JP2004316326A - 擁壁用ブロックおよび組積工法 - Google Patents

擁壁用ブロックおよび組積工法 Download PDF

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Abstract

【課題】林道の側面などに擁壁を施工する際に、擁壁を一体化して安全性を高める。
【解決手段】コンクリート製のブロック本体2の側面前方に部分円筒状の凹部5および凸部6を形成し、ブロック本体2の側面後方に一対の切欠部7、8を垂直に形成する。切欠部7、8を連通する形でブロック本体2の上面に鉄筋係合溝9を水平に形成して、擁壁用ブロック1とする。擁壁施工時には、擁壁用ブロック1を複数個その凹部5と凸部6とが互いに嵌合するように横方向に密着させて直線状に組積したブロック列を必要段数だけ構築する。擁壁用ブロック1の切欠部7、8に包囲されたコンクリート充填空間12に鉄筋14を縦に配筋し、擁壁用ブロック1の鉄筋係合溝9に鉄筋13を横向きに配筋する。コンクリート充填空間12に胴込めコンクリートを充填して硬化させる。すると、各擁壁用ブロック1が鉄筋コンクリート構造によって互いに強靱に結合される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、林道の側面や河川の両岸、造成地の周囲などに擁壁を施工する際に用いるに好適なコンクリート製の擁壁用ブロックと、この擁壁用ブロックを用いた組積工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の擁壁を施工する際には、一般にコンクリート製の擁壁用ブロックに胴込めコンクリートを充填しつつ多段に積み上げる練積が多方面で用いられているが、擁壁の重量を増す必要がある場合には、擁壁用ブロックの裏面に裏込めコンクリートを打設していた。
【0003】
ところが、これだと、個々の擁壁用ブロックがその重量で互いに支え合っているだけに過ぎず、擁壁用ブロック全体からなる擁壁が一体性に欠けた状態となっている。そのため、不時の外力を受けて上段の擁壁用ブロックが脱落したり、中段の擁壁用ブロックがその裏面から土圧を受けて抜け落ちたり、軟弱地盤や水流による基礎部の部分的浸食または掘削によって最下段の擁壁用ブロックが脱落したりして、擁壁がその一部の破壊から全体の崩壊に至る危険がある。
【0004】
そこで、擁壁を一体化して安全性を高めるべく、裏込めコンクリートに鉄筋を配筋して鉄筋コンクリート構造にする手法が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これでは、配筋工事の他に仮枠工事などが別途必要となり、この仮枠工事では裏込めコンクリートの打設後に仮枠を撤去する追加作業を強いられることから、工期の延伸や工費の高騰などの不都合を生じる欠点があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、工期の延伸や工費の高騰などの不都合を伴うことなく擁壁を一体化して安全性を高めることが可能な擁壁用ブロックおよび組積工法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のうち請求項1に係る発明は、コンクリートからなる六面体状のブロック本体(2)を有し、このブロック本体の側面前方に一対の嵌合片(5、6)を形成し、前記ブロック本体の側面後方に一対の切欠部(7、8)を垂直に形成し、これらの切欠部を連通する形で前記ブロック本体の上面に鉄筋係合溝(9)を水平に形成して構成される。ここで、一対の嵌合片の代表例としては凹部(5)および凸部(6)を挙げることができる。
【0008】
こうした構成を採用することにより、複数個の擁壁用ブロックを組積すると、各擁壁用ブロックの切欠部に包囲される形でコンクリート充填空間が形成されるので、このコンクリート充填空間を利用して鉄筋コンクリート構造を実現し、これによって各擁壁用ブロックを互いに強靱に結合することが可能となる。
【0009】
また、本発明のうち請求項2に係る発明は、前記一対の嵌合片(5、6)として、嵌合状態のまま水平回転しうるものを採用して構成される。かかる構成により、隣接する擁壁用ブロック同士を水平面内で適宜回転させてブロック列を所望の曲線状に形成することができるようになる。
【0010】
また、本発明のうち請求項3に係る発明は、前記擁壁用ブロック(1)を用いて平面状の擁壁を施工する際に、前記擁壁用ブロックを複数個その嵌合片(5、6)が互いに嵌合するように横方向に密着させて直線状に組積したブロック列(R1〜R5)を必要段数だけ構築し、各ブロック列を構成する擁壁用ブロックの切欠部(7、8)に包囲されたコンクリート充填空間(12)に鉄筋(14)を縦に配筋し、これら擁壁用ブロックの鉄筋係合溝(9)に鉄筋(13)を横向きに配筋し、前記コンクリート充填空間および前記鉄筋係合溝に胴込めコンクリート(10)を充填して硬化させるようにして構成される。
【0011】
また、本発明のうち請求項4に係る発明は、前記擁壁用ブロック(1)を用いて曲面状の擁壁を施工する際に、前記擁壁用ブロックを複数個その嵌合片(5、6)が互いに嵌合するように横方向に密着させて曲線状に組積したブロック列(R1、R2)を必要段数だけ構築し、各ブロック列を構成する擁壁用ブロックの切欠部(7、8)に包囲されたコンクリート充填空間(12)に鉄筋を縦に配筋し、これら擁壁用ブロックの鉄筋係合溝(9)に鉄筋を横向きに配筋し、前記コンクリート充填空間および前記鉄筋係合溝に胴込めコンクリートを充填して硬化させるようにして構成される。
【0012】
さらに、本発明のうち請求項5に係る発明は、幅の異なる複数種類の前記擁壁用ブロック(1A、1B)を使い分けて、各ブロック列(R1、R2)のコンクリート充填空間(12)が上下連続性を保持するようにして構成される。
【0013】
これらの構成を採用することにより、鉄筋および胴込めコンクリートからなる鉄筋コンクリート構造によって各擁壁用ブロックが互いに強靱に結合され、擁壁が一体化されて安全性が向上するため、たとえ擁壁の一部が破壊しても、それが全体の崩壊に至る事態を阻止しうるように作用する。
【0014】
なお、括弧内の符号は図面において対応する要素を表す便宜的なものであり、したがって、本発明は図面上の記載に限定拘束されるものではない。このことは「特許請求の範囲」の欄についても同様である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る擁壁用ブロックの一実施形態を示す図であり、(a)はその平面図、(b)はその右側面図、(c)は(a)のC−C線による断面図、(d)はその正面図、(e)はその斜視図、
図2は図1に示す擁壁用ブロックを組積して構築した平面状の擁壁を示す図であり、(a)はその正面図、(b)は(a)のB−B線による断面図、(c)は(b)のC−C線による断面図、
図3は図1に示す擁壁用ブロックを組積して構築した曲面状の擁壁を示す図であり、(a)はその平面図、(b)は(a)のB−B線による断面図である。
【0016】
この擁壁用ブロック1は、図1に示すように、コンクリートからなる六面体状のブロック本体2を有しており、ブロック本体2には、前方空洞部3が上下方向に開口して形成されているとともに、後方空洞部4が上方にのみ開口して形成されている。また、ブロック本体2の左右両側面前方には一対の嵌合片として部分円筒状の凹部5および部分円筒状の凸部6が形成されている。さらに、ブロック本体2の左右両側面後方には一対の切欠部7、8が垂直に形成されており、これらの切欠部7、8を連通する形でブロック本体2の上面に鉄筋係合溝9が後方空洞部4を通過して水平に形成されている。なお、擁壁用ブロック1は、図1(d)に示すように、所定の幅W(例えば、500mm)および高さH(例えば、250mm)に形成されている。
【0017】
擁壁用ブロック1は以上のような構成を有するので、直線状の林道の側面に平面状の擁壁を所望の法面勾配で施工する際には、必要個数の擁壁用ブロック1を施工現場(林道)に搬入した後、次の手順に従って擁壁を構築する。
【0018】
まず、図2に示すように、林道の側面下部に基礎コンクリート15を打設して養生する。このとき、この基礎コンクリート15の打設前に、図2(b)、(c)に示すように、1本または数本からなる鉄筋13を横向きに配筋し、この鉄筋13に掛合する形で複数本の鉄筋14を適当な設置間隔(擁壁用ブロック1の幅Wの2倍に相当する設置間隔)で法面勾配に沿って縦(斜め上方)に配筋しておく。
【0019】
そして、基礎コンクリート15が硬化したところで、この基礎コンクリート15の上側に1段目(最下段)のブロック列R1を構築する。それには、多数個の擁壁用ブロック1をその凹部5と凸部6とが互いに嵌合するように横方向に密着させて直線状に組積した後、各擁壁用ブロック1の前方空洞部3に胴込め材(図示せず)を投入する。すると、互いに隣接する擁壁用ブロック1、1間には、図1(a)に示すように、各擁壁用ブロック1、1の切欠部7、8に包囲されたコンクリート充填空間12が多数形成され、これらのコンクリート充填空間12には、図2(c)に示すように、1つ置きに鉄筋14が配筋された状態となる。そこで、図2(b)に示すように、この1段目のブロック列R1の背面に捨て仮枠18を立設した後、この仮枠18を固定するため、地山の法面17との間に砂利や割栗石などの裏込め材16を擁壁用ブロック1の上面の高さまで充填する。その後、すべてのコンクリート充填空間12と各擁壁用ブロック1、1の後方空洞部4および鉄筋係合溝9とに胴込めコンクリート10を充填して硬化させる。ここで、1段目のブロック列R1が完成する。
【0020】
こうして1段目のブロック列R1が完成したところで、このブロック列R1の上側に、図2(b)に示すように、2段目のブロック列R2を一定の寸法だけ後退させて構築する。それには、多数個の擁壁用ブロック1をその凹部5と凸部6とが互いに嵌合するように横方向に密着させて直線状に組積した後、各擁壁用ブロック1の前方空洞部3に胴込め材(図示せず)を投入する。すると、互いに隣接する擁壁用ブロック1、1間には、各擁壁用ブロック1、1の切欠部7、8に包囲されたコンクリート充填空間12が多数形成されて、1段目のブロック列R1のコンクリート充填空間12の斜め上方に連通し、これらのコンクリート充填空間12には1つ置きに鉄筋14が配筋された状態となる。そこで、図1(a)、(b)に示すように、この2段目のブロック列R2を構成する擁壁用ブロック1すべての鉄筋係合溝9を貫通するように1本の鉄筋13を横向きに配筋し、2段目のブロック列R2の背面に捨て仮枠18を立設した後、この仮枠18を固定するため、地山の法面17との間に砂利や割栗石などの裏込め材16を擁壁用ブロック1の上面の高さまで充填する。その後、すべてのコンクリート充填空間12と各擁壁用ブロック1、1の後方空洞部4および鉄筋係合溝9とに胴込めコンクリート10を充填して硬化させる。ここで、2段目のブロック列R2が完成する。
【0021】
こうして2段目のブロック列R2が完成したところで、このブロック列R2の上側に、図2(b)に示すように、1段目のブロック列R1と同様な手順で3段目のブロック列R3を一定の寸法だけ後退させて構築する。すなわち、多数個の擁壁用ブロック1をその凹部5と凸部6とが互いに嵌合するように横方向に密着させて直線状に組積した後、各擁壁用ブロック1の前方空洞部3に胴込め材(図示せず)を投入する。すると、互いに隣接する擁壁用ブロック1、1間には、各擁壁用ブロック1、1の切欠部7、8に包囲されたコンクリート充填空間12が多数形成されて、2段目のブロック列R2のコンクリート充填空間12の斜め上方に連通し、これらのコンクリート充填空間12には1つ置きに鉄筋14が配筋された状態となる。そこで、この3段目のブロック列R3の背面に捨て仮枠18を立設した後、この仮枠18を固定するため、地山の法面17との間に砂利や割栗石などの裏込め材16を擁壁用ブロック1の上面の高さまで充填する。その後、すべてのコンクリート充填空間12と各擁壁用ブロック1の後方空洞部4および鉄筋係合溝9とに胴込めコンクリート10を充填して硬化させる。ここで、3段目のブロック列R3が完成する。
【0022】
こうして3段目のブロック列R3が完成したところで、このブロック列R3の上側に、図2(b)に示すように、2段目のブロック列R2と同様な手順で4段目のブロック列R4を一定の寸法だけ後退させて構築する。すなわち、多数個の擁壁用ブロック1をその凹部5と凸部6とが互いに嵌合するように横方向に密着させて直線状に組積した後、各擁壁用ブロック1の前方空洞部3に胴込め材(図示せず)を投入する。すると、互いに隣接する擁壁用ブロック1、1間には、各擁壁用ブロック1、1の切欠部7、8に包囲されたコンクリート充填空間12が多数形成されて、3段目のブロック列R3のコンクリート充填空間12の斜め上方に連通し、これらのコンクリート充填空間12には1つ置きに鉄筋14が配筋された状態となる。そこで、この4段目のブロック列R4を構成する擁壁用ブロック1すべての鉄筋係合溝9を貫通するように1本の鉄筋13を横向きに配筋し、4段目のブロック列R4の背面に捨て仮枠18を立設した後、この仮枠18を固定するため、地山の法面17との間に砂利や割栗石などの裏込め材16を擁壁用ブロック1の上面の高さまで充填する。その後、すべてのコンクリート充填空間12と各擁壁用ブロック1、1の後方空洞部4および鉄筋係合溝9とに胴込めコンクリート10を充填して硬化させる。ここで、4段目のブロック列R4が完成する。
【0023】
こうして4段目のブロック列R4が完成したところで、このブロック列R4の上側に、図2(b)に示すように、1段目のブロック列R1と同様な手順で5段目(最上段)のブロック列R5を一定の寸法だけ後退させて構築する。すなわち、多数個の擁壁用ブロック1をその凹部5と凸部6とが互いに嵌合するように横方向に密着させて直線状に組積した後、各擁壁用ブロック1の前方空洞部3に胴込め材(図示せず)を投入する。すると、互いに隣接する擁壁用ブロック1、1間には、各擁壁用ブロック1、1の切欠部7、8に包囲されたコンクリート充填空間12が多数形成されて、4段目のブロック列R4のコンクリート充填空間12の斜め上方に連通し、これらのコンクリート充填空間12には1つ置きに鉄筋14が配筋された状態となる。そこで、この5段目のブロック列R5の背面に捨て仮枠18を立設した後、この仮枠18を固定するため、地山の法面17との間に砂利や割栗石などの裏込め材16を擁壁用ブロック1の上面の高さまで充填する。その後、すべてのコンクリート充填空間12と各擁壁用ブロック1、1の後方空洞部4および鉄筋係合溝9とに胴込めコンクリート10を充填して硬化させる。ここで、5段目のブロック列R5が完成する。
【0024】
このようにして、最下段から最上段までのブロック列R1〜R5が組積され、所望の法面勾配をもった平面状の擁壁が完成するが、この擁壁を構成する各擁壁用ブロック1は、鉄筋13、14および胴込めコンクリート10からなる鉄筋コンクリート構造によって互いに強靱に結合されているので、擁壁は一体化されて安全性が高いものとなっている。そのため、たとえ擁壁の一部が破壊したとしても、それが擁壁全体の崩壊に至る事態が発生する恐れはない。しかも、擁壁の完成後に捨て仮枠18を撤去する工事が不要なので、工期の延伸や工費の高騰などの不都合が発生することもない。
【0025】
なお、ここでは、図2(c)に示すように、鉄筋13を2段のブロック列Rごとに配筋するとともに、鉄筋14を2つのコンクリート充填空間12ごとに配筋する場合について説明したが、これら鉄筋13、14の配筋割合はこれに限るわけではなく、例えば、鉄筋13を各ブロック列Rに配筋するとともに、鉄筋14を各コンクリート充填空間12に配筋することもできる。
【0026】
また、曲線状の林道の側面に曲面状の擁壁を所望の法面勾配で施工する際には、図3に示すように、幅Wの異なる2種類の擁壁用ブロック1、すなわち標準幅(例えば、幅Wが500mm)の擁壁用ブロック1Aおよび小幅(例えば、幅Wが400mm)の擁壁用ブロック1Bを必要個数ずつ施工現場(林道)に搬入する。そして、上述した平面状の擁壁と同様な構築手順に従い、基礎コンクリート15の上側に1段目(最下段)のブロック列R1を所望の曲線状に構築し、その上側に2段目のブロック列R2を一定の寸法だけ後退させて所望の曲線状に構築した後、これら2段のブロック列R1、R2の後方に裏込め材16を充填すれば、所望の法面勾配をもった曲面状の擁壁が出来上がる。なお、擁壁用ブロック1A、1Bの切欠部7、8に包囲されたコンクリート充填空間12に鉄筋(図示せず)を縦に配筋し、擁壁用ブロック1A、1Bの鉄筋係合溝9に鉄筋(図示せず)を横向きに配筋し、さらに、コンクリート充填空間12と各擁壁用ブロック1A、1Bの後方空洞部4および鉄筋係合溝9とに胴込めコンクリート(図示せず)を充填して硬化させることは、上述した平面状の擁壁と同様である。
【0027】
このとき、図3(a)に示すように、擁壁の法面勾配やブロック列R1、R2の曲率に応じて2種類の擁壁用ブロック1A、1Bを使い分けることにより、各ブロック列R1、R2のコンクリート充填空間12が上下連続性を保持するようにする。そうすれば、上述した平面状の擁壁と同様、各擁壁用ブロック1A、1Bが鉄筋コンクリート構造によって互いに強靱に結合され、曲面状の擁壁が一体化されて安全性が向上する。
【0028】
また、ブロック列R1、R2を曲線状に構築するときには、多数個の擁壁用ブロック1A、1Bをその凹部5と凸部6とが互いに嵌合するように横方向に密着させて曲線状に組積するが、各擁壁用ブロック1A、1Bの凹部5および凸部6はいずれも部分円筒状に形成されており、嵌合状態のままでも水平回転しうるので、隣接する擁壁用ブロック1A、1B同士を水平面内で適宜回転させてブロック列R1、R2を所望の曲線状に形成することができる。
【0029】
なお、ここでは、幅Wの異なる2種類の擁壁用ブロック1(標準幅の擁壁用ブロック1Aおよび小幅の擁壁用ブロック1B)を用いて曲面状の擁壁を施工する場合について説明したが、擁壁の法面勾配その他の状況に応じて擁壁用ブロック1の種類を3種類以上に増やしても構わない。
【0030】
また、ここでは、林道の側面に擁壁を施工する場合について説明したが、河川の両岸や造成地の周囲に擁壁を施工する場合に本発明を同様に適用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、複数個の擁壁用ブロックを組積すると、各擁壁用ブロックの切欠部に包囲される形でコンクリート充填空間が形成されるので、このコンクリート充填空間を利用して鉄筋コンクリート構造を実現し、これによって各擁壁用ブロックを互いに強靱に結合しうることから、工期の延伸や工費の高騰などの不都合を伴うことなく平面状の擁壁を一体化して安全性を高めることが可能な擁壁用ブロックを提供することができる。
【0032】
また、請求項2に係る発明によれば、複数個の擁壁用ブロックを組積すると、各擁壁用ブロックの切欠部に包囲される形でコンクリート充填空間が形成されるので、このコンクリート充填空間を利用して鉄筋コンクリート構造を実現し、これによって各擁壁用ブロックを互いに強靱に結合しうることに加えて、隣接する擁壁用ブロック同士を水平面内で適宜回転させてブロック列を所望の曲線状に形成することができることから、工期の延伸や工費の高騰などの不都合を伴うことなく曲面状の擁壁を一体化して安全性を高めることが可能な擁壁用ブロックを提供することができる。
【0033】
また、請求項3〜5に係る発明によれば、鉄筋および胴込めコンクリートからなる鉄筋コンクリート構造によって各擁壁用ブロックが互いに強靱に結合され、擁壁が一体化されて安全性が向上するため、たとえ擁壁の一部が破壊しても、それが全体の崩壊に至る事態を阻止しうることから、工期の延伸や工費の高騰などの不都合を伴うことなく擁壁を一体化して安全性を高めることが可能な組積工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る擁壁用ブロックの一実施形態を示す図であり、(a)はその平面図、(b)はその右側面図、(c)は(a)のC−C線による断面図、(d)はその正面図、(e)はその斜視図である。
【図2】図1に示す擁壁用ブロックを組積して構築した平面状の擁壁を示す図であり、(a)はその正面図、(b)は(a)のB−B線による断面図、(c)は(b)のC−C線による断面図である。
【図3】図1に示す擁壁用ブロックを組積して構築した曲面状の擁壁を示す図であり、(a)はその平面図、(b)は(a)のB−B線による断面図である。
【符号の説明】
1、1A、1B……擁壁用ブロック
2……ブロック本体
5……凹部(嵌合片)
6……凸部(嵌合片)
7、8……切欠部
9……鉄筋係合溝
10……胴込めコンクリート
12……コンクリート充填空間
13……鉄筋
14……鉄筋
R1〜R5……ブロック列

Claims (5)

  1. コンクリートからなる六面体状のブロック本体(2)を有し、
    このブロック本体の側面前方に一対の嵌合片(5、6)を形成し、
    前記ブロック本体の側面後方に一対の切欠部(7、8)を垂直に形成し、
    これらの切欠部を連通する形で前記ブロック本体の上面に鉄筋係合溝(9)を水平に形成したことを特徴とする擁壁用ブロック。
  2. 一対の嵌合片(5、6)として、嵌合状態のまま水平回転しうるものを採用したことを特徴とする請求項1に記載の擁壁用ブロック。
  3. 請求項1に記載の擁壁用ブロック(1)を用いて平面状の擁壁を施工する際に、
    前記擁壁用ブロックを複数個その嵌合片(5、6)が互いに嵌合するように横方向に密着させて直線状に組積したブロック列(R1〜R5)を必要段数だけ構築し、
    各ブロック列を構成する擁壁用ブロックの切欠部(7、8)に包囲されたコンクリート充填空間(12)に鉄筋(14)を縦に配筋し、
    これら擁壁用ブロックの鉄筋係合溝(9)に鉄筋(13)を横向きに配筋し、
    前記コンクリート充填空間および前記鉄筋係合溝に胴込めコンクリート(10)を充填して硬化させるようにしたことを特徴とする組積工法。
  4. 請求項2に記載の擁壁用ブロック(1)を用いて曲面状の擁壁を施工する際に、
    前記擁壁用ブロックを複数個その嵌合片(5、6)が互いに嵌合するように横方向に密着させて曲線状に組積したブロック列(R1、R2)を必要段数だけ構築し、
    各ブロック列を構成する擁壁用ブロックの切欠部(7、8)に包囲されたコンクリート充填空間(12)に鉄筋を縦に配筋し、
    これら擁壁用ブロックの鉄筋係合溝(9)に鉄筋を横向きに配筋し、
    前記コンクリート充填空間および前記鉄筋係合溝に胴込めコンクリートを充填して硬化させるようにしたことを特徴とする組積工法。
  5. 幅の異なる複数種類の擁壁用ブロック(1A、1B)を使い分けて、各ブロック列(R1、R2)のコンクリート充填空間(12)が上下連続性を保持するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の組積工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144306A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Kaihatsu Concrete Kk 法面ブロックおよびこの法面ブロックを使用した擁壁
JP2010126927A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Impact:Kk コンクリートブロック積み擁壁

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