JP3585210B2 - 空調用ダクトの製造・取付方法 - Google Patents

空調用ダクトの製造・取付方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空調用ダクトの製造・取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両は、車室前部に装備したインストルメントパネルの裏側に、空調用ダクトを配置し、このダクトから車室へ冷風や温風を吹出すようにしたものである。このようなダクトは多種類あり、例えば、(イ)特開平8−80762号公報「インストルメントパネル」や(ロ)特開平9−267623号公報「インストルメントパネル」がある。
【0003】
上記(イ)は、その公報の図1〜図4によれば、アウタパネル1(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)とインナパネル11とを重ね合わせ、振動溶着することによってインストルメントパネルとなし、このインストルメントパネルの所定位置で、アウタ・インナパネル1,11間に角断面の空間部を形成することによって、この空間部をダクト部12〜14とするというものである。
【0004】
上記(ロ)は、その公報の図1及び図2によれば、ブロー成形品からなる角断面の通風ダクト2の左右両側部に、この通風ダクト2をインストルメントパネル1の裏面に取付けるための翼部3a,3bを一体に形成し、さらに、通風ダクト2とインストルメントパネル1との間に所定の空間5を設けるというものである。翼部3a,3bは、インストルメントパネル1に超音波溶着、振動溶着、熱溶着又はタップネジにて接合するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記(イ)のダクト部12〜14は角断面ダクトであるから、比較的圧力損失が大きい。圧力損失が大きいので、所要風量を確保するための改良の余地がある。しかも、角断面ダクトであるから、インストルメントパネルの裏側で複雑な形状の部分に自由に配置するには、改良の余地がある。
また、一般に、アウタ・インナパネル1,11は、成形時に生じた不要部分を除去すると、残った部分の先端にバリが生じる。バリが残った状態であると、アウタ・インナパネル1,11同士の接合部分に隙間が生じる。確実に接合するためには、バリを除去する必要があり、除去作業が面倒である。
さらには、上記(イ)のダクト部12〜14の製造やインストルメントパネルへの取付工程を自動化するためには、改良の余地がある。
【0006】
上記(ロ)の通風ダクト2も、上記(イ)同様に角断面ダクトであるから、比較的圧力損失が大きく、しかも、インストルメントパネル1の裏側で複雑な形状の部分に自由に配置するには、改良の余地がある。
また、インストルメントパネル1に取付けるための翼部3a,3bが、通風ダクト2の左右両側部に2個あるので、インストルメントパネル1の裏側で複雑な形状の部分に自由に取付けるには、改良の余地がある。さらには、インストルメントパネル1に複数個の通風ダクト2を取付けるには、各通風ダクト2毎に2個の翼部3a,3bを個別に取付けることになるので、取付け作業が面倒である。
一般に、通風ダクト2は、成形時に生じた不要部分を除去すると、残った部分の先端にバリが生じる。翼部3a,3bにバリが残った状態であると、インストルメントパネル1と翼部3a,3bとの接合部分に隙間が生じる。確実に接合するためには、バリを除去する必要があり、除去作業が面倒である。
さらにまた、通風ダクト2の製造やインストルメントパネル1への取付工程を自動化するためには、改良の余地がある。
【0007】
そこで、請求項1の目的は、ダクトの製造・取付工程を自動化可能な技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、筒部とこの筒部を車両用インストルメントパネルに取付けるために前記筒部からインストルメントパネル裏面側に張り出した断面略コ字体からなる脚部と、インストルメントパネル裏面側に膨出する膨出部を有する脚部とを備える空調用ダクトを、ブロー成形にて一体に成形する工程と、ダクト成形時に生じた不要部分を除去してダクトの形状を整える工程と、形状を整えたダクトの前記断面略コ字体からなる脚部の平坦面及び膨出する膨出部を備える脚部の膨出部をインストルメントパネルの裏面に振動溶着にて取付ける工程とからなることを特徴とする空調用ダクトの製造・取付方法である。
【0009】
ブロー成形法であれば、筒部とこの筒部から張り出した脚部とからなるダクトを、自動的に一体成形することができる。また、ダクト成形時に生じた不要部分を、自動的に除去してダクトの形状を整えることができる。そして、振動溶着であれば、ダクトの脚部をインストルメントパネルに自動的に取付けることができる。従って、ダクトを自動的に成形し、ダクトの形状を自動的に整えた後に、脚部をインストルメントパネルに自動的に取付けることによって、ダクトの製造・取付工程の自動化を図ることができる。
【0010】
請求項は、請求項において、前記膨出部を有する脚部は、脚部の先端部にインストルメントパネル裏面側から離れる側に折り返し部を備え、先端部はブロー成形の不要部分を除去して残った除去端で構成したことを特徴とする空調用ダクトの製造・取付方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は乗員から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側、「Up」は上側、「Lo」は下側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0012】
図1は本発明に係る車両用インストルメントパネルの正面図であり、乗員から見た車両用インストルメントパネル1を示す。
車両用インストルメントパネル1は、図示せぬ車室前部に装備する樹脂製パネルであり、正面視(図の手前から見て)で、左下部のグローブボックス用凹部2と、グローブボックス用凹部2の下方の収納部取付け用開口3と、右上部の計器類取付け用開口4と、右下部のステアリングシャフト貫通用開口5と、上部左右の横長状のフロントデフロスタ用吹出し口6L,6Rと、左右端部の補助サイドデフロスタ用吹出し口7L,7Rと、補助サイドデフロスタ用吹出し口7L,7Rの下方の左右のサイドデフロスタ用吹出し口8L,8Rと、助手席のための左下部のベント用吹出し口9とを備えたものである。インストルメントパネル1には、裏側に破線にて示す空調用ダクト10を配置したものであり、以下、空調用ダクト10について詳細に説明する。
【0013】
図2は本発明に係る空調用ダクトの正面図であり、乗員から見た空調用ダクト10を示す。
空調用ダクト10は、図示せぬ空調設備から車室へ冷風や温風を導くダクトである。この空調用ダクト10は、車幅中央に配置したデフロスタ共通ダクト20と、デフロスタ共通ダクト20に接続した上部左右のフロントデフロスタダクト30L,30R、左右の第1サイドデフロスタダクト40L,40R並びに左右の第2サイドデフロスタダクト50L,50Rと、デフロスタ共通ダクト20の下方に配置したベント下部ダクト60と、ベント下部ダクト60に接続したベントダクト70とを、一体に成形した樹脂製ブロー成形品である。
【0014】
デフロスタ共通ダクト20は、空調設備のエア吐出口に接続したダクトであり、このダクトは、共通部21と、共通部21の上部から左右へ略Y字状に分岐したフロントデフ用分岐部22と、共通部21からフロントデフ用分岐部22の左右側壁に沿って更に分岐した左右のサイドデフ用分岐部23L,23Rとからなる。
左右のフロントデフロスタダクト30L,30Rは、フロントデフ用分岐部22の分岐した上端から上方へ延びた立上げ部31と、立上げ部31の上端から左右へ横長状に延びた水平部32と、水平部32の正面(図の手前側)の全体に開口した吹出し口33とからなる。
【0015】
左右の第1サイドデフロスタダクト40L,40Rは、左右のサイドデフ用分岐部23L,23Rから、フロントデフロスタ30L,30Rの下面に沿って、左右へ延ばし、その延長した先端を斜め下後方に向け、更にその端面に角形の吹出し口41を開けたダクトである。
左右の第2サイドデフロスタダクト50L,50Rは、第1サイドデフロスタダクト40L,40Rの先端近傍から分岐して下方へ延ばし、その延長した先端を斜め後方に向け、その端面に吹出し口51を開けた丸断面ダクトである。
【0016】
ベント下部ダクト60は、空調設備のエア吐出口に接続したダクトである。
ベントダクト70は、ベント下部ダクト60からデフロスタ共通ダクト20の左側面、左の第1サイドデフロスタ40Lの下面並びに左の第2サイドデフロスタダクト50Lの下面に沿って延ばし、その延長した先端に後方を向けて角形の吹出し口71を開けたダクトである。
【0017】
空調用ダクト10の各吹出し口と、図1に示すインストルメントパネル1の各吹出し口との関係は、次の通りである。
(1)左右のフロントデフロスタダクト30L,30Rの吹出し口33,33は、フロントデフロスタ用吹出し口6L,6Rと接続したものである。
(2)左右の第1サイドデフロスタダクト40L,40Rの吹出し口41,41は、補助サイドデフロスタ用吹出し口7L,7Rと接続したものである。
(3)左右の第2サイドデフロスタダクト50L,50Rの吹出し口51,51は、サイドデフロスタ用吹出し口8L,8Rと接続したものである。
(4)ベントダクト70の吹出し口71は、ベント用吹出し口9と接続したものである。
【0018】
ところで、空調用ダクト10は、(1)フロントデフ用分岐部22の左右側壁とサイドデフ用分岐部23L,23Rとを第1繋ぎ部81,81で繋ぎ、(2)左右のフロントデフロスタダクト30L,30Rと左右の第1サイドデフロスタダクト40L,40Rとを第2繋ぎ部82,82で繋ぎ、(3)共通部21とベントダクト70とを第3繋ぎ部83で繋ぎ、(4)左の第1サイドデフロスタダクト40Lとベントダクト70とを第4繋ぎ部84で繋ぎ、(5)左の第1サイドデフロスタダクト40Lと左の第2サイドデフロスタダクト50Lとベントダクト70とを第5繋ぎ部85で繋いだものである。
【0019】
図3は図1の3−3線断面図であり、複数個のダクト30L,40L,70を第2・第4繋ぎ部82,84で繋いで、空調用ダクト10としたことを示す。
詳しくは、左のフロントデフロスタダクト30Lは略L字断面の角筒部からなり、左の第1サイドデフロスタダクト40Lは略平行四辺形断面の角筒部からなり、ベントダクト70は円筒部からなる。
【0020】
左のフロントデフロスタダクト30Lは、吹出し口33の部分から張り出した脚部34を一体に成形し、この脚部34をインストルメントパネル1の裏面1aに取付けるようにしたものである。
【0021】
左の第1サイドデフロスタダクト40L並びにベントダクト70は、インストルメントパネル1の裏面1aから所定距離だけ離すことによって、間に隙間Sを設けたものである。隙間Sがあるので、第1サイドデフロスタダクト40Lやベントダクト70から、インストルメントパネル1へ伝わる熱量は極めて小さい。従って、インストルメントパネル1、第1サイドデフロスタダクト40L並びにベントダクト70の表面温度がほとんど変化しないので、結露を防止できる。
【0022】
空調用ダクト10の繋ぎ部のうちの少なくとも1個、例えば、第4繋ぎ部84は、インストルメントパネル1の裏面1aに取付けるための脚部を兼ねたものである。第4繋ぎ部84が脚部を兼ねるので、別個の脚部を設ける必要がなく、空調用ダクト10の構造が簡単になる。しかも、脚部を兼ねた第4繋ぎ部84をインストルメントパネル1に取付けることによって、第4繋ぎ部84で繋がれた複数個のダクト40L,70を、インストルメントパネル1に同時に取付けることができる。従って、空調用ダクト10の取付け作業は簡単である。
脚部34並びに第4繋ぎ部84の詳細については後述する。
【0023】
図4は図1の4−4線断面図であり、デフロスタ共通ダクト20の断面構造を示す。
デフロスタ共通ダクト20は、(1)共通部21の背面に、図示せぬ空調設備のエア吐出口に接続するエア入口24を開けたこと、(2)最下部並びに最上部に脚部25,26を一体に形成し、これらの脚部25,26をインストルメントパネル1の裏面1aに振動溶着にて取付けたことを特徴とする。
【0024】
脚部25,26は、先端に且つインストルメントパネル1から離れる側に折返した、折返し部28を設けたものである。詳しくは、脚部25,26は、インストルメントパネル1の裏面1aと接して振動溶着するように張り出した鍔部27と、鍔部27の先端から且つインストルメントパネル1から離れる側に折返した折返し部28と、折返し部28の先端からインストルメントパネル1の裏面1aに沿って張り出した先端部29とを一体に形成したものである。
先端部29は、空調用ダクト10の成形時に生じた不要部分を除去した後に残った、除去端となる。不要部分を除去することによって、空調用ダクト10の形状を整えることができる。
【0025】
図5は図1の5−5線断面図であり、右のフロントデフロスタダクト30R並びに右の第1サイドデフロスタダクト40Rの断面構造を示す。これらのダクト30R,40Rは上記図3に示す左のフロントデフロスタダクト30L並びに左の第1サイドデフロスタダクト40Lと同一断面構造である。
右の第1サイドデフロスタダクト40Rは、最下部に脚部42を一体に形成し、この脚部42をインストルメントパネル1の裏面1aに振動溶着にて取付けたことを特徴とする。
【0026】
脚部42は、先端に且つインストルメントパネル1から離れる側に折返した、折返し部44を設けたものである。詳しくは、脚部42は、インストルメントパネル1の裏面1aと接して振動溶着するように張り出した鍔部43と、鍔部43の先端から且つインストルメントパネル1から離れる側に折返した折返し部44と、折返し部44の先端からインストルメントパネル1の裏面1aに沿って張り出した先端部45とを一体に形成したものである。
先端部45は、空調用ダクト10の成形時に生じた不要部分を除去した後に残った、除去端となる。不要部分を除去することによって、空調用ダクト10の形状を整えることができる。
【0027】
図6は本発明に係るベントダクト並びに第4繋ぎ部の詳細図である。
ベントダクト70は丸断面(円断面)ダクトであり、これと同一断面積の角断面ダクトに比べて圧力損失が小さい。以下、このことを解析して説明する。
管路(ダクト)の圧力損失hの一般式は、次の式(1)の通りである。但し、λ:管の摩擦係数、l:管の長さ、v:流体の平均流速、m=S/L、S:管内の断面積、L:管の断面における周の長さ、g:重力加速度。
【0028】
【数1】
Figure 0003585210
【0029】
管内の断面積Sが1で、一辺の長さaが1の正方形断面では、
m=S/L=S/4・a=1/(4×1)=0.25
となる。
一方、管内の断面積Sが1の円断面では、管の内径d=1.13となり、
m=S/L=S/πd=1/(π×1.13)=0.28
となる。
上記式(1)から、mが大きい程、hは小さくなることが判る。従って、正方形断面の圧力損失hに対する、円断面の圧力損失hの比率は、
(0.25/0.28)=0.89
である。すなわち、円断面の圧力損失hは、正方形断面の圧力損失hの89%ですみ、低損失となる。
【0030】
以上の説明から明らかなように、ベントダクト70は丸断面ダクトであり、これと同一断面積の角断面ダクトに比べて圧力損失が小さい。圧力損失が小さいダクトであれば、送風機の性能を高めなくとも、所要風量を確保することは容易である。風量を確保すれば、空調設備の効率が良い。
【0031】
さらには、円筒部からなるベントダクト70は、角筒部のように角がない。角がないので、インストルメントパネル1の複雑な形状の部分にも、容易に配置することができる。
【0032】
また、脚部を兼ねた第4繋ぎ部84は、ベントダクト70からインストルメントパネル1の裏面1aまで張り出したものである。この張り出した第4繋ぎ部(脚部)84は、ベントダクト70の円周上に1個だけであり、ベントダクト70の取付け部分が少ない。円周上に1個と少ないので、インストルメントパネル1の複雑な形状の部分にも、その形状に合せて自由に第4繋ぎ部84の位置を設定して、容易に取付けることができる。
例えば、第4繋ぎ部84は、インストルメントパネル1から離れる側に開放した断面略コ字体であり、しかも、インストルメントパネル1の裏面1aと接する取付面84aを、振動溶着が可能なように平坦面としたものである。
このように、ベントダクト70が円筒部からなり、しかも、第4繋ぎ部84が円周上に1個と少ないので、インストルメントパネル1の裏側で複雑な形状の部分に、ベントダクト70を容易に配置することができ、取付けも容易である。
【0033】
第4繋ぎ部(脚部)84は、ベントダクト70とともに成形されるブロー成形品である。このため、第4繋ぎ部84は、板を2枚重ね合わせた2層構造なので厚みが増す。厚さが大きいことによって大剛性となった第4繋ぎ部84を、インストルメントパネル1に取付けることによって、インストルメントパネル1を補強することができる。
【0034】
図7は本発明に係る左のフロントデフロスタダクトにおける脚部廻りの断面図である。
本発明の脚部34は(a)に示すように、先端に且つインストルメントパネル1から離れる側に折返した、折返し部37を設けたものである。詳しくは、脚部34は、吹出し口33の部分からインストルメントパネル1の裏面1aに沿って張り出した鍔部35と、鍔部35からインストルメントパネル1の裏面1aと接するように膨出した膨出部36と、膨出部36の先端から且つインストルメントパネル1から離れる側に折返した折返し部37と、折返し部37の先端からインストルメントパネル1の裏面1aに沿って張り出した先端部38とからなる。先端部38は、空調用ダクト10の成形時に生じた不要部分を除去した後に残った、除去端となる。不要部分を除去することによって、空調用ダクト10の形状を整える(トリミングする)ことができる。
【0035】
(b)は脚部34の比較例であり、上記(a)に示す脚部34のような、膨出部36並びに折返し部37を有しない構造である。不要部分を除去した際に、残った先端部38にはバリBが生じる。バリBが残った状態であると、インストルメントパネル1と脚部34との間に隙間δが生じるので、接合するのに不都合である。確実に接合するためには、バリBを除去する必要があり、除去作業が面倒である。
【0036】
これに対して、上記(a)に示す脚部34は、先端に且つインストルメントパネル1から離れる側に折返した、折返し部37を設けたので、先端部38にバリBが生じても、バリBはインストルメントパネル1から離れた部分にある。従って、バリBがあっても、脚部34をインストルメントパネル1に密接させ、振動溶着にて確実に取付けることができる。しかも、バリBを除去する必要がないので、取付け作業は簡単である。
【0037】
次に、上記構成の空調用ダクト10の製造・取付手順を、図8〜図10に基づき説明する。
図8(a)〜(d)は本発明に係る空調用ダクトのブロー成形方法の説明図であり、空調用ダクト10をブロー成形する工程を模式的に示す。(a)はブロー成形機の模式的断面図、(b)は(a)のb−b線断面図、(c)は(b)と同一断面での次のステップを示す断面図、(d)は(c)と同一断面でのさらなる次のステップを示す断面図である。
【0038】
先ず、(a)及び(b)において、左右の成形用型91L,91Rを開いた状態で、図示せぬ押出機で加熱溶融させた樹脂を、ダイヘッド92からチューブ状に押出して予備成形する。このチューブ状の樹脂をパリソン93と言う。その後、左右の成形用型91L,91Rを型閉めし、溶融状態のパリソン93を挟み込む。
次に、(c)において、パリソン93の内部に圧縮空気を吹き込んで、左右の成形用型91L,91Rに合せて膨らませ、成形する。
最後に、(d)において、左右の成形用型91L,91Rを型開きし、固化した成形品としての空調用ダクト10を取り出す。
【0039】
以上の手順によって、空調用ダクト10をブロー成形にて成形することができる。例えば、複数個のダクト30L,40L,70、脚部34、第2・第4繋ぎ部82,84等からなる空調用ダクト10を、ブロー成形にて一体に成形するので、複雑な形状で大型の空調用ダクト10であっても、容易に自動的に成形することができる。しかも、ブロー成形品なので、複雑な形状で大型の成形品であっても気密性を高めて、容易に成形することができ、また、部品数を削減することができる。この結果、空調用ダクト10の低コスト化を図ることができる。
【0040】
図9は本発明に係る空調用ダクトのトリミング方法の説明図であり、上記図8で成形した空調用ダクト10の形状を整える工程を模式的に示す。
ブロー成形品からなる空調用ダクト10は、成形時に不要部分95,96が生じる。成形した後に線C1,C2で切断し、不要部分95,96を除去して、空調用ダクト10の形状を整える。これで、空調用ダクト10の製造作業は完了する。このように、不要部分95,96を自動的に除去して空調用ダクト10の形状を整えることは容易である。
【0041】
図10は本発明に係る空調用ダクトの取付け方法の説明図であり、上記図9にて形状を整えた空調用ダクト10の脚部34,84をインストルメントパネル1に取付ける工程を模式的に示す。
インストルメントパネル1の裏側の所定位置に空調用ダクト10を配置し、吹出し口6L,33同士の位置を合わせる。そして、インストルメントパネル1の裏面1aに、脚部34並びに第4繋ぎ部(脚部)84を重ね、その重ね合わせ部分を圧接治具98…にて所定の押圧力で押さえる。次に、この状態で、インストルメントパネル1と脚部34,84との一方を、所定の周波数(例えば100Hz程度)で且つ微小の振幅(例えば2mm程度)で振動させる。つまり、往復運動させる。振動方向は、例えば図の表裏方向である。そして、振動させることによって発生した摩擦熱で、インストルメントパネル1と脚部34,84とを溶着、すなわち、振動溶着する。このように、脚部34,84をインストルメントパネル1に振動溶着にて自動的に取付けることは容易である。
【0042】
以上の説明から明らかなように、空調用ダクト10を自動的に成形し、不要部分を自動的に除去して空調用ダクト10の形状を整えた後に、空調用ダクト10の脚部をインストルメントパネル1に自動的に取付けることによって、空調用ダクト10の製造・取付工程を自動化することができる。
【0043】
以上に詳述した説明から明らかなように、空調用ダクト10は次の特徴を有する。
車両用インストルメントパネルの裏側に配置する空調用ダクトにおいて、このダクトは、複数個の筒部と、これら複数個の筒部を繋ぐ繋ぎ部とからなり、この繋ぎ部のうちの少なくとも1個を、インストルメントパネルに取付けるための脚部とし、このダクトのこれら複数個の筒部と繋ぎ部と脚部とを一体成形してなるブロー成形品であり、このダクトの脚部は、インストルメントパネル裏面まで張り出した断面略コ字体であり、この脚部の平坦を取付面とし、この取付面をインストルメントパネル裏面に振動溶着することでインストルメントパネルとダクトとを一体化した、ことを特徴とする。
さらには、脚部は、インストルメントパネル裏面から離れる側に開放した断面略コ字体 であって、インストルメントパネル裏面と筒部間に所定の間隔を開けたことを特徴とする。
さらには、脚部は、インストルメントパネル裏面と筒部との間に所定の隙間を設けるように張り出したことを特徴とする。
【0044】
このような特徴によれば、(1)複数個の筒部を繋ぐ繋ぎ部のうちの少なくとも1個を、インストルメントパネルに取付けるための脚部とするので、別個の脚部を設ける必要がなく、構造が簡単になる。
(2)繋ぎ部を脚部とするので、複数個の筒部をインストルメントパネルに同時に取付けることができ、取付け作業が簡単になる。
(3)ダクトが、複数個の筒部と繋ぎ部と脚部とを一体成形してなるブロー成形品なので、複雑な形状で大型のダクトであっても気密性を高めて、容易に成形することができ、また、部品数を削減することができる。この結果、ダクトの低コスト化を図ることができる。しかも、ブロー成形品からなる脚部は、板を2枚重ね合わせた2層構造なので厚みが増す。厚さが大きいことによって大剛性となった脚部を、インストルメントパネルに取付けることによって、インストルメントパネルを補強することができる。
【0045】
さらに、空調用ダクト10は次の特徴をも有する。
車両用インストルメントパネルの裏側に配置する空調用ダクトにおいて、このダクトは、筒部と、インストルメントパネルに取付けるために筒部から張り出した脚部とからなり、この脚部の先端にインストルメントパネルから離れる側に折返した折返し部を設け、これら筒部と脚部と折返し部とを一体成形してなるブロー成形品であり、脚部はインストルメントパネル裏面側に膨出する膨出部、インストルメントパネル裏面側から離れる折り返し部及びブロー成形の不要部分を除去して残った除去端で構成した先端部からなり、膨出部を振動溶着することで、インストルメントパネルとダクトとを一体化したことを特徴とする。
さらには、脚部は、インストルメントパネル裏面と筒部との間に所定の隙間を設けるように張り出したことを特徴とする。
【0046】
このような特徴によれば、(1)インストルメントパネルに取付けるために筒部から張り出した脚部の先端に、インストルメントパネルから離れる側に折返した折返し部を設けたので、折返し部の先端が、インストルメントパネルから離れた部分にある。従って、ブロー成形品からなるダクトのうち、成形時に生じた不要部分を除去した際に、折返し部の先端にバリが生じても、バリはインストルメントパネルから離れた部分にある。この結果、バリがあっても、脚部をインストルメントパネルに密接させることができるので、脚部を確実に取付けることができる。しかも、バリを除去する必要がないので、取付け作業は簡単である。
(2)ダクトが、筒部と脚部と折返し部とを一体成形してなるブロー成形品なので、複雑な形状で大型のダクトであっても気密性を高めて、容易に成形することができ、また、部品数を削減することができる。この結果、ダクトの低コスト化を図ることができる。
【0047】
このように、インストルメントパネルへの取付けを簡単にした、複数個の筒部からなるダクトを提供するという目的を達成できる。
さらには、脚部の先端にバリがあっても、脚部をインストルメントパネルに確実に取付けることができるダクトを提供するという目的を達成できる。
【0048】
なお、上記本発明の実施の形態において、空調用ダクト10は、運転席側(図2の右側)に、ベントダクト70と同様のベント用ダクトを備えてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、筒部とこの筒部から張り出した脚部とからなるダクトを、ブロー成形にて一体に成形するので、複雑な形状で大型のダクトであっても、容易に自動的に成形することができる。
また、ダクト成形時に生じた不要部分を、自動的に除去してダクトの形状を整えることは容易である。
さらには、形状を整えたダクトの脚部を、インストルメントパネルに振動溶着にて自動的に取付けることも容易である。
このように、ダクトを自動的に成形し、不要部分を自動的に除去してダクトの形状を整えた後に、ダクトの脚部をインストルメントパネルに自動的に取付けることによって、ダクトの製造・取付工程を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用インストルメントパネルの正面図
【図2】本発明に係る空調用ダクトの正面図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】図1の4−4線断面図
【図5】図1の5−5線断面図
【図6】本発明に係るベントダクト並びに第4繋ぎ部の詳細図
【図7】本発明に係る左のフロントデフロスタダクトにおける脚部廻りの断面図
【図8】本発明に係る空調用ダクトのブロー成形方法の説明図
【図9】本発明に係る空調用ダクトのトリミング方法の説明図
【図10】本発明に係る空調用ダクトの取付け方法の説明図
【符号の説明】
1…車両用インストルメントパネル、10…空調用ダクト、29,37,44…折返し部、30L,30R,40L,40R,70…筒部(フロントデフロスタダクト、第1サイドデフロスタダクト、円筒部としてのベントダクト)、81,82,83,85…繋ぎ部(第1・第2・第3・第5繋ぎ部)、84…円周上1個の脚部(第4繋ぎ部)、91L,91R…成形用型、93…パリソン、95,96…不要部分、98…圧接治具、B…バリ。

Claims (2)

  1. 筒部とこの筒部を車両用インストルメントパネルに取付けるために前記筒部からインストルメントパネル裏面側に張り出した断面略コ字体からなる脚部と、インストルメントパネル裏面側に膨出する膨出部を有する脚部とを備える空調用ダクトを、ブロー成形にて一体に成形する工程と、
    ダクト成形時に生じた不要部分を除去してダクトの形状を整える工程と、
    形状を整えたダクトの前記断面略コ字体からなる脚部の平坦面及び膨出する膨出部を備える脚部の膨出部をインストルメントパネルの裏面に振動溶着にて取付ける工程と、
    からなる空調用ダクトの製造・取付方法。
  2. 前記膨出部を有する脚部は、脚部の先端部にインストルメントパネル裏面側から離れる側に折り返し部を備え、先端部はブロー成形の不要部分を除去して残った除去端で構成したことを特徴とする請求項に記載の空調用ダクトの製造・取付方法。
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