JP3583210B2 - カートリッジの処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像済みのフィルムをカートリッジに収容するカートリッジの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像済みのネガフィルムは、切断されてピースネガとして顧客に返却されるようになっていた。
【0003】
一方、このようにネガフィルムを切断しない方法として、現像済みのネガフィルムをカートリッジに収容した状態で返却する方法が提案されている。
【0004】
このカートリッジにはスプール軸が設けられており、現像済みのネガフィルムはスプール軸に層状に巻き取られる。スプールにはスリット孔が形成されており、このスリット孔には突起部が設けられている。一方、ネガフィルムには、長手方向一端部に係合孔が形成されており、係合孔を突起部に係合させてからフィルムを巻き取るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現像所では多量のネガフィルムを処理しなければならず、このネガフィルムをカートリッジに巻き取る作業を効率的に処理を行うことが望まれる。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、現像済みのフィルムをカートリッジに収容して返却する場合に、効率的にフィルムをカートリッジに収納することのできるカートリッジの処理方法を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジにフィルムを巻き取るカートリッジの処理方法であって、照合手段が、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶し、さらにフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取ってカートリッジIDとフィルムIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、ネストに取り出されたカートリッジにフィルムを巻き取り、フィルムを巻き取ったカートリッジを移動手段によってネストからコンテナに格納することを特徴としている。
【0008】
次に、請求項1に記載のカートリッジの処理方法の作用を説明する。
請求項1に記載のカートリッジの処理方法では、カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジを格納したコンテナが用いられる。
【0009】
照合手段は、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶する。さらに照合手段はフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取ってカートリッジIDとフィルムIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジが移動手段によってコンテナからネストに取り出される。ネストに取り出されたカートリッジにはこれに対応するフィルムが巻き取られ、フィルムを巻き取ったカートリッジは移動手段によってネストからコンテナに格納される。
【0010】
フィルムIDとカートリッジIDとを照合手段によって照合するので、コンテナに複数のカートリッジが格納されていても、迅速かつ正確に所定のカートリッジを取り出してフィルムを巻き取り、そして再びコンテナに格納することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジにフィルムを巻き取るカートリッジの処理方法であって、照合手段は、フィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取り、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶し、さらに、フィルムIDとカートリッジIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、ネストに取り出されたカートリッジにフィルムを巻き取り、フィルムを巻き取ったカートリッジを排出手段によりネストから排出口へ排出することを特徴としている。
【0012】
次に、請求項2に記載のカートリッジの処理方法の作用を説明する。
請求項2に記載のカートリッジの処理方法では、カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジを格納したコンテナが用いられる。
【0013】
照合手段は、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶する。さらに照合手段はフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取ってカートリッジIDとフィルムIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジが移動手段によってコンテナからネストに取り出される。ネストに取り出されたカートリッジにはこれに対応するフィルムが巻き取られ、フィルムを巻き取ったカートリッジは排出手段によりネストから排出口へ排出される。
【0014】
フィルムIDとカートリッジIDとを照合手段によって照合するので、コンテナに複数のカートリッジが格納されていても、迅速かつ正確に所定のカートリッジを取り出してフィルムを巻き取り、そして排出口へ排出することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジにフィルムを巻き取るカートリッジの処理方法であって、照合手段が、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶し、設定手段によりコンテナ格納モードまたはカートリッジ排出割込モードの何れか一方を選択し、コンテナ格納モードでは、照合手段がフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取り、フィルムIDとカートリッジIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、ネストへ取り出されたカートリッジにフィルムを巻き取り、フィルムを巻き取ったカートリッジを移動手段によってネストからコンテナに格納し、カートリッジ排出割込モードでは、照合手段がフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取り、フィルムIDとカートリッジIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、ネストに取り出されたカートリッジにフィルムを巻き取り、フィルムを巻き取ったカートリッジを排出手段によりネストから排出口へ排出することを特徴としている。
【0016】
次に、請求項3に記載のカートリッジの処理方法の作用を説明する。
請求項3に記載のカートリッジの処理方法では、カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジを格納したコンテナが用いられる。照合手段は、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶する。また、設定手段によりコンテナ格納モードまたはカートリッジ排出割込モードの何れか一方を選択する。
【0017】
コンテナ格納モードに選択されると、照合手段がフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取って、フィルムIDとカートリッジIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジが移動手段によってコンテナからネストに取り出される。ネストに取り出されたカートリッジにはフィルムが巻き取られ、フィルムを巻き取ったカートリッジは移動手段によってネストからコンテナに格納される。
【0018】
一方、カートリッジ排出割込モードに選択されると、照合手段がフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取って、フィルムIDとカートリッジIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジが移動手段によってコンテナからネストに取り出される。ネストに取り出されたカートリッジにはフィルムが巻き取られ、フィルムを巻き取ったカートリッジは排出手段によりネストから排出口へ排出される。
【0019】
したがって、請求項3に記載のカートリッジの処理方法では、カートリッジ排出割込モードを選択すれば巻き取り順にカートリッジを取り出すことができ、コンテナ格納モードを選択すれば、コンテナを取り出すことでフィルム巻取済みの複数のカートリッジを一度に取り出すことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項3に記載のカートリッジの処理方法において、設定手段によりカートリッジ排出割込モードに選択されると、コンテナ内のフィルム巻取済みのカートリッジをカートリッジ排出口へ全て排出することを特徴としている。
【0021】
次に、請求項4に記載のカートリッジの処理方法の作用を説明する。
請求項4に記載のカートリッジの処理方法では、設定手段によりカートリッジ排出割込モードに選択されると、コンテナ内のフィルム巻取済みのカートリッジはカートリッジ排出口へ全て排出される。したがって、フィルム巻取済みのカートリッジを至急取り出したい場合に有効である。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項3に記載のカートリッジの処理方法において、DP袋に付与さたDP袋識別用のDP袋IDが入力手段により入力されると、DP袋IDとカートリッジIDとを照合手段により照合し、入力されたDP袋IDと対応するカートリッジIDの付与されたフィルム巻取済みのカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、取り出したカートリッジを排出手段によりネストからカートリッジ排出口へ排出することを特徴としている。
【0023】
次に、請求項5に記載のカートリッジの処理方法の作用を説明する。
請求項5に記載のカートリッジの処理方法では、DP袋に付与さたDP袋識別用のDP袋IDが入力されると、DP袋IDとカートリッジIDとが照合手段によって照合される。入力されたDP袋IDと対応するカートリッジIDの付与されたフィルム巻取済みのカートリッジは、移動手段によってコンテナからネストへ取り出され、取り出されたカートリッジは排出手段によりネストからカートリッジ排出口へ排出される。
【0024】
請求項5に記載のカートリッジの処理方法では、DP袋に対応したカートリッジが排出されるので、DP袋にカートリッジを入れ間違えるミスを防止できる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項1、3、4、5の何れか1項に記載のカートリッジの処理方法において、設定手段によりアタッチ割込モードに設定されると、カートリッジがコンテナに格納された時点で現状の処理を中断し、ネストにセットされた割込み処理用カートリッジに所定のフィルムを巻き取ることを特徴としている。
【0026】
次に、請求項6に記載のカートリッジの処理方法の作用を説明する。
請求項6に記載のカートリッジの処理方法では、設定手段によりアタッチ割込モードに設定されると、カートリッジがコンテナに格納された時点で現状の処理が中断される。そして、ネストに割込み処理用のカートリッジがセットされると、所定のフィルムが割込み処理用のカートリッジに巻き取られる。
【0027】
請求項6に記載のカートリッジの処理方法では、少数(例えば1本)のフィルムを至急にカートリッジに巻き取りたい場合に有効である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、図を参照しながら本実施形態に係るフィルム接合装置10を説明する。
【0029】
図1乃至図3に示すように、フィルム接合装置10には、現像済みのフィルムF(図示せず)の束を自動的に送りだす自動フィルム供給装置100、後述するコンテナ200(図示せず)を装填するコンテナ装填部300、後述するカートリッジ14(図示せず)を保持するネスト部400、自動フィルム供給装置100から送り出されたフィルムFをネスト部400へ搬送するフィルム搬送装置700、ネスト部400からカートリッジ14を排出するカートリッジ排出口2、装置の操作方法、動作状況、警告等を表示する表示装置4、機器の操作を行うスイッチ類の設けられた入力部6、割込み処理等を行う場合のフィルムFを保持するフィルム受け部8が設けられている。
(カートリッジ及びフィルム)
まず、本実施形態のフィルム接合装置10に用いるカートリッジ14及びフィルムFの概略を図4乃至図8を参照しながら説明する。
【0030】
図4(A)乃至図4(C)及び図5に示されるように、カートリッジ14は、カバー18A、18Bを重ね合わせて略円筒状に形成されたケーシング20を備えている。このケーシング20は、接線方向に突出した突出部22を備え、この突出部22の先端には、ケーシング20の軸線方向に沿ったスリット状の挿通口28が形成されている。この挿通口28は、通常、ドア30によって閉止されており、これによってケーシング20内が遮光状態となっている。また、ケーシング20内のスプール軸16は、ケーシング20の軸方向の両端を閉塞する側壁24、26に回転可能に支持されている。
【0031】
図4(B)、図4(C)及び図5に示すように、突出部22には、側壁24、26の間にドアシャフト32が掛け渡されて回転可能に支持されている。このドアシャフト32はドア30と一体回転するようになっており、ドアシャフト32と共にドア30が回動して挿通口28が開閉される。なお、ドアシャフト32の側壁24、26から露出した先端には、ドアシャフト32を回転する手段(後述するドアドライバ442)の係合用のキー孔34が形成されている。
【0032】
このケーシング20は、側壁24、26のドアシャフト32の支持位置、スプール軸16の支持位置及び突出部22と反対側の端部を結ぶ線に沿ってカバー18A、18Bに分割されている。
【0033】
また、図4(C)に示されるように、ケーシング20の一方の側壁26の突出部22と反対側の端部には、カバー18A、18Bに形成された切欠によってノッチ孔36が形成され、また、カバー18Bには、このノッチ孔36を覆う表示板38が延設されている。この表示板38は、ケーシング20の軸心側が細幅の接合部38Aで結合され、外周部側が太幅の接合部38Bで結合されている。
【0034】
この表示板38は、カートリッジ14内に現像処理の終了したフィルムFを収容しているときには、接合部38A側を切り離し、表示板38をノッチ孔36内へ押し込み折り曲げるようになっている。これによって、カートリッジ14内のフィルムFが現像の終了したものであるか、現像処理前のものであるかをケーシング20の外から判断できるようにしている。
【0035】
また、側壁26には、スプール軸16の周囲に表示孔40A、40B、40C、40Dが等間隔で穿設されている(以下総称するときには「表示孔40」と言う)。これらの表示孔40は、カートリッジ14に収容しているフィルムFがいずれの状態であるかを表示するのに用いられる。例えば、丸孔の表示孔40Aは、未露光、半円状の表示孔40Bは一部露光済、X状の表示孔40Cは露光済で未現像、矩形状の表示孔40Dは現像済であることを示す。これによって、カートリッジ14内に収容しているフィルムFが何れの露光状態又は処理状態にあるかを判断することができるようになっている。
【0036】
一方、図6(A)及び図6(B)には、ケーシング20内に配置しているスプール軸16を示している。このスプール軸16は、軸方向(図6(A)の紙面左右方向)の中間部がフィルムFを巻き取る巻取部42であり、この巻取部42の両側には、フランジ部44が設けられている。
【0037】
図6(A)に示すように、フランジ部44には、弾性変形可能な薄肉の樹脂で形成された可撓性フランジ72が取り付けられている。可撓性フランジ72は、外周部分が内側に折り曲げられており、図7(A)に示すように端部72AがフィルムFの側端部に弾性的に押圧されている。
【0038】
フィルムFには、リーダー側の端部FRから所定寸法離間した位置にノッチ74が形成されている。このため、フィルムFがスプール軸16に巻き取られてゆくと、最終的には図7(B)に示すように可撓性フランジ72の端部72AがフィルムFのノッチ74に嵌まり込み、それ以上はスプール軸16が回転してもフィルムFは巻き取られないようになっている。
【0039】
また、スプール軸16には、ケーシング20の側壁26側の端部に小径のリング48が取り付けられている。図4(C)及び図6(B)にも示すように、このリング48には、半径方向の外方に所定幅で突出する白色板50が一体的に設けられている。図4(C)に示されるように、この白色板50は、スプール軸16を中心にした回転位置によって何れかの表示孔40と重なって、重なった表示孔40内に白色部分を露出する。この白色板50の露出位置によって前記したカートリッジ14内のフィルムFの処理状態を明示している。
【0040】
図5に示すように、リング48には歯車部48Aが形成されており、ドア30が閉められるとカバー18Bに取り付けられたスプールロック76が歯車部48Aに噛み合い、所定以下のトルクでは回転しないようになっている。一方、ドア30が開けられるとスプールロック76が歯車部48Aから離れ、スプール軸16はスムーズに回転できるようになっている。
【0041】
図6(A)及び図6(B)に示されるように、スプール軸16の巻取部42には、軸線方向に沿ったスリット孔52が形成されており、巻取部42は、このスリット孔52によって太幅の巻取部本体42Bと細幅の係合部42Aに分割されている。また、係合部42Aには、軸線方向の中間部で分割されてそれぞれの先端が巻取部本体42Bへ向けてスリット孔52の開口幅を狭める方向に突出した押さえ部54が形成されている。一方、巻取部本体42Bには、押さえ部54の軸線方向に沿った外側に、スリット孔52の開口幅を狭める方向に突出した突起部56が対で形成されている。この突起部56は、スプール軸の軸線方向に沿って見たときに前記した押さえ部54と重なり合うようになっている。
【0042】
図4(B)及び図5に示すように、ケーシング20の外周面には、ラベル78が貼り付けられている。図4(B)に示すように、ラベル78には、カートリッジ14を識別するためのカートリッジID(識別番号)の含まれたバーコード80がカバー18B側に2段印刷されている。
【0043】
図8に示すように、フィルムFのトレーラー側の端部FTには、幅方向の中央部にフィルムFをスプール軸16へ係止する(アタッチする)ときに用いられるアタッチプレート806の先端806Aを引っ掛ける長孔58が穿設されている。
【0044】
この長孔58の幅方向の両側には、係合孔60が穿設されている。この係合孔60は、フィルムFのトレーラー側の端部FTをスプール軸16のスリット孔52へ挿入したときに、図6(A)に示すように、前記した突起部56がそれぞれ入り込むようになっている。また、このときフィルムFの係合孔60の間は押さえ部54が当接して、突起部56の抜け止めの役目をしてフィルムFのトレーラー側の端部FTをスプール軸16に係合させるようになっている。
【0045】
なお、図6(B)に示されるように、突起部56の先端56Aは、フィルムFの引出し方向(矢印R方向)と反対方向に突出した形状となってフィルムFの抜け防止が施されている。
【0046】
フィルムFは、トレーラー側の端部FTが前記したようにスプール軸16に係合した状態でスプール軸16に巻き取られてカートリッジ14内に収容されている。
【0047】
図4(A),(C)に示すように、カートリッジ14には、側壁24、26から露出するスプール軸16の端面にキー孔62が形成されており、このキー孔62に係合した場合にスプール軸16に回転力を伝達することができるようになっている。
【0048】
なお、図8に示されるように、フィルムFには、画像コマ64の位置を明示するパーフォレーション66が所定間隔で幅方向の一端部に形成されており、このパーフォレーション66は、画像の露光やプリント作業を行うときの画像コマ64の位置決めに用いられるようになっている。
【0049】
また、最終の画像コマ64より端部FT側には、前記パーフォレーション66と反対側にアラウンドパーフォレーション68が穿設されており、この位置よりもトレーラー側には画像が記録されていないこと、または画像を記録しないことを明示している。
【0050】
また、フィルムFには、トレーラー側の端部FTから一定の間隔Tだけ離れた位置にデタッチパーフォレーション70が穿設されており、このデタッチパーフォレーション70を検出すればフィルムFのトレーラー側の端部FTの位置を正確に判断できるようにしている。なお、フィルムFのトレーラー側の端部FTの幅方向の両端は、スプール軸16のスリット孔52への挿入を容易にするために傾斜している。
【0051】
さらに、このフィルムFには、透明な磁気記録層が設けられており、フィルムFの幅方向の両端部で、画像コマ64に掛からない領域を磁気トラックとして用いるようになっている。
【0052】
ここで、パーフォレーション66の形成されている側には現像所用の磁気トラック80が設けられている。また、パーフォレーション66の形成されている側とは反対側には、カメラ用の磁気トラック82が設けられている。
【0053】
また、端部FT側の画像コマ64のパーフォレーション66よりも端部FT側、及び端部FR側の画像コマ64のパーフォレーション66よりも端部FR側には、それぞれフィルムFを識別するためのフィルムIDを記録する磁気トラック88が設けられている。さらに、これら磁気トラック88の反対側には、バーコード90が設けられている。このバーコード90は、フィルムFを識別するためのフィルムIDを含むものであり、フィルムFの製造段階で予め潜像として形成されており、現像処理することで顕像化されるものである。
【0054】
さらに、フィルムFには、磁気トラック82と同じ位置に、バーコード92が記録されている。このバーコード92は、画像コマ64のコマナンバー、製造メーカー、フィルム種等を表すものであり、フィルムFの製造段階で予め潜像として形成されており、現像処理することで顕像化されるものである。
(自動フィルム供給装置)
図1及び図9に示すように、自動フィルム供給装置100には、フィルムFの束をセットするセット部102を備えており、セット部102には、フィルムFの束を大きく湾曲させるためのローラ104が複数本立設されている。
【0055】
図9に示すように、自動フィルム供給装置100は、フィルムFの束のトレーラ側の端部FT付近を保持するためのフィルムホルダ116を備えている。図10に示すように、このフィルムホルダ116は薄肉板材が略コ字型に屈曲されており、屈曲された両脚部116AがフィルムFのエッジ部へ挟持力を付与して多数のフィルムFを積層状態で保持するようになっている。これらの脚部116A間の間隔は先端部にかけて次第に狭くなるように形成されている。
【0056】
図10及び図11に示すように、このフィルムホルダ116は、その中間部から立設されるピン118が回動アーム122を貫通し、先端部にストツパ124が固定されている。また、このピン118の回りには圧縮コイルばね126が介在されてフィルムホルダ116を回動アーム122から離間する方向へと付勢している。
【0057】
回動アーム122は、フィルムFの長手方向と平行な軸心を有する回転軸128へその一端が固着されている。この回転軸128は無端ベルト129を介してモータ131へと連結されて回転駆動力を受け、図10に示される如く初期位置である立設状態から送り出し状態である平伏状態(2点鎖線で図示)へと図10の矢印CCW方向及び矢印CCW方向とは反対方向にに回転できるようになっている。また、図示されていないが、回動アーム122は、無端ベルト129ではなくリンク機構を介してモータで駆動することで、モータの回転方向を切り換えることなく動作させることができ、暴走したときに装置にダメージを与えることなくエラー復帰できる。
【0058】
送り出し状態では、フィルムホルダ116がフィルムFの幅方向を水平状態とし、かつテーブル112上へとその一部が露出される送り出しローラ132へと最外側のフィルムFの先端部を押圧できるようになっている。
【0059】
図9及び図11に示すように、テーブル112にはレバー138A付きのスイッチ138が設けられており、フィルムホルダ116が平伏状態とされたときにフィルムホルダ116に保持されたフィルムFがテーブル112上に突出したレバー138Aを押してスイッチをオンするようになっている。図11に示すように、スイッチ138は制御装置140に連結されており、これによりフィルムホルダ116にフィルムFが保持されているか否かを検出することができる。
【0060】
なお、この送り出しローラ132は図10及び図11に示される如く無端ベルト134を介して後述するフィルム搬送装置700のモータ720と連結されており、モータ720の駆動力によって最外側のフィルムFをフィルム搬送装置700へと送り出すようになっている。
【0061】
自動フィルム供給装置100は、図1に示すように矢印B方向側へ開くカバー136を備えており、カバー136を開くことで内部が開放されると共に、後述するフィルム搬送装置700のフィルム入口700Aが露出するようになっている。
【0062】
一方、テーブル112には、図11に示すようにマイクロスイッチ142が設けられている。このマイクロスイッチ142は、制御装置140に連結しており、カバー136(図11には図示せず)の開閉を検出する。
【0063】
なお、図1及び図9に示すように、自動フィルム供給装置100の矢印R方向側の側面には、フィルム受け部8が設けられている。フィルム受け部8には、フィルムFを受ける支持ローラ9が回転自在に取り付けられている。
(クリップ)
次に、自動フィルム供給装置100にセットする前に、フィルムFを束ねておくクリップ500を図12乃至図14にしたがって説明する。
【0064】
図12乃至図14に示すように、クリップ500は、略コ字型の本体502、レバー504、フック506を備えている。
【0065】
レバー504は、本体502に取り付けられるピン508に回転可能に取り付けられている。このレバー504は、ねじりバネ510によって図14の矢印CCW方向に付勢されており、本体502のストッパーとしての突起512に当接している。
【0066】
本体502には、レバー504の矢印L方向側に、略V字型の板バネ514が取り付けられており、先端がレバー504に弾性的に押しつけられている。
【0067】
また、本体502には、板バネ514の矢印R方向側に、フィルムFの係合孔60に係合する一対の突起516が形成されている。この突起516の先端は、板バネ514側に傾斜している。また、突起516の先端は、レバー504の切欠518に若干量入り込んでいる。
【0068】
なお、本例では、フック506は、本体502にネジ520で固定されているが、本体502を射出成形等で製作する場合、フック506と本体502は一体成形でも構わない。
のクリップ500にフィルムFを保持させるには、板バネ514の先端とレバー504との間にフィルムFのトレーラー側の端部FTを押し込む。これにより、図14の2点鎖線で示すように板バネ514が押し下げされ、フィルムFの係合孔60に突起516が係合する。このクリップ500では、フィルムFを20本保持することが可能となっている。なお、板バネ514の押しつけ力は弱く、レバー504を図14の矢印CCW方向と反対方向に回転させることは無い。また、フィルムFは、フック506とレバー504のフック506側の端部とを指で挟み、レバー504を図14の矢印CCW方向と反対方向に回転させることによりクリップ500から外すことができる。
(コンテナ)
図15、図16及び図17に示すように、コンテナ200は、本体202と、この本体202に着脱自在とされたカバー204とから構成されており、各々合成樹脂の成形品である。
【0069】
図16に示すように、本体202は円筒状を呈しており、外周側にはカートリッジ14を収納する複数個のカートリッジ格納部206が周方向に沿って所定間隔で20個設けられている。カートリッジ格納部206は、カートリッジ14をカバー204側から軸方向に沿って挿入可能なように開口している。
【0070】
カートリッジ格納部206には、収納したカートリッジ14のバーコード80が見えるように外周側に窓208が形成されている。図15に示すように、この窓208の近傍には、カートリッジ格納部206の番号206A(本実施形態では1〜20番)が付与されている。
【0071】
図16に示すように、カートリッジ格納部206の内壁面には、バーコード209が貼り付けられており、このバーコード209にはカートリッジ14が収容されていないことを示す情報が含まれている。なお、コンテナ200のバーコード209は、カートリッジ14のバーコード80とコード体系を変える、印字数字の桁数を変える、C/Dを変える等することが好ましい。なお、コンテナ200は成形品であるので、バーコード209を幅の異なる複数本の溝で形成することもできる。あるいは、表面のアラサを変化させることで、反射光あり/反射光なしをも作成可能である。
【0072】
したがって、バーコード209が読み取られると、そのカートリッジ格納部206にはカートリッジ14が収容されていないことが判る。また、これによりカートリッジ14のバーコード80が汚れて読めない場合と、カートリッジ14が存在しないことを区別することができる。このように構成することで、カートリッジ14が収納されているか否かを検出するためのスイッチやセンサを特別に設けなくて済むので、コストを低減できる。
【0073】
図18に示すように、カートリッジ格納部206の内壁面には、バーコード209の側方にカートリッジ押え214が設けられている。このカートリッジ押え214は、カートリッジ格納部206に収納されたカートリッジ14を所定の力で反対側の内壁面に押し付けるようになっており、逆さまにした時でもカートリッジ14が不用意に飛び出さないようになっている。なお、カートリッジ押え214としては、例えば、板バネ、スポンジ等の弾性材料を用いることができるが、テレンプ等の摩擦の大きな材料でカートリッジ14の飛び出しを防止することもできる。また、カートリッジ押え214として、板バネ等の他の部材を用いるのではなく、コンテナ200の本体202の一部に弾性変形可能な板バネ状のものを一体成形しても良い。
【0074】
カートリッジ格納部206には、底部の中央に丸孔216が形成されており、収納したカートリッジ14の表示板38と対向する位置に突起218が形成されており、カートリッジ14をカートリッジ格納部206へ所定以上の力で押し込むと、突起218に押された表示板38がノッチ孔36内へ折り曲げられるようになっている。なお、表示板38がノッチ孔36内へ折り曲げられているカートリッジ14は、内部のフィルムFが現像処理済みである事を示している。
【0075】
図17に示すように、本体202には、カバー204の取り付け側とは反対側に大径のリングギヤ220及びスリット円板222が同軸的に設けられている。スリット円板222には、各カートリッジ格納部206に対応した位置に位置決め用のスリット224が形成されている。これらスリット224の内の一つは幅が広く形成されており、回転方向の位置決めに用いられる基準用のスリット224Aとされている。
【0076】
図16及び図17に示すように、カバー204は、リング状の押え板226と、本体202へカバー204を取り付けるための円板状のロックプレート228とから構成されている。ロックプレート228は、押え板226の内周部に、相対回転可能に取り付けられており、外周側の3ヵ所に爪230が設けられている。これらの爪230は、本体202に設けられた切欠232に挿入されるようになっており、これらの爪230を軸方向に沿って切欠232に挿入し、ロックプレート228と本体202とを相対回転させることにより、カバー204が本体202へ取り付くようになっている。なお、ロックプレート228には、ロックプレート228を回転させる場合に、指を入れるための穴237が一対形成されている。
【0077】
図15に示すように、押え板226には、径方向に沿って延びて外周側の先端がテーパー状とされた突起236と、この突起236とは反対側に設けられ外周側に幅広部分を有する突起238と、が形成されている。なお、突起236及び突起238には、それぞれ輪ゴム(又は紐等)を引っ掛ける引っ掛け溝242が形成されており、このコンテナ200で処理するカートリッジ14と対応するDP袋を輪ゴム(又は紐等)で止めることができる様になっている。
【0078】
また、押え板226には、カートリッジ14を出入可能とする開口233が一つ形成されており、突起236,238を除く他の部分には、カートリッジ格納部206と同じピッチで小孔234が形成されている。
(コンテナ装填部)
図19に示すように、コンテナ装填部300は、コンテナ200を収容するフレーム304と、このフレーム304に取り付けられ矢印L方向に開閉可能なコンテナカバー302を備えており、コンテナカバー302を開けることでコンテナ200をフレーム304内に装填可能となる。
【0079】
図19及び図20に示すように、フレーム304は上部が開放されており、内部には、コンテナ200の本体202を回転可能に支持する一対のローラ305が設けられている。
【0080】
図20及び図21に示すように、フレーム304の矢印F方向側の側板306及び矢印B方向側の側板310の内面には、コンテナガイド板307,309が取り付けられている。コンテナガイド板307には、案内溝307Aが形成されている。この案内溝307Aは、上下方向に沿って延びており、コンテナ200の突起236が係合するようになっている。
【0081】
なお、案内溝307Aにコンテナ200の突起236を合わせて挿入すると、コンテナ200の開口233が後述するネスト部400の側方に位置するようになっている。
【0082】
また、側板306の矢印F方向側には、後述するネスト部400が設けられており、側板310の矢印B方向側には、後述する押圧装置600が設けられている。
【0083】
図19に示すように、フレーム304の上部には、コンテナカバー302の開閉を検出するマイクロスイッチ314が取り付けられている。このマイクロスイッチ314は、制御装置140(図示せず)に連結されており、コンテナカバー302が正しく閉められるとスイッチがオンするようになっている。
【0084】
図19及び図20に示すように、側板310の外側には、モータ316が取り付けられている。モーター316の回転軸はフレーム304の内側に突出しており、先端にはコンテナ200のリングギヤ220に噛み合う小ギヤ318が取り付けられている。
【0085】
図22に示すように、側板306には上下一対のピン320が取り付けられており、これらのピン320はスライド板322の長孔321を貫通している。これにより、スライド板322は側板306に対して所定寸法スライド可能となっている。
【0086】
図21及び図22に示すように、スライド板322は、同じく側板306に取り付けられたサブフレーム324に取り付けられたスプリング326によって上方に付勢されている。図19に示すように、スライド板322は、コンテナカバー302が閉められるとコンテナカバー302の下面に取り付けられた突起328によって所定寸法下方へ押し下げられる。
【0087】
図21及び図22に示すように、サブフレーム324には水平方向に軸330が設けらており、この軸330には、ストッパー334が所定範囲回転可能に支持されている。
ストッパー334は、サブフレーム324に取り付けられたスプリング332によって図21の時計回り方向(矢印CW方向)に付勢されており、図22及び図21に示すようにスライド板322が押し下げられていない状態では、図21に示すように下端の爪部334Aがスライド板322の孔336から内方に突出して孔336の下縁に引っ掛かっている。ここで、コンテナカバー302が開けられている状態でコンテナ200を挿入すると、図21に示すようにコンテナ200の下端がストッパー334の爪部334Aに載せられる。この状態では、コンテナ200のリングギヤ220が小ギヤ318よりも僅か上方に位置し、コンテナ200の外周が一対のローラ305から僅かながら離間している。
【0088】
次に、コンテナカバー302を閉めると、図19に示すように、突起328がスライド板322を押し下げ、図23に示すようにスライド板322の孔336からストッパー334の爪部334Aが外れて図23の時計回り方向と反対方向に回転し、コンテナ200が僅かに落下して一対のローラ305に支持されると共にリングギヤ220が小ギヤ318に噛み合う。なお、コンテナカバー302の内側には、コンテナ200を下方に向けて付勢する板バネ337が取り付けられており、リングギヤ220と小ギヤ318との噛み合いを確実なものとしている。また、図示はしないが、フレーム304には、コンテナカバー302を閉めた際にコンテナカバー302をロックするロック手段が設けられている。
【0089】
このように、本実施形態では、コンテナ200のリングギヤ220を小ギヤ318に噛み合わせる際のコンテナ200の落下寸法が短いので、リングギヤ220及び小ギヤ318に衝撃がかからず、リングギヤ220及び小ギヤ318の歯の破損を防止することができる。
【0090】
なお、コンテナカバー302を開け、コンテナ200を引き上げると、スプリング332に付勢されたストッパー334が時計回り方向に回転して爪部334Aがスライド板322の孔336から内方に突出し、スライド板322が上方にスライドして孔336の下縁に爪部334Aが引っ掛かる(初期位置に戻る。)。
【0091】
図20に示すように、側板306の内側上部には、コンテナ200の有無を検出するレバー付きのマイクロスイッチ338が取り付けられている。このマイクロスイッチ338は制御装置140(図示せず)に連結されており、コンテナ200のリングギヤ220が小ギヤ318に噛み合う位置まで落下するとレバーが押されてスイッチがオンするようになっている。
【0092】
図19及び図20に示すように、側板310の内側には、コンテナ200のスリット224が通過する位置に透過型の光センサ340,342が近接して設けられている。これらの光センサ340,342は、制御装置140(図示せず)に連結されている。光センサ340は、収納部206の位置決めに用いられ、光ビームがスリット224を透過する位置では、本体202の何れかの収納部206が押え板226の開口233に対応する。
【0093】
一方、光センサ342はコンテナ200の原点検出用であり、幅広の基準用のスリット224Aが光センサ340,342に対向し、両方の光ビームとがスリット224Aを透過する位置では、1番の収納部206が開口233に対応するようになっている。
【0094】
また、ネスト部400の下方には、バーコードリーダー212が配置されている。バーコードリーダー212は、開口233(後述するネスト部400のネスト404の側方(図19の紙面裏側))に対向するカートリッジ14から時計回り方向へ2番目のカートリッジ14のバーコード80を読み取るようになっている。なお、カートリッジ14が格納されていない場合には、バーコードリーダー212は収納部206のバーコード209を読み取る。なお、このバーコード209は、カートリッジ14のバーコード80よりもバーコードリーダー212からの距離が遠くなるため、カートリッジ14のバーコード80よりも大きく形成されており、バーコードリーダー212によって確実に読み取れる様になっている。
【0095】
制御装置140は、基準用のスリット224Aを検出した後、コンテナ200を所定の方向へ回転させて通過するスリット224の数を光センサ340でカウントすると共にカートリッジ14のバーコード80(或いはバーコード209)を読み取り、何番の収納部206が開口233に対応しているか、また、何番の収納部206が空であるかを判断でき、さらに、開口233に対応しているカートリッジ14のIDも判断できる。
(ネスト部400)
図20及び図24に示すように、ネスト部400には、カートリッジ14を保持するネスト404が設けられている。ネスト404は、コンテナ装填部300側及びコンテナ装填部300側の反対側が開放されており、一端が軸408に固着している。図22及び図24に示すように、軸408は、コンテナ装填部300の側板306及び側板306と平行に配置されたフレーム406に回転自在に支持されており、図22の時計回り方向及び時計回り方向とは反対方向に回転可能となっている。
【0096】
図24に示すように、この軸408は、ギヤ409及びギヤ411を介してモータ410の軸410Aに連結されている。このモータ410は、制御装置140(図示せず)によって制御される。
【0097】
図24及び図25に示すように、モータ410の軸410Aには、扇型のシャッタ板413が取り付けられており、軸410Aの外周側にはシャッタ板413に対応して透過型の光センサ415,417が所定間隔で設けられている。これらシャッタ板413及び光センサ415,417によって、ネスト404の回転位置が検出される。
【0098】
ここで、通常は、図19に示すようにネスト404は軸408の矢印R方向側に位置しており、上側及びコンテナ装填部300側からカートリッジ14を収容可能となっている。
【0099】
また、図1及び図2に示すように、ネスト部400は、カバー401を開放することで、内部を露出することができるようになっており、カバー401を開放して、カートリッジ14をネスト404に収容したり、ネスト404から取り外したりできる。
【0100】
ネスト404の下側には、ネスト404内のカートリッジ14の有無を検出するためのアーム付光センサ412が設けられており、アーム付光センサ412のレバーがネスト404の底部に形成された孔からネスト404内に突出している。このアーム付光センサ412は制御装置140(図示せず)に連結されており、カートリッジ14がネスト404内に収容されるとレバーが押されて遮光状態となり、カートリッジ14が収容されていることを検出する。
【0101】
図25に示すように、軸408の矢印L方向側には第1の傾斜面416が設けられており、図1及び図25に示すように、傾斜面416の下端には、第2の傾斜面418が設けられている。
【0102】
したがって、カートリッジ14を収容したネスト404を時計回り方向と反対方向に(約90°以上)回転すると、カートリッジ14は、第1の傾斜面416を介して第2の傾斜面418の下端に滑り落ちる。図25に示すように、第2の傾斜面418の下端には、制御装置140(図示せず)に連結されたフォトダイオード420及びLED422が配置されており、カートリッジ14が第2の傾斜面418の下端に滑り落ちると、LED422からフォトダイオード420へ照射される光ビームが遮られて、カートリッジ14が排出されたことが検出され、表示装置4に表示されるようになっている。
【0103】
図24及び図25に示すように、フレーム406には、ネスト404に収納されたカートリッジ14のスプール軸16(図示せず)と同軸にスプールドライバ440が設けられており、ドアシャフト32(図示せず)と同軸にドアドライバ442が設けられている。
【0104】
スプールドライバ440のネスト404側の先端には、径方向外側に突出する突起440Aが設けられており、スプール軸16のキー孔62(図4参照)に係合するようになっている。
【0105】
一方、スプールドライバ440のネスト404側とは反対側の端部には、突起440Aに対して位置決めされたスリット円板444が取り付けられている。フレーム406には、このスリット円板444に対応して透過型の光センサ446,448が取り付けられている。光センサ446,448は制御装置140(図示せず)に連結されており、スリット円板444の図示しないスリットが光センサ446に対向して光センサ446がオン(光ビームが透過する状態)になる回転位置ではスプール軸16のスリット孔52に後述するアタッチプレート806が挿入可能となり、光センサ448がオン(光ビームが透過する状態)になる回転位置ではスプール軸16の白色板50が現像済であることを示す矩形状の表示孔40Cから露出するようになっている(スプール軸16がチャッキング位置にあることを示している。)。
【0106】
なお、スプールドライバ440は、ギヤ445、ギヤ447、ギヤ449及びギヤ451を介してモータ450に連結されている。なお、このモータ450は、制御装置140(図示せず)に連結されて制御される。
【0107】
図24に示すように、ドアドライバ442は、径方向外側に突出する突起443が先端に設けられており、ドアシャフト32のキー孔34(図4参照)に係合可能となっている。
【0108】
また、シャフト442の端部には、位置決めされたシャッタ板452が取り付けられている。図24及び図25に示すように、フレーム406には、このシャッタ板452に対応して透過型の光センサ454,456が取り付けられている。光センサ454,456は制御装置140(図示せず)に連結されており、ドア30の回転方向の位置を検出している。
【0109】
なお、ドアドライバ442は、制御装置140(図示せず)によって制御されるモータ(図示せず)によって回転される。
(押圧装置600)
図26及び図27に示すように、押圧装置600は、側板310の外側に取り付けられる箱状のケーシング604を備えている。ケーシング604の内側には、一対の角柱部材606,608及びこれら角柱部材606,608を互いに連結する一対の側板610,611からなる第1スライド部材612が配設されており、第1スライド部材612の内側には、略コ字状に形成された第2スライド部材614が配設されている。
【0110】
ケーシング604には、側板310と直交方向に配置される一対のガイドシャフト616が取り付けられている。
【0111】
第2スライド部材614の互いに対向する側壁614A,614Bには、鍔付きのスライドブッシュ618が取り付けられており、このスライドブッシュ618にガイドシャフト616が挿入されている。これにより、第2スライド部材614は、ガイドシャフト616に沿って所定寸法スライド自在となっている。
【0112】
また、第1スライド部材612にも鍔付きのスライドブッシュ618が取り付けられており、このスライドブッシュ618にガイドシャフト616が挿入されている。これにより、第1スライド部材612もガイドシャフト616に沿って所定寸法スライド自在となっている。
【0113】
第2スライド部材614には、ガイドシャフト616と平行にラック620が取り付けられており、反対側にはシャッタ板622が取り付けられている。ラック620には、ケーシング604に取り付けられたモータ624で回転されるピニオンギヤ626が噛み合っている。このため、モータ624を回転させることで、第2スライド部材614を矢印F方向及び矢印B方向にスライドさせることができる。
【0114】
第1スライド部材612の角柱部材608にはワンウェイクラッチ627が取り付けられ、反対側の角柱部材606にはベアリング628が取り付けられており、第1スライド部材612にはこれらワンウェイクラッチ626及びベアリング628を介して押圧シャフト630が支持されている。この押圧シャフト630は、コンテナ200に格納されたカートリッジ14をネスト404へ押し出す役目をしている。
【0115】
本実施形態の押圧シャフト630は、ワンウェイクラッチ626の作用によって図27に示すように、矢印CCW方向(スプール軸16のフィルムFの巻取方向)にのみ回転可能となっており、反対方向には回転不能となっている。
【0116】
なお、押圧シャフト630は、第2スライド部材614の側壁614A,614B、ケーシング604及び側板310を貫通している。
【0117】
また、ケーシング604には、モータ624と反対側に、透過型の光センサ636,638が取り付けられている。光センサ636,638は制御装置140(図示せず)に連結されており、シャッタ板622が光を遮ることで、スイッチがオンするようになっている。なお、光センサ636は、第2スライド部材614の矢印F方向側の停止用に用いられ、光センサ638は、第2スライド部材614の矢印B方向側の停止用に用いられる。
【0118】
ここで、第2スライド部材614が矢印B方向にスライドして停止すると、押圧シャフト630の先端は、コンテナ200の丸孔216から引き出されてコンテナ200は回転可能な状態となる。
【0119】
第1スライド部材612の角柱部材608と第2スライド部材614とはガイドシャフト616に外装されたスプリング642で連結しており、第2スライド部材614と共に第1スライド部材612がスライドするようになっている。
【0120】
ここで、第2スライド部材614が矢印F方向にスライドすると、押圧シャフト630がコンテナ200の丸孔216を挿通してカートリッジ格納部206に収納されたカートリッジ14のスプール軸16に当接してカートリッジ14をネスト404へ押し出し、スプール軸16が押圧シャフト630とスプールドライバ440とで挟持される。この状態では、スプリング642が所定量圧縮され、スプール軸16は所定のチャッキング力(本実施形態では600gf)で挟持されることになる。
【0121】
スプールドライバ440の先端は45度に面取りされており、押圧シャフト630の先端はスプールドライバ440の先端よりも鋭角なテーパー状に形成されている。
【0122】
ところで、スプール軸16のキー孔62に押圧シャフト630及びスプールドライバ440が挿入され、上記チャッキング力が作用した場合、押圧シャフト630及びスプールドライバ440の先端形状及び材質が同一であれば、スプールドライバ440側のチャッキングトルク(スプールドライバ440がスプール軸16に押圧されている状態で、スプール軸16とスプールドライバ440とが相対回転しない最大のトルク。但し、スプール軸16のキー孔62にスプールドライバ440が係合していない状態。)と、押圧シャフト630側の摩擦トルク(押圧シャフト630がスプール軸16に押圧されている状態で、スプール軸16と押圧シャフト630とが相対回転しない(ロック時)最大のトルク。)とは等しくなる。
【0123】
しかし、本実施形態では、押圧シャフト630の先端がスプールドライバ440の先端よりも鋭角なテーパー状に形成されているため、押圧シャフト630の先端がキー孔62に挿入されて上記チャッキング力が作用すると、テーパー面の作用によりキー孔62を押し広げる力成分(F=μNのN力)が増加するため、常に(押圧シャフト630側のチャッキングトルク)≧(スプールドライバ440側のチャッキングトルク)を満たすことができる(なお、押圧シャフト630のテーパー面を荒らすことによってさらに摩擦係数μを増加させることもできる。)。
【0124】
また、このカートリッジ14では、スプール軸16に回転をロックしているスプールロックトルク(最低25gf・cm)が作用している。
【0125】
したがって、本実施形態では、温湿度の影響を受けず、(押圧シャフト630側のチャッキングトルク)+(スプールロックトルク)>(スプールドライバ440側のチャッキングトルク)が成立する。
【0126】
ここで、スプールドライバ440をスプール軸16のキー孔62に係合する場合には、上記チャッキング力を作用させた状態でスプールドライバ440をスプール軸16がフィルムFを送りだす方向に回転させる。このとき押圧シャフト630は、ワンウェイクラッチ626によって同方向の回転が阻止されている。したがって、スプール軸16が停止した状態でスプールドライバ440のみが回転し、1回転以内にスプールドライバ440の突起440Aがキー孔62のキー溝に一致してスプールドライバ440がキー孔62に係合する。スプール軸16は、スプールドライバ440側に付勢されているため、スプールドライバ440がキー孔62に係合するとスプール軸16(カートリッジ14)が所定寸法スプールドライバ440側へ移動し、押圧シャフト630が連結している第1スライド部材612の側板610に形成されたシャッタ板644が、ケーシング604に取り付けられた透過型の光センサ646の光ビームを遮って、スプールドライバ440がキー孔62に係合したことを検出する。なお、この光センサ646は制御装置140(図示せず)に連結されている。
(カートリッジ収納装置)
図24に示すように、フレーム406には、カートリッジ14をコンテナ200へ戻すためのカートリッジ格納装置424が設けられている。カートリッジ格納装置424は、スライド板426を備えており、スライド板426はフレーム406に矢印B方向及び矢印F方向へスライド可能に取り付けられている。図24及び図25に示すように、スライド板426にはラック428が取り付けられており、図24に示すように、ラック428にはピニオンギヤ430が噛み合っている。このピニオンギヤ430は、回転軸431、ギヤ433、ギヤ435を介してモータ432の回転軸432Aに取り付けられている。なお、モータ432は、制御装置140(図示せず)で回転が制御されるようになっている。
【0127】
図24及び図25に示すように、スライド板426にはシャッタ板438が取り付けられており、このシャッタ板438に対応して透過型の光センサ434,436が設けられている。なお、光センサ434,436は制御装置140(図示せず)に連結されている。
【0128】
図24に示すように、スライド板426のネスト404側の端部には一対の突出部426Aが設けられている。
【0129】
スライド板426が矢印F方向に移動して光センサ436の光ビームが遮光され、光センサ434の光ビームが透過状態となると、突出部426Aはカートリッジ14から退避した状態となる。
【0130】
また、押圧シャフト630が矢印B方向に移動してカートリッジ14から離間し、その後スライド板426が矢印B方向に移動して光センサ434の光ビームが遮光状態で、かつ、光センサ436の光ビームが透過状態となると、カートリッジ14は矢印B方向へ所定寸法押し出されて、スプールドライバ440及びドアドライバ442がカートリッジ14から離間する。したがって、この状態では、ネスト404を回転させてカートリッジ14を第1の傾斜面416へ排出することが可能となる。
【0131】
ここからさらにスライド板426が矢印B方向に移動し、光センサ434の光ビーム及び光センサ436の光ビームが透過状態となると、ネスト404のカートリッジ14がコンテナ200のカートリッジ格納部206に完全に押し込まれる。
(フィルム搬送装置)
図28及び図29に示すように、フィルム搬送装置700は、自動フィルム供給装置100とネスト部400との間に設けられており、水平に配置される下ガイド702と、この下ガイド702の上部に蝶番704によって開閉可能に取り付けられる上ガイド706とを備えている。
【0132】
下ガイド702には、矢印L方向及び矢印R方向に沿って直線状に延び、フィルムFよりも若干量幅広とされた浅溝708が形成されている。浅溝708はフィルムFの搬送経路であり、自動フィルム供給装置100側から搬送ローラ710A,712A,714A,716A,718Aが所定間隔で設けられている。搬送ローラ710A,712A,714Aは図示しないタイミングベルトを介してモータ720によって回転され、搬送ローラ716A,718Aは図示しないタイミングベルト及び電磁クラッチ723を介してモータ722の駆動力を得るようになっている。なお、モータ720,722及び電磁クラッチ723は制御装置140(図示せず)によって制御されている。
【0133】
一方、上ガイド706には、搬送ローラ710A,712A,714A,716A,718Aと対向する位置に搬送ローラ710B,712B,714B,716B,718Bが設けられている。なお、搬送ローラ710B,712B,714B,716B,718Bは、自由回転可能な従動ローラである。フィルム搬送装置700では、フィルムFが搬送ローラ710A,712A,714A,716A,718Aと搬送ローラ710B,712B,714B,716B,718Bとの間に挟持されて搬送されるようになっている。
【0134】
なお、搬送ローラ710A,712A,714A、搬送ローラ710B,712B,714B及びモータ720によって第1搬送装置764が構成され、搬送ローラ716A,718A、搬送ローラ716B,718B及びモータ722によって第2搬送装置766が構成されている。したがって、第1搬送装置764と第2搬送装置766とは独立に駆動可能となっている。
【0135】
図28に示すように、上ガイド706には、搬送ローラ716Bと搬送ローラ718Bとの間に開口743が設けられている。この開口743は、図29に示すように、フィルムFにループ(弛み)が形成された場合の逃げとなっている。
【0136】
図28及び図29に示すように、下ガイド702には光センサ724,726,728,730,732,734が設けられており、上ガイド706には、光センサ724,726,728,730,732,734と対向する位置にLED736が設けられている。
【0137】
光センサ724は搬送ローラ710の自動フィルム供給装置100側でかつネスト404に向かって右側に配置されており、フィルムFがフィルム搬送装置700に挿入されたことを検出する。
【0138】
光センサ726は、搬送ローラ710のネスト404側でかつネスト404に向かって左側で、かつノッチ74の通過位置に配置されている。自動フィルム供給装置100からフィルムFが送り出された後、所定時間内にフィルムFのトレーラー側の端部FTが光センサ726により検出されない場合には、搬送不良(ミスフィールド)と判断される。
【0139】
光センサ728,730は、光センサ726のネスト404側の浅溝708の幅方向両端側に配置され、光センサ728はフィルムFのデタッチパーフォレーション70の通過位置に、光センサ730はパーフォレーション66の通過位置に設けられている。
【0140】
ネスト404側に搬送されるフィルムFのトレーラー側の端部FTを光センサ728で検出し、所定時間後にデタッチパーフォレーション70を検出することでフィルムFが正しい向き(裏表)で搬送されていることを検出できる。なお、ネスト404側に搬送されるフィルムFのトレーラー側の端部FTを光センサ728で検出し、所定時間後に光センサ728でデタッチパーフォレーション70を検出しない場合には、フィルムFがトレーラ側から搬送されていないこと(即ち、リーダー側から搬送されていること)又は、デタッチパーフォレーション70が正しく穿孔されていないことを検出できる。
【0141】
さらに、ネスト404側に搬送されるフィルムFのトレーラー側の端部FTを光センサ728,230で検出した後、所定時間内に光センサ230でデタッチパーフォレーション70を検出した場合には、フィルムFのトレーラー側のリシシェイプミス(成形不良)であることを検出できる。
【0142】
なお、搬送されるフィルムFのパーフォレーション66を光センサ730によって検出することにより、フィルムFの搬送不良(ジャミング)を検出することができる。また、光センサ730によるパーフォレーション66の検出は、後述する読取ヘッド748による磁気トラック88の磁気情報の読取開始トリガとして用いられる。
【0143】
光センサ732は、搬送ローラ712Aのネスト404側でかつネスト404に向かって右側に配置され、フィルムFのトレーラー側のバーコード90を読取るようになっている。
【0144】
光センサ734は、搬送ローラ716Aのネスト404側で、かつデタッチパーフォレーション70の通過位置に設けられている。
【0145】
光センサ735は、搬送ローラ716Aのネスト404側で、かつパーフォレーション66の通過位置に設けられている。搬送されるフィルムFのパーフォレーション66をこの光センサ735と前述した光センサ730とで検出し、光センサ735で検出した結果と光センサ730で検出した結果とが一致しない場合には、フィルムFの巻き込み異常が発生している、と判断される。
【0146】
また、下ガイド702には、搬送ローラ712Aの自動フィルム供給装置100側に、ゴミ除去部が設けられている。ゴミ除去部は導電性のブラシ738及び吸引孔740を備えている。図29に示すように、ブラシ738はフィルムFに接触してフィルムFに付着したゴミを除去する。一方、吸引孔740はダクト742を介して吸引装置744に連結されており、ブラシ738によって除去されたゴミを吸引する。なお、上ガイド706には、吸引孔740と対向する位置に、空気孔746が形成されている。また、搬送ローラ718Aの自動フィルム供給装置100側にもブラシ738が設けられている。
【0147】
図28及び図29に示すように、上ガイド706には、搬送ローラ712Bと搬送ローラ714Bとの間に、読取ヘッド748が設けられている。この読取ヘッド748で読み取られた磁気情報は制御装置140(図示せず)に出力される。
【0148】
また、読取ヘッド748の自動フィルム供給装置100側には、フィルムFの磁気トラック80,82,88と対向する位置にダミーヘッド750が設けられている。ダミーヘッド750は、読取ヘッド748と同様の形状をしており、フィルムFの磁気トラック80,82,88に接触して、磁気トラック80,82,88に付着した異物を除去するようになっている。
【0149】
また、上ガイド706には、搬送ローラ710Bの近傍に設けられた支点758により支持される梃子752が設けられている。図29に示すように、搬送ローラ710Bの軸には、梃子752の一端752Aがスプリング754で付勢されて接触しており、梃子752の他端752B側には透過型の光センサ756が配置されている。搬送ローラ710Bは、フィルムFの厚み方向に所定寸法移動可能に支持されており、図示しないスプリングで搬送ローラ710A側へ付勢されている。梃子752は、一端752Aの変位量(フィルムFの厚み方向の)が他端752Bで拡大(本実施形態では約10倍)されるようになっている。本実施形態では、搬送ローラ710Aと搬送ローラ710Bとの間にフィルムFが2枚重なって挟持されたときに梃子752の他端752Bが光センサ756の光ビームを遮るようになっている。光センサ756は制御装置140(図示せず)に連結されており、これによりフィルムFの複数枚送り(2重送り)を検出できるようになっている。
【0150】
さらに、上ガイド706には突起760が取り付けられており、下ガイド702には突起760と対向する位置にマイクロスイッチ762が設けられている。上ガイド706が正しく閉められると、突起760がマイクロスイッチ762のレバーを押して、スイッチをオンするようになっている。マイクロスイッチ762は制御装置140(図示せず)に連結されており、これにより上ガイド706の開閉(即ち、フィルムFの搬送路の開閉)を検出できるようになっている。
【0151】
なお、梃子752の光センサ(sen)756及び光センサ(sen)724,726,728,730,734,735の検出状態と、各部の状態の関係を図32に示す。制御装置140は、梃子752の光センサ(sen)756及び光センサ(sen)724,726,728,730,734,735の検出信号に基づいて、各部の動作状態を判断しており、これに基づいて、各可動部に次の動作を指示するようになっている。なお、図32中の「↑」は光ビームが遮断状態から通過状態へ遷移したことを示し、「↓」は光ビームが通過状態から遮断状態へ遷移したことを示し、「・・・」は通過状態と遮断状態とが交互に行われていることを示す。
【0152】
図29及び図30に示すように、下ガイド702には、読取ヘッド748と対向する位置にフィルム押しつけ装置768が設けられている。
【0153】
図30に示すように、フィルム押しつけ装置768は、読取ヘッド748にフィルムFを押しつけるプレッシャーローラ770を備えている。プレッシャーローラ770は、下ガイド702に取り付けられたフレーム772の軸774を支点として揺動自在とされた第1アーム776の先端に回転自在に取り付けられている。また、第1アーム776の下側には、同じく軸774を支点として揺動自在とされた第2アーム778が配設されている。第2アーム778の先端にはピン780が立設されており、このピン780には、第1アーム776を付勢するためのスプリング782が外装されている。
【0154】
第2アーム778の下面には、モータ784によって回転される偏心カム786が接触している。なお、このモータ784は、制御装置140(図示せず)によって回転が制御される。
【0155】
このフィルム押しつけ装置768では、偏心カム786の中心がモータ784の軸784Aよりも上側に位置すると、スプリング782が所定量圧縮され、プレッシャーローラ770が所定の力でフィルムFを読取ヘッド748に押しつけることができる。一方、偏心カム786の中心がモータ784の軸784Aよりも下側に位置すると、第1アーム776及び第2アーム778が下がり、プレッシャーローラ770はフィルムFを押しつけなくなる。
【0156】
なお、このフィルム搬送装置700は、開閉可能なカバー703で覆われており、万が一フィルムFが搬送不良を起こしたときには、カバー703を開け、フィルム搬送装置700の上ガイド706を開けることでフィルムFを取り出し可能となり、所定の処置を行うことができる。
【0157】
図31(A)に示すように、下ガイド702のネスト部400側の端部下側には、水平方向に軸802が設けられており、この軸802にアーム804が固着している。アーム804の先端側には、アタッチプレート806が一体的に形成されている。このアタッチプレート806は、軸802を曲率中心とした円弧状に形成されている。
【0158】
また、軸802には、回転自在に第1リンク808が支持されている。第1リンク808の矢印R方向の端部には、第2リンク810の一端が支持されており、第2リンク810は、第1リンク808に対して揺動自在となっている。さらに、第2リンク810の他端には、第3リンク812の一端が支持されている。
【0159】
第3リンク812は、中間部が下ガイド702に取り付けられた軸814に支持されており、揺動自在となっている。
【0160】
この第3リンク812は、浅溝708の幅方向外側に位置しており、フィルムFと干渉しない位置に設けられている。上ガイド706の端部には、軸816が回転自在に取り付けられており、この軸816にフラップ818が取り付けられている。フラップ818は浅溝708から矢印L方向側に搬出されるフィルムFの上方に位置している。軸816の一端には、レバー820が取り付けられており、軸816は、図示しないスプリングによって図31の時計回り方向とは反対方向に付勢されている。このため、レバー820は前述した第3リンク812の他端を押しつけることになり、この結果、第1リンク808は図31の時計回り方向とは反対方向に付勢されている。また、軸802には、ピン822が固着されており、ピン822の図31の時計回り方向の側面には、第1リンク808の第2リンク810側とは反対側の端部が押しつけられる。
【0161】
また、フィルム接合装置10には、図1に示すように、DP袋3のバーコード5を読み取るバーコードリーダー7を備えている。なお、バーコード5は、DP袋3のIDを含んでいる。また、バーコードリーダー7は制御装置140(図示せず)に連結されている。
【0162】
次に、本実施形態の作用を説明する。
先ず、処理を始める前に、現像済みのフィルムFの束、カートリッジ14及びコンテナ200を用意し、以下のように装置の準備を行う。
(1) 自動フィルム供給装置100のカバー136を開き、図9に示すようにセット部102にフィルムFの束をセットし、フィルムFの束のトレーラ側をフィルムホルダ116に保持させる。フィルムFをフィルムホルダ116に保持させた後、カバー136を閉める。
(2) 図16に示すように、コンテナ200のカバー204を本体202から外してカートリッジ14をカートリッジ格納部206に格納した後、カバー204を元通りに取り付ける。ここで格納するカートリッジ14は、自動フィルム供給装置100にセットしたフィルムFに対応したものであるのは勿論である。なお、カートリッジ14は空いているカートリッジ格納部206であれば何処に格納しても良い。次に、格納コンテナカバー302を開け、コンテナ200をコンテナ装填部300内に装填した後、コンテナカバー302を閉める。
【0163】
本実施形態のフィルム接合装置10では、コンテナ格納モード、排出モード、アタッチ割込モード、カートリッジ排出割込モード及びDP袋照合割込モードの5つの運転モードを選択することができ、コンテナ200を装填する場合には、コンテナ格納モード又は排出モードの何れか一方を選択する。なお、このモード選択は入力部6より行う。
【0164】
次に、フィルム接合装置10の作用をフローチャートにしたがって説明する。先ず、図示しないメインスイッチをオンにすると、装置の初期化が行われ、可動部が初期位置に設定される。
【0165】
図33に示すように、最初のステップ100では、コンテナ装填部300内にコンテナ200が有るか無いかを判断する。このステップ100でコンテナ200が有ると判断された場合にはステップ102へ進む。また、これと並行して、表示装置4には運転モードの選択を促すメッセージ(例えば、「運転モードを選択して下さい」)が表示される。
【0166】
ステップ102では、コンテナ200を1回転させ、各カートリッジ14のバーコード80をバーコードリーダー212によって読み取る。ここで、制御装置140(図示せず)は、どのカートリッジ14が何番のカートリッジ格納部206に格納されているかを記憶する。
【0167】
次のステップ104では、運転モードが選択されたか否かを判断する。
運転モードが選択されると、ステップ106へ進み、何れの運転モードに選択されたかを判断する。また、これと共に、表示装置4にはスタートスイッチをオンするようにメッセージ(例えば、「スタートスイッチを押して下さい」)が表示される。
【0168】
ステップ106で排出モードに選択された場合には図34及び図35に示す排出モード処理のルーチンを実行し、コンテナ格納モードに選択された場合には図36及び図37に示すコンテナ格納モード処理のルーチンを実行する。なお、排出モード処理のルーチン又はコンテナ格納モードのルーチンが終了するとステップ110へ進み、処理を終了する。
(排出モード処理)
以下に、排出モード処理のルーチンを図34及び図35のフローチャートにしたがって説明する。
【0169】
ステップ202では、スタートスイッチがオンされたか否かを判断する。
スタートスイッチがオンされたと判断されるとステップ204へ進み、初期位置にあった自動フィルム供給装置100のフィルムホルダ116を倒して平伏状態とする。
【0170】
次のステップ206では、自動フィルム供給装置100のフィルムFの有無を判断する。
【0171】
ステップ206でフィルムFが有ると判断されると、ステップ208へ進み、第1搬送装置764及び第2搬送装置766を作動させてフィルムFを搬送装置700に1本送り出すと共にプレッシャーローラ770を上昇させる。
【0172】
次のステップ210では、フィルムホルダ116を起こして初期位置に戻す。次のステップ212では、読取ヘッド748によってフィルムFの磁気トラック88からフィルムIDを読み取ってこれを記憶し、トレーラー側の端部FTが光センサ734,735で検出されたら第1搬送装置764及び第2搬送装置766の作動を停止する。なお、読取ヘッド748がフィルムIDを読み取ると、ただちにプレッシャーローラ770が下降し、読取ヘッド748にフィルムFが押し付けられなくなる。これにより、読取ヘッド748の摩耗が防止される。
【0173】
その後、第2搬送装置766を停止した状態で第1搬送装置764のみを所定時間作動させ、第1搬送装置764と第2搬送装置766との間に図29に2点鎖線で示すようにフィルムFのループ(湾曲した弛み)を形成する。フィルムFのループを形成した後、第2搬送装置766のみを所定時間作動させて、図31(A)に示すようにフラップ818の下側にフィルムFのトレーラー側の端部FTを送り出す。なお、この送りだしが終了した後、電磁クラッチ723を作動させて搬送ローラ716A,718Aとモータ722とを切り離し、搬送ローラ716A,718Aをフリー回転できるようにする。
【0174】
図35に示すように、次のステップ214では、フィルムFのIDに対応するIDの付与されたカートリッジ14が何れの位置にあるかを検索し、コンテナ200を回転させ、検索したカートリッジ14を開口233に対応させる。
【0175】
次のステップ216では、押圧シャフト630を移動させて、カートリッジ格納部206に格納されているカートリッジ14をネスト404へ押し出し、押圧シャフト630とスプールドライバ440とでスプール軸16を挟持する。その後、スプールドライバ440をフィルムFの巻き取り方向とは反対方向に回転させる。スプールドライバ440の突起440Aがキー孔62のキー溝に一致すると、スプール軸16(カートリッジ14)が所定寸法スプールドライバ440側へ移動し、スプールドライバ440がキー孔62に係合したことが検出される。
【0176】
スプールドライバ440がキー孔62に係合した後、ステップ218へ進み、ドアドライバ442を回転させてカートリッジ14のドア30を開け、スプールドライバ440をフィルムFの巻取方向に回転し、アタッチプレート806が挿入可能な様にスリット孔52を所定位置に向け、初期位置にあるアタッチプレート806を回転させる(図31の時計回り方向)。
アタッチプレート806が回転すると、図31(B)に示すようにフラップ818が傾斜してフィルムFの端部FTが傾斜し、アタッチプレート806の先端806Aを長孔58に引っ掛け易い状態となる。さらに、アタッチプレート806が回転すると、長孔58にアタッチプレート806の先端806Aが引っ掛かり、フィルムFの端部FTをスリット孔52に挿入する。スリット孔52にアタッチプレート806の先端部分が挿入されると、押さえ部54が径方向外側に弾性変形し、突起部56にフィルムFの係合孔60が係合する。
【0177】
その後、アタッチプレート806を、時計回り方向とは反対方向に回転して元の初期位置に戻し、第1搬送装置764を作動させると共にスプール軸16を回転してフィルムFをカートリッジ14内に巻き取る。
【0178】
そして、フィルムFのリーダー側の端部FRが光センサ734,735で検出されて所定時間後に、第1搬送装置764及びスプール軸16を停止し、フィルムFの巻き取りを終了する。なお、このとき、スプール軸16は白色板50が現像済であることを示す矩形状の表示孔40Cから露出するように停止する。その後、ドアドライバ442を回転させてカートリッジ14のドア30を閉める。ドア30を閉めた後、押圧シャフト630を初期位置に戻し、スライド板426をコンテナ200側へ所定量移動させ、カートリッジ14をスプールドライバ440及びドアドライバ442から離間させる。
【0179】
その後、ステップ220へ進み、初期位置にあるネスト404を回転させ(図19の時計回り方向とは反対方向)、その後、ネスト404を反対方向に回転させて元の初期位置に戻す。これにより、フィルムFの巻き取りを終了したカートリッジ14が第1の傾斜面416を介して傾斜面418の下端に排出される。カートリッジ14が排出されると、LED422からフォトダイオード420へ照射される光ビームが遮られて、カートリッジ14が排出されたことが検出される。また、表示装置4にはカートリッジ14が排出されたことが表示される。
【0180】
カートリッジ14が排出されるとステップ222に進み、コンテナ200のカートリッジ14が全て排出されたか否かを判断する。カートリッジ14が全て排出されていないと判断されるとステップ204に戻り、前述した処理を行う。一方、カートリッジ14が全て排出されたと判断された場合にはこの処理を終了する。
【0181】
このように、この排出モード処理では、フィルムFの送り出し順に、1つずつカートリッジ14を排出することができる。
【0182】
なお、本実施形態のフィルム接合装置10では、フィルムFとカートリッジ14との照合を自動的に行うので、人手による照合に比較して効率的に照合することができ、また、読取ミス等の発生も防止できる。
【0183】
(コンテナ格納モード)
以下に、コンテナ格納モードのルーチンを図36及び図37のフローチャートにしたがって説明する。このコンテナ格納モードでは、一部のステップが前述した排出モードのステップと同一であるので、同一のステップは説明を省略する。
【0184】
図36及び図37に示すように、コンテナ格納モードでは、ステップ202〜ステップ218の処理が終了すると、ステップ224へ進む。ステップ224では、押圧シャフト630を初期位置に戻し、スライド板426をコンテナ200側へ所定量移動させ、フィルムFの巻き取りを終了したカートリッジ14をコンテナ200のカートリッジ格納部206(取り出したときと同じカートリッジ格納部206)へ格納させる。
【0185】
次の、ステップ246では、コンテナ200のカートリッジ14を全て処理して再び格納したか否かを判断する。カートリッジ14が全て処理されていないと判断されるとステップ204に戻り、前述した処理を行う。一方、カートリッジ14が全て処理されたと判断されるとこの処理を終了する。なお、最後のカートリッジ14の処理が終了した場合に、処理が終了したことを知らせるメッセージが表示装置4に表示される。なお、これと共に終了ブザー等を鳴らしても良い。
【0186】
このように、このコンテナ格納モードでは、コンテナ単位で所定個数の処理を連続して自動的に行えるので、オペレータは、スタートボタンを押した後は最後のカートリッジ14の処理が終了するまで他の作業を行うことができる。
【0187】
ところで、このフィルム接合装置10では、コンテナ200のカートリッジ14が一部未処理状態であっても、コンテナ200を取り外すことなく処理済みのカートリッジ14を排出することができる。このモード選択は、入力部6より行うことができ、所定のDP袋に対応したカートリッジ14を排出させるDP袋照合モードと、処理済みの全てのカートリッジ14を排出するカートリッジ排出割込モードと、の何れかを選択する。
【0188】
なお、コンテナ格納モードの実行中には、並行して図38のフローチャートで示すようなコンテナ格納時の割込ルーチンが実行されている。
【0189】
図38に示すように、ステップ300では、カートリッジ排出割込モードの設定スイッチが押されたか否かを判断し、スイッチが押されたと判断されるとステップ302へ進んでカートリッジ排出割込モードに設定され、スイッチが押されていないと判断されるとステップ306へ進む。
【0190】
ステップ306では、DP袋照合モードの設定スイッチが押されたか否かを判断し、スイッチが押されたと判断されるとステップ306へ進んでDP袋照合モードに設定される。
(カートリッジ排出割込モード)
以下に、カートリッジ排出割込モードのルーチンを図39のフローチャートにしたがって説明する。
【0191】
図39に示すように、ステップ400では、フィルム接合装置10がフィルムFの巻き取り処理中(この処理中とは、フィルムFが送り出され、そのフィルムFを巻き取ったカートリッジ14がコンテナ200に格納されるまでの動作をいう)であるか否かを判断する。ここで、巻き取り処理中であると判断されるとステップ402へ進み、巻き取り処理中でないと判断されるとステップ406へ進む。
【0192】
ステップ402では、フィルムFを巻き取ったカートリッジ14がコンテナ200へ格納するまで処理を続け、カートリッジ14がコンテナ200へ格納されたら装置の作動を一時中断する。
【0193】
次のステップ404では、所定の状態で作動が中断しているか否かを判断し、所定の状態で作動が中断していると判断されるとステップ406へ進む。
【0194】
ステップ406では、フィルムFを巻き取り済み(アタッチ済み)のカートリッジ14が有るか否かを判断する。ここで、フィルムFを巻き取り済みのカートリッジ14が有ると判断されるとステップ408へ進み、フィルムFを巻き取り済みのカートリッジ14が無いと判断されるとステップ412へ進む。
【0195】
ステップ408では、コンテナ200に格納されているカートリッジ14の内で、処理の最も早く終了したものをネスト404へ押し出す。
【0196】
次のステップ408では、初期位置にあるネスト404を回転させ(図19の時計回り方向とは反対方向)、その後、ネスト404を反対方向に回転させて元の初期位置に戻す。これにより、カートリッジ14が傾斜面418の下端に排出される。
【0197】
その後、ステップ406へ戻り、フィルムFを巻き取り済みのカートリッジ14が無くなるまで処理を繰り返し、フィルムFを巻き取り済みのカートリッジ14を全て排出する。なお、フィルムFを巻き取り済みのカートリッジ14が全て排出されると、ステップ406を経てステップ412へ進み、作動続行設定がなされ、残りのフィルムFがカートリッジ14に収納された後、順次コンテナ200に格納されて行く。
【0198】
このカートリッジ排出割込モードは、処理済みのカートリッジ14を至急取り出したい場合に有効である。
(DP袋照合モード)
以下に、DP袋照合モードのルーチンを図40のフローチャートにしたがって説明する。このDP袋照合モードでは、一部のステップが前述したカートリッジ排出割込モードのステップと同一であるので、同一のステップは説明を省略する。
【0199】
図40に示すように、DP袋照合モードでは、ステップ400〜ステップ404の処理が終了するとステップ420へ進み、ステップ420でDP袋のIDを読み取ったか否かを判断する。なお、ステップ404が終了すると、表示装置4にはIDを入力するようにメッセージ(例えば、「DP袋のIDを入力して下さい」)が表示される。なお、DP袋3のIDは、DP袋3に付与されているバーコード5をバーコードリーダー7で読み取る。また、DP袋のID(数字)をオペレーターが読み取って、入力部6からIDをキー入力しても良い。
【0200】
次のステップ422では、DP袋のIDに対応するIDの付与されたカートリッジ14が何れの位置にあるかを検索し、コンテナ200を回転させ、検索したカートリッジ14を開口233に対応させる。その後、押圧シャフト630を移動させて、カートリッジ14をネスト404へ押し出す。
【0201】
次に、ステップ410へ進み、ネスト404を回転させてカートリッジ14を傾斜面418の下端に排出させる。所定のカートリッジ14が傾斜面418の下端に排出すると、表示装置4には、DP袋照合モードを終了するか否かのメッセージが表示される。DP袋照合モードを終了する場合には、オペレーターは入力部6からDP袋照合モードを終了させる指示を入力する。
【0202】
ステップ424では、DP袋照合モードが終了か否かが判断される。ここで、DP袋照合モードが終了であると判断されるとステップ412へ進み、中断していた作動を再開し、残りのフィルムFの処理を続ける。
【0203】
このように、このDP袋照合モードでは、DP袋3に対応したカートリッジ14が排出されるので、DP袋3と対応したカートリッジ14を確実にDP袋3に入れることができ、カートリッジ14の入れ間違いを防止することができる。
(アタッチ割込モード)
また、コンテナ格納モードの実行中には、並行して図41及び図42に示すようなアタッチ割込モードのルーチンが実行されている。なお、前述したステップと同一のステップには同一符号を付し、その説明は省略する。
【0204】
アタッチ割込モードを実行するには、先ず、オペレーターは入力部6からアタッチ割込モードの設定を指示を入力する。
【0205】
図41に示すように、先ず、ステップ500では、アタッチ割込モードに設定されたか否かを判断し、設定されたと判断されるとステップ400又はステップ400〜404を介してステップ502へ進み、設定されていない場合には現状の処置を続ける。なお、作動が中断すると、表示装置4には、カートリッジ14の装填を促すメッセージ(例えば、「カートリッジを装填して下さい」)が表示される。オペレータは、表示装置4の指示にしたがって所定の空のカートリッジ14をネスト404に装填する。
【0206】
ステップ502では、ネスト404にカートリッジ14が装填されたか否かが判断され、カートリッジ14が装填されたと判断されるとステップ506へ進み、フィルムFの挿入を促すメッセージ(例えば、「フィルムを挿入して下さい」)が表示される。オペレータは、カバー136を開け、フィルム搬送装置700の入口部分にカートリッジ14と対応する所定のフィルムFを挿入する。なお、このアタッチ割込モードでは、カートリッジ14のIDとフィルムFのIDの照合は、オペレータが目視にて確認する。
【0207】
ステップ506では、フィルムFが挿入されたか否かを判断する。なお、フィルムFが挿入されたか否かは、光センサ724でフィルムFを検出することで判断する。
【0208】
フィルムFが挿入されたと判断されると、ステップ208,210へ進み、さらに、図42に示すように、ステップ218,220を介してステップ514へ進む。所定のカートリッジ14が傾斜面418の下端に排出すると、表示装置4に、カートリッジ14が排出されたことが表示される。また、表示装置4には、アタッチ割込モードを終了するか否かのメッセージが表示される。アタッチ割込モードを終了する場合には、オペレーターは入力部6からアタッチ割込モードを終了させる指示を入力する。
【0209】
ステップ514では、アタッチ割込モードが終了か否かが判断される。ここで、アタッチ割込モードが終了であると判断されるとステップ516へ進み、中断していた作動を再開し、残りのフィルムFの処理を続ける。
【0210】
したがって、このアタッチ割込モードは、少量の処理を至急に行いたい場合に有効である。なお、このアタッチ割込モードは始めから行うこともでき、少量の処理を行う場合に、コンテナ200へのカートリッジ14の格納やコンテナ200の装填等の作業を省略することもできる。
【0211】
なお、ここでは図示しないが、フィルムFとカートリッジ14をデタッチ(分離)する装置(デタッチャー)とフィルム接合装置10とをオンラインでネットワークで接続し、カートリッジID毎にデタッチ済み、アタッチ済みを相互に確認することが望ましい。
【0212】
これは、カートリッジ14の外観からは中にフィルムFが入っているかを正確に判断することが難しいためである。
【0213】
フィルムFの入っている/入っていないカートリッジ14を外観から判断するには、スプール軸16を回転させ、わずかなトルク差を検出する、フィルムFがカートリッジ14外周に当たる音を検出する、重量を測定するなどの方法もあるが、いずれも精度よく正確に判断するには、非常にコストがかかる。これはカートリッジ14の個体差、メーカーによる差や、撮影枚数ごとに異なるスプール径や、現像前/済みや、撮影枚数で重量が異なるなど、のためである。
【0214】
一方、万一、フィルムFの入っているカートリッジ14に再びフィルムFをアタッチしようとすると、中のフィルムFやアタッチプレート806に損傷を与える。
【0215】
もちろんこれを回避するため、アタッチプレート806の駆動機構にトルクリミッタを入れ、ダメージを最小限に抑えることは可能であるが、最良の方法は、アタッチする前に、カートリッジ14内にフィルムFの入っている/入っていないことを正確に判断することが必要である。
【0216】
このため、ここでは図示しないカートリッジ14とフィルムFを分離するデタッチャーにおいて、カートリッジIDを読み取り、どのカートリッジ14が現在現像所内でフィルムFと分離され処理されているかを管理すればよい。
【0217】
その方法として、デタッチャーとアタッチャーとをネットワークで接続し、カートリッジIDごとにそれを管理する。また、万一同一のカートリッジIDが複数個現像所内に存在した場合に備えて、デタッチャーでの処理時刻やデタッチャーの号機ナンバー、カートリッジコンテナIDなど、機械で読み取り可能な撮影枚数、フィルムメーカーコード、フィルム種別なども同時に管理することが望ましい。それでも同一なものがあった場合、オペレータに注意メッセージを表示することで対応する。
【0218】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載のカートリッジの処理方法では、コンテナから迅速かつ正確に所定のカートリッジを取り出してフィルムを巻き取り、そして再びコンテナに格納することができるので、現像所においてコンテナ単位で効率的に作業を行うことができるという優れた効果を有する。
【0219】
請求項2に記載のカートリッジの処理方法では、コンテナから迅速かつ正確に所定のカートリッジを取り出してフィルムを巻き取り、そして排出口へ排出することができるので、フィルム巻取済みのカートリッジを即座に次の工程(例えばDP袋に入れる作業等)へ移すことができる。
【0220】
請求項3に記載のカートリッジの処理方法では、所望に応じて、コンテナ単位で効率的に作業を行うことができるコンテナ格納モードまたはフィルム巻取毎にカートリッジを排出するカートリッジ排出割込モードを選択することができるという優れた効果を有する。
【0221】
請求項4に記載のカートリッジの処理方法では、フィルム巻取済みのカートリッジを至急取り出したい場合に、コンテナ内のフィルム巻取済みのカートリッジをカートリッジ排出口へ全て排出できるとという優れた効果を有する。
【0222】
請求項5に記載のカートリッジの処理方法では、DP袋に対応したカートリッジを排出できるので、DP袋にカートリッジを入れ間違えるミスを防止できるという優れた効果を有する。
【0223】
また、請求項6に記載のカートリッジの処理方法では、少数(例えば1本)のフィルムを至急にカートリッジに巻き取りたい場合に、現状の処理を中断してこれを行うことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るフィルム接合装置の全体斜視図である。
【図2】フィルム接合装置を正面側から見た内部構成図である。
【図3】フィルム接合装置を上方から見た内部構成図である。
【図4】(A)はカートリッジの左側面図であり、(B)はカートリッジの正面図であり、(C)はカートリッジの右側面図である。
【図5】カートリッジの分解斜視図である。
【図6】(A)はスプール軸の正面図であり、(B)は図6(A)に示すスプール軸の6(B)−6(B)線断面図である。
【図7】(A)はフィルムを巻き取り途中のスプール軸の斜視図であり、(B)はフィルムの巻き取りを終了したスプール軸の斜視図である。
【図8】フィルムの平面図である。
【図9】自動フィルム供給装置100の斜視図である。
【図10】自動フィルム供給装置100の側面図である。
【図11】自動フィルム供給装置100の平面図である。
【図12】クリップの斜視図である。
【図13】クリップの分解斜視図である。
【図14】図12に示すクリップの14−14線断面図である。
【図15】コンテナの斜視図である。
【図16】カバー側から見たコンテナの分解斜視図である。
【図17】本体側から見たコンテナの分解斜視図である。
【図18】カートリッジ格納部の軸線方向から見た拡大図である。
【図19】コンテナ装填部の正面図である。
【図20】コンテナ装填部の平面図である。
【図21】コンテナカバーを閉めていない状態のコンテナ装填部の部分側面図である。
【図22】コンテナ装填部の部分正面図である。
【図23】コンテナカバーを閉めた状態のコンテナ装填部の部分側面図である。
【図24】ネスト部及びカートリッジ格納装置周辺の平面図である。
【図25】カートリッジ格納装置周辺の正面図である。
【図26】押圧装置の平面図である。
【図27】押圧装置の側面図である。
【図28】カバーを開けた状態のフィルム搬送装置の平面図である。
【図29】フィルム搬送装置の側面図である。
【図30】フィルム押しつけ装置の側面図である。
【図31】(A)乃至(C)は、アタッチプレートの動作説明図である。
【図32】マイクロスイッチ及び光センサの状態と、装置の状態とを対応させた対応表である。
【図33】フィルム接合装置の作動を示すフローチャートである。
【図34】後方排出モードのフローチャートである。
【図35】図34に示すフローチャートの続きである。
【図36】コンテナ格納モードのフローチャートである。
【図37】図36に示すフローチャートの続きである。
【図38】コンテナ格納時の割込みのフローチャートである。
【図39】カートリッジ排出割込モードのフローチャートである。
【図40】DP袋照合モードのフローチャートである。
【図41】アタッチ割込モードのフローチャートである。
【図42】図42に示すフローチャートの続きである。
【符号の説明】
F フィルム
2 カートリッジ排出口
3 DP袋
5 バーコード(DP袋ID)
6 入力部(設定手段)
7 バーコードリーダー(入力手段)
14 カートリッジ
80 バーコード(カートリッジID)
140 制御装置(照合手段)
200 コンテナ
212 バーコードリーダー(照合手段)
404 ネスト
408 軸(排出手段)
409 ギヤ(排出手段)
411 ギヤ(排出手段)
410 モータ(排出手段)
424 カートリッジ格納装置(移動手段)
440 スプールドライバ(スプール軸回転手段)
600 押圧装置(移動手段)
748 読取ヘッド(照合手段)

Claims (6)

  1. カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジにフィルムを巻き取るカートリッジの処理方法であって、
    照合手段が、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶し、さらにフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取ってカートリッジIDとフィルムIDとを照合し、
    フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、
    ネストに取り出されたカートリッジにフィルムを巻き取り、
    フィルムを巻き取ったカートリッジを移動手段によってネストからコンテナに格納することを特徴とするカートリッジの処理方法。
  2. カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジにフィルムを巻き取るカートリッジの処理方法であって、
    照合手段が、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶し、さらにフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取ってカートリッジIDとフィルムIDとを照合し、
    フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、
    ネストに取り出されたカートリッジにフィルムを巻き取り、
    フィルムを巻き取ったカートリッジを排出手段によりネストから排出口へ排出することを特徴とするカートリッジの処理方法。
  3. カートリッジ識別用のカートリッジIDの付与されたカートリッジにフィルムを巻き取るカートリッジの処理方法であって、
    照合手段が、コンテナに格納されたカートリッジのカートリッジIDを読み取ると共に、読み取ったカートリッジIDとこの読み取ったカートリッジIDを有するカートリッジのコンテナ内における格納部位とを対応させて記憶し、
    設定手段によりコンテナ格納モードまたはカートリッジ排出割込モードの何れか一方を選択し、
    コンテナ格納モードでは、照合手段がフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取り、フィルムIDとカートリッジIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、ネストへ取り出されたカートリッジにフィルムを巻き取り、フィルムを巻き取ったカートリッジを移動手段によってネストからコンテナに格納し、
    カートリッジ排出割込モードでは、照合手段がフィルムに付与されたフィルム識別用のフィルムIDを読み取り、フィルムIDとカートリッジIDとを照合し、フィルムIDと対応するカートリッジIDを有するカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、ネストに取り出されたカートリッジにフィルムを巻き取り、フィルムを巻き取ったカートリッジを排出手段によりネストから排出口へ排出することを特徴とするカートリッジの処理方法。
  4. 設定手段によりカートリッジ排出割込モードに選択されると、コンテナ内のフィルム巻取済みのカートリッジをカートリッジ排出口へ全て排出することを特徴とする請求項1または請求項3に記載のカートリッジの処理方法。
  5. DP袋に付与さたDP袋識別用のDP袋IDが入力手段により入力されると、DP袋IDとカートリッジIDとを照合手段により照合し、入力されたDP袋IDと対応するカートリッジIDの付与されたフィルム巻取済みのカートリッジを移動手段によってコンテナからネストへ取り出し、取り出したカートリッジを排出手段によりネストからカートリッジ排出口へ排出することを特徴とする請求項1または請求項3に記載のカートリッジの処理方法。
  6. 設定手段によりアタッチ割込モードに設定されると、カートリッジがコンテナに格納された時点で現状の処理を中断し、ネストにセットされた割込み処理用カートリッジに所定のフィルムを巻き取ることを特徴とする請求項1、3、4、5の何れか1項に記載のカートリッジの処理方法。
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