JP3580024B2 - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明に係る回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
アンチロックブレーキ装置(ABS)やトラクションコントロール装置(TCS)を制御する為には、懸架装置に回転自在に支持した車輪の回転速度を検出する必要がある。この為に使用する回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、従来から各種構造のものが知られているが、センサの着脱を容易にして点検、修理等の作業を容易にする為の構造として従来から、例えば米国特許第4946295号明細書に記載されたものが知られている。図7は、この明細書に記載された回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを示している。
【0003】
回転輪である内輪1は固定輪である外輪2の内側に、回転自在に支持している。この為に、回転側周面である内輪1の外周面に回転側軌道面である内輪軌道3を形成し、固定側周面である外輪2の内周面に固定側軌道面である外輪軌道4を形成している。そして、上記内輪軌道3と外輪軌道4との間に複数の転動体5を設けている。上記内輪1の端部外周面には円環状のトーンホイール6を外嵌固定し、上記外輪2の端部内周面にはシールリング7と保持環8とを内嵌固定している。即ち、上記保持環8に形成した係止突起9を、上記シールリング7に形成した透孔10を通じて、上記外輪2の端部内周面に形成した係止凹部11に係合させている。そして、上記保持環8に支持したセンサ12を、上記トーンホイール6の側面に対向させている。このトーンホイール6の側面の磁気特性は、円周方向に亙って交互に且つ等間隔で変化している。そして、上記センサ12は、この磁気特性の変化に伴って出力を変化させる。この様にしてセンサ12の出力が変化する周波数は、上記内輪1の回転速度に比例する。従って、このセンサ12の出力を制御器に入力すれば、ABSやTCSを制御できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した従来構造の場合には、特別な押し込み治具等を使用しなくても、固定輪である外輪2の端部にセンサ12を装着できるが、トーンホイール6及びセンサ12を外部からシールする構造が組み込まれていない。即ち、シールリング7は、転動体5を設置した部分を外部から隔ててはいるが、トーンホイール6及びセンサ12を設置した部分を外部から隔ててはいない。従って、降雨時等には、トーンホイール6とセンサ12との間の微小な隙間13に水滴が付着したままとなる可能性がある。寒冷時、この水滴が凍結した状態で自動車を発進させると、上記トーンホイール6とセンサ12との一方又は双方を破損する可能性がある。本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、この様な事情に鑑みて、センサの着脱作業を容易に行なえ、しかも水滴凍結によるセンサ及びトーンホイールの破損防止を行なえる構造を実現すべく発明したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、固定側周面に固定側軌道面を有し使用時に回転しない固定輪と、回転側周面に回転側軌道面を有し使用時に回転する回転輪と、上記固定側軌道面と回転側軌道面との間に設けられた複数の転動体と、全体を円環状に形成され、上記回転輪に支持された状態でこの回転輪の軸心に対して直角方向に存在するフランジ面を有し、このフランジ面の特性を円周方向に亙って交互に且つ等間隔に変化させたトーンホイールと、上記固定輪の端部に固定されてこの固定輪の端部開口を塞ぐカバーと、このカバーに支持された状態で上記トーンホイールのフランジ面に対向するセンサとを備える。
【0006】
特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いては、上記カバーの一部で上記トーンホイールの直径方向外側に存在する円筒壁部に、この円筒壁部の内周面と外周面とを連通させる取付孔を設けている。又、上記センサを保持した保持ケースは、上記取付孔を上記円筒壁部の外径側から内径側に向け挿入される挿入部と、上記円筒壁部の外周面で上記取付孔の周囲部分に突き当てられる基部とを備える。そして、上記挿入部を上記取付孔に挿入した状態で上記基部は、上記円筒壁部の外周面に対向し、上記保持ケースと取付孔との間の隙間はシール部材により密閉している。更に、上記円筒壁部の外周面で上記取付孔の近傍位置には、上記保持ケースの基部を上記円筒壁部の外周面に向け抑え付ける為の抑え部材の基端部を枢着して、この抑え部材の先端部により上記保持ケースの基部を、上記円筒壁部の外周面に向け弾性的に押圧している。
【0007】
【作用】
上述の様に構成される本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、前述した従来構造と同様の作用により、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する。
又、センサを固定輪に装着する際には、保持ケースの挿入部を、取付孔を通じてカバー内に挿入し、この保持ケースに保持したセンサをトーンホイールのフランジ面と対向させる。次いで、それまで側方に退避させておいた抑え部材の先端部により、上記保持ケースの基部を抑え付け、この基部を上記カバーを構成する円筒壁部の外周面に抑え付ける。この状態で回転輪を回転させると、この回転輪の回転に伴って上記センサの出力信号が変化するので、このセンサの出力信号をハーネスにより取り出して制御器に送れば、ABSやTCSを制御できる。
更に、上記保持ケースを取付孔部分に装着した状態で、この保持ケースと取付孔との間の隙間はシール部材により密閉しているので、これら保持ケースと取付孔との間を通じて異物が上記カバー内に進入する事が防止される。従って、センサとトーンホイールとが凍結により破損する事を防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、懸架装置に駆動輪(FR車の後輪、FF車の前輪)を支持する為の転がり軸受ユニットに本発明を実施するものである。回転輪であるハブ14の外端部(車両への組み付け状態で幅方向外側となる端部を言い、図1の左端部)外周面には車輪固定用のフランジ15を設け、回転側周面である上記ハブ14の外周面の中間部には、回転側軌道面である内輪軌道3aを形成している。又、上記ハブ14の内端部(車両への組み付け状態で幅方向中央側となる端部を言い、図1の右端部)には、やはり回転側周面である外周面に、やはり回転側軌道面である内輪軌道3bを有する内輪1aを外嵌固定している。この内輪1aの内端面(図1の右端面)は、上記ハブ14の内端面よりも内方に突出している。
【0009】
車両への組み付け状態でこの内輪1aの内端面には、等速ジョイント16の段部17が突き当たり、この内輪1aが弛む事を防止する。即ち、上記ハブ14の中心部にはスプライン孔18を形成しており、車両への組み付け状態ではこのスプライン孔18に、上記等速ジョイント16に付属のスプラインシャフト(図示省略)を挿通する。そして、このスプラインシャフトの先端部に螺合したナット(図示せず)と上記段部17との間で、上記ハブ14及び内輪1aを、軸方向に亙って挟持する。
【0010】
又、固定輪である外輪2aは、図示しない懸架装置のナックルに支持する為の取付部19を外周面に、複列の外輪軌道4a、4bを固定側周面である内周面に、それぞれ形成している。固定側軌道面であるこの外輪軌道4a、4bと上記内輪軌道3a、3bとの間には、それぞれ複数個ずつの転動体5、5を設けて、上記取付部19により懸架装置に支持された外輪2aの内側に、上記ハブ14を回転自在に支持している。尚、図示の例では転動体5、5として玉を示しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する場合もある。
【0011】
更に、上記内輪1aの内端部で上記内輪軌道3bから外れた部分には、トーンホイール6aを外嵌固定している。このトーンホイール6aは、支持環20とトーンホイール本体21とを組み合わせて成る。このうちの支持環20は、鋼板等の金属板を断面L字形で全体を円環状に形成したもので、上記内輪1aの内端部に外嵌固定する円筒部22と、この円筒部22の端縁部から直径方向外方に直角に折れ曲がった円輪部23とから成る。そして、この円輪部23の側面に添着した、上記トーンホイール本体21の内側面(図1の右側面)を、上記ハブ14の軸心に対して直角方向に存在するフランジ面としている。又、上記トーンホイール本体21は、フェライトの粉末を混入したゴム磁石等の永久磁石により全体を円輪状に形成している。又、このトーンホイール本体21は、軸方向(図1の左右方向)に亙って着磁している。着磁方向は、円周方向に亙って交互に、且つ等間隔で変化させている。従って、フランジ面となる、このトーンホイール本体21の内側面には、S極とN極とが、交互に、且つ等間隔で配置されている。
【0012】
又、前記外輪2aの開口端部にはカバー24を外嵌固定している。このカバー24は、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等の金属板に絞り加工等の塑性加工を施す事により、全体を円環状に造っている。このカバー24の開口周縁部には、このカバー24を上記外輪2aの開口端部に外嵌固定する為の嵌合部25を、中央部には前記等速ジョイント16を挿通する為の円孔26を、それぞれ形成している。この円孔26の内周縁部には、ゴム、エラストマー等の弾性材製のシールリップ27を、全周に亙って添着している。車両への組み付け状態でこのシールリップ27は、上記等速ジョイント16の外周面に摺接して、上記カバー24と等速ジョイント16との間の隙間を塞ぎ、この隙間を通じて上記カバー24内に雨水等の異物が進入する事を防止する。
【0013】
更に、上記嵌合部25と円孔26との間に位置する中間部28の一部には、この中間部を軸方向内方に膨出させる事により、センサ取付部29を形成している。このセンサ取付部29の外周壁が、前記トーンホイール6aの直径方向外方に存在する円筒壁部30となる。この円筒壁部30部分には、センサ並びにこのセンサの出力信号を取り出す為のハーネス31の端部を包埋保持した、合成樹脂製の保持ケース32を装着する。この保持ケース32は、上記円筒壁部30に形成した取付孔33に、この円筒壁部30の外径側から内径側に向け(図1の上から下に)、がたつきなく挿入される挿入部34と、この挿入部34よりも大径の基部35とを備える。図示の例では、上記取付孔33を矩形孔とすると共に、上記挿入部34を断面矩形として、上記挿入部34を取付孔33に挿入した状態では、上記保持ケース32が回転しない様にしている。
【0014】
又、上記挿入部34を、その基端部まで上記取付孔33に挿入した状態では、上記基部35の内端面36(上記挿入部34を設けた側の端面で、図1の下面)が、上記円筒壁部30の外周面で上記取付孔33の周囲部分に突き当てられる様にしている。上記内端面36の一部で上記挿入部34の基端部を囲む部分には、この基端部34を全周に亙って囲む係止凹溝37を形成し、この係止凹溝37に、シール部材であるOリング38を係止している。このOリング38の断面の直径は、上記係止凹溝37の深さよりも大きくしている。従って、上記内端面36を上記円筒壁部30の外周面に突き当てた状態で上記Oリング38は、この円筒壁部30の外周面に弾性的に押し付けられて、上記保持ケース32と取付孔33との間の隙間を密閉する。尚、上記Oリング38の自由状態での内径は、上記係止凹溝37の内周壁の直径よりも少し小さくしている。従って、上記Oリング38を係止凹溝37に係止した状態でこのOリング38は、この係止凹溝37に係止された状態のまま、脱落する事がなくなる。
【0015】
尚、上記センサは、例えばホール素子、MR素子等、磁束の方向或は密度の変化に応じて出力信号を変化させる検出素子と、電源回路及び波形整形回路とを一体にしたICとにより構成する。このうちの電源回路は、上記検出素子に印加する電圧を整える。又、波形整形回路は、上記検出素子の出力信号の波形を整える。従って、上記ハーネス31は、上記電源回路に通電する役目と、上記波形整形回路から送り出される、波形整形された信号をABSやTCSの制御器に送る役目とを有する。
【0016】
一方、上記円筒壁部30の外周面で、上記取付孔33の近傍位置には、図3に示す様な抑え部材39を設けている。この抑え部材39は、十分な曲げ剛性を有する針金状の線材を曲げ形成して成り、上記保持ケース32の基部35の外端面40(挿入部34を設けた側と反対側の端面で、図1の上面)を抑え付ける為の抑え枠部41と、基端部に設けられた枢支部42、42と、これら抑え枠部41と両枢支部42、42とを連続させる為の連結部43、43とを備える。このうちの各枢支部42、42は、枢支ブラケット44に対し揺動自在に枢支している。この枢支ブラケット44は、図2に示す様に上記取付孔33の側方に、スポット溶接等により固定する。この状態で上記抑え枠部41は、上記取付孔33に対向する。又、上記枢支ブラケット44と上記抑え部材39との間には捩りコイルばね45、45を設け、この抑え部材39に、上記円筒壁部30の外周面に近づく方向の弾力を付与している。又、前記保持ケース32の基部35の外端面40で上記抑え枠部41が対向する部分には、この抑え枠部41ががたつきなく係合する係合溝46を形成している。この抑え枠部41により上記外端面40を抑え付けた状態では、この抑え枠部41と係合溝46との係合により、上記保持ケース32の位置決めが図られる。
【0017】
上述した様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合、ハブ14の外端部に設けたフランジ15に固定した車輪を、外輪2aを支持した懸架装置に対し、回転自在に支持できる。又、車輪の回転に伴なってハブ14の内端部に外嵌固定した内輪1aと共にトーンホイール6aが回転すると、上記保持ケース32を構成する挿入部34に包埋されてこのトーンホイール6aを構成するトーンホイール本体21の内側面と対向するセンサの出力が変化する。このセンサの出力が変化する周波数は、車輪の回転速度に比例する為、センサの出力信号をハーネス31を介して図示しない制御器に入力すれば、上記車輪の回転速度を求め、ABSやTCSを適切に制御できる。
【0018】
上述の様に構成される本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合、車輪を回転自在に支持する作用、並びに車輪の回転速度を検出する作用は、従来から知られている回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様である。特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、センサを包埋保持した保持ケース32を外輪2aに固定したカバー24に対して、特別な治具等を使用する事なく、容易に着脱できる。
【0019】
即ち、上記保持ケース32を外輪2aに装着する際には、この保持ケース32の挿入部34を、上記円筒壁部30に形成した取付孔33を通じて上記カバー24内に挿入する。この際、前記抑え部材39は、前記捩りコイルばね45の弾力に抗して、上記取付孔33の開口部から側方に退避させておく。上記挿入部34を上記取付孔33に挿入し、この挿入部34内に包埋保持したセンサを、上記トーンホイール6aを構成するトーンホイール本体21の内側面に対向させたならば、それまで側方に退避させておいた抑え部材39の抑え枠部41により、上記保持ケース32の基部35の外端面40を抑え付ける。この際、上記抑え枠部41と前記係合溝46とを係合させる。
【0020】
これらの作業により、上記保持ケース32を上記カバー24に対して、所定の位置関係でがたつきなく支持する。又、前記Oリング38を上記基部35と上記円筒壁部30の外周面との間で弾性的に挟持して、上記保持ケース32と上記取付孔33との間の隙間を密閉し、この隙間を通じて上記カバー24内に雨水等の異物が進入する事を防止する。又、カバー24の内周縁と等速ジョイント16の外周面との間の隙間は、前記シールリップ27が塞ぐため、この隙間を通じて上記カバー24内に異物が進入する事もない。
【0021】
又、上記抑え部材39を、上記捩りコイルばね45の弾性に抗して揺動させ、上記抑え枠部41を取付孔33の開口部から退避させれば、上記保持ケース32を上記取付孔33から抜き取り自在となる。従って、センサが故障した場合に、このセンサの修理、交換作業を容易に行なえる。
【0022】
次に、図5〜6は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例は、懸架装置に非駆動輪(FR車の前輪、FF車の後輪)を支持する為の転がり軸受ユニットに本発明を適用したものである。回転輪であるハブ14aの外端部(図5の左端部)外周面には車輪固定用のフランジ15を設け、回転側周面である上記ハブ14aの外周面の中間部には、回転側軌道面である内輪軌道3aを形成している。又、上記ハブ14aの外周面の内端部(図1の右端部)には、やはり回転側周面である外周面に、やはり回転側軌道面である内輪軌道3bを有する内輪1aを外嵌固定している。そして、上記ハブ14aの内端部に形成した雄ねじ部47にナット48を螺着して、上記内輪1aを抑え付けている。
【0023】
又、固定輪である外輪2aは、図示しない懸架装置のナックルに支持する為の取付部19を外周面に、複列の外輪軌道4a、4bを固定側周面である内周面に、それぞれ形成している。固定側軌道面であるこの外輪軌道4a、4bと上記内輪軌道3a、3bとの間には、それぞれ複数個ずつの転動体5、5を設けて、上記取付部19により懸架装置に支持された外輪2aの内側に、上記ハブ14aを回転自在に支持している。転動体5、5として、玉に代えてテーパころを使用する場合もある事は、前述した第1例の場合と同様である。
【0024】
更に、上記内輪1aの内端部で上記内輪軌道3bから外れた部分には、トーンホイール6bを外嵌固定している。このトーンホイール6bは、金属薄板等の遮光性を有する板材により、断面L字形で全体を円環状に形成して成り、円筒部49と、この円筒部49の内端部から直径方向外方に向け直角に折れ曲がったフランジ部50とを備える。この様なトーンホイール6bは、上記円筒部49を上記内輪1aの内端部に、締まり嵌めで外嵌する事により、この内輪1aに固定している。又、上記フランジ部50には、それぞれがスリット状である多数の透孔51、51を、円周方向に亙って等間隔に形成している。これら多数の透孔51、51により上記フランジ部50の光学的特性が、円周方向に亙り、交互に、且つ等間隔で変化している。
【0025】
又、上記外輪2aの開口端部にはカバー24aを外嵌固定している。このカバー24aは、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等の金属板に絞り加工等の塑性加工を施す事により造られている。このカバー24aの開口周縁部には、このカバー24aを上記外輪2aの開口端部に外嵌固定する為の嵌合部25を、中央部には前記ナット47並びに上記トーンホイール6bとの干渉を防止する為の膨出部52を、それぞれ形成している。更に、上記膨出部52の外周壁を構成する円筒壁部53の一部には、円形の取付孔33aを、バーリング加工により形成している。従ってこの取付孔33aの周縁部には、上記円筒壁部53の外周面から突出する、円筒壁54が設けられている。
【0026】
この取付孔33aの内側には、センサ並びにこのセンサの出力信号を取り出す為のハーネス31の端部を包埋保持した、合成樹脂製の保持ケース32aを装着する。この保持ケース32aは、上記取付孔33aの周縁部に形成した円筒壁54を、上記円筒壁部53の外径側から内径側に向け(図5の上から下に)、がたつきなく挿入される挿入部34aと、この挿入部34aよりも大径の基部35aとを備える。図示の例では、この基部35aの外周面の一部に平坦面55を形成している。上記挿入部34aを上記円筒壁54の内側に挿入する際には、この平坦面55と、前記カバー24aの嵌合部25と膨出部52とを連続させる段部56とを整合させた場合にのみ、上記挿入部34aを上記取付孔33aの奥にまで挿入自在としている。又、この様にして上記挿入部34aを上記取付孔33aの奥にまで挿入した状態では、上記保持ケース32aが、上記平坦面55と段部56との係合に基づき、回転しない様にしている。
【0027】
又、上記基部35aの内端面(図5の下端面)36aには、円筒状の凹部57を形成している。そして、この凹部57の内径側側面に係止凹溝37aを、全周に亙って形成している。そして、この係止凹溝37aに、Oリング38を装着している。上記内端面36aが上記円筒壁部53の外周面に突き当たるまで、上記挿入部34aを上記取付孔33aに挿入した状態では、上記Oリング38の外周縁が上記円筒壁54の内周面に弾性的に押し付けられて、上記保持ケース32aと取付孔33aとの間の隙間を密閉する。
【0028】
尚、本例の場合に上記挿入部34aに包埋保持するセンサは、発光素子と受光素子とを備えた光電センサとしている。この為、上記挿入部34aの先端部は二又に形成し、一方に発光素子を、他方に受光素子を、互いに対向した状態で包埋保持している。前記ハーネス31は、上記発光素子に通電する電源用の配線と、上記受光素子の信号を取り出す為の信号用の配線とを備える。従って、本例の場合にも、上記ハーネス31を通じて取り出した信号を制御器に送れば、車輪の回転速度を求め、ABSやTCSを適切に制御できる。
【0029】
更に、本例の場合にも、上記基部35aの外端面(図5の上端面)40aに係合溝46aを形成し、この係合溝46aに抑え部材39の抑え枠部41を係合自在としている。この抑え部材39により、上記基部35aを前記カバー24aの円筒壁部53の外周面に抑え付ける部分の構造及び作用に就いては、前述した第1例の場合と同様である。従って、本例の場合にも、前述した第1例の場合と同様に、固定輪である外輪2aにセンサを着脱する作業を容易に行なえる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは以上に述べた通り構成され作用するので、センサの着脱作業を容易に行なえ、しかも水滴凍結によるセンサ及びトーンホイールの破損防止を行なえる構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】抑え部材を装着したカバーの斜視図。
【図3】抑え部材の拡大斜視図。
【図4】センサを保持した保持ケースの斜視図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図6】センサを保持した保持ケースの斜視図。
【図7】従来構造の1例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a 内輪
2、2a 外輪
3、3a、3b 内輪軌道
4、4a、4b 外輪軌道
5 転動体
6、6a、6b トーンホイール
7 シールリング
8 保持環
9 係止突起
10 透孔
11 係止凹部
12 センサ
13 隙間
14、14a ハブ
15 フランジ
16 等速ジョイント
17 段部
18 スプライン孔
19 取付部
20 支持環
21 トーンホイール本体
22 円筒部
23 円輪部
24、24a カバー
25 嵌合部
26 円孔
27 シールリップ
28 中間部
29 センサ取付部
30 円筒壁部
31 ハーネス
32、32a 保持ケース
33、33a 取付孔
34、34a 挿入部
35、35a 基部
36、36a 内端面
37、37a 係止凹溝
38 Oリング
39 抑え部材
40、40a 外端面
41 抑え枠部
42 枢支部
43 連結部
44 枢支ブラケット
45 捩りコイルばね
46、46a 係合溝
47 雄ねじ部
48 ナット
49 円筒部
50 フランジ部
51 透孔
52 膨出部
53 円筒壁部
54 円筒壁
55 平坦面
56 段部
57 凹部
Claims (1)
- 固定側周面に固定側軌道面を有し使用時に回転しない固定輪と、回転側周面に回転側軌道面を有し使用時に回転する回転輪と、上記固定側軌道面と回転側軌道面との間に設けられた複数の転動体と、全体を円環状に形成され、上記回転輪に支持された状態でこの回転輪の軸心に対して直角方向に存在するフランジ面を有し、このフランジ面の特性を円周方向に亙って交互に且つ等間隔に変化させたトーンホイールと、上記固定輪の端部に固定されてこの固定輪の端部開口を塞ぐカバーと、このカバーに支持された状態で上記トーンホイールのフランジ面に対向するセンサとを備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記カバーの一部で上記トーンホイールの直径方向外側に存在する円筒壁部には、この円筒壁部の内周面と外周面とを連通させる取付孔が設けられており、上記センサを保持した保持ケースは、上記取付孔を上記円筒壁部の外径側から内径側に向け挿入される挿入部と、上記円筒壁部の外周面で上記取付孔の周囲部分に突き当てられる基部とを備え、上記挿入部を上記取付孔に挿入した状態で上記基部は、上記円筒壁部の外周面に対向し、上記保持ケースと取付孔との間の隙間はシール部材により密閉され、上記円筒壁部の外周面で上記取付孔の近傍位置には、上記保持ケースの基部を上記円筒壁部の外周面に向け抑え付ける為の抑え部材の基端部が枢着されて、この抑え部材の先端部が上記保持ケースの基部を上記円筒壁部の外周面に向け弾性的に押圧している事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12486696A JP3580024B2 (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット |
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