JPH09304417A - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

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JPH09304417A
JPH09304417A JP12486696A JP12486696A JPH09304417A JP H09304417 A JPH09304417 A JP H09304417A JP 12486696 A JP12486696 A JP 12486696A JP 12486696 A JP12486696 A JP 12486696A JP H09304417 A JPH09304417 A JP H09304417A
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cylindrical wall
mounting hole
peripheral surface
wheel
outer peripheral
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Hideo Ouchi
英男 大内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定輪に嵌合固定したカバー24に対するセ
ンサの着脱を容易にし、しかもこのセンサの装着部を通
じてカバー24内に雨水等が入り込む事を防止する。 【構成】 センサを保持した保持ケース32の挿入部3
4を、カバー24の円筒壁部30に形成した取付孔33
内に挿入する。この円筒壁部30に枢支した抑え部材3
9の抑え枠部41により、上記保持ケース32の基部3
5を、上記円筒壁部30の外周面に押し付ける。基部3
5と円筒壁部30との間をOリング38により塞ぎ、上
記カバー24内に雨水等の異物が入り込む事を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対
して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を
検出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】アンチロックブレーキ装置(ABS)や
トラクションコントロール装置(TCS)を制御する為
には、懸架装置に回転自在に支持した車輪の回転速度を
検出する必要がある。この為に使用する回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットは、従来から各種構造のものが
知られているが、センサの着脱を容易にして点検、修理
等の作業を容易にする為の構造として従来から、例えば
米国特許第4946295号明細書に記載されたものが
知られている。図7は、この明細書に記載された回転速
度検出装置付転がり軸受ユニットを示している。
【0003】回転輪である内輪1は固定輪である外輪2
の内側に、回転自在に支持している。この為に、回転側
周面である内輪1の外周面に回転側軌道面である内輪軌
道3を形成し、固定側周面である外輪2の内周面に固定
側軌道面である外輪軌道4を形成している。そして、上
記内輪軌道3と外輪軌道4との間に複数の転動体5を設
けている。上記内輪1の端部外周面には円環状のトーン
ホイール6を外嵌固定し、上記外輪2の端部内周面には
シールリング7と保持環8とを内嵌固定している。即
ち、上記保持環8に形成した係止突起9を、上記シール
リング7に形成した透孔10を通じて、上記外輪2の端
部内周面に形成した係止凹部11に係合させている。そ
して、上記保持環8に支持したセンサ12を、上記トー
ンホイール6の側面に対向させている。このトーンホイ
ール6の側面の磁気特性は、円周方向に亙って交互に且
つ等間隔で変化している。そして、上記センサ12は、
この磁気特性の変化に伴って出力を変化させる。この様
にしてセンサ12の出力が変化する周波数は、上記内輪
1の回転速度に比例する。従って、このセンサ12の出
力を制御器に入力すれば、ABSやTCSを制御でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示した従来構造
の場合には、特別な押し込み治具等を使用しなくても、
固定輪である外輪2の端部にセンサ12を装着できる
が、トーンホイール6及びセンサ12を外部からシール
する構造が組み込まれていない。即ち、シールリング7
は、転動体5を設置した部分を外部から隔ててはいる
が、トーンホイール6及びセンサ12を設置した部分を
外部から隔ててはいない。従って、降雨時等には、トー
ンホイール6とセンサ12との間の微小な隙間13に水
滴が付着したままとなる可能性がある。寒冷時、この水
滴が凍結した状態で自動車を発進させると、上記トーン
ホイール6とセンサ12との一方又は双方を破損する可
能性がある。本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットは、この様な事情に鑑みて、センサの着脱作業を
容易に行なえ、しかも水滴凍結によるセンサ及びトーン
ホイールの破損防止を行なえる構造を実現すべく発明し
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットと同様に、固定側周面に固
定側軌道面を有し使用時に回転しない固定輪と、回転側
周面に回転側軌道面を有し使用時に回転する回転輪と、
上記固定側軌道面と回転側軌道面との間に設けられた複
数の転動体と、全体を円環状に形成され、上記回転輪に
支持された状態でこの回転輪の軸心に対して直角方向に
存在するフランジ面を有し、このフランジ面の特性を円
周方向に亙って交互に且つ等間隔に変化させたトーンホ
イールと、上記固定輪の端部に固定されてこの固定輪の
端部開口を塞ぐカバーと、このカバーに支持された状態
で上記トーンホイールのフランジ面に対向するセンサと
を備える。
【0006】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットに於いては、上記カバーの一部で上記トー
ンホイールの直径方向外側に存在する円筒壁部に、この
円筒壁部の内周面と外周面とを連通させる取付孔を設け
ている。又、上記センサを保持した保持ケースは、上記
取付孔を上記円筒壁部の外径側から内径側に向け挿入さ
れる挿入部と、上記円筒壁部の外周面で上記取付孔の周
囲部分に突き当てられる基部とを備える。そして、上記
挿入部を上記取付孔に挿入した状態で上記基部は、上記
円筒壁部の外周面に対向し、上記保持ケースと取付孔と
の間の隙間はシール部材により密閉している。更に、上
記円筒壁部の外周面で上記取付孔の近傍位置には、上記
保持ケースの基部を上記円筒壁部の外周面に向け抑え付
ける為の抑え部材の基端部を枢着して、この抑え部材の
先端部により上記保持ケースの基部を、上記円筒壁部の
外周面に向け弾性的に押圧している。
【0007】
【作用】上述の様に構成される本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットの場合には、前述した従来構造
と同様の作用により、車輪を懸架装置に対して回転自在
に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する。
又、センサを固定輪に装着する際には、保持ケースの挿
入部を、取付孔を通じてカバー内に挿入し、この保持ケ
ースに保持したセンサをトーンホイールのフランジ面と
対向させる。次いで、それまで側方に退避させておいた
抑え部材の先端部により、上記保持ケースの基部を抑え
付け、この基部を上記カバーを構成する円筒壁部の外周
面に抑え付ける。この状態で回転輪を回転させると、こ
の回転輪の回転に伴って上記センサの出力信号が変化す
るので、このセンサの出力信号をハーネスにより取り出
して制御器に送れば、ABSやTCSを制御できる。更
に、上記保持ケースを取付孔部分に装着した状態で、こ
の保持ケースと取付孔との間の隙間はシール部材により
密閉しているので、これら保持ケースと取付孔との間を
通じて異物が上記カバー内に進入する事が防止される。
従って、センサとトーンホイールとが凍結により破損す
る事を防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1〜4は本発明の実施の形態の
第1例を示している。本例は、懸架装置に駆動輪(FR
車の後輪、FF車の前輪)を支持する為の転がり軸受ユ
ニットに本発明を実施するものである。回転輪であるハ
ブ14の外端部(車両への組み付け状態で幅方向外側と
なる端部を言い、図1の左端部)外周面には車輪固定用
のフランジ15を設け、回転側周面である上記ハブ14
の外周面の中間部には、回転側軌道面である内輪軌道3
aを形成している。又、上記ハブ14の内端部(車両へ
の組み付け状態で幅方向中央側となる端部を言い、図1
の右端部)には、やはり回転側周面である外周面に、や
はり回転側軌道面である内輪軌道3bを有する内輪1a
を外嵌固定している。この内輪1aの内端面(図1の右
端面)は、上記ハブ14の内端面よりも内方に突出して
いる。
【0009】車両への組み付け状態でこの内輪1aの内
端面には、等速ジョイント16の段部17が突き当た
り、この内輪1aが弛む事を防止する。即ち、上記ハブ
14の中心部にはスプライン孔18を形成しており、車
両への組み付け状態ではこのスプライン孔18に、上記
等速ジョイント16に付属のスプラインシャフト(図示
省略)を挿通する。そして、このスプラインシャフトの
先端部に螺合したナット(図示せず)と上記段部17と
の間で、上記ハブ14及び内輪1aを、軸方向に亙って
挟持する。
【0010】又、固定輪である外輪2aは、図示しない
懸架装置のナックルに支持する為の取付部19を外周面
に、複列の外輪軌道4a、4bを固定側周面である内周
面に、それぞれ形成している。固定側軌道面であるこの
外輪軌道4a、4bと上記内輪軌道3a、3bとの間に
は、それぞれ複数個ずつの転動体5、5を設けて、上記
取付部19により懸架装置に支持された外輪2aの内側
に、上記ハブ14を回転自在に支持している。尚、図示
の例では転動体5、5として玉を示しているが、重量の
嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動体
としてテーパころを使用する場合もある。
【0011】更に、上記内輪1aの内端部で上記内輪軌
道3bから外れた部分には、トーンホイール6aを外嵌
固定している。このトーンホイール6aは、支持環20
とトーンホイール本体21とを組み合わせて成る。この
うちの支持環20は、鋼板等の金属板を断面L字形で全
体を円環状に形成したもので、上記内輪1aの内端部に
外嵌固定する円筒部22と、この円筒部22の端縁部か
ら直径方向外方に直角に折れ曲がった円輪部23とから
成る。そして、この円輪部23の側面に添着した、上記
トーンホイール本体21の内側面(図1の右側面)を、
上記ハブ14の軸心に対して直角方向に存在するフラン
ジ面としている。又、上記トーンホイール本体21は、
フェライトの粉末を混入したゴム磁石等の永久磁石によ
り全体を円輪状に形成している。又、このトーンホイー
ル本体21は、軸方向(図1の左右方向)に亙って着磁
している。着磁方向は、円周方向に亙って交互に、且つ
等間隔で変化させている。従って、フランジ面となる、
このトーンホイール本体21の内側面には、S極とN極
とが、交互に、且つ等間隔で配置されている。
【0012】又、前記外輪2aの開口端部にはカバー2
4を外嵌固定している。このカバー24は、鋼板、ステ
ンレス鋼板、アルミニウム合金板等の金属板に絞り加工
等の塑性加工を施す事により、全体を円環状に造ってい
る。このカバー24の開口周縁部には、このカバー24
を上記外輪2aの開口端部に外嵌固定する為の嵌合部2
5を、中央部には前記等速ジョイント16を挿通する為
の円孔26を、それぞれ形成している。この円孔26の
内周縁部には、ゴム、エラストマー等の弾性材製のシー
ルリップ27を、全周に亙って添着している。車両への
組み付け状態でこのシールリップ27は、上記等速ジョ
イント16の外周面に摺接して、上記カバー24と等速
ジョイント16との間の隙間を塞ぎ、この隙間を通じて
上記カバー24内に雨水等の異物が進入する事を防止す
る。
【0013】更に、上記嵌合部25と円孔26との間に
位置する中間部28の一部には、この中間部を軸方向内
方に膨出させる事により、センサ取付部29を形成して
いる。このセンサ取付部29の外周壁が、前記トーンホ
イール6aの直径方向外方に存在する円筒壁部30とな
る。この円筒壁部30部分には、センサ並びにこのセン
サの出力信号を取り出す為のハーネス31の端部を包埋
保持した、合成樹脂製の保持ケース32を装着する。こ
の保持ケース32は、上記円筒壁30に形成した取付孔
33に、この円筒壁部30の外径側から内径側に向け
(図1の上から下に)、がたつきなく挿入される挿入部
34と、この挿入部34よりも大径の基部35とを備え
る。図示の例では、上記取付孔33を矩形孔とすると共
に、上記挿入部34を断面矩形として、上記挿入部34
を取付孔33に挿入した状態では、上記保持ケース32
が回転しない様にしている。
【0014】又、上記挿入部34を、その基端部まで上
記取付孔33に挿入した状態では、上記基部35の内端
面36(上記挿入部34を設けた側の端面で、図1の下
面)が、上記円筒壁部30の外周面で上記取付孔33の
周囲部分に突き当てられる様にしている。上記内端面3
6の一部で上記挿入部34の基端部を囲む部分には、こ
の基端部34を全周に亙って囲む係止凹溝37を形成
し、この係止凹溝37に、シール部材であるOリング3
8を係止している。このOリング38の断面の直径は、
上記係止凹溝37の深さよりも大きくしている。従っ
て、上記内端面36を上記円筒壁部30の外周面に突き
当てた状態で上記Oリング38は、この円筒壁部30の
外周面に弾性的に押し付けられて、上記保持ケース32
と取付孔33との間の隙間を密閉する。尚、上記Oリン
グ38の自由状態での内径は、上記係止凹溝37の内周
壁の直径よりも少し小さくしている。従って、上記Oリ
ング38を係止凹溝37に係止した状態でこのOリング
38は、この係止凹溝37に係止された状態のまま、脱
落する事がなくなる。
【0015】尚、上記センサは、例えばホール素子、M
R素子等、磁束の方向或は密度の変化に応じて出力信号
を変化させる検出素子と、電源回路及び波形整形回路と
を一体にしたICとにより構成する。このうちの電源回
路は、上記検出素子に印加する電圧を整える。又、波形
整形回路は、上記検出素子の出力信号の波形を整える。
従って、上記ハーネス31は、上記電源回路に通電する
役目と、上記波形整形回路から送り出される、波形整形
された信号をABSやTCSの制御器に送る役目とを有
する。
【0016】一方、上記円筒壁部30の外周面で、上記
取付孔33の近傍位置には、図3に示す様な抑え部材3
9を設けている。この抑え部材39は、十分な曲げ剛性
を有する針金状の線材を曲げ形成して成り、上記保持ケ
ース32の基部35の外端面40(挿入部34を設けた
側と反対側の端面で、図1の上面)を抑え付ける為の抑
え枠部41と、基端部に設けられた枢支部42、42
と、これら抑え枠部41と両枢支部42、42とを連続
させる為の連結部43、43とを備える。このうちの各
枢支部42、42は、枢支ブラケット44に対し揺動自
在に枢支している。この枢支ブラケット44は、図2に
示す様に上記取付孔33の側方に、スポット溶接等によ
り固定する。この状態で上記抑え枠部41は、上記取付
孔33に対向する。又、上記枢支ブラケット44と上記
抑え部材39との間には捩りコイルばね45、45を設
け、この抑え部材39に、上記円筒壁部30の外周面に
近づく方向の弾力を付与している。又、前記保持ケース
32の基部35の外端面40で上記抑え枠部41が対向
する部分には、この抑え枠部41ががたつきなく係合す
る係合溝46を形成している。この抑え枠部41により
上記外端面40を抑え付けた状態では、この抑え枠部4
1と係合溝46との係合により、上記保持ケース32の
位置決めが図られる。
【0017】上述した様な回転速度検出装置付転がり軸
受ユニットの場合、ハブ14の外端部に設けたフランジ
15に固定した車輪を、外輪2aを支持した懸架装置に
対し、回転自在に支持できる。又、車輪の回転に伴なっ
てハブ14の内端部に外嵌固定した内輪1aと共にトー
ンホイール6aが回転すると、上記保持ケース32を構
成する挿入部34に包埋されてこのトーンホイール6a
を構成するトーンホイール本体21の内側面と対向する
センサの出力が変化する。このセンサの出力が変化する
周波数は、車輪の回転速度に比例する為、センサの出力
信号をハーネス31を介して図示しない制御器に入力す
れば、上記車輪の回転速度を求め、ABSやTCSを適
切に制御できる。
【0018】上述の様に構成される本発明の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットの場合、車輪を回転自在に
支持する作用、並びに車輪の回転速度を検出する作用
は、従来から知られている回転速度検出装置付転がり軸
受ユニットと同様である。特に、本発明の回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットの場合には、センサを包埋保
持した保持ケース32を外輪2aに固定したカバー24
に対して、特別な治具等を使用する事なく、容易に着脱
できる。
【0019】即ち、上記保持ケース32を外輪2aに装
着する際には、この保持ケース32の挿入部34を、上
記円筒壁部30に形成した取付孔33を通じて上記カバ
ー24内に挿入する。この際、前記抑え部材39は、前
記捩りコイルばね45の弾力に抗して、上記取付孔33
の開口部から側方に退避させておく。上記挿入部34を
上記取付孔33に挿入し、この挿入部34内に包埋保持
したセンサを、上記トーンホイール6aを構成するトー
ンホイール本体21の内側面に対向させたならば、それ
まで側方に退避させておいた抑え部材39の抑え枠部4
1により、上記保持ケース32の基部35の外端面40
を抑え付ける。この際、上記抑え枠部41と前記係合溝
46とを係合させる。
【0020】これらの作業により、上記保持ケース32
を上記カバー24に対して、所定の位置関係でがたつき
なく支持する。又、前記Oリング38を上記基部35と
上記円筒壁部30の外周面との間で弾性的に挟持して、
上記保持ケース32と上記取付孔33との間の隙間を密
閉し、この隙間を通じて上記カバー24内に雨水等の異
物が進入する事を防止する。又、カバー24の内周縁と
等速ジョイント16の外周面との間の隙間は、前記シー
ルリップ27が塞ぐため、この隙間を通じて上記カバー
24内に異物が進入する事もない。
【0021】又、上記抑え部材39を、上記捩りコイル
ばね45の弾性に抗して揺動させ、上記抑え枠部41を
取付孔33の開口部から退避させれば、上記保持ケース
32を上記取付孔33から抜き取り自在となる。従っ
て、センサが故障した場合に、このセンサの修理、交換
作業を容易に行なえる。
【0022】次に、図5〜6は本発明の実施の形態の第
2例を示している。本例は、懸架装置に非駆動輪(FR
車の前輪、FF車の後輪)を支持する為の転がり軸受ユ
ニットに本発明を適用したものである。回転輪であるハ
ブ14aの外端部(図5の左端部)外周面には車輪固定
用のフランジ15を設け、回転側周面である上記ハブ1
4aの外周面の中間部には、回転側軌道面である内輪軌
道3aを形成している。又、上記ハブ14aの外周面の
内端部(図1の右端部)には、やはり回転側周面である
外周面に、やはり回転側軌道面である内輪軌道3bを有
する内輪1aを外嵌固定している。そして、上記ハブ1
4aの内端部に形成した雄ねじ部47にナット48を螺
着して、上記内輪1aを抑え付けている。
【0023】又、固定輪である外輪2aは、図示しない
懸架装置のナックルに支持する為の取付部19を外周面
に、複列の外輪軌道4a、4bを固定側周面である内周
面に、それぞれ形成している。固定側軌道面であるこの
外輪軌道4a、4bと上記内輪軌道3a、3bとの間に
は、それぞれ複数個ずつの転動体5、5を設けて、上記
取付部19により懸架装置に支持された外輪2aの内側
に、上記ハブ14aを回転自在に支持している。転動体
5、5として、玉に代えてテーパころを使用する場合も
ある事は、前述した第1例の場合と同様である。
【0024】更に、上記内輪1aの内端部で上記内輪軌
道3bから外れた部分には、トーンホイール6bを外嵌
固定している。このトーンホイール6bは、金属薄板等
の遮光性を有する板材により、断面L字形で全体を円環
状に形成して成り、円筒部49と、この円筒部49の内
端部から直径方向外方に向け直角に折れ曲がったフラン
ジ部50とを備える。この様なトーンホイール6bは、
上記円筒部49を上記内輪1aの内端部に、締まり嵌め
で外嵌する事により、この内輪1aに固定している。
又、上記フランジ部50には、それぞれがスリット状で
ある多数の透孔51、51を、円周方向に亙って等間隔
に形成している。これら多数の透孔51、51により上
記フランジ部50の光学的特性が、円周方向に亙り、交
互に、且つ等間隔で変化している。
【0025】又、上記外輪2aの開口端部にはカバー2
4aを外嵌固定している。このカバー24aは、鋼板、
ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等の金属板に絞り
加工等の塑性加工を施す事により造られている。このカ
バー24aの開口周縁部には、このカバー24aを上記
外輪2aの開口端部に外嵌固定する為の嵌合部25を、
中央部には前記ナット47並びに上記トーンホイール6
bとの干渉を防止する為の膨出部52を、それぞれ形成
している。更に、上記膨出部52の外周壁を構成する円
筒壁部53の一部には、円形の取付孔33aを、バーリ
ング加工により形成している。従ってこの取付孔33a
の周縁部には、上記円筒壁部53の外周面から突出す
る、円筒壁54が設けられている。
【0026】この取付孔33aの内側には、センサ並び
にこのセンサの出力信号を取り出す為のハーネス31の
端部を包埋保持した、合成樹脂製の保持ケース32aを
装着する。この保持ケース32aは、上記取付孔33a
の周縁部に形成した円筒壁54を、上記円筒壁部53の
外径側から内径側に向け(図5の上から下に)、がたつ
きなく挿入される挿入部34aと、この挿入部34aよ
りも大径の基部35aとを備える。図示の例では、この
基部35aの外周面の一部に平坦面55を形成してい
る。上記挿入部34aを上記円筒壁54の内側に挿入す
る際には、この平坦面55と、前記カバー24aの嵌合
部25と膨出部52とを連続させる段部56とを整合さ
せた場合にのみ、上記挿入部34aを上記取付孔33a
の奥にまで挿入自在としている。又、この様にして上記
挿入部34aを上記取付孔33aの奥にまで挿入した状
態では、上記保持ケース32aが、上記平坦面55と段
部56との係合に基づき、回転しない様にしている。
【0027】又、上記基部35aの内端面(図5の下端
面)36aには、円筒状の凹部57を形成している。そ
して、この凹部57の内径側側面に係止凹溝37aを、
全周に亙って形成している。そして、この係止凹溝37
aに、Oリング38を装着している。上記内端面36a
が上記円筒壁部53の外周面に突き当たるまで、上記挿
入部34aを上記取付孔33aに挿入した状態では、上
記Oリング38の外周縁が上記円筒壁54の内周面に弾
性的に押し付けられて、上記保持ケース32aと取付孔
33aとの間の隙間を密閉する。
【0028】尚、本例の場合に上記挿入部34aに包埋
保持するセンサは、発光素子と受光素子とを備えた光電
センサとしている。この為、上記挿入部34aの先端部
は二又に形成し、一方に発光素子を、他方に受光素子
を、互いに対向した状態で包埋保持している。前記ハー
ネス31は、上記発光素子に通電する電源用の配線と、
上記受光素子の信号を取り出す為の信号用の配線とを備
える。従って、本例の場合にも、上記ハーネス31を通
じて取り出した信号を制御器に送れば、車輪の回転速度
を求め、ABSやTCSを適切に制御できる。
【0029】更に、本例の場合にも、上記基部35aの
外端面(図5の上端面)40aに係合溝46aを形成
し、この係合溝46aに抑え部材39の抑え枠部41を
係合自在としている。この抑え部材39により、上記基
部35aを前記カバー24aの円筒壁部53の外周面に
抑え付ける部分の構造及び作用に就いては、前述した第
1例の場合と同様である。従って、本例の場合にも、前
述した第1例の場合と同様に、固定輪である外輪2aに
センサを着脱する作業を容易に行なえる。
【0030】
【発明の効果】本発明の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットは以上に述べた通り構成され作用するので、セ
ンサの着脱作業を容易に行なえ、しかも水滴凍結による
センサ及びトーンホイールの破損防止を行なえる構造を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】抑え部材を装着したカバーの斜視図。
【図3】抑え部材の拡大斜視図。
【図4】センサを保持した保持ケースの斜視図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図6】センサを保持した保持ケースの斜視図。
【図7】従来構造の1例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a 内輪 2、2a 外輪 3、3a、3b 内輪軌道 4、4a、4b 外輪軌道 5 転動体 6、6a、6b トーンホイール 7 シールリング 8 保持環 9 係止突起 10 透孔 11 係止凹部 12 センサ 13 隙間 14、14a ハブ 15 フランジ 16 等速ジョイント 17 段部 18 スプライン孔 19 取付部 20 支持環 21 トーンホイール本体 22 円筒部 23 円輪部 24、24a カバー 25 嵌合部 26 円孔 27 シールリップ 28 中間部 29 センサ取付部 30 円筒壁部 31 ハーネス 32、32a 保持ケース 33、33a 取付孔 34、34a 挿入部 35、35a 基部 36、36a 内端面 37、37a 係止凹溝 38 Oリング 39 抑え部材 40、40a 外端面 41 抑え枠部 42 枢支部 43 連結部 44 枢支ブラケット 45 捩りコイルばね 46、46a 係合溝 47 雄ねじ部 48 ナット 49 円筒部 50 フランジ部 51 透孔 52 膨出部 53 円筒壁部 54 円筒壁 55 平坦面 56 段部 57 凹部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側周面に固定側軌道面を有し使用時
    に回転しない固定輪と、回転側周面に回転側軌道面を有
    し使用時に回転する回転輪と、上記固定側軌道面と回転
    側軌道面との間に設けられた複数の転動体と、全体を円
    環状に形成され、上記回転輪に支持された状態でこの回
    転輪の軸心に対して直角方向に存在するフランジ面を有
    し、このフランジ面の特性を円周方向に亙って交互に且
    つ等間隔に変化させたトーンホイールと、上記固定輪の
    端部に固定されてこの固定輪の端部開口を塞ぐカバー
    と、このカバーに支持された状態で上記トーンホイール
    のフランジ面に対向するセンサとを備えた回転速度検出
    装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記カバーの一部
    で上記トーンホイールの直径方向外側に存在する円筒壁
    部には、この円筒壁部の内周面と外周面とを連通させる
    取付孔が設けられており、上記センサを保持した保持ケ
    ースは、上記取付孔を上記円筒壁部の外径側から内径側
    に向け挿入される挿入部と、上記円筒壁部の外周面で上
    記取付孔の周囲部分に突き当てられる基部とを備え、上
    記挿入部を上記取付孔に挿入した状態で上記基部は、上
    記円筒壁部の外周面に対向し、上記保持ケースと取付孔
    との間の隙間はシール部材により密閉され、上記円筒壁
    部の外周面で上記取付孔の近傍位置には、上記保持ケー
    スの基部を上記円筒壁部の外周面に向け抑え付ける為の
    抑え部材の基端部が枢着されて、この抑え部材の先端部
    が上記保持ケースの基部を上記円筒壁部の外周面に向け
    弾性的に押圧している事を特徴とする回転速度検出装置
    付転がり軸受ユニット。
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JP2010019398A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Jtekt Corp センサ付き転がり軸受装置

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