JP3579490B2 - 湯張り栓ユニット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、給湯器の湯を浴槽へ落とし込んで湯張りを行う湯張り栓ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
給湯器の自動湯張り機能を動作させて浴槽に自動湯張りを行う自動湯張りシステム装置が、例えば、図7および図8に示されている。図7に示す装置は、給湯器1の給湯管2から送湯管3を分岐し、この送湯管3の先端側を浴槽4の上側に配管配置し、送湯管3の先端側に出湯栓5を設けており、器具ケース6内の給湯管2には電磁弁等の自動停止弁7が介設されている。器具ケース6内には給湯器1の燃焼運転と、自動湯張り運転とを制御する制御装置(図示せず)が設けられており、この制御装置には自動湯張りを指令するスイッチ等を備えたリモコン8が接続されている。
【0003】
この装置で浴槽4の自動湯張りを行う際には、出湯栓5を開け、リモコン8により自動湯張り運転スイッチを入れる。そうすると、給湯器1は自動停止弁7を開けて給湯器1の燃焼運転を行い、器具内に設置されているフローセンサ(流量センサ)の信号を受けて送湯管3を通して浴槽4に落とし込まれる湯の量を積算し、その落とし込み積算水量が所定の値に達したときに自動停止弁7を閉じて自動湯張り運転を終了するものである。
【0004】
図8に示す装置は、給湯器1の給湯管2から分岐させて浴槽4の上側に配管してなる送湯管3の他に、給湯管2から分岐させた湯張り専用の湯張り管10を浴槽4の壁面に連結配管し、器具内の湯張り管10には電磁弁等の自動湯張り弁11とバキュームブレーカ12と逆止弁13とを直列接続している。
【0005】
このシステム装置で湯張りを行うときには、リモコン8を操作して自動湯張りスイッチを押すと自動湯張り弁11が開き、給湯器1の燃焼運転が開始し、給湯器1で作り出された湯は湯張り管10を通して浴槽4に落とし込まれる。給湯器1内の制御装置は、器具内に設置してあるフローセンサの流量検出信号を受けて落とし込み湯量の積算水量を求め、予め設定された値に達したときに自動湯張り弁11を閉じて湯張り運転を終了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示すシステム装置においては、自動湯張り時に、例えば台所等で給湯管2から送られてくる湯を使用しているようなとき、自動湯張りが終了すると自動停止弁7が閉じられるため、台所で使用していた湯も止まってしまうという不便があった。
【0007】
また、自動湯張りが終了した時点で、制御装置のシーケンスプログラムをリモコン8を用いてリセットする際には、人がわざわざ浴室に出向いて行って出湯栓5を閉じたことを確認してから行わなければならないという不便があり、さらには、出湯栓5が混合水栓であった場合に、給湯器側の湯と水道管側の水とを混ぜて浴槽4に落とし込んでいたような場合、湯張り終了時に自動停止弁7が閉じられると、混合水栓から水だけが出っ放しとなって浴槽4に注ぎ込まれるという問題が生じ、使い勝手が悪いものであった。
【0008】
図8に示すシステム装置は湯張り専用の湯張り管10を備え、この湯張り管10に自動湯張り弁11を備えているので、前記図7に示す装置の問題は生じないが、この湯張り管10は、通常、浴室外の給湯器1から浴室の壁穴を通して浴槽4に配管しなければならず、その設置配管工事が大掛かりで工事コストが嵩むという問題がある。
【0009】
一般の家庭で、自動湯張り機能を備えたシステム装置を備えている割合はまだ低く、通常は、湯張り機能のない単能給湯器を使用している場合が多い。この湯張り機能のない給湯単能器具を自動湯張り機能を備えた給湯器に買い替える場合に、図7に示す装置にすると前記したような使い勝手の悪さがあり、図8に示す装置に買い替えると湯張り管10を新たに配管するために浴室壁面に壁穴を開けたり、浴室の床等に配管を引き回す難工事をしなければならず、特に、マンション等の集合住宅においては、このような工事が不可能に近い場合もあり、使い勝手の良い装置に買い替えるのは非常に難しいという事情があった。
【0010】
ところで、図7に示すようなシステム装置では、送湯管3の出湯栓5の代わりに水栓ユニットを取り付けることもあり、この種の水栓ユニットとして、図9に示すものが知られている。図9の(a)に示すユニットは、水道等に接続される給水側の管46と湯側の管47とをそれぞれ単水栓48a,48bを介して合流させ、切り替えコック39を介して合流管からシャワー44側の管と浴槽4への滴下落とし込みの管とに分岐したものであり、湯側の管47が送湯管3に接続される。図9の(b)に示す水栓ユニットは、ワックスサーモ式の温度調節付混合水栓のユニットで、湯張りの温度に調整されたワックスサーモ49によって、給水側の管46の入水量と湯側の管47を通ってくる湯の入水量とが制御されて設定温度の湯が作り出され、その湯は水量カウンター付止水弁50を通り、切り替えコック39を介してシャワー44側の管と、浴槽4への落とし込み側の管との所望の管に導かれるようにしたものである。前記水量カウンター付止水弁50は水量を手動設定することにより、この止水弁50を通る湯の量がカウントされ、そのカウント積算値が設定値に達したときに弁が自動的に閉じ、湯張りの停止が行われるものである。
【0011】
図9の(c)に示す水栓ユニットは、同図(b)のシャワー44および切り替えコック39を省略し、水量カウンター付止水弁50から出る湯を直接浴槽4に滴下して落とし込むようにしたものである。これら図9の(a),(b),(c)の水栓ユニットは何れも湯側の管47を送湯管3に接続して湯張りが行われるが、同図の(a)の水栓ユニットを使用して湯張りを行うときには、単水栓48a,48bを手動操作して水の量と湯の量をいちいち調整しなければならないという面倒があり、また、湯張りの終了時には、いちいち浴室に出向いて行って単水栓48a,48bを閉めてからでないと給湯器側のシーケンスプログラムをリセットすることができないという不便がある。
【0012】
また、図9の(b)に示す水栓ユニットを使用して湯張りを行った場合には、湯張り完了時に水量カウンター付止水弁50は自動的に閉弁するので、リモコンを用いて湯張り制御のシーケンスプログラムを直ちにリセットすることはできるが、次に湯張りを行うときにはわざわざ浴室に出向いて行って、水量カウンターをセットし直さなければならないという面倒がある。
【0013】
さらに、同図の(c)に示す水栓ユニットを使用した場合も、同図の(b)の場合と同様に、湯張りを行う毎に浴室に出向いて行って水量カウンターをセットし直さなければならないという不便がある。
【0014】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、湯張り機能付の給湯器を新たに設置施工する工事や既存の給湯単能器具から湯張り機能付の給湯器具に買い替えて設置施工する工事も容易であり、かつ、使い勝手の良い湯張り栓ユニットを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、次のように構成されている。すなわち、第1の発明は、給湯器の湯を導いて浴槽内に滴下して落とし込む送湯管に接続される湯張り栓ユニットであって、該湯張り栓ユニットは、前記送湯管に接続される接続部と、この接続部を基端側として伸張形成される出湯通路と、この出湯通路に介設される水栓と、該水栓の上流側と下流側を連通するバイパス通路と、このバイパス通路に介設され給湯器側の湯張り制御部の信号によって開閉制御される落とし込み制御弁とが集合一体化されており、前記バイパス通路から前記水栓の下流側の出湯通路を経た湯は浴槽の上側から浴槽内に滴下されるものであることを特徴として構成されている。
【0016】
また、第2の発明は、給湯器の湯を導いて浴槽内に滴下して落とし込む送湯管に接続される湯張り栓ユニットであって、該湯張り栓ユニットは、前記送湯管に接続される接続部と、この接続部を基端側として前記送湯管に対し分岐してそれぞれ伸張形成される出湯通路および落とし込み通路と、前記落とし込み通路に介設され給湯器側の湯張り制御部の信号によって開閉制御される落とし込み制御弁とが集合一体化されており、前記落とし込み通路を経た湯は浴槽の上側から浴槽内に滴下されるものであることを特徴として構成されている。
【0017】
【作用】
上記構成の本発明において、給湯器の湯の送湯管に湯張り栓ユニットの接続部を接続することにより自動湯張りシステムが形成される。浴槽への自動湯張りを行うときには、落とし込み制御弁を開け、給湯器の燃焼運転により作り出される湯を送湯管からバイパス通路あるいは落とし込み通路を通して浴槽内に落とし込み、浴槽内の湯量(又は水位)が所定の値に達したときに、落とし込み制御弁が閉じられ、浴槽への自動湯張り運転が終了する。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1には、本発明に係る湯張り栓ユニットの第1の実施例が自動湯張りシステムと共に示されている。同図において、給湯器1は、例えば従来例の図8に示す装置と同様な自動湯張り機能を備えており、器具内部には通水水量を検出するフローセンサ14や、入水や出湯の温度を検出する温度センサや、その他、燃焼運転に必要なセンサ、装置、部品が内蔵されている。
【0019】
給湯器1内には制御装置15が配置されており、この制御装置15にはリモコン8が接続され、制御装置15とリモコン8によって湯張り制御部が構成されている。給湯器1の給湯管2には送湯管3が接続されており、この送湯管3の先端側に本実施例の特徴的な湯張り栓ユニット52が接続されている。この湯張り栓ユニット52は接続部41を有しており、この接続部41から出湯通路53とバイパス通路17とが分岐形成され、出湯通路53には水栓としての単水栓5が配設されている。
【0020】
前記バイパス通路17の先端側は単水栓5の下流側位置の出湯通路53に合流接続されており、バイパス通路17には落とし込み制御弁として機能する落とし込み電磁弁18が介設されており、この落とし込み電磁弁18の弁開閉駆動は給湯器1側の制御装置15の湯張り制御部からの信号によって行われるようになっている。
【0021】
湯張り栓ユニット52は送湯管3に接続部41を介して接続され、出湯通路53の先端側は浴槽4の内部に向けて配置されている。
【0022】
図3はリモコン8のパネル面構成の一例を示したもので、パネル面上には必要に応じ、給湯温度設定部21と、浴槽4への落とし込み湯温設定部22と、落とし込み湯量設定部23と、落とし込み時間設定部24と、自動湯張りの開始を時刻又は経過時間で設定するタイマ設定部25と、浴槽湯張りの水位レベルを設定する水位設定部26と、給湯運転を指令する給湯運転スイッチ27と、自動湯張りの運転を指令する湯張り運転スイッチ28とを備えている。
【0023】
前記各設定部21〜25は数値設定を行うボタン30と設定された数値を表示する表示部31とを備えており、また、水位設定部26は水位を設定するボタン32と設定された水位を絵等によって表示する表示部33とを備えている。なお、タイマ設定部25で設定する落とし込み時間とは、タイマ設定部25で設定操作した後、何時間経過後に湯張り運転を開始させるかを設定する時間を意味する。これらリモコンで設定された設定情報およびスイッチ27,28のスイッチ情報は制御装置15に加えられる。
【0024】
制御装置15は自動湯張り運転の各種仕様態様に応じて構成されるもので、その構成態様の代表例が図2に示されている。同図の(a)は湯張り運転を落とし込み湯量に基づいて制御する構成例で、落とし込み湯量計測部34と、落とし込み時間計測部35と、落とし込み安全動作部36とを有している。落とし込み湯量計測部34はフローセンサ14からの水量検出信号を受けて落とし込み湯量を積算し、リモコン8の落とし込み湯量設定部23で設定された値と比較し、積算湯量が設定湯量に達したときに落とし込み電磁弁18に閉駆動信号を出力し、落とし込み電磁弁18を遮断する。
【0025】
落とし込み時間計測部35は、制御装置内部に設けられているクロック19のクロック信号を受けて落とし込み開始時からの時間を計測し、予め与えられている溢れ防止の基準時間値と比較し、計測時間が基準時間値に達したときに動作信号を落とし込み安全動作部36に加えるものである。落とし込み安全動作部36は、動作信号が加えられたときに落とし込み電磁弁18に閉駆動信号を加え、落とし込み電磁弁18を遮断する。この落とし込み安全動作部36は、浴槽4から湯が溢れたまま引き続き自動湯張りが行われるのを防止する働きをするものである。
【0026】
同図の(a)に示す回路を用いた自動湯張り動作は次のように行われる。リモコン8の湯張り運転スイッチ28がオンされるか、あるいは、タイマ設定部25で設定した時刻あるいは時間となったとき、落とし込み電磁弁18が開けられ、給湯器1に給水される水がバーナの燃焼火力でもって湯にされ、落とし込み湯温設定部22で設定された温度の湯が送湯管3およびバイパス通路17を通って浴槽4内に落とし込まれる。この湯張りの最中、落とし込み湯量計測部34はフローセンサ14の湯量検出信号を受けて落とし込み湯量を積算する。そして、積算値がリモコン8の落とし込み湯量設定部23で設定された設定値に達したときに落とし込み電磁弁18に閉駆動信号を加え、落とし込み電磁弁18を閉じて湯張り運転を終了させる。
【0027】
なお、何らかの原因で、落とし込み湯量の積算値が設定値に達っしても落とし込み電磁弁18に閉駆動信号が出力されないときには、引き続き湯張りが続行するが、このときには、落とし込み時間計測部35は、クロック19からのクロック信号を受けて自動湯張りの開始時からの時間を計測しており、所定の時間を経過したときには、落とし込み安全動作部36から落とし込み電磁弁18に閉駆動信号が加えられて落とし込み電磁弁18が閉動作するので、湯が浴槽4から溢れたまま放置されるという不具合を防止することができる。
【0028】
図2の(b)は、湯張り運転を時間によって制御する構成のもので、湯張り運転の開始後、落とし込み時間計測部35はクロック19からのクロック信号を受けて湯張り時間を計測し、リモコン8の落とし込み時間設定部24で設定された時間に達したときに湯張りに必要な湯量が落とし込まれたものと判断し、落とし込み電磁弁18に閉駆動信号を出力し、落とし込み電磁弁18を閉じて湯張り運転を終了するものである。その一方で、落とし込み湯量計測部34はフローセンサ14の信号を受けて落とし込み湯量を積算し、その積算値が予め与えられた溢れ防止の基準値に達したときに動作信号を落とし込み安全動作部36に加え、落とし込み安全動作部36の閉駆動信号により落とし込み電磁弁18を閉駆動させ、浴槽4から湯が溢れたまま放置されるのを防止する。
【0029】
図2の(c)は、リモコン8の水位設定部26の水位設定によって湯張り運転を行う構成例を示したもので、湯張り運転開始後、時間・湯量計測部38はフローセンサ14からの信号を受けて落とし込み湯量を積算するとともに、クロック19のクロック信号を受けて湯張り開始後からの時間を計測する。その一方で、演算部37は、リモコン8で設定された水位レベルにより、予め与えられている浴槽の大きさ等の情報に基づき、湯張りに必要な湯の落とし込み量と所要時間を演算し、自動湯張りの途中で時間・湯量計測部38で計測される落とし込み湯量の計測値のデータを取り込み、水位設定に対応する落とし込み湯量と所要時間の演算値を自動補正する。
【0030】
時間・湯量計測部38は演算部37で補正演算された水位設定に対応する落とし込み湯量と、計測した落とし込み湯量の積算値とを比較し、かつ、演算部37で補正演算された落とし込みの所要時間とクロック19の信号によって計測した計測時間とをそれぞれ比較し、補正演算による落とし込み湯量および落とし込み所要時間の水位設定に対する値に対して、計測された落とし込み湯量および時間の一方又は両方が補正演算値に達したとき、時間・湯量計測部38から閉駆動信号が落とし込み電磁弁18に加えられ、同電磁弁18が閉じられて湯張り運転が終了する。なお、落とし込み安全動作部36は、時間・湯量計測部38で計測された値の一方又は両方が予め与えられた溢れ防止の基準値に達したときに落とし込み電磁弁18に閉駆動信号を出して電磁弁18を閉動作させ、浴槽4から湯が溢れたまま放置されるのを防止する。
【0031】
上記のように、制御装置15には仕様態様に応じた湯張り機能の回路が採用される。なお、図3に示すリモコン8のパネル面構成は、図2の(a),(b),(c)のいずれの制御形態においても適用できる構成として示したが、例えば図2の(a)に示すように落とし込み湯量に基づいて湯張り運転を行う場合には、落とし込み時間設定部24は省略できるものであり、また、図2の(b)に示すように落とし込み時間に基づいて湯張り運転を制御する構成の場合には、落とし込み湯量設定部23は省略できるものであり、制御形態に応じ不必要な構成部分は省略できる。
【0032】
本実施例によれば、送湯管3の先端側に湯張り栓ユニット52を接続するだけの配管作業で自動湯張りシステムを構築できるようにしたので、従来例の図8に示すような湯張り専用の湯張り管10を配管する必要がなく、設置施工が非常に容易となる。
【0033】
また、バイパス通路17の落とし込み電磁弁18を開閉させて湯張り運転を制御するようにしたものであるから、湯張り運転中に、台所等で給湯器1の湯を使用していたような場合、落とし込み電磁弁18を閉じて湯張り運転が停止されても、給湯器1の湯は止まることなくそのまま台所等で湯の使用ができるので、使い勝手上、非常に便利である。
【0034】
さらに、出湯栓(単水栓)5を使わずに、つまり、出湯栓5を閉じた状態で湯張り運転を行うことができるので、従来例の図7に示す装置のように、出湯栓5を閉めたことを確認してから湯張り運転のシーケンスプログラムをリセットする必要はなく、出湯栓5が閉まっていることをわざわざ浴室に確認に行くことなくリモコン8を利用してシーケンスプログラムのリセットを行うことができる。また、湯張り運転の開始時には、給湯器1の湯張り制御部の信号によって落とし込み電磁弁18が開けられ、浴槽4への湯の落とし込みが直ちに可能状態になる。従来の制御カウンター付止水弁を使用した場合には、湯張りを行うときにわざわざ浴室に出向いて水量カウンターをセットし直さなければならないという面倒があるが、本実施例の湯張り栓ユニットを用いることにより、このような面倒を解消することができる。
【0035】
さらに、湯張り機能をもたない給湯単能器具を使用している家庭で湯張り機能をもつ給湯器に買い替えたい場合には、給湯単能器具から浴槽に配管されている管をそのまま送湯管3として利用することができ、既存の配管に湯張り栓ユニット52を取り付け、落とし込み電磁弁18から制御装置15に電気配線を接続するだけの作業で自動湯張りシステムが形成されることとなり、浴室壁面に穴を開けたり浴室床面に配管を引き回す難工事が不要となり、これらの難工事ができないマンション等の集合住宅において、本実施例の湯張り機能の給湯器およびそのシステムを容易に構築することが可能となり、そのコストも非常に安上がりとなる。
【0036】
図4には、本発明に係る湯張り栓ユニットの第2の実施例が自動湯張りシステムと共に示されている。この実施例の湯張り栓ユニット52は、先端側に出湯栓(単水栓)5が配設されている送湯管3に接続されるもので、この送湯管3に接続する接続部41と、この接続部41側を基端側として送湯管3から分岐される落とし込み通路40と、この落とし込み通路40に介設される落とし込み制御弁としての落とし込み電磁弁18とを集合して一体化したもので、落とし込み通路40の先端側は浴槽4内に向けて配置されている。そして、落とし込み電磁弁18と給湯器1の制御装置15は電気配線材によって接続されている。
【0037】
この実施例も、送湯管3に湯張り栓ユニット52を接続するだけの配管施工で給湯器の自動湯張りシステムが構成できるので、その設置配管施工が極めて容易となり、前記第1の実施例と同様な効果を奏することができる。
【0038】
図5および図6には、本発明のさらに他の実施例が示されている。図5に示す湯張り栓ユニット52は、第1の実施例の図1に示す湯張り栓ユニットに対応しており、この湯張り栓ユニット52は第1の実施例の単水栓5を閉止動作が可能な前記図9の(a)と同様の混合水栓43によって構成し、混合水栓43の一方側の通路にシャワー44を取り付けたものであり、それ以外の構成は前記第1の実施例と同様である。
【0039】
また、図6に示す実施例は、前記第2の実施例の図4に示す単水栓5を閉止動作が可能な混合水栓43によって構成し、この混合水栓43の一方側の通路にシャワー44を設けたものであり、それ以外の構成は前記第2の実施例と同様である。
【0040】
これら図5および図6に示す実施例の装置も配管構成が極めて簡易であり、前記第1および第2の各実施例と同様な効果を奏する。
【0041】
なお、本発明は前記各実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記図4および図6の実施例では、単水栓(出湯栓)5や混合水栓43は湯張り栓ユニット52から除外したが、図4に示す単水栓5を含めた番号54で囲った部分を湯張り栓ユニットとして構成してもよく、また、図6に示す混合水栓43を含む番号55で囲った部分を湯張り栓ユニットとして構成してもよい。
【0042】
また、各実施例の自動湯張りシステムには、図2に示すように落とし込み安全動作部36を設けたが、この落とし込み安全動作部36は省略しても構わない。この場合には、図2の(a)の場合にはクロック19と落とし込み時間計測部35も合わせて省略することができ、また、図2の(b)の構成においては落とし込み湯量計測部34を省略することができる。また、湯張り機能の回路は本実施例のものに限定されるものではなく、送湯栓3から分岐させたバイパス通路17又は落とし込み通路40に設けた落とし込み電磁弁18を開閉させて湯張り運転を行うものであれば、他のどのような湯張り機能の回路であってもよい。
【0043】
さらに、上記各実施例では落とし込み制御弁を電磁弁によって構成したが、弁の開閉を制御できるものであれば他の制御弁でもよく、また、弁の開閉だけでなく弁の開閉量を制御できる弁であってもよい。
【0044】
さらに、上記各実施例では、落とし込み電磁弁18の電気配線材を給湯器1の制御装置15側に配線接続したが、これをリモコン8側に配線接続してもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明の湯張り栓ユニットは、給湯器の湯を導いて浴槽内に滴下して落とし込む送湯管に接続する接続部を有し、第1の発明では、この接続部から水栓を備えた出湯通路を伸張形成し、この出湯通路の水栓の上流側と下流側を連通するバイパス通路を設け、第2の発明では、前記接続部から落とし込み通路を伸張形成し、これら、バイパス通路や落とし込み通路に落とし込み制御弁を介設したものであるから、給湯器側の湯張り制御部の信号により前記落とし込み制御弁を開閉制御することにより、自動湯張りが可能となる。しかも、この湯張り栓ユニットの落とし込み制御弁を開閉駆動することにより自動湯張り運転を行うものであるから、自動湯張り運転中に給湯器の湯を台所等で使用していた場合、落とし込み制御弁が閉じられて自動湯張りが終了したときにおいても、台所等で使用していた湯が遮断されることなく引き続き使用できるという便利性が得られる。
【0046】
また、自動湯張り運転の停止後、リモコン等により自動湯張りの制御装置のシーケンスプログラムをリセットするようなとき、従来例のようにわざわざ出湯栓が閉められていることを確認するために浴室へ出向く必要がなく、リモコンを操作して直ちに前記リセット動作を行うことができ、使い勝手上、非常に優れたものとなる。また、送湯管の先端側に従来例の水量カウンター付止水弁を備えた水栓ユニットを接続したような場合には、次の湯張りの開始時にいちいち浴室に出向いて水量カウンターをセットし直さなければならないという不便があるが、本発明の湯張り栓ユニットではこのような不便がなく、単にリモコンの湯張り開始スイッチを操作するだけで自動湯張りが可能となる。
【0047】
また、本発明の湯張り栓ユニットを用いて自動湯張りシステムを設置施工する場合に、従来の図8に示すような専用の湯張り管を別途設ける必要がなく、また、既存の湯張り機能のない給湯単能器具を本発明の湯張り機能の装置に買い替える場合においても、既存の給湯器から浴槽に配管されている管路をそのまま送湯管として使用し、その管路に本発明の湯張り栓ユニットを接続するだけで済むので、集合住宅等の配管増設が非常に困難な家庭においても自動湯張りシステムの構築が容易にでき、その設置施工の工事も非常に安上がりであるという優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湯張り栓ユニットの第1の実施例を自動湯張りシステムと共に示す構成図である。
【図2】本実施例の給湯器の制御部分の要部構成を示す各種ブロック図である。
【図3】本実施例装置に使用されるリモコンのパネル面の一構成例を示す説明図である。
【図4】本発明の湯張り栓ユニットの第2の実施例を自動湯張りシステムと共に示す構成図である。
【図5】本発明の他の実施例の湯張り栓ユニットを自動湯張りシステムと共に示す構成図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例のシステム構成図である。
【図7】従来の自動湯張りシステム装置の説明図である。
【図8】従来の他の自動湯張りシステム装置の説明図である。
【図9】従来の水栓ユニットの各種説明図である。
【符号の説明】
1 給湯器
3 送湯管
5 出湯栓
8 リモコン
15 制御装置
17 バイパス通路
18 落とし込み電磁弁
40 落とし込み通路
52 湯張り栓ユニット
Claims (2)
- 給湯器の湯を導いて浴槽内に滴下して落とし込む送湯管に接続される湯張り栓ユニットであって、該湯張り栓ユニットは、前記送湯管に接続される接続部と、この接続部を基端側として伸張形成される出湯通路と、この出湯通路に介設される水栓と、該水栓の上流側と下流側を連通するバイパス通路と、このバイパス通路に介設され給湯器側の湯張り制御部の信号によって開閉制御される落とし込み制御弁とが集合一体化されており、前記バイパス通路から前記水栓の下流側の出湯通路を経た湯は浴槽の上側から浴槽内に滴下されるものであることを特徴とする湯張り栓ユニット。
- 給湯器の湯を導いて浴槽内に滴下して落とし込む送湯管に接続される湯張り栓ユニットであって、該湯張り栓ユニットは、前記送湯管に接続される接続部と、この接続部を基端側として前記送湯管に対し分岐してそれぞれ伸張形成される出湯通路および落とし込み通路と、前記落とし込み通路に介設され給湯器側の湯張り制御部の信号によって開閉制御される落とし込み制御弁とが集合一体化されており、前記落とし込み通路を経た湯は浴槽の上側から浴槽内に滴下されるものであることを特徴とする湯張り栓ユニット。
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JP (1) | JP3579490B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR19990046737A (ko) * | 1999-04-20 | 1999-07-05 | 홍덕표 | 온.냉수자동급수방법및배관설비방법 |
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1995
- 1995-03-14 JP JP8195595A patent/JP3579490B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08247308A (ja) | 1996-09-27 |
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