JP3577568B2 - 扁平部材搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カード、ICカード等のカード、硬貨等の比較的固い材料によって形成された扁平部材を、その厚み方向を挟持するようにして搬送する扁平部材搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、磁気カードを搬送するような場合、駆動ローラと従動ローラ間に張架した無端状の駆動ベルトと、ピンチローラ間に張架した無端状の従動ベルトとを対接させ、これら両ベルト間に磁気カードの厚み方向を挟持させる。そして、駆動ベルトを走行させると駆動ベルトと磁気カードとの間の摩擦力によって、駆動ベルトにカードを搬送させる搬送力が発生し、磁気カードが走行する。このとき、駆動ベルトと磁気カードとの間に摩擦力を発生させるために、従動ローラを駆動ローラ側に押圧している。
【0003】
図4は従来の扁平部材搬送装置の概略の構成を示す正面図である。同図において、21は駆動軸22に軸着された駆動ローラ、23は軸24に回転自在に支持された従動ローラ、25はこれら駆動ローラ21と従動ローラ23間に張架された無端状の駆動ベルト、26は軸27に回転自在に支持され、駆動ベルト25に添接された添接ローラである。28はピンチローラ29,30間に張架され、前記駆動ベルト25に対接する従動ベルト、31は添接ローラ26に対向するピンチローラである。
【0004】
これら3個のピンチローラ29,30,31は軸32,34,33に回転自在に支持され、これら3本の軸32,34,33が図中矢印C−D方向に移動自在で、圧縮コイルばね35,37,36の弾発力によって、上方に付勢されている。したがって、3個のピンチローラ29,30,31は駆動ローラ21,従動ローラ23,添接ローラ26側に押圧されるので、駆動ベルト25と従動ベルト28間に挿入されたカード5と駆動ベルト25との間には所定の摩擦力が発生し、駆動ベルト25が走行すると、カード5が搬送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の扁平部材の搬送装置においては、軸32,33,34を移動自在に支持するためのブラケットや圧縮コイルばね35,36,37が必要になるため、部品点数が増加するばかりか構造が複雑になり、かつ、矢印C−D方向に装置が大型化するという問題があった。
【0006】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、第1の目的は部品点数を削減することにある。第2の目的は構造を簡素化することにある。第3の目的は装置を小型化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、互いに対接する駆動搬送手段と従動搬送手段とで扁平部材を、その厚み方向を挟持するようにして搬送する扁平部材搬送装置において、前記両搬送手段の少なくともいずれか一方をローラとし、このローラおよび前記他方の搬送手段の回転中心軸の位置を固定するとともに、前記ローラの少なくとも外周部をスポンジゴムによって形成し、少なくとも外周部をスポンジゴムによって形成した前記ローラに、このローラの周面よりもその表面が扁平部材の厚み分だけ内側に位置付けられたベルトを張架し、このベルトの表面に多数の小突起を設けたものである。
したがって、カードがローラと他方の搬送手段との間に挿入されると、ローラの外周部が弾性変形し、この弾性変形したローラによってカードが他方の搬送手段に押圧される。また、ローラのスポンジゴムが摩耗すると、ベルトの小突起と他方の搬送手段とで扁平部材を搬送する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1(a)は本発明に係る扁平部材の搬送装置の概略の構成を示す正面図、同図(b)は同図(a)におけるI(b)−I(b)線断面図である。図2は図1(a)におけるII部を拡大して示す図であって、同図(a)はカードが駆動ローラとピンチローラ間に挟持されていない状態を示し、同図(b)はカードが駆動ローラとピンチローラ間に挟持された状態を示す。図3(a)は図2(a)におけるIII−III 線断面図、同図(b)は要部の断面図である。
【0009】
図1(a)において、全体を符号1で示すものは扁平部材搬送装置としてのカード搬送装置であって、左右のケース2,3が備えられ、これら左右のケース2,3を対向させて合体させることにより、カード5を搬送するカード搬送路4が形成されている。6は一方のケース2側に回転自在に支持された駆動軸であって、図示を省略したモータを駆動源として回転され、この駆動軸6にはプラスチック製の駆動ローラ7が軸着されている。
【0010】
10は一方のケース2側に回転自在に支持された支持軸であって、この支持軸10はその位置が固定されており、この支持軸10にはプラスチック製の駆動搬送手段としての駆動ローラ11が軸着されている。図3に示すように、この駆動ローラ11の両端側の周面には、本発明の特徴であるスポンジゴムによって形成された一対の円環状の押圧リング12,12が固着され、駆動ローラ11と前記駆動ローラ7との間には駆動ベルト13が張架されている。この駆動ベルト13の表面には、図3(b)に示すように、多数の小突起13aが一体に突設されている。
【0011】
図1において、15は他方のケース3側に図中矢印A−B方向に移動自在に支持された可動軸であって、この可動軸15にはプラスチック製のピンチローラ16が軸着されている。この可動軸15はケース3側との間に弾装された圧縮コイルばね17によって矢印A方向に付勢されており、ピンチローラ16が駆動ベルト13を介して駆動ローラ7側に押圧されている。
【0012】
18は他方ケース3側に横架された固定軸であって、この固定軸18にはプラスチック製の従動搬送手段としてのピンチローラ19が、前記駆動ローラ11に対向するように軸着されている。図2(a)に示すように、このピンチローラ19の周面と前記押圧リング12の周面との間には、カード5の厚みTよりも小さい間隔B1だけ隔てた隙間20が設けられている。また、ピンチローラ19の周面と駆動ベルト13の表面との間は、カード5の厚みTと略同じ間隔B2が設けられている。
【0013】
次に、このような構成のカード搬送装置におけるカードの搬送動作を説明する。
図1において、カード搬送路4の上方からカード5が挿入されると、図示を省略したセンサによってカード5の挿入が検出され、モータ(図示せず)が駆動され駆動軸6を介して駆動ローラ7が図中時計方向に回転する。この回転によって駆動ローラ11も駆動ベルト13を介して図中時計方向に回転する。
【0014】
したがって、カード5の先端部が駆動ベルト13とピンチローラ16との間に挿入されると、カード5が駆動ベルト13とピンチローラ16とによって挟持され、図中下方に搬送され、カード5の先端部が駆動ローラ11とピンチローラ19との間に搬送される。
【0015】
ピンチローラ19の周面と押圧リング12の周面との間にカード5の厚みTよりも小さい間隔B1だけ隔てた隙間20が設けられているとともに、押圧リング12がスポンジゴムによって形成されているので、図2(b)に示すように、押圧リング12が撓んで弾性変形する。
【0016】
したがって、弾性変形した押圧リング12の弾性復元力によってカード5が押圧リング12とピンチローラ19とによって挟持され、カード5が押圧リング12に圧接されるので、押圧リング12とカード5との間にはカード5を搬送するだけの摩擦力が発生する。
【0017】
このように、カード5を搬送させるだけの摩擦力を駆動ローラ11に付与するのに、従来のようにピンチローラ19を駆動ローラ11方向に移動自在としたり、付勢手段によって駆動ローラ11側に押圧したりする必要がないので、部品点数が削減されるだけではなく構造が簡素化され、かつ小型化される。
【0018】
また、押圧リング12が内部に多数の空隙が設けられた多孔構造を有するスポンジゴムによって形成されているので、カード5の表面に付着した汚れが押圧リング12に吸収される。したがって、カード5を駆動ローラ7と駆動ローラ11との間を往復させてカード5の処理を行う場合には、カード5の汚れが他の搬送手段である駆動ベルト13の表面やピンチローラ16,19の周面に転移されることがないので、これら駆動ベルト13やピンチローラ16,19とカード5との間の摩擦力が低下することがない。
【0019】
また、処理が終了して返却されたカード5によって利用者の手が汚れるようなことがないので、サービスの向上が図られるとともに、使用済みのカードを再利用する場合にも有効である。また、押圧リング12の周面とピンチローラ19の周面との間に間隙20が設けられていることにより、カード5を搬送させていないときには、押圧リング12が無負荷状態になっているので、押圧リング12の耐久性が向上する。
【0020】
ここで、押圧リング12が摩耗し、押圧リング12の周面とピンチローラ19の周面との間の隙間20の間隔B1が、カードの厚みTに近づいた場合を説明する。この場合には、駆動ベルト13の表面とピンチローラ19の周面との間隔B2がカード5の厚みTと略同じに形成され、駆動ベルト13の表面に多数の小突起13aが設けられているので、カード5はピンチローラ19と小突起13aとによって挟持され、カード5の搬送に支障をきたすようなことがない。
【0021】
なお、本実施の形態においては、駆動搬送手段としての駆動ローラ11の外周部を押圧リング12によって覆ったが、駆動ローラ11をプラスチックによって形成し、従動搬送手段としてのピンチローラ19の外周部をスポンジゴムによって形成した押圧リングによって覆ってもよい。また、駆動ローラ11の押圧リング12に対接する部材を、ピンチローラ19ではなく搬送ベルトとしてもよい。また、ピンチローラ19を駆動側とし、駆動ローラ11をピンチローラとしてもよい。また、駆動ローラ11の外周部のみを押圧リング12によって覆ったが、駆動ローラ11全体をスポンジゴムとしてもよい。また、押圧リング12とピンチローラ19との間に間隙20を設けたが、ピンチローラ19を押圧リング12に対接させてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、部品点数が削減されるとともに、構造が簡素化され、かつ装置が小型化される。また、スポンジゴムによって、カードの汚れが吸収されるので、カードに対する搬送力の低下が防止される。また、スポンジゴムが摩耗しカードに対する搬送力が低下しても、ベルトの小突起が搬送の代用をするので、カードの搬送に支障をきたすようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明に係る扁平部材搬送装置の概略の構成を示す正面図、同図(b)は同図(a)におけるI(b)−I(b)線断面図である。
【図2】図2は図1(a)におけるII部を拡大して示す図であって、同図(a)はカードが駆動ローラとピンチローラ間に挟持されていない状態を示し、同図(b)はカードが駆動ローラとピンチローラ間に挟持された状態を示す。
【図3】同図(a)は図2(a)におけるIII−III 線断面図、同図(b)は要部の断面図である。
【図4】従来の扁平部材搬送装置の概略の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1…カード搬送装置、4…カード搬送路、5…カード、7,11…駆動ローラ、12…押圧リング、13…駆動ベルト、13a…小突起、19…ピンチローラ。
Claims (1)
- 互いに対接する駆動搬送手段と従動搬送手段とで扁平部材を、その厚み方向を挟持するようにして搬送する扁平部材搬送装置において、前記両搬送手段の少なくともいずれか一方をローラとし、このローラおよび前記他方の搬送手段の回転中心軸の位置を固定するとともに、前記ローラの少なくとも外周部をスポンジゴムによって形成し、少なくとも外周部をスポンジゴムによって形成した前記ローラに、このローラの周面よりもその表面が扁平部材の厚み分だけ内側に位置付けられたベルトを張架し、このベルトの表面に多数の小突起を設けたことを特徴とする扁平部材搬送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19715099A JP3577568B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 扁平部材搬送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19715099A JP3577568B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 扁平部材搬送装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001023009A JP2001023009A (ja) | 2001-01-26 |
JP3577568B2 true JP3577568B2 (ja) | 2004-10-13 |
Family
ID=16369608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19715099A Expired - Lifetime JP3577568B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 扁平部材搬送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3577568B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102467769A (zh) * | 2010-11-16 | 2012-05-23 | 日立欧姆龙金融系统有限公司 | 卡处理组件和自动交易处理装置 |
-
1999
- 1999-07-12 JP JP19715099A patent/JP3577568B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102467769A (zh) * | 2010-11-16 | 2012-05-23 | 日立欧姆龙金融系统有限公司 | 卡处理组件和自动交易处理装置 |
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