JP3580352B2 - ボール・グリッド・アレイ用液状エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低粘度で、かつ、低温下で速硬化性であり、高い作業性及び信頼性を有し、特に反り量が極めて小さいパッケージを得ることができるボール・グリッド・アレイ方式の半導体装置の封止樹脂として用いられるボール・グリッド・アレイ用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
IC本体を機械的、化学的作用から保護するため、半導体封止用樹脂組成物が開発、生産されてきたが、最近はチップの信頼性が向上したために封止の目的が変容しつつある。例えば、熱放散性や電気特性の向上が要求特性としてクローズアップされてきた。更に、低価格で生産・実装できるシステムの開発が積極的に進められ、ボール・グリッド・アレイ(以下、BGAという)が新規なパッケージの一つとして生み出されてきた。
【0003】
しかしながら、BGAは、基板上に直接ICチップを実装し、その上を樹脂組成物で覆う構造を取るため、この片面封止の構造は、温度によって反りが発生するという欠点を有している。そこで、現在までフィラーを高充填化して反り量を低減できる樹脂組成物が提案されているが、この場合、樹脂組成物は高粘度化するため、流動性やレベリング性の悪化が頻繁に起こるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、低粘度で速硬化性であり、封止樹脂として反り量が極めて小さいパッケージを与え、高い作業性及び信頼性、良好な保存安定性を有するBGA用液状エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填剤を含有する液状エポキシ樹脂組成物において、上記(A)〜(C)成分の合計量100重量部中、下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を5〜25重量部と、下記式(2)で示されるエポキシ樹脂を5〜25重量部と、下記式(3)で示されるエポキシ樹脂を3〜15重量部含有させることにより、低粘度で、かつ、低温で速硬化性であり、低反り量、優れた作業性、信頼性及び保存安定性という各種特性をバランスよく兼ね備え、BGA方式による半導体装置の封止用として好適に利用できることを見出した。
【0006】
【化3】
(但し、式中R1は水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3の低級アルキル基であり、nは0〜5の整数である。)
【0007】
【化4】
【0008】
更に、上記液状エポキシ樹脂組成物は、示差走査熱量法(DSC)で10℃/分の昇温条件で測定した場合、反応率が5〜25%までの初期反応速度が0.4〜1.1%/分となるような硬化特性を有すること、また、硬化物のガラス転移温度が150℃以上である場合、上記目的をより有効に達成し得ることを見出した。
【0009】
この場合、本発明者は、BGAにおいて上記のように反りが生じる原因について検討した。まず、BGAは、回路基板に対して片面封止構造になっているために熱収縮率等の差によって反りが生じることはよく知られている。BGAを構成する基材は、主に回路基板とICチップとエポキシ樹脂組成物封止材の三者であるが、このうちICチップは回路基板の面積に比べて20〜50%程度と小さく、反りの主要因とはならない。従って、反りは回路基板とエポキシ樹脂組成物との収縮率のミスマッチに起因すると考えられ、更に、エポキシ樹脂組成物は室温からTgまでの線膨張係数は回路基板とほぼ等しいため、熱収縮時の応力とBGAパッケージの反り量との関係を検討した。
【0010】
BGAのように回路基板に対して片面封止構造になっている場合、初期の硬化温度と内部応力が比例することが分かっている。一般的には低温で硬化した場合、内部応力は小さく、高温で硬化した場合は内部応力が大きくなることが知られている。その理由として、高温で樹脂組成物を硬化させた場合、樹脂組成物の構成要素であるポリマー部分は樹脂骨格が伸び、拡張して延伸した状態でポリマー骨格が形成されている。そうした場合、室温まで冷却してくると、ポリマー部分の樹脂骨格はエネルギー的に安定な構造をとろうとするため収縮し、基板との熱収縮率の差が大きくなり内部応力が増大する。これに対して、低温でエポキシ樹脂組成物を硬化させた場合、ポリマー部分は樹脂骨格があまり伸びていない状態で架橋構造を取っており、高温硬化に比較してより室温に近い状態でポリマー骨格が形成されるので、熱収縮率の差は大きくなく、大きな内部応力は発生しない。
【0011】
本発明者は、このように熱収縮率の差と反りの発生量は相関し、一般的に高温で硬化させた場合に反りの発生量が大きく、低温硬化させた場合に反りの発生量が小さくなることに注目し、更に検討を重ねた結果、上記特定構造の三種類のエポキシ樹脂を特定配合比で組み合わせて配合した場合、低粘度で、低温で速硬化可能であり、反りの発生量が極めて少ない上、保存安定性が良好であり、作業性及び信頼性に優れ、BGA用として有効な液状エポキシ樹脂組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】
従って、本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填剤を含有する液状エポキシ樹脂組成物において、上記(A)〜(C)成分の合計量100重量部中、上記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を5〜25重量部と、上記式(2)で示されるエポキシ樹脂を5〜25重量部と、上記式(3)で示されるエポキシ樹脂を3〜15重量部含有することを特徴とするボール・グリッド・アレイ用液状エポキシ樹脂組成物を提供する。
【0013】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、更には(D)無機質充填剤等を含有してなるもので、エポキシ樹脂(A)として下記一般式(1)、式(2)及び式(3)で示される三種類のエポキシ樹脂を併用することを特徴とするものである。
【0014】
【化5】
(但し、式中R1は水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3の低級アルキル基である。なお、各R1は互いに同一でも異なっていてもよい。nは0〜5の整数である。)
【0015】
【化6】
【0016】
上記エポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)からなる樹脂成分100重量部中、式(1)のエポキシ樹脂を5〜25重量部、好ましくは6〜20重量部、式(2)のエポキシ樹脂を5〜25重量部、好ましくは8〜20重量部、式(3)のエポキシ樹脂を3〜15重量部、好ましくは5〜14重量部とする。式(1)のエポキシ樹脂の配合量が5重量未満では、吸水量が多くなり、25重量部を超えると組成物の粘度が高くなって充填性が悪くなり、また泡抜けもよくない。式(2)のエポキシ樹脂の配合量が5重量部未満の場合は、接着性に乏しく信頼性を欠き、25重量部より多いと保存安定性に劣ってしまう。また、式(3)のエポキシ樹脂が3重量部未満の場合は、高粘度となり作業性が悪く、15重量部より多いと吸湿量が多くなり信頼性に欠ける樹脂組成物となってしまう。
【0017】
即ち、本発明において式(1)〜(3)のエポキシ樹脂のそれぞれが上記特定範囲外の配合量であると、信頼性や保存安定性は良好であるものの、反応速度が前述の範囲とならないために反り量が大きくなる場合や、反応速度が所定の範囲となり、反り量は十分低くなるものの、信頼性や保存安定性に問題が発生する場合がある。従って、上記特定の配合組成の場合にのみ、速硬化性で反り量、作業性、信頼性と保存安定性にバランスのとれた液状エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
【0018】
本発明では、エポキシ樹脂として上記一般式(1)、式(2)及び式(3)に示すエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を本発明の効果を妨げない範囲で使用することが可能である。その他のエポキシ樹脂としては、具体的に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば如何なるものでも使用可能であるが、特にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂などが例示される。
【0019】
次に、硬化剤(B)としては、酸無水物化合物が好ましい。酸無水物化合物としては、例えばテトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミックス酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物などの、好ましくは分子中に脂肪族環又は芳香族環を1個又は2個有すると共に、酸無水物基を1個又は2個有する、炭素原子数4〜25個、好ましくは8〜20個程度の酸無水物化合物を挙げることができる。
【0020】
硬化剤としてこのような酸無水物化合物を用いる場合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対して酸無水物化合物中の酸無水物基が0.3〜0.7モル、特に0.4〜0.6モルの範囲で配合することが望ましく、配合量が0.3モル未満では硬化性が不十分となる場合があり、0.7モルを超えると未反応の酸無水物が残存し、ガラス転移温度の低下となる場合がある。
【0021】
また、硬化剤としては、上記の他にジシアンジアミド、アジピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド等のカルボン酸ヒドラジドなども使用することができる。これら硬化剤の配合量は、硬化有効量とすることができる。
【0022】
更に、硬化促進剤(C)としては、酸無水物を硬化剤として使用する場合、イミダゾール誘導体及び3級アミン化合物から選ばれる1種又は2種以上を配合することができる。ここでイミダゾール誘導体としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。また、3級アミン化合物としては、トリエチルアミン、ベンジルトリメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の窒素原子に結合する置換基としてアルキル基やアラルキル基を有するアミン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7及びそのフェノール塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩などのシクロアミジン化合物やその有機酸との塩、あるいは下記式の化合物などのシクロアミジン化合物と4級ホウ素化合物との塩又は錯塩などが挙げられる。
【0023】
【化7】
【0024】
なお、これらイミダゾール誘導体及び3級アミン化合物は、酸無水物系硬化剤の硬化促進剤としてもエポキシ樹脂の硬化剤としても使用できるものであるが、硬化促進剤として使用する場合は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部、特に0.5〜5重量部の範囲で添加することが好適である。添加量が0.01重量部に満たないと硬化性が低下する場合があり、10重量部を超えると硬化性に優れるが保存性が低下する傾向となる場合がある。一般的に硬化促進剤の添加量を適宜調整して、反応速度を変化させることは可能である。しかし、大量に硬化促進剤を添加して反応速度を上げた場合、硬化性に優れるが保存性が低下する傾向となり、実用には耐えない。また、反対に少量の硬化促進剤を添加して反応速度を下げた場合、硬化性が低下し、信頼性に劣る樹脂組成物となってしまう。
【0025】
本発明組成物には、膨張係数を小さくする目的から従来知られている各種の無機質充填剤を添加することができる。無機質充填剤としては、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化アルミ、窒化珪素、マグネシア、マグネシウムシリケートなどが使用される。半導体デバイスが発熱の大きい素子の場合は、これらの中でも熱伝導率ができるだけ大きく、かつ膨張係数の小さなアルミナ、ボロンナイトライド、窒化アルミ、窒化珪素などを使用することが望ましく、また、これらを溶融シリカ等とブレンドして使用してもよい。
【0026】
無機質充填剤の粒度分布は、平均粒径が2〜30μmで最大粒径が74μm以下のものが望ましい。平均粒径が2μmより小さいと粘度が高くなり、多量に充填できない場合があり、30μmを超えると粗い粒径が多くなり、ディスペンサーの細いニードルを塞いでしまう可能性がある。なお、この平均粒径は、例えばレーザー光回折法等の分析手段による重量平均値(又はメジアン径)などとして求めることができる。
【0027】
また、無機質充填剤の形状は特に限定されず、フレーク状、樹枝状、球状等の充填剤を単独で又は混合して用いることができる。
【0028】
なお、本発明においては、チクソ性付与のためアエロジルなどの平均粒径が0.1μm以下の超微粒子シリカを上記した無機質充填剤と併用して添加することもできる。
【0029】
これら無機質充填剤は予めシランカップリング剤(即ち、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アルケニル基、(メタ)アクリル基等の官能性基を含有するオルガノアルコキシシラン類)やチタン系カップリング剤(例えば、チタン酸エステルやチタンキレート化合物等の有機チタン化合物など)等のカップリング剤で表面処理したものを使用することが好ましい。
【0030】
無機質充填剤の使用量は、上記(A)〜(C)成分の合計100重量部に対して100〜900重量部、より好ましくは250〜800重量部が望ましく、特には組成物中に65〜90重量%、より好ましくは70〜85重量%含有されることが好適である。フィラー含有量が65重量%未満の場合は、線膨張率が増加するため成形時に反り発生量が大きくなる場合があり、90重量%より充填率が増加すると、樹脂組成物の粘度が上昇し、流動性やレベリング性が悪化する場合がある。
【0031】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機質充填剤等の全ての成分を一度に混合しても調製できるが、例えばエポキシ樹脂と硬化剤、硬化促進剤等を同時に又は別々に必要により加熱処理を加えながら撹拌、溶解、混合、分散させ、これらの混合物に無機質充填剤を加えて混合、撹拌、分散させて調製することが好ましい。混合、撹拌、分散等の装置は特に限定されないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。
【0032】
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化特性として、10℃/分の昇温条件においてDSC測定(即ち、示差走査熱量法による熱量分析測定)を行った場合、反応率が5〜25%までの初期反応速度が0.4〜1.1%/分の範囲であることが望ましい。初期反応速度が0.4%/分未満では、低温で十分に硬化しないため、樹脂の架橋密度が低下し、信頼性に乏しいものとなってしまう場合がある。初期反応速度が1.1%/分を超えると、反応活性が大きいため保存安定性に乏しくなり、また、反応速度が大きすぎるため自己発熱的に反応が進行し、環境の温度より熱がかかった状態で硬化するため、反りの発生量が大きくなってしまう場合がある。
【0033】
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化物のTg(ガラス転移温度)が150℃以上、特に150〜170℃であることが好ましく、150℃未満では、パッケージの反り量が大きくなり、基板に実装できなくなる場合がある。この場合、エポキシ樹脂組成物は、Tg以上の温度域ではゴム状態になり、熱膨張係数は常温時の数倍となる。成形温度である175℃において樹脂組成物が既に完全なゴム状態であれば、常温域におけるBGAの反り量は大きくなってしまうことから、Tgは上記のように比較的高温であることが好ましい。なお、Tgの測定は、4×4×15mmの大きさの金型にエポキシ樹脂組成物を流し込み、脱泡した後、100℃で1時間、次いで175℃で2時間加熱硬化させたテストピースを用い、ディラトメーターにより毎分10℃で昇温させることで行うことができる。Tgはテストピースの膨張曲線より30〜50℃における直線と、200〜230℃における直線との交点の温度を求めたものである。
【0034】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、液状であればその粘度は適宜調整できるが、ブルックフィールド粘度計で25℃で20rpmの条件で測定した粘度が250〜500ポイズの範囲が好適である。
【0035】
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、加熱により容易に硬化し得るもので、硬化条件は特に制限されないが、通常100〜190℃で0.5〜10時間とすることが望ましい。
【0036】
【発明の効果】
本発明のBGA用液状エポキシ樹脂組成物は、低粘度で速硬化性であり、かつ高い作業性と信頼性、良好な保存安定性を有し、反り量が極めて小さいパッケージを与えるもので、BGA方式による半導体デバイスの封止に有効に使用することができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも重量部である。
【0038】
〔実施例1〜8、比較例1〜9〕
表1、2に示すように液状エポキシ樹脂として下記式(4)で示されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(RE310S:日本化薬社製)、下記式(5)で示される脂環式エポキシ樹脂(アラルダイトCY179:長瀬チバ社製)、下記式(6)で示され多官能型エポキシ樹脂(エピコート630:油化シェルエポキシ社製)、硬化剤として酸無水物(リカシッドMH700:新日本理化社製)、溶融シリカ(SE15(平均粒径15μm):徳山曹達社製)、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランKBM403:信越化学工業社製)、硬化触媒(UCAT5002:旭化成社製)を配合し、液状エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0039】
【化8】
【0040】
得られた液状エポキシ樹脂組成物の諸特性を下記方法で測定した。結果を表1、2に併記する。
諸特性の測定方法
粘度:
ブルックフィールド粘度計を用い、25℃で20rpmの粘度を測定した。
初期反応速度:
メトラー社製TA4000熱分析システムを用い、液状エポキシ樹脂組成物に対し10℃/分の昇温条件においてDSC測定を行い、反応率が5〜25%までの範囲で、積算した吸発熱曲線の一次回帰直線の傾きを初期反応速度とした。
ガラス転移点(Tg):
4×4×15mmの大きさの金型にエポキシ樹脂組成物を流し込み、脱泡した後、100℃で1時間、次いで175℃で2時間加熱硬化させたテストピースを用い、ディラトメーターにより毎分10℃で昇温させることで測定した。Tgはテストピースの膨張曲線より30〜50℃における直線と、200〜230℃における直線との交点の温度である。
反り量:
30×30×0.5mmのビスマレイミド基板上に23×23×1.4mmの大きさになるように液状エポキシ樹脂組成物を封止した疑似BGAパッケージを作成し、光学式うねり測定装置を用い、液状エポキシ樹脂部分を対角線上に測定し、27mmの幅の最高部分と最低部分の高さの差を反り量とした。
吸水率:
厚さ2mmで直径が50mmの円板をそれぞれのエポキシ樹脂組成物で作成し、100℃で1時間、次いで175℃で2時間熱処理を行った後、120℃のプレッシャークッカーに円板を96時間放置した際の吸水率(重量%)を測定した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1、2の結果より、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、低粘度で硬化性に優れ、高い作業性と信頼性を保ち、保存安定性も良好であり、反り量が極めて小さいパッケージを与えることが確認された。
Claims (3)
- 示差走査熱量法により10℃/分の昇温条件で測定した際、反応率が5〜25%までの反応速度が0.4〜1.1%/分となる硬化特性を有する請求項1記載の組成物。
- 硬化物のガラス転移温度が150℃以上である請求項1又は2記載の組成物。
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