JP3589083B2 - 感熱式フロ−センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流量や流速などを測定する、例えばガスメータや水道メータなどに用いられる感熱式フローセンサに関し、特にサーモパイル(熱電対列)型温度センサを用いた感熱式フローセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、気体や液体などの流体の流量や流速などを測定するために、ヒータを用いた感熱式のフローセンサが提案されている。この感熱式フローセンサは半導体基板上に形成した架橋構造のブリッジ部の表面に、ヒータおよび温度センサを配置した構成となっている。温度センサは流体の流れ方向に沿ってヒータの両側に配置されている。
【0003】
この感熱式フローセンサは、ヒータに電流を流すことで発生する熱の温度分布が、流体の流量や流速に応じて変化することを利用し、その変化量をヒータの両側に設けた温度センサによって検出するものである。
【0004】
図13は、このような従来の感熱式フローセンサの一例を示す平面図(a)およびそのC−C線上の断面図(b)である。
【0005】
同図において、感熱式フローセンサ1は、半導体基板2の表面に絶縁層3を薄膜形成し、さらに半導体基板2の中央域をエッチングによって取り除くことで空隙部4を形成し、空隙部4上に絶縁層3の一部がブリッジ部3aとして架橋状に形成された構成を有している。
【0006】
また、ブリッジ部3aの表面には、抵抗体(発熱体)を凹字形に形成することでヒータ部11を形成し、その両隣には第1の温度センサ12Aおよび第2の温度センサ12Bがヒータ部11を挟む形で形成されている。ヒータ部11を構成する抵抗体の両端には、ワイヤパッド11a,11bがブリッジ部3aの外側の半導体基板2上に互いに隣接して形成されている。
【0007】
温度センサ12Aは複数のサーモカップル(熱電対)13Aによって構成されたサーモパイル(熱電対列)で、熱電対13Aの長手方向がヒータ部11の長手方向と直交する方向に等間隔に配置された構成となっている。そして、温度センサ12Aの両端には半導体基板2上に形成されたワイヤパッド14a,14bが接続されている。
【0008】
第2の温度センサ12Bも同一の構成を有し、複数の熱電対13Bの長手方向がヒータ部11の長手方向と直交する方向に等間隔に配置され、その両端には半導体基板2上に形成されたワイヤパッド14c,14dが接続されている。
【0009】
熱電対13A,13Bは、2種類の金属または半導体の両端部を接合して構成したもので、一方の接合部(先端接合部)が空隙部4上に形成されて温接点15aを構成し、他方の接合部(後端接合部)が半導体基板2上に形成されて冷接点15bを構成している。両接点15a,15bを異なる温度に保つと回路に熱電流が流れ、回路を開いて熱電流を0にすると熱起電力が生じる。サーモパイル型の温度センサ12A,12Bはこの原理を利用している。
【0010】
この構成において、感熱式フローセンサ1を、ヒータ部11の長手方向が流体の流れ方向F(図の左右方向)と直交する方向に設置し、ヒータ部11のワイヤパッド11a,11b間に電流を流すと、ヒータ部11が発熱する。
【0011】
それに伴って温度サンセ12A,12Bを構成する熱電対13A,13Bの温接点15aの温度が上昇する。熱電対13A,13Bの冷接点15bの温度は半導体基板2の熱伝導率が高いので同一に保たれる。
【0012】
この結果、温度サンセ12Aの熱電対13Aは温接点15aおよび冷接点15b間の温度差に応じて熱起電力を出力し、全熱起電力はワイヤパッド14a,14bから取り出される。温度センサ12Bも同様にしてワイヤパッド14c,14dから全熱起電力が取り出される。
【0013】
流体の流量や流速が無い場合は、ヒータ部11から発生する熱の温度分布は、図14に鎖線で示すように、等温曲線Lがヒータ部11の両側で対称になる。この結果、ヒータ部11の両側に設けた温度センサ12A,12Bから出力される熱起電力は同じになる。
【0014】
流体が流れ方向Fに移動したとすると、ヒータ部11から発生する熱の温度分布は、図15に鎖線で示すように、等温曲線Lが流体の流れ方向Fに沿って広がることになる。この結果、上流側の温度センサ12Aの熱電対13Aの温接点15aの温度は、下流側の温度センサ12Bの熱電対13Bの温接点15aの温度よりも低くなる。この結果、2つの温度センサ12A,12Bの出力電圧(熱起電力)に差が生じるので、この差を検出することで流体の流量や流速を検出することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した感熱式フローセンサ1は、ヒータ部11の形状が直線的であるため、温度分布の等温曲線Lは楕円状の曲線となる。このため、中央付近の熱電対の温度は周辺部の熱電対の温度よりも高温になる。
【0016】
一般に高温の物体を放置しておくと、最初は熱が逃げやすいため急激に温度が下がり、低温になるにつれて熱が逃げにくくなるため温度は下がりにくくなる。このため、複数の熱電対からなる温度センサにおいては、熱が逃げやすい場所(中央部)と熱が逃げにくい場所(周辺部)とができてしまい、温度センサの感度が低下するということがあった。
【0017】
また、温度分布の等温曲線Lが楕円状であるのに対し、温度センサを構成する複数の熱電対は一直線上に並んでいるため、中央付近の熱電対の温接点の温度は高く、周辺部の熱電対の温接点の温度は低くなり均一な温度分布にはならない。このため、温度センサからの出力電圧が小さくなり、検出感度および検出精度が低下するということがあった。
【0018】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、ヒータの温度分布の等温曲線の不均一性を考慮しながら高感度で高精度な感熱式フローセンサを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1記載のフローセンサは、半導体基板の表面に薄膜状に形成した絶縁層と、絶縁層の表面に配置したヒータ部と、ヒータ部を中央にして流体の上流側および下流側における絶縁層の表面に配置した第1および第2の温度センサと、第1の温度センサの先端接合部から第2の温度センサの先端接合部に至るまでの領域に対向して半導体基板の表面側に開口するように該半導体基板に形成した空隙部とを備え、第1および第2の温度センサは複数の熱電対からなり、熱電対の配置密度が周辺部より中央部の方が高くなるように構成したものである。
【0020】
本発明によると、温度センサを構成する複数の熱電対の配置間隔を、ヒータ部から発生する熱が逃げにくい周辺部は低密度に、熱が逃げやすい中央部は高密度に配置することで、ヒータ部から温度センサの各温接点への熱伝導を均一化し、高感度な感熱式フローセンサを得るという作用を有する。
【0021】
本発明による請求項2記載のフローセンサは、請求項1記載の発明において、第1および第2の温度センサは、熱電対の長さが周辺部より中央部の方が短くなるように後端接合部の位置を異ならせて構成したものである。
【0022】
本発明によると、熱電対は短いと電気抵抗が小さくなると共に熱抵抗も小さくなるので、熱が逃げやすい点を考慮し、等温曲線によって温度が高い温度センサの中央部の熱電対は短くして熱が逃げやすいようにし、等温曲線によって温度が低い温度センサの周辺部の熱電対は長くして熱が逃げにくいようにし、これによってヒータ部から温度センサの各温接点の温度を均一化し、高感度な感熱式フローセンサを得るという作用を有する。
【0023】
本発明による請求項3記載のフローセンサは、半導体基板の表面に薄膜状に形成した絶縁層と、絶縁層の表面に配置したヒータ部と、ヒータ部を中央にして流体の上流側および下流側における絶縁層の表面に配置した第1および第2の温度センサと、第1の温度センサの先端接合部から第2の温度センサの先端接合部に至るまでの領域に対向して半導体基板の表面側に開口するように該半導体基板に形成した空隙部とを備え、第1および第2の温度センサは複数の熱電対からなり、熱電対の先端接合部の位置がヒータ部から発生する熱の楕円状の等温曲線に沿って配置したことを特徴とする感熱式フロ−センサ。
【0024】
本発明によると、温度センサを構成する複数の熱電対を等温曲線に沿って配置することにより、温度センサの先端接合部の温度を均一化し、高感度な感熱式フローセンサを得るという作用を有する。
【0025】
本発明による請求項4記載のフローセンサは、請求項3記載の発明において、第1および第2の温度センサは、熱電対の先端接合部の長さが周辺部の熱電対より中央部の熱電対の方が短くなるように構成したものである。
【0026】
本発明によると、温度センサを構成する複数の熱電対の先端接合部の長さを、等温曲線に沿って周辺部は長く、中央部は短くなるように構成することにより、接合部が長いと熱を吸収する面積が大きくなるため熱起電力が増加するので、各先端接合部の温度を均一化し、高感度な感熱式フローセンサを得るという作用を有する。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図1ないし図12に基づいて説明する。なお、以下の説明では、前述した図13に示す構成部分と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による感熱式フローセンサの平面図(a)およびそのA−A線上の断面図(b)である。
【0029】
本実施の形態による感熱式フローセンサ1は、単結晶シリコンからなる半導体基板2の表面に、酸化膜(SiO2 )または窒化膜(Si3 N4 )からなる絶縁層3を形成し、さらに絶縁層3の表面に抵抗体を凹字状に配置してヒータ部11を形成し、さらにヒータ部11を挟んでサーモパイル型の一対の第1および第2の温度センサ12A,12Bを形成した構成を有している。
【0030】
ヒータ部11はポリシリコンにリン等の不純物をドーピングし拡散することによって抵抗体にしておく。不純物のドープ量や拡散条件を変更することによって抵抗値は容易に変更可能である。
【0031】
また、ヒータ部11は絶縁層3の一部が半導体基板2の空隙部4上に架橋状に形成されたブリッジ部3a上に形成されており、発生した熱が熱伝導率の高い半導体基板2に伝導しにくい熱絶縁構造となっている。また、ヒータ部11の両端はブリッジ部3aの外側の半導体基板2上に形成されたワイヤパッド11a,11bに接続されている。
【0032】
温度センサ12Aは複数の熱電対13Aからなり、各熱電対13Aの長手方向がヒータ部11の長手方向と直交する方向に形成し、複数の熱電対13Aを直列に接続した構成となっている。熱電対13Aは例えばアルミニウムとポリシリコンで構成する。熱電対13Aの先端接合部は空隙部4上に形成されて温接点15aを構成し、後端接合部は半導体基板2上に形成されて冷接点15bを構成している。
【0033】
また、複数の熱電対13Aの配置間隔は、中央部は高密度に、周辺部は低密度になるように設定されている。例えば、図の中央の9個の熱電対13Aの配置間隔はdであり、その両側の各3個の熱電対13Aの配置間隔は2dである。また、温度センサ12Aの両端は半導体基板2上に形成されたワイヤパッド14a,14bに接続されている。
【0034】
温度センサ12Bも同様の構成を有し、複数の熱電対13Bをその長手方向がヒータ部11の長手方向と直交する方向に配置した構成となっており、両端は半導体基板2上に形成されたワイヤパッド14c,14dに接続されている。熱電対13Bの先端接合部は空隙部4上に形成されて温接点15aを構成し、後端接合部は半導体基板2上に形成されて冷接点15bを構成している。また、複数の熱電対13Bの配置間隔は、中央部は高密度に、周辺部は低密度になるように設定されている。
【0035】
このように温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの配置間隔を、周辺部に比べて中央部を高密度に設定することで、すなわちヒータ部11から発生する熱が逃げにくい周辺部は低密度に、熱が逃げやすい中央部は高密度に配置することで、ヒータ部11から温度センサ12A,12Bの各温接点15aへの熱伝導を均一化し、高感度な感熱式フローセンサを得るように構成している。
【0036】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2による感熱式フローセンサの平面図である。本実施の形態による感熱式フローセンサ1は、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの配置間隔を、実施の形態1に比べて中央部がさらに高密度になるように構成したものである。
【0037】
すなわち、中央の熱電対13A,13Bはその長手方向がヒータ部11の長手方向と直交する方向に一直線状に形成し、他の熱電対13A,13Bは中央の熱電対の温接点15aに対して、自己の温接点15aが近接するように中央部の方向に全体的に傾斜して形成したものである。その他の構成は実施の形態1と同一である。
【0038】
その結果、同図に示すように、温度センサ12Aの中央の熱電対13Aに対して、図の上側の熱電対13Aは右下方向に傾斜して形成され、図の下側の熱電対13Aは右上方向に傾斜して形成されている。また、温度センサ12Bの熱電対13Bはその逆方向に傾斜して形成されている。
【0039】
このように、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの配置間隔を、周辺部に比べて中央部を高密度に設定し、さらに中央の熱電対に対して隣接する他の熱電対を傾斜して配置することで、熱が逃げやすい中央部の熱電対のさらなる高密度化を図り、ヒータ部11から温度センサ12A,12Bの各温接点15aへの熱伝導を均一化し、高感度な感熱式フローセンサを得るように構成している。
【0040】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3による感熱式フローセンサの平面図である。本実施の形態による感熱式フローセンサ1は、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの配置間隔を、中央の熱電対は高密度に、周辺部の熱電対は低密度になるように配置し、また、各熱電対13A,13Bの温接点15aの接合部を、ヒータ部11に近接するように延長して形成し、しかもその先端が中央部の熱電対に向って傾斜して形成したものである。
【0041】
すなわち、中央部の熱電対13A,13Bはその長手方向がヒータ部11の長手方向と直交する方向に一直線状に形成し、他の熱電対の温接点15aは中央部の熱電対の温接点15aに対して、近接するように中央部の方向に傾斜して形成したものである。その他の構成は実施の形態1と同一である。
【0042】
その結果、同図に示すように、温度センサ12Aの中央部の熱電対13Aに対して、図の上側の熱電対13Aの温接点15aが右下方向に傾斜して形成され、図の下側の熱電対は温接点15aが右上方向に傾斜して形成されている。また、温度センサ12Bの熱電対13Bの温接点15aはその逆方向に傾斜して形成されている。なお、温接点15aの接合部が長いと熱を吸収する面積が大きくなるため、熱電対の熱起電力が増加する。
【0043】
このように、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの配置間隔を、周辺部に比べて中央部を高密度に設定し、さらに温接点15aを引き伸ばすことによってヒータ部11から発生する熱を伝えやすい構造とし、しかも中央部の熱電対の温接点15aに対して他の熱電対の温接点15aを斜めに配置することで、熱が逃げやすい中央部の温接点のさらなる高密度化を図り、ヒータ部11から温度センサ12A,12Bの各温接点15aへの熱伝導を均一化し、高感度な感熱式フローセンサを得るように構成している。
【0044】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4による感熱式フローセンサの平面図(a)およびそのB−B線上の断面図(b)である。本実施の形態による感熱式フローセンサ1は、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの配置間隔を、中央部の熱電対の配置間隔は高密度かつ多層構造に、周辺部の熱電対の配置間隔は低密度かつ単層構造になるように構成したものである。その他の構成は実施の形態1と同一である。
【0045】
温度センサ12Bを例に説明すると、絶縁層3の表面に形成した中央部の熱電対13Bの上に絶縁膜3Aを被覆し、その上に熱電対13Cを形成し、その上に絶縁膜3Bを被覆し、さらにその上に熱電対13Dを形成した3層構成となっている。温度センサ12A側も同様の3層構成となっている。
【0046】
このように、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの配置間隔を、周辺部に比べて中央部を高密度に設定し、さらに中央部の熱電対を多層構造にして多数の熱電対を配置することで、熱が逃げやすい中央部の温接点のさらなる高密度化を図り、ヒータ部11から温度センサ12A,12Bの各温接点15aへの熱伝導を均一化し、高感度な感熱式フローセンサを得るように構成している。
【0047】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5による感熱式フローセンサの平面図である。本実施の形態による感熱式フローセンサ1は、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの配置間隔を、中央部の熱電対の配置間隔は高密度に、周辺部の熱電対の配置間隔は低密度になるように配置し、さらに中央部の熱電対の長さを最短とし、周辺部にいくにつれて長くなるように順次階段状に配置した構成となっている。
【0048】
すなわち、熱電対13A,13Bの温接点15aはヒータ部11から一定の距離をおいて一直線状に配置されているので、複数の冷接点15bが階段状に内側に窪んだ状態で配置されている。それに伴って半導体基板2の空隙部4の形状が、複数の冷接点15bの配列に合わせて山型に内側に窪んだ状態となっている。その他の構成は実施の形態1と同一である。
【0049】
このように熱電対13A,13Bの配置間隔を、周辺部に比べて中央部を高密度に設定し、さらに中央の熱電対の長さを短くすると、熱電対は短いと電気抵抗が小さくなると共に熱抵抗も小さくなるので、熱が逃げやすくなる。
【0050】
つまり、温度センサ12A,12Bの中央部の熱電対13A,13Bは短いため熱が逃げやすいが、楕円状の等温曲線によって温度は高い。これに対して温度センサ12A,12Bの周辺部の熱電対13A,13Bは長いため熱が逃げにくいが、楕円状の等温曲線によって温度は低い。これによってヒータ部11から温度センサ12A,12Bの各温接点15aの温度を均一化でき、高感度な感熱式フローセンサを得る構成が得られる。
【0051】
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6による感熱式フローセンサの平面図である。本実施の形態による感熱式フローセンサ1は、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bを、等間隔に配置し、さらに各温接点15aが楕円状の等温曲線Lに沿うように配置した構成となっている。その他の構成は実施の形態1と同一である。
【0052】
このように温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの各温接点15aを、等温曲線Lに沿って配置することにより、各温接点15aの温度を均一化できるので、高感度な感熱式フローセンサが得られる。
【0053】
(実施の形態7)
図7は、本発明の実施の形態7による感熱式フローセンサの平面図である。本実施の形態による感熱式フローセンサ1は、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bを等間隔に配置し、さらに各温接点15aを楕円状の等温曲線Lに沿って配置し、冷接点15bを一直線上に配置した構成となっている。このため、熱電対13A,13Bの長さが周辺部から中央部にかけて徐々に短くなる構成となっている。その他の構成は実施の形態6と同一である。
【0054】
このように温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの各温接点15aを、等温曲線Lに沿って配置することにより、各温接点15aの温度を均一化できるので、高感度な感熱式フローセンサが得られる。
【0055】
(実施の形態8)
図8は、本発明の実施の形態8による感熱式フローセンサの平面図である。本実施の形態による感熱式フローセンサ1は、温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bを等間隔に配置し、さらに各温接点15aの長さを楕円状の等温曲線Lに沿って延長して配置し、冷接点15bを一直線上に配置した構成となっている。
【0056】
このため、熱電対13A,13Bの各温接点15aの長さが、周辺部から中央部にかけて徐々に短くなる構成となっている。その他の構成は、前述の実施の形態7と同一である。
【0057】
このように温度センサ12A,12Bを構成する複数の熱電対13A,13Bの各温接点15aの長さを、等温曲線Lに沿って周辺部は長く、中央部は短くなるように構成することにより、温接点が長いと熱を吸収する面積が大きくなるため熱起電力が増加するので、各温接点15aの温度を均一化できるので、高感度な感熱式フローセンサが得られる。
【0058】
(実施の形態9)
図9は、本発明の実施の形態9による感熱式フローセンサの断面図で、表面にヒータ部11、温度センサ12A,12Bを形成する絶縁層3の構成として、窒化シリコンSiNを挟んでその表裏に酸化シリコンSiO2 を積層した構成を示している。
【0059】
このように、圧縮応力を有する薄膜(SiO2 )と、引張り応力を有する薄膜(SiN)とを組み合わせることによって内部応力を制御し、平らなメンブレンを実現できる。その結果、流体の流速や流量を正確に測定することができる。
【0060】
(実施の形態10)
図10は、本発明の実施の形態10による感熱式フローセンサの概略的断面図で、実施の形態4の変形例を示している。本実施の形態は、多層配線構造を形成する絶縁層3A,3Bを、窒化シリコンSiNを挟んでその表裏に酸化シリコンSiO2 を積層した構成となっている。
【0061】
このように、圧縮応力を有する薄膜(SiO2 )と、引張り応力を有する薄膜(SiN)とを組み合わせることによって内部応力を制御し、多数の熱電対を積層した場合でも、平らなメンブレンを実現できる。その結果、流体の流速や流量を正確に測定することができる。
【0062】
(実施の形態11)
図11は、本発明の実施の形態11による感熱式フローセンサの断面図で、半導体基板2に空隙部4を形成する際に、表面側からエッチングして形成する場合を示している。半導体基板2の表面側からエッチングして空隙部4を形成すると、感熱式フローセンサ1のチップサイズを小さくすることができる。
【0063】
(実施の形態12)
図12は、本発明の実施の形態12による感熱式フローセンサの断面図で、半導体基板2に空隙部4を形成する際に、表面側および裏面側の双方からエッチングして形成する場合を示している。半導体基板2の表面側および裏面側の双方からエッチングして空隙部4を形成すると、エッチング時間を短くすることができる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、温度センサを構成する複数の熱電対の配置間隔を、ヒータ部から発生する熱が逃げにくい周辺部は低密度に、熱が逃げやすい中央部は高密度に配置することで、ヒータ部から温度センサの各温接点への熱伝導を均一化することができるという有利な効果が得られる。
【0065】
請求項3に記載の発明によれば、温度センサを構成する複数の熱電対を等温曲線に沿って配置することにより、温度センサの先端接合部の温度を均一化することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態1を示す平面図(a)およびそのA−A線上の断面図(b)である。
【図2】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態2を示す平面図である。
【図3】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態3を示す平面図である。
【図4】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態4を示す平面図(a)およびそのB−B線上の断面図(b)である。
【図5】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態5を示す平面図である。
【図6】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態6を示す平面図である。
【図7】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態7を示す平面図である。
【図8】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態8を示す平面図である。
【図9】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態9を示す断面図である。
【図10】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態10を示す断面図である。
【図11】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態11を示す断面図である。
【図12】本発明による感熱式フローセンサの実施の形態12を示す断面図である。
【図13】従来の感熱式フローセンサを示す平面図(a)およびそのC−C線上の断面図(b)である。
【図14】流体の流量や流速が無い場合にヒータ部から発生する熱の温度分布の等温曲線を示す図である。
【図15】流体が流れ方向Fに移動した場合にヒータ部から発生する熱の温度分布の等温曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 感熱式フローセンサ
2 半導体基板
3,3A,3B 絶縁層
3a ブリッジ部
4 空隙部
11 ヒータ部
11a,11b ワイヤパッド
12A,12B 温度センサ
13A〜13D 熱電対
14a〜14d ワイヤパッド
15a 温接点(先端接合部)
15b 冷接点(後端接合部)
F 流体の流れ方向
L 等温曲線

Claims (4)

  1. 半導体基板の表面に薄膜状に形成した絶縁層と、
    前記絶縁層の表面に配置したヒータ部と、
    前記ヒータ部を中央にして流体の上流側および下流側における前記絶縁層の表面に配置した第1および第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサの先端接合部から前記第2の温度センサの先端接合部に至るまでの領域に対向して前記半導体基板の表面側に開口するように該半導体基板に形成した空隙部とを備え、
    前記第1および第2の温度センサは複数の熱電対からなり、前記熱電対の配置密度が周辺部より中央部の方が高くなるように構成したことを特徴とする感熱式フロ−センサ。
  2. 前記第1および第2の温度センサは、前記熱電対の長さが周辺部より中央部の方が短くなるように後端接合部の位置を異ならせて構成したことを特徴とする請求項1記載の感熱式フロ−センサ。
  3. 半導体基板の表面に薄膜状に形成した絶縁層と、
    前記絶縁層の表面に配置したヒータ部と、
    前記ヒータ部を中央にして流体の上流側および下流側における前記絶縁層の表面に配置した第1および第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサの先端接合部から前記第2の温度センサの先端接合部に至るまでの領域に対向して前記半導体基板の表面側に開口するように該半導体基板に形成した空隙部とを備え、
    前記第1および第2の温度センサは複数の熱電対からなり、前記熱電対の先端接合部の位置が前記ヒータ部から発生する熱の楕円状の等温曲線に沿って配置したことを特徴とする感熱式フロ−センサ。
  4. 前記第1および第2の温度センサは、前記熱電対の先端接合部の長さが周辺部の熱電対より中央部の熱電対の方が短くなるように構成したことを特徴とする請求項3記載の感熱式フロ−センサ。
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