JP3584918B2 - 熱電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

熱電変換素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3584918B2
JP3584918B2 JP2001307170A JP2001307170A JP3584918B2 JP 3584918 B2 JP3584918 B2 JP 3584918B2 JP 2001307170 A JP2001307170 A JP 2001307170A JP 2001307170 A JP2001307170 A JP 2001307170A JP 3584918 B2 JP3584918 B2 JP 3584918B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
thermoelectric
conversion element
temperature
thermoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001307170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002198575A (ja
Inventor
忠志 野村
久保  竜一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001307170A priority Critical patent/JP3584918B2/ja
Publication of JP2002198575A publication Critical patent/JP2002198575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3584918B2 publication Critical patent/JP3584918B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は熱電変換素子およびその製造方法に関し、特に、熱電パターンの出力信号が温度補償されるサーモパイル型の熱電変換素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明の背景となる従来の熱電変換素子が、たとえば特許第2526247号公報および実開平3−117739号公報に開示されている。
図9は特許第2526247号公報に開示されている従来の熱電変換素子の一例を示す平面図解図である。図9に示す熱電変換素子1では、基板2上において、熱電パターン3から離れた隅部に、温度補償用の感温抵抗体パターン4が設けられている。
図10は実開平3−117739号公報に開示されている従来の熱電変換素子の他の例を示す平面図解図であり、図11は図10に示す熱電変換素子の正面図解図である。図10および図11に示す熱電変換素子1では、基板2と熱電パターン3の冷接点との間に、温度補償用の感温抵抗体パターン4が設けられている。なお、熱電パターン3の冷接点と感温抵抗体パターン4との間には、絶縁膜5が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す熱電変換素子1では、熱電パターン3の出力は熱電パターン3の冷接点の温度を基準にした相対出力であるため、温度の絶対値を正確に計測するためには、熱電パターン3の冷接点の温度を正確に検知することが必要である。ところが、温度補償用の感温抵抗体パターン4が基板2の隅部に設けられているため、基板2に温度分布がある場合、熱電パターン3の冷接点の温度を正確に検知できない。このため、正確な温度補償ができなくなり、誤差が大きくなる問題がある。
また、図10および図11に示す熱電変換素子1では、温度補償用の感温抵抗体パターン4が熱電パターン3の冷接点の下に配置されているため、感温抵抗体パターン4による段差をまたいで熱電パターン3を形成する必要がある。このため、熱電パターン3が断線しやすい構造になる。熱電パターン3が1箇所でも断線すると、熱電パターン3は機能しなくなるため、製造時の歩留まりが悪くなり、信頼性も劣化する問題がある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、温度分布がある場合でも熱電パターンの冷接点の温度を正確に検知でき、製造時の歩留まりと信頼性の劣化も改善できる熱電変換素子を提供することである。
この発明の他の目的は、温度分布がある場合でも熱電パターンの冷接点の温度を正確に検知でき、製造時の歩留まりと信頼性の劣化も改善できる熱電変換素子を効率よく製造することができる熱電変換素子の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる熱電変換素子は、小熱容量領域と、大熱容量領域と、温接点および冷接点を有し、温接点が小熱容量領域上に冷接点が大熱容量領域上にそれぞれ配置される熱電パターンとを含む熱電変換素子であって、冷接点の温度を検知するための感温抵抗体パターンが、熱電パターンと同一面で冷接点の外周に沿ってかつ冷接点がある部分のみに近接して形成される、熱電変換素子である。
この発明にかかる熱電変換素子では、冷接点および感温抵抗体パターンが熱伝導率の高い絶縁膜で覆われてもよい。
また、この発明にかかる熱電変換素子は、小熱容量領域と、大熱容量領域と、温接点および冷接点を有し、温接点が小熱容量領域上に冷接点が大熱容量領域上にそれぞれ配置される熱電パターンと、熱電パターンを覆う保護膜とを含む熱電変換素子であって、冷接点の温度を検知するための感温抵抗体パターンが、保護膜上で冷接点の外周に沿ってかつ冷接点がある部分のみに近接して形成される、熱電変換素子である。
この発明にかかる熱電変換素子では、熱電パターンは、異なる熱電材料をそれらの熱電材料とはさらに異なる接合材料で接合してなる熱電対を備え、熱電対の形成された基板上に、接合材料と同じ材料で感温抵抗体パターンが形成されてもよい。
また、この発明にかかる熱電変換素子では、接合材料と同じ材料で熱電パターンの信号取り出し用電極および感温抵抗体パターンの信号取り出し用電極が形成されてもよい。
さらに、この発明にかかる熱電変換素子では、接合材料として、たとえばPt,W,Pd,Ni,Crの中から選択される材料が用いられる。
この発明にかかる熱電変換素子の製造方法は、この発明にかかる熱電変換素子を製造するための熱電変換素子の製造方法であって、少なくとも接合材料および感温抵抗体パターンを同時に形成する、電熱変換素子の製造方法である。
また、この発明にかかる熱電変換素子では、感温抵抗体パターンに抵抗調整用パターンが付加されてもよい。
【0006】
この発明にかかる熱電変換素子では、感温抵抗体パターンが熱電パターンの冷接点の外周に沿ってかつ冷接点がある部分のみに近接して形成されているため、感温抵抗体パターンは、熱起電力と同じ温度分布情報を反映した抵抗値になる。そのため、温度分布がある場合でも、正確に冷接点の温度を検知することができ、正確に温度補償ができ、熱電パターンの測定精度が向上する。
さらに、この発明にかかる熱電変換素子では、熱電パターンおよび感温抵抗体パターンが、段差がない面に形成されていて段差をまたぐことがないため、製造時の歩留まりと信頼性を向上することができる。
なお、この発明にかかる熱電変換素子では、冷接点および感温抵抗体パターンが熱伝導率の高い絶縁膜で覆われると、熱電パターンの冷接点と感温抵抗体パターンとの間の熱伝導がよくなり、冷接点−感温抵抗体パターン間の温度差が小さくなる。そのため、感温抵抗体パターンはより正確に冷接点の温度を検知することができるようになり、さらに正確に温度補償ができ、熱電パターンの測定精度がさらに向上する。
また、この発明にかかる熱電変換素子では、熱電パターンの熱電対を構成する熱電材料の接合材料に熱電材料とは別の材料を用いることにより、電気的接合性の改良を図ることができ、材料の拡散などの問題を回避することができる。そして、この接合材料で感温抵抗体パターンを形成すれば、従来の製法に新たなプロセスを追加する必要なく、熱電対の接合部分と感温抵抗体パターンを同時に形成することができる。接合材料は成膜が容易で経時変化が少ないので、接合材料で膜状の感温抵抗体パターンを形成することにより、温度補償精度が向上し、熱電変換素子の感度精度を高めることができる。
さらに、この発明にかかる熱電変換素子の製造方法では、この発明にかかる熱電変換素子において同じ材料からなる少なくとも接合材料および感温抵抗体パターンを同時に形成するので、それらを異なった材料で別々に形成する場合に比べて、熱電変換素子を効率よく製造することができる。
また、この発明にかかる熱電変換素子では、感温抵抗体パターンに抵抗調整用パターンが付加されると、その抵抗調整用パターンの一部をレーザなどでカットすることによって感温抵抗体パターンの抵抗値を調整することが可能となり、感温抵抗体パターンの抵抗値のばらつきを吸収することができ、熱電パターンの測定精度が向上する。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかる熱電変換素子の一例を示す平面図解図であり、図2はその熱電変換素子の正面図解図である。図1および図2に示す熱電変換素子10は、たとえばSiからなる矩形板状の基板12を含む。基板12の上面には、たとえばSiO ,Al やAlNなどの絶縁体からなる1層または複数層の絶縁膜14が形成される。基板12には、絶縁膜14の正方形状の中央部分に対応する部分を下面から異方性エッチングなどの手段で除去することによって、空洞16が形成される。それによって、基板12を除去した部分すなわち絶縁膜14の中央部分で小熱容量領域18が形成され、基板12を除去していない部分すなわち基板12および絶縁膜14の外周部分で大熱容量領域20が形成される。すなわち、小熱容量領域18の周囲に大熱容量領域20が形成される。
【0009】
絶縁膜14の中央部分すなわち小熱容量領域18には、その上面の中央部にたとえば矩形板状の赤外線吸収体22が形成される。
【0010】
また、絶縁膜14の上面には、赤外線吸収体22の周囲に、熱電パターン24が形成される。熱電パターン24は複数の熱電対を含み、それぞれの熱電対はN型熱電材料パターン26aおよびP型熱電材料パターン26bを含む。したがって、熱電パターン24は、複数のN型熱電材料パターン26aおよび複数のP型熱電材料パターン26bを含む。複数のN型熱電材料パターン26aおよび複数のP型熱電材料パターン26bは、絶縁膜14上の複数の接続パターン28を介して、交互に直列に接続される。それらの接続パターン28は、N型熱電材料パターン26aおよびP型熱電材料パターン26bを接合して温接点30aおよび冷接点30bを形成するための接合材料となる。また、熱電パターン24は、温接点30aが小熱容量領域18上に配置され、冷接点30bが大熱容量領域20上に配置される。
【0011】
さらに、絶縁膜14の上面には、大熱容量領域20上に、2つの信号取り出し用電極31が形成される。こられの信号取り出し用電極31は、直列に接続された複数のN型熱電材料パターン26aおよび複数のP型熱電材料パターン26bの両端にそれぞれ接続される。
【0012】
さらに、絶縁膜14の上面であって大熱容量領域20上には、熱電パターン24の周囲に、各感温抵抗体パターン32が形成される。この場合、各感温抵抗体パターン32は、熱電パターン24の冷接点30bの外周に沿った部分のみにそれぞれ形成される。各感温抵抗体パターン32は、熱電パターン24の冷接点30bの温度を検知するためのものである。また、各感温抵抗体パターン32は、感温抵抗体パターン32の材料より抵抗温度係数が小さい金属材料からなり絶縁膜14上に形成される接続パターン34で直列に接続される。
【0013】
さらに、絶縁膜14の上面には、大熱容量領域20上に、2つの信号取り出し用電極35が形成される。こられの信号取り出し用電極35は、直列に接続された感温抵抗体パターン32の両端にそれぞれ接続される。
【0014】
図1および図2に示す熱電変換素子10では、熱電パターン24から、それぞれの温接点30aと冷接点30bとの温度差に比例して発生した熱起電力を加算した電圧が出力される。基板12に伝わる熱が一様でない場合、大熱容量領域20の温度分布は一様ではなくなる。この場合、基板12の温度が低い領域では温接点30aと冷接点30bとの温度差が高くなるため高い熱起電力が発生し、基板12の温度が高い領域では温接点30aと冷接点30bとの温度差が低くなるため低い熱起電力が発生する。熱電パターン24の出力は、これらを加算したものになるため、基板12の温度分布を反映したものになる。
【0015】
また、図1および図2に示す熱電変換素子10では、感温抵抗体パターン32が全ての冷接点30bに沿って近接して配置されているため、感温抵抗体パターン32は、熱起電力と同じ温度分布情報を反映した抵抗値になる。そのため、基板12に温度分布がある場合でも、正確に冷接点30bの温度を検知することができ、正確に温度補償ができ、熱電パターン24の測定精度が向上する。
【0016】
さらに、図1および図2に示す熱電変換素子10では、冷接点30bに沿わない部分が、抵抗温度係数が小さい金属材料からなる接続パターン34で配線されているので、冷接点30bに沿わない部分の温度分布の影響を除去でき、冷接点30bの部分のみの温度分布を反映した抵抗値を得ることができる。すなわち、温度補償で必要になるのは、冷接点30bの部分のみの温度分布を反映した抵抗値であるため、より正確に温度補償ができ、熱電パターン24の測定精度がより向上する。
【0017】
また、図1および図2に示す熱電変換素子10では、熱電パターン24および感温抵抗体パターン32が、段差がない同一面内に形成されていて段差をまたぐことがないため、製造時の歩留まりと信頼性を向上することができる。
【0018】
図3はこの発明にかかる熱電変換素子の他の例を示す正面図解図である。図3に示す熱電変換素子10では、図1および図2に示す熱電変換素子10と比べて、熱電パターン24の冷接点30bおよび感温抵抗体パターン32が、たとえばAl やAlNなどの熱伝導率が高い絶縁膜36で覆われる。
【0019】
図3に示す熱電変換素子10では、図1および図2に示す熱電変換素子10と同様の作用効果を奏するとともに、熱電パターン24の冷接点30bと感温抵抗体パターン32との間の熱伝導がよくなり、冷接点30b−感温抵抗体パターン32間の温度差が小さくなる。そのため、感温抵抗体パターン32はより正確に冷接点30bの温度を検知することができるようになり、さらに正確に温度補償ができ、熱電パターン24の測定精度がさらに向上する。
【0020】
さらに、図3に示す熱電変換素子10では、感温抵抗体パターン32が絶縁膜36で保護されるため、信頼性が向上する。
【0021】
図4はこの発明にかかる熱電変換素子のさらに他の例を示す正面図解図である。図4に示す熱電変換素子10では、図1および図2に示す熱電変換素子10と比べて、絶縁膜14、赤外線吸収体22および熱電パターン24と、感温抵抗体パターン32、接続パターン34および信号取り出し用電極35との間に保護膜38が形成される。
【0022】
図4に示す熱電変換素子10では、図1および図2に示す熱電変換素子10と同様の作用効果を奏するとともに、絶縁膜14、赤外線吸収体22および熱電パターン24が保護され、信頼性が向上する。
【0023】
図5はこの発明にかかる熱電変換素子のさらに他の例を示す平面図解図であり、図6はその熱電変換素子の正面図解図である。図5および図6に示す熱電変換素子10では、図1および図2に示す熱電変換素子10と比べて、接続パターン34が形成されず、1つの感温抵抗体パターン32が熱電パターン24の周囲に形成されている。
【0024】
さらに、図5および図6に示す熱電変換素子10では、赤外線吸収体22は、たとえばNiCr、金黒、酸化チタンなどで形成される。
また、熱電パターン24のN型熱電材料パターン26aおよびP型熱電材料パターン26bは、互いに異なる熱電材料で形成される。熱電材料としては、一般に用いられている材料を用いることができ、たとえば多結晶シリコン、InSb、Sb、Biなどが選択できる。
さらに、熱電パターン24の接続パターン28となる接合材料としては、たとえばPt、W、Pd、NiまたはCrなどが選択できる。
また、感温抵抗体パターン32は、接続パターン28となる接合材料と同じ材料で形成される。
さらに、熱電パターン24の信号取り出し電極31および感温抵抗体パターン32の信号取り出し電極35は、接続パターン28となる接合材料と同じ材料で形成される。
【0025】
図5および図6に示す熱電変換素子10でも、図1および図2に示す熱電変換素子10と同様の作用効果を奏する。
【0026】
さらに、図5および図6に示す熱電変換素子10では、熱電パターン24のN型熱電材料パターン26aおよびP型熱電材料パターン26b間に、熱電材料と異なる接合材料からなる接続パターン28が形成されることにより、オーミック接触を得て電気的接合性の改良を図ることができるとともに、材料の拡散などの問題を回避することができ、安定した電気的接触が得られる。
【0027】
さらに、図5および図6に示す熱電変換素子10では、感温抵抗体パターン32が接合材料で形成されているので、感温抵抗体パターン32の再現性が得やすくなる。また、感温抵抗体パターン32の吸湿や熱履歴による経時変化が小さくなる。そのため、温度補償の精度が向上し、ひいては熱電変換素子10の感度精度が向上する。
【0028】
また、図5および図6に示す熱電変換素子10は、たとえば接続パターン28、信号取り出し電極31、感温抵抗体パターン32およびの信号取り出し電極35を同じ材料で同時に形成することなどによって、製造される。
【0029】
上述のようにして図5および図6に示す熱電変換素子10を製造すれば、接続パターン28、信号取り出し電極31、感温抵抗体パターン32およびの信号取り出し電極35を異なった材料で別々に形成することなどによって熱電変換素子を製造する製造方法に比べて、工数を減らすことができ、製造の合理化、低コスト化を図ることができる。
【0030】
なお、図1〜図4に示す各熱電変換素子10において、図5および図6に示す熱電変換素子10と同様の材料を用いれば、図5および図6に示す熱電変換素子10と同様の効果を奏する。
【0031】
図7はこの発明にかかる熱電変換素子のさらに他の例を示す正面図解図である。図7に示す熱電変換素子10は、図5および図6に示す熱電変換素子10と比べて、図3に示す熱電変換素子10と同様に、熱電パターン24の冷接点30bおよび感温抵抗体パターン32が、たとえばAl やAlNなどの熱伝導率が高い絶縁膜36で覆われる。
【0032】
図7に示す熱電変換素子10では、図5および図6に示す熱電変換素子10と同様の作用効果を奏するとともに、図3に示す熱電変換素子10と同様の作用効果を奏する。
【0033】
図8はこの発明にかかる熱電変換素子のさらに他の例を示す平面図解図である。図8に示す熱電変換素子10は、図5および図6に示す熱電変換素子10と比べて、感温抵抗体パターン32の一部分を含む部分の上に抵抗調整用パターン40が形成されている。
【0034】
図8に示す熱電変換素子10では、図5および図6に示す熱電変換素子10と同様の作用効果を奏するとともに、抵抗調整用パターン40の一部をレーザなどでカットすることによって感温抵抗体パターン32の抵抗値を調整することが可能となり、感温抵抗体パターン32の抵抗値のばらつきを吸収することができ、熱電パターン24の測定精度が向上する。
【0035】
なお、上述の各熱電変換素子10では、小熱容量領域18および赤外線吸収体22がそれぞれ矩形板状に形成されているが、それらはそれぞれ円板状など他の形状に形成されてもよい。
【0036】
また、上述の熱電変換素子10では、接続パターン28、信号取り出し電極31、感温抵抗体パターン32およびの信号取り出し電極35が同じ材料で形成されているものもあるが、接続パターン28および感温抵抗体パターン32のみが同じ材料で形成されてもよく、または、接続パターン28、信号取り出し電極31、感温抵抗体パターン32およびの信号取り出し電極35が異なった材料で形成されてもよい。
接続パターン28および感温抵抗体パターン32が同じ材料で形成される場合、接続パターン28および感温抵抗体パターン32が異なった材料で形成される場合に比べて、接続パターン28および感温抵抗体パターン32を同じ材料で同時に形成することができ、熱電変換素子10を効率よく製造することができる。また、接続パターン28、信号取り出し電極31、感温抵抗体パターン32およびの信号取り出し電極35をPtで形成すれば、それらの経時変化が少なく、安定した特性が得られる。
【0037】
さらに、図1および図2などに示す熱電変換素子10では、感温抵抗体パターン32が熱電パターン24の周囲の4辺に形成されているが、この発明では感温抵抗体パターン32は熱電パターン24の周囲の1辺、2辺または3辺のみに形成されてもよい。
【0038】
【発明の効果】
この発明によれば、温度分布がある場合でも熱電パターンの冷接点の温度を正確に検知でき、製造時の歩留まりと信頼性の劣化も改善できる熱電変換素子が得られる。
また、この発明によれば、そのような熱電変換素子を効率よく製造することができる熱電変換素子の製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる熱電変換素子の一例を示す平面図解図である。
【図2】図1に示す熱電変換素子の正面図解図である。
【図3】この発明にかかる熱電変換素子の他の例を示す正面図解図である。
【図4】この発明にかかる熱電変換素子のさらに他の例を示す正面図解図である。
【図5】この発明にかかる熱電変換素子のさらに他の例を示す平面図解図である。
【図6】図5に示す熱電変換素子の正面図解図である。
【図7】この発明にかかる熱電変換素子のさらに他の例を示す正面図解図である。
【図8】この発明にかかる熱電変換素子のさらに他の例を示す平面図解図である。
【図9】従来の熱電変換素子の一例を示す平面図解図である。
【図10】従来の熱電変換素子の他の例を示す平面図解図である。
【図11】図10に示す熱電変換素子の正面図解図である。
【符号の説明】
10 熱電変換素子
12 基板
14 絶縁膜
16 空洞
18 小熱容量領域
20 大熱容量領域
22 赤外線吸収体
24 熱電パターン
26a N型熱電材料パターン
26b P型熱電材料パターン
28 接続パターン
30a 温接点
30b 冷接点
32 感温抵抗体パターン
34 接続パターン
36 絶縁膜
38 保護膜
40 抵抗調整用パターン

Claims (8)

  1. 小熱容量領域、
    大熱容量領域、および
    温接点および冷接点を有し、前記温接点が前記小熱容量領域上に前記冷接点が前記大熱容量領域上にそれぞれ配置される熱電パターンを含む熱電変換素子であって、
    前記冷接点の温度を検知するための感温抵抗体パターンが、前記熱電パターンと同一面で前記冷接点の外周に沿ってかつ前記冷接点がある部分のみに近接して形成される、熱電変換素子。
  2. 前記冷接点および前記感温抵抗体パターンが熱伝導率の高い絶縁膜で覆われる、請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 小熱容量領域、
    大熱容量領域、
    温接点および冷接点を有し、前記温接点が前記小熱容量領域上に前記冷接点が前記大熱容量領域上にそれぞれ配置される熱電パターン、および
    前記熱電パターンを覆う保護膜を含む熱電変換素子であって、
    前記冷接点の温度を検知するための感温抵抗体パターンが、前記保護膜上で前記冷接点の外周に沿ってかつ前記冷接点がある部分のみに近接して形成される、熱電変換素子。
  4. 前記熱電パターンは、異なる熱電材料を前記熱電材料とはさらに異なる接合材料で接合してなる熱電対を備え、
    前記熱電対の形成された基板上に、前記接合材料と同じ材料で前記感温抵抗体パターンが形成される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の熱電変換素子。
  5. 前記接合材料と同じ材料で前記熱電パターンの信号取り出し用電極および前記感温抵抗体パターンの信号取り出し用電極が形成される、請求項4に記載の熱電変換素子。
  6. 前記接合材料として、Pt,W,Pd,Ni,Crの中から選択される材料が用いられる、請求項4または請求項5に記載の熱電変換素子。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれかに記載に熱電変換素子を製造するための熱電変換素子の製造方法であって、
    少なくとも前記接合材料および前記感温抵抗体パターンを同時に形成する、電熱変換素子の製造方法。
  8. 前記感温抵抗体パターンに抵抗調整用パターンが付加される、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の熱電変換素子。
JP2001307170A 2000-10-19 2001-10-03 熱電変換素子およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3584918B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001307170A JP3584918B2 (ja) 2000-10-19 2001-10-03 熱電変換素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000319432 2000-10-19
JP2000-319432 2000-10-19
JP2001307170A JP3584918B2 (ja) 2000-10-19 2001-10-03 熱電変換素子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002198575A JP2002198575A (ja) 2002-07-12
JP3584918B2 true JP3584918B2 (ja) 2004-11-04

Family

ID=26602412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001307170A Expired - Fee Related JP3584918B2 (ja) 2000-10-19 2001-10-03 熱電変換素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3584918B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100995920B1 (ko) 2008-09-11 2010-11-22 한국전기연구원 저온안정화 회로가 장착된 서모파일형 열전센서
CN113280527B (zh) * 2021-07-01 2022-07-15 哈尔滨商业大学 一种用于半导体制冷设备专用换热装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002198575A (ja) 2002-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4744246A (en) Flow sensor on insulator
US7525092B2 (en) Infrared sensor having thermo couple
US20070227575A1 (en) Thermopile element and infrared sensor by using the same
JP3463657B2 (ja) 赤外線センサ
US6292089B1 (en) Structures for temperature sensors and infrared detectors
JP2526247B2 (ja) サ−モパイル
JP3584918B2 (ja) 熱電変換素子およびその製造方法
US6863438B2 (en) Microstructured thermosensor
US20230088920A1 (en) Infrared sensor and method of controlling infrared sensor
JP2000131147A (ja) 赤外線センサ
JP3589083B2 (ja) 感熱式フロ−センサ
JP3303786B2 (ja) ボロメータ型赤外線センサ
JP2568292B2 (ja) サーモ・パイル形赤外線センサ
JP2002156283A (ja) サーモパイル型赤外線センサ
JPH11258040A (ja) サーモパイル型赤外線センサ
US6713669B2 (en) Thermoelectric conversion component
JP2856753B2 (ja) 赤外線センサ
JP2002156279A (ja) サーモパイル型赤外線センサ
KR100307756B1 (ko) 전자기파 검출장치의 감지센서
JPH09113353A (ja) 赤外線検出素子
JP2562076B2 (ja) 流速センサ
JP3422150B2 (ja) 赤外線検知素子
RU2447411C1 (ru) Способ измерения температуры, термоэлектронномеханический преобразователь с автоэлектронной эмиссией и способ его изготовления
JP3435997B2 (ja) 赤外線検知素子
JPH046424A (ja) 赤外線センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080813

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080813

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090813

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090813

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100813

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100813

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110813

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120813

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120813

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees