JP3585706B2 - 記憶装置 - Google Patents
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【発明が属する技術分野】
本発明は光ディスク装置やカートリッジ式テープ装置等の記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置等の記憶装置の従来例を図5、6に示す。この従来例において光ディスク装置は光ヘッド等の光学素子を搭載したディスク本体1の前面に操作パネル2を固定して形成される。操作パネル2には媒体の挿入口21が開設されており、該挿入口21の近傍に媒体の取り出しを行うための操作ボタン3と、ディスクのアクセス状態を表示するための発光部22が設けられる。
【0003】
以上の構成の下、挿入口21から挿入された光磁気ディスク等の記憶媒体へのアクセス状態は本体部内に配置された発光素子6の発光を導光する透明の発光部22の点滅により知ることができ、さらに、操作ボタン3を押し込む込むことにより、本体部内に配置されたイジェクトスイッチ10を動作させて記憶媒体の排出がなされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来例において、操作ボタン3は押し込み操作の後に原位置に復帰させる必要があり、そのために、図6(b)に示すように、操作ボタン3には弾性脚4が形成され、該弾性脚4を操作パネル2の内壁に熱溶着する必要があるために、組み立て作業性が悪いという欠点を有する。
【0005】
さらに、発光部22は操作ボタン3と別体で形成され、別途上述した操作ボタン3と同様に操作パネル2の内壁に熱溶着されるために、部品点数が多くなり、かつ、組み立て作業性も悪いという欠点を有する。
【0006】
本発明は以上の欠点を解消すべくなされたもので、組み立て作業性が良好な記憶装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記目的は、
装置本体1の前面に固定される操作パネル2に媒体排出操作用の操作ボタン3を進退自在に装着してなり、
前記操作パネル2には、操作ボタン3の進退動をガイドするガイド部20が形成され、
操作パネル2または操作ボタン3のいずれか一方には操作ボタン3の進退方向に弾性変形可能な弾性脚4が形成されるとともに、他方には前記弾性脚4の自由端近傍に開設された嵌合孔40に遊嵌する突起5が設けられ、
前記弾性脚4の弾性復元力により操作ボタン3を復帰位置へ移動させる記憶装置であって、
前記弾性脚4は突起5の突出方向に弾性変形可能であり、
突起5は操作ボタン3のガイド部20への押し込みにより弾性脚4を弾性変形させた後、嵌合孔40に遊嵌可能で、
かつ、前記弾性脚4は、操作パネル2の壁面に形成される記憶装置を提供することにより達成される。
【0008】
操作ボタン3は操作パネル2に形成されるガイド部20に沿って進退自在であり、操作ボタン3と操作パネル2のいずれか一方に形成された突起5が他方に形成された嵌合孔40に遊嵌する。嵌合孔40は操作ボタン3の進退方向に弾性変形可能な弾性脚4に形成されており、操作ボタン3の押し込み操作に伴って弾性変形し、弾性復元力により操作ボタン3に引込み位置から突出位置への復帰力を与える。
【0009】
以上の構成の下、例えば操作ボタン3側に形成された弾性脚4を操作パネル2に固定するように、一方を他方に固定することにより操作ボタン3の復帰力を発生させる従来例に対し、一方が他方に遊嵌状態で連結される本発明においては、熱溶着等の固定作業を要しないために、作業性が向上し、さらに、部品取り替え等が容易になる。
【0010】
ここで、弾性脚4を突起5の突出方向に弾性変形可能とした場合には、操作ボタン3をガイド部20内に押し込むだけで操作ボタン3の装着が可能となるために、より作業性を向上させることができる。
【0011】
上記弾性脚4は操作パネル2の壁面に浮島状に形成することが可能であり、このように構成することにより製造が簡単になる。ここで、浮島状とは、例えば図1に示すように、弾性脚4形成領域の周縁部に打ち抜き状の開口41を形成した状態をいう。
【0012】
さらに、操作ボタン3は透明材料により形成して導光体として利用することが可能であり、この場合、別途導光部材を設定する必要がなくなるために、部品点数が減少する上に、作業工数の低減も図れる。
【0013】
操作ボタン3を導光体として利用する場合には、操作ボタン3の押し込み側ストローク終端位置において干渉しない位置で、かつ、操作ボタン3に対峙する位置に発光素子6を配置しておけばよく、操作ボタン3の前面に光散乱面30を形成しておくことにより、操作ボタン3前面を全体に渡って光らせることができる。光散乱面30は、表面をシボ面としておくことにより簡単に形成可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
光ディスク装置として構成された本発明の実施の形態を図1ないし図4に示す。光ディスク装置は装置本体1の前面に操作パネル2を固定して形成され、装置本体1には、図5に示すものとほぼ同様のものが使用される。
【0015】
操作パネル2は例えば合成樹脂材を射出成型して形成され、正面壁23に記憶媒体の挿入口21が開設される。図示しないが、挿入口21にはシャッタ部材が回動自在に装着され、装置本体1内への塵等の侵入を防止する。また、正面壁23の上縁からは装置本体1側に天井壁24が形成されるとともに、側壁部には係止部25が形成され、係止部25を弾発的に係止して装置本体1に装着される。
【0016】
26は正面壁23に開設されるボタン挿入口であり、その側縁から後方に向けて筒状のガイド部20が形成される。ガイド部20の天井壁を兼ねる操作パネル2の天井壁24には弾性脚4が形成される。弾性脚4はその周囲に打抜き状の肉抜き開口41を開設することにより形成され、ガイド部20の奥行き方向に直交する方向に長い片持梁状に形成される。この弾性脚4の自由端はガイド部20の幅方向中心位置にほぼ合致するように配置されており、該自由端部に嵌合孔40が開設される。
【0017】
3は操作ボタンであり、透明アクリル樹脂等の透明な合成樹脂材により形成され、前面をシボ面とすることにより光散乱面30が形成される。この操作ボタン3は、ガイド部20に挿通可能な断面形状を有しており、その天井面に上記弾性脚4の嵌合孔40に遊嵌可能な突起5が形成される。
【0018】
一方、装置本体1内に収容される制御基板には図3に示すように、ディスクへのアクセス状態を点滅により表示する発光素子6と、本体内に挿入された媒体を吐き出すために駆動されるイジェクトモータ(図示せず)をオンするイジェクトスイッチ10が固定される。これらは操作ボタン3に対峙した位置で、かつ、操作ボタン3を後述する押し込み側ストローク終端まで押し込んでも該操作ボタン3と干渉が生じない位置に配置される。また、後述するように、操作パネル2は発光素子6での発光を導光するための導光体としても機能するもので、発光素子6からの受光量を可及的に多くし、かつ、均等に受光できるように、発光素子6と操作ボタン3は発光素子6の放射光の光軸がほぼ中心線に位置するように配置される。さらに、発光素子6を操作ボタン3の中心位置に配置することによりイジェクトスイッチ10を押圧操作する面積が少なくなるために、操作ボタン3の端部にはスイッチ操作片31が幅方向外方に延長されて設けられる。
【0019】
以上のように形成される操作ボタン3を操作パネル2に装着するには、図1(a)にて矢印Aで示すように、操作ボタン3を操作パネル2の裏面側からボタン挿入口26に押し入れればよい。操作ボタン3の挿入により、まず、突起5は操作パネル2側の弾性脚4に干渉する。この後さらに操作ボタン3を押し込むと、弾性脚4は操作ボタン3の押し込み力により上方への分力を受けて上方に弾性的に撓んで突起5をかわした後、突起5と弾性脚4の嵌合孔40が合致する位置において原位置に復帰移動し、突起5が嵌合孔40に係止する。この場合、突起5と弾性脚4との衝接部にラウンド面を形成し、弾性脚4により大きな上方への分力が与えられるように構成することは、弾性脚4の上方への撓みを容易にし作業性を向上するために有効な変形である。
【0020】
次にディスク装置の動作について説明する。挿入口21から挿入された記憶媒体へのアクセス等が発生し、発光素子6が発光すると発光素子6からの放射光は透明な操作ボタン3の端部を照射し、操作ボタン3の内部に導かれる。操作ボタン3の前面には光散乱面30が形成されているために、操作ボタン3内に導光された放射光は操作ボタン3前面を全面に渡って明るくし、利用者にアクセス状態を知らせることができる。
【0021】
一方、記憶媒体を取り出すために操作ボタン3を押し込むと、押し込み操作力が突起5を介して弾性脚4に伝達される。操作ボタン3の押し込み方向に対して直交方向に長い片持梁状の弾性脚4は容易に弾性変形しながら操作ボタン3の動作に追随し、操作ボタン3の操作感に悪影響を与えない。弾性脚4の過度の撓みによる弾性脚4へのダメージを防止するために、操作ボタン3の押し込み側ストロークは規制されている。この実施の形態において、弾性脚4を形成するために操作パネル2の天井壁24に開設される開口41の端面がストローク規制用のストッパとして利用される。このように構成することにより、別途ストローク規制用のストッパを設定するわずらわしさを避けることができる上に、弾性脚4の動作を弾性脚4を形成している基部により規制するために寸法誤差の集積がなく、寸法精度を高めることができる。
【0022】
操作ボタン3の押し込み操作によって弾性脚4は弾性的に撓んでいるために、操作ボタン3を離すと弾性脚4の弾性復元力により操作ボタン3は原位置に復帰する。操作ボタン3の飛び出し側ストローク終端は操作ボタン3に突設されるストッパボス32がガイド部20の終端面20aに当接することにより規制される。ストッパボス32がガイド部20の終端面に当接した状態で、弾性脚4がわずかに弾性変形している状態に設定すると、操作ボタン3が無負荷状態になることがないために、操作ボタン3のがたつきが防止できる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、操作ボタンを熱溶着等を使用することなく装着することができるために、装着作業性を向上させることができる。
【0024】
弾性脚を突起の突出方向に弾性変形可能にした場合には、ガイド部への挿入だけで操作ボタンを装着できるので、より装着作業性が向上する。
弾性脚を操作パネルの壁面に浮島状に形成すると、操作パネルの成型時に弾性脚を金型で形成することができるために、製造コストを低減することができる。
【0025】
操作ボタンを透明材料により形成すると、別途導光部品を要しないために、部品点数を減少させることができる。
操作ボタンの前面には光散乱面を形成することにより、発光素子の発光により全体を均等に明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す要部分解斜視図で、(a)は操作パネルの近傍を示す図,(b)は(a)の拡大図である。
【図2】組み立て状態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図3】操作ボタンの動作を示す図で、(a)は操作ボタンを操作しない状態を示す図、(b)は操作ボタンを押し込んだ状態を示す図である。
【図4】図3の断面図で、(a)は図3(a)の4A−4A線断面図、(b)は図3(a)の4B−4B線断面図である。
【図5】従来例を示す図で、(a)は全体斜視図、(b)は正面図である。
【図6】図5の断面図で、(a)は図5(b)の6A−6A線断面図、(b)は図5(b)の6B−6B線断面図である。
【符号の説明】
1 記憶本体
2 操作パネル
20 ガイド部
3 操作ボタン
30 光散乱面
4 弾性脚
40 嵌合孔
5 突起
6 発光素子
Claims (4)
- 装置本体の前面に固定される操作パネルに媒体排出操作用の操作ボタンを進退自在に装着してなり、
前記操作パネルには、操作ボタンの進退動をガイドするガイド部が形成され、
操作パネルまたは操作ボタンのいずれか一方には操作ボタンの進退方向に弾性変形可能な弾性脚が形成されるとともに、他方には前記弾性脚の自由端近傍に開設された嵌合孔に遊嵌する突起が設けられ、
前記弾性脚の弾性復元力により操作ボタンを復帰位置へ移動させる記憶装置であって、
前記弾性脚は突起の突出方向に弾性変形可能であり、
突起は操作ボタンのガイド部への押し込みにより弾性脚を弾性変形させた後、嵌合孔に遊嵌可能で、
かつ、前記弾性脚は、操作パネルの壁面に形成される記憶装置。 - 前記弾性脚は浮島状に形成される請求項1記載の記憶装置。
- 前記操作ボタンは透明材料で形成され、媒体アクセス状態を表示する発光素子からの発光を導光する請求項1または2記載の記憶装置。
- 前記操作ボタンの前面には光散乱面が形成される請求項3記載の記憶装置。
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JP22935797A JP3585706B2 (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 記憶装置 |
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1997
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