JP3585754B2 - 野菜収納容器及び冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は野菜室通風ダクト内に着脱自在に調湿手段を配置した冷蔵庫に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、従来よりある冷凍室及び冷蔵庫に加えて、魚，肉類や野菜，果物類などの生鮮食品を新鮮に保存することを目的とした低温室や野菜室を備えた冷蔵庫が普及している。
【０００３】
また、一方で従来の冷凍室が上部にあるものに代わって使用頻度が高い冷蔵室を上部の目の高さに配置して使い勝手や収納性を高めた冷蔵庫が主流になっている。これらの代表例を例えば特開平１０−１８５４０７号公報にその一例が示されており以下図９を参照しながら説明する。
【０００４】
１は外箱、２は内箱、３及び前記両箱２，３間の空間に充填された断熱材４によって構成された。７は前記区画壁５の上方で本体１の上部に区画形成された冷蔵室であり、回転式の扉８を備えている。９は前記区画壁６の下方で本体１の下部に区画形成された冷凍室であり引出式扉１０，１１を備えている。１２は前記冷蔵室７ないの下部に設けられた主に魚，肉類などを保存する低温室、１３は野菜，果物類を保存する野菜室で、引出式扉１４と前記引出式扉１４に取付けて引き出される野菜容器１５と容器内に配置された主に小物野菜や果物などを収納する小物容器１６を装備しており、前記区画壁５，６の間で上部の冷蔵室７と下部の冷凍室９の間に挟まれて本体１の中央部に配置されている。
【０００５】
１７は冷凍サイクルの冷却器であり、１８は前記冷却器１７で冷却された冷気を庫内に強制通風させる為の送風機である。１９は、前記冷蔵室７に２０は前記低温室１２にそれぞれ必要な冷気量を送り込む為の温度制御手段（以下ダンパー装置１９，２０）である。
【０００６】
２１は野菜室１３内の野菜容器１５の上面開口を覆う蓋体であり容器内を高湿に維持する為の透湿機能膜などの調湿手段２２を一体に設けている。２３は冷蔵室吐出ダクトであり、一端を冷却器１７の近傍に開口し、他端を冷蔵室７に開口している。３４は冷蔵室７の吸込みダクト、２５は前記吸込みダクト２４に連通して前記蓋体２１の上方に設けた通風ダクトであり、前記調湿手段２２より前設けられている。２７は前記調湿手段２２と開口部２６との間の位置に通風ダクト２４の下面に下方に突出して形成した突部と蓋体２１の上面に突出して形成した突部との組み合わせで構成した堰である。２８は前記通風ダクト２４に連通して野菜容器１５の外周を循環するように構成した循環ダクト、２９は野菜室１３内の奥面上部に設けた冷気戻り口であり、循環ダクト２８を野菜容器１５の背面に沿って立ち上げるよう構成している。
【０００７】
３０は蓋体２１の奥面に蓋体上部の空間と前記冷気戻り口２９を連通させる為の連通部である。また３１は冷気戻り口２９を介して冷却器１７に空気を帰還させる為の帰還ダクトである。
【０００８】
３２は冷凍室吐出ダクトであり、一端は冷却器１７近傍に開口し、他端は冷凍室９に開口している。３３は、冷凍室吸込みダクトであり一端は冷凍室９に開口し、他端は冷却器１７の下部近傍に開口している。
【０００９】
以上のように構成された冷蔵庫についてその動作を説明する。冷却器１７で冷却された冷気は送風機１８によって冷蔵室吐出ダクト２３及び冷凍室吐出ダクト３２を介して各室に強制通風され、冷凍室９に送り込まれて適温に維持される。一方、ダンパー装置１９により冷蔵室７に適量の冷気が送られ、またダンパー装置２０により低温室１２に冷気が送られ各々適温に維持される。
【００１０】
次に冷蔵室７内を冷却した空気は吸込みダクト２４を介して通風ダクト２５に導かれ、調湿手段２２の上面空間をバイパスして開口部２６から蓋体２１の上面前方に開放される。そして循環ダクト２８を介して野菜容器１５の外周を後方に向けて冷蔵室７の戻り空気が対流する。その後野菜容器１５の背面に沿って戻り空気が流れ、野菜室１３内の奥面上部に設けた冷気戻り口２９より帰還ダクト３１を介して冷却器１７に帰還する。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の構成では、特に近年の健康指向から野菜の収納量が高まってきている背景に対しては、野菜容器１５の上面開口を覆う蓋体２１に調湿手段２２を一体に設けているため野菜室１３内の収納量が減じている。
【００１２】
また各々の冷蔵庫の大きさに応じた透湿機能膜を付した調湿手段を一体に形成した蓋体が専用に必要になるという問題点があった。
【００１３】
本発明は、特に野菜室の使い勝手や収納性を高めかつ透湿機能膜を付した調湿手段を着脱式とすることで金型削減が図れることを目的としている。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、本体内に区画形成された冷蔵室と、前記冷蔵室の下方に仕切り壁によって区画され野菜，果物等を保存する野菜容器を備えた野菜室と、前記野菜室上部の区画壁内に設けた前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトとを備え、前記野菜室通風ダクトは前記野菜室上部の区画壁を構成する仕切り壁上板と仕切り壁底板とからなり、前記野菜室に連通した仕切り壁底板の開口部に一体に支持枠を設け、前記支持枠に野菜室側から着脱自在に調湿板を設けたので野菜室の使い勝手向上と収納性アップが図れる。
【００１５】
また、本発明は、本体内に設けた冷蔵室と、下部に設けた冷凍室と前記冷蔵室と冷凍室の間に設けた野菜室と、前記冷蔵室と野菜室の間を区画する仕切り壁と、前記仕切り壁内に形成され前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトと、前記野菜室通風ダクト内にあって、前記仕切り壁底板に着脱自在に固着して前記野菜室と連通する調湿手段を設けたものであり、使用頻度が高い野菜室を使い勝手のよい中央部で保存管理しながら野菜容器上面の蓋体が廃止でき野菜容器の収納能力を更に高め、野菜容器内は野菜，果物を種類に関わらず最適な保存条件で維持できる。
【００１６】
また、本発明は、調湿手段を野菜室内から着脱可能とした構成であり、清掃性が向上し交換が容易にできる。
【００１７】
また、本発明は着脱可能な調湿手段を外殻の一画に備えた構成であり、野菜の保存が容易にできる多様な密閉容器を提供することができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１記載の発明は、本体内に区画形成された冷蔵室と前記冷蔵室の下方に仕切り壁によって区画され、野菜，果物等を保存する為の野菜容器を備えた野菜室と、前記野菜上部の区画壁内に設けた前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトとを備え、前記野菜室通風ダクトは前記野菜室上部の区画壁を構成する仕切り壁上板と仕切り壁底板とからなり、前記野菜室に連通した仕切り壁底板の開口部に一体に支持枠を設け、前記支持枠に野菜室側から着脱自在に調湿板を設けたものであり、従来の野菜容器の蓋体が不用となり野菜室の使い勝手向上と収納性アップが図れる。また、調湿手段を標準化して他のサイズの仕切板へ取付けることができ金型が削減できる。また、清掃性が向上し交換が容易にできる。
【００２２】
【実施例】
以下、本発明による野菜収納容器及び冷蔵庫の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分について述べる。
【００２３】
（実施例１）
図１は、本発明の実施例１による冷蔵庫の縦断面図である。図２は、同実施例の冷蔵庫の要部断面図である。図３は、同実施例の調湿板の取付け分解図である。図４は、同実施例の調湿板の斜視図である。図１〜図４において、３４は冷蔵庫本体である。３５，３６はそれぞれ庫内を上下に区画する区画壁である。３７は野菜，果物類を保存する野菜室で、引き出しの扉３８と前記扉３８に取り付けて引き出される野菜容器３９を備えている。野菜室３７内の野菜容器３９の上面を覆う前記区画壁３５は、各々相対向し、仕切り壁上板４０，仕切り壁底板４１からなり前記仕切り壁上板４０は全周にフランジ４０ａと多数の係止穴４０ｂを有し、前記仕切り壁底板４１は前記フランジ４０ａ，係止穴４０ｂと嵌合されるフランジ４１ａと多数のツメ４１ｂを設けている。４１ｃは仕切り壁底板４１面に設けた調湿板４２を取り付ける支持枠で各々全周フランジ４１ｄ，受部４１ｅ，爪４１ｆ，延出リブ４１ｇを一体に設けている。４３は開口穴である。前記調湿板４２は、前端部４２ａ，フランジ４２ｂを設けた略長方体で内部に透湿機能膜４４を一体に形成している。４５は野菜室３７の前記仕切り壁底板４１から延びる仕切り壁リブ４１ｈに取り付けられた軟質材料で作られた仕切り壁ヒレで、野菜容器３９の前部上端部３９ａと接している。４６は野菜室背面壁であり野菜室３７の背面壁４６に設けられた背面壁リブ４６ａで、野菜容器の後部上端部３９ｂと係合している。４７は冷蔵室吸い込みダクトであり、４８は前記冷蔵室吸い込みダクト４７に連通して前記仕切り壁上板４０と仕切り壁底板４１から構成してなり内部に調湿板４２を設けた野菜室通風ダクトであり、前記野菜容器３９と連通する調湿手段４２と前記仕切り壁リブ４１ｈより前方に開口部４９が設けられている。５０は前記野菜室通風ダクト４８に連通して前記仕切り壁リブ４１ｈと背面壁リブ４６ａにより、前記野菜室容器３９の外周を循環するよう構成した野菜室循環ダクトである。５１は野菜室３７内の背面壁４６の上部に設けた冷気戻り口であり、野菜室循環ダクト５０を野菜容器３９の背面に沿って立ち上げるよう構成している。次に区画壁３５は、図３に示すように先ず調湿板４２の前端部４２ａを仕切り壁底板４１に設けた支持枠４１ｃの延出リブ４１ｇ，受部４１ｅに挿入し支持枠４１ｃ全周フランジ４１ｄ，爪４１ｆに相嵌合するように調湿板４２のフランジ４２ｂに係合し取り付けられる。その後仕切り壁上板４０を仕切り壁底板４１の各々フランジ４０ａ，４１ａ，係止穴４０ｂとツメ４１ｂが相嵌合し野菜室通風ダクト４８を有する区画壁３５が構成される。
【００２４】
以上の様に構成された冷蔵庫について、以下その動作を説明する。冷却した空気は冷蔵室吸い込みダクト４７を介して前記野菜室通風ダクト４８に導かれ、調湿手段の調湿板４２の上面空間をバイパスして前記開口部４９から前記野菜容器３９の前面部に開放される。そして循環ダクト５０を介して野菜容器３９の外周を後方に向けて戻り空気が対流する。その後野菜容器３９の背面に沿って戻り空気が流れ、野菜室３７内の背面壁４６の上部に設けた戻り口５１より帰還する。このように野菜容器３９の外周が間接冷却されて野菜室３７が適温に維持されるとともに野菜容器３９の密閉性が保たれる。このとき、野菜容器３９の天面部に設けた調湿手段４２により、収納された野菜，果物などの食品の蒸散水分で野菜室３７内が高湿状態となって野菜や果物類の鮮度が長期間維持される。また、野菜容器３９の上部に密閉性を保つための蓋を別途設ける必要がなくなり野菜容器３９の密閉性を維持しながら、野菜室３７の使い勝手向上と、野菜容器３９の収納量をあげることができる。更に調湿手段を有する調湿板４２が着脱自在に取り付ける事ができるので、調湿板４２を共用し他種類サイズの仕切り板４１へ共用化が図れ金型削減の効果が得られる。
【００２５】
（実施例２）
図１は、本発明の実施例２による冷蔵庫の縦断面図である。図１において３４は冷蔵庫本体である。３５，３６はそれぞれ庫内を上下に区画する区画壁である。５２は区画壁３５の上方で本体３４の上部に区画形成された冷蔵室であり回転式の扉５３を備えている。５４は前記区画壁３６の下方で本体３４の下部に区画形成された冷凍室であり引き出し式の扉５５，５６を備えている。３７は野菜，果物類を保存する野菜室で、引き出しの扉３８と扉３８に取り付けて引き出される野菜容器３９を備えており、区画壁３５，３６の間で上部冷蔵室５２と下部の冷凍室５４の間に挟まれて本体３４の中央部に配置されている。冷蔵室５２と野菜室３７の間の区画壁３５の仕切り壁上板４０と仕切り壁底板４１で形成された野菜室通風ダクト４８内に着脱自在に固着してなる調湿板４２を設けている。以上の様に構成された冷蔵庫についてその動作は実施例１にて説明した様であえて省略しますが、この様に野菜室３７が本体の中央部に配置されることにより近年使用頻度の高い野菜の収納性が高まり、腰を屈めなくてもよいなど使い勝手も向上する。又野菜容器３９の上部の蓋が不用となり野菜容器３９の収納能力を更に高め、更に野菜容器内は野菜，果物を種類に関わらず最適な保存条件で長期新鮮保存を維持できる。
【００２６】
（実施例３）
図５は、本発明の実施例３による調湿板の取付け分解図である。図６は同実施例の調湿板取付け要部断面図である。図５，図６において、４０仕切り壁上板、４１は仕切り壁底板で形成された野菜室通風ダクト４８である。前記仕切り壁底板４１は調湿手段を有する調湿板４２を着脱自在に取付ける支持枠４１ｃ，受部４１ｅ，爪４１ｆを一体に設けている。４３は開口穴である。前記仕切り壁上板４０と仕切り壁底板４１には各々互いに嵌合する多数の係止穴４０ｂと多数のツメ４１ｂを設け両上、底板を嵌着し前記通風ダクト４８が形成できる。前記調湿板４２は略長方体で全周に支持片４２ｂを設け、内部に透湿機能膜４４を一体に形成している。４２ｃは把手状のリブである。調湿板４２の取付け動作を説明する。調湿板４２を野菜室３７内側から仕切り壁底板４１に形成した支持枠４１ｃに嵌合挿入する事により底板４１の受部４１ｅ，爪４１ｆに調湿板４２の支持片４２ｂが挟着されるように固定される。又取り外す時は野菜室３７庫内側より、図６に示す様に爪４１ｆを指等で押し調湿板４２の把手状のリブ４２ｃをもって外す。この様に調湿板４２を野菜室庫内側より簡単に外せるので調湿板４２の目詰まり等ひどい汚れによる清掃が可能でサービス交換の対応も容易となる。
【００２７】
（実施例４）
図７は、本発明の実施例４による収納容器の分解図である。図８は同実施例の収納容器を配置した冷蔵庫の縦断面図である。図７において、５７は野菜収納容器で一部に調湿板４２を嵌着させる開口穴５８が備えている。図８は野菜室３７でないところでも野菜の保存ができる多様な密閉容器が容易につくれる。又調湿板４２は野菜収納容器５７の外殻の一画に着脱自在に取り付け野菜容器が提供できるもので野菜収納容器５７は市販で販売されているものでも密閉容器として利用できる。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１に記載の発明は、本体内に区画形成された冷蔵室と前記冷蔵室の下方に仕切り壁によって区画され、野菜，果物等を保存する為の野菜容器を備えた野菜室と、前記野菜室上部の区画壁内に設けた前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトとを備え、前記野菜室通風ダクトは前記野菜室上部の区画壁を構成する仕切り壁上板と仕切り壁底板とからなり、前記野菜室に連通した仕切り壁底板の開口部に一体に支持枠を設け、前記支持枠に野菜室側から着脱自在に調湿板を設けたので、野菜室の使い勝手向上と、収納性アップを図ることができる。また、調湿板が着脱自在に取付けることができるので調湿板の共用化が図れ、金型削減も図ることができる。また、清掃性が向上し交換が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１，２による冷蔵庫の縦断面図
【図２】同実施例の冷蔵庫の要部断面図
【図３】同実施例の調湿板の取付け分解図
【図４】同実施例の調湿板の斜視図
【図５】本発明の実施例３による調湿板の取付け分解図
【図６】同実施例の調湿板取付け要部断面図
【図７】本発明の実施例４による収納容器の分解図
【図８】同実施例の収納容器を配置した冷蔵庫の縦断面図
【図９】従来の冷蔵庫の縦断面図
【符号の説明】
３４ 冷蔵庫本体
３５ 区画壁
３７ 野菜室
３９ 野菜容器
４１ 仕切り壁底板
４２ 調湿板（調湿手段）
４７ 冷蔵室吸い込みダクト
４８ 野菜室通風ダクト
５２ 冷蔵室
５４ 冷凍室
５７ 野菜収納容器
【発明の属する技術分野】
本発明は野菜室通風ダクト内に着脱自在に調湿手段を配置した冷蔵庫に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、従来よりある冷凍室及び冷蔵庫に加えて、魚，肉類や野菜，果物類などの生鮮食品を新鮮に保存することを目的とした低温室や野菜室を備えた冷蔵庫が普及している。
【０００３】
また、一方で従来の冷凍室が上部にあるものに代わって使用頻度が高い冷蔵室を上部の目の高さに配置して使い勝手や収納性を高めた冷蔵庫が主流になっている。これらの代表例を例えば特開平１０−１８５４０７号公報にその一例が示されており以下図９を参照しながら説明する。
【０００４】
１は外箱、２は内箱、３及び前記両箱２，３間の空間に充填された断熱材４によって構成された。７は前記区画壁５の上方で本体１の上部に区画形成された冷蔵室であり、回転式の扉８を備えている。９は前記区画壁６の下方で本体１の下部に区画形成された冷凍室であり引出式扉１０，１１を備えている。１２は前記冷蔵室７ないの下部に設けられた主に魚，肉類などを保存する低温室、１３は野菜，果物類を保存する野菜室で、引出式扉１４と前記引出式扉１４に取付けて引き出される野菜容器１５と容器内に配置された主に小物野菜や果物などを収納する小物容器１６を装備しており、前記区画壁５，６の間で上部の冷蔵室７と下部の冷凍室９の間に挟まれて本体１の中央部に配置されている。
【０００５】
１７は冷凍サイクルの冷却器であり、１８は前記冷却器１７で冷却された冷気を庫内に強制通風させる為の送風機である。１９は、前記冷蔵室７に２０は前記低温室１２にそれぞれ必要な冷気量を送り込む為の温度制御手段（以下ダンパー装置１９，２０）である。
【０００６】
２１は野菜室１３内の野菜容器１５の上面開口を覆う蓋体であり容器内を高湿に維持する為の透湿機能膜などの調湿手段２２を一体に設けている。２３は冷蔵室吐出ダクトであり、一端を冷却器１７の近傍に開口し、他端を冷蔵室７に開口している。３４は冷蔵室７の吸込みダクト、２５は前記吸込みダクト２４に連通して前記蓋体２１の上方に設けた通風ダクトであり、前記調湿手段２２より前設けられている。２７は前記調湿手段２２と開口部２６との間の位置に通風ダクト２４の下面に下方に突出して形成した突部と蓋体２１の上面に突出して形成した突部との組み合わせで構成した堰である。２８は前記通風ダクト２４に連通して野菜容器１５の外周を循環するように構成した循環ダクト、２９は野菜室１３内の奥面上部に設けた冷気戻り口であり、循環ダクト２８を野菜容器１５の背面に沿って立ち上げるよう構成している。
【０００７】
３０は蓋体２１の奥面に蓋体上部の空間と前記冷気戻り口２９を連通させる為の連通部である。また３１は冷気戻り口２９を介して冷却器１７に空気を帰還させる為の帰還ダクトである。
【０００８】
３２は冷凍室吐出ダクトであり、一端は冷却器１７近傍に開口し、他端は冷凍室９に開口している。３３は、冷凍室吸込みダクトであり一端は冷凍室９に開口し、他端は冷却器１７の下部近傍に開口している。
【０００９】
以上のように構成された冷蔵庫についてその動作を説明する。冷却器１７で冷却された冷気は送風機１８によって冷蔵室吐出ダクト２３及び冷凍室吐出ダクト３２を介して各室に強制通風され、冷凍室９に送り込まれて適温に維持される。一方、ダンパー装置１９により冷蔵室７に適量の冷気が送られ、またダンパー装置２０により低温室１２に冷気が送られ各々適温に維持される。
【００１０】
次に冷蔵室７内を冷却した空気は吸込みダクト２４を介して通風ダクト２５に導かれ、調湿手段２２の上面空間をバイパスして開口部２６から蓋体２１の上面前方に開放される。そして循環ダクト２８を介して野菜容器１５の外周を後方に向けて冷蔵室７の戻り空気が対流する。その後野菜容器１５の背面に沿って戻り空気が流れ、野菜室１３内の奥面上部に設けた冷気戻り口２９より帰還ダクト３１を介して冷却器１７に帰還する。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の構成では、特に近年の健康指向から野菜の収納量が高まってきている背景に対しては、野菜容器１５の上面開口を覆う蓋体２１に調湿手段２２を一体に設けているため野菜室１３内の収納量が減じている。
【００１２】
また各々の冷蔵庫の大きさに応じた透湿機能膜を付した調湿手段を一体に形成した蓋体が専用に必要になるという問題点があった。
【００１３】
本発明は、特に野菜室の使い勝手や収納性を高めかつ透湿機能膜を付した調湿手段を着脱式とすることで金型削減が図れることを目的としている。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、本体内に区画形成された冷蔵室と、前記冷蔵室の下方に仕切り壁によって区画され野菜，果物等を保存する野菜容器を備えた野菜室と、前記野菜室上部の区画壁内に設けた前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトとを備え、前記野菜室通風ダクトは前記野菜室上部の区画壁を構成する仕切り壁上板と仕切り壁底板とからなり、前記野菜室に連通した仕切り壁底板の開口部に一体に支持枠を設け、前記支持枠に野菜室側から着脱自在に調湿板を設けたので野菜室の使い勝手向上と収納性アップが図れる。
【００１５】
また、本発明は、本体内に設けた冷蔵室と、下部に設けた冷凍室と前記冷蔵室と冷凍室の間に設けた野菜室と、前記冷蔵室と野菜室の間を区画する仕切り壁と、前記仕切り壁内に形成され前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトと、前記野菜室通風ダクト内にあって、前記仕切り壁底板に着脱自在に固着して前記野菜室と連通する調湿手段を設けたものであり、使用頻度が高い野菜室を使い勝手のよい中央部で保存管理しながら野菜容器上面の蓋体が廃止でき野菜容器の収納能力を更に高め、野菜容器内は野菜，果物を種類に関わらず最適な保存条件で維持できる。
【００１６】
また、本発明は、調湿手段を野菜室内から着脱可能とした構成であり、清掃性が向上し交換が容易にできる。
【００１７】
また、本発明は着脱可能な調湿手段を外殻の一画に備えた構成であり、野菜の保存が容易にできる多様な密閉容器を提供することができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１記載の発明は、本体内に区画形成された冷蔵室と前記冷蔵室の下方に仕切り壁によって区画され、野菜，果物等を保存する為の野菜容器を備えた野菜室と、前記野菜上部の区画壁内に設けた前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトとを備え、前記野菜室通風ダクトは前記野菜室上部の区画壁を構成する仕切り壁上板と仕切り壁底板とからなり、前記野菜室に連通した仕切り壁底板の開口部に一体に支持枠を設け、前記支持枠に野菜室側から着脱自在に調湿板を設けたものであり、従来の野菜容器の蓋体が不用となり野菜室の使い勝手向上と収納性アップが図れる。また、調湿手段を標準化して他のサイズの仕切板へ取付けることができ金型が削減できる。また、清掃性が向上し交換が容易にできる。
【００２２】
【実施例】
以下、本発明による野菜収納容器及び冷蔵庫の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分について述べる。
【００２３】
（実施例１）
図１は、本発明の実施例１による冷蔵庫の縦断面図である。図２は、同実施例の冷蔵庫の要部断面図である。図３は、同実施例の調湿板の取付け分解図である。図４は、同実施例の調湿板の斜視図である。図１〜図４において、３４は冷蔵庫本体である。３５，３６はそれぞれ庫内を上下に区画する区画壁である。３７は野菜，果物類を保存する野菜室で、引き出しの扉３８と前記扉３８に取り付けて引き出される野菜容器３９を備えている。野菜室３７内の野菜容器３９の上面を覆う前記区画壁３５は、各々相対向し、仕切り壁上板４０，仕切り壁底板４１からなり前記仕切り壁上板４０は全周にフランジ４０ａと多数の係止穴４０ｂを有し、前記仕切り壁底板４１は前記フランジ４０ａ，係止穴４０ｂと嵌合されるフランジ４１ａと多数のツメ４１ｂを設けている。４１ｃは仕切り壁底板４１面に設けた調湿板４２を取り付ける支持枠で各々全周フランジ４１ｄ，受部４１ｅ，爪４１ｆ，延出リブ４１ｇを一体に設けている。４３は開口穴である。前記調湿板４２は、前端部４２ａ，フランジ４２ｂを設けた略長方体で内部に透湿機能膜４４を一体に形成している。４５は野菜室３７の前記仕切り壁底板４１から延びる仕切り壁リブ４１ｈに取り付けられた軟質材料で作られた仕切り壁ヒレで、野菜容器３９の前部上端部３９ａと接している。４６は野菜室背面壁であり野菜室３７の背面壁４６に設けられた背面壁リブ４６ａで、野菜容器の後部上端部３９ｂと係合している。４７は冷蔵室吸い込みダクトであり、４８は前記冷蔵室吸い込みダクト４７に連通して前記仕切り壁上板４０と仕切り壁底板４１から構成してなり内部に調湿板４２を設けた野菜室通風ダクトであり、前記野菜容器３９と連通する調湿手段４２と前記仕切り壁リブ４１ｈより前方に開口部４９が設けられている。５０は前記野菜室通風ダクト４８に連通して前記仕切り壁リブ４１ｈと背面壁リブ４６ａにより、前記野菜室容器３９の外周を循環するよう構成した野菜室循環ダクトである。５１は野菜室３７内の背面壁４６の上部に設けた冷気戻り口であり、野菜室循環ダクト５０を野菜容器３９の背面に沿って立ち上げるよう構成している。次に区画壁３５は、図３に示すように先ず調湿板４２の前端部４２ａを仕切り壁底板４１に設けた支持枠４１ｃの延出リブ４１ｇ，受部４１ｅに挿入し支持枠４１ｃ全周フランジ４１ｄ，爪４１ｆに相嵌合するように調湿板４２のフランジ４２ｂに係合し取り付けられる。その後仕切り壁上板４０を仕切り壁底板４１の各々フランジ４０ａ，４１ａ，係止穴４０ｂとツメ４１ｂが相嵌合し野菜室通風ダクト４８を有する区画壁３５が構成される。
【００２４】
以上の様に構成された冷蔵庫について、以下その動作を説明する。冷却した空気は冷蔵室吸い込みダクト４７を介して前記野菜室通風ダクト４８に導かれ、調湿手段の調湿板４２の上面空間をバイパスして前記開口部４９から前記野菜容器３９の前面部に開放される。そして循環ダクト５０を介して野菜容器３９の外周を後方に向けて戻り空気が対流する。その後野菜容器３９の背面に沿って戻り空気が流れ、野菜室３７内の背面壁４６の上部に設けた戻り口５１より帰還する。このように野菜容器３９の外周が間接冷却されて野菜室３７が適温に維持されるとともに野菜容器３９の密閉性が保たれる。このとき、野菜容器３９の天面部に設けた調湿手段４２により、収納された野菜，果物などの食品の蒸散水分で野菜室３７内が高湿状態となって野菜や果物類の鮮度が長期間維持される。また、野菜容器３９の上部に密閉性を保つための蓋を別途設ける必要がなくなり野菜容器３９の密閉性を維持しながら、野菜室３７の使い勝手向上と、野菜容器３９の収納量をあげることができる。更に調湿手段を有する調湿板４２が着脱自在に取り付ける事ができるので、調湿板４２を共用し他種類サイズの仕切り板４１へ共用化が図れ金型削減の効果が得られる。
【００２５】
（実施例２）
図１は、本発明の実施例２による冷蔵庫の縦断面図である。図１において３４は冷蔵庫本体である。３５，３６はそれぞれ庫内を上下に区画する区画壁である。５２は区画壁３５の上方で本体３４の上部に区画形成された冷蔵室であり回転式の扉５３を備えている。５４は前記区画壁３６の下方で本体３４の下部に区画形成された冷凍室であり引き出し式の扉５５，５６を備えている。３７は野菜，果物類を保存する野菜室で、引き出しの扉３８と扉３８に取り付けて引き出される野菜容器３９を備えており、区画壁３５，３６の間で上部冷蔵室５２と下部の冷凍室５４の間に挟まれて本体３４の中央部に配置されている。冷蔵室５２と野菜室３７の間の区画壁３５の仕切り壁上板４０と仕切り壁底板４１で形成された野菜室通風ダクト４８内に着脱自在に固着してなる調湿板４２を設けている。以上の様に構成された冷蔵庫についてその動作は実施例１にて説明した様であえて省略しますが、この様に野菜室３７が本体の中央部に配置されることにより近年使用頻度の高い野菜の収納性が高まり、腰を屈めなくてもよいなど使い勝手も向上する。又野菜容器３９の上部の蓋が不用となり野菜容器３９の収納能力を更に高め、更に野菜容器内は野菜，果物を種類に関わらず最適な保存条件で長期新鮮保存を維持できる。
【００２６】
（実施例３）
図５は、本発明の実施例３による調湿板の取付け分解図である。図６は同実施例の調湿板取付け要部断面図である。図５，図６において、４０仕切り壁上板、４１は仕切り壁底板で形成された野菜室通風ダクト４８である。前記仕切り壁底板４１は調湿手段を有する調湿板４２を着脱自在に取付ける支持枠４１ｃ，受部４１ｅ，爪４１ｆを一体に設けている。４３は開口穴である。前記仕切り壁上板４０と仕切り壁底板４１には各々互いに嵌合する多数の係止穴４０ｂと多数のツメ４１ｂを設け両上、底板を嵌着し前記通風ダクト４８が形成できる。前記調湿板４２は略長方体で全周に支持片４２ｂを設け、内部に透湿機能膜４４を一体に形成している。４２ｃは把手状のリブである。調湿板４２の取付け動作を説明する。調湿板４２を野菜室３７内側から仕切り壁底板４１に形成した支持枠４１ｃに嵌合挿入する事により底板４１の受部４１ｅ，爪４１ｆに調湿板４２の支持片４２ｂが挟着されるように固定される。又取り外す時は野菜室３７庫内側より、図６に示す様に爪４１ｆを指等で押し調湿板４２の把手状のリブ４２ｃをもって外す。この様に調湿板４２を野菜室庫内側より簡単に外せるので調湿板４２の目詰まり等ひどい汚れによる清掃が可能でサービス交換の対応も容易となる。
【００２７】
（実施例４）
図７は、本発明の実施例４による収納容器の分解図である。図８は同実施例の収納容器を配置した冷蔵庫の縦断面図である。図７において、５７は野菜収納容器で一部に調湿板４２を嵌着させる開口穴５８が備えている。図８は野菜室３７でないところでも野菜の保存ができる多様な密閉容器が容易につくれる。又調湿板４２は野菜収納容器５７の外殻の一画に着脱自在に取り付け野菜容器が提供できるもので野菜収納容器５７は市販で販売されているものでも密閉容器として利用できる。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１に記載の発明は、本体内に区画形成された冷蔵室と前記冷蔵室の下方に仕切り壁によって区画され、野菜，果物等を保存する為の野菜容器を備えた野菜室と、前記野菜室上部の区画壁内に設けた前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトとを備え、前記野菜室通風ダクトは前記野菜室上部の区画壁を構成する仕切り壁上板と仕切り壁底板とからなり、前記野菜室に連通した仕切り壁底板の開口部に一体に支持枠を設け、前記支持枠に野菜室側から着脱自在に調湿板を設けたので、野菜室の使い勝手向上と、収納性アップを図ることができる。また、調湿板が着脱自在に取付けることができるので調湿板の共用化が図れ、金型削減も図ることができる。また、清掃性が向上し交換が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１，２による冷蔵庫の縦断面図
【図２】同実施例の冷蔵庫の要部断面図
【図３】同実施例の調湿板の取付け分解図
【図４】同実施例の調湿板の斜視図
【図５】本発明の実施例３による調湿板の取付け分解図
【図６】同実施例の調湿板取付け要部断面図
【図７】本発明の実施例４による収納容器の分解図
【図８】同実施例の収納容器を配置した冷蔵庫の縦断面図
【図９】従来の冷蔵庫の縦断面図
【符号の説明】
３４ 冷蔵庫本体
３５ 区画壁
３７ 野菜室
３９ 野菜容器
４１ 仕切り壁底板
４２ 調湿板（調湿手段）
４７ 冷蔵室吸い込みダクト
４８ 野菜室通風ダクト
５２ 冷蔵室
５４ 冷凍室
５７ 野菜収納容器
Claims (1)
- 本体内に区画形成された冷蔵室と、前記冷蔵室の下方に仕切り壁によって区画され野菜，果物等を保存する野菜容器を備えた野菜室と、前記野菜室上部の区画壁内に設けた前記冷蔵室の吸込みダクトに連通する野菜室通風ダクトとを備え、前記野菜室通風ダクトは前記野菜室上部の区画壁を構成する仕切り壁上板と仕切り壁底板とからなり、前記野菜室に連通した仕切り壁底板の開口部に一体に支持枠を設け、前記支持枠に野菜室側から着脱自在に調湿板を設けた冷蔵庫。
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