JP3585328B2 - 粘性ダンパー機構 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性ダンパー機構、特に、トルクを伝達するとともに捩じり振動を減衰するための粘性ダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば車輌においてエンジン側の部材とトランスミッション側の部材との間にはエンジンのトルク変動を吸収するためのダンパー機構が設けられている。ダンパー機構は、クラッチディスク組立体やフライホイール組立体に組み込まれている。ダンパー機構は、相対回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、両部材が相対回転するときにその回転を制限するように配置されたコイルスプリングと、両部材が相対回転するときに摩擦または粘性抵抗によりヒステリシストルクを発生するヒステリシストルク発生機構とを含んでいる。
【0003】
このようなダンパー機構では、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動を吸収するために、広捩じり角・低剛性・小ヒステリシストルクの特性を必要とする。そのために、従来よりコイルスプリングや板ばねを円周方向に長く延ばしたばね部材が用いられている。
特開平6−174011号公報に開示されたダンパー機構では、コイルスプリングに代えて曲がり板ばねを用いている。曲がり板ばねは、一定の幅を有する細長い板部材を波状に折り曲げて複数の直列ばね要素を形成してなる。曲がり板ばねは、第1回転部材と第2回転部材とが形成する環状流体室内に配置され、第1回転部材から第2回転部材にトルクを伝達する。捩じり振動が入力され両部材が相対回転すると、曲がり板ばねは円周方向に圧縮される。このとき、曲がり板ばねと環状流体室の壁面との間の空間が圧縮され、流体が両部材の間の隙間を通過することで粘性抵抗が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の粘性ダンパー機構では、曲がり板ばねと環状流体室の壁面との間で発生する粘性抵抗はあまり大きくない。しかし、一方でフライホイール組立体に用いられる粘性ダンパー機構は、捩じり角度の大きな範囲で大粘性抵抗を必要とする。その理由は、エンジンの低回転数領域(始動又は停止時)における共振点を通過する際に、大きなトルク変動が粘性ダンパー機構に伝達されるからである。この際、低剛性の曲がり板ばねのたわみ角度は大きく、第1回転部材と第2回転部材の相対回転角度は大きくなる。このときは、大きな粘性抵抗を発生させて捩じり振動を速やかに減衰するのが好ましい。
【0005】
本発明の目的は、粘性ダンパー機構において充分に大きな粘性抵抗を発生させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の粘性ダンパー機構は、第1回転部材と第2回転部材と弾性部材と1対のシート部材と1対の板状シールと粘性抵抗発生部とを備えている。第1回転部材は、円周方向に延び流体が充填されるチャンバを形成する。第2回転部材は第1回転部材に相対回転可能である。弾性部材はチャンバ内に配置され、第1回転部材と第2回転部材とが相対回転すると円周方向に圧縮される。1対のシート部材は、弾性部材の円周方向両側に配置されて弾性部材を支持する。1対の板状シールは、1対のシート部材のそれぞれの半径方向内側端に係合する一端をそれぞれ有し、反対側のシート部材に向かって円周方向に延びチャンバの内周部をシールする。粘性抵抗発生部は、チャンバ内に形成されている。
【0007】
請求項1に記載の粘性ダンパー機構では、第1回転部材が回転すると、トルクは弾性部材を介して第2回転部材に伝達される。第1回転部材に捩じり振動が伝達されると、第1回転部材と第2回転部材とが相対回転を行い、弾性部材が円周方向に圧縮される。このとき、粘性抵抗発生部により所定の粘性抵抗が発生する。1対の板状シールがチャンバの内周部をシールしているため、チャンバ内から流体が漏れにくくなっており、そのため大きな粘性抵抗を維持することができる。
【0008】
請求項2に記載の粘性ダンパー機構では、請求項1において、1対の板状シールは他端同士が半径方向に重なっている。
請求項2に記載の粘性ダンパー機構では、第1回転部材と第2回転部材との捩じり角度が大きくなるにつれて、1対のシート部材は互いに円周方向に接近し、1対の板状シールは半径方向に重なった部分が徐々に大きくなる。このように、粘性抵抗発生時にチャンバの内周部のシール性が高くなる。
【0009】
請求項3に記載の粘性ダンパー機構では、請求項1または2において、第1回転部材はチャンバの両側壁を形成する1対の円板状部を有している。第2回転部材は第1回転部材の内周側に配置された環状部を有している。この粘性ダンパー機構は1対の環状シール部材をさらに備えている。1対の環状シール部材は1対の板状シールの内周側に配置されており、一方は1対の円板状部の一方の内周部と第2回転部材の環状部との間に配置されている。1対の環状シール部材の他方は、1対の円板状部の他方の内周部と第2回転部材の環状部との間に配置されている。
【0010】
請求項3に記載の粘性ダンパー機構では、1対の環状シール部材によりチャンバの内周部のシール機能がさらに高くなっている。板状シールは相対回転時に1対のシート部材間で圧が発生すると半径方向内側に変形して1対の環状シール部材にそれぞれ圧接される。これにより、大きな粘性抵抗を維持することが可能である。
【0012】
請求項に記載の粘性ダンパー機構では、請求項において、1対の環状シール部材は第1及び第2回転部材に対して半径方向に移動不能である。また、この粘性ダンパー機構は制限部材をさらに備えている。制限部材は、1対の環状シール部材に両端が係止され、弾性部材に係合することで弾性部材の半径方向外方への移動を制限している。
【0013】
請求項に記載の粘性ダンパー機構では、1対の環状シール部材及び制限部材により弾性部材の半径方向外方への移動が制限されている。ここでは、1対の環状シール部材はチャンバの内周部のシール機能と弾性部材の移動制限との2つの機能を有していることになる。
請求項に記載の粘性ダンパー機構では、請求項において、1対の環状シール部材は第1及び第2回転部材に対して回転可能である。
【0014】
請求項に記載の粘性ダンパー機構では、請求項またはにおいて、1対の環状シール部材には円周方向に延びる切欠きが形成され、制限部材は両端が切欠き内に挿入されている。
請求項に記載の粘性ダンパー機構では、制限部材は1対の環状シール部材に対して相対回転可能であるため、弾性部材の円周方向たわみ量が充分に確保されている。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
構造
図1〜図3に示すフライホイール組立体1は、エンジン側のクランクシャフト2からトランスミッション側のメインドライブシャフト(図示せず)にトルクを伝達するための装置である。このフライホイール組立体1には、クラッチカバー組立体3及びクラッチディスク組立体14が取り付けられる。以下の説明では、図2及び図3の左側をエンジン側とし、右側をトランスミッション側とする。
【0016】
フライホイール組立体1は、主に、第1フライホイール4と第2フライホイール5と粘性ダンパー6とから構成されている。第1フライホイール4は円板状の肉厚の部材である。第1フライホイール4の内周部は、円周方向に配置された複数のクランクボルト12によりクランクシャフト2の端面に固定可能である。第1フライホイール4の内周面には、図示しないトランスミッションのメインドライブシャフト先端を回転自在に支持するための軸受13が設けられている。また、第1フライホイール4の外周面には、リングギア11が固定されている。さらに、第1フライホイール4の外周部には、トランスミッション側に突出する環状の突出部4aが形成されている。
【0017】
粘性ダンパー6は、主に、ドライブプレート15とシールプレート16とドリブンプレート17と1対の曲がり板ばね19と複数のシート部材20とから構成されている。ドライブプレート15は、フライホイール4のトランスミッション側に近接して配置された円板状の部材である。ドライブプレート15の内周部は、トランスミッション側に延びる内周突出部15aとなっている。ドライブプレート15の半径方向中間部は、図2及び3から明らかなようにエンジン側に凹む環状凹部となっている。シールプレート16は、ドライブプレート15のトランスミッション側に配置された円板状の部材である。ドライブプレート15の外周部とシールプレート16の外周部は互いに当接しており、複数のボルト41により互いに固定されている。このようにして、ドライブプレート15とシールプレート16は第1回転部材として機能する。また、プレート15,16の外周部は、複数のボルト42により、第1フライホイール4の突出部4aに固定されている。なお、ドライブプレート15とシールプレート16の外周部間には、Oリング28が配置されている。シールプレート16の内径はドライブプレート15の内径よりも大きく、シールプレート16の内周縁とドライブプレート15の内周部との間には環状の隙間が形成されている。ドライブプレート15の環状凹部とシールプレート16との間には環状流体チャンバ17が形成されている。この環状流体チャンバ17内にはたとえばグリス等の流体が充填されている。
【0018】
ドリブンプレート18は、プレート15,16に相対回転可能な第2回転部材として機能するものであり、環状部18aと、環状部18aから半径方向に対向する2か所で半径方向外方に延びる係合部18b(第2係合部)とからなる。環状部18aはドライブプレート15とシールプレート16の内周縁との間に一部が配置されており、係合部18bは環状流体チャンバ17内に挿入されている。係合部18bは環状流体チャンバ17より半径方向長さが短く、チャンバ17の外周側内壁面(後述)と係合部18bとの間に大きな隙間が形成されている。また、係合部18bは円周方向両端において軸方向に曲げられている。さらに、図4に示すように、係合部18bの円周方向両側には、係合凹部18cが形成されている。環状部18aの内周部には、複数のボルト43を介して第2フライホイール5の内周部が固定されている。環状部18aと第2フライホイール5の内周部は、ともに軸受44を介してドライブプレート15の内周側突出部15aに相対回転自在に支持されている。
【0019】
第2フライホイール5は、トランスミッション側にクラッチディスク組立体14のフリクションディスクが押圧される摩擦面5aを有している。
次に、環状流体チャンバ17全体のシール構造について説明する。環状流体チャンバ17の両側壁は、プレート15,16すなわち1対の円板状部により形成されている。環状流体チャンバの外周側には、筒状の環状シール27が配置されている。この環状シール27は、ドライブプレート15とシールプレート16との継ぎ目部分を覆い、環状流体チャンバ17の外周側内壁面となっている。ドリブンプレート18の環状部18aとドライブプレート15との間には、環状のサポートリング22(環状シール部材)が配置されている。また、環状部18aとシールプレート16との間にはサポートリング22が配置されている。両サポートリング22は、ドライブプレート15,シールプレート16及びドリブンプレート18のいずれに対しても半径方向には移動不能にかつ回転は可能に係合している。これらのサポートリング22は、図10に示すように、筒部22aと、筒部22aの一端から外周側に延びるフランジ22bとを有している。筒部22aはプレート15,16と環状部18aとの間をそれぞれシールしている。また、フランジ22bはそれぞれドライブプレート15とシールプレート16に形成された溝に係合している。サポートリング22の他の構造及び機能については後述する。軸受44は潤滑剤密封型であり、その内部に潤滑剤を密封するとともに、ドリブンプレート18の内周部とドライブプレート15の内周突出部15aとの間をシールしている。さらに、シールプレート16と第2フライホイール5との間には、環状のシール部材29が配置されている。
【0020】
以上に述べた環状流体チャンバ17内において、ドリブンプレート18の係合部18bに対応した位置において、ドライブプレート15及びシールプレート16には、係合プレート25(第1係合部)がそれぞれリベット26により固定されている。係合プレート25は、係合部18bより円周方向長さが短く、環状流体チャンバ17内で内周側に寄っている。これらの係合部18b及び係合プレート25により、環状流体チャンバ17内は2つの弧状空間に区画されている。各弧状空間内には、弧状に延びる曲がり板ばね19及び1対のシート部材20が配置されている。
【0021】
曲がり板ばね19は、図29〜図31に詳細に示すように、所定の幅の板部材を波状に折り曲げたものであり、弧状に長く延びている。曲がり板ばね19は、軸方向幅が環状流体チャンバ17とほぼ同じであり、軸方向端が両側壁面(ドライブプレート15,シールプレート16)に当接または近接している。曲がり板ばね1は、リング部51,52とレバー部53とからなる複数の直列ばね要素を形成している。外周側リング部51と内周側リング部52は円周方向に交互に配置されている。両リング部51,52は支点55,56から中央部に向かって徐々に厚みが小さくなる偏断面を有している。なお、外周側リング部51は内周側リング部52より径が大きい。外周側リング部51と内周側リング部52はレバー部53により接続されている。レバー部53は各リング部51,52から見ると外方に向かうにしたがって隙間が広くなるように開いている。図31に示すように、レバー部53は、リング部51の開環部付近において円周方向に隙間のあいた外周レバー支点55を有しており、内周側リング部52の開環部付近において円周方向に隙間のあいた内周レバー支点56を有している。レバー部53は、図30に示すように、中間部分が両支点55,56側すなわち両端に比べて軸方向幅が短くなるくびれ形状になっている。このレバー部53のくびれ部分とプレート15,16との間の隙間を通って流体は円周方向にスムーズに通過可能である。各レバー部53に凹部54が設けられていることにより、レバー部53における弾性エネルギーを蓄える能力が高くなっている。
【0022】
曲がり板ばね19の円周方向両端には、シート部材20が配置されている。このシート部材20は、曲がり板ばね19の円周方向両端を支持するとともにシールして、1対のシート部材20間で粘性抵抗発生空間47を形成するための部材でもある。シート部材20には、外周側円周方向両端の外周側リング部51と内周側リング部52とが当接している。さらに、シート部材20には、最も円周方向外側の外周側リング部51から延びるレバー部53も当接している。
【0023】
シート部材20は、図6及び図7に示すように、2個の部材20A,20Bが軸方向から係合して一体の部材を構成している。この実施形態では、第1部材20Aと第2部材20Bはそれぞれに形成された孔36内に挿入されたピンにより互いに固定されている。図4〜図7に詳細に示すように、シート部材20は環状流体チャンバ17内においてほぼ半径方向全体にわたって長く延びる部材である。また、シート部材20は、その両側面及び内周面が環状流体チャンバ17を構成する内壁面にわずかな隙間(第1チョーク隙間)しか形成しない大きさとなっている。さらに、シート部材20の外周側には、スライダ21が配置されている。このスライダ21は、図3から明らかなように、外周面が環状シール27に当接あるいは僅かな隙間をもって配置されており、軸方向両端がドライブプレート15及びシールプレート16に当接または僅かな隙間をもって配置されている。このようにして、シート部材20とスライダ21とにより、その円周方向両側の流体は連通が遮断され、第1チョーク隙間のみを連通可能になっている。すなわち、シート部材20とスライダ21は、円周方向両側の空間を遮断し、第1チョーク隙間のみで流体を移動可能にするシート部材として機能している。なお、シート部材20とこのスライダ21とは一体のシート部材であってもよいし、スライダ21を省略してシート部材20が環状流体チャンバの外周側まで延びてシールしていてもよい。第1チョーク隙間は、シート部材20及びスライダ21と環状流体チャンバ17との間の隙間には限定されない。シート部材20に円周方向に連通する孔や表面溝等をを設けて第1チョーク隙間としてもよい。
【0024】
このようにして、各曲がり板ばね19の円周方向両側の1対のシート部材20の円周方向間に粘性抵抗発生空間47が形成されている。粘性抵抗発生空間47は、1対のシート部材30が互いに接近するように移動すると容積が小さくなる空間である。また、そのときに粘性抵抗発生空間47からは、第1チョーク隙間を通って流体が円周方向両側の空間(後述)に流出する。
【0025】
シート部材20は、係合部18bに対向する側に凹部20aを有しており、凹部20a内に係合部18bが挿入可能になっている。シート部材20の凹部20a内には、係合凸部35が形成されている。この係合凸部35は係合部18bに形成された係合凹部18cに対応している。なお、シート部材20に係合凹部が形成され、係合部18bに係合凸部が形成されていてもよい。
【0026】
シート部材20において、半径方向外側すなわち係合部18b及び係合プレート25より半径方向外側部分内には小粘性抵抗発生機構31が設けられている。具体的に説明すると、シート部材20内には、円周方向に延びるスライダ収容室32(第1通路)が形成されている。スライダ収容室32の円周方向両側には、通路33(第2通路)が形成されている。通路33は、スライダ収容室32より面積が小さくその中心に設けられている。図6〜図9から明らかなように、スライダ収容室32及び通路33は断面がほぼ正方形となっている。スライダ収容室32内には、開閉スライダ34(閉鎖部材)が配置されている。開閉スライダ34はスライダ収容室32内で円周方向に移動可能である。開閉スライダ34は、図9に示すように、スライダ収容室32の各辺に当接する複数の突起34aを有している。複数の突起34a間の隙間34b(通過部)はスライダ収容室32内で円周方向に流体が移動可能な通路となっている。通路33と隙間34bが、粘性抵抗発生空間47とその円周方向外側の空間との間で流体が通過可能な第2チョーク隙間になっている。開閉スライダ34は、この第2チョーク隙間の円周方向両側に圧の差が生じると、スライダ収容室32内を円周方向に移動する。また、開閉スライダ34の中心部は、開閉スライダ34がスライダ収容室32内で円周方向のどちらか側に最も移動した位置で通路33を閉鎖する閉鎖部となっている。
【0027】
各粘性抵抗発生空間47内には、曲がり板ばね19及びシート部材20と、環状シール27(外周側内壁面)との間に配置されたスライダ21が設けられている。スライダ21は、図22〜図25に示すように、粘性抵抗発生空間47の外周側内壁面に沿った形状である。スライダ21は、スライダ本体21aと、回転ピン21bとから構成されている。スライダ本体21aは、円周方向に長く延びている。スライダ本体21aは、軸方向寸法が環状流体チャンバ17とほぼ同じであり、軸方向両端がプレート15,16に近接又は当接している。スライダ本体21aの外周面には、2本の溝21cが形成されている。この溝21cは軸方向に長く延びさらに円周方向に所定の幅を有している。回転ピン21bは、各溝21c内に挿入され、スライダ本体21aよりさらに半径方向外方に突出しており、環状シール27に当接している。すなわち、スライダ本体21aの外周面と環状シール27との間には、スライダ21が最も半径方向外方に移動した状態でも僅かな隙間が確保されている。さらに、溝21c内には、溝21cより深くさらに円周方向幅が広い凹部21fが形成されている。これにより、この凹部21fに溜まる流体により、回転ピン21b周辺が充分に潤滑される。回転ピン21bは、環状シール27に当接した状態で溝21c内を回転しながら円周方向に移動可能である。
【0028】
スライダ本体21aの内周部には、半径方向内側に突出する2つの係合部21dが形成されている。この係合部21d間には1つの外周側リング部51が配置されている。これにより、スライダ21はその外周側リング部51と一体に移動可能である。また、係合部21dと両側の外周側リング部51との間には円周方向に所定の隙間が確保されている。さらに、スライダ本体21aは、両側2個の外周側リング部51の半径方向外側に配置された支持部21eを有している。この支持部21eは、曲がり板ばね19が円周方向に圧縮された状態で両側の外周側リング部51を半径方向に支持する。
【0029】
シート部材20の外周側に設けられたスライダ21は前述のスライダ21とほぼ同様の構造である。シート部材20に設けられたスライダ21は、シート部材2に係合するとともに、最も円周方向両端に配置された外周側リング部51に係合している。このスライダ21は、シート部材20に相対回転不能に係合するための係合部21fを有している。なお、このスライダ21は、前述したように、シート部材20とともに粘性抵抗発生空間47の円周方向両端をシールしている。スライダ本体21aと環状シール27との間には隙間が確保されているが、回転ピン21がスライダ本体とほぼ同じ軸方向長さを有して環状シール27に当接しているため、流体はスライダ21の半径方向外側において円周方向両側にスムーズに流れにくくなっている。
【0030】
各粘性抵抗発生空間47の内周部には、1対の板状シール24が配置されている。板状シール24は、環状流体チャンバ17の軸方向長さとほぼ同じ軸方向幅を有しており、プレート15,16に当接しており、円周方向に弧状に延びる。各板状シール24の一端は、半径方向外側に折り曲げられた係止部24aであり、係止部24aはシート部材20の半径方向内側端に形成されたスリット38に嵌入している。図27及び図28に示すように、板状シール24は他端が相手側のシート部材20側に延び、一部が半径方向に重なっている。この板状シール24は、前述したサポートリング22の筒部22a外周面に当接している。1対の板状シール24は、1対のシート部材20が円周方向に接近するにつれて、半径方向に重なった部分が長くなり、さらに粘性抵抗発生空間47に発生する圧によりサポートリング2に圧接される。板状シール24は、一方の端部がシート部材20に支持されているだけなので、他方側端部は変形しやすい。このようにして、粘性抵抗発生空間47の内周部のシール性が高くなっている。
【0031】
前述したサポートリング22のフランジ22bには、図10に示すように、1対の孔22dと円周方向に延びる複数のスリット22c(切欠き)が形成されている。両サポートリング22は、図示しないピンにより互いに固定され一体回転するようになっている。このピンは軸方向に延び両端が孔22dに挿入されている。各粘性抵抗発生空間47内において、フランジ22bには3本のスリット22cが形成されている。このスリット22cは、円周方向両側のスリット22cが真ん中のスリット22cに比べて長く形成されている。この各スリット22cに対応して、ピン23(制限部材)が配置されている。ピン23は、軸方向に長く延びており、曲がり板ばね19の内周側リング部52内に挿入され、両端が軸方向両側のフランジ22bに形成されたスリット22c内に配置されている。これにより、曲がり板ばね19は半径方向外方への移動を制限されている。なお、図1に示すように、円周方向両側のスリット22c内のピン23は中立状態で円周方向外側に配置されている。なお、ピン23は、フランジ22bに形成されたスリット22c内を円周方向に移動可能であるため、曲がり板ばね19のたわみ角度は充分に広い。円周方向両側のスリット22cが円周方向に長くしかもピン23がスリット22cの円周方向外側に配置されているのは、曲がり板ばね19では外周側の板ばね要素移動量が内周側に比べて大きいためである。
【0032】
以上に説明した環状流体チャンバ17内の構造をさらにまとめて説明する。図18及び図19に示すように、環状流体チャンバ17内は、それぞれ1対の係合プレート25及び係合部18bにより1対の弧状空間に区画されている。さらに、各弧状空間内は、円周方向両端が1対のシート部材20によりシールされた粘性抵抗発生空間47となっている。この粘性抵抗発生空間47内に曲がり板ばね19がそれぞれ配置されている。さらに、係合プレート25及び係合部18b付近の空間すなわち隣接するシート部材20間には、それぞれ空間48が形成されている。この空間48は、粘性抵抗発生空間47の円周方向両側に配置された空間であり、粘性抵抗発生空間47が縮小されるときに逆に拡大されていくものであり、そのときに粘性抵抗空間47から流体が流れ込む空間である。
【0033】
ドライブプレート15及びシールプレート16の内壁面すなわち環状流体チャンバ17の両側壁面には、各シート部材20に対応して流体通過凹部45が形成されている。流体通過凹部45は、図12及び図15に示すように、シート部材20より円周方向長さが長く、半径方向長さが短い。流体通過凹部45は、図19に示すように、各粘性抵抗発生空間47内ではシート部材20に対して一部は重なるもののその円周方向内側すなわち係合部18b及び係合プレート25側と反対側に変位している。この状態で、シート部材20により分けられている粘性抵抗発生空間47と空間48とは、第1チョーク隙間のみで流体が行き来可能となっている。
【0034】
動作
クランクシャフト2が回転すると、第1フライホイール4にトルクが伝達され、そのトルクは、さらに粘性ダンパー6を介して第2フライホイール5に伝達される。さらに、トルクはクラッチ連結状態でクラッチディスク組立体14に伝達され、最後にトランスミッションのメインドライブシャフトに出力される。
【0035】
粘性ダンパー6において、トルク伝達は以下のように行われる。ドライブプレート15及びシールプレート16が回転すると、係合プレート25がシート部材20を押し、曲がり板ばね19を介してドリブンプレート18の係合部18bが押される。このようにして、プレート15,16からドリブンプレート18にトルクが伝達される。
【0036】
粘性ダンパ6に捩じり振動(トルク変動)が入力されると、プレート15,16とドリブンプレート18とが周期的な相対回転を行い、曲がり板ばね19が円周方向に圧縮される。このとき、第1チョーク隙間、小粘性抵抗発生機構31や流体通過凹部45等を流体が通過する。
捩じり振動に対する粘性ダンパー6の動作及び特性についてさらに詳細に説明する。
たとえば図1に示す中立状態でエンジンの実用回転数領域で生じる微小捩じり振動が入力されたとする。このとき、曲がり板ばね19は、各レバー部53はリング部51,52の中央部を支点としてたわむため、低い捩じり剛性が得られる。さらに、小粘性抵抗発生機構31では、開閉スライダ34はスライダ収容室32内で円周方向両側にピストン移動する。このとき、流体は主に小粘性抵抗発生機構31のスライダ収容室32と通路33(第2チョーク隙間)を通過する。すなわち、第1チョーク隙間には流体が全く又はほとんど流れない。言い換えると、図20に示すように、粘性抵抗発生空間47と空間48との間で小粘性抵抗発生機構31を通じて流体が行き来する。さらに、図20の状態では、各粘性抵抗発生空間47内の回転方向R2側のシート部材20が流体通過凹部45の中心位置にきている。この状態は、図13及び図16から明らかなように、粘性抵抗発生空間47と空間48とがシート部材20と流体通過凹部45との間の大きな隙間を通って連通していることになる。このように、図20の状態では小粘性抵抗発生機構31と流体通過凹部45との両方により粘性抵抗発生空間47と空間48とが連通しているが、これはいずれか一方のみでも充分に効果がある。また、両方の連通するあるいは連通を終了するタイミングや角度等は任意に設定可能である。
【0037】
さらに、たとえば図21に示すように、プレート15,16とドリブンプレート18との相対角度が大きくなった状態でエンジンの実用回転数領域における微小捩じり変動が入力されると、図8に示すように小粘性抵抗発生機構31内でスライダ収容室32と通路33との間を封鎖していた開閉スライダ34がスライダ収容室32内で円周方向へのピストン移動を行う。この結果、粘性抵抗発生空間47と空間48との間で小粘性抵抗発生機構31の第2チョーク隙間を流体が移動する。この結果、大粘性抵抗が発生せず、微小捩じり振動を効果的に吸収できる。
【0038】
また、各粘性抵抗発生空間47内では、流体は、曲がり板ばね19のレバー部53と環状流体チャンバ17の両側壁との間の隙間を通って円周方向に流れる。したがって、粘性抵抗発生空間47では大きな粘性抵抗は発生しにくい。
以上に説明したように、粘性ダンパー6においては、たとえばエンジンの実用回転数領域で生じる微小捩じり振動が伝達された場合には、必要以上に大きな粘性抵抗が発生しない構造になっている。
【0039】
さらに、粘性ダンパー6には微小捩じり振動に対して大きな摺動抵抗が発生しない様々な工夫が設けられている。図20に示す状態で、各粘性抵抗発生空間47の回転方向R2側のシート部材20は、ドリブンプレート18の係合部18aに対して円周方向に押圧されている。この状態で、係合凸部35と係合凹部18とは互いに係合している。これにより、シート部材20は半径方向外側に移動しにくくなっている。この結果、シート部材20に設けられたスライダ21からの環状シール27に作用する圧接力が小さくなっている。また、曲がり板ばね19は、複数個所において内周側リング52がピン23により半径方向外方への移動を制限されている。これにより、曲がり板ばね19は半径方向外方に移動しにくくなっており、スライダ21から環状シール27に作用する圧接力が小さくなる。
【0040】
このように、環状流体チャンバ17に相対回転する部材(曲がり板ばね19,シート部材20)の半径方向外方への移動を制限しているため、それら部材又はスライダ21とチャンバ17の外周側内壁面(環状プレート27)との間の摺動抵抗が少なくなる。
また、各スライダ21においては、回転ピン21bが回転自在にしかもスライダ本体21aに設けられた溝21c内で円周方向に移動可能に設けられているため、スライダ21が環状プレート27に対して相対回転したときに、両者間で生じる摺動抵抗は大幅に少なくなっている。
【0041】
以上に述べたように、微小捩じり振動伝達時においては、低剛性、小粘性抵抗、及び小摺動抵抗の特性により、振動は効果的に吸収される。この結果、トランスミッション側での歯打ち音等の騒音が抑制される。
次に、エンジンの回転数が共振点を通過する際に生じる大トルク変動(大捩じり振動)伝達時における粘性ダンパー6の動作及び特性について説明する。大捩じり振動が伝達されると、たとえば図19の状態からプレート15,16とドリブンプレート18の捩じり角度が大きくなり、図19→図20→図21の順に移行する。さらに、図20の状態から図19の状態に戻り、次にプレート15,16はドリブンプレート18に対して反対側に同様に捩じれていく。このような状態において、捩じり角度の大きな領域及び捩じり角度の小さな領域での動作について説明する。
【0042】
捩じり角度が大きくなっていくと、曲がり板ばね19は、各外周レバー支点55と内周レバー支点56とがそれぞれにおいて密着した状態になり、以後は各支点55,56を支点としてレバー部53が変形する。このときには捩じり角度の小さな領域に比べて剛性が高くなる。
さらに、図21に示す状態では、粘性抵抗発生空間47内の流体は、第1チョーク隙間を通って空間48内に流れ込み、大きな粘性抵抗が発生する。すなわち、この状態で流体通過凹部45及び小粘性抵抗発生機構30は封鎖されている。ここでは、1対のシート部材20により粘性抵抗発生空間47を形成しているため、大きな圧を粘性抵抗発生空間47に発生することができ、その結果大きな粘性抵抗を発生することができる。また粘性抵抗発生空間47の内周部は、板状シール24とサポートリング22によりシールされているため、粘性抵抗発生空間47から流体が漏れにくくなっている。その結果、第1チョーク隙間で大きな粘性抵抗を発生できる。
【0043】
さらに、曲がり板ばね19の外周側においては、図26に示すように、円周方向の一方に寄った回転ピン21bが環状シール27に摺動する。この状態では、回転ピン21bの円周方向移動及び回転が制限されているため、環状シール27との間に大きな摺動抵抗が発生する。
以上に述べたように、大捩じり振動伝達時において図21に示すような大きな捩じり角度状態では、剛性が高く粘性抵抗が大きくしかも大きな摺動抵抗が得られる。これにより、共振点通過時の大捩じり振動を効果的に減衰できる。
【0044】
このような大捩じり振動伝達時においては、捩じり角度の小さな領域でたとえば図20に示す状態を通過する。すなわち、流体通過凹部45を通じて粘性抵抗発生空間47と空間48とが連通する。このとき、空間48内の流体は流体通過凹部45を通って粘性抵抗発生空間47に戻される。このようにして、捩じり角度の小さな領域で粘性抵抗発生空間47には流体が戻されるため、粘性抵抗発生空間47内に流体が不足するような状態が起こりにくい。この結果、大捩じり振動に対して大きな粘性抵抗を発生させることが長期間にわたって可能となる。ここでは、シート部材20は、粘性抵抗発生空間47と空間48との間で流体が円周方向両側に連通するのを制限した状態で環状流体チャンバ17内を移動するスライダ部材として機能している。
【0045】
以上に説明した粘性ダンパー6は、円周方向に曲がり板ばね19と粘性抵抗発生部(第1チョーク隙間、小粘性抵抗発生機構31)を配置することにより構造が単純で小型化している。さらに、粘性ダンパー6は、第1フライホイール4及び第2フライホイール5は別個のサブアッシーであるため、製造や管理が容易である。
第2実施形態
図33〜図35に示すフライホイール組立体1は、第1実施形態とほぼ同様の構造を有している。ここでは、特に第1実施形態と異なる構造についてのみ説明する。
図から明らかなように、前記実施形態におけるスライダ21、ピン23、板状シール24が設けられていない。このため、シート部材2の半径方向外側部が環状シール27に当接し摺動するようになっており、シート部材2と環状流体チャンバ17の内壁面との隙間が第1チョーク隙間になっている。また、曲がり板ばね19の外周側リング部51が直接環状シール27に当接し摺動するようになっている。さらに、サポートプレート22は筒状部分のみとなっている。このような実施形態においても、粘性抵抗発生空間47を1対のシート部材20により形成することにより、大きな粘性抵抗を得ることが可能になっている。
第3実施形態
図36及び図37に示すように、スライダ81の外周面に複数の流体溜まり凹部81aを形成してもよい。この流体溜まり凹部81aに流体が溜まることにより、スライダ81と粘性抵抗発生空間の外周側内壁面との間が充分に潤滑され、長期間にわたって大きな摺動抵抗が発生しない状態を保てる。すなわち、曲がり板ばねの外周側における摺動抵抗を小さくできる。
【0046】
〔他の変形例〕
第1実施形態で開示したスライダ21は、内部に流体が充填されていないダンパー機構にも用いることができる。また、回転体としては円柱形状に限定されず球であってもよい。
粘性ダンパー6は、フライホイール組立体以外の装置にも用いることが可能である。たとえば、クラッチディスク組立体やトルクコンバータのロックアップ装置にも採用できる。
【0047】
さらに、フライホイール組立体においても、第1フライホイール4とプレート15,16とを一体の部材として形成してもよいし、ドリブンプレート18と第2フライホイール5とを一体の部材として形成してもよい。さらに、環状流体チャンバを構成する構造は、実施形態のプレート15,16及びドリブンプレート18の形状に限定されない。
【0048】
隣接する流体通過凹部45同士は一体に形成されて空間48全体にわたって延びていてもよい。
弧状空間及びばね部材は3つ以上でもよい。
曲がり板ばねの構造は前記実施形態に限定されない。また、曲がり板ばねの代わりに他の種類のばねを用いてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る粘性ダンパー機構では、1対の板状シールがチャンバの内周部をシールしているため、チャンバ内から流体が漏れにくくなっており、そのため大きな粘性抵抗を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態が採用されたフライホイール組立体の一部を取り外した平面図。
【図2】フライホイール組立体の縦断面図。
【図3】フライホイール組立体の縦断面図。
【図4】図1の部分拡大図。
【図5】シート部材の平面図。
【図6】図5のVI矢視図。
【図7】図5のVII −VII 断面図。
【図8】ダンパー機構の一動作状態を示す、図4に対応する図。
【図9】図4のIX矢視図。
【図10】サポートプレートの平面図。
【図11】図10のXI−XI断面図。
【図12】図1の部分拡大図。
【図13】粘性ダンパー機構の一動作状態を示す、図12に対応する図。
【図14】粘性ダンパーの一動作状態を示す、図12に対応する図。
【図15】シート部材20と流体通過凹部との関係を示すための概略断面図。
【図16】シート部材20と流体通過凹部との関係を示すための概略断面図。
【図17】シート部材20と流体通過凹部との関係を示すための概略断面図。
【図18】粘性ダンパーの平面図。
【図19】粘性ダンパーの概略を示すための模式平面図。
【図20】粘性ダンパーの一動作状態を説明するための図19に対応する図。
【図21】粘性ダンパーの一動作状態を説明するための図19に対応する図。
【図22】スライダの正面図。
【図23】スライダの平面図。
【図24】スライダの背面図。
【図25】図1の部分拡大図。
【図26】スライダの一動作状態を示すための図25に対応する図。
【図27】図1の部分拡大図。
【図28】シート部材と板状シールとを示す平面図。
【図29】曲がり板ばねの平面図。
【図30】曲がり板ばねの断面図。
【図31】図29の部分拡大図。
【図32】粘性ダンパーの一動作状態を示すための図31に対応する図。
【図33】第2実施形態におけるフライホイール組立体の縦断面概略図。
【図34】フライホイール組立体の一部を取り去った状態の平面図。
【図35】フライホイール組立体の部分縦断面図。
【図36】第3実施形態におけるスライダの正面図。
【図37】スライダの断面図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体
2 クランクシャフト
3 クラッチカバー組立体
4 第1フライホイール
5 第2フライホイール
6 粘性ダンパー
15 ドライブプレート
16 シールプレート
17 環状流体充填室
18 ドリブンプレート
19 曲がり板ばね
21 スライダ
22 サポートリング
23 ピン
24 板状シール
25 係合プレート
27 環状シール
31 小粘性抵抗発生機構
32 スライダ収容室
33 通路
34 開閉スライダ
45 流体通過凹部
47 粘性抵抗発生空間
48 空間

Claims (6)

  1. 円周方向に延び流体が充填されるチャンバを形成する第1回転部材と、
    前記第1回転部材に相対回転可能な第2回転部材と、
    前記チャンバ内に配置され、前記第1回転部材と前記第2回転部材とが相対回転すると円周方向に圧縮される弾性部材と、
    前記弾性部材の円周方向両側に配置されて前記弾性部材を支持する1対のシート部材と、
    前記1対のシート部材のそれぞれの半径方向内側端に係合する一端をそれぞれ有し、反対側の前記シート部材に向かって円周方向に延び、前記チャンバの内周部をシールするための1対の板状シールと、
    前記チャンバ内に形成された粘性抵抗発生部と、
    を備えた粘性ダンパー機構。
  2. 前記1対の板状シールは他端同士が半径方向に重なっている、請求項1に記載の粘性ダンパー機構。
  3. 前記第1回転部材は前記チャンバの両側壁を形成する1対の円板状部を有し、
    前記第2回転部材は前記第1回転部材の内周側に配置された環状部を有し、
    前記1対の板状シールの外周側で、前記1対の円板状部の一方の内周部と前記第2回転部材の前記環状部との間と、前記1対の円板状部の他方の内周部と前記第2回転部材の前記環状部との間とに、それぞれ配置された1対の環状シール部材をさらに備えた請求項1又は2に記載の粘性ダンパー機構。
  4. 前記1対の環状シール部材は前記第1及び第2回転部材に対して半径方向に移動不能であり、
    前記1対の環状シール部材に両端が係止され、前記弾性部材に係合することで前記弾性部材の半径方向外方への移動を制限する制限部材をさらに備えている、請求項に記載の粘性ダンパー機構。
  5. 前記1対の環状シール部材は前記第1及び第2回転部材に対して回転可能である、請求項に記載の粘性ダンパー機構。
  6. 前記1対の環状シール部材には円周方向に延びる切欠きが形成され、
    前記制限部材は両端が前記切欠き内に挿入されている、請求項またはに記載の粘性ダンパー機構。
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