JP3580154B2 - 非接触型icカード搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触型ICカード(以下、単にカードという)を情報処理を行うためにカード処理手段まで搬送したり、処理されたカードを返却したり回収するために搬送する非接触型ICカード搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の非接触型ICカード搬送装置には、カード挿入口と、このカード挿入口に連通するカード搬送路と、このカード搬送路の裏面に設けられカードのアンテナ部との間で電波によって通信を行うアンテナ基板とが備えられている。そして、カード搬送路を挟むようにして、駆動ローラと従動ローラとの間に張架されカード搬送方向に延在する駆動ベルトと、この駆動ベルトに対接し一対のピンチローラ間に張架された従動ベルトとが備えられている。したがって、カード挿入口から挿入されたカードは、これら両ベルトに挟持され、駆動ベルトの走行によって従動ベルトも追従して走行することによって搬送される。アンテナ基板にカードのアンテナ部が対応すると、カードの搬送は一時的に停止し、アンテナ基板によってカード処理が行われ、処理が終了すると、再びカードが搬送されカード挿入口から返却されるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の非接触型ICカード搬送装置においては、搬送されるカードの側方にベルトが位置付けられているために、カードのアンテナ部に対向させるようにアンテナ基板を設ける空間がないという問題があった。また、カードの表面にベルトが接触するので、カードの表面に汚れが付着し、このため、カードの再利用が困難であるという問題もあった。
【0004】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、第1の目的は、アンテナ基板を設けるスペースを確保することにある。また、第2の目的はカードの再利用を可能にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載の発明は、カード挿入口から挿入されたICカードを搬送する搬送手段を備えたカード搬送装置において、前記カード挿入口の後方に設けられ、対向する上下板と、 前記搬送手段を、周面にカードの一側端縁が嵌入する溝を備え駆動装置によって回転し前記上下板の一方に支持されカード搬送側に臨む駆動ローラと、前記上下板の他方に回転自在に支持され前記駆動ローラに対向して駆動ローラ側に臨み、周面にカードの他側端縁が嵌入する溝を備えたピンチローラとによって構成し、前記駆動ローラおよびピンチローラをカードの搬送方向にカードの全長よりも短い間隔を隔ててそれぞれ少なくとも一対設け、前記ピンチローラを前記駆動ローラの方向に付勢したものである。
したがって、カードは二対のローラによって両側端縁が挟持されて搬送される。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記搬送手段によってカードの幅方向を略垂直状態となるようにしたものである。
したがって、カードによって装置の幅方向の寸法が拡がることがない。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係るカード処理装置を模式的に示した斜視図、図2は同じく側面図、図3は図2におけるIII−III 線断面図である。
図1において、全体を符号1で示す非接触型ICカード搬送装置には、上、下端および前端に囲い壁2a,2b,2cが立設された左側板2が備えられており、この左側板2が開放された右側方は図示を省略した右側板によって覆われ、後方が開放されている。
【0007】
この左側板2の前端の囲い壁2cには、正面視略逆コ字状の投入口部材3が固定され、この投入口部材3には側面視コ字状の支持板5が固定され、この支持板5の前端部と投入口部材3とによってカード挿入口8aが形成されている。支持板5には、支持板5の上下端が後方に延設され対向する一対の上、下板6,7が一体に形成され、これら上、下板6,7の後端の開口部8bがカード排出口を形成している。
【0008】
この上板6には、一対の矩形状の窓9,9が設けられ、これら窓9,9の側方には断面U字状の軸受部6a,6aが形成され、これら窓9,9を挟むように上板6の下面には、図2に示すように、3個のガイド部材12,13,14が矢印A方向に並べられるようにして固定されている。これらガイド部材12,13,14には、矢印A方向に延在するガイド溝12a,13a,14aがそれぞれ形成されている。下板7には、上述した窓9,9に対向して一対の矩形状の窓10,10が設けられ、これら窓10,10の側方には円筒状の軸受部7a,7aが形成されている。これら窓10,10を挟むように下板7の上面には、上述したガイド部材12,13,14にそれぞれ対向する3個のガイド部材15,16,17が矢印A方向に並べられるようにして固定されている。
【0009】
これらガイド部材15,16,17には、矢印A方向に延在するガイド溝15a,16a,17aがそれぞれ形成されている。これら互いに上下に対向するガイド部材12とガイド部材15、ガイド部材13とガイド部材16およびガイド部材14とガイド部材17のガイド溝間の間隔l1は、カード20の幅lよりもわずかに大きく形成されている。左側板2のガイド部材16に対応した内面には、アンテナ基板18が固定され、このアンテナ基板18には、カード20のアンテナ部21と対向するアンテナ部19が設けられ、これらアンテナ部19,21間において無線によって通信が行われるように構成されている。
【0010】
23は図示を省略した右側板に固定されたモータであって、このモータ23のモータ軸24は左側板2から外側に突出するように延設され、この突出端部には駆動ギア25が軸着されている。この駆動ギア25の左右には、一対の被駆動ギア26,27が噛合しており、これら被駆動ギア26,27は全く同じに形成されている。これら被駆動ギア26,27には、下板7の軸受部7aに回転自在に支持された回転軸28,29が軸着され、これら回転軸28,29には、窓10,10内に臨む一対の駆動ローラ30,31が軸着されている。これら駆動ローラ30,31の周面には、挟持溝30a,31aが形成され、これら挟持溝30a,31aは、正面視おいて上述したガイド部材15,16,17のガイド溝15a,16a,17aに対応するように位置付けられている。
【0011】
上板6の軸受部6a,6aには、支軸34,36が支承され、これら支軸34,36にはピンチローラ33,35が窓9,9内に臨むように回転自在に支持され、支軸34,36を押圧する板ばね37,37によってピンチローラ33,35は駆動ローラ30,31の方向に付勢されている。これらピンチローラ33,35の周面には挟持溝33a,35aがそれぞれ形成され、これら挟持溝33a,35aは、正面視において上述したガイド部材12,13,14のガイド溝12a,13a,14aに対応するように位置付けられている。また、これらピンチローラ33,35の挟持溝33a,35aと、駆動ローラ30,31の挟持溝30a,31aとの間隔は、カード20の幅lよりもわずかに小さくなるように構成されている。また、両駆動ローラ30,31の軸間距離L1は、カード20の全長Lよりも小さくなるように形成されている。
【0012】
次に、このような構成の非接触型ICカード搬送装置におけるカードの搬送動作を説明する。
カード20をカード挿入口8aから挿入すると、カード20の上下の両側端縁は、ガイド部材12,15のガイド溝12a,15aに係入され、これらガイド溝12a,15aに案内されて矢印A方向に導かれる。したがって、カード挿入口8aから挿入されたカード20は円滑に矢印A方向に導かれる。このとき、図示を省略したカード検知器によってカード20の挿入が検知され、モータ23の駆動が開始されるので、駆動ローラ30,31も駆動ギア25および被駆動ギア26,27を介して図2中時計方向に回転する。
【0013】
カード20の先端が、駆動ローラ30とピンチローラ33との間まで挿入されると、挟持溝30aと挟持溝33aの間隔がカード20の幅lよりもわずかに小さく形成されているので、板ばね37の付勢力によって、カード20の先端部の上下の両側端縁が、これら挟持溝30aと挟持溝33aとによって挟持される。したがって、カード20は、駆動ローラ30の挟持溝30aとの間の摩擦力によって、駆動ローラ30の回転に追従して矢印A方向に搬送される。このとき、ガイド部材12,15のガイド溝12a,15a間の間隔l1が、カード20の幅lよりもわずかに大きく形成されていることにより、カード20の上下の両側端面がガイド溝12a,15aの底部に摺接することがないので、カード20の搬送が妨げられることなく円滑に搬送される。
【0014】
カード20のアンテナ部21がアンテナ基板18のアンテナ部19に対向すると、一旦モータ23の回転が停止し、カード20の搬送が停止するので、アンテナ基板18によってカード20の価値情報の書き換えによるカード処理が行われる。カード処理が終了したら、再びモータ23が駆動され、カード20は駆動ローラ31によって矢印A方向に搬送され、カード排出口8bから排出される。
【0015】
このように、カード20の搬送をカード20の上下の両側端縁を挟持する駆動ローラ30,31およびピンチローラ33,35によって行うようにしたことにより、搬送されるカード20の側方に搬送手段が位置付けられていないので、アンテナ基板18を搬送されるカード20の側方に隣接させて設けることができる。また、両駆動ローラ30,31間の間隔L1をカード20の全長Lよりも短い間隔を隔てて設けられ、カード20の両側端縁を両駆動ローラ30,31とピンチローラ33,35とにより挟持されているので、カード20の搬送が安定する。
【0016】
また、ピンチローラ33,35および駆動ローラ30,31を矢印A方向に挟むようにガイド部材12ないし17を設けたことにより、カード挿入口8aから挿入されたカード20が撓んでいても、これらガイド部材12ないし17のガイド溝12aないし17aによって矯正される。したがって、駆動ローラ30,31によるカード搬送が円滑に行われ、カード詰まりが防止される。
【0017】
なお、本実施の形態では、カード排出口8bをカード挿入口8aと反対側に設けたが、カード処理後に、モータ23を逆方向に回転させることにより、カード挿入口8aからカード20を排出するようにしてもよい。また、本実施の形態のカード搬送装置1では、カード20の幅方向が垂直状態となるように搬送したが、カード20の幅方向が水平状態となるように搬送するようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、カードは二対のローラによって両側端縁が挟持されて搬送されることにより、搬送されるカードの側方に搬送手段が位置付けられていないので、搬送されるカードの側方にアンテナ基板を配置する空間を設けることができる。また、カードの表面に搬送手段が接触することがないので、汚れが付着するようなこともなく、このためカードの再利用ができる。また、両ローラをカードの搬送方向にカードの全長よりも短い間隔を隔てて設けられ、カードの両側端縁を一対の駆動ローラと一対のピンチローラとにより挟持されているので、カードの搬送が安定する。
【0019】
また、請求項2記載の発明によれば、カードの厚み方向にローラやベルトが設けられてなく、しかもカードの幅方向を垂直状態にしてカードを搬送することにより、装置の幅方向の寸法を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカード処理装置を模式的に示した斜視図である。
【図2】本発明に係るカード処理装置の側面図である。
【図3】図2におけるIII−III 線断面図である。
【符号の説明】
1…非接触型ICカード搬送装置、8a…カード挿入口、8b…カード排出口、12〜17…ガイド部材、20…非接触型ICカード、23…モータ、30,31…駆動ローラ、33,35…ピンチローラ、30a,31a,33a,35a…挟持溝。

Claims (2)

  1. カード挿入口から挿入されたICカードを搬送する搬送手段を備えたカード搬送装置において、
    前記カード挿入口の後方に設けられ、対向する上下板と、
    前記搬送手段を、周面にカードの一側端縁が嵌入する溝を備え駆動装置によって回転し前記上下板の一方に支持されカード搬送側に臨む駆動ローラと、
    前記上下板の他方に回転自在に支持され前記駆動ローラに対向して駆動ローラ側に臨み、周面にカードの他側端縁が嵌入する溝を備えたピンチローラとによって構成し、
    前記駆動ローラおよびピンチローラをカードの搬送方向にカードの全長よりも短い間隔を隔ててそれぞれ少なくとも一対設け、
    前記ピンチローラを前記駆動ローラの方向に付勢したことを特徴とする非接触型ICカード搬送装置。
  2. 請求項1記載の非接触型ICカード搬送装置において、
    前記搬送手段によってカードの幅方向を略垂直状態となるようにしたことを特徴とする非接触型ICカード搬送装置。
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