電子放出部5を形成した素子には、活性化工程と呼ばれる処理を施すのが好ましい。この活性化工程により、素子電流I 、放出電流I を著しく変化させることができる。
【0058】
活性化工程は、例えば有機物質のガスを含有する雰囲気下で、素子電極2、3間にパルスの印加を繰り返すことで行なうことができる。この雰囲気は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用いて真空容器内を排気した場合に雰囲気内に残留する有機ガスを利用して形成することができる他、イオンポンプなどにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機物質のガスを導入することによっても得られる。この時の好ましい有機物質のガス圧は、前述の素子電極の形態、真空容器の形状や、有機物質の種類などにより異なるため、場合に応じ適宜設定される。適当な有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸類等を挙げることができ、具体的には、メタン、エタン、プロパンなどC2n+2で表わされる飽和炭化水素、エチレン、プロピレンなどC2n等の組成式で表わされる不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が使用できる。この処理により、雰囲気中に存在する有機物質から、炭素或いは炭素化合物が素子上に堆積し、素子電流I 、放出電流I が著しく変化するようになる。
【0059】
炭素及び炭素化合物とは、例えばグラファイト(いわゆるHOPG、PG、GCを包含するもので、HOPGはほぼ完全なグラファイト結晶構造、PGは結晶粒が20nm程度で結晶構造がやや乱れたもの、GCは結晶粒が2nm程度になり結晶構造の乱れがさらに大きくなったものを指す)、非晶質カーボン(アモルファスカーボン、及び、アモルファスカーボンと前記グラファイトの微結晶の混合物を指す)であり、その膜厚は50nm以下が好ましく、30nm以下が望ましい。
【0060】
活性化工程の終了判定は、素子電流I と放出電流I を測定しながら、適宜行なうことができる。尚、パルス幅、パルス間隔、パルス波高値などは適宜設定される。
【0061】
5)このような工程を経て得られた電子放出素子は、安定化工程を行なうことが好ましい。この工程は、真空容器内の有機物質を排気する工程である。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げることができる。
【0062】
前記活性化工程で排気装置として油拡散ポンプやロータリーポンプを用い、これから発生するオイル成分に由来する有機ガスを用いた場合には、この成分の分圧を極力低く抑える必要がある。真空容器内の有機成分の分圧は、上記炭素或いは炭素化合物がほぼ新たに堆積しない分圧で1×10−6Pa以下が好ましく、さらには1×10−8Pa以下が特に好ましい。さらに真空容器内を排気する時には、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気し易くするのが好ましい。この時の加熱条件は、80〜300℃で10時間以上処理するのが望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸条件により適宜選ばれる条件により行なう。真空容器内の圧力は極力低くすることが必要で、1×10−5Pa以下が好ましく、さらには1×10−6Pa以下が特に好ましい。
【0063】
上記安定化工程を行なった後の駆動時の雰囲気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ましいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去されていれば、圧力自体は多少上昇しても十分安定な特性を維持することができる。このような真空雰囲気を採用することにより、新たな炭素或いは炭素化合物の堆積を抑制でき、結果として素子電流I 、放出電流I が安定する。
【0064】
本発明の電子放出素子の基本特性について、前述の平面型表面伝導型電子放出素子を例に挙げて図5、図6を参照しながら説明する。
【0065】
図5は、真空処理装置の一例を示す模式図であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能をも兼ね備えている。図5においても、図1に示した部位と同じ部位には図1に付した符号と同一の符号を付している。
【0066】
図5において、55は真空容器であり、56は排気ポンプである。真空容器55内には電子放出素子が配されている。即ち、1は電子放出素子を構成する基板であり、2及び3は素子電極、4は導電性膜、5は電子放出部である。また、51は電子放出素子に素子電圧V を印加するための電源、50は素子電極2、3間の導電性膜4を流れる素子電流I を測定するための電流計、54は素子の電子放出部5より放出される放出電流I を捕捉するためのアノード電極、53はアノード電極54に電圧を印加するための高圧電源、52は電子放出部2より放出される放出電流I を測定するための電流計である。一例として、アノード電極54の電圧を1kV〜10kVの範囲とし、アノード電極54と電子放出素子との距離Hを2〜8mmの範囲として測定を行なう。
【0067】
真空容器55内には、不図示の真空系等の真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、所望の真空雰囲気下での測定評価を行なえるようになっている。
【0068】
排気ポンプ56は、ターボポンプ、ロータリーポンプ等からなる通常の高真空装置系とイオンポンプ等からなる超高真空装置系とにより構成されている。ここに示した電子放出素子基板を配した真空処理装置の全体は、不図示のヒーターにより加熱できる。従って、この真空処理装置を用いると、前述の通電フォーミング以降の工程も行なうことができる。
【0069】
図6は、図5に示した真空処理装置を用いて測定された放出電流I 及び素子電流I と、素子電圧V との関係を模式的に示した図である。図6においては、放出電流I が素子電流I に比べて著しく小さいので、任意単位で示している。尚、縦・横軸ともリニアスケールである。
【0070】
図6からも明らかなように、本発明の電子放出素子は、放出電流I に関して次の3つの特徴的性質を有する。
【0071】
第1に、本素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ;図6中のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流I が増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流I がほとんど検出されない。つまり、放出電流I に対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0072】
第2に、放出電流I が素子電圧V に単調増加依存するため、放出電流I は素子電圧V で制御できる。
【0073】
第3に、アノード電極54(図5参照)に捕捉される放出電荷は、素子電圧V を印加する時間に依存する。つまり、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電圧V を印加する時間により制御できる。
【0074】
以上の説明より理解されるように、本発明の電子放出素子は、入力信号に応じて、電子放出特性を容易に制御できることになる。この性質を利用すると複数の電子放出素子を配して構成した電子源、画像形成装置等、多方面への応用が可能となる。
【0075】
図6においては、素子電流I も素子電圧V に対して単調増加する(以下、「MI特性」と称する)例を示したが、素子電流I が素子電圧V に対して電圧制御型負性抵抗特性(以下、「VCNR特性」と称する)を示す場合もある(不図示)。これらの特性は、前述の工程を制御することで制御できる。
【0076】
以上のような本発明の電子放出素子の特徴的特性のため、複数の電子放出素子を配置した電子源は画像形成装置等でも、入力信号に応じて容易に放出電子量を制御することができることとなり、多方面に応用することができる。
【0077】
本発明の電子放出素子の応用例について以下に述べる。本発明の電子放出素子を複数個基板上に配列し、例えば電子源、さらには画像形成装置が構成できる。
【0078】
電子放出素子の配列については、種々のものが採用できる。一例として、並列に配置した多数の電子放出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数個配し(行方向)、この配線と直交する方向(列方向)で、該電子放出素子の上方に配した制御電極(グリッド電極)により、電子放出素子からの電子を制御駆動する梯子状配置のものがある。これとは別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の一方をX方向の配線に共通に接続し、同じ列に配された複数の電子放出素子の電極の他方をY方向の配線に共通に接続するものが挙げられる。このような配置はいわゆる単純マトリクス配置である。先ず単純マトリクス配置について以下に詳述する。
【0079】
本発明の電子放出素子については、前述した通り3つの特性がある。即ち、電子放出素子からの放出電子は、しきい値電圧以上では対向する素子電極間に印加するパルス状電圧の波高値と幅で制御できる。一方、しきい値電圧以下では殆ど電子は放出されない。この特性によれば、多数の電子放出素子を配置した場合においても、個々の素子にパルス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じて、電子放出素子を選択して電子放出量を制御できる。
【0080】
以下、この原理に基づき、本発明の電子放出素子の一実施形態である表面伝導型電子放出素子を複数配置して得られる電子源基板について図7を用いて説明する。図7において、71は電子源基板、72はX方向配線、73はY方向配線である。74は表面伝導型電子放出素子、75は結線である。尚、電子放出素子74は平面型でも垂直型でも良い。
【0081】
m本のX方向配線72は、Dx1、Dx2、……、Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成することができる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。Y方向配線73は、Dy1、Dy2、……、Dynのn本の配線よりなり、X方向配線72と同様に形成される。これらm本のX方向配線72とn本のY方向配線73との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している(m、nは共に正の整数)。
【0082】
不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO 等で構成される。例えば、X方向配線72を形成した基板71の全面或いは一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線72とY方向配線73の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定される。X方向配線72とY方向配線73は、それぞれ外部端子として引き出されている。
【0083】
電子放出素子74を構成する一対の素子電極(不図示)は、それぞれm本のX方向配線72とn本のY方向配線73に、導電性金属等からなる結線75によって電気的に接続されている。
【0084】
X方向配線72とY方向配線73を構成する材料、結線75を構成する材料、及び、一対の素子電極を構成する材料は、その構成元素の一部或いは全部が同一であっても、またそれぞれ異なっていても良い。これらの材料は、例えば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子電極に接続した配線は素子電極であると言うこともできる。
【0085】
X方向配線72には、X方向に配列した電子放出素子74の行を選択するための走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線73には、Y方向に配列した電子放出素子74の各列を入力信号に応じて変調するための、不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。
【0086】
上記構成においては、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。
【0087】
このような単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像形成装置について、図8、図9、及び図10を用いて説明する。図8は画像形成装置の表示パネルの一例を示す模式図であり、図9は図8の画像形成装置に使用される蛍光膜の模式図である。図10はNTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行なうための駆動回路の一例を示すブロック図である。尚、図7に示した部位と同じ部位には同じ符号を付して説明を省略する。尚、便宜上導電性膜4は省略した。
【0088】
図8において、81は電子源基板71を固定したリアプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック85等が形成されたフェースプレートである。82は支持枠であり、該支持枠82には、リアプレート81、フェースプレート86がフリットガラス等を用いて接続されている。88は外囲器であり、例えば大気中或いは窒素中で、400〜500℃の温度範囲で10分間以上焼成することで封着して構成される。
【0089】
外囲器88は、上述の如く、フェースプレート86、支持枠82、リアプレート81で構成される。リアプレート81は主に電子源基板71の強度を補強する目的で設けられるため、基板71自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要である。即ち、基板71に直接支持枠82を封着し、フェースプレート86、支持枠82及び基板71で外囲器88を構成しても良い。一方、フェースプレート86とリアプレート81の間に、スペーサーと呼ばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度を持つ外囲器88を構成することもできる。
【0090】
図9は、蛍光膜を示す模式図である。蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみで構成することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列により、ブラックストライプ(図9(a))、或いはブラックマトリクス(図9(b))等と呼ばれる黒色導電材91と蛍光体92とから構成することができる。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体92間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜84における外光反射によるコントラストの低下を抑制することにある。黒色導電材91の材料としては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料を用いることができる。
【0091】
ガラス基板83に蛍光体を塗布する方法は、モノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷法等が採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバック85が設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍光体の発光のうち内面側への光をガラス基板83側へ鏡面反射することにより輝度を向上させること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージから蛍光体を保護すること等である。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる)を行ない、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製できる。
【0092】
また、フェースプレート86には、さらに蛍光膜84の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電極(不図示)を設けても良い。
【0093】
前述の封着を行なう際、カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
【0094】
図8に示した画像形成装置は、例えば以下のようにして製造される。
【0095】
外囲器88内は、前述の安定化工程と同様に、適宜加熱しながらイオンポンプ、ソープションポンプ等のオイルを使用しない排気装置により不図示の排気管を通じて排気し、1×10−5Pa程度の真空度の有機物質の十分に少ない雰囲気にした後、封止がなされる。外囲器88の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行なうこともある。これは、外囲器88の封止を行なう直前或いは封止後に、抵抗加熱或いは高周波加熱等を用いた加熱により、外囲器88内の所定の位置に配置されたゲッター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10−5Pa以上の真空度を維持するものである。ここで、表面伝導型電子放出素子のフォーミング処理以降の工程は適宜設定できる。
【0096】
次に、単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行なうための駆動回路の構成例について、図10を用いて説明する。図10において、101は画像表示パネル、102は走査回路、103は制御回路、104はシフトレジスタ、105はラインメモリ、106は同期信号分離回路、107は変調信号発生器、V 及びV は直流電圧源である。
【0097】
表示パネル101は、端子Dx1〜Dxm、端子Dy1〜Dyn及び高圧端子87を介して外部の電気回路と接続している。端子Dx1〜Dxmには表示パネル101内に設けられた電子源、即ちm行n列の行列状にマトリクス配線された電子放出素子群を1行(n素子)ずつ順次駆動するための走査信号が印加される。端子Dy1〜Dynには、前記走査信号により選択された1行の電子放出素子の各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が印加される。高圧端子87には、直流電圧源V より、例えば10kVの直流電圧が供給されるが、これは電子放出素子から放出される電子ビームに、蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与するための加速電圧である。
【0098】
次に走査回路102について説明する。同回路は、内部にm個のスイッチング素子(図10中、S 〜S で模式的に示す)を備えたものである。各スイッチング素子は、直流電圧源V の出力電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネル101の端子Dx1〜Dxmと電気的に接続される。各スイッチング素子S 〜S は、制御回路103が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するものであり、例えばFETのようなスイッチング素子を組み合わせることにより構成することができる。
【0099】
直流電圧源V は、電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するように設定されている。
【0100】
制御回路103は、外部より入力される画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように、各部の動作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期信号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに基づいて、各部に対してTscan、Tsft 及びTmry の各制御信号を発生する。
【0101】
同期信号分離回路106は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と輝度信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波数分離(フィルタ)回路等を用いて構成できる。同期信号分離回路106により分離された同期信号は、垂直同期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説明の便宜上Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分は、便宜上DATA信号と表わした。このDATA信号は、シフトレジスタ104に入力される。
【0102】
シフトレジスタ104は、時系列的にシリアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御回路103より送られる制御信号Tsft に基づいて動作する(即ち、制御信号Tsft はシフトレジスタ104のシフトクロックであると言い換えても良い)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分のデータ(電子放出素子n素子分の駆動データに相当)は、Id1〜Idnのn個の並列信号として前記シフトレジスタ104より出力される。
【0103】
ラインメモリ105は、画像1ライン分のデータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であり、制御回路103より送られる制御信号Tmry に従って適宜Id1〜Idnの内容を記憶する。記憶された内容は、Id’1 〜Id’n として出力され、変調信号発生器107に入力される。
【0104】
変調信号発生器107は、画像データId’1 〜Id’n の各々に応じて、電子放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源であり、その出力信号は、端子Dy1〜Dynを通じて表示パネル101内の電子放出素子に印加される。
【0105】
前述したように、本発明の電子放出素子は放出電流I に関して以下の基本特性を有している。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧が印加された時のみ電子放出が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。このことから、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出しきい値電圧以下の電圧を印加しても電子放出を生じないが、電子放出しきい値電圧以上の電圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その際、パルスの波高値V を変化させることにより、出力電子ビームの強度を制御することが可能である。また、パルスの幅P を変化させることにより、出力される電子ビームの電荷の総量を制御することが可能である。
【0106】
従って、入力信号に応じて電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式とパルス幅変調方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際しては、変調信号発生器107としては、一定長さの電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの波高値を変調できるような電圧変調方式の回路を用いることができる。パルス幅変調方式を実施するに際しては、変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いることができる。
【0107】
シフトレジスタ104やラインメモリ105は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式のものでも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
【0108】
デジタル信号式を用いる場合には、同期信号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化する必要があるが、これには同期信号分離回路106の出力部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連してラインメモリ105の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器107に用いられる回路が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器107には、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路等を付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器107には、例えば高速の発振器及び発振器の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0109】
アナログ信号を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプ等を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト回路等を付加することもできる。パルス幅変調方式の場合には、例えば電圧制御型発振回路(VCO)を採用でき、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0110】
このような構成を取り得る本発明の画像形成装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを介して電圧を印加することにより、電子放出が生じる。同時に高圧端子87を介してメタルバック85或いは透明電極(不図示)に高電圧を印加し、電子ビームを加速する。加速された電子は、蛍光膜84に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
【0111】
ここで述べた画像形成装置の構成は、本発明の画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号についてはNTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限られるものではなく、PAL、SECAM方式等の他、これらよりも多数の走査線からなるテレビジョン信号(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式も採用できる。
【0112】
次に、前述の梯子状配置の電子源及び画像形成装置について、図11及び図12を用いて説明する。
【0113】
図11は、梯子状配置の電子源の一例を示す模式図である。図11において、110は電子源基板、111は電子放出素子である。112は電子放出素子111を接続するための共通配線D 〜D10であり、これらは外部端子として引き出されている。電子放出素子111は基板110上に、X方向に並列に複数個配置されている(これを素子行と呼ぶ)。この素子行が複数行配置されて電子源を構成している。各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加することで、各素子行を独立に駆動させることができる。即ち、電子ビームを放出させたい素子行には電子放出しきい値以上の電圧を印加し、電子ビームを放出させたくない素子行には電子放出しきい値以下の電圧を印加する。各素子行間に位置する共通配線D 〜D は、例えばD とD を一体の同一配線とすることもできる。
【0114】
図12は、梯子状配置の電子源を備えた画像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図である。120はグリッド電極、121は電子が通過するための開口、D 〜D は容器外端子、G 〜G はグリッド電極120に接続された容器外端子である。110は各素子行間の共通配線を同一配線とした電子源基板である。図12においては、図8、図11に示した部位と同じ部位には同一の符号を付した。尚、便宜上導電性膜4は省略した。ここに示した画像形成装置と、図8に示した単純マトリクス配置の画像形成装置との大きな違いは、電子源基板110とフェースプレート86の間にグリッド電極120を備えているか否かである。
【0115】
図12においては、基板110とフェースプレート86の間には、グリッド電極120が設けられている。グリッド電極120は、電子放出素子111から放出された電子ビームを変調するためのものであり、梯子状配置の素子行と直交して設けられたストライプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に対応して1個ずつ円形の開口121が設けられている。グリッド電極の形状や配置は、図12に示したものに限定されるものではない。例えば、開口としてメッシュ状に多数の通過口を設けることもでき、グリッド電極を電子放出素子の周囲や近傍に設けることもできる。
【0116】
容器外端子D 〜D 及びG 〜G は不図示の制御回路に接続されている。そして素子行を1列ずつ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これにより、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1ラインずつ表示することができる。
【0117】
以上説明した本発明の画像形成装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システムやコンピュータ等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンタとしての画像形成装置等としても用いることができる。
【0118】
図13は、図8或いは図12に示した画像形成装置を、例えばテレビジョン放送をはじめとする種々の画像情報源より提供される画像情報を表示できるように構成した本発明の画像形成装置の一例を示す図である。
【0119】
図中、1700はディスプレイパネル、1701はディスプレイパネルの駆動回路、1702はディスプレイコントローラ、1703はマルチプレクサ、1704はデコーダ、1705は入出力インタフェース回路、1706はCPU、1707は画像生成回路、1708〜1710は画像メモリインタフェース回路、1711は画像入力インターフェース回路、1712及び1713はTV信号受信回路、1714は入力部である。
【0120】
尚、本画像形成装置は、例えばテレビジョン信号のように、映像情報と音声情報の両方を含む信号を受信する場合には当然映像の表示と同時に音声を再生するものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声情報の受信、分離、再生、処理、記憶等に関する回路やスピーカー等については説明を省略する。
【0121】
以下、画像信号の流れに沿って各部の機能を説明する。
【0122】
先ず、TV信号受信回路1713は、例えば電波や空間光通信等のような無線伝送系を用いて伝送されるTV信号を受信するための回路である。受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、例えばNTSC方式、PAL方式、SECAM方式等、いずれの方式でも良い。また、これらよりさらに多数の走査線よりなるTV信号、例えばMUSE方式をはじめとするいわゆる高品位TV信号は、大面積化や大画素数化に適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに好適な信号源である。
【0123】
上記TV信号受信回路1713で受信されたTV信号は、デコーダ1704に出力される。
【0124】
また、TV信号受信回路1712は、例えば同軸ケーブルや光ファイバ等のような有線伝送系を用いて伝送されるTV信号を受信するための回路である。前記TV信号受信回路1713と同様に、受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、また本回路で受信されたTV信号もデコーダ1704に出力される。
【0125】
画像入力インターフェース回路1711は、例えばTVカメラや画像読み取りスキャナーなどの画像入力装置から供給される画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ1704に出力される。
【0126】
画像メモリインターフェース回路1710は、ビデオテープレコーダ(以下「VTR」と称する)に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ1704に出力される。
【0127】
画像メモリインターフェース回路1709は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ1704に出力される。
【0128】
画像メモリインターフェース回路1708は、静止画ディスクのように、静止画像データを記憶している装置から画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ1704に入力される。
【0129】
入出力インターフェース回路1705は、本画像表示装置と、外部のコンピュータ、コンピュータネットワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接続するための回路である。画像データや文字・図形情報の入出力や、場合によっては本画像形成装置の備えるCPU1706と外部との間で制御信号や数値データの入出力などを行なうことも可能である。
【0130】
画像生成回路1707は、前記入出力インターフェース回路1705を介して外部から入力される画像データや文字・図形情報や、或いはCPU1706より出力される画像データや文字・図形情報に基づき、表示用画像データを生成するための回路である。本回路の内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積するための書き換え可能メモリや、文字コードに対応する画像パターンが記憶されている読み出し専用メモリや、画像処理を行なうためのプロセッサ等をはじめとして、画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0131】
本回路により生成された表示用画像データは、デコーダ1704に出力されるが、場合によっては前記入出力インターフェース回路1705を介して外部のコンピュータネットワークやプリンタに出力することも可能である。
【0132】
CPU1706は、主として本画像表示装置の動作制御や、表示画像の生成や選択、編集に関わる作業を行なう。
【0133】
例えば、マルチプレクサ1703に制御信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を適宜選択したり組み合わせたりする。その際には表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ1702に対して制御信号を発生し、画面表示周波数や走査方法(例えばインターレースかノンインターレースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制御する。また、前記画像生成回路1707に対して画像データや文字・図形情報を直接出力したり、或いは前記入出力インターフェース回路1705を介して外部のコンピュータやメモリをアクセスして画像データや文字・図形情報を入力する。
【0134】
尚、CPU1706は、これ以外の目的の作業にも関わるものであっても良い。例えば、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等のように、情報を生成したり処理する機能に直接関わっても良い。或いは前述したように、入出力インターフェース回路1705を介して外部のコンピュータネットワークと接続し、例えば数値計算等の作業を外部機器として共同して行なっても良い。
【0135】
入力部1714は、前記CPU1706に使用者が命令やプログラム、或いはデータなどを入力するためのものであり、例えばキーボードやマウスの他、ジョイスティック、バーコードリーダー、音声認識装置等の多様な入力機器を用いることが可能である。
【0136】
デコーダ1704は、前記1707〜1713より入力される種々の画像信号を3原色信号、または輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回路である。尚、図中に点線で示すように、デコーダ1704は内部に画像メモリを備えていることが望ましい。これは、例えばMUSE方式をはじめとして、逆変換するの際に画像メモリを必要とするようなテレビ信号を扱うためである。また、画像メモリを備えることにより、静止画像の表示が容易になる。或いは前記画像生成回路1707及びCPU1706と共同して、画像の間引き、補完、拡大、縮小、合成をはじめとする画像処理や編集が容易になるという利点が得られる。
【0137】
マルチプレクサ1703は、前記CPU1706より入力される制御信号に基づき、表示画像を適宜選択するものである。即ち、マルチプレクサ1703はデコーダ1704から入力される逆変換された画像信号の内から所望の画像信号を選択して駆動回路1701に出力する。その場合には、一画面表示時間内で画像信号を切り換えて選択することにより、いわゆる多画面テレビのように、一画面を複数の領域に分けて領域によって異なる画像を表示することも可能である。
【0138】
ディスプレイパネルコントローラ1702は、前記CPU1706より入力される制御信号に基づき、駆動回路1701の動作を制御するための回路である。
【0139】
ディスプレイパネルの基本的な動作に関わるものとして、例えばディスプレイパネルの駆動用電源(不図示)の動作シーケンスを制御するための信号を駆動回路1701に対して出力する。ディスプレイパネルの駆動方法に関わるものとして、例えば画面表示周波数や走査方法(例えばインターレースかノンインターレースか)を制御するための信号を駆動回路1701に対して出力する。また、場合によっては、表示画像の輝度やコントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に関わる制御信号を駆動回路1701に対して出力する場合もある。
【0140】
駆動回路1701は、ディスプレイパネル1700に印加する駆動信号を発生するための回路であり、前記マルチプレクサ1703から入力される画像信号と、前記ディスプレイパネルコントローラ1702より入力される制御信号に基づいて動作するものである。
【0141】
以上、各部の機能を説明したが、図17に例示した構成により、本画像形成装置においては、多様な画像情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル1700に表示することが可能である。即ち、テレビジョン放送をはじめとする各種の画像信号は、デコーダ1704において逆変換された後、マルチプレクサ1703において適宜選択され、駆動回路1701に入力される。一方、ディスプレイコントローラ1702は、表示する画像信号に応じて駆動回路1701の動作を制御するための制御信号を発生する。駆動回路1701は、上記画像信号と制御信号に基づいてディスプレイパネル1700に駆動信号を印加する。これにより、ディスプレイパネル1700において画像が表示される。これらの一連の動作は、CPU1706により統括的に制御される。
【0142】
本画像形成装置においては、前記デコーダ1704に内蔵する画像メモリや、画像生成回路1707及び情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回転、移動、エッジ強調、間引き、補完、色変換、画像の縦横比変換等をはじめとする画像処理や、合成、消去、接続、入れ替え、嵌め込み等をはじめとする画像編集を行なうことも可能である。また、上記画像処理や画像編集と同様に、音声情報に関しても処理や編集を行なうための専用回路を設けても良い。
【0143】
従って、本画像形成装置は、テレビジョン放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機器、ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、ゲーム器などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用或いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0144】
尚、図13は、電子放出素子を電子ビーム源とする表示パネルを用いた画像形成装置とする場合の構成の一例を示したに過ぎず、本発明の画像形成装置がこれのみに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0145】
例えば、図13の構成要素の内、使用目的上必要のない機能に関わる回路は省いてもさしつかえない。また、これとは逆に、使用目的によってはさらに構成要素を追加しても良い。例えば、本画像表示装置をテレビ電話機として応用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、照明器、モデムを含む送受信回路等を構成要素に追加するのが好適である。
【0146】
本画像形成装置においては、電子放出素子を電子源としているので、ディスプレイパネルの薄型化が容易なため、画像形成装置の奥行きを小さくすることができる。それに加えて、電子放出素子を電子ビーム源とする表示パネルは大画面化が容易で輝度が高く、視野角特性にも優れるため、画像形成装置は、臨場感にあふれ、迫力に富んだ画像を視認性良く表示することが可能である。また、安定で高効率な電子放出特性が実現された電子源を用いることにより、長寿命で明るい高品位なカラーフラットテレビが実現される。
【0147】
【実施例】
[実施例1]
本実施例では、図1に示す電子放出素子を作製した。
【0148】
基板1として石英ガラス基板を用い、これを有機溶剤により十分に洗浄後、基板面上にPtからなる素子電極2,3を形成した。該素子電極の間隔Lは10μm、厚さdは300Åとした。
【0149】
ポリビニルアルコールを0.05重量%、2−プロパノールを25重量%溶解した水溶液に、テトラモノエタノールアミン−パラジウム酢酸(Pd(NH CH CH OH) (CH COO) )をパラジウム重量濃度で0.5重量%となるように溶解し、黄色の溶液(PAME)を得た。この溶液にビスマス重量濃度で4重量%のエチレンジアミン四酢酸−ビスマス(EDTA−Bi錯体)水溶液を0.7重量%添加した(金属全体で100モル%とするとBiの含有量は3モル%となる)。
【0150】
上記金属化合物溶液の液滴をバブルジェット方式のインクジェット装置によって、石英基板1上に電極2,3にまたがるように付与し、80℃で2分間乾燥させ、さらに350℃で12分間焼成して導電性膜4を形成した。1素子分の液滴数は4滴で、最も膜厚の厚い部分で100Åであった。
【0151】
次に、真空容器中に2%水素/98%窒素ガスを2000Pa導入した雰囲気下で素子電極2、3間に電圧を印加し、フォーミング処理を施して電子放出部5を形成した。フォーミング処理に用いた電圧波形を図15に示す。図中のT =3msec、T =800msecとし、矩形波の波高値Vformは5Vとした。このようにして形成された電子放出部5は、Pd元素を主成分とする微粒子が分散配置された状態となり、その微粒子の平均粒径は50Åであった。
【0152】
上記の如くフォーミング処理により電子放出部を形成した電子放出素子の活性化を行なった。真空容器中にベンゾニトリル(BN)ガスを1×10−4Pa導入した雰囲気で、図16に示す波形の電圧パルスを印加した。この時、T =1msec、T =10msecとし、矩形波の波高値V 〜V を9〜16Vとして昇圧時間T =30分とした。
【0153】
その後、1×10−7Paまでイオンポンプで排気し、基板温度=200℃で10時間ベーキングを行なった。
【0154】
上記のようにして作製された電子放出素子について、その電子放出特性を図5に示した測定評価装置により測定した。本実施例ではアノード電極54と電子放出素子間の距離H=4mm、アノード電極54の電位を1kV、電子放出特性測定時の真空装置55内の真空度を1×10−7Paとした。
【0155】
上記条件で素子電極2、3間に電圧を印加し、その時に流れる素子電流I とI を測定したところ、図6に示したような電流−電圧特性が得られた。本素子では、素子電圧V =7V程度から急激に放出電流I が増加し、素子電圧V =15Vでは素子電流I =3.5mA、放出電流I =7.0μAとなり、電子放出効率η=I /I (%)=0.2%であった。
【0156】
また、比較例1として、導電性膜形成時にBiを添加していない上記PAMEのみからなる水溶液を用いる以外は実施例1と同様にして電子放出素子を作製した。この素子について上記と同様に電子放出特性を測定したところ、V =15VではI =2.0mA、I =2.5μAとなり、η=0.125%であった。
【0157】
上記実施例1と比較例1の電子放出素子の電子放出部をそれぞれFE−SEMにて観察したところ、特に反射電子像において差が見られた。即ち、電子放出部である亀裂の中心部に生じた活性化処理による活性化亀裂の幅が、実施例1の素子の方が細かった。
【0158】
[実施例2]
フォーミング時に基板を50℃まで加熱した状態で行なう以外は実施例1、比較例1と同様にして実施例2、比較例2の電子放出素子を得た。これらの素子について実施例1と同様に特性評価を行なった。その結果、実施例2の素子は比較例2の素子に比べてI、I、ηについて向上が見られた。また、実施例2の素子をFE−SEMにて観察したところ、実施例1の素子と同様に電子放出部である亀裂の幅が細く且つ均一であった。
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、導電性膜の耐熱温度が高くなっているため、電子放出部となる亀裂を制御性良くひじょうに細くすることができ、さらに、活性化やベーキンク時の亀裂の後退をも抑えることができるため、電子放出特性に優れた電子放出素子が得られ、該電子放出素子を複数個配設して電子放出特性に優れた電子源を構成することができ、輝度が高く表示特性に優れた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の一実施形態である平面型の表面伝導型電子放出素子を示す概略的構成図である。
【図2】本発明の電子放出素子の一実施形態である垂直型の表面伝導型電子放出素子を示す概略的構成図である。
【図3】図1に示した電子放出素子の製造方法を示す図である。
【図4】フォーミング波形の例を示す図である。
【図5】本発明にかかる真空処理装置の一例を示す概略的構成図である。
【図6】本発明の電子放出素子の放出電流−素子電圧特性(I−V特性)を示す図である。
【図7】本発明の電子源の一実施形態の単純マトリクス配置の電子源を示す概略的構成図である。
【図8】単純マトリクス配置の電子源を用いた本発明の画像形成装置の一実施形態に用いる表示パネルの概略的構成図である。
【図9】図8に示した表示パネルにおける蛍光膜を示す図である。
【図10】図8に示した表示パネルを駆動する駆動回路の一例を示す図である。
【図11】本発明の電子源の一実施形態の梯子状配置の電子源を示す概略的構成図である。
【図12】梯子状配置の電子源を用いた本発明の画像形成装置の一実施形態に用いる表示パネルの概略的構成図である。
【図13】本発明の画像形成装置の一例を示すブロック図である。
【図14】従来の平面型表面伝導型電子放出素子を示す概略的構成図である。
【図15】本発明の実施例で用いたフォーミング処理の電圧波形を示す図である。
【図16】本発明の実施例で用いた活性化処理の電圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2、3 素子電極
4 導電性膜
5 電子放出部
21 段差形成部
50 電流計
51 電源
52 電流計
53 高圧電源
54 アノード電極
55 真空容器
56 排気ポンプ
71 電子源基板
72 X方向配線
73 Y方向配線
74 表面伝導型電子放出素子
75 結線
81 リアプレート
82 支持枠
83 ガラス基板
84 蛍光膜
85 メタルバック
86 フェースプレート
87 高圧端子
88 外囲器
91 黒色導伝材
92 蛍光体
101 画像表示パネル
102 走査回路
103 制御回路
104 シフトレジスタ
105 ラインメモリ
106 同期信号分離回路
107 変調信号発生器
110 電子源基板
111 電子放出素子
112 共通配線
120 グリッド電極
121 開口
1700 ディスプレイパネル
1701 駆動回路
1702 ディスプレイコントローラ
1703 マルチプレクサ
1704 デコーダ
1705 入出力インターフェース回路
1706 CPU
1707 画像生成回路
1708〜1710 画像メモリインターフェース回路
1711 画像入力インターフェース回路
1712、1713 TV信号受信回路
1714 入力部

Claims (6)

  1. 基板上に形成した一対の素子電極と、該素子電極のそれぞれに電気的に接続された導電性膜と、該導電性膜の一部に形成された電子放出部を有する電子放出素子の製造方法であって、前記導電性膜を、パラジウム化合物とビスマス化合物とを含有する溶液を、基板上に付与し、焼成して形成する工程と、水素雰囲気中でフォーミングによって該導電性膜に電子放出部を形成する工程を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 前記導電性膜のビスマス含有量が、金属全体を100モル%として1〜20モル%であることを特徴とする請求項1記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 前記水素雰囲気中でのフォーミングの際に、さらに熱を併用することを特徴とする請求項1または2記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の製造方法で同一基板上に複数の電子放出素子を形成してなることを特徴とする電子源の製造方法。
  5. 請求項記載の製造方法で得られた電子源を、該電子源からの電子線の照射により画像を形成する画像形成部材と組み合わせることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  6. 請求項4記載の製造方法で得られた電子源を、該電子源からの電子線の照射により画像を形成する画像形成部材、及び、テレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行うための駆動回路、と組み合わせることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
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