JP3582443B2 - 無研磨溶接缶の缶胴用ラミネート鋼帯および缶胴の製造方法 - Google Patents

無研磨溶接缶の缶胴用ラミネート鋼帯および缶胴の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無研磨溶接缶の缶胴に使用するラミネート鋼帯および缶胴の製造方法に関する。より具体的には、無研磨溶接される一般缶、特に18L缶、ペール缶などの大型一般缶の缶胴に使用するのに好適なラミネート鋼帯および缶胴の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般缶の中で、18L缶、ペール缶などの大型缶の用途では、生産性や省エネルギーの観点から、各種樹脂フィルムを被覆したラミネート鋼帯を使用して安価で耐食性に優れる缶を製造する試みがなされてきている。
【0003】
ラミネート鋼帯を筒状に成形して溶接缶の缶胴として使用する場合、ラミネート鋼帯の端部同士を溶接して接合する。樹脂フィルムがあると通電せず溶接できないので、樹脂フィルムを剥がす必要があるが、樹脂フィルムを能率良く剥がし取ることは困難である。
【0004】
そのため、ラミネート鋼帯を製造する際に、予め樹脂フィルムが被覆されていない樹脂非被覆部を形成することが提案されている。例えば、特許第2687799号公報、特許第2888321号公報には、連続プロセスを用いて、溶接用の樹脂非被覆部を設けた状態でラミネート鋼帯を連続製造することが記載されている。また、特許第2687799号公報には、溶接性に優れる錫めっき層を備える鋼帯を使用することが記載され、特許第2888321号公報には、錫めっき層を備える鋼帯だけでなくクロムめっき等の表面処理を施した鋼帯を使用するとともに、該鋼帯幅を製造しようとしている缶胴の周長に接合代を加えた幅で製造することが記載されている。また、特許第2888321号公報では、ラミネート鋼帯製造後のトリムを省略して、ラミネート鋼帯の低コスト化を可能にしている。
【0005】
ラミネート鋼帯としては、錫を用いない安価なTFS(ティンフリースチール)を使用できることが、コスト面から有利である。通常、TFSは表層に絶縁性のクロム酸化物層があるので、製缶工程で、鋼帯表面を研磨してこの皮膜を除去して溶接される。そのため、製缶工程の作業環境の悪化、缶内に異物付着の問題がある。
【0006】
かかる問題に対して、特開平2−179895号公報には、TFSの金属クロム層、クロム酸化物層を粒状および角状の突起を持たない平滑に形成することによって研磨を行わないで溶接できること、即ち無研磨溶接できることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前記した無研磨溶接可能なTFSを用いて、溶接用の樹脂非被覆部を設けた状態でラミネート鋼帯を連続製造し、無研磨溶接を試みたところ、連続製缶時に一部の缶で溶接不良を生じることが判明した。
【0008】
本発明は、前記事情を考慮して、無研磨溶接で缶胴を連続製造した際に、溶接不良の発生を防止できるラミネート鋼帯および缶胴の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の手段は以下の通りである。
(1)少なくとも一方の表面に、付着量が30mg/m2超50mg/m2以下の金属クロム層と、金属クロム換算の付着量が9mg/m2以下のクロム酸化物層と、さらにその上層に樹脂被覆層を有する鋼帯であって、前記鋼帯幅は、製造しようとする缶胴の周長に溶接時の鋼板重ね幅を加えた幅より6mm以上広幅であり、前記鋼帯の両側端部部分は、各々製造しようとする缶胴の溶接時の鋼板重ね部となる部分は樹脂非被覆部であり、さらに前記溶接時の鋼板重ね部となる部分の外側に幅3mm以上の樹脂非被覆部及び前記溶接時の鋼板重ね部となる部分の内側に幅3mm以上の樹脂非被覆部を有することを特徴とする無研磨溶接缶の缶胴用ラミネート鋼帯(第1発明)。
(2)少なくとも一方の表面に、付着量が30mg/m2超50mg/m2以下の金属クロム層と、付着量が140mg/m2未満の錫めっき層と、金属クロム換算の付着量が9mg/m2以下のクロム酸化物層と、さらにその上層に樹脂被覆層を有する鋼帯であって、前記鋼帯幅は、製造しようとする缶胴の周長に溶接時の鋼板重ね幅を加えた幅より6mm以上広幅であり、前記鋼帯の両側端部部分は、各々製造しようとする缶胴の溶接時の鋼板重ね部となる部分は樹脂非被覆部であり、さらに前記溶接時の鋼板重ね部となる部分の外側に幅3mm以上の樹脂非被覆部及び前記溶接時の鋼板重ね部となる部分の内側に幅3mm以上の樹脂非被覆部を有することを特徴とする無研磨溶接缶の缶胴用ラミネート鋼帯(第2発明)。
(3)前記(1)または(2)に記載の缶胴用ラミネート鋼帯を、製造しようとする缶胴の高さに対応した長さのシートに剪断する工程と、前記シートの樹脂非被覆部を各々該シート側端部より3mm以上の幅で切断し、該シート幅を製造しようとする缶胴の周長に溶接時の鋼板重ね幅を加えた長さにするとともに、各々溶接時の鋼板重ね幅+3mm以上の樹脂非被覆部を有する溶接用ブランクシートを製造する工程と、前記溶接用ブランクシートの前記樹脂非被覆部を研磨することなく、前記樹脂非被覆部同士が重なるように筒状に成形する工程と、前記工程にて成形された筒状成形体の鋼板重ね部分を溶接する工程を含むことを特徴とする無研磨溶接缶の缶胴の製造方法(第3発明)。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記した本発明の課題を解決すべく、溶接用の樹脂非被覆部を形成したラミネート鋼帯の溶接不良の原因を検討し、次のような知見を得た。
【0011】
無研磨溶接を可能とするためには、絶縁性を有する表面処理層のクロム酸化物層の低減が必要であった。しかし、クロム酸化物層を低減させ、皮膜の形態を充分に制御しても、錫を用いないTFSラミネート鋼帯では、無研磨溶接時に部分的な溶接不良を生じた。これらの溶接不良は、研磨を行うことにより解消される傾向が見られたので、溶接不良の原因調査のために、溶接直前の缶胴ブランクシートを採取し、その溶接対象部の表面を観察した。
【0012】
その結果、一般缶特有の問題として以下の点が明らかになった。一般缶では、連続ラミネート後、コイルからシートの状態に剪断し、必要に応じて缶外面となる側の面に印刷塗装を施し、製缶に供される。一般缶特有の商品の性格上、小ロットの製品が多いため、シート状態で長期間保管されることが多く、しばしばシート端部に、部分的な塗料の付着や端面からの発錆が見られる。これらは、一般缶の製造工程上、不可避的なものである。表面抵抗が小さく溶接性に優れた錫めっき系鋼帯では溶接不良にならないものの、表面抵抗が大きく溶接時に過剰発熱しやすいTFSでは、これらの絶縁性の異物の存在により溶接不良が発生する。
【0013】
これらの絶縁性の異物は、鋼帯の端面に集中しており、その存在領域は、端面から3mm以内の範囲であった。したがって、TFSラミネート鋼帯を無研磨溶接するためには、鋼帯両側端部に設ける樹脂非被覆部を溶接直前に各々幅3mm以上トリムすることが必要であることが判明した。
【0014】
また、連続ラミネート特有の問題として以下の点が明らかになった。
連続ラミネートでは、鋼帯の表面温度を樹脂の軟化点または融点以上に加熱した状態で、樹脂を圧着してラミネートを行う。ラミネート鋼帯のラミネート樹脂の端面には、糸状の樹脂組成物の付着が見られた。糸状の樹脂組成物は、樹脂フィルムスリット時、またはフィルムを熱融着させる際に生じたもので、ラミネート鋼帯の製造工程では不可避的なものである。前記絶縁性の糸状組成物の存在により溶接不良が発生する。前記絶縁性の糸状組成物は、ラミネート樹脂の端面から3mm以内の範囲に存在していた。
【0015】
TFSラミネート鋼帯を無研磨溶接するためには、溶接時の缶胴ブランクシートの鋼板重ね部に前記糸状異物が存在しないようにすることが必要である。そのためには、溶接時の缶胴ブランクシートの樹脂非被覆部の幅を、溶接時の鋼板重ね幅+3mm以上とする必要のあることが判明した。
【0016】
本発明は、上記の知見に基づくものである。以下、本発明の限定理由について詳細に説明する。
【0017】
本発明が対象とするラミネート鋼帯の素材鋼帯は、少なくとも一方の表面に、付着量が30mg/m超50mg/m以下の金属クロム層と、金属クロム換算の付着量が9mg/m以下のクロム酸化物層を備えるめっき鋼板、または付着量が30mg/m超50mg/m以下の金属クロム層と、付着量が140mg/m未満の錫めっき層と、金属クロム換算の付着量が9mg/m以下のクロム酸化物層を備えるめっき鋼帯である。
【0018】
クロム酸化物層の付着量(片面あたり)を9mg/m以下に限定したのは、ワイヤ速度15m/分以上で生産性を確保して無研磨高速溶接を行うためには、クロム酸化物量を9mg/m以下にする必要のあることが判明したためである。
【0019】
クロム酸化物層の付着量は、3mg/m未満になるとフィルム密着性が劣化し、フィルム下での腐食が生じやすくなるので、3mg/m以上にすることが好ましい。
【0020】
金属クロム層の付着量(片面あたり)を30mg/m超50mg/m以下に限定したのは、30mg/m以下では、保管時の裸耐食性が劣化し、長期保管中に発錆のおそれがあるためである。付着量が150mg/m超では、耐食性、溶接性の向上効果が認められず、逆にめっきコストが上昇するので、上限は150mg/mに限定した。
【0021】
金属クロム層の表面は、色調や発熱の点から、平滑な形態が好ましい。上部から観察した際の最大直径部の長さが300nm以上である塊状の金属クロムは少ないことが望ましい。
【0022】
本発明において、無研磨溶接での溶接不良の発生を防止する効果は、金属クロム層とクロム酸化物層を備える鋼帯(所謂TFS)で特に有効であるが、前記皮膜に錫めっき層を備えたものであってもよい。この場合、錫めっき層は金属クロム層の下層、金属クロム層の上層の何れに形成されていてもよく、錫めっき層の付着量(片面あたり)は140mg/m未満のものを対象とする。140mg/m以上になると錫による溶接性改善効果が著しく、樹脂非被覆部の幅を本発明範囲内に規定しなくてもトリム無しで無研磨溶接できるためである。
【0023】
電解処理後、樹脂ラミネート前の前記めっき鋼帯の表面粗さは、溶接性とラミネート時の耐食性の観点から、Raが0.15〜0.40μmの範囲にあることが望ましく、1インチ当たりの25μインチを超える凸部の数が10〜120PPIの範囲にあることがさらに望ましい。
【0024】
前記めっき皮膜の上層に、鋼帯両側端部に各々溶接時の鋼板重ね幅+6mm以上の樹脂非被覆部を有する樹脂被覆層が形成されている。
【0025】
一般缶用ラミネート鋼帯は、鋼帯端面から3mm以内の範囲に、塗料付着が多く、またシート状態で長期間保管された場合の発錆が多い。また、ラミネート樹脂の端面から3mm以内の範囲に樹脂フィルムをスリット時または熱融着時に生じた糸状の樹脂組成物が存在する。これらは何れも無研磨溶接を行った際に溶接不良の原因となる。
【0026】
各々の樹脂非被覆部の幅が鋼板重ね幅+6mm以上あると、溶接直前にシート側端部より3mm以上の幅で切断(トリム)することによって、溶接不良の原因になる鋼帯端面から3mm以内の範囲にある塗料付着や錆部分を確実に取り除くことができ、またトリムして得たブランクシートの樹脂非被覆部同士が重なるように筒状に成形した場合、樹脂フィルム端面と鋼板重なり部までの幅を3mm以上確保できるので、糸状の樹脂組成物が鋼板重なり部に入り込むことがない。その結果、これらに起因する溶接不良の発生を確実に防止できる。
【0027】
鋼帯両側端部に設ける樹脂非被覆部の幅は広くても溶接性を損なうことはないが、幅が広くなるほど溶接後に溶接部と樹脂非被覆部を塗料で補修費用が増大する。補修作業を考慮すると、前記幅は各々溶接時の鋼板重ね幅+15mm以下とすることが望ましい。
【0028】
樹脂種類は、安価で耐食性が期待できる、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、オレフィン樹脂(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))またはこれらの複合物が望ましい。
【0029】
ラミネートされる樹脂の厚さは、鉄溶出性などの耐食性に影響を与える。樹脂の総厚さが10μm以下では塗装鋼帯以下の耐食性しか得られない。フィルムの総厚さが80μm以上では、製缶上好ましくない。したがって、総膜厚は10μ超80μm未満が好ましい。
【0030】
前記ラミネート鋼帯を用いて、以下のようにして缶胴を製造する。すなわち、前記第1発明または第2発明に記載の缶胴用ラミネート鋼帯を、製造しようとする缶胴の高さに対応した長さのシートに剪断し、前記シートの樹脂非被覆部を各々該シート側端部より3mm以上の幅で切断(トリム)する。これによって、一辺の長さが製造しようとする缶胴の周長に溶接時の鋼板重ね幅を加えた長さに対応しており、他の一辺の長さが製造しようとする缶胴の高さに対応しており、かつ、各々溶接時の鋼板重ね幅+3mm以上の樹脂非被覆部を有する溶接用ブランクシートが得られる。次いで、前記溶接用ブランクシートの前記樹脂非被覆部を研磨することなく、前記樹脂非被覆部同士が重なるように筒状に成形し、前記工程にて成形された筒状成形体の鋼板重ね部分を溶接する。次いで、通常行われている方法で接合部を塗料で補修する。
【0031】
溶接直前にシート側端部より3mm以上の幅で切断(トリム)することによって、溶接に悪影響を及ぼす鋼帯端面から3mm以内の範囲にある塗料付着や錆部分を確実に取り除くことができ、また前記で得たブランクシートの樹脂非被覆部同士が重なるように筒状に成形した場合、糸状の樹脂組成物が鋼板重なり部に入り込むことがない。その結果、これらに起因する溶接不良の発生を確実に防止できる。
【0032】
トリム時の溶接部端面のバリ高さは、板厚の1/3以下であることが、溶接部の補修や安定溶接の観点から望ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明について具体的に説明する。
一般缶用途に通常適用される板厚0.32mmの冷延鋼帯コイルを通常の方法で電解脱脂、酸洗した。その後、公知の方法により、金属クロム層およびクロム酸化物層を形成する表面処理を行った。一部、公知の方法によりクロムめっきの前に錫めっきを施し、その際、溶錫処理は施さなかった。
【0034】
前記で得ためっき鋼帯コイルを、表1に示すフィルムの接着層の融点(但し、フィルム種Dはフィルム融点)〜250℃の範囲に加熱し、片面のみラミネートを行い、2秒以内に水で急冷した。ラミネートの際に、鋼帯の両エッジ部に所定幅の樹脂非被覆部を設けた。
【0035】
ラミネートを行った鋼帯は、ラミネート後、所定サイズのシートに剪断され、フィルムの融点以下の温度で缶外面になる側の面に印刷およびクリア塗装を行った。その際のニス避け幅は、ラミネートを行った面の樹脂非被覆部の幅と同じにした。
【0036】
印刷・塗装したラミネート鋼帯シートを2ヶ月保管後、製缶ラインで必要に応じて所定幅のインライントリムを行い、無研磨溶接後、融点180℃のポリエステル系樹脂を用いて溶接部および樹脂非被覆部を補修した。溶接機は、18L缶胴用溶接機(富士工業製VWS)を使用し、ワイヤ速度21m/分で溶接した。
【0037】
溶接性は、ACR(溶接可能電流範囲)および製缶状態を評価し、タップ範囲で5ポイント以上のACRが得られ、50缶の連続製缶で溶接不良が生じないものを「○」、タップ範囲で5ポイント以上のACRが得られ、50缶の連続製缶で部分的に溶接不良が生じるものを「×」、タップ範囲で5ポイント未満のACRしか得られないものを「××」とした。ACRは、テア試験で所要の溶接強度が得られる下限電流に対応する電流設定器のタップ値と鉄が溶融し散りが発生し始める上限電流に対応する電流設定器のタップ値の差(タップ範囲)で評価した。評価結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003582443
【0039】
【表2】
Figure 0003582443
【0040】
表2から以下のことが明らかである。すなわち、発明例の鋼帯は、溶接直前に幅3mm以上のトリムを行い、また溶接時にラミネート樹脂の端部から鋼板重ね部までの幅が3mm以上確保されているので、何れも溶接性の評価が「○」で有り、溶接性に優れる。また、発明例において、Cr酸化物層の付着量が3mg/m以上の例は3mg/m未満の発明例6に比べてラミネート密着性により優れている。
【0041】
一方、比較例6は錫付着量が300mg/mと多いため、溶接直前のトリムを行わなくても溶接性に優れている。比較例6以外の比較例は、本発明範囲を外れるので溶接性に劣っている。すなわち、比較例1はCr酸化物層の付着量が本発明範囲を上回るため、比較例5は金属クロム層の付着量が本発明範囲を下回るため、また比較例2〜4は樹脂非被覆部の幅が本発明に規定する範囲を下回るため、溶接直前のトリム幅を3mm以上かつ溶接時にラミネート樹脂の端面と鋼板重ね部までの幅を3mm以上にできないため、何れも溶接性の評価が「×」で有り、溶接性に劣っている。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のラミネート鋼帯を使用すると、無研磨高速溶接で缶胴を連続製造したときに、溶接不良の発生を防止できる。また、製缶工程での研磨作業に伴う作業環境の悪化、缶内に異物付着の問題も解消できる。
【0043】
本発明のラミネート鋼帯は、シート状態で長期保管される一般缶、特に18L缶、ペール缶などの大型一般缶の無研磨溶接缶の缶胴用鋼帯として好適である。

Claims (3)

  1. 少なくとも一方の表面に、付着量が30mg/m2超50mg/m2以下の金属クロム層と、金属クロム換算の付着量が9mg/m2以下のクロム酸化物層と、さらにその上層に樹脂被覆層を有する鋼帯であって、前記鋼帯幅は、製造しようとする缶胴の周長に溶接時の鋼板重ね幅を加えた幅より6mm以上広幅であり、前記鋼帯の両側端部部分は、各々製造しようとする缶胴の溶接時の鋼板重ね部となる部分は樹脂非被覆部であり、さらに前記溶接時の鋼板重ね部となる部分の外側に幅3mm以上の樹脂非被覆部及び前記溶接時の鋼板重ね部となる部分の内側に幅3mm以上の樹脂非被覆部を有することを特徴とする無研磨溶接缶の缶胴用ラミネート鋼帯。
  2. 少なくとも一方の表面に、付着量が30mg/m2超50mg/m2以下の金属クロム層と、付着量が140mg/m2未満の錫めっき層と、金属クロム換算の付着量が9mg/m2以下のクロム酸化物層と、さらにその上層に樹脂被覆層を有する鋼帯であって、前記鋼帯幅は、製造しようとする缶胴の周長に溶接時の鋼板重ね幅を加えた幅より6mm以上広幅であり、前記鋼帯の両側端部部分は、各々製造しようとする缶胴の溶接時の鋼板重ね部となる部分は樹脂非被覆部であり、さらに前記溶接時の鋼板重ね部となる部分の外側に幅3mm以上の樹脂非被覆部及び前記溶接時の鋼板重ね部となる部分の内側に幅3mm以上の樹脂非被覆部を有することを特徴とする無研磨溶接缶の缶胴用ラミネート鋼帯。
  3. 請求項1または2に記載の缶胴用ラミネート鋼帯を、製造しようとする缶胴の高さに対応した長さのシートに剪断する工程と、前記シートの樹脂非被覆部を各々該シート側端部より3mm以上の幅で切断し、該シート幅を製造しようとする缶胴の周長に溶接時の鋼板重ね幅を加えた長さにするとともに、各々溶接時の鋼板重ね幅+3mm以上の樹脂非被覆部を有する溶接用ブランクシートを製造する工程と、前記溶接用ブランクシートの前記樹脂非被覆部を研磨することなく、前記樹脂非被覆部同士が重なるように筒状に成形する工程と、前記工程にて成形された筒状成形体の鋼板重ね部分を溶接する工程を含むことを特徴とする無研磨溶接缶の缶胴の製造方法。
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