JP3580330B2 - 溶接装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の組立ラインの溶接工程において、自動溶接を行うのに用いられる溶接装置におけるスポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するのに利用される溶接装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の溶接装置としては、例えば図8に示すように、多軸制御ロボット120のハンド部121にスポット溶接ガン122を取付けたものがある。
【0003】
ロボット120は、基台100上に、垂直軸回りに回動する回動体110を備えると共に、回動体110に、第1関節部101を介して第1アーム111を回動可能に備え、第1アーム111の先端部に、第2関節部102を介して第2アーム112を回動可能に備えると共に、第2アーム112の先端部に、ハンド部121を備えている。
【0004】
ハンド部121は、第2アーム112の軸線である第1軸Aに対してその軸回りに回動可能であると共に、第1軸Aに直交する第2軸Bによって取付け部121aを回動可能に保持しており、この取付け部121aにスポット溶接ガン122を取付けるようになっている。
【0005】
スポット溶接ガン122は、上記の取付け部121aに装着される保持体115に、一方の電極チップ116およびその進退駆動機構117と、他方の電極チップ118を設けたガンアーム119を備えている。
【0006】
また、上記したような溶接装置において、進退駆動される電極チップ116の加圧力を一定にするには、電極チップ116の進退駆動機構117を構成するモータの電流値制限あるいは電流値のフィードバックにより、同モータの出力トルクを一定にするオープンループ制御や、加圧部分にロードセル等の圧力センサを設け、この圧力センサからの信号をフィードバックさせて加圧力を一定にするクローズドループ制御が用いられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力制御にあっては、オープンループ制御の場合、外乱による加圧力変動に対して補正を行うことが困難であり、クローズドループ制御の場合には、機械的に複雑化することとなり、これらの不具合を解決することが要望されていた。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、多軸制御ロボットにスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するに際して、機械的に複雑化させることなく、外乱による加圧力変動に対する補正を行うことができる制御方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる溶接装置の制御方法は、請求項として、多軸制御ロボットのハンド部にスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するに際し、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップによる加圧を行い、このときに電極チップ駆動用モータに流れる電流値を駆動基準値とし、また、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップを微速度で駆動し、このときに電極チップ駆動用モータに流れる電流値を負荷変動補正値とし、さらに、スポット溶接ガンの姿勢を変化させ、このときに電極チップ駆動用モータを姿勢変化前の状態に保つための電流値を姿勢変動補正値とし、駆動基準値、負荷変動補正値および姿勢変動補正値から得た指令値に基づいて、電極チップ駆動用モータを駆動して電極チップによる加圧を行う構成とし、請求項2として、溶接装置として、ハンド部がその基端側から先端側へ向かう第1軸の軸回りに回動可能であり、ハンド部の先端部に第1軸と直交する第2軸によりスポット溶接ガンを回動可能に備えると共に、第1軸および第2軸に直交し且つ両軸の交点を通過する第3軸と同軸状にスポット溶接ガンの電極チップを備えた溶接装置を用いる構成とし、請求項3として、溶接装置として、一方の電極チップを第3軸の軸線方向に移動させる進退駆動手段を備えると共に、他方の電極チップを設けたガンアームと、このガンアームを第3軸の軸回りに回動させるアーム回動用モータを備え、ガンアームとアーム回動用モータとの間にガンアームの脱着機構を備えた溶接装置を用いる構成とし、請求項4として、溶接装置として、電極チップ、進退駆動手段、アーム回動用モータおよび脱着機構を第3軸と同軸状に備えた溶接装置を用いる構成としており、上記の構成を課題を解決するための手段としている。
【0013】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる溶接装置の制御方法では、電極チップを進退駆動するモータに流れる電流値を用いて電極チップの加圧力を制御するようにしており、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップによる加圧を行うことで駆動基準値を検出する。また、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップを微速度で駆動することにより負荷変動補正値を検出し、さらに、スポット溶接ガンの姿勢を変化させて姿勢変動補正値を検出し、駆動基準値、負荷変動補正値および姿勢変動補正値から得た指令値に基づいて、電極チップ駆動用モータを駆動して電極チップによる加圧を行うことにより、可動部の潤滑状態の変化や抵抗値の変化といった機械的な負荷変動によって生じる電流の変化を補正すると共に、スポット溶接ガンの動きに伴う姿勢変動によって生じる電流の変化を補正し、電極チップの加圧力を常に一定にする。
【0014】
本発明の請求項2に係わる溶接装置の制御方法では、多軸制御ロボットのハンド部の基端側から先端側へ向かう第1軸と、ハンド部に対するスポット溶接ガンの支持軸である第2軸と、スポット溶接ガンの電極チップの軸である第3軸とがハンド部において互いに直交し、ロボットとスポット溶接ガンとが一体化した溶接装置を用いるので、分離・独立型に比べて、ハンド部から電極チップまでの距離が短くなり、電極チップの位置制御が行い易くなると共に、スポット溶接ガンの重心がロボット本体に近くなるので、ロボットに対する負荷が軽減されることとなる。
【0015】
また、本発明の請求項3に係わる溶接装置の制御方法では、進退駆動手段により移動する一方の電極チップと、ガンアームに設けた他方の電極チップとでスポット溶接ガンを構成し、アーム回動用モータでガンアームを回動させることによって第3軸回りにスポット溶接ガンの姿勢を変化させ、さらに、脱着機構によりガンアームを外すことにより、一方の電極チップがスタッドガンとして用いられることになる。
【0016】
本発明の請求項4に係わる溶接装置の制御方法では、電極チップ、進退駆動手段、アーム回動用モータおよび脱着機構を第3軸と同軸状に備えた溶接装置を用いることにより、スポット溶接ガンがより小型化されることになり、ロボットに対する負荷がより一層軽減される。
【0017】
【実施例】
以下、図1〜図7に基づいて、本発明に係わる溶接装置の制御方法を説明する。
【0018】
図1に示す溶接装置Wは、多軸制御ロボットRのハンド部Hにスポット溶接ガンGを備えて成るものである。
【0019】
ロボットRは、基台1上に、垂直軸回りに回動する回動体2を備えると共に、回動体2に、第1関節部3を介して第1アーム4を回動可能に備え、第1アーム4の先端部に、第2関節部5を介して第2アーム6を回動可能に備えると共に、第2アーム6の先端部に、ハンド部Hを備えている。
【0020】
ハンド部Hは、図2に示すように、第2アーム6の先端内部に収納したハンド部回動用モータ7により、基端側から先端側へ向かう第1軸Aの軸回りに回動可能であって、先端部に、図2上で第1軸Aと水平に直交する第2軸Bによりスポット溶接ガンGを回動可能に支持している。
【0021】
ハンド部H内には、減速装置付きの溶接ガン回動用モータ8が収容してあり、その出力軸に設けたプーリー9と、第2軸Bに設けたプーリー10とにベルト11が巻掛けてある。これにより、溶接ガン回動用モータ8を作動させると、スポット溶接ガンGが全体的に回動する。
【0022】
スポット溶接ガンGは、ハンド部Hの先端に組込まれるホルダ12と、ホルダ12の上側に固定されたモータケース13と、ホルダ12およびモータケース13を上下に貫通し且つ下端部に一方の電極チップ14を設けたシャフト15を備えている。
【0023】
ホルダ12内には、シャフト15を中心にして環状を成すアーム回動用モータ16がその出力部を下向きにした状態で収納してあって、アーム回動用モータ16の出力部には、環状の脱着機構17を介して、概略C型を成すガンアーム18が脱着可能に取付けてある。このガンアーム18には、一方の電極チップ14に対向する他方の電極チップ19が設けてある。これにより、アーム回動用モータ16を作動させると、ガンアーム18が回動する。
【0024】
モータケース13内には、シャフト15を中心にして環状を成す電極チップ駆動用モータ20が収納してあって、その上側に、スプラインナット21が設けてあると共に、下側に、同モータ20により回転駆動され且つボールねじを構成する駆動ナット22が設けてある。
【0025】
また、シャフト15は、その上端部から所定の長さにわたって、先のスプラインナット21に上下動自在に係合するスプライン15aが形成してあると共に、スプライン15aの下側から所定の長さにわたって、先の駆動ナット22に係合するスクリュー15bが形成してある。これにより、電極チップ駆動用モータ20を作動させると、駆動用ナット22を介して、スプライン結合により回転規制されたシャフト15をその軸線方向に移動させ、下側の他方の電極チップ19に対して一方の電極チップ14を近接離間させる。
【0026】
つまり、この実施例では、シャフト15、電極チップ駆動用モータ20、スプラインナット21および駆動用ナット22で電極チップ14の進退駆動手段を構成している。
【0027】
そして、スポット溶接ガンGは、第1軸Aおよび第2軸Bの両方に対して直交し且つ両軸A,Bの交点を通過する第3軸Cと同軸状に電極チップ14,19を備えていると共に、電極チップ14,19、進退駆動手段(シャフト15、電極チップ駆動用モータ20、スプラインナット21および駆動用ナット22)、アーム回動用モータ16および脱着機構17を第3軸Cと同軸状に備えた構成になっており、このような構成にすることでより一層の小型化を実現している。
【0028】
上記のロボットRおよびスポット溶接ガンGを備えた溶接装置Wは、図3に示すように、上下の電極チップ14,19によって被溶接部材30に溶接を行うこととなる。また、溶接装置Wは、ロボットRのハンド部Hの基端側から先端側へ向かう第1軸Aと、ハンド部Hに対するスポット溶接ガンGの支持軸である第2軸Bと、スポット溶接ガンGの電極チップ14,19の軸である第3軸Cとがハンド部Hにおいて互いに直交し、ロボットRとスポット溶接ガンGとが一体化した状態になっている。
【0029】
したがって、上記溶接装置Wでは、図1に示すように、ハンド部Hに対するスポット溶接ガンGの支持軸である第2軸Bから下側の電極チップ19の先端部までの距離が垂直方向のΔZ分だけとなる。ここで、ロボットとスポット溶接ガンとが分離・独立型である従来の溶接装置では、図8に示すように、スポット溶接ガン122の重心がロボット120の本体から離れたところに位置しており、ハンド部121における取付け部121aの回動軸である第2軸Bから下側の電極チップ118の先端部までの距離が、水平方向にΔXであり且つ垂直方向ΔZであるため、被溶接部に対する電極チップ116,118の位置制御が複雑であるなどの不具合がある。この従来の溶接装置に比べて、上記溶接装置Wでは、ハンド部Hから電極チップ19までの距離が著しく短くなるので、電極チップ14,19の位置制御が行い易くなると共に、スポット溶接ガンGの重心がロボットRの本体に近くなるので、ロボットRに対する負荷が軽減されることとなる。また、ロボットRに対する負荷軽減に伴って、各モータの出力トルクも小さくて済み、小型で軽量のモータを使用することが可能となる。
【0030】
さらに、上記溶接装置Wは、例えば溶接位置が被溶接部材の中央寄りにあり、ガンアーム18の使用が困難である場合には、脱着機構17によりガンアーム18を外すことにより、図4に示すように、一方の電極チップ14をスタッドガンとして用いることができる。この場合には、被溶接部材30の下側に、電極チップ14に対応するバックアップ電極31を設けることとなる。なお、脱着機構17には、アーム形状等が異なる別のガンアームを脱着自在に取付けることも当然可能である。
【0031】
次に、上記の溶接装置Wにおいて、スポット溶接ガンGの電極チップ14の加圧力を制御する方法について説明する。
【0032】
まず、図5に示すように、スポット溶接ガンGをその第3軸Cが水平になる姿勢にする。このとき、電極チップ駆動用モータ20(図2参照)にかかる負荷は0であって、同モータ20がその位置を保つための指令値iMは0である(iM=0)。そして、この姿勢で電極チップ駆動用モータ20の作動により電極チップ14を前進させて加圧を行い、このときに電極チップ駆動用モータ20に流れる電流値を駆動基準値iPとする(iM=iP)。
【0033】
また、図7に示すように、スポット溶接ガンGをその第3軸Cが水平になる姿勢にして電極チップ14を微速度で駆動し、このときに電極チップ駆動用モータ20に流れる電流値を負荷変動補正値iKとする。この負荷変動補正値iKは、機械的な負荷に対抗する力を発生させるのに必要な値である。したがって、加圧時における電極チップ駆動用モータ20の指令値iMはiP+iKとなる(iM=iP+iK)。
【0034】
さらに、図6に示すように、スポット溶接ガンGをその第3軸Cが垂直になる姿勢にし、このとき、電極チップ駆動用モータ20を姿勢変化前の状態に保つための指令値iMを姿勢変動補正値(マイナス値)iLとする(iM=iL)。この姿勢変動補正値iLは、姿勢(角度)変化によって生じる値である。したがって、姿勢変化後の加圧時における電極チップ駆動用モータ20の指令値iMはiP−iLとなる(iM=ip=iP−iL)。
【0035】
そして、当該制御方法では、負荷変動補正値iKによる補正と、姿勢変動補正値iLによる補正とを合成する。つまり、姿勢変化後の加圧時における電極チップ駆動用モータ20の最終的な指令値iMはiP−iL+iKとなり(iM=iP−iL+iK)、この指令値iMに基づいて、電極チップ駆動用モータ20を駆動して電極チップ14による加圧を行うこととなる。
【0036】
このように、溶接装置Wの制御方法では、駆動基準値iP、負荷変動補正値iKおよび姿勢変動補正値iLから得た指令値iMに基づいて制御を行うことにより、可動部の潤滑状態の変化や抵抗値の変化といった機械的な負荷変動によって生じる電流の変化を補正すると共に、スポット溶接ガンGの動きに伴う姿勢変動によって生じる電流の変化を補正しており、これにより電極チップ14の加圧力が常に一定に保たれる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の請求項1に係わる溶接装置の制御方法によれば、多軸制御ロボットのハンド部にスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するに際し、駆動基準値、負荷変動補正値および姿勢変動補正値から得た指令値に基づいて、電極チップ駆動用モータを駆動して電極チップによる加圧を行うことにより、可動部の潤滑状態の変化や抵抗値の変化といった機械的な負荷変動により生じる電流の変化と、スポット溶接ガンの動きに伴う姿勢変動により生じる電流の変化との両方を補正することとなり、機械的に複雑化させることなく、外乱による加圧力変動に対する補正を容易に行うことができ、電極チップの加圧力を常に一定にすることができる。
【0038】
本発明の請求項2に係わる溶接装置の制御方法によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえに、多軸制御ロボットのハンド部にスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置として、ロボットとスポット溶接ガンとが一体化した溶接装置を用いることから、従来の分離・独立型に比べて、ハンド部から電極チップまでの距離が短くなり、スポット溶接ガンの重心がロボット本体に近くなるので、ロボット先端部における位置決め精度や機械的剛性が高められ、補正動作範囲の減少や電極チップの位置制御の容易化を実現することができると共に、ロボットに対する負荷を大幅に軽減することができ、ロボットの小型化や小スペース化を実現することができる。また、ロボットの小型化に伴って、動作を迅速に行わせることができ、サイクルタイムの短縮なども実現することができる。
【0039】
本発明の請求項3に係わる溶接装置の制御方法によれば、請求項2と同様の効果を得ることができるうえに、ガンアームの回動によってさらに多くの溶接位置に容易に対応することが可能になり、しかも、一対の電極チップを備えたスポット溶接ガンと、一方の電極チップによるスタッドガンとを選択的に使用することができ、汎用性を高めることができると共に、溶接工程の集約化なども図ることができる。さらに、本発明の請求項4に係わる溶接装置の制御方法によれば、請求項3と同様の効果が得られるうえに、電極チップ、進退駆動手段、アーム回動用モータおよび脱着機構を第3軸と同軸状に備えた溶接装置を用いることにより、スポット溶接ガンをより小型化にすることができ、ロボットに対する負荷をより一層軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる溶接装置の制御方法に用いる溶接装置の一実施例を説明する側面図である。
【図2】図1に示す溶接装置の内部構造を示す断面説明図である。
【図3】一対の電極チップを備えたスポット溶接ガンとして使用する場合を説明する側面図である。
【図4】スタッドガンとして使用する場合を説明する側面図である。
【図5】本発明に係わる制御方法において駆動基準値を得る場合を説明するスポット溶接ガンの側面図(a)および電極チップ駆動用モータの電流値を説明するグラフ(b)である。
【図6】本発明に係わる制御方法において姿勢変動補正値を得る場合を説明するスポット溶接ガンの側面図(a)および電極チップ駆動用モータの電流値を説明するグラフ(b)である。
【図7】本発明に係わる制御方法において負荷変動補正値を得る場合を説明するスポット溶接ガンの側面図(a)および電極チップ駆動用モータの電流値を説明するグラフ(b)である。
【図8】従来の溶接装置を説明する側面図である。
【符号の説明】
A 第1軸
B 第2軸
C 第3軸
G スポット溶接ガン
H ハンド部
R 多軸制御ロボット
W 溶接装置
iK 負荷変動補正値
iL 姿勢変動補正値
iM 指令値
iP 駆動基準値
14 一方の電極チップ
15 シャフト(電極チップの進退駆動手段)
16 アーム回動用モータ
17 脱着機構
18 ガンアーム
19 他方の電極チップ
20 電極チップ駆動用モータ(電極チップの進退駆動手段)
21 スプラインナット(電極チップの進退駆動手段)
22 駆動用ナット(電極チップの進退駆動手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の組立ラインの溶接工程において、自動溶接を行うのに用いられる溶接装置におけるスポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するのに利用される溶接装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の溶接装置としては、例えば図8に示すように、多軸制御ロボット120のハンド部121にスポット溶接ガン122を取付けたものがある。
【0003】
ロボット120は、基台100上に、垂直軸回りに回動する回動体110を備えると共に、回動体110に、第1関節部101を介して第1アーム111を回動可能に備え、第1アーム111の先端部に、第2関節部102を介して第2アーム112を回動可能に備えると共に、第2アーム112の先端部に、ハンド部121を備えている。
【0004】
ハンド部121は、第2アーム112の軸線である第1軸Aに対してその軸回りに回動可能であると共に、第1軸Aに直交する第2軸Bによって取付け部121aを回動可能に保持しており、この取付け部121aにスポット溶接ガン122を取付けるようになっている。
【0005】
スポット溶接ガン122は、上記の取付け部121aに装着される保持体115に、一方の電極チップ116およびその進退駆動機構117と、他方の電極チップ118を設けたガンアーム119を備えている。
【0006】
また、上記したような溶接装置において、進退駆動される電極チップ116の加圧力を一定にするには、電極チップ116の進退駆動機構117を構成するモータの電流値制限あるいは電流値のフィードバックにより、同モータの出力トルクを一定にするオープンループ制御や、加圧部分にロードセル等の圧力センサを設け、この圧力センサからの信号をフィードバックさせて加圧力を一定にするクローズドループ制御が用いられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力制御にあっては、オープンループ制御の場合、外乱による加圧力変動に対して補正を行うことが困難であり、クローズドループ制御の場合には、機械的に複雑化することとなり、これらの不具合を解決することが要望されていた。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、多軸制御ロボットにスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するに際して、機械的に複雑化させることなく、外乱による加圧力変動に対する補正を行うことができる制御方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる溶接装置の制御方法は、請求項として、多軸制御ロボットのハンド部にスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するに際し、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップによる加圧を行い、このときに電極チップ駆動用モータに流れる電流値を駆動基準値とし、また、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップを微速度で駆動し、このときに電極チップ駆動用モータに流れる電流値を負荷変動補正値とし、さらに、スポット溶接ガンの姿勢を変化させ、このときに電極チップ駆動用モータを姿勢変化前の状態に保つための電流値を姿勢変動補正値とし、駆動基準値、負荷変動補正値および姿勢変動補正値から得た指令値に基づいて、電極チップ駆動用モータを駆動して電極チップによる加圧を行う構成とし、請求項2として、溶接装置として、ハンド部がその基端側から先端側へ向かう第1軸の軸回りに回動可能であり、ハンド部の先端部に第1軸と直交する第2軸によりスポット溶接ガンを回動可能に備えると共に、第1軸および第2軸に直交し且つ両軸の交点を通過する第3軸と同軸状にスポット溶接ガンの電極チップを備えた溶接装置を用いる構成とし、請求項3として、溶接装置として、一方の電極チップを第3軸の軸線方向に移動させる進退駆動手段を備えると共に、他方の電極チップを設けたガンアームと、このガンアームを第3軸の軸回りに回動させるアーム回動用モータを備え、ガンアームとアーム回動用モータとの間にガンアームの脱着機構を備えた溶接装置を用いる構成とし、請求項4として、溶接装置として、電極チップ、進退駆動手段、アーム回動用モータおよび脱着機構を第3軸と同軸状に備えた溶接装置を用いる構成としており、上記の構成を課題を解決するための手段としている。
【0013】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる溶接装置の制御方法では、電極チップを進退駆動するモータに流れる電流値を用いて電極チップの加圧力を制御するようにしており、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップによる加圧を行うことで駆動基準値を検出する。また、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップを微速度で駆動することにより負荷変動補正値を検出し、さらに、スポット溶接ガンの姿勢を変化させて姿勢変動補正値を検出し、駆動基準値、負荷変動補正値および姿勢変動補正値から得た指令値に基づいて、電極チップ駆動用モータを駆動して電極チップによる加圧を行うことにより、可動部の潤滑状態の変化や抵抗値の変化といった機械的な負荷変動によって生じる電流の変化を補正すると共に、スポット溶接ガンの動きに伴う姿勢変動によって生じる電流の変化を補正し、電極チップの加圧力を常に一定にする。
【0014】
本発明の請求項2に係わる溶接装置の制御方法では、多軸制御ロボットのハンド部の基端側から先端側へ向かう第1軸と、ハンド部に対するスポット溶接ガンの支持軸である第2軸と、スポット溶接ガンの電極チップの軸である第3軸とがハンド部において互いに直交し、ロボットとスポット溶接ガンとが一体化した溶接装置を用いるので、分離・独立型に比べて、ハンド部から電極チップまでの距離が短くなり、電極チップの位置制御が行い易くなると共に、スポット溶接ガンの重心がロボット本体に近くなるので、ロボットに対する負荷が軽減されることとなる。
【0015】
また、本発明の請求項3に係わる溶接装置の制御方法では、進退駆動手段により移動する一方の電極チップと、ガンアームに設けた他方の電極チップとでスポット溶接ガンを構成し、アーム回動用モータでガンアームを回動させることによって第3軸回りにスポット溶接ガンの姿勢を変化させ、さらに、脱着機構によりガンアームを外すことにより、一方の電極チップがスタッドガンとして用いられることになる。
【0016】
本発明の請求項4に係わる溶接装置の制御方法では、電極チップ、進退駆動手段、アーム回動用モータおよび脱着機構を第3軸と同軸状に備えた溶接装置を用いることにより、スポット溶接ガンがより小型化されることになり、ロボットに対する負荷がより一層軽減される。
【0017】
【実施例】
以下、図1〜図7に基づいて、本発明に係わる溶接装置の制御方法を説明する。
【0018】
図1に示す溶接装置Wは、多軸制御ロボットRのハンド部Hにスポット溶接ガンGを備えて成るものである。
【0019】
ロボットRは、基台1上に、垂直軸回りに回動する回動体2を備えると共に、回動体2に、第1関節部3を介して第1アーム4を回動可能に備え、第1アーム4の先端部に、第2関節部5を介して第2アーム6を回動可能に備えると共に、第2アーム6の先端部に、ハンド部Hを備えている。
【0020】
ハンド部Hは、図2に示すように、第2アーム6の先端内部に収納したハンド部回動用モータ7により、基端側から先端側へ向かう第1軸Aの軸回りに回動可能であって、先端部に、図2上で第1軸Aと水平に直交する第2軸Bによりスポット溶接ガンGを回動可能に支持している。
【0021】
ハンド部H内には、減速装置付きの溶接ガン回動用モータ8が収容してあり、その出力軸に設けたプーリー9と、第2軸Bに設けたプーリー10とにベルト11が巻掛けてある。これにより、溶接ガン回動用モータ8を作動させると、スポット溶接ガンGが全体的に回動する。
【0022】
スポット溶接ガンGは、ハンド部Hの先端に組込まれるホルダ12と、ホルダ12の上側に固定されたモータケース13と、ホルダ12およびモータケース13を上下に貫通し且つ下端部に一方の電極チップ14を設けたシャフト15を備えている。
【0023】
ホルダ12内には、シャフト15を中心にして環状を成すアーム回動用モータ16がその出力部を下向きにした状態で収納してあって、アーム回動用モータ16の出力部には、環状の脱着機構17を介して、概略C型を成すガンアーム18が脱着可能に取付けてある。このガンアーム18には、一方の電極チップ14に対向する他方の電極チップ19が設けてある。これにより、アーム回動用モータ16を作動させると、ガンアーム18が回動する。
【0024】
モータケース13内には、シャフト15を中心にして環状を成す電極チップ駆動用モータ20が収納してあって、その上側に、スプラインナット21が設けてあると共に、下側に、同モータ20により回転駆動され且つボールねじを構成する駆動ナット22が設けてある。
【0025】
また、シャフト15は、その上端部から所定の長さにわたって、先のスプラインナット21に上下動自在に係合するスプライン15aが形成してあると共に、スプライン15aの下側から所定の長さにわたって、先の駆動ナット22に係合するスクリュー15bが形成してある。これにより、電極チップ駆動用モータ20を作動させると、駆動用ナット22を介して、スプライン結合により回転規制されたシャフト15をその軸線方向に移動させ、下側の他方の電極チップ19に対して一方の電極チップ14を近接離間させる。
【0026】
つまり、この実施例では、シャフト15、電極チップ駆動用モータ20、スプラインナット21および駆動用ナット22で電極チップ14の進退駆動手段を構成している。
【0027】
そして、スポット溶接ガンGは、第1軸Aおよび第2軸Bの両方に対して直交し且つ両軸A,Bの交点を通過する第3軸Cと同軸状に電極チップ14,19を備えていると共に、電極チップ14,19、進退駆動手段(シャフト15、電極チップ駆動用モータ20、スプラインナット21および駆動用ナット22)、アーム回動用モータ16および脱着機構17を第3軸Cと同軸状に備えた構成になっており、このような構成にすることでより一層の小型化を実現している。
【0028】
上記のロボットRおよびスポット溶接ガンGを備えた溶接装置Wは、図3に示すように、上下の電極チップ14,19によって被溶接部材30に溶接を行うこととなる。また、溶接装置Wは、ロボットRのハンド部Hの基端側から先端側へ向かう第1軸Aと、ハンド部Hに対するスポット溶接ガンGの支持軸である第2軸Bと、スポット溶接ガンGの電極チップ14,19の軸である第3軸Cとがハンド部Hにおいて互いに直交し、ロボットRとスポット溶接ガンGとが一体化した状態になっている。
【0029】
したがって、上記溶接装置Wでは、図1に示すように、ハンド部Hに対するスポット溶接ガンGの支持軸である第2軸Bから下側の電極チップ19の先端部までの距離が垂直方向のΔZ分だけとなる。ここで、ロボットとスポット溶接ガンとが分離・独立型である従来の溶接装置では、図8に示すように、スポット溶接ガン122の重心がロボット120の本体から離れたところに位置しており、ハンド部121における取付け部121aの回動軸である第2軸Bから下側の電極チップ118の先端部までの距離が、水平方向にΔXであり且つ垂直方向ΔZであるため、被溶接部に対する電極チップ116,118の位置制御が複雑であるなどの不具合がある。この従来の溶接装置に比べて、上記溶接装置Wでは、ハンド部Hから電極チップ19までの距離が著しく短くなるので、電極チップ14,19の位置制御が行い易くなると共に、スポット溶接ガンGの重心がロボットRの本体に近くなるので、ロボットRに対する負荷が軽減されることとなる。また、ロボットRに対する負荷軽減に伴って、各モータの出力トルクも小さくて済み、小型で軽量のモータを使用することが可能となる。
【0030】
さらに、上記溶接装置Wは、例えば溶接位置が被溶接部材の中央寄りにあり、ガンアーム18の使用が困難である場合には、脱着機構17によりガンアーム18を外すことにより、図4に示すように、一方の電極チップ14をスタッドガンとして用いることができる。この場合には、被溶接部材30の下側に、電極チップ14に対応するバックアップ電極31を設けることとなる。なお、脱着機構17には、アーム形状等が異なる別のガンアームを脱着自在に取付けることも当然可能である。
【0031】
次に、上記の溶接装置Wにおいて、スポット溶接ガンGの電極チップ14の加圧力を制御する方法について説明する。
【0032】
まず、図5に示すように、スポット溶接ガンGをその第3軸Cが水平になる姿勢にする。このとき、電極チップ駆動用モータ20(図2参照)にかかる負荷は0であって、同モータ20がその位置を保つための指令値iMは0である(iM=0)。そして、この姿勢で電極チップ駆動用モータ20の作動により電極チップ14を前進させて加圧を行い、このときに電極チップ駆動用モータ20に流れる電流値を駆動基準値iPとする(iM=iP)。
【0033】
また、図7に示すように、スポット溶接ガンGをその第3軸Cが水平になる姿勢にして電極チップ14を微速度で駆動し、このときに電極チップ駆動用モータ20に流れる電流値を負荷変動補正値iKとする。この負荷変動補正値iKは、機械的な負荷に対抗する力を発生させるのに必要な値である。したがって、加圧時における電極チップ駆動用モータ20の指令値iMはiP+iKとなる(iM=iP+iK)。
【0034】
さらに、図6に示すように、スポット溶接ガンGをその第3軸Cが垂直になる姿勢にし、このとき、電極チップ駆動用モータ20を姿勢変化前の状態に保つための指令値iMを姿勢変動補正値(マイナス値)iLとする(iM=iL)。この姿勢変動補正値iLは、姿勢(角度)変化によって生じる値である。したがって、姿勢変化後の加圧時における電極チップ駆動用モータ20の指令値iMはiP−iLとなる(iM=ip=iP−iL)。
【0035】
そして、当該制御方法では、負荷変動補正値iKによる補正と、姿勢変動補正値iLによる補正とを合成する。つまり、姿勢変化後の加圧時における電極チップ駆動用モータ20の最終的な指令値iMはiP−iL+iKとなり(iM=iP−iL+iK)、この指令値iMに基づいて、電極チップ駆動用モータ20を駆動して電極チップ14による加圧を行うこととなる。
【0036】
このように、溶接装置Wの制御方法では、駆動基準値iP、負荷変動補正値iKおよび姿勢変動補正値iLから得た指令値iMに基づいて制御を行うことにより、可動部の潤滑状態の変化や抵抗値の変化といった機械的な負荷変動によって生じる電流の変化を補正すると共に、スポット溶接ガンGの動きに伴う姿勢変動によって生じる電流の変化を補正しており、これにより電極チップ14の加圧力が常に一定に保たれる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の請求項1に係わる溶接装置の制御方法によれば、多軸制御ロボットのハンド部にスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するに際し、駆動基準値、負荷変動補正値および姿勢変動補正値から得た指令値に基づいて、電極チップ駆動用モータを駆動して電極チップによる加圧を行うことにより、可動部の潤滑状態の変化や抵抗値の変化といった機械的な負荷変動により生じる電流の変化と、スポット溶接ガンの動きに伴う姿勢変動により生じる電流の変化との両方を補正することとなり、機械的に複雑化させることなく、外乱による加圧力変動に対する補正を容易に行うことができ、電極チップの加圧力を常に一定にすることができる。
【0038】
本発明の請求項2に係わる溶接装置の制御方法によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえに、多軸制御ロボットのハンド部にスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置として、ロボットとスポット溶接ガンとが一体化した溶接装置を用いることから、従来の分離・独立型に比べて、ハンド部から電極チップまでの距離が短くなり、スポット溶接ガンの重心がロボット本体に近くなるので、ロボット先端部における位置決め精度や機械的剛性が高められ、補正動作範囲の減少や電極チップの位置制御の容易化を実現することができると共に、ロボットに対する負荷を大幅に軽減することができ、ロボットの小型化や小スペース化を実現することができる。また、ロボットの小型化に伴って、動作を迅速に行わせることができ、サイクルタイムの短縮なども実現することができる。
【0039】
本発明の請求項3に係わる溶接装置の制御方法によれば、請求項2と同様の効果を得ることができるうえに、ガンアームの回動によってさらに多くの溶接位置に容易に対応することが可能になり、しかも、一対の電極チップを備えたスポット溶接ガンと、一方の電極チップによるスタッドガンとを選択的に使用することができ、汎用性を高めることができると共に、溶接工程の集約化なども図ることができる。さらに、本発明の請求項4に係わる溶接装置の制御方法によれば、請求項3と同様の効果が得られるうえに、電極チップ、進退駆動手段、アーム回動用モータおよび脱着機構を第3軸と同軸状に備えた溶接装置を用いることにより、スポット溶接ガンをより小型化にすることができ、ロボットに対する負荷をより一層軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる溶接装置の制御方法に用いる溶接装置の一実施例を説明する側面図である。
【図2】図1に示す溶接装置の内部構造を示す断面説明図である。
【図3】一対の電極チップを備えたスポット溶接ガンとして使用する場合を説明する側面図である。
【図4】スタッドガンとして使用する場合を説明する側面図である。
【図5】本発明に係わる制御方法において駆動基準値を得る場合を説明するスポット溶接ガンの側面図(a)および電極チップ駆動用モータの電流値を説明するグラフ(b)である。
【図6】本発明に係わる制御方法において姿勢変動補正値を得る場合を説明するスポット溶接ガンの側面図(a)および電極チップ駆動用モータの電流値を説明するグラフ(b)である。
【図7】本発明に係わる制御方法において負荷変動補正値を得る場合を説明するスポット溶接ガンの側面図(a)および電極チップ駆動用モータの電流値を説明するグラフ(b)である。
【図8】従来の溶接装置を説明する側面図である。
【符号の説明】
A 第1軸
B 第2軸
C 第3軸
G スポット溶接ガン
H ハンド部
R 多軸制御ロボット
W 溶接装置
iK 負荷変動補正値
iL 姿勢変動補正値
iM 指令値
iP 駆動基準値
14 一方の電極チップ
15 シャフト(電極チップの進退駆動手段)
16 アーム回動用モータ
17 脱着機構
18 ガンアーム
19 他方の電極チップ
20 電極チップ駆動用モータ(電極チップの進退駆動手段)
21 スプラインナット(電極チップの進退駆動手段)
22 駆動用ナット(電極チップの進退駆動手段)
Claims (4)
- 多軸制御ロボットのハンド部にスポット溶接ガンを備えて成る溶接装置において、スポット溶接ガンの電極チップの加圧力を制御するに際し、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップによる加圧を行い、このときに電極チップ駆動用モータに流れる電流値を駆動基準値とし、また、スポット溶接ガンを一定の姿勢にして電極チップを微速度で駆動し、このときに電極チップ駆動用モータに流れる電流値を負荷変動補正値とし、さらに、スポット溶接ガンの姿勢を変化させ、このときに電極チップ駆動用モータを姿勢変化前の状態に保つための電流値を姿勢変動補正値とし、駆動基準値、負荷変動補正値および姿勢変動補正値から得た指令値に基づいて、電極チップ駆動用モータを駆動して電極チップによる加圧を行うことを特徴とする溶接装置の制御方法。
- 溶接装置として、ハンド部がその基端側から先端側へ向かう第1軸の軸回りに回動可能であり、ハンド部の先端部に第1軸と直交する第2軸によりスポット溶接ガンを回動可能に備えると共に、第1軸および第2軸に直交し且つ両軸の交点を通過する第3軸と同軸状にスポット溶接ガンの電極チップを備えた溶接装置を用いることを特徴とする請求項1に記載の溶接装置の制御方法。
- 溶接装置として、一方の電極チップを第3軸の軸線方向に移動させる進退駆動手段を備えると共に、他方の電極チップを設けたガンアームと、このガンアームを第3軸の軸回りに回動させるアーム回動用モータを備え、ガンアームとアーム回動用モータとの間にガンアームの脱着機構を備えた溶接装置を用いることを特徴とする請求項2に記載の溶接装置の制御方法。
- 溶接装置として、電極チップ、進退駆動手段、アーム回動用モータおよび脱着機構を第3軸と同軸状に備えた溶接装置を用いることを特徴とする請求項3に記載の溶接装置の制御方法。
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