JP3585483B1 - ブロックとその金型とそのブロックを用いた施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本体部2と、この本体部2の一の端部に突設された第1乃至第3の突起3a〜3cと、本体部2の一の端部よりも大径に形成された他の端部において突設され第1乃至第3の突起よりも高い第4乃至第6の突起4a〜4cとを有するブロックで、第1乃至第3の突起及び第4乃至第6の突起は各々一の端部及び他の端部において周方向に等配され、第1の突起3aと第4の突起4a、第2の突起3bと第5の突起4b、第3の突起3cと第6の突起4cは、各々本体部2の周方向同位置に設けられ、第1の突起と第4の突起は各々第2の突起及び第3の突起と、第5の突起及び第6の突起と本体部の軸方向にずらして突設され、第4乃至第6の突起の径方向に少なくとも1の孔を穿設するものである。
【選択図】 図1
Description
また、海あるいは河川等の流水の浸水作用から地盤を守る護岸においても、流水が接触する斜面をコンクリートで固めたり、テトラポッド等の石材を積み上げることで斜面が崩れるのを防いでいる。
例えば、特許文献1には、「螺旋式円筒ブロック」という名称で、護岸に使用するブロックに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された螺旋式円筒ブロックは、円筒状のブロックの外周及び内周に螺旋式の凹凸が形成された構造の軽量ブロックである。そのため、螺旋式円筒ブロックの外周の螺旋式の凹凸を土面に喰い込ませ固定して土台を造り、この上に外周の螺旋式の凹凸を嵌合させながら補助材を用いることなく平行に積み上げていくことで壁状の護岸を容易に形成し浸食作用を抑制することができる。また、外周面の螺旋式の凹凸を前後にずらして嵌合させて積み上げることで階段状の護岸を形成し流水による侵食を妨げることも可能である。さらに、外周面及び内周面の螺旋式の凹凸によって形成される空洞を通して河川の水と護岸部の土が直接接触することができるため、土中の微生物によって河川の水の浄化作用が促進されるとともに、この空洞に水草、苔、魚や昆虫等が生息しやすい環境を造り出すことも可能である。
図11(a)に示すように、特許文献2に開示された法面及び護岸擁壁用構造物は、基礎柱状部29とこれに対して垂直方向に突起した基礎突起部30,31,32,33からなるコンクリートブロック製の構造物である。また、図11(b)に示すように、基礎突起部31は基礎突起部32,33の厚み相当分程上がった位置から突起し、基礎突起部30は基礎突起部31,32,33が設けられた端部とは逆の端部において基礎柱状部29から二方向に突起している。そのため、隣接する法面及び護岸擁壁用構造物の基礎突起部30同士及び基礎突起部31,32,33同士が絡み合うように積み重ね、この積み重ねによって形成される空隙に土壌や自然石等を充填することによって法面あるいは護岸を形成して法面、河岸及び海岸の崩壊・侵食を防止することができるとともに、雨水排水機能を保持することができる。さらに、空隙に充填する土壌に植物の種等を混ぜ込むことで法面あるいは護岸における緑化を進行させ美観を向上させることも可能である。
上記構成のブロックにおいては、本体部の両端に大きさの異なる段違いの突起を設けることによって複数のブロックの積み上げ作業及び運搬作業の作業効率を向上させるという作用を有する。また、本体部の径の大きさを一の端部と他の端部において異にすることでブロックの重量を軽量化するという作用を有する。また、1のブロックの孔とこれに隣接する同形状のブロックの孔を連結具で固定することができるという作用を有する。
上記構成のブロックにおいては、請求項1に記載の発明の作用と同様の作用を有するとともに、請求項1に記載の発明とは異なり突起が各端部で周方向に1本少ないため、突起を突出させることなく盛土あるいは切土の角部や端部にまでブロックを充填させることを可能とし盛土あるいは切土内のブロック密度を高くするという作用を有する。また、1のブロックの孔とこれに隣接する同形状のブロックの孔あるいは請求項1に記載の異形状のブロックの孔を連結具で固定することができるという作用を有する。
上記構成のブロックの金型においては、周方向に3分割した金型部材を併せることで、コンクリートを流し込むための金型を構成するという作用を有する。
上記構成のブロックの金型においては、凹部に孔形成具など孔を形成するための部材を挿入可能として第4乃至第6の突起の径方向に少なくとも1の孔を穿設可能とするという作用を有する。
上記構成のブロックを用いた施工方法においては、ブロックの本体部の軸方向にブロックを縦列に組み上げる際に、前後のブロック同士のかみ合わせを強固にし形成される法面の強度を増加させるという作用を有するとともに、ブロックの積み重ねによって無数の隙間を生じさせるという作用を有する。
上記構成のブロックを用いた施工方法においては、ブロックの本体部の径方向にブロックを扇状あるいは円状に絡み合わせた防壁を形成する際に、左右のブロック同士のかみ合わせを強固にすることができるという作用を有する。
地面と平行に法肩の延長線上に形成される水平端面上にブロックの突起を突出させることなくブロックを組み上げることができるという作用を有するとともに、水平端面における強度を向上させるという作用を有する。
法肩のような法面の角部や法面端面にブロックの突起を突出させることなくブロックを組み上げることができるという作用を有するとともに、第1のブロックが第2のブロックを支持してその位置ずれや崩落を防止するという作用を有する。
図1において、ブロック1は柱部2a〜2cからなる柱部2と、この柱部2に対して垂直に立設する突起3a,3b,3c,4a,4b,4cから構成されている。ブロック1の軸となる柱部2は、小径の柱部2aと大径の柱部2cをテーパー状の柱部2bを介して連結することで形成されるため、小さい径を徐々に大きな径にして一本の柱部を形成した場合の柱部の体積よりも柱部全体の体積が小さくなりブロック全体の重量を軽くすることができる。また、突起3a〜3cは柱部2aの周方向に120°の間隔をあけて柱部2aの端部に突設され、突起3a〜3cより径の大きな突起4a〜4cも突起3a〜3cと同方向に柱部2cの端部からそれぞれ突設されており、さらに、突起3aは突起3b及び突起3cと、突起4aは突起4b及び突起4cとそれぞれ柱部2a,2cの軸方向にずらして、すなわち、段違いに設けられている。柱部2の周方向に対して同角度同位置で長さや径の大きさの異なる突起3a〜3c及び突起4a〜4cを柱部2の相反する端部に設けることで、突起3a〜3c同士、突起3a〜3cと突起4a〜4cあるいは突起4a〜4c同士を複雑に絡み合わせることができ、ブロック1を強固に積み上げることが可能である。
図1に示すように、径の大きな突起4a〜4cには孔5a〜5cが設けられている。孔5a〜5cを突起4a〜4cに設けることで、突起4a〜4c同士を隣接させてブロック1を積み上げていく際に孔5a〜5cを符合させてこれにワイヤーやボルト等の連結具を挿入し、ブロック1同士を連結させることが可能となる。
図2は(a)は本発明の実施例2に係る金型の概念図であり、図2(b)は図2(a)中符号Aで示される方向への矢視図である。
また、図2(b)に示すように、金型6の金型突起部9aと金型突起部9b及び金型突起部10aと金型突起部10bは120°の角を成すように金型柱部7a及び金型柱部7cから突設されている。符合18は補強棒である。
なお、図2(a)及び(b)に示される金型6は、図1に示されるブロック1を造型するために用いられる3分割された金型のうちの1つである。図1に示されるブロック1に対応させて図2の金型6を描いているので容易に理解できるが、金型突起部9a,9bはブロック1の突起3a,3bの半周面を、金型突起部10a,10bは突起4a,4bの半周面を、金型柱部7a〜7cは柱部2a〜2cの3分の1周面を造型するものである。したがって、図2(b)に示すとおり120°の角を成すように形成されている。3分割された他の2つの金型は、同様に120°の角を成しており、突起3b,3c及び突起4b,4cの半周面と柱部2の3分の1周面、突起3c,3a及び突起4c,4aの半周面と柱部2の3分の1周面をそれぞれ造型するものである。これら3つの金型を併せて固定することで図1のブロック1が造型されるが、その製造方法については後述する。
金型突起部10a,10bの周縁に設けられた孔12a〜12dは金型から完成したブロック1を取り外すときに使用するものであり、12a〜12dにボルト13a〜13dを挿入して使用する。
なお、図2においては金型6の金型突起部10a,10bに凹部14a,14bとそれに付随する孔形成具16a,16bを設けたが、ブロック1の突起4a〜4cに孔5a〜5cを設けない場合にはこれらの部材は不要である。
図3(a)に示すように、骨組み19は図1に示すブロック1を製造するのに使用するものであり、図1のブロック1の柱部2の骨組みとなる骨組み柱部20と、突起3a〜3cの骨組みを造型する骨組み突起部21a〜21cと、突起4a〜4cの骨組みを造型する骨組み突起部22a〜22cとから構成されている。このような構造の骨組み19の骨組み突起部21a〜21c及び骨組み突起部22a〜22cは図3(b)に示すように骨組み柱部20の周方向に等配される位置に突設され、骨組み突起部21a及び骨組み突起部22aはそれぞれ骨組み突起部21b,21c及び骨組み突起部22b,22cと位置をずらして段違いに設けられている。
はじめに図2に示した金型6と他の3分割された金型のうち1枚を組み合わせてボルトとナットなどで固定する。次に、骨組み19を組み合わせた2枚の金型内に収容する。その後、最後の3分割された金型を嵌め合わせて固定する。3枚の金型はそれぞれ異なる形状を備えているので、骨組み19は骨組み突起部21a,21b,22a,22bの半分が金型6の金型突起部9a,9b,10a,10b内に収容されなければならない。
最後に、コンクリートが固まったらブロック1から金型を取り外す。まず、金型6の周縁に設けられた複数の孔11に挿入されていたボルトを取り外し、孔12a〜12dからボルト13a〜13dを挿入する。図示していないが、この孔12a〜12dからボルト13a〜13dを挿入してもこの金型6に固定される相手方の金型の周縁部分には孔が設けられていない。したがって、相手方の金型を押して離すことができ3枚の金型の固定を解くことができる。
このようにして容易に3枚の金型をブロック1から取り外し、ブロック1を完成させることができる。
さらに、骨組み19をブロック1内に内蔵させることで、より強度の高いブロック1を形成することができる。
図4に示す本発明の実施例3に係るブロック23は、図1に示すブロック1の柱部2a,2cに設けられる3本の突起3a〜3c及び突起4a〜4cを2本にしたものであり、柱部24a〜24cからなる柱部24と、柱部24a及び柱部24cの先端部から柱部24a及び柱部24cに対して垂直に立設する突起25a,25b及び突起26a,26bとで構成されている。そして、図1に示すブロック1と同様に、柱部24が小径の柱部24aと大径の柱部24cを柱部24bを介して連結して形成され柱部24cに設けられた突起26a,26bは柱部24aに設けられる突起25a,25bよりも大径に形成されているとともに、突起25a,26aはそれぞれ同角度同位置において突起25b,26bと柱部24の周方向に120°の間隔をあけて突設され、さらに、突起25a及び突起26aは突起25b及び突起26bとそれぞれ柱部24a,24cの軸方向にずらして段違いに設けられている。このため、本発明の実施例1に係るブロック1の効果と同様にブロックを軽量化するという効果を有するとともに、同形状のブロック23同士及びブロック23と異形状のブロック1とを複雑に絡み合わせてブロック1,23を強固に積み上げることが可能である。
ブロック23の造型は、ブロック1の造型方法と同様に3つの特殊な形状の金型からなる金型の内部に骨組みを収容しこれにコンクリートを流し込むことによって行われる。特殊な形状の金型は図2(a)に示す金型と、図2(a)に示す金型において金型突起部9a,10aが設けられていない金型と、図2(a)に示す金型において金型突起部9b,10bが設けられていない金型との3つであり、これらの金型の突起は図2(b)に示すように略120°の角を成すように金型柱部から突設されている。また、骨組みは図3の骨組み19において骨組み突起部21b,22bが設けられていない構造であり、ブロック23内にこのような骨組みを内蔵させることによりさらに強度の高いブロック23を作ることができる。
図5(a)は本発明の実施例4その1に係る施工方法を模式的に表現した正面図であり、図5(b)は図5(a)の側面図である。また、図5(c)は本発明の実施例4その2に係るブロックの施工方法を模式的に表現した正面図であり、図5(d)は図5(c)の側面図である。図5において、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1のブロック1を用いた施工方法においては、ブロック1を同方向にして積み上げていく。このとき、突起3a〜3c同士及び突起4a〜4c同士がそれぞれ隣接するようにし、突起3a,4aが突起3b,3c,4b,4cと段違いになっていることを利用して突起3a〜3c及び突起4a〜4cを絡み合わせながらブロック1を井桁状に組み上げて壁状に組み上げていく。これにより、法面及び護岸の強固な骨組みが完成する。
また、ブロックを積み上げていく際には隣接する突起と突起の間、柱部2と柱部2との間あるいは突起と柱部2との間に空隙が形成されるため、この空隙に土壌や石材を充填して法面や護岸を形成することができる。土壌に植物の種を混ぜておくと、ブロック1の隙間から植物が生え護岸及び法面の緑化を促進することもできる。
図5(b)においては、他の2つの突起4b,4cと段違いに設けられた突起4aを上部にして示しているが、下部側にして配置してもよいことは言うまでもない。例えば、図5(a)のようにすべての突起4b,4cを下側に配置して隣のブロック1と連結した場合には、そのブロック1と隣のブロック1は柱部2の方向に突起4b,4cの厚み分ずれを生じてしまう。しかしながら、1のブロック1は突起4b,4cを下側にして配置し、その隣のブロック1は、突起4c,4aを下側にして配置して突起4bと突起4aを連結する場合には、段違いに設けてある突起4aを利用して横に並ぶブロック1によって形成される法面を平面に近いものとすることも可能である。
なお、実施例4その1及びその2の施工方法においては、ブロック1を同方向にして積み上げていったが、第一段目と第二段目のブロック1の向きを逆にして第一段目の突起3a〜3cと第二段目の突起4a〜4cが、第一段目の突起4a〜4cと第二段目の突起3a〜3cが絡み合うように組み上げても良い。このようにすると土壌等を充填する隙間を小さくすることができ、法面等の強度をさらに増加させることができる。
図6において、図1及び図5に記載されたものと同一の部分については同一の符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施例5の施工方法は、ブロック1を縦列に組み合せる方法である。図6に示すように、ブロック1の突起3a,4aは突起3b,3c,4b,4cと段違いに設けられているので、前方のブロック1の突起3cに後方のブロック1の突起4bを引っ掛けることができる。
したがって、法面が何らかの原因によって崩れた場合などには前方のブロック1が法面側へ崩落するような危険性が生じるが、突起3cが後方のブロック1の突起4bに引っ掛かっているため、法面の奥側で土壌などによってより堅固に固定されている後方のブロック1が前方のブロック1の崩落を防止するという効果を発揮することができる。また、後方のブロック1の突起4aと前方のブロック1の突起3aは図6に示すように組んだときに同位置で重なった状態となっているので、前方のブロック1に回転力が生じた場合も後方のブロック1によって回転を防止することができる。
これらにより、ブロック1はブロック1の軸方向の組み方においても強固に絡み合わせることができ、法面と垂直な方向の強度の大きい法面及び護岸を形成することができる。
図7において、図1乃至図6に記載されたものと同一の部分については同一の符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例6の施工方法においては、実施例4及び実施例5と同様にブロック1を同方向にして積み上げていくが、図7に示すように隣接するブロック1の短い方の突起3a〜3cを絡ませてブロック1が弧を描くように組んで、まず第一段目の層を形成する。そして、このようにしてできた層を、突起等によって形成される空隙に土壌等を充填しながら二段、三段と積み上げていく。このような施工方法を用いることによって、扇形、円形、球形の法面等を形成することができる。
なお、本実施例では、短い方の突起3a〜3cを絡ませてブロック1が弧を描くように組んでいるが、もちろん、長い方の突起4a〜4cを絡ませるようにして組んでもよい。形成させるべき法面の形状に即して適宜選択するとよい。
図1に示すように、ブロック1は突起3a〜3c及び突起4a〜4cが柱部2の周方向に均等に配置されているので、図8に示すように余分な隙間を有することなく、重ね並べることができるとともに、突起が適度に絡み合わされる。このため、ブロック1はコンパクトにまとめて運搬することが可能である。
図9は法面27上方に形成される水平面28に図4に示すブロック23を施工する場合の状態を示す図であり、水平面28部分にブロック23を施工する場合にはブロック23の柱部24が水平面28を形成するように組み上げる。すなわち、突起25a,25b,26a,26bが下向きに突出するような状態になるようにブロック23をブロック1の上に組み上げる。このように施工することによって水平面28に突起が突出しない状態となるため、突起で怪我をする危険性がないとともに、美観も損ねることがない。また、ブロック1,23の突起4a〜4c,26a,26bの径方向に孔を設けて突起4a〜4c,26a,26bをワイヤー等の連結具で連結することでブロックの結合強度をより向上させることもできる。
なお、図9では紙面手前の法面がより平らな平面に形成されるように突起4b,4cと段違いに突設される突起4aが図面左側に配置されるようにしてブロック1を組み上げているが、図5に示すように突起4aがブロック23の突起26aとブロック23の突起26bとの連結部分の真下にくるように組み上げる構造としてもよい。しかしながら、このように組み上げた場合には隣接するブロック1,1同士の突起4b,4cが干渉してしまうため、隣接するブロック1,1をワイヤー等で連結させる場合には隣接するブロック1,1が前後して配置されてしまう。したがって、その凹凸を覆うようにして法面を平坦に形成する必要がある。
図10において、図1乃至図9に記載されたものと同一の部分については同一の符号を付し、その構成についての説明は省略する。
したがって、角部のようにブロック1,1が交差する部分ではブロック1の突起4a〜4cが法面上に突出しないようにブロック1,1の突起4a〜4c同士の先端が当接するように施工しようとすると、角部に突起4a〜4cの長さを一辺とする立方体の体積相当の空隙が生じてしまい、角部の法面強度が低下してしまう。
これに対して、本発明の実施例9に係るブロックを用いた施工方法においては、図10(a)及び(b)に示すように角部において直交あるいは斜交しているブロック1,1の間にブロック23を挿入して施工することで角部における法面強度を向上させることができる。
図10(a)及び(b)に示すように、ブロック23は1つの法面を形成しているブロック1の柱部2に柱部24が直交して当接するようにブロック1の上に組み上げる。そして、図10(b)に示すように、ブロック23の突起26aが隣接するブロック1の突起4bと重なるように組み上げる。このとき、図10(a)及び(b)に示すように、ブロック1の突起4aとブロック23の突起26bはブロック1の施工上平行であることが好ましい。このようにブロック1,1間にブロック23を挿入して組み上げることによって角部におけるブロック充填率が高くなるため角部の強度を向上させることができる。また、図1に示すようにブロック1の突起4a〜4cに孔5a〜5cを設け、かつ、ブロック23においても同様に径の大きな突起26a,26bに孔を設け、これらをワイヤーやボルト等の連結具で連結することによって図10(b)に示す隣接するブロック1とブロック23の連結を強固にしてさらに法面の強度を向上させることができる。
しかしながら、盛土あるいは切土は降雨等で崩れる場合があり、崩落時には法面内側から法面側に向って土砂の荷重が加えられる。そのため、法面側でブロック1の突起4aと当接する構造とすると土砂の荷重によってブロック23が押し出されて落下してしまい危険である。
これに対して、法面内側でブロック1の突起4aと当接する構造とした場合には土砂の荷重がブロック23に加えられてブロック23が法面側に押し出されてもブロック23の柱部24がブロック1の突起4aに引っ掛かって食い止められるため、ブロック23が土砂等によって崩落するのを防止することができる。したがって、法面の強度を考慮すると図10(a)及び(b)に示すように法面内側でブロック1の突起4aと当接するほうが好ましい。
ただし、この際にはブロック23の突起26aあるいは突起26bが法面内側でブロック1の突起4a,4bあるいは4cと当接していることと、ブロック23の突起26a,26bが法面内側に向って突出しているという条件を満たすように施工しなければならない。これは、このような条件を満たすように施工することによって前述したような強度の高い法面を形成することができるからである。
Claims (8)
- 柱状の本体部と、この本体部の一の端部において垂直方向に突設された第1の突起、第2の突起及び第3の突起と、前記本体部の一の端部よりも大径に形成された他の端部において垂直方向に突設され前記第1乃至第3の突起よりも高さの高い第4の突起、第5の突起及び第6の突起とを有するブロックであって、前記第1乃至第3の突起及び前記第4乃至第6の突起はそれぞれ前記一の端部及び前記他の端部において周方向に等配され、前記第1の突起と前記第4の突起、前記第2の突起と前記第5の突起、前記第3の突起と前記第6の突起は、それぞれ前記本体部の周方向同位置に設けられ、前記第1の突起は前記第2の突起と前記第3の突起と、前記第4の突起は前記第5の突起と前記第6の突起とそれぞれ本体部の軸方向にずらして突設され、前記第4乃至第6の突起の径方向に少なくとも1の孔を穿設したことを特徴とするブロック。
- 柱状の本体部と、この本体部の一の端部において垂直方向に突設された第1の突起及び第2の突起と、前記本体部の一の端部よりも大径に形成された他の端部において垂直方向に突設され前記第1及び第2の突起よりも高さの高い第3の突起及び第4の突起とを有するブロックであって、前記第1及び第2の突起と前記第3及び第4の突起はそれぞれ前記一の端部及び前記他の端部において周方向に略120度の角をなして配設され、前記第1の突起と前記第3の突起、前記第2の突起と前記第4の突起は、それぞれ前記本体部の周方向同位置に設けられ、前記第1の突起は前記第2の突起と、前記第3の突起は前記第4の突起とそれぞれ本体部の軸方向にずらして突設され、前記第3及び第4の突起の径方向に少なくとも1の孔を穿設したことを特徴とするブロック。
- 柱状の本体部と、この本体部の一の端部において垂直方向に突設された第1の突起、第2の突起及び第3の突起と、前記本体部の一の端部よりも大径に形成された他の端部において垂直方向に突設され前記第1乃至第3の突起よりも高さの高い第4の突起、第5の突起及び第6の突起とを有し、前記第1乃至第3の突起及び前記第4乃至第6の突起がそれぞれ前記一の端部及び前記他の端部において周方向に等配され、前記第1の突起と前記第4の突起、前記第2の突起と前記第5の突起、前記第3の突起と前記第6の突起がそれぞれ前記本体部の周方向同位置に設けられるブロックを製造するために用いる金型であって、周方向に3等分割された第1の金型部材、第2の金型部材及び第3の金型部材を有し、前記第1の金型部材は前記第1の突起と前記第2の突起及び前記第4の突起と前記第5の突起の半周面と前記本体部の3分の1周面を形成するように造型され、前記第2の金型部材は前記第2の突起と前記第3の突起及び前記第5の突起と前記第6の突起の半周面と前記本体部の3分の1周面を形成するように造型され、前記第3の金型部材は前記第3の突起と前記第1の突起及び前記第6の突起と前記第4の突起の半周面と前記本体部の3分の1周面を形成するように造型されることを特徴とするブロックの金型。
- 前記第1の金型部材と前記第2の金型部材、前記第2の金型部材と前記第3の金型部材、前記第3の金型部材と前記第1の金型部材がそれぞれ当接する端面の少なくとも1の部分に凹部を備えて前記第4乃至第6の突起の径方向に少なくとも1の孔を穿設することを特徴とする請求項3に記載のブロックの金型。
- 請求項1に記載のブロックを複数用いる法面形成の施工方法において、裏法側に前記第1乃至第3の突起を、法面側に前記第4乃至第6の突起を配置するように複数の前記ブロックを組み上げて、1のブロックの前記第1乃至第3の突起のうちいずれか1の突起は前記1のブロックの本体部軸方向に隣接するブロックの前記第4乃至第6の突起のうち少なくとも1の突起と絡ませて組み上げることを特徴とするブロックを用いた施工方法。
- 請求項1に記載のブロックを複数用いる法面形成の施工方法において、裏法側に前記第1乃至第3の突起を、法面側に前記第4乃至第6の突起を配置するように、あるいは前記裏法側に前記第4乃至第6の突起を、前記法面側に前記第1乃至第3の突起を配置するように複数の前記ブロックを組み上げて、1のブロックの前記第1乃至第6の突起のうちいずれか1の突起は前記1のブロックの本体部径方向に隣接するブロックの前記第1乃至第6の突起のうち少なくとも1の突起と絡ませて組み上げることを特徴とするブロックを用いた施工方法。
- 請求項1に記載のブロック(以下、第1のブロックと呼ぶ。)及び請求項2に記載のブロック(以下、第2のブロックと呼ぶ。)を複数用いる法面形成の施工方法において、地面と平行に法肩の延長線上に形成される水平面に前記第2のブロックの前記本体部が平行で、かつ、前記第2のブロックの前記第1乃至第4の突起が盛土あるいは切土内部側に向くように前記第1及び第2のブロックを組み上げることを特徴とするブロックを用いた施工方法。
- 請求項1に記載のブロック(以下、第1のブロックと呼ぶ。)及び請求項2に記載のブロック(以下、第2のブロックと呼ぶ。)を複数用いる法面形成の施工方法において、前記法面の角部では前記第2のブロックの前記本体部が前記第1のブロックの前記本体部と直角をなすように前記第1のブロックの前記第1乃至第6の突起のいずれか1と当接し、前記第2のブロックの前記第1乃至第4の突起が盛土あるいは切土内部側に向くように前記第1及び第2のブロックを組み上げることを特徴とするブロックを用いた施工方法。
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