JP3582380B2 - 軸受 - Google Patents
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- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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- F16C19/02—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
- F16C19/14—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
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- F16C19/183—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles
- F16C19/184—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement
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- Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受、特にかしめ加工により組み立てられる軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸受は、通常取り付けられる軸などの部材とは別体として形成され、軸などには、ナットなどにより締結されて固定される。しかし、この場合、ナットが必要であることは言うまでもなく、軸などの軸受が固定される部材に、ナットとねじ結合するためのねじ部を設ける必要もあり、部品点数が多い、外形が大きくなるなどといった問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、特開平8−91187号公報に記載された軸受は、ナットを用いず、かしめ加工によって軸に固定されている。前記公報に記載された軸受は、周方向に複数の突起が配列された部材の前記突起の間に形成された凹部に、軸受を固定する対象となる部材の一部を変形させて噛み合わせることにより固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に記載された軸受においては、突起を形成する必要があり、製作の工数が増加するという問題があった。また、突起の形成される部品が軸受の転動体の転動面を形成するものであり、このような部材は硬く、加工性が悪いため製作の工数がより増加する傾向がある。さらに、かしめ加工の際には、突起そのものも変形し、また、軸受を固定する対象となる部材が凹部に噛み込まず、十分な結合状態とならない場合があった。そして、十分結合させるために大きなかしめ荷重をかけると、転動面が変形するという問題があった。
【0005】
本発明は、前述の課題を解決するためになされたものであり、かしめ加工で確実に固定されることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明の軸受は、軸部材と、前記軸部材とかしめ加工により一体化され、内輪の少なくとも一部を形成する内輪部材と、前記内輪の外側に配置され、内輪と共に転動体を保持する外輪部材と、を有する軸受である。さらに、前記軸部材は、前記かしめ加工時に半径方向外側に拡がるように変形し、前記内輪部材を固定するかしめ部を有している。さらに、前記内輪部材は、転動体の転動面を形成する本体と、前記本体から軸方向に延びるように設けられ、前記本体より剛性が低く、前記かしめ部に略対向する被かしめ部と、を有している。さらに、前記被かしめ部は、その先端付近に半径方向外側に張り出し環状に形成された張り出し部を有している。
【0007】
前述のように被かしめ部は、内輪部材の本体より剛性が低いので、かしめ加工時に本体の転動面が変形することが防止される。また、環状の張り出し部は、被かしめ部に対し、桶(おけ)の箍(たが)のように働き、被かしめ部の残留応力を効率的に発生させる。
【0008】
さらに、前記かしめ部は、前記被かしめ部に、前記張り出し部の根元部分より半径方向内側で接触するようにすることができる。これにより、内輪部材の本体と張り出し部の間に形成された溝の底部分に、応力が集中し、この部分の変形が弾性変形域を超えることを防止することができる。
【0009】
さらに、前記かしめ部と前記被かしめ部の互いの接触面は、略平滑とすることができる。これにより、加工性が良好となる。
【0010】
また、本発明によれば、内輪部材をかしめにより固定する場合に限らず、外輪部材などをかしめにより固定することも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。図1には、本実施形態の軸受を自動車等の車軸の軸受に適用した場合の概略構成が断面図によって示されている。また、図1の断面図は、中心線より上部が示されており、下部については、フランジ部を除いて対称に表れるので、省略してある。
【0012】
ホイールハブ10は、ホイールを支えるハブフランジ12を有し、ハブフランジ12には、複数本(通常は4〜6本)のハブボルト14が圧入固定されている。このハブボルト14と、図示しないハブナットによりホイールは、ホイールハブ10に締結固定される。ホイールハブ10の外周の一部には、軸受の一列のボール(転動体)16と接触するハブ転動面18が形成されている。ホイールハブ10には、これをかしめることによって内輪部材20が一体に設けられている。内輪部材20の外周の一部には、ハブ転動面18に連続し、ボール16の列とは別のもう一つの列のボール(転動体)22と接触する内輪部材転動面24が形成されている。ホイールハブ10と内輪部材20が一体化された内輪の外側に、ボール16,22を介して外輪部材26が設けられている。外輪部材26には、ボール16,22とそれぞれ接触する外輪部材転動面28,30が設けられている。外輪部材26の外周には、アクスルハウジングや他のサスペンション部品と、この車軸の軸受を結合する外輪フランジ32が設けられている。
【0013】
ホイールハブ10は、内輪部材20とともに軸受の一部(内輪)を構成し、かつ軸受に支持された軸部材としても機能する。図示するように、本実施形態の軸受は、複列玉軸受として構成される。組立前は、ホイールハブ10の図中右端のかしめ部34は、図に示す破線のように図中右方向に延び、その外径は、内輪部材20の内径とすきまばめ、または中間ばめとなるような値である。組立時には、まずボール16の列をホイールハブ10の転動面18に接触配置し、これを外輪部材26で覆う。次にボール22の列を外輪部材転動面30に接触配置する。このボール22の列の内側に内輪部材20を挿入する。そして、かしめ部34を図の実線のようにかしめ加工し、変形させて内輪部材の被かしめ部36に当接させ、内輪部材20が固定される。
【0014】
図2には、ホイールハブ10のかしめ部34と、内輪部材20の被かしめ部36の拡大断面が示されている。図1と同様、かしめ部34の変形前の形状が破線で示されている。内輪部材20は、転動面24を形成する内輪部材本体38を有し、前述の被かしめ部36がこの本体からホイールハブ10の軸方向に延びている。被かしめ部36は、その先端に半径方向外側に張り出して、環状に形成された張り出し部40を有している。張り出し部40が設けられることによって、これと内輪部材本体38の間には、溝42が形成される。
【0015】
かしめ加工によって、被かしめ部36は、かしめ部34との接触面の法線方向に力(図中、矢印で示す)を受ける。被かしめ部36は、溝42を有していることにより、内輪部材本体38より剛性が低くめられており、かしめ加工による押さえ力による変形は、ほとんどが被かしめ部36にて生じる。これにより、内輪部材本体38の変形により転動面24が変形し、ボール22が正常に転動しなくなることを防止している。
【0016】
また、かしめ加工による被かしめ部36の変形に対応する反力が、ホイールハブ10と内輪部材20の結合力または締結力となる。張り出し部40は、前記の反力を確実に発生させる機能を有している。張り出し部40は、前述のように環状形状であり、被かしめ部36が外に拡がることを抑制する、すなわち桶の箍(たが)のように機能し、前記反力を増加させている。また、張り出し部40で、かしめ加工の荷重の一部を担うことにより、被かしめ部36の一部、特に溝42の底の部分に発生する応力を低減し、ここで塑性変形が起こることを防止している。前述のように、ホイールハブ10と内輪部材20の締結力は、内輪部材20の弾性による反力にて発生しており、被かしめ部36で塑性変形が生じれば、締結力が低くなる。張り出し部40は、これを防止し、確実に締結力を発生させる機能を有している。
【0017】
さらに、かしめ部34と、被かしめ部36の接触面は、張り出し部40の根元、すなわち溝42の底よりも半径方向内側(図中一点鎖線より左側)に位置するようになっている。接触面が前記の領域より半径方向外側に出ていると、張り出し部40は、前述の外側に拡げられるような変形に加えて、図2中下向きにも変形する。これは、溝42の底部に応力集中をもたらし、ここで塑性変形が生じる可能性を高める。この塑性変形は前述のように好ましいものではないので、これを回避するために、前記接触面は、溝42の底よりも半径方向内側に位置するようにすることが好ましい。
【0018】
以上の説明においては、軸部材であるホイールハブ10にも転動面18を設けているが、転動面は、別部材により形成することも可能である。
【0019】
また、内輪部材20を軸部材にかしめる他に、これとは逆転させて、外輪部材を、これの外側に設けられたハウジングなどにかしめる構成に応用することも可能である。すなわち、軸部材またはハウジングである、軸受を設ける対象となる基礎部材に、外輪部材または内輪部材をかしめにより固定する場合に、応用することができる。かしめられる外輪部材または内輪部材に、転動体の転動する面に影響がでないように、比較的剛性の弱い部分を設け、この部分の反力によって基礎部材との締結力を確保する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図2】かしめ部34、被かしめ部36の詳細を示す図である。
【符号の説明】
10 ホイールハブ(軸部材)、16,22 ボール(転動体)、18 ハブ転動面、20 内輪部材、24 内輪部材転動面、26 外輪部材、28,30外輪部材転動面、34 かしめ部、36 被かしめ部、38 内輪部材本体、40 張り出し部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受、特にかしめ加工により組み立てられる軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸受は、通常取り付けられる軸などの部材とは別体として形成され、軸などには、ナットなどにより締結されて固定される。しかし、この場合、ナットが必要であることは言うまでもなく、軸などの軸受が固定される部材に、ナットとねじ結合するためのねじ部を設ける必要もあり、部品点数が多い、外形が大きくなるなどといった問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、特開平8−91187号公報に記載された軸受は、ナットを用いず、かしめ加工によって軸に固定されている。前記公報に記載された軸受は、周方向に複数の突起が配列された部材の前記突起の間に形成された凹部に、軸受を固定する対象となる部材の一部を変形させて噛み合わせることにより固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に記載された軸受においては、突起を形成する必要があり、製作の工数が増加するという問題があった。また、突起の形成される部品が軸受の転動体の転動面を形成するものであり、このような部材は硬く、加工性が悪いため製作の工数がより増加する傾向がある。さらに、かしめ加工の際には、突起そのものも変形し、また、軸受を固定する対象となる部材が凹部に噛み込まず、十分な結合状態とならない場合があった。そして、十分結合させるために大きなかしめ荷重をかけると、転動面が変形するという問題があった。
【0005】
本発明は、前述の課題を解決するためになされたものであり、かしめ加工で確実に固定されることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明の軸受は、軸部材と、前記軸部材とかしめ加工により一体化され、内輪の少なくとも一部を形成する内輪部材と、前記内輪の外側に配置され、内輪と共に転動体を保持する外輪部材と、を有する軸受である。さらに、前記軸部材は、前記かしめ加工時に半径方向外側に拡がるように変形し、前記内輪部材を固定するかしめ部を有している。さらに、前記内輪部材は、転動体の転動面を形成する本体と、前記本体から軸方向に延びるように設けられ、前記本体より剛性が低く、前記かしめ部に略対向する被かしめ部と、を有している。さらに、前記被かしめ部は、その先端付近に半径方向外側に張り出し環状に形成された張り出し部を有している。
【0007】
前述のように被かしめ部は、内輪部材の本体より剛性が低いので、かしめ加工時に本体の転動面が変形することが防止される。また、環状の張り出し部は、被かしめ部に対し、桶(おけ)の箍(たが)のように働き、被かしめ部の残留応力を効率的に発生させる。
【0008】
さらに、前記かしめ部は、前記被かしめ部に、前記張り出し部の根元部分より半径方向内側で接触するようにすることができる。これにより、内輪部材の本体と張り出し部の間に形成された溝の底部分に、応力が集中し、この部分の変形が弾性変形域を超えることを防止することができる。
【0009】
さらに、前記かしめ部と前記被かしめ部の互いの接触面は、略平滑とすることができる。これにより、加工性が良好となる。
【0010】
また、本発明によれば、内輪部材をかしめにより固定する場合に限らず、外輪部材などをかしめにより固定することも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。図1には、本実施形態の軸受を自動車等の車軸の軸受に適用した場合の概略構成が断面図によって示されている。また、図1の断面図は、中心線より上部が示されており、下部については、フランジ部を除いて対称に表れるので、省略してある。
【0012】
ホイールハブ10は、ホイールを支えるハブフランジ12を有し、ハブフランジ12には、複数本(通常は4〜6本)のハブボルト14が圧入固定されている。このハブボルト14と、図示しないハブナットによりホイールは、ホイールハブ10に締結固定される。ホイールハブ10の外周の一部には、軸受の一列のボール(転動体)16と接触するハブ転動面18が形成されている。ホイールハブ10には、これをかしめることによって内輪部材20が一体に設けられている。内輪部材20の外周の一部には、ハブ転動面18に連続し、ボール16の列とは別のもう一つの列のボール(転動体)22と接触する内輪部材転動面24が形成されている。ホイールハブ10と内輪部材20が一体化された内輪の外側に、ボール16,22を介して外輪部材26が設けられている。外輪部材26には、ボール16,22とそれぞれ接触する外輪部材転動面28,30が設けられている。外輪部材26の外周には、アクスルハウジングや他のサスペンション部品と、この車軸の軸受を結合する外輪フランジ32が設けられている。
【0013】
ホイールハブ10は、内輪部材20とともに軸受の一部(内輪)を構成し、かつ軸受に支持された軸部材としても機能する。図示するように、本実施形態の軸受は、複列玉軸受として構成される。組立前は、ホイールハブ10の図中右端のかしめ部34は、図に示す破線のように図中右方向に延び、その外径は、内輪部材20の内径とすきまばめ、または中間ばめとなるような値である。組立時には、まずボール16の列をホイールハブ10の転動面18に接触配置し、これを外輪部材26で覆う。次にボール22の列を外輪部材転動面30に接触配置する。このボール22の列の内側に内輪部材20を挿入する。そして、かしめ部34を図の実線のようにかしめ加工し、変形させて内輪部材の被かしめ部36に当接させ、内輪部材20が固定される。
【0014】
図2には、ホイールハブ10のかしめ部34と、内輪部材20の被かしめ部36の拡大断面が示されている。図1と同様、かしめ部34の変形前の形状が破線で示されている。内輪部材20は、転動面24を形成する内輪部材本体38を有し、前述の被かしめ部36がこの本体からホイールハブ10の軸方向に延びている。被かしめ部36は、その先端に半径方向外側に張り出して、環状に形成された張り出し部40を有している。張り出し部40が設けられることによって、これと内輪部材本体38の間には、溝42が形成される。
【0015】
かしめ加工によって、被かしめ部36は、かしめ部34との接触面の法線方向に力(図中、矢印で示す)を受ける。被かしめ部36は、溝42を有していることにより、内輪部材本体38より剛性が低くめられており、かしめ加工による押さえ力による変形は、ほとんどが被かしめ部36にて生じる。これにより、内輪部材本体38の変形により転動面24が変形し、ボール22が正常に転動しなくなることを防止している。
【0016】
また、かしめ加工による被かしめ部36の変形に対応する反力が、ホイールハブ10と内輪部材20の結合力または締結力となる。張り出し部40は、前記の反力を確実に発生させる機能を有している。張り出し部40は、前述のように環状形状であり、被かしめ部36が外に拡がることを抑制する、すなわち桶の箍(たが)のように機能し、前記反力を増加させている。また、張り出し部40で、かしめ加工の荷重の一部を担うことにより、被かしめ部36の一部、特に溝42の底の部分に発生する応力を低減し、ここで塑性変形が起こることを防止している。前述のように、ホイールハブ10と内輪部材20の締結力は、内輪部材20の弾性による反力にて発生しており、被かしめ部36で塑性変形が生じれば、締結力が低くなる。張り出し部40は、これを防止し、確実に締結力を発生させる機能を有している。
【0017】
さらに、かしめ部34と、被かしめ部36の接触面は、張り出し部40の根元、すなわち溝42の底よりも半径方向内側(図中一点鎖線より左側)に位置するようになっている。接触面が前記の領域より半径方向外側に出ていると、張り出し部40は、前述の外側に拡げられるような変形に加えて、図2中下向きにも変形する。これは、溝42の底部に応力集中をもたらし、ここで塑性変形が生じる可能性を高める。この塑性変形は前述のように好ましいものではないので、これを回避するために、前記接触面は、溝42の底よりも半径方向内側に位置するようにすることが好ましい。
【0018】
以上の説明においては、軸部材であるホイールハブ10にも転動面18を設けているが、転動面は、別部材により形成することも可能である。
【0019】
また、内輪部材20を軸部材にかしめる他に、これとは逆転させて、外輪部材を、これの外側に設けられたハウジングなどにかしめる構成に応用することも可能である。すなわち、軸部材またはハウジングである、軸受を設ける対象となる基礎部材に、外輪部材または内輪部材をかしめにより固定する場合に、応用することができる。かしめられる外輪部材または内輪部材に、転動体の転動する面に影響がでないように、比較的剛性の弱い部分を設け、この部分の反力によって基礎部材との締結力を確保する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図2】かしめ部34、被かしめ部36の詳細を示す図である。
【符号の説明】
10 ホイールハブ(軸部材)、16,22 ボール(転動体)、18 ハブ転動面、20 内輪部材、24 内輪部材転動面、26 外輪部材、28,30外輪部材転動面、34 かしめ部、36 被かしめ部、38 内輪部材本体、40 張り出し部。
Claims (4)
- 軸部材と、前記軸部材とかしめ加工により一体化され、内輪の少なくとも一部を形成する内輪部材と、前記内輪の外側に配置され、内輪と共に転動体を保持する外輪部材と、を有する軸受であって、
前記軸部材は、前記かしめ加工時に半径方向外側に拡がるように変形して前記内輪部材を固定するかしめ部を有し、
前記内輪部材は、転動体の転動面を形成する本体と、前記本体から軸方向に延びるように設けられ、前記本体より剛性が低く、前記かしめ部に略対向する被かしめ部と、を有し、
さらに、前記被かしめ部は、その先端付近に半径方向外側に張り出し、環状に形成された張り出し部を有する、
軸受。 - 請求項1に記載の軸受であって、前記かしめ部は、前記被かしめ部に、前記張り出し部の根元部分より半径方向内側でのみ接触する、軸受。
- 請求項1または2に記載の軸受であって、前記かしめ部と前記被かしめ部の互いの接触面は、略平滑である、軸受。
- 基礎部材と、前記基礎部材とかしめ加工により一体化され、第1の転動面の少なくとも一部を形成する環状部材と、前記第1の転動面と転動体を挟んで対向する第2の転動面と、を有する軸受であって、
前記基礎部材は、前記かしめ加工時に半径方向に変形し、前記環状部材を固定するかしめ部を有し、
前記環状部材は、転動体の転動面を形成する本体と、前記本体から軸方向に延びるように設けられ、前記本体より剛性が低く、前記かしめ部に略対向する被かしめ部と、を有し、
さらに、前記被かしめ部は、その先端付近に半径方向であって、前記かしめ加工による基礎部材の変形の向きと同じ向きに張り出して環状に形成された張り出し部を有する、
軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31453198A JP3582380B2 (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31453198A JP3582380B2 (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000145797A JP2000145797A (ja) | 2000-05-26 |
JP3582380B2 true JP3582380B2 (ja) | 2004-10-27 |
Family
ID=18054418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP31453198A Expired - Fee Related JP3582380B2 (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3582380B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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