JP3582059B2 - 燃料蒸発器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体原燃料を蒸発させた原燃料ガスを改質器で改質して燃料電池に供給して発電を行う燃料電池システムに好適に使用することのできる燃料蒸発器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、メタノールと水の混合液などからなる液体原燃料を、原燃料噴射装置を介して燃料蒸発器内(蒸発室内)に噴射し、液体原燃料を蒸発させて原燃料ガスを得、次いで、この原燃料ガスを改質器で改質すると共に一酸化炭素を除去して水素リッチな燃料ガスにし、そして、この燃料ガスを燃料電池に供給して発電を行う燃料電池システムが知られている。ところで、このような構成の燃料電池システムが負荷変動の極端に大きい条件で使用される場合、例えば、燃料電池電気自動車に搭載されて使用される場合、出力アップの要求に応じて液体原燃料を急激に燃料蒸発器内に噴射すると、液体原燃料のすべてを蒸発させることができず、燃料蒸発器内に液体原燃料の液溜まり(以下「液溜まり」という)を生じることがある。また、燃料電池システムを起動する際など、燃料蒸発器が充分に温まっていない場合にも蒸発に用いられる熱量が不足して液溜まりを生じやすい。
【0003】
燃料蒸発器内に液溜まりが生じた場合、液体原燃料の噴射を停止しても内部で維持された熱により液溜まりが蒸発して、原燃料ガスを発生することになり、結果として燃料蒸発器の応答性を悪くするので好ましくない。また、液体原燃料が混合物の場合は、生じた液溜まりは、蒸発しやすい成分から先に蒸発するため、原燃料ガスの組成にバラツキが生じ、改質器が充分に性能を発揮しない場合や、一酸化炭素が充分に除去できずに燃料電池の性能が低下する場合がある。また、燃料電池内の湿度調節をうまく行うことができず、燃料電池が所定の出力を発生しない場合もある。
【0004】
このため、液溜まりの発生を有効に防止して燃料蒸発器の応答性を良くすると共に、燃料蒸発器の暖機を速やかに行うことができるように、本願出願人による特願平11−125366号(未公開)には、図5に示すような燃料蒸発器100が、提案されている。この燃料蒸発器100は、蒸発器本体110と、この蒸発器本体110の後段側に過熱部130、蒸発器本体110の上部に原燃料噴射装置140を備える。
この燃料蒸発器100には、図示しない触媒燃焼器で、図示しない燃料電池で発生するオフガス(水素を含むガス)を触媒燃焼させた燃焼ガス(高温熱媒体)HGが、熱源として供給される。燃焼ガスHGは、入口部112inから蒸発器本体110内の蒸発室111に多数配設されたU字型の熱媒チューブ112の内側を通り、出口部112outに達する。次いで、燃焼ガスHGは、蒸発室本体110の下部に設けられた燃焼ガス通路113を通って、蒸発器本体110の下流側に取り付けられた過熱部130に導かれる。メタノールと水の混合液などからなる液体原燃料FLは、原燃料噴射装置140から霧状に噴射され、熱媒チューブ112で熱せられて蒸発し、原燃料ガスFGになる。この原燃料ガスFGは、過熱部130の蒸気チューブ131の内側を通って過熱され、過熱部130後段の図示しない改質器に導かれる。
【0005】
この燃料蒸発器100は、蒸発器本体110における蒸発室111の下面111bが燃焼ガス通路113の上面113tを兼ねるものである。従って、蒸発室111の下面111bからも熱が供給されるため、液溜まりの発生が防止され、また液溜まりが生じた場合も速やかに蒸発する。従って、燃料蒸発器100の応答性が良くなる。さらに、燃料蒸発器100の暖機も速やかに行われるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池システムが燃料電池電気自動車に搭載される場合などは、燃料蒸発器に対して、始動時や急激な負荷変動に対し、速やかに液体原燃料を蒸発させて原燃料ガスを得ることが必要となる。このため、さらなる迅速な暖機と液溜まりの発生防止が望まれる。また、蒸発室内側面などに液体原燃料の飛沫が付着すると燃料蒸発器の応答性が低下する。従って、液体原燃料の飛沫の付着防止、及び付着した飛沫の迅速な蒸発が望まれる。加えて、燃料電池システムで発生した熱の有効利用が望まれる。
そこで、本発明は、燃料蒸発器における液溜まりの発生などを可及的に防止すると共に、暖機を迅速に行え、さらに、燃料電池システムの熱を有効に利用し、燃料電池電気自動車などに搭載される燃料電池システムなどにも、高いレベルで要求を満たして使用することのできる燃料蒸発器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明の燃料蒸発器は、原燃料噴射装置から噴射される液体原燃料を高温熱媒体により蒸発させる蒸発室と、前記液体原燃料を蒸発させた後の前記高温熱媒体が通流する高温熱媒体通路とを有する燃料蒸発器において、前記蒸発室に隣接して触媒燃焼器が設けられ、該触媒燃焼器が隣接した部位を除く前記蒸発室の表面に前記高温熱媒体通路が配設されることを特徴とするものである。
【0008】
触媒燃焼器は、内部で触媒作用により水素などが触媒燃焼しているので、触媒燃焼器の上面を含む表面は高温になっている。一方、蒸発室は、液体原燃料を蒸発させるのに大きな熱量を必要とする。従って、本発明の構成によれば、従来利用されることのなかった触媒燃焼器の廃熱で、液体原燃料の蒸発を促進することができる。また、暖機も迅速に行うことができる。なお、触媒燃焼器は、蒸発室の任意の場所に隣接して設けることができるが、蒸発室下面に隣接して触媒燃焼器を設けると、液溜まりの生じやすい蒸発室下面が直接加熱され、液溜まりの発生の防止に大きく貢献する。さらに、この蒸発器は、触媒燃焼器が隣接した部位を除く前記蒸発室の表面(蒸発室の触媒燃焼器が隣接した部位以外の部位に高温熱媒体通路を配設しているため、蒸発室を側面などからも加熱・保温することができる。従って、蒸発室の側面などに付着した液体原燃料の飛沫などを速やかに蒸発させることができる。また、暖機も迅速に行うことができる。ちなみに、高温熱媒体とは、触媒燃焼器での燃焼ガスそのもの、あるいはこの燃焼ガスと熱交換した流体(液体・気体)などである。
【0009】
ここで、蒸発室が6面を有し、触媒燃焼器が、蒸発室の下面に隣接して設けられる場合は、請求項における「触媒燃焼器が隣接した部位を除く前記蒸発室の表面」とは、蒸発室の前面、後面、及び両側面、蒸発室の上面などの部位である。つまり、これらの部位のうちのいずれか一つ以上の部位に、高温熱媒体通路を配設する。蒸発室が、曲面をなす場合は、少なくともその一部を覆うように高温熱媒体通路を配設する。ここで、蒸発室内に配設された熱媒チューブに高温熱媒体を通して蒸発室内を加熱する燃料蒸発器の場合、蒸発室における高温熱媒体の出口部分が高温熱媒体通路の起端部分(起端部位)になる。なお、蒸発室に加えて、触媒燃焼器の少なくとも一部を覆うように高温熱媒体通路を配設するとさらに好ましい。触媒燃焼器の保温や高温熱媒体の無駄な温度低下を防止することができるからである。
【0010】
ちなみに、請求項の用語「隣接」は、本実施の形態のように、蒸発室に密着して触媒燃焼器が設けられる場合を含む。蒸発室と触媒燃焼器を密着した場合には、触媒燃焼器が発する熱は、伝導伝熱により蒸発室に伝わる。一方、蒸発室と触媒燃焼器との間に隙間(空間)がある場合は、触媒燃焼器が発する熱は、輻射伝熱及び対流伝熱により蒸発室に伝わる。つまり、「隣接」とは、触媒燃焼器が発する熱を、蒸発室に、伝導・輻射・対流の少なくとも一つの伝熱手段により伝え、これにより、蒸発室における液体原燃料の蒸発を促進すること(液溜まりの発生を防止すること)である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態の燃料蒸発器を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の燃料蒸発器が使用される燃料電池システムの構成図である。図2は、本実施形態の燃料蒸発器の一部破断平面図である。図3は、図2のA−A’線断面図である。図4は、図2のB−B’線断面図である。
なお、本実施形態において、高温熱媒体は触媒燃焼器20が触媒燃焼を行うことにより生じた燃焼ガスHGであり、そして、高温熱媒体通路は燃焼ガス通路13である。
【0012】
〔燃料電池システム〕 先ず、本実施の形態の燃料蒸発器1が使用される燃料電池システムFCSの構成及び作用を、図1を参照して説明する。燃料電池システムFCSは、燃料蒸発器1、改質器2、CO除去器3、空気圧縮機4、燃料電池5、気液分離装置6、燃焼バーナ7、そして、液体原燃料タンクTを含んで構成される。
【0013】
燃料蒸発器1は、蒸発器本体10、触媒燃焼器20、過熱部30、液体原燃料噴射装置40を有する。この蒸発器1は、液体原燃料タンクTからポンプPで圧送されたメタノール・水混合液などの液体原燃料を、原燃料噴射装置40を介して高温に加熱された蒸発器本体10内に噴射して、液体原燃料を蒸発させて原燃料ガスにするものである。なお、液体原燃料を蒸発させる高温熱媒体は、触媒燃焼器20から供給される燃焼ガスであり、この燃焼ガスは燃料電池5のオフガスなどを触媒燃焼器20で触媒燃焼させることにより得られる。このようにして得られた原燃料ガスは、過熱部30で過熱され改質器2に供給される。この燃料蒸発器1については、後に詳細に説明する。
【0014】
改質器2は、水蒸気改質と部分酸化により燃料蒸発器1から供給される原燃料ガスを水素リッチな燃料ガスに改質する。水蒸気改質及び部分酸化は、改質器2内に設けた触媒の作用により反応が促進される。なお、原燃料ガスの部分酸化を行うため、改質器2には、空気圧縮機4などから図示しない配管により空気が供給される。
【0015】
このようにして得られた燃料ガスは、CO除去器3により、触媒の存在下一酸化炭素の選択酸化反応が行われる。これにより、燃料ガス中の一酸化炭素が二酸化炭素に転換されて除去される。一酸化炭素を除去するのは、燃料電池5(固体高分子型)の白金触媒が被毒されるのを防止して、燃料電池5の寿命を長くするためである。CO除去器3は、No.1−CO除去器3aとNo.2−CO除去器3bを有し、燃料ガス中の一酸化炭素の濃度を可及的に低減する。なお、CO除去器3において、逆シフトやメタネーションなどの好ましくない反応が起こらないように、図示しない熱交換器により燃料ガスの温度調節が行われる。
【0016】
空気圧縮機4は、空気を圧縮して燃料電池5が必要とする酸素を供給する。また、空気圧縮機4は、前記のとおり、改質器2における部分酸化用の空気を供給する。さらに、空気圧縮機4は、No.2−CO除去器3bにも空気を供給し、燃料ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に転換する。なお、この空気圧縮機4の動力として、燃料電池5から排出されるオフガスが膨張する際のエネルギーを利用することができる。
【0017】
燃料電池5は、前記のとおり固体高分子型である。燃料電池5の水素極には一酸化炭素が除去された燃料ガスが供給され、燃料電池5の酸素極には、空気圧縮機4からの空気が供給される。燃料電池5の内部では、白金触媒の存在下、電気化学反応により水素と酸素から水を生じると共に、電気を生じる。この電気は、電気自動車の動力源などとして使用することができる。
【0018】
燃料電池5の水素極からは、未利用の水素を含むオフガス及び生成した水が排出されるが、これらは、気液分離装置6により気体と液体とに分離される。オフガスは、燃料電池システムFCSの起動時には、燃焼バーナ7に供給されて燃やされ、触媒燃焼器20などを暖機する。また、オフガスは、燃料電池システムFCSの暖機終了後には、燃焼バーナ7で燃やされることなく燃料蒸発器1に供給され、触媒燃焼器20で触媒燃焼され液体原燃料を蒸発させる熱源などに使用される。なお、燃料電池システムFCSの起動時には、触媒燃焼器20にはオフガスの代わりに触媒燃焼用の燃料(メタノールなど)が供給される。
以上が、本実施形態の燃料蒸発器1が使用される燃料電池システムFCSの構成及び作用である。
【0019】
〔燃料蒸発器〕 次に、本発明を具現化した燃料蒸発器1の説明を行う(図2〜図4参照)。本実施形態の燃料蒸発器1は、蒸発器本体10、触媒燃焼器20、過熱部30、原燃料噴射装置40を含んで構成される。
これらの概略的な位置関係を説明すると、蒸発器本体10は触媒燃焼器20の上部、過熱部30は蒸発器本体10の一側面に、原燃料噴射装置40は蒸発器本体10の上部に、それぞれ取り付けられる。
【0020】
蒸発器本体10は、その内側にU字型の熱媒チューブ12を多数備える箱型をした蒸発室11を有する。蒸発室下面11bは、図4に示すように、多数備える熱媒チューブ12の内、最下層に位置する熱媒チューブ12の形状(配置)に応じて断面波形に構成され、大きな液溜まりが生じないようになっている。蒸発室下面11bと最下層に位置する熱媒チューブ12の間にはわずかな隙間が設けてあり、振動などにより両者が接触しないようになっている。蒸発室11の正面は、熱媒チューブ12を保持する熱媒チューブ保持板12aにより塞がれ、燃焼ガスHGと原燃料ガスFGとが混じり合わないようになっている。熱媒チューブ12は、その両端が開放されており、燃焼ガスHGは、熱媒チューブ12の下部側の端部(熱媒チューブ入口12in)からこの熱媒チューブ12の中に入り、熱媒チューブ12の上部側の端部(熱媒チューブ出口12out)から抜け出る構造になっている。この熱媒チューブ出口12outが、後に説明する燃焼ガス通路13の起端(起端部分)になる。なお、この蒸発器本体10は、蒸発室11内で液体原燃料FLを蒸発して原燃料ガスFGにするが、原燃料ガスFGは、通気手段14を通って過熱部30に導かれる。なお、通気手段14は、小孔がたくさんあいたパンチングプレートなどから構成され、液体原燃料FLの飛沫などの液滴が過熱部30に入り込まないようにしている。ちなみに、蒸発室11内で充分に液体原燃料FLの蒸発が行われ、原燃料ガスFGが図1に示す改質器2に達するまでの間に凝縮しない場合には、蒸発室11内で蒸発した原燃料ガスFGを、過熱器30を通さずにそのまま改質器2に導入してもよい。
【0021】
触媒燃焼器20は、蒸発器本体10と同様に箱型をしており、その内部にハニカム形状の触媒からなる触媒層22を有し、被燃焼体である燃料電池5の水素極のオフガス、即ち、水素と酸素の混合ガスを触媒燃焼して、高温の燃焼ガスHGを発生させる。本実施形態の触媒燃焼器20は、蒸発室下面11bにその上面(触媒燃焼器上面20t)が密着して設けられている。このように密着することにより、触媒燃焼器20から発生する熱を蒸発室下面11bに伝導伝熱により伝えることができる。ところで、蒸発室下面11bは、液溜まりが生じる場所であるので、蒸発室下面11bが加熱されることにより、液溜まりの発生防止及び発生した液溜まりの速やかな蒸発を図ることができる。また、触媒燃焼器20の廃熱の有効利用が図られる。なお、触媒燃焼器上面20tが蒸発室下面11bを兼ねるものであってもよい。
【0022】
この触媒燃焼器20には、燃焼ガスHGを触媒燃焼器出口23から熱媒チューブ入口12inに導く断面半円状の隔壁板24が取り付けられている。この隔壁24により、触媒燃焼器出口23(及び熱媒チューブ入口12in)と熱媒チューブ出口12outの燃焼ガスHGが混合しないようになっている。
この触媒燃焼器20や触媒層22(ハニカム材料)の材質としては、高温に耐え、耐蝕性もあるステンレス鋼(例えばSUS316)などが適している。
【0023】
過熱部30は、蒸発室11の出口の下流側に、蒸発器本体10の一側面から突出して取り付けられる。この過熱部30はシェル&チューブ式の熱交換器であり、管側(蒸気チューブ31側)に原燃料ガスFGを通し、胴側(過熱室32側)に燃焼ガスHGを通し、凝縮性の原燃料ガスFGを燃焼ガスHGで過熱して乾き蒸気にし、原燃料ガスFGの凝縮を防止する。
【0024】
原燃料噴射装置40は、1流体ノズルの噴射装置であり、液体原燃料FLを蒸発室11内に噴射するものである。この原燃料噴射装置40は、蒸発室上面11tに取り付けられているが、高温の燃焼ガスHGの保有熱量を有効に利用するため、液体原燃料FLは、蒸発室11内に多数備える熱媒チューブ12に沿う方向(熱媒チューブ12の保持板12aに向かう方向)を主として噴射される。
【0025】
燃料蒸発器1は、燃焼ガス通路13を有するが、本実施形態の燃料蒸発器1は、燃料蒸発器正面1fの全面、燃料蒸発器一側面1sの全面、及び燃料蒸発器後面1r(蒸発器室後面11r部分)に、熱媒チューブ出口12outを起端(起端部分)として、過熱部30の過熱室32に至る燃焼ガス通路13が配設されている。つまり、図2〜図4に示すように、触媒燃焼器20が隣接した部位を除く蒸発器(蒸発室11)の表面に、高温熱媒体通路(燃焼ガス通路13)が配設されている。なお、本実施形態の燃焼ガス通路13は、蒸発室一側面11s及び蒸発室後面11rばかりでなく、触媒燃焼器20の隔壁板24及び触媒燃焼器一側面20sも併せて覆う構造を有する。
【0026】
次に、本実施の形態に係る燃料蒸発器1の動作及び作用について説明する。
(1)蒸発室下面の加熱; 触媒燃焼器20は、燃料電池5のオフガスOGが供給され、触媒燃焼により燃焼して燃焼ガスHGを生成する。触媒燃焼により、触媒燃焼器20の温度が上昇し、触媒燃焼器20の外表面が高温(約300℃)になる。ここで、燃料蒸発器1は、蒸発室下面11bと触媒燃焼器上面20tが密接している。従って、蒸発室下面11b(蒸発室11の床面)は、触媒燃焼器20により加熱され高温になる。このように、触媒燃焼器20が発する熱を有効に利用することで、液溜まりの発生を防止し、また発生した液溜まりを迅速に蒸発させる。
【0027】
(2)燃焼ガスの流れ; 触媒燃焼器20によりオフガスOGを触媒燃焼させて生成した650〜700℃の高温の燃焼ガスHGは(▲1▼)、先ず、熱媒チューブ入口12in(▲2▼)から熱媒チューブ12に入り(▲3▼)、蒸発室11を加熱して、熱媒チューブ出口12outから抜け出る。この間、燃焼ガスHGは、原燃料噴射装置40から噴射された液体原燃料FLを蒸発させる。なお、熱媒チューブ出口12outにおける燃焼ガスの温度は、約350℃である。
続いて、燃焼ガスHGは、燃焼ガス通路13に入り、燃料蒸発器正面1f(▲4▼)から、燃料蒸発器一側面1s(▲5▼)及び燃料蒸発器後面1r(▲6▼)を経由して過熱部30に至る(▲7▼)。この間、燃焼ガスHGは、蒸発室一側面11s及び蒸発室後面11rを加熱・保温すると共に、触媒燃焼器20の隔壁板24及び触媒燃焼器一側面20sの加熱・保温も行う。これにより、蒸発室11における液体原燃料FLの蒸発が促進される。また、触媒燃焼器出口23から熱媒チューブ入口12inに向かう燃焼ガスHGの温度低下が防止される。さらに、暖機も迅速に行われる。なお、過熱部30の入口における燃焼ガスの温度は、約300℃である。
そして、燃焼ガスHGは、過熱部30(過熱室32)を通過した後に排気ダクト33から排出される。この間、燃焼ガスHGは、原燃料ガスFGの過熱を行い凝縮を防止する。
ここで、文中の▲1▼〜▲7▼の記号は、図2〜図4に付した▲1▼〜▲7▼の記号に対応するものであり、燃焼ガス通路13における燃焼ガスHGの流れを示す。
【0028】
(3)原燃料ガスの流れ; 液体原燃料タンクTに貯蔵された液体原燃料FLは、ポンプで圧送され、原燃料噴射装置40から蒸発室11内に噴射される。
噴射された液体原燃料FLは、大部分が蒸発室11内に多数配設された熱媒チューブ12の表面で直ちに蒸発し原燃料ガスFGになる。ところで、急激に液体原燃料FLが噴射されるなどした場合は、蒸発しきれない液体原燃料FLは、蒸発室11の下方に滴下するが、滴下する際に、すでに蒸発した原燃料ガスFGと熱交換して温度が上昇する(一部は蒸発する)。また、未蒸発の液体原燃料FLが下方に位置する熱媒チューブ12の上に滴下すると、熱媒チューブ12の表面で加熱されて蒸発する。なお、最後まで蒸発しきれない液体原燃料FLは、蒸発室下面11bまで達するが、蒸発室下面11bは、触媒燃焼器20により加熱され高温になっているので、液溜まりを生じることなく蒸発する。仮に、液溜まりを生じたとしても、触媒燃焼器20が触媒燃焼している限りは、蒸発室下面11bは加熱されつづけるため、液溜まりは迅速に蒸発して液体原燃料ガスFGになり消滅する。
【0029】
さらに、蒸発器本体10(蒸発室11)は、殊に蒸発室一側面11s及び蒸発室後面11rが、燃焼ガス通路13により加熱・保温されるため、一層液体原燃料FLの蒸発が促進され、液溜まりが生じ難くなっている。
つまり、従来のこのような燃料蒸発器においては、蒸発室の各面は、蒸発した原燃料ガスにより暖められるか、熱源である熱媒チューブ及び熱媒チューブ保持板から伝導伝熱などにより暖められるのみであった。従って、液体原燃料が蒸発室の側面などに付着しても蒸発しにくく、また、一旦蒸発した原燃料ガスも蒸発室内で凝縮しやすいものであった(即ち液溜まりを生じやすかった)。
この点、本実施の形態の燃料蒸発器1は、蒸発室11の複数の面が燃焼ガスHG及び触媒燃焼器20により加熱・保温される構成であるので、液溜まりの発生を可及的に防止することができる(即ち燃料蒸発器の応答性がよい)。殊に、燃料電池システムFCSの始動時に、蒸発室11に配設した燃焼ガス通路13により蒸発室11が迅速に暖められるので暖機を迅速に行える。つまり、一旦蒸発した原燃料ガスFGが、蒸発室11の各面(壁面)で冷やされて凝縮するという問題が大幅に低減する。
【0030】
なお、蒸発室11で蒸発した原燃料ガスFGは、小孔が多数あいたパンチングプレートなどの通気手段14を通って過熱部30に入り、蒸気チューブ31を通って過熱され、図1に示す改質器2に導かれる。
【0031】
このように本実施の形態の燃料蒸発器によれば、触媒燃焼器の本体が発生する熱(従来廃熱とされていたもの)及び高温熱媒体たる燃焼ガスの有する熱を有効に利用して、液溜まりの発生などを可及的に低減することができる。また、暖機も速やかに行うことができる。従って、応答性に優れ、負荷変動が極端に大きい条件で使用される燃料電池システムの液体原燃料を蒸発させる燃料蒸発器として好適に使用することができる。
【0032】
以上説明した本発明は、上記発明の実施の形態にかかわらず広く変形実施することができる。
例えば、高温熱媒体通路たる燃焼ガス通路を蒸発室上面に配設してもよい。このようにすることで、蒸発室上面からの熱逃げを防止することができる。また、触媒燃焼器の部分を除いて、蒸発室の部分のみに燃料ガス通路を配設する構成としてもよい。これによれば、加熱・保温などの効果のほか、燃料蒸発器の外形をコンパクトに設計することができるという利点がある。
なお、触媒燃焼器は、燃焼バーナや電熱ヒータなどに置きかえることもできる。また、高温熱媒体は、燃焼ガスや燃焼ガスを空気や液体などと熱交換したもの、電熱ヒータにより加熱された空気や液体などでもよい。また、燃料電池は、固体高分子型に限らず、燐酸型の燃料電池(PAFC)などであってもよい。また、蒸発室の形状にかかわらず本発明を実施することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、触媒燃焼器が発生する熱を、隣接して設けてある蒸発室に、伝導や輻射などの伝熱により伝えるため、蒸発室における液体原燃料の蒸発が促進される。従って、蒸発器における液溜まりの発生防止、及び発生した液溜まりの速やかな蒸発を行うことができる。また、高温熱媒体により蒸発室が加熱・保温されるため、蒸発器側面などにおける液体原燃料の飛沫の付着防止、及び付着した飛沫の速やかな蒸発を行うことができる。さらに、蒸発室が、保温されるので、急激な液体原燃料の噴射にも対処することができる。従って、燃料蒸発器として極めて応答性がよくなる。また、暖機も迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の燃料蒸発器が使用される燃料電池システムの構成図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の燃料蒸発器の一部破断平面図である。
【図3】図2のA−A’線断面図である。
【図4】図2のB−B’線断面図である。
【図5】従来例における燃料蒸発器の断面図である。
【符号の説明】
FL 液体原燃料
FG 原燃料ガス
HG 燃焼ガス(高温熱媒体)
1 燃料蒸発器
11 蒸発室
11b 蒸発室下面(蒸発室の下面)
13 燃焼ガス通路(高温熱媒体通路)
20 触媒燃焼器
20t 触媒燃焼器上面(触媒燃焼器の上面)

Claims (1)

  1. 原燃料噴射装置から噴射される液体原燃料を高温熱媒体により蒸発させる蒸発室と、前記液体原燃料を蒸発させた後の前記高温熱媒体が通流する高温熱媒体通路とを有する燃料蒸発器において、
    前記蒸発室に隣接して触媒燃焼器が設けられ、該触媒燃焼器が隣接した部位を除く前記蒸発室の表面に前記高温熱媒体通路が配設されること、
    を特徴とする燃料蒸発器。
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