JP3584276B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空調システムに係り、特に、冷却源に氷等を蓄えておき、その冷却源を利用して冷房運転を行う空調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
冷却源利用の空調システムとしては、例えば、料金の安い夜間電力で冷却源に氷を蓄えておき、昼間にその冷熱を利用して室内を冷房する氷蓄熱式空調システムが代表的である。このような空調システムにおいては、氷を蓄えた冷却源と、冷却源で冷却された冷媒で室内空気を冷房する室内空調機と、冷却源と室内空調機間で冷媒を常に液体の状態で循環させる液冷媒ポンプとが設けられている。液体状態で冷媒を循環させる方法は、気体状態の冷媒を圧縮機で循環させる方法に比べて、気体を圧縮する必要がない分、効率的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、空調システム停止時には、通常、冷媒は外気温によって温められ気体状態となっている。このような状態の下で運転を開始しても、液冷媒ポンプ内部や液冷媒ポンプ吸込口付近の配管内でも冷媒は気体状態となっているために、液冷媒ポンプは冷媒を吸い込むことができない。これを回避するためには、液冷媒ポンプや液冷媒ポンプ吸込口付近の配管を事前に冷却しておき、冷媒を液化して液冷媒としておく必要があった。
【0004】
また、液冷媒ポンプによる冷媒循環時においては、冷媒の状態によってはキャビテーションの発生などにより所定の能力を得られないばかりか、液冷媒ポンプ自体を損傷させる恐れがあった。
【0005】
なお、特開平11−62844号公報には、液冷媒中に発泡が生じていることを検知して、液冷媒ポンプの吐出流量を低減させて空調機を運転することが提案されているが、この場合は液冷媒中には発泡がすでに生じており、この発泡がキャビテーション等を引き起こす原因となる。
【0006】
本発明の目的は、運転開始時に事前に冷媒を冷却したりする必要が無く、また運転中に液冷媒に発泡が生じるのを抑えることのできる空調システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、冷媒を冷却する冷却源と、この冷却源で冷却された液冷媒を圧送する液冷媒ポンプと、この液冷媒ポンプからの液冷媒で室内空気を冷房する室内熱交換器と、この室内熱交換器からの室内空気冷房後の冷媒を加圧して冷却源に戻す圧縮機と、この圧縮機をバイパスして設けられ圧縮機に流れる冷媒を制御する制御弁と、冷房運転開始時に、まず圧縮機による冷媒循環を行わせ、その後、液冷媒ポンプによる冷媒循環に移行させる制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、冷房運転開始時には圧縮機による冷媒循環が行われるので、液冷媒ポンプ吸込口付近の冷媒の過冷却度が大きくなり、気体状態となっていた冷媒を液冷媒とすることができる。そして、過冷却度が十分に大きくなって液冷媒ポンプが安定に運転できる状態になってから、液冷媒ポンプを始動して液冷媒ポンプによる冷媒循環を行わせる。
【0009】
液冷媒ポンプによる冷媒循環に移行後は、圧縮機を停止させて制御弁を開とする。このようにすれば、冷媒は制御弁を介して循環し、冷却源を利用した通常の空調運転を行うことができる。
【0010】
また、液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒の温度および圧力の少なくとも一方を検出する検出手段を設けておけば、この検出手段からの検出信号に基づいて液冷媒の過冷却状態を求め、その結果によって圧縮機および液冷媒ポンプの駆動を制御することができる。
【0011】
また、外気温度を検出する検出手段を設けておけば、この検出手段からの検出信号に基づいて、圧縮機による冷媒循環から液冷媒ポンプによる冷媒循環への切替時間を求め、その結果に基づいて液冷媒ポンプによる冷媒循環に移行させることもできる。
【0012】
さらに、本発明は、液冷媒を冷却する冷却源と、この冷却源で冷却された液冷媒を圧送する液冷媒ポンプと、この液冷媒ポンプからの液冷媒で室内空気を冷房する室内熱交換器と、この室内熱交換器からの室内空気冷房後の冷媒を加圧して冷却源に戻す圧縮機と、この圧縮機をバイパスして設けられ圧縮機に流れる冷媒を制御する制御弁と、液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒の温度および圧力の少なくとも一方を検出する検出手段と、冷房運転開始後で、圧縮機が停止して冷媒が制御弁を介して循環する通常の冷房運転時に、検出手段からの検出信号に基づいて、液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒が十分な過冷却状態にあるか否かを判別し、過冷却状態でない場合には、圧縮機を駆動して液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒圧力を上昇させる制御、および液冷媒ポンプの回転速度を低下させる制御のうち、少なくとも一方の制御を実行する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、通常の冷房運転時に、液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒が十分な過冷却状態にあるか否かを判別し、過冷却状態でない場合には、圧縮機を駆動して液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒圧力を上昇させるか、もしくは液冷媒ポンプの回転速度を低下させる。これにより、液冷媒を過冷却状態として発泡を抑えることができ、液冷媒ポンプの運転を安定させることが可能となる。なお、圧縮機の駆動と液冷媒ポンプの回転速度の低下の両方を同時に行っても良い。
【0014】
また、液冷媒ポンプの回転速度を所定値に低下させても、液冷媒ポンプの安定運転に十分な過冷却状態が得られないときには、液冷媒ポンプを停止させるとともに圧縮機を駆動する。これにより、普通のエアコン運転を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による空調システムの構成を示している。この空調システムは、冷却源1、液冷媒ポンプ2、室内空調機(室内熱交換器)5、圧縮機3が順次接続され、冷媒の循環流路が形成されている。また、圧縮機3をバイパスして制御弁4が設けられている。冷却源1には、冷凍サイクル(図示省略)によって生成された氷が蓄えられている。
【0016】
液冷媒ポンプ2吸込口近傍の配管には、配管内部の液冷媒の温度を検出する温度検出器7と液冷媒の圧力を検出する圧力検出器8が設けられている。また、制御装置6が設けられ、この制御装置6には、液冷媒ポンプ2、圧縮機3、制御弁4、温度検出器7および圧力検出器8が電気的に接続されている。なお、室内空調機5は間接熱交換器として、この先に負荷が存在するものでも良い。また温度検出器7や圧力検出器8を液冷媒ポンプ2内に設けて、液冷媒ポンプ2内の液冷媒の温度および圧力を検出するようにしても良い。
【0017】
次に、上記構成の空調システムにおいて、冷却源1を利用する冷房運転を開始する際に、液冷媒ポンプ2をいきなり駆動しようとしても、それまでの停止時に配管内では冷媒中に気泡が発生しているために、液冷媒ポンプ2は冷媒を吸い込むことができない。そこで本実施の形態では、先ず圧縮機3を駆動するようにしている。この動作手順を図2を用いて説明する。
【0018】
温度検出器7および圧力検出器8は液冷媒ポンプ2吸込口付近の液冷媒の温度および圧力をそれぞれ検出し、その検出信号は制御装置6に入力されている。そして、制御装置6は圧力検出器8で検出した圧力測定値から飽和温度を算出する(ステップS10)。圧力と飽和温度との関係は例えば図11のように冷媒の種類毎に判っており、制御装置6内には、この関係がデータベースとして記憶されている。次に、制御装置6は圧縮機3を始動する(ステップS11)。圧縮機3が始動すると、液冷媒ポンプ2吸込口付近の冷媒圧力が変化するとともに冷媒温度も変化する。冷媒温度は温度検出器7で検出されており、圧縮機3の始動で刻々と変化する冷媒温度のデータは制御装置6に入力され、制御装置6は、ステップS10で算出した飽和温度から冷媒温度を差し引いて過冷却度を算出する。冷媒温度が刻々と変化しているので、過冷却度も刻々と変化し、その過冷却度がプラスになったか否かを判断する(ステップS12)。過冷却度がマイナスの場合は冷媒中に発泡が生じているので、液冷媒ポンプ2を始動することはできないが、過冷却度がプラスになれば冷媒中には発泡が生じておらず、液冷媒ポンプ2を始動することができる。
【0019】
ステップS12において過冷却度がプラスになったと判断したときに、液冷媒ポンプ2を始動する(ステップS13)。液冷媒ポンプ2を始動すると、冷媒は、室内空調機5、圧縮機3、冷却源1、液冷媒ポンプ2の順に流れ、このとき冷却源1によって冷却されるので、過冷却度は更にプラス側に変化する。そして、この過冷却度が所定値よりも大きくなったか否かを判断する(ステップS14)。この所定値は、液冷媒ポンプ2が安定に運転するのに十分な値で、制御装置6内に予め設定されている。
【0020】
ステップS14において過冷却度が所定値よりも大きくなったと判断したときに、制御弁4を開にするとともに、圧縮機3を停止させる(ステップS15)。これにより、冷媒は、制御弁4を介して流れるようになり、冷却源1を利用した冷房運転を続行することが可能となる。
【0021】
なお、上記構成の空調システムにおいて、何らかの理由で液冷媒ポンプ2が正常に動作しない場合は、速やかに圧縮機3の運転を切り替えることができる。その動作手順を図3に示す。図3では、ステップS10〜S15までは図2の場合と同じで、ステップS16〜S18が追加されている。
【0022】
液冷媒ポンプ2が正常に動作しているか否かは、過冷却度が所定値よりも小さくなったか否かで判断する(ステップS16)。この所定値はステップS14での所定値と同じものである。そして、過冷却度が所定値よりも小さくなったと判断した場合に、制御装置6は、液冷媒ポンプ2を停止させるとともに制御弁4を閉にし(ステップS17)、さらに、冷却源1を利用した冷房運転が可能か否かを判断する(ステップS18)。冷却源1を利用した冷房運転が可能であれば、ステップS11に戻って圧縮機3を再び始動させるが、冷却源1を利用した冷房運転が不可能の場合は、冷却源1を利用しない通常のエアコン運転へ移行する。通常のエアコン運転の場合は、圧縮機1を駆動して、冷却源1を凝縮器に、室内空調機5を蒸発器として運転する。
【0023】
このように、液冷媒ポンプ2が正常に動作しない場合に液冷媒ポンプ2を速やかに停止させることにより、キャビテーションの発生が回避され、液冷媒ポンプ2の寿命および信頼性を高めることができる。
【0024】
(実施の形態2)
図1に示した空調システムにおいて、冷却源1を利用した冷房運転を行っているとき、温度検出器7および圧力検出器8は、液冷媒ポンプ2吸込口付近の配管内の液冷媒の温度および圧力を検出し、それらの検出データは制御装置6に入力されている。本実施の形態では、制御装置6が前記検出データから液冷媒の過冷却度を算出し、過冷却度が液冷媒ポンプ2の安定運転に十分でない場合は、圧縮機3を補助的に駆動するようにしている。その動作手順を図4に示す。
【0025】
冷却源1を利用した冷房運転を行っているとき、制御装置6は過冷却度が所定値よりも小さくなったか否かを判断する(ステップS20)。この所定値は図2のステップS14での所定値と同じものである。過冷却度が所定値よりも小さくなった場合に、圧縮機3を始動させる(ステップS21)。圧縮機3を始動させると、液冷媒ポンプ2吸込口における液冷媒の圧力が上昇するので、過冷却度は大きくなっていき、過冷却度が所定値よりも大きくなるまで、圧縮機3を駆動する(ステップS22)。そして、過冷却度が所定値よりも大きくなった場合は圧縮機3を停止させる(ステップS23)。
【0026】
本実施の形態によれば、圧縮機3は液冷媒ポンプ2のバックアップとして利用されているので、大きな動力を消費することもなく経済的である。
【0027】
(実施の形態3)
本実施の形態では、図1に示した空調システムにおいて、過冷却度が液冷媒ポンプ2の安定運転に十分でない場合は、圧縮機3を駆動させる代わりに、液冷媒ポンプ2の回転数を減少させるようにしている。その動作手順を図5に示す。
【0028】
冷却源1を利用した冷房運転を行っているとき、制御装置6は過冷却度が所定値よりも小さくなったか否かを判断する(ステップS30)。この所定値は図2のステップS14での所定値と同じものである。そして過冷却度が所定値よりも小さくなった場合に、液冷媒ポンプ2の回転数を減少させる(ステップS31)。
【0029】
次に、液冷媒ポンプ2の減少させた回転数が信頼性下限の回転数よりも大きいか否かを判断し(ステップS32)、大きい場合は、過冷却度が所定値よりも大きくなったか否かを判断する(ステップS33)。この所定値も図2のステップS14での所定値と同じものである。過冷却度が大きくならない場合は、ステップS31に戻って液冷媒ポンプ2の回転数を更に減少させる。液冷媒ポンプ2の回転数を減少させていくと、信頼性下限の回転数よりも小さい回転数まで低下してしまう可能性があるので、低下し過ぎた場合には、液冷媒ポンプ2を停止させて(ステップS36)、通常のエアコン運転へ移行する。
【0030】
ステップS33において、過冷却度が所定値よりも大きくなったと判断された場合は、液冷媒ポンプ2の回転数を増加させる(ステップS34)。液冷媒ポンプ2の回転数を増加させると過冷却度は小さくなって行くが、過冷却度が所定値よりも小さくなり過ぎたか否かはステップS35で判断され、以降、液冷媒ポンプ2の運転が安定に持続される範囲に液冷媒ポンプ2の回転数が維持される。
【0031】
なお、本実施の形態は上記実施の形態2と併用することができる。例えば、液冷媒ポンプ2の回転数を減少させると空調負荷に対する冷媒循環量が不足する恐れがあるが、このとき圧縮機3を補助的に駆動すれば、十分な冷媒循環量を確保することができる。さらに、併用した場合には、液冷媒ポンプ2に対する圧縮機3のバックアップ量が、実施の形態2の場合よりも少なくなるので、バックアップにかかる消費動力をより小さくすることができる。
【0032】
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4による空調システムの構成を示している。本実施の形態では、空調システムの周囲温度(外気温度)を検出する周囲温度検出器9が設けられ、検出した周囲温度と、事前に与えられた冷媒配管長から決定される液冷媒ポンプ2の安定稼働条件に至る時間とによって、圧縮機3から液冷媒ポンプ2への切替を制御している。
【0033】
空調システムに使用する冷媒配管は設計時に確定しており、その仕様は規格化されている。また、配管の断熱処理等は施工書で定めるので、これらの物性値に施工毎の大きな違いは生じない。そして、圧縮機3が搬送する冷媒流量と、冷却源1から冷媒に与えられる熱量・温度範囲、すなわち冷却源1の出口冷媒の過冷却度(=飽和温度−冷媒温度)は設計点として知られている。よって、設置現場固有の条件として未知なものは、主に冷媒配管長と周囲温度のみに集約できる。
【0034】
空調システムに使用する冷媒の種類はそのシステムに固有のものであり、物性値は既知である。例えば、比重量γ[Kg/m]は温度からその状態値を決定することができる。
【0035】
運転停止時の配管内冷媒温度は周囲温度t[℃]に近似し、飽和状態である。内直径d[m]の冷媒配管を用いるとき、冷媒源から液冷媒ポンプまでの冷媒配管長L[m]を与えると、停止時の配管内部の冷媒量g[Kg] は、周囲温度t[℃]のときの比重量γ[Kg/m]とすると、
= γ×(πd/4)×L
である。
【0036】
一方、この区間で冷媒温度として得られる最低値は、冷却源の出口における温度であり、これは前述したように既知である。このときの温度をtmax[℃]とすると比重量γmax[Kg/m]が得られる。比重量として最大値であるγmax[Kg/m]を用いることで、このL[m]長さの冷媒配管内が液冷媒で満たされるときの最大冷媒量g[Kg]を算出できる。
= γmax×(πd/4)×L
【0037】
初期状態で配管内を満たしていた冷媒量gと満たし得る最大冷媒量gが、このL[m]長さの冷媒配管内から排出されるそれぞれの時間T[sec],T[sec]は圧縮機の搬送冷媒流量G[Kg/s]により、
= g/G
= g/G
と求められる。これらT[sec]とT[sec]の総和は、冷却源を出た液冷媒が液冷媒ポンプへ到達する時間に近似するものとして液冷媒ポンプ運転の指標にできる。実際には侵入熱により冷媒温度が昇温し、配管内摩擦による圧力損失により飽和温度が低下するので冷却源出口部の過冷却度は持続しないが、予備的な試験を事前に実施しておくことでより実用的に推定することができる。勿論、切替時間には十分な余裕を見込むことでより安定した運転を行うことができる。
【0038】
上記の動作手順を図7に示す。図7において、制御装置6は周囲温度検出器9で検出した周囲温度から始動時間および切替時間を算出する(ステップS40)。周囲温度と始動時間との関係、並びに周囲温度と切替時間との関係は冷媒の種類毎に判っており、制御装置6内には、これらの関係がデータベースとして記憶されている。ここで、始動時間は過冷却度がゼロになるまでの時間である。
【0039】
次に、制御装置6は圧縮機3を始動させ(ステップS41)、圧縮機3の始動からの稼働時間が、ステップS40で算出した始動時間を超えたか否かを判断する(ステップS42)。そして、稼働時間が始動時間を超えた場合は、冷媒中には発泡が生じていないので、液冷媒ポンプ2を始動する(ステップS43)。
【0040】
液冷媒ポンプ2を始動して、その稼働時間が、ステップS40で算出した切替時間を超えたか否かを判断する(ステップS44)。稼働時間が切替時間を超えた場合は、液冷媒ポンプ2を安定に運転するのに十分な状態になっているので、制御弁4を開にするとともに、圧縮機3を停止させる(ステップS45)。
【0041】
なお、周囲温度として既存の室外機制御のための信号を併用する場合には、周囲温度検知器9の設置を省略することができ、さらに想定される最大周囲温度と、圧力損失(飽和温度の低下)と昇温を見込んだ上で、所定の過冷却度を得ることができる最大冷媒配管長を仮定して、安定稼動に至る時間を事前に決定しておけば、制御装置6は周囲温度判断や安定稼動に至る時間の演算などの機能を有する必要が無くなるので、単なるタイマー機能のみのものに置き換えることもできる。
【0042】
本実施の形態によれば、液冷媒ポンプ2吸込口付近の冷媒の温度や圧力を検出する手段が不要で、周囲温度検出器9を設置するだけでよいから、空調システムの構成が非常に簡単になる。
【0043】
(実施の形態5)
図8は本発明の実施の形態5による空調システムの構成を示している。本実施の形態では、圧縮機3に直列に熱交換器10が設けられている。他の構成は図1と同じである。
【0044】
このように構成すれば、圧縮機3から吐出される高温度の冷媒を直接、冷却源1へ送らずに、熱交換器10を介することで事前に冷却してから冷却源1へ送り込むことができる。熱交換器10と熱交換する媒体は、圧縮機3から吐出される冷媒温度よりも低温度であれば種類を問わず、例えば外気や河川水などを利用することができる。なお、動作手順は図2〜図5と同じである。
【0045】
本実施の形態によれば、冷却源1への負荷を減らすことが可能となる。
なお、本実施の形態のように熱交換器10を設置した構成は、本発明の他の実施の形態にも適用することができる。
【0046】
(実施の形態6)
図9は本発明の実施の形態6による空調システムの構成を示している。本実施の形態では、冷媒の循環流路には冷却源1’が設けられ、この冷却源1’はメインの冷媒源1によって間接的に冷却されている。他の構成は図1と同じである。
【0047】
このように構成すれば、冷却源1として大容量のものを設置しておけば、冷房運転を長時間連続して行うことが可能となる。
なお、本実施の形態のように冷却源1’とメインの冷媒源1と設置した構成は、本発明の他の実施の形態にも適用することができる。
【0048】
(実施の形態7)
図10は本発明の実施の形態7による空調システムの構成を示している。本実施の形態では、液冷媒ポンプ2をバイパスして制御弁4’が設けられ、この制御弁4’の開閉は制御装置6によって制御されるようになっている。他の構成は図1と同じである。
【0049】
上記構成において、冷却源1を利用した冷房運転の開始時に、圧縮機3を始動させると、液冷媒は制御弁4’を介して循環する。そして、液冷媒ポンプ2の稼動条件に至ったと判断されたときに、制御弁4’を閉じるとともに液冷媒ポンプ2を稼動させる。さらに、状態が安定すれば制御弁4を開にするとともに、圧縮機3を停止させて動力の切替えを行う。
【0050】
本実施の形態によれば、液冷媒ポンプ2に空転しにくいものを採用した場合に、圧縮機3による冷媒循環時に、液冷媒ポンプ2をバイパスさせることができる。
なお、本実施の形態のように制御弁4’と設けた構成は、本発明の他の実施の形態にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、運転開始時に液冷媒ポンプ吸込口付近の配管を冷却したりしなくても、空調システムを容易にかつ確実に起動することができる。
【0052】
また、通常の運転中に液冷媒に発泡が生じるのを抑えることのでき、空調システムの運転を安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による空調システムの構成図である。
【図2】空調システムの冷房運転開始時のフローチャートである。
【図3】運転開始後の通常の冷房運転時のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2を示し、通常の冷房運転時に圧縮機を補助的に駆動する場合のフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態3を示し、通常の冷房運転時に液冷媒ポンプの回転数を変化させる場合のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態4による空調システムの構成図である。
【図7】図6に示した空調システムの冷房運転開始時のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態5による空調システムの構成図である。
【図9】本発明の実施の形態6による空調システムの構成図である。
【図10】本発明の実施の形態7による空調システムの構成図である。
【図11】飽和温度と飽和圧力との関係を示した図である。
【符号の説明】
1,1’ 冷却源
2 液冷媒ポンプ
3 圧縮機
4,4’ 制御弁
5 室内空調機
6 制御装置
7 温度検出器
8 圧力検出器
9 周囲温度検出器
10 熱交換器

Claims (6)

  1. 冷媒を冷却する冷却源と、この冷却源で冷却された液冷媒を圧送する液冷媒ポンプと、この液冷媒ポンプからの液冷媒で室内空気を冷房する室内熱交換器と、この室内熱交換器からの室内空気冷房後の冷媒を加圧して前記冷却源に戻す圧縮機と、この圧縮機をバイパスして設けられ圧縮機に流れる冷媒を制御する制御弁と、冷房運転開始時に、まず前記圧縮機による冷媒循環を行わせ、その後、前記液冷媒ポンプによる冷媒循環に移行させる制御手段と、を備えたことを特徴とする空調システム。
  2. 請求項1に記載の空調システムにおいて、
    前記制御手段は、前記液冷媒ポンプによる冷媒循環に移行後、前記圧縮機を停止させるとともに、前記制御弁を開にして液冷媒を制御弁を介して循環させることを特徴とする空調システム。
  3. 請求項1に記載の空調システムにおいて、
    前記液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒の温度および圧力の少なくとも一方を検出する検出手段が設けられ、前記制御手段は、前記検出手段からの検出信号に基づいて液冷媒の過冷却状態を求め、その結果によって前記圧縮機および前記液冷媒ポンプの駆動を制御することを特徴とする空調システム。
  4. 請求項1に記載の空調システムにおいて、
    外気温度を検出する検出手段が設けられ、前記制御手段は、前記検出手段からの検出信号に基づいて、前記圧縮機による冷媒循環から前記液冷媒ポンプによる冷媒循環への切替時間を算出し、その算出結果に基づいて前記液冷媒ポンプによる冷媒循環に移行させることを特徴とする空調システム。
  5. 冷媒を冷却する冷却源と、この冷却源で冷却された液冷媒を圧送する液冷媒ポンプと、この液冷媒ポンプからの液冷媒で室内空気を冷房する室内熱交換器と、この室内熱交換器からの室内空気冷房後の冷媒を加圧して前記冷却源に戻す圧縮機と、この圧縮機をバイパスして設けられ圧縮機に流れる冷媒を制御する制御弁と、前記液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒の温度および圧力の少なくとも一方を検出する検出手段と、冷房運転開始後で、前記圧縮機が停止して冷媒が前記制御弁を介して循環する通常の冷房運転時に、前記検出手段からの検出信号に基づいて、前記液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒が十分な過冷却状態にあるか否かを判別し、過冷却状態でない場合には、前記圧縮機を駆動して前記液冷媒ポンプ吸込口付近の液冷媒圧力を上昇させる制御、および前記液冷媒ポンプの回転速度を低下させる制御のうち、少なくとも一方の制御を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とする空調システム。
  6. 請求項5に記載の空調システムにおいて、
    前記制御手段は、前記液冷媒ポンプの回転速度を所定値に低下させても、前記液冷媒ポンプの安定運転に十分な過冷却状態が得られないときには、前記液冷媒ポンプを停止させるとともに前記圧縮機を駆動して、普通のエアコン運転を行うことを特徴とする空調システム。
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