JP3577984B2 - 衝突検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定レベル以上の減速度を検出することによって、移動体の衝突を検出するようにした衝突検知装置に関し、例えば、車両の乗員を保護するためのエアバッグ装置や、シートベルトプリテンショナの起動タイミングを決定する装置などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、衝突検知装置においては、例えば、図14に示される断面構成を有した装置が知られている。
衝突検知装置900は、所定の質量を有する重量体1と、重量体1を回動可能に支持する回転軸2と、重量体1上に固定された、第1カム31と第2カム32とを有するロータ3と、重量体1を衝突時の変位方向に対して反対方向に付勢する接点バネ4、接点バネ5と、重量体1の初期位置を規定し重量体1と当接する抑止部材6と、接点バネ4、5の接触導通状態を出力する出力端子7、8と、固定端子9と、ストッパ10と、ハウジング11と、これらを収納するカバー12とを有している。この衝突検知装置900は、車両の衝突時に、重量体1がストッパ10に衝突するまで回動し、一対の接点部材を構成する接点バネ4と接点バネ5が接触することで、車両に装備されたエアバッグを作動させる信号を出力する構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記衝突検知装置900では、重量体1が減速度により変位し、再び初期位置に戻ったとき抑止部材6と当接して跳ね返るので、ハンマリング等のように高周波成分の多い連続的な波形の力が印加されると、接点バネ4、5間が誤ってオン状態になるという問題がある。
即ち、最初は、上記のハンマリング等の外力により、接点バネ4、5間がオン状態になる位置まで重量体1が変位しなくとも、継続的に連続波形の力が作用すると、重量体1の抑止部材6から離間するときの初速度が次第に増加していくので、ついには接点バネ4、5間がオン状態になる位置まで変位する。
【0004】
図15に、上記衝突検知装置900に高周波の連続波形の力が作用したときの、重量体1の変位と接点バネ4、5間の状態変化とを模式的に示すが、重量体1の抑止部材6との当接時の跳ね返りにより、抑止部材6から離間するときの重量体1の速度(図中の曲線の傾き)が徐々に大きくなる。そして、重量体1の変位のピーク点が徐々に大きくなり、ついには時刻t1 からt2 にかけてオン出力される変位量θthに達してしまう。このように、作用する減速度波形がオン出力されるレベルを有せずとも、その力が連続的に繰り返し作用すると、最終的に重量体1に働く力のモーメントが大きくなり、誤ってオン出力される。
又、接点バネ4、5のバネ定数や重量体1の質量を調整することによって、高周波域においてオン出力が得られる減速度の下限値を高くして、感度を鈍くし、ハンマリング等に対するオン出力を防止しようとすると、低周波域においてオン出力が得られる減速度の下限値が高くなり、低周波域における感度が鈍化する。これにより、低周波波形の減速度の作用によりオン出力が必要なときにオン出力できなかったり、応答が遅延するという問題が派生する。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記課題に鑑み、低周波波形の加速度に対する感度を維持しつつ、高周波の連続波形の外力に対してオン状態となることを防止した衝突検知装置を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段は、ハンマリング等により高周期で繰り返し重量体に加えられる力(力のモーメント)を小さく抑制することにより、抑止部材から重量体に与えられる運動エネルギーを小さく抑制する手段と、一旦、重量体に与えられた運動エネルギーを電気エネルギーや熱エネルギーに変換することにより、重量体から再び運動エネルギーを奪い取る手段と、重量体の運動エネルギーを別の構造物を動かすことで消費する手段に大別される。これらの手段には、より具体的には、以下のものがある。
【0007】
まず、第1の手段は、偏心位置で回動可能に支持されることで受ける加速度により付勢力に抗して回動する重量体の運動に連動して一対の接点部材の接点の状態を変化させることにより、所定値以上の加速度を検知するようにした衝突検知装置において、重量体の初期位置を規定し重量体と当接する抑止部材を備え、重量体と抑止部材との接触面と重量体の回転軸からの距離を重量体の重心と回転軸からの距離よりも短くすることである。
重量体の回転軸の回りの円滑な回動を可能とするために、回転軸近傍における重量体に設けられた穴と、回転軸の支持シャフトとの間には、通常0.01〜0.1mm 程度の隙間(クリアランス)が設けられており、このクリアランスにより、重量体の円滑な回動による衝突検知動作が得られている。
従って、上記の第1の手段によれば、重量体の重心が抑止部材による支点より回転軸に対して外側に位置するため、重量体が抑止部材に当接した後もこのクリアランスが有効に作用して、クリアランスの分だけ残留回転が可能となる。よって、ハンマリングの周期と重量体の運動周期とが、図2、図3(第1実施例参照)にも示したように同期しにくくなり、その結果、重量体に加えられるa方向の力のモーメントが小さくなる。
更に、接触面の位置が回転軸に近くなり、また、接触面の法線方向が、重量体に最大トルクを与える方向からずれるので、重量体に加えられるa方向の力のモーメントが、この作用によっても小さく抑制されるため、低周波波形の加速度に対する感度を維持しつつ、高周波の連続波形の外力に対してオン状態となることを防止した衝突検知装置を実現することができる。
【0008】
また、第2の手段は、偏心位置で回動可能に支持されることで受ける加速度により付勢力に抗して回動する重量体の運動に連動して一対の接点部材の接点の状態を変化させることにより、所定値以上の加速度を検知するようにした衝突検知装置において、重量体の初期位置を規定し重量体と当接する抑止部材を備え、重量体と抑止部材との接触面と重量体に最大回転トルクを付与する力の方向との角度を0°〜50°にすることである。
この手段によれば、接触面から重量体に及ぼされる抗力の向きが、重量体に最大回転トルクを付与する力の向きからずれるので、重量体に加えられる力のモーメントが小さく抑制されるため、低周波波形の加速度に対する感度を維持しつつ、高周波の連続波形の外力に対してオン状態となることを防止した衝突検知装置を実現することができる。
尚、実験の結果より、上記の角度を50°以上にすると、あまり大きな作用・効果が得られないことが分かっている(図7:後述の第3実施例参照)。特に、衝突検知装置を支持固定する車両の一部分である支持系の持つ共鳴振動数(固有値≒400Hz)近傍において、衝突検知の感度を従来の1.5倍程度にまで鈍くしておくためには、図7からも分かるように、必ず上記の角度を50°以下にする必要がある。
従って、重量体と抑止部材との接触面と重量体に最大回転トルクを付与する力の方向との角度は、0°〜50°が良い。
【0009】
また、第3の手段は、上記の第2の手段において、上記の角度を6°〜35°にすることである。この角度が、35°よりも大きくなると、図7からも分かる様に、一般の衝突による衝撃波の周波数領域(100Hz以下の領域)を超える周波数領域において、必ずしも衝突検知の感度を2倍以上鈍くできるとは言えなくなる。また、この角度が、6°よりも小さくなると、重量体が抑止部材にくい込み易くなったり、重量体と抑止部材との接触面において、必要以上の摩擦が生じたりして、100Hz以下の低周波領域における衝突検知の感度が鈍くなる。 従って、上記の第2の手段において、上記の角度を6°〜35°にすると、更により望ましい作用・効果を得ることができる。
【0010】
また、第4の手段は、上記の第1の手段乃至第3の手段において、抑止部材と重量体との接触面上の任意の1点における接平面の法線方向を上記の加速度の方向と一致しないようにすることである。
この手段によっても、接触面から重量体に及ぼされる抗力の向きが、重量体に最大回転トルクを付与する力の向きからずれるので、第2の手段と同様の作用・効果を得ることができる。
【0011】
また、第5の手段は、上記の第1の手段乃至第4の手段において、重量体の回転軸の軸受けにクリアランスを設けることである。
この手段によれば、ハンマリングの周期と重量体の運動周期とが、更により一層同期しにくくなったり(図2)、抑止部材と重量体との間に摩擦が生じ易くなったりする(図8)ため、重量体に加えられる力のモーメントを小さく抑制したり、重量体に与えられた運動エネルギーを摩擦熱エネルギーに変換したりする上記第1の手段による効果を更により一層高めることが可能になる。
【0012】
また、第6の手段は、上記の第1の手段乃至第5の手段において、重量体と抑止部材の間の接触面または接触平面における摩擦係数を、重量体または抑止部材の接触面または接触平面上に摩擦部を形成することにより、当該摩擦部が形成されない場合よりも大きくすることである。
この手段によれば、重量体が抑止部材に当接した際に、重量体の持つ回転運動エネルギーの一部または全部を摩擦熱エネルギーに変換することが可能となるため、重量体の不要な回転運動を小さく抑えることが可能となる。
【0013】
また、第7の手段は、上記の第1の手段乃至第6の手段において、重量体と抑止部材の間の接触面または接触平面における反発係数を、重量体または抑止部材の接触面または接触平面上に緩衝部を形成することにより、当該緩衝部が形成されない場合よりも小さくすることである。
この手段によれば、重量体が抑止部材に当接した際に、重量体の持つ回転運動エネルギーの一部または全部を非弾性衝突の熱エネルギーに変換することが可能となるため、重量体の不要な回転運動を小さく抑えることが可能となる。
更に、力(振動)の伝達の緩和作用をこの緩衝部は持つので、ハンマリング等により高周期で繰り返し重量体に加えられる力(力のモーメント)が小さく抑制されるため、抑止部材から重量体に与えられる運動エネルギーを小さく抑制することも可能となる。
【0014】
また、第8の手段は、上記の第7の手段において、上記の反発係数を略ゼロとすることである。
この手段によれば、上記の第7の手段による作用・効果をより確実に引き出すことが可能となる。
【0015】
また、第9の手段は、上記の第6の手段乃至第8の手段において、摩擦部または緩衝部を繊維材が密に形成された集合体またはシリコン系ゲルから形成することである。
この手段によれば、上記の第6の手段乃至第8の手段をより具体的に実施することが可能となる。
【0016】
また、第10の手段は、重量体の全体又は磁束の貫く一部を導電性材料で形成し、重量体の初期位置を規定し前記重量体と当接する抑止部材と、重量体の回転面の両脇でかつ抑止部材に近い位置に配設され重量体に磁束を貫通させる磁性体を備え、重量体が磁性体の間を通過するとき、重量体に渦電流を発生させ重量体の回転方向とは逆向きの減衰力(抵抗力)を発生させるようにしたことである。この手段によれば、重量体の運動エネルギーは渦電流による抵抗損失で消費される。これにより重量体の不要な回転運動を小さく抑えることができ、ハンマリング等による誤動作を防止することができる。
重量体に作用する減衰力は重量体の回転速度に比例している。即ち、ハンマリング等の高周波の連続波形の力が重量体に作用し重量体の回転速度が大きくなった場合には、大きな減衰力が作用して接点がオンするのが防止される。一方、通常の衝突による低周波衝撃では重量体の動き出し速度が小さいため、重量体には小さな減衰力しか作用しない。これにより衝突検知における応答の遅延が抑制される。
【0017】
また、第11の手段は、重量体の初期位置を規定し重量体と当接する抑止部材と、重量体が前記抑止部材に当接する前に重量体が当接する位置に配設された回転体とを備え、重量体が抑止部材に当接する前に回転体を回転させて運動エネルギーを消費させることを特徴とする。
この手段によれば、重量体の運動エネルギーは回転体の運動エネルギーに変換されて、その運動エネルギーが究極的には熱エネルギーに変換されて消費される。これにより重量体の抑止部材に対する反発を小さく抑えることができ、ハンマリング等による誤動作を防止することができる。
【0018】
更に、第12の手段は、重量体の初期位置を規定し重量体と当接する抑止部材を空気溜り又は液体溜りによるダンパで構成したことを特徴とする。
この手段によれば、重量体の戻りに対して空気弾性による抵抗、液体弾性による抵抗として作用し、重量体の運動エネルギーはそれらの空気又は液体の分子振動による熱エネルギーとして消費される。これにより、重量体の抑止部材での反発を小さく抑えることができ、ハンマリング等による誤動作を防止することができる。
以上の手段により、上記の課題を解決することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1に示す断面図は、重量重心に対して偏心した位置に回転軸2により回動自在に軸支された重量体1を備えた本発明第1実施例の衝突検知装置300の構成を示している。重量体1上には第1カム31と第2カム32とを有するロータ3が固定されており、このロータ3は重量体1と回転軸2を同じくしている。ベース13には板状の1対の接点バネ4、5が立設され、各々の先端部42、52が第2カム32、第1カム31のカム面に当接し、ロータ3をB方向に付勢している。このロータ3への付勢により、重量体1は、B方向に付勢され、抑止部材6と接触面61にて当接している。
この衝突検知装置300では、接点バネ5は、接点バネ4の接点41に対向して凸状の接点51を有しており、減速度が作用すると、重量体1が接点バネ4、5の付勢力に抗してa方向に回動し、この時、重量体1の回動量が所定量θthに達すると接点41、51間が接触して電気的に導通状態となり、衝突が検知される。
【0020】
この衝突検知装置300では、接触平面61の回転軸2からの距離は非常に短い。また、接触平面61の法線方向は、重量体1に回転軸2に関する最大の回転トルクを与える力の向き(図1中のDの向き)と大きく(約45°)ずれている。よって、重量体1が接触平面61に当接する時に、接触平面61が重量体1に対して与える抗力の向きは、重量体1に回転軸2に関する最大回転トルクを与える力の向きから大きくずれている。このため、ハンマリング等による高周波連続波形の力が作用した場合には、接触平面61より重量体1に対して与えられる回転軸2に関する力のモーメントが小さく抑えられる。
【0021】
重量体1の回転軸2の回りの円滑な回動を可能とするために、回転軸2に位置する重量体1に設けられた穴と、回転軸2の支持シャフトとの間には、通常0.01〜0.1mm 程度の隙間(クリアランス)が設けられている。このクリアランスにより、重量体1の円滑な回動による衝突検知動作が得られている。
【0022】
図2に、衝突検知装置300(図1)において具体的に実現される前記第1の手段の作用・効果を模式的に表す説明図を示す。また、図3に、この第1の手段による作用を説明する、因果関係の説明図を示す。
まず、図2(a)、図3に示すように、従来技術においては、ハンマリングにより、重量体1が回動し、抑止部材6に当接する際、重心Gの運動は、回転軸2と抑止部材6の両側(重心の上下)の支持によって規制されるので、重量体1は、抑止部材6に当接すると、回転軸2のクリアランスが有効に作用せず直ちに反発し易かった。従って、重量体1の回転運動は、連続的ハンマリングによる加速度と同調し易く、ハンマリングが繰り返されればやがては誤動作する結果となっていた。
【0023】
一方、図2(b)、図3に示すように、本発明の第1の手段によれば、ハンマリングにより、重量体1が回動し、抑止部材6に当接する際には、重心Gの運動は、回転軸2と抑止部材6の片側(重心よりも回転軸側)のみの支持によって規制されるため、b方向に重心Gの回転力が残留することになる。このb方向の回転力は、軸受け部のクリアランスにより生じるものであるが、この残留回転力が、連続的ハンマリングによって生じる加速度を打ち消す方向に働くため、ハンマリングの周期と重量体1の回転運動の周期とは、同期しにくくなる。従って、衝突を検知する電気的接点は、不当に接触することが無くなる、若しくは、不当に接触しにくくなる。
【0024】
例えば、上記の衝突検知装置300(図1)では、接触平面61の回転軸2からの距離は、重心の回転軸2からの距離より短い。従って、重量体1が接触平面61に当接した後も、重量体1は、重心との位置関係から回転軸2の軸受け部クリアランスの分だけ更に図中b方向へ回動しようとする。この時高周波連続波形の力が作用しても、前記b方向への回動する力と相殺され、a方向へ回動する力が小さくなる。このため、ハンマリング等による高周波連続波形の力が作用した場合には、接触平面61を通して重量体1に対して与えられる回転軸2に関する力のモーメントを小さく抑えることができる。これらの作用により、重量体1が抑止部材6に当接したときのはねかえりによる振幅の増幅が防止され、ハンマリング等による高周波連続波形の力によるオン出力を防止できる。
【0025】
(第2実施例)
図4に示す断面図は、重量重心に対して偏心した位置に回転軸2により回動自在に軸支された重量体1を備えた本発明第2実施例の衝突検知装置400の構成を示している。重量体1上には第1カム31と第2カム32とを有するロータ3が固定されており、このロータ3は重量体1と回転軸2を同じくしている。ベース13には板状の1対の接点バネ4、5が立設され、各々の先端部42、52が第2カム32、第1カム31のカム面に当接し、ロータ3をB方向に付勢している。このロータ3への付勢により、重量体1は、B方向に付勢され、シリコン系ゲルより成る緩衝部材60を介してハウジング11の一部分より成る抑止部材6と接触平面61にて当接している。
【0026】
シリコン系ゲルより成る緩衝部材60は、ハウジング11の一部分より成る抑止部材6の上方に回転軸2の近くにまで突出した先端部分に固定されており、ハウジング11がカバー12に圧入により固定されることにより、緩衝部材60は、カバー12とも密接している。
この衝突検知装置400では、接点バネ5は、接点バネ4の接点41に対向して凸状の接点51を有しており、減速度が作用すると、重量体1が接点バネ4、5の付勢力に抗してa方向に回動し、この時、重量体1の回動量が所定量θthに達すると接点41、51間が接触して電気的に導通状態となり、衝突が検知される。
【0027】
この衝突検知装置400では、接触平面61の回転軸2からの距離は重心Gと回転軸2との距離より短い。従って、重量体1が接触平面61に当接した後も、重量体1は、重心との位置関係から回転軸2の軸受け部クリアランスの分だけ更に図中b方向へ回動しようとする。この時高周波連続波形の力が作用しても、前記b方向への回動する力と相殺され、a方向へ回動する力が小さくなる。このため、ハンマリング等による高周波連続波形の力が作用した場合には、接触平面61を通して重量体1に対して与えられる回転軸2に関する力のモーメントを小さく抑えることができる。また、緩衝部材60は接触平面61を通して重量体1に伝わるハンマリングによる力を小さく抑える働きもしている。これらの作用により、重量体1が緩衝部材60に当接したときの跳ね返りによる振幅の増幅が防止され、ハンマリング等による高周波連続波形の力によるオン出力を防止できる。
【0028】
(第3実施例)
図5は、本発明の第3実施例に係わる衝突検知装置100の、所定レベル以上の加速度が作用していない時の接点41と接点51との間がオフ状態下における構成の側面断面図を模式的に示している。本実施例では図5に示されるA方向を衝突検知方向とし、このとき重量体1は回転軸2を回動中心として図中a方向に回動する構成としている。
衝突検知装置100は、樹脂製のケーシングを構成するカバー12、平板状のベース13、及びハウジング11を有している。ベース13はハウジング11に、ハウジング11はカバー12にそれぞれ圧入により固定されている。
回転軸2には、回動中心と重量重心とが偏心した重量体1が回転軸2の回りに回動可能に支持されている。
【0029】
重量体1は、金属板より機械加工により成形され、この重量体1上には第1カム31、第2カム32を有するロータ(回転体)3が重量体1と回転軸2を共有するように樹脂モールドにより形成されており、これによってロータ3は重量体1と同期して回転軸2の回りに回動される。第1カム31及び第2カム32は、重量体1の回動に伴って後述する接点バネ4、5の接点41、51の間隔が狭まるようにそれぞれの端部42、52を変位させる形状に形成されている。
【0030】
ベース13には、板状の接点バネ4、5が立設されており、接点バネ4、5はそれぞれ接点41、51を有している。接点41は平面状に形成されているが、接点51は接点41側に凸状に形成されている。接点バネ4、5の端部42、52は、それぞれロータ3の第1カム31、第2カム32のカム面と接触し、ロータ3に対して加速度の作用によって回動する方向とは逆方向、即ちB方向に弾性付勢している。
このロータ3に対する接点バネ4、5の弾性付勢によって重量体1が間接的に弾性付勢され、ハウジング11の一部分より成る抑止部材6の接触平面61と当接し、重量体1のb方向への回動が規制されている。
【0031】
接点バネ4、5は、それぞれ外部に突出して設けられた出力端子7、8と接触してベース13に樹脂インサート成形により固定されている。出力端子7、8は、それぞれベース13の下面から外部に突出して設けられ、それら出力端子7、8を介して接点41と接点51との閉成状態を衝突検知信号として取り出すことができる。
【0032】
又、ベース13には樹脂インサート成形により固定端子9が設けられ、この固定端子9を用いて衝突検知装置100が図略の回路基板などに固定される。
重量体1の回動経路上には、ストッパ10がカバー12の内側に圧入により設けられており、重量体1はa方向への回動時にストッパ10と当接することで所定量以上の回動が規制される。
【0033】
次に、衝突検知装置100の作用について以下に説明する。
車両が衝突すると、衝突検知装置100に減速度が作用し、重量体1が接点バネ4の付勢力に抗してa側に回動する。この重量体1の運動は、その質量、回転軸2に関する慣性モーメントおよび偏心マスモーメント、重力、減速度、接点バネ4、5のバネ定数等によって決定される。
所定レベル以上の減速度が衝突検知装置100に作用し、重量体1の回動角が所定量θthに達すると、第1カム31を有するロータ3の回動により接点41と接点51とが接触し、電気的に導通状態になる。この接点41と接点51との接触状態は、出力端子12、13から通電される電流の変化により衝突検知信号として検出される。その結果、他の加速度センサのオン出力との間で論理和が成立するとき、図示しないバッテリより衝突検知装置100を介して図示しないエアバッグ装置の点火装置へ通電され、エアバッグ装置が起動される。
【0034】
また、通常時、即ち、衝突検知装置100に対してA方向に所定レベル以上の減速度が作用しない状態下では、図5に示されるように接点バネ4、5によりロータ3が図中B方向に弾性付勢されており、ロータ3と一体化された重量体1はb方向に付勢され、ハウジング11の一部分より成る抑止部材6の接触平面61と当接している。重量体1は、抑止部材6の接触平面61からのa方向への抗力と、間接的にb方向に作用する接点バネ4、5からの弾性力とによりa、bいずれの方向に対しても回動が規制されている。よって、所定レベル以上の加速度がA方向に作用しない場合には、重量体1が回動しないので重量体1と一体的に構成されたロータ3が回動せず、接点41、51間がオフ状態に保持される。
【0035】
又、ハンマリング等により高周波波形の力が連続して作用すると、接触平面61と、重量体1に最大回転トルクを与える方向とは約35°ずれているので、重量体1の抑止部材6との当接時の抑止部材6が重量体1に対して与える抗力の向きは、上記重量体1に最大回転トルクを与える方向とは約55°ずれている。このため、重量体1に対して与える回転軸2に関する力のモーメントは、小さく抑えられ、よって接点41、51間のオン状態が防止される。この状態を模式的に図6に示す。重量体1の変位が増加から減少に転じてゼロになった時、即ち重量体1が抑止部材6と当接した時に、重量体1が抑止部材6から受ける抗力については、その方向が上記のようにずれるため、重量体1の回動方向に回転トルクを与える方向の力の成分は小さくなる。よって、この当接直後の重量体1の初速度が小さく抑えられる。したがって、振幅の繰り返し増幅が抑制され、繰り返し波形の外力を受けても、接点がオンになる変位に達することがない。この作用により、誤ってオン出力されることが防止される。
抑止部材6より重量体1に最大の回転トルクを与える方向の上記の力の成分は、接触平面61の方線ベクトルが、回転軸2を指す時最小となる。
【0036】
又、衝突検知装置100(図5)は、接点バネ4のバネ定数などの前記の重量体1の運動決定要因を殆ど変更せずに、抑止部材6の重量体1との接触平面61の法線方向を変えることによって高周波連続波形の力に対する感度を調整したので、低周波域に対する感度を以前の従来品(衝突検知装置900:角度74°)と殆ど同じに維持できる。実験により確認された本衝突検知装置100の作動域を図7に示す。約70Hz以下の低周波域に対する作動下限値が従来と同様に低く、即ち感度が敏感であるので、車両衝突を良好に検出することが可能である。又、約100Hz を越えた高周波域に対しては、従来品(衝突検知装置900:角度74°)に比べて作動下限値が大幅に高くでき、即ち感度を鈍感にできるので、ハンマリング等の衝突以外の事象に対してオン出力されることを防止できる。
尚、これらの実験の結果より、上記の角度を50°以上にすると、あまり大きな作用・効果が得られないことが分かった。即ち、重量体と抑止部材との接触面と重量体に最大回転トルクを付与する力の方向との角度は、0°〜50°が良い。
【0037】
(第4実施例)
本発明の第4実施例の衝突検知装置200の作用を示した模式図を図8に示す。本衝突検知装置200は、以下の2点について衝突検知装置100(図5)に対して若干の改良を加えたものであり、以下図8を用いて、この2点の改良点からもたらされる更なる作用及び更なる効果について説明する。
(改良点1)衝突検知装置200では、衝突検知装置100の重量体1の回転軸2の軸受部21にクリアランス22を設けた。
(改良点2)衝突検知装置200では、衝突検知装置100の抑止部材6の面上にナイロンなどの剛性の低い高分子有機材料から成る繊維材を密に集合形成させた集合体より成る摩擦部材兼緩衝部材62を配置した。摩擦部材兼緩衝部材62の表面部が接触平面61を構成する。
【0038】
ハンマリング等により高周波波形の力が連続して作用すると、図8の衝突検知装置200の重量体1は、次のように作動する。抑止部材6上に配置された繊維が密に形成された集合体より成る摩擦部材兼緩衝部材62に重量体1が当接するとき、軸受部21にクリアランス22が有るため、重量体1は摩擦部材兼緩衝部材62と非弾性衝突すると同時に、摩擦部材兼緩衝部材62の上方にクリアランス22の分だけ平行移動により接触平面61に沿って乗り上げる(図8中の平行移動)。この時、重量体1と摩擦部材兼緩衝部材62との間の接触平面61上において摩擦が生じる。これらの運動により、重量体1の回転軸2の回りの回転運動エネルギーの一部または全部は、非弾性衝突の熱エネルギー、摩擦熱エネルギーおよび重量体1の重力場における位置エネルギーに変換される。
【0039】
また、重量体1の重力場における位置エネルギーは、重量体1が摩擦部材兼緩衝部材62との当接直前の位置にまで戻ることにより解放される途中において摩擦部材兼緩衝部材62との摩擦などにより、その大部分が元の回転運動エネルギーには戻らず、熱エネルギーになり消費される。また、摩擦部材兼緩衝部材62は接触平面61を通して重量体1に伝わるハンマリングによる力を、この力が重量体1に伝わる前に、小さく抑える働きもしている。これらの作用により、重量体1に対して与える回転軸2に関する力のモーメントを第3実施例の衝突検知装置100の場合よりも更に小さく抑えることができ、ハンマリングによるオン出力をより確実に防止できるようになる。
【0040】
又、摩擦部材兼緩衝部材62は繊維が密に形成された集合体より成り、その摩擦係数は、繊維の植毛方向を接触平面61に対する垂直方向から大きく傾けることにより摩擦の方向に依って大きく異なるようになっている。即ち、摩擦部材兼緩衝部材62の摩擦係数は、重量体1が、接触平面61に当接してせり上がる時には大きく、重量体1が、接触平面61から滑りながら離れようとする時には、小さく成るようにしてある。また、上記の摩擦部材兼緩衝部材62の繊維については、静止摩擦係数も小さなものを使用している。したがって、衝突検知装置200の低周波域に対する感度は、以前と殆ど同じに維持できる。
【0041】
(第5実施例)
図9は、第5実施例における衝突検知装置500の断面図である。本衝突検知装置200は、基本的に第3実施例における衝突検知装置100と同じ作動原理により動作するものであり、同等の動作または作用をする部分には、図5と同じ符号が付してある。即ち、本衝突検知装置500においては、横長の重量体1が採用されており、ロータ3のカム31が、重量体1のa方向の回動に伴って可動部材4を押下することにより、可動部材4の先端付近に位置する接点41が、固定部材50の傾斜した接触面51に接触して、装置が作動する。
図9に示すように、本衝突検知装置500においては、重量体1と抑止部材6との接触面と重量体1に最大回転トルクを付与する力の方向との間の角度は約27°となっている。従って、これらの構成により、本衝突検知装置500は、前記衝突検知装置100(図5)と同様の作用・効果を得ることができる。
【0042】
(第6実施例)
図10は、第6実施例における衝突検知装置600の構造を示したものである。(a)は内部構造を示した正面図、(b)は内部構造を示した右側面図、(c9)は、要部の構造を示した斜視図である。また、図11は重量体1に作用する減衰力(抵抗力)の発生原理を説明する図である。重量重心に対して偏心した位置に回転軸2により回動自在に軸支された重量体1の構造、重量体1上に設けられた第1カム31と第2カム32とを有するロータ3の構造、接点バネ4,5の構造、ストッパ10やハウジング11の構造等、及び、衝突検知時の重量体1の動作は、第1〜第3実施例と同一である。
【0043】
本実施例では、重量体1は導電体で構成されており、重量体1の初期位置を規定する抑止部材6の接触面61は重量体1の回転方向に対して垂直である。上方から見てコの字形状で(c)に示すように磁化された磁性体14が抑止部材6の近くに設けられている。この磁性体14の磁極N,Sは、図11に示すように、重量体1の側面の両側に配置されており、重量体1の側面を垂直に磁束Φが貫通している。重量体1がこの磁束Φを横切ると、重量体1を貫通する磁束の時間変動に起因してその磁束の回りに渦電流が発生する。この渦電流と磁束Φとで形成されるローレンツ力が重量体1に作用する。この力は、重量体1を貫く磁束Φの時間変動を抑制するように作用し、渦電流の大きさは重量体1の磁束Φを横切る速度に比例する。よって、重量体1が抑止部材6の方向に戻る場合には、この向きと逆向きに重量体1の移動速度に比例した減衰力(抵抗力)Kが重量体1に作用する。この結果、重量体1の抑止部材6への戻り速度が減少する。
【0044】
また、抑止部材6で反発して逆方向に回転する場合にも、この反発回転の方向とは逆向きにその速度に比例した減衰力が作用することになる。この結果、重量体1は抑止部材6の付近で両方向の移動速度が減少され、粘性抵抗を受けたのと等価となる。これにより、ハンマリング等の高周波連続波形の力が重量体1に作用して、重量体1の回転速度が大きくなる場合に、磁束による粘性抵抗が効果的に作用し、接点がオンとなることが防止される。一方、通常の衝突時における低周波衝撃では、重量体1の初期速度が小さいため、重量体1の移動方向と逆向きに作用する磁束による減衰力は小さいため、接点オンの応答速度を低下させることがない。
【0045】
尚、重量体1に作用する減衰力は重量体1を貫く磁束Φの大きさ、従って、磁性体14の磁極N,Sと重量体1との間の間隙の幅d(図11)に反比例する。磁極N,Sをコの字形状に予め構成することで、この間隙の寸法精度を高くすることができ、この結果として重量体1に作用する減衰力(抵抗力)の精度を向上させることができる。
【0046】
(第7実施例)
図12は、第7実施例における衝突検知装置700の構造を示したものである。重量重心に対して偏心した位置に回転軸2により回動自在に軸支された重量体1の構造、重量体1上に設けられた第1カム31と第2カム32とを有するロータ3の構造、接点バネ4,5の構造、ストッパ10やハウジング11の構造等、及び、衝突検知時の重量体1の動作は、第1〜第3実施例と同一である。
【0047】
本実施例では、抑止部材6の前面位置に回転軸15の回りに一方向(C方向)にのみ回転可能な回転体17が配置されている。回転体17の表面にはナイロン等の剛性の低い高分子有機材料から成る繊維材16が一回転方向(反C方向)に向いて植毛されている。そして、抑止部材6の表面は鋸歯状に加工されており、回転体17が反C方向に回転する時、この鋸歯62と繊維材16とが係合するためその回転が困難となるように構成されている。
【0048】
重量体1がa方向に回転するとき、重量体1は繊維材16を寝させるように作用し、回転体17は反C方向には回転し難いため、重量体1は寝ている繊維材16の表面を滑るように移動する。このため、重量体1と繊維材16との間の摩擦力は小さく、重量体1はa方向には容易に回転する。一方、重量体1がb方向に回転するとき、重量体1は繊維材16を立たせるように作用するため重量体1と繊維材16との間の摩擦力は大きい。その結果、重量体1は回転体17をC方向に回転させ、重量体1の運動エネルギーは回転体17の回転エネルギーに変換されて究極的には繊維材16と鋸歯62との摩擦、回転体17の軸受けでの摩擦、又は、回転体の空気摩擦等による熱エネルギーに変換されて消費される。よって、重量体1の運動エネルギーは重量体1が抑止部材6にの接触面61に当接する前にその一部分が消費されるため、抑止部材6からの跳ね返りを小さく抑制することができる。
【0049】
このように、重量体1は衝突を検出する時の回転方向であるa方向への回転に対しては抵抗は小さく、抑止部材6への戻り方向への回転に対しては抵抗が大きい。従って、衝突検出時の応答速度を低下させることなく、ハンマリング等の高周波連続波形の力が重量体1に作用してた場合に、接点がオンするという誤検出が防止される。
【0050】
(第8実施例)
図13は、第8実施例における衝突検知装置800の構造を示したものである。重量重心に対して偏心した位置に回転軸2により回動自在に軸支された重量体1の構造、重量体1上に設けられた第1カム31と第2カム32とを有するロータ3の構造、接点バネ4,5の構造、ストッパ10やハウジング11の構造等、及び、衝突検知時の重量体1の動作は、第1〜第3実施例と同一である。
【0051】
本実施例では、抑止部材6にピストン18によるエアダンパ効果を持たせたものである。即ち、重量体1が当接する接触面181を有し、他端にゴム製の平板20を有したピストン18がシリンダ19の中に配設されている。そして、平板20とシリンダ19の蓋21との間に空気溜り22が形成されている。重量体1がb方向に回転して、ピストン18の接触面181に当接する時、この空気溜り22による空気弾性により、重量体1のピストン18への衝突衝撃が緩和される。その結果として、重量体1の跳ね返りが力が低減されるので、ハンマリング等の高周波連続波形の力が重量体1に作用してた場合に、接点がオンする誤検出が防止される。また、重量体1は衝突を検出する時の回転方向であるa方向への回転に対しては抵抗は一切ないため、衝突検出時の応答速度を低下させることはない。
【0052】
尚、シリンダ19はハウジング11と一体的に形成されており、ピストン18をシリンダ19に挿入した後に、蓋21を配設して栓23により封止して空気溜り22を形成している。従って、栓23で封止する前にピストン18の位置を調整することで、重量体1の初期位置を調整することが可能である。空気溜り23を液体溜りにしても同等の効果を得ることが可能である。
【0053】
上記の第1〜第5実施例では、接触面61は平面により構成したが、接触面61は、曲面でもよく、この接触面上の任意の1点における接平面の方向が、最大回転トルクを与える方向から0°〜50°ずれていれば、いずれの方向であっても上記実施例と同様の効果を得ることができる。即ち、抑止部材6からの抗力が、重量体1との当接時に、重量体1の回動方向に最大の回転トルクを与える方向に対し90°〜40°ずれるようにすることにより、重量体1に作用する回転軸2に関する力のモーメントを小さくすることができる。
また、第6〜第8実施例においても、抑止部材において接触面を傾斜する構成をとっても良い。
【0054】
また、上記実施例では、抑止部材としての反発係数が略ゼロの材料としてシリコン系ゲルや繊維材が密に形成された集合体を用いたが、ビニルアルキルエーテルゴムなどを用いることにより、剛性の低い他の構造を構成してもよい。これらの構成により、上記実施例と同等の効果を得ることができる。
尚、緩衝部材の反発係数は必ずしも略ゼロでなくとも、できるだけ小さい値であれば十分な効果が得られる。
【0055】
又、上記実施例では、摩擦部材または緩衝部材を抑止部材側に配置したが、摩擦部材または緩衝部材は、重量体側もしくは抑止部材側と重量体側の両方に配置しても、上記実施例と同等の効果を得ることができる。
あるいは、摩擦物質や緩衝物質を抑止部材側または重量体側の接触面上に塗布したり、抑止部材または重量体それ自身を摩擦部材または緩衝部材にて構成しても上記の実施例と同じ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の衝突検知装置300の構成を示した断面図。
【図2】本発明の第1の手段による作用を示す、衝突検知装置の模式的モデル図。
【図3】本発明の第1の手段による作用を説明する、因果関係の説明図。
【図4】本発明の第2実施例の衝突検知装置400の構成を示した断面図。
【図5】本発明の第3実施例の衝突検知装置100の構成を示した断面図。
【図6】本発明の第3実施例の衝突検知装置100の作用を示した模式図。
【図7】本発明の第3実施例の衝突検知装置100の性能と従来技術による衝突検知装置900の性能とを比較する実験の結果を示すグラフ。
【図8】本発明の第4実施例の衝突検知装置200の作用を示した模式図。
【図9】本発明の第5実施例の衝突検知装置500の構成を示した断面図。
【図10】本発明の第6実施例の衝突検知装置600の構成を示した断面図。
【図11】本発明の第6実施例の衝突検知装置600の構成を示した斜視図。
【図12】本発明の第7実施例の衝突検知装置700の構成を示した断面図。
【図13】本発明の第8実施例の衝突検知装置800の構成を示した断面図。
【図14】従来技術による衝突検知装置900の構成を示した断面図。
【図15】従来技術による衝突検知装置900の作用を示した模式図。
【符号の説明】
1…重量体
2…回転軸
3…ロータ
31…第1カム
32…第2カム
4、5…接点バネ
6…抑止部材
60…緩衝部材
61…接触平面(接触面)
62…摩擦部材兼緩衝部材
7、8…出力端子
9…固定端子
10…ストッパ
11…ハウジング
12…カバー
13…ベース
14…磁性体
17…回転体
16…繊維材
18…ピストン
22…空気溜り
Claims (12)
- 偏心位置で回動可能に支持されることで受ける加速度により付勢力に抗して回動する重量体の運動に連動して一対の接点部材の接点の状態を変化させることにより、所定値以上の加速度を検知するようにした衝突検知装置において、
前記重量体の初期位置を規定し前記重量体と当接する抑止部材を備え、
前記重量体と前記抑止部材との接触面と、前記重量体の回転軸との距離は、前記重量体の重心と前記回転軸との距離よりも短いことを特徴とする衝突検知装置。 - 偏心位置で回動可能に支持されることで受ける加速度により付勢力に抗して回動する重量体の運動に連動して一対の接点部材の接点の状態を変化させることにより、所定値以上の加速度を検知するようにした衝突検知装置において、
前記重量体の初期位置を規定し前記重量体と当接する抑止部材を備え、
前記重量体と前記抑止部材との接触面と、前記重量体に最大回転トルクを付与する力の方向との角度が0°〜50°である
ことを特徴とする衝突検知装置。 - 前記接触面と、前記重量体に最大回転トルクを付与する力の方向との前記角度が6°〜35°である
ことを特徴とする請求項2に記載の衝突検知装置。 - 前記接触面上の任意の1点における接平面の法線方向は、前記加速度の方向と一致しないことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の衝突検知装置。
- 前記重量体の回転軸の軸受けは、クリアランスを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の衝突検知装置。
- 前記重量体と前記抑止部材の間の前記接触面または前記接触平面における摩擦係数は、前記重量体または前記抑止部材の前記接触面または接触平面上に摩擦部が形成されることにより、当該摩擦部が形成されない場合よりも大きくされていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の衝突検知装置。
- 前記重量体と前記抑止部材の間の前記接触面または接触平面における反発係数は、前記重量体または前記抑止部材の前記接触面または前記接触平面上に緩衝部が形成されることにより、当該緩衝部が形成されない場合よりも小さくされていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の衝突検知装置。
- 前記反発係数は、略ゼロであることを特徴とする請求項7に記載の衝突検知装置。
- 前記摩擦部または前記緩衝部は、繊維材が密に形成された集合体またはシリコン系ゲルから成ることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の衝突検知装置。
- 偏心位置で回動可能に支持されることで受ける加速度により付勢力に抗して回動する重量体の運動に連動して一対の接点部材の接点の状態を変化させることにより、所定値以上の加速度を検知するようにした衝突検知装置において、
前記重量体の全体又は磁束の貫く一部を導電性材料で形成し、前記重量体の初期位置を規定し前記重量体と当接する抑止部材と、
前記重量体の回転面の両脇でかつ前記抑止部材に近い位置に配設され前記重量体に磁束を貫通させる磁性体とを備え、
前記重量体が前記磁性体の間を通過するとき、前記重量体に渦電流を発生させ前記重量体の回転方向とは逆向きの減衰力を発生させることを特徴とする衝突検知装置。 - 偏心位置で回動可能に支持されることで受ける加速度により付勢力に抗して回動する重量体の運動に連動して一対の接点部材の接点の状態を変化させることにより、所定値以上の加速度を検知するようにした衝突検知装置において、
前記重量体の初期位置を規定し前記重量体と当接する抑止部材と、
前記重量体が前記抑止部材に当接する前に前記重量体が当接する位置に配設された回転体とを備え、
前記重量体が前記抑止部材に当接する前に前記回転体を回転させて運動エネルギーを消費させることを特徴とする衝突検知装置。 - 偏心位置で回動可能に支持されることで受ける加速度により付勢力に抗して回動する重量体の運動に連動して一対の接点部材の接点の状態を変化させることにより、所定値以上の加速度を検知するようにした衝突検知装置において、
前記重量体の初期位置を規定し前記重量体と当接する抑止部材を備え、
前記抑止部材を空気溜り又は液体溜りによるダンパで構成した
ことを特徴とする衝突検知装置。
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